以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<盤面構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ機に備えられる遊技盤の正面図である。
パチンコ機1の正面上部には、遊技盤2が配置されている。また、パチンコ機1の正面下右部には、所定角度範囲内で回動可能なハンドル(図示せず)が配置され、そのハンドルの操作により、遊技球が機内から遊技盤2内に向けて発射される。遊技球の発射の勢いは、ハンドルの回転角度によって調整することができる。
遊技盤2内に向けて発射される遊技球は、遊技盤2内の上部に導かれる。遊技盤2内には、多数の障害釘(図示せず)が打たれており、遊技球は、遊技盤2内を障害釘の間を通って下方へと落下していく。遊技盤2内の最下部まで落下した遊技球は、その最下部に形成されたアウト口3から機内に回収される。
遊技盤2内の略中央部には、センタユニット4が配置されている。センタユニット4には、たとえば、カラー液晶表示器からなる演出表示装置5が備えられている。演出表示装置5には、遊技を盛り上げるための演出画像やハンドルの操作をナビゲーションするためのナビメッセージなどが表示される。
センタユニット4の下方には、第1始動口6が配置されている。
1球の遊技球が第1始動口6に入ると、予め定める個数の賞球が払い出されるとともに、大当り遊技を実行するか否かを決定するための第1特図抽選が行われる。第1特図抽選の結果は、たとえば、遊技盤2の右下部に配置された第1特図表示装置7を用いて報知される。すなわち、遊技盤2の右下部には、第1特図表示装置7が配置されており、第1特図表示装置7における図柄変動を経て(第1特図表示装置7に表示される図柄が次々と変動した後)、第1特図抽選の結果を表す第1特別図柄が第1特図表示装置7に停止して表示される。
センタユニット4の右方には、第2始動口8が配置されている。
第2始動口8に関連して、電動チューリップ(以下「電チュー」という。)9が設けられている。電チュー9は、1対の可動羽根を備えており、その1対の可動羽根が開いて、第2始動口8への遊技球の入賞を案内する開姿勢(図1に示される姿勢)と、1対の可動羽根の先端が第1始動口6の下端に近接して、第2始動口8への遊技球の入賞を阻止する閉姿勢とに変位可能である。
電チュー9が開姿勢となり、1球の遊技球が第2始動口8に入ると、予め定める個数の賞球が払い出されるとともに、大当り遊技を実行するか否かを決定するための第2特図抽選が行われる。第2特図抽選の結果は、たとえば、遊技盤2の右下部に配置された第2特図表示装置10を用いて報知される。すなわち、遊技盤2の右下部には、第2特図表示装置10が配置されており、第2特図表示装置10における図柄変動を経て(第2特図表示装置10に表示される図柄が次々と変動した後)、第2特図抽選の結果を表す第2特別図柄が第2特図表示装置10に停止して表示される。
なお、第1特図抽選および第2特図抽選の結果は、演出表示装置5に表示される演出画像によっても報知される。
第2始動口8の上方には、遊技球が通過可能な普図ゲート11が配置されている。
1球の遊技球が普図ゲート11を通過すると、電チュー9を開放するか否かを決定するための普図抽選が行われる。普図抽選の結果は、たとえば、遊技盤2の右下部に配置された普図表示装置12を用いて報知される。すなわち、遊技盤2の右下部には、普図表示装置12が配置されており、普図表示装置12における図柄変動を経て(普図表示装置12に表示される図柄が次々と変動した後)、普図抽選の結果を表す普通図柄が普図表示装置12に停止して表示される。
普図ゲート11の上方には、遊技球が通過可能な開放ゲート13が配置されている。
第1始動口6の下方には、第1大入賞口14および第2大入賞口15が上下に並べて設けられている。
第1大入賞口14および第2大入賞口15は、それぞれ左右に長い矩形状の開口として形成されている。第1大入賞口14および第2大入賞口15に関連して、それぞれ第1開閉板16および第2開閉板17が設けられている。第1開閉板16および第2開閉板17は、遊技盤2の盤面に沿った姿勢で、それぞれ第1大入賞口14および第2大入賞口15を閉塞し、手前側に傾倒した姿勢で、それぞれ第1大入賞口14および第2大入賞口15を開放する。そして、第1開閉板16および第2開閉板17は、手前側に傾倒した姿勢で、それぞれ第1大入賞口14および第2大入賞口15に遊技球を案内する。
図2は、第1大入賞口内の構成を図解的に示す平面図である。
第1開閉板16の内面21の下端部(下端縁に沿った部分)を除く部分には、複数本の突条22が形成されている。突条22は、微小な高さを有し、上下方向(第1開閉板16が傾倒した姿勢での内面21の傾斜方向)に延び、左右方向に等間隔を空けて設けられている。互いに隣り合う突条22の間は、遊技球が通過する通路23となっている。
第1開閉板16の内面21の下方には、中央の1本の通路23と左右方向に同じ位置に、確変移行ゾーン24が設けられている。確変移行ゾーン24は、たとえば、中央の1本の通路23とほぼ同じ幅に形成されている。
また、第1開閉板16の内面21の下方において、確変移行ゾーン24の左方および右方には、それぞれラウンド継続ゾーン25が設けられている。ラウンド継続ゾーン25は、たとえば、2本の通路23の合計幅以上の幅に形成されている。
第1開閉板16の内面21上に導かれた遊技球は、いずれかの通路23を通過して、内面21の下端部上を通路23に沿う方向に転動し、内面21の下端から機内に落下する。確変移行ゾーン24の上方に位置する通路23を通過した遊技球は、内面21から機内に落下する途中、確変移行ゾーン24を通過する。また、ラウンド継続ゾーン25の上方に位置する通路23を通過した遊技球は、内面21から機内に落下する途中、ラウンド継続ゾーン25を通過する。内面21の構成、確変移行ゾーン24の位置およびサイズならびにラウンド継続ゾーン25の位置およびサイズなど、第1大入賞口14の各部の設計により、第1大入賞口14内に入った遊技球は、約1%の確率で確変移行ゾーン24を通過し、約95%の確率でラウンド継続ゾーン25を通過する。
図3は、第2大入賞口内の構成を図解的に示す正面図である。
第2開閉板17の内面31の下端部(下端縁に沿った部分)を除く部分には、複数本の突条32が形成されている。突条32は、微小な高さを有し、上下方向(第2開閉板17が傾倒した姿勢での内面31の傾斜方向)に延び、左右方向に等間隔を空けて設けられている。互いに隣り合う突条32の間は、遊技球が通過する通路33となっている。また、内面31の下端部の上面には、その左側部分および右側部分に、それぞれ左右方向の中央部に近づくほど内面31の下端縁に近づくように傾斜した傾斜突条34が形成されている。左右の傾斜突条34の下端部の間には、1球の遊技球が通過可能な間隔が空けられている。
第2開閉板17の内面31の下方には、左右の傾斜突条34の間と左右方向に同じ位置に、確変移行ゾーン35が設けられている。確変移行ゾーン35は、左右の傾斜突条34の間の間隔とほぼ同じ幅に形成されている。
また、確変移行ゾーン35の下方には、ラウンド継続ゾーン36が設けられている。ラウンド継続ゾーン36は、確変移行ゾーン35と同じ幅に形成されている。
第2開閉板17の内面31上に導かれたほとんどの遊技球は、最終的にいずれかの通路33を通過して、傾斜板21の下端部上を通路23に沿う方向に転動し、傾斜突条34に案内されて、左右の傾斜突条34の間から機内に落下する。この落下の途中、遊技球は、確変移行ゾーン35およびラウンド継続ゾーン36を連続して通過する。第2大入賞口15内に入った遊技球は、100%の確率で確変移行ゾーン35およびラウンド継続ゾーン36を通過する。
<電気的構成>
図4は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機1は、主制御部41と、演出制御部42などの副制御部とを備えている。主制御部41と演出制御部42を含む副制御部とは、主制御部41から演出制御部42への一方向に信号を送信可能な信号線を介して接続されている。
主制御部41には、CPU43、ROM44およびRAM45を含むマイクロコンピュータが備えられている。ROM44には、各種プログラムが格納されている。RAM45には、第1特図保留記憶領域46、第2特図保留記憶領域47および普図保留記憶領域48が設定されている。
また、パチンコ機1には、遊技球が第1始動口6に入賞したことに応答して検出信号を出力する第1始動口センサ51と、遊技球が第2始動口8に入賞したことに応答して検出信号を出力する第2始動口センサ52と、遊技球が普図ゲート11を通過したことに応答して検出信号を出力する普図ゲートセンサ53と、遊技球が開放ゲート13を通過したことに応答して検出信号を出力する開放ゲートセンサ54と、遊技球が第1大入賞口14に入賞したことに応答して検出信号を出力する第1大入賞口センサ55と、遊技球が第1大入賞口14内の確変移行ゾーン24を通過したことに応答して検出信号を出力する第1確変Vセンサ56と、遊技球が第1大入賞口14内のラウンド継続ゾーン25を通過したことに応答して検出信号を出力する第1継続Vセンサ57と、遊技球が第2大入賞口15に入賞したことに応答して検出信号を出力する第2大入賞口センサ58と、遊技球が第2大入賞口15内の確変移行ゾーン35を通過したことに応答して検出信号を出力する第2確変Vセンサ59と、遊技球が第2大入賞口15内のラウンド継続ゾーン36を通過したことに応答して検出信号を出力する第2継続Vセンサ60とが備えられている。第1始動口センサ51、第2始動口センサ52、普図ゲートセンサ53、開放ゲートセンサ54、第1大入賞口センサ55、第1確変Vセンサ56、第1継続Vセンサ57、第2大入賞口センサ58、第2確変Vセンサ59および第2継続Vセンサ60の検出信号は、主制御部41に入力されるようになっている。
主制御部41には、制御対象として、第1特図表示装置7、第2特図表示装置10、普図表示装置12、第1特図表示装置7への第1特別図柄の表示の保留数(第1特図保留記憶領域46に記憶されている特別図柄乱数の数。以下「第1特図保留数」という。)を表示する第1特図保留表示部61、第2特図表示装置10への第2特別図柄の表示の保留数(第2特図保留記憶領域47に記憶されている特別図柄乱数の数。以下「第2特図保留数」という。)を表示する第2特図保留表示部62、普図表示装置12への普通図柄の表示の保留数(普図保留記憶領域48に記憶されている普通図柄乱数の数。以下「普図保留数」という。)を表示する普図保留表示部63、第1開閉板16を開閉駆動する第1開閉板駆動部64、第2開閉板17を開閉駆動する第2開閉板駆動部65および電チュー9を開閉駆動する電チュー駆動部66が接続されている。
第1特図保留表示部61、第2特図保留表示部62および普図保留表示部63は、たとえば、それぞれ4個のLEDランプからなる。
第1開閉板駆動部64、第2開閉板駆動部65および電チュー駆動部66は、それぞれソレノイドなどを含む。
演出制御部42には、CPU71、ROM72およびRAM73を含むマイクロコンピュータが備えられている。
演出制御部42には、演出表示装置5およびスピーカ(図示せず)が接続されている。演出制御部42は、主制御部41からのコマンドに基づいて、演出表示装置5およびスピーカを制御し、演出表示装置5に演出画像などを表示させるとともに、スピーカから遊技を盛り上げるための効果音を出力させる。
図5は、主制御部が実質的に有する機能処理部を示す図である。
主制御部41は、CPU43によるプログラム処理によってソフトウエア的に実現される機能処理部として、第1特図乱数取得部81、第2特図乱数取得部82、普図乱数取得部83、特図乱数判定部84、普図乱数判定部85、大当り図柄判定部86、大当り遊技実行部87、開放パターン設定部88、次ラウンド許可部90、確変/通常モード設定部91および時短/非時短モード設定部92を実質的に有している。
<第1特図乱数取得部>
図6は、第1特図乱数取得部によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
遊技球が第1始動口6に入賞し、第1始動口センサ51から主制御部41に検出信号が入力されると(ステップS1のYES)、第1特図乱数取得部81により、第1特図保留記憶領域46に記憶されている特別図柄乱数の数(第1特図保留数)が4であるか否かが調べられる(ステップS2)。
第1特図保留数が4未満である場合(ステップS2のNO)、第1特図乱数取得部81により、特別図柄乱数が取得され(ステップS3)、その取得した特別図柄乱数が第1特図保留記憶領域46に格納される(ステップS4)。
一方、第1特図保留数が4である場合(ステップS2のYES)、特別図柄乱数は取得されない。
特別図柄乱数は、主制御部41のCPU43が内蔵する乱数発生器によって極短周期(たとえば、33μsec周期)で更新されるハード乱数である。
第1特図保留記憶領域46に特別図柄乱数が格納されると、これに応答して、第1特図保留表示部61に表示される第1特図保留数が更新(たとえば、1個のLEDランプが追加して点灯)される。
<第2特図乱数取得部>
図7は、第2特図乱数取得部によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
遊技球が第2始動口8に入賞し、第2始動口センサ52から主制御部41に検出信号が入力されると(ステップS11のYES)、第2特図乱数取得部82により、第2特図保留記憶領域47に記憶されている特別図柄乱数の数(第2特図保留数)が4であるか否かが調べられる(ステップS12)。
第2特図保留数が4未満である場合(ステップS12のNO)、第2特図乱数取得部82により、特別図柄乱数が取得され(ステップS13)、その取得した特別図柄乱数が第2特図保留記憶領域47に格納される(ステップS14)。
一方、第2特図保留数が4である場合(ステップS12のYES)、特別図柄乱数は取得されない。
第2特図保留記憶領域47に特別図柄乱数が格納されると、これに応答して、第2特図保留表示部62に表示される第2特図保留数が更新(たとえば、1個のLEDランプが追加して点灯)される。
<普図乱数取得部>
図8は、普図乱数取得部によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
遊技球が普図ゲート11を通過し、普図ゲートセンサ53から主制御部41に検出信号が入力されると(ステップS21のYES)、普図乱数取得部83により、普図保留記憶領域48に記憶されている普通図柄乱数の数(普図保留数)が4であるか否かが調べられる(ステップS22)。
普図保留記憶領域48に記憶されている普通図柄乱数の数が4未満である場合(ステップS22のNO)、普図乱数取得部83により、普通図柄乱数が取得され(ステップS23)、その取得した普通図柄乱数が普図保留記憶領域48に格納される(ステップS24)。
一方、普図保留記憶領域48に記憶されている普通図柄乱数の数が4である場合(ステップS22のYES)、普通図柄乱数は取得されない。
普通図柄乱数は、主制御部41において実行されるプログラム内で更新されるカウンタ型のソフト乱数である。
普図保留記憶領域48に普通図柄乱数が格納されると、これに応答して、普図保留表示部63に表示される普図保留数が更新(たとえば、1個のLEDランプが追加して点灯)される。
<特図乱数判定部>
図9は、特図乱数判定部によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
特図表示装置7に第1特別図柄が表示されるか、または、第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示された後、特図乱数判定部84により、第1特図保留記憶領域46および第2特図保留記憶領域47に特別図柄乱数が記憶されているか否か(第1特図保留および第2特図保留の有無)が繰り返し調べられる。
第2特図保留記憶領域47に特別図柄乱数が記憶されておらず、かつ、第1特図保留記憶領域46に特別図柄乱数が記憶されていれば、特図乱数判定部84により、第1特図保留記憶領域46から1つの特別図柄乱数が読み出される。第1特図保留記憶領域46に複数の特別図柄乱数が記憶されている場合、最も先に第1特図保留記憶領域46に格納された特別図柄乱数が読み出される。第1特図保留記憶領域46から特別図柄乱数が読み出されると、これに応答して、第1特図保留表示部61に表示される第1特図保留数が更新(たとえば、1個のLEDランプが消灯)される。
また、第2特図保留記憶領域47に特別図柄乱数が記憶されている場合には、特図乱数判定部84により、第2特図保留記憶領域47から1つの特別図柄乱数が読み出される。第2特図保留記憶領域47に複数の特別図柄乱数が記憶されている場合、最も先に第2特図保留記憶領域47に格納された特別図柄乱数が読み出される。第2特図保留記憶領域47から特別図柄乱数が読み出されると、これに応答して、第2特図保留表示部62に表示される第2特図保留数が更新(たとえば、1個のLEDランプが消灯)される。
その後、特図乱数判定部84により、第1特図保留記憶領域46または第2特図保留記憶領域47から読み出された特別図柄乱数の値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判定される。
具体的には、後述する確変モードが設定さているか否かが調べられる(ステップS31)。
確変モードが設定されている場合には(ステップS31のYES)、ROM44に記憶されている確変モード用判定値テーブルが参照される(ステップS32)。そして、第1特図保留記憶領域46または第2特図保留記憶領域47から読み出された特別図柄乱数の値がその確変モード用判定値テーブルに格納されている大当り判定値のいずれかと一致するか否かが判定される(ステップS33)。
一方、確変モードが設定されていない場合、つまり後述する通常モードが設定されている場合には(ステップS31のNO)、ROM44に記憶されている通常モード用判定値テーブルが参照される(ステップS35)。そして、第1特図保留記憶領域46または第2特図保留記憶領域47から読み出された特別図柄乱数の値がその通常モード用判定値テーブルに格納されている大当り判定値のいずれかと一致するか否かが判定される(ステップS33)。
特別図柄乱数の値が大当り判定値と一致した場合(ステップS33のYES)、第1特図抽選または第2特図抽選の結果が大当りと判定され、大当り遊技の実行が決定される(ステップS35)。そして、第1特図抽選の結果が大当りと判定された場合には、第1特図表示装置7における図柄変動の後、大当りを表す第1特別図柄が第1特図表示装置7に停止して表示される。また、第2特図抽選の結果が大当りと判定された場合には、第2特図表示装置10における図柄変動の後、大当りを表す第2特別図柄が第2特図表示装置10に停止して表示される。
一方、特別図柄乱数の値が大当り判定値と一致しない場合(ステップS33のNO)、第1特図抽選または第2特図抽選の結果がはずれと判定され、大当り遊技は実行されない。第1特図抽選の結果がはずれと判定された場合には、第1特図表示装置7における図柄変動の後、はずれを表す第1特別図柄が第1特図表示装置7に停止して表示される。また、第2特図抽選の結果がはずれと判定された場合には、第2特図表示装置10における図柄変動の後、はずれを表す第2特別図柄が第2特図表示装置10に停止して表示される。
たとえば、確変モード用判定値テーブルは、特別図柄乱数の値と大当り判定値とが一致する確率、つまり第1特図抽選および第2特図抽選で大当りが出る確率(第1特図抽選および第2特図抽選での大当り確率)が1/70となるように作成され、通常モード用判定値テーブルは、特別図柄乱数の値と大当り判定値とが一致する確率が1/210となるように作成されている。これにより、確変モード時の大当り確率は、1/70である。また、通常モード時の大当り確率は、確変モード時の大当り確率よりも低く、1/210である。
<普図乱数判定部>
図10は、普図乱数判定部によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
普図表示装置12に普通図柄が表示された後、普図乱数判定部85により、普図保留記憶領域48に普通図柄乱数が記憶されているか否か(普図保留の有無)が繰り返し調べられる(ステップS41)。
普図保留がある場合(ステップS41のYES)、普図乱数判定部85により、普図保留記憶領域48から1つの普通図柄乱数が読み出される(ステップS42)。普図保留記憶領域48に複数の普通図柄乱数が記憶されている場合、最も先に普図保留記憶領域48に格納された普通図柄乱数が読み出される。
普図保留記憶領域48から普通図柄乱数が読み出されると、これに応答して、普図保留表示部63に表示される普図保留数が更新(たとえば、1個のLEDランプが消灯)される。
そして、普図乱数判定部85により、普図保留記憶領域48から読み出した普通図柄乱数の値が予め定められた普通当り判定値と一致するか否かが判定される(ステップS43)。
普通図柄乱数の値が普通当り判定値と一致した場合(ステップS43のYES)、普図抽選の結果が当りと判定されて、電チュー9の開放が決定される(ステップS44)。そして、普図表示装置12における図柄変動の後、その当りを表す普通図柄が普図表示装置12に停止して表示される。その後、電チュー駆動部45が制御されて、電チュー9が所定時間だけ開姿勢にされる。
一方、普通図柄乱数の値が普通当り判定値と一致しない場合(ステップS43のNO)、普図抽選の結果がはずれと判定され、電チュー9の閉姿勢が保持される。この場合、普図表示装置12における図柄変動の後、はずれを表す普通図柄が普図表示装置12に停止して表示される。
なお、後述する時短モードの設定中に用いられる普通当り判定値の数は、後述する非時短モードの設定中に用いられる普通当り判定値の数より多い。これにより、時短モードの設定中は、普図抽選で当りが出る確率(普通図柄乱数の値が普通当り判定値と一致する確率)が相対的に高く(たとえば、9998/10000)、非時短モードの設定中は、普図抽選で当りが出る確率が相対的に低い(たとえば、1000/10000)。
また、電チュー9の1回の開放時間(開姿勢が保持される所定時間)は、時短モードの設定中と非時短モードの設定中とで異なる。時短モードの設定中は、たとえば、電チュー9が5秒間開放される。一方、非時短モードの設定中は、たとえば、電チュー9が2秒間開放される。
<大当り図柄判定部>
第1特図抽選の大当りとして、16種類の大当りがある。第1特図抽選の大当りの種類により、第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が異なる。すなわち、16種類の大当りと第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄である大当り図柄1〜16とが1対1で対応づけられている。
一方、第2特図抽選の大当りは、1種類のみであり、その大当りを表す第2特別図柄は、大当り図柄17のみである。
第1特図抽選または第2特図抽選で大当りが出ると(特図乱数判定部84により、第1特図抽選または第2特図抽選の結果が大当りと判定されると)、大当り図柄判定部86により、第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄1〜16のいずれであるか、または、第2特図表示装置10に大当り図柄17が表示されるか否かが判定される。
<大当り遊技制御部>
第1特図抽選または第2特図抽選で大当りが出ると、大当り遊技が実行される。
大当り遊技では、大当り遊技実行部87により、第1開閉板駆動部64または第2開閉板駆動部65が制御されて、第1大入賞口14または第2大入賞口15が開放される。第1大入賞口14または第2大入賞口15が開放されてから、28秒間が経過するか、または、第1大入賞口14または第2大入賞口15に8個の遊技球が入賞すると、第1大入賞口14または第2大入賞口15が閉じられる。第1大入賞口14または第2大入賞口15が開かれてから閉じられるまでの動作を1ラウンドとして、この動作が最大で16回(第16ラウンドまで)繰り返される。第2ラウンドは、無条件で行われる。第3ラウンド以降は、次ラウンド許可部90による許可が条件で行われる。
<開放パターン設定部>
図11,12は、第1大入賞口および第2大入賞口の開放パターンの設定に用いられる設定テーブルである。
主制御部41のROM44には、図11に示される設定テーブルT1および図12に示される設定テーブルT2が格納されている。設定テーブルT1には、各大当り図柄1〜16に対応づけて、第1大入賞口14および第2大入賞口15の開放パターンが記憶されている。設定テーブルT2には、大当り図柄17に対応づけて、第1大入賞口14および第2大入賞口15の開放パターンが記憶されている。
第1特図抽選で大当りが出た場合、開放パターン設定部88により、図11に示される設定テーブルT1が参照されて、大当り図柄判定部86によって判定された大当り図柄1〜16に基づいて、その大当りに対する大当り遊技での第1大入賞口14および第2大入賞口15の開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄1であると判定された場合、第1〜15ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第16ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄2であると判定された場合、第1〜14ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第15,16ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄3であると判定された場合、第1〜13ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第14〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄4であると判定された場合、第1〜12ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第13〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄5であると判定された場合、第1〜11ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第12〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄6であると判定された場合、第1〜10ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第11〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄7であると判定された場合、第1〜9ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第10〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄8であると判定された場合、第1〜8ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第9〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄9であると判定された場合、第1〜7ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第8〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄10であると判定された場合、第1〜6ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第7〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄11であると判定された場合、第1〜5ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第6〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄12であると判定された場合、第1〜4ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第5〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄13であると判定された場合、第1〜3ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第4〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄14であると判定された場合、第1,2ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第3〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄15であると判定された場合、第1ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第2〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄16であると判定された場合、第1〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第2特図抽選で大当りが出た場合、開放パターン設定部88により、図12に示される設定テーブルT2が参照され、大当り図柄17に対応づけて記憶されている第1大入賞口14および第2大入賞口15の開放パターンが設定される。すなわち、第1大入賞口14は開かれず、第1〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
<次ラウンド許可部>
図13は、次ラウンド許可部によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
第1大入賞口14が開放されると(ステップS51のYES)、次ラウンド許可部90により、その開放中、第1継続Vセンサ57の出力が常に監視される。そして、第1継続Vセンサ57の出力に基づいて、遊技球が第1大入賞口14内のラウンド継続ゾーン25を通過したか否かが繰り返し調べられる。
第1大入賞口14の開放中に遊技球がラウンド継続ゾーン25を通過した場合には(ステップS52のYES)、次ラウンド許可部90により、大当り遊技の次ラウンドの実行が許可される(ステップS53)。
一方、遊技球がラウンド継続ゾーン25を通過しないまま、第1大入賞口14が閉じられると(ステップS52のNO)、次ラウンドの実行が許可されず、大当り遊技が終了する。
また、第2大入賞口15が開放された場合には(ステップS54のYES)、次ラウンド許可部90により、その開放中、第2継続Vセンサ60の出力が常に監視される。そして、第2継続Vセンサ60の出力に基づいて、遊技球が第2大入賞口15内のラウンド継続ゾーン36を通過したか否かが繰り返し調べられる。
第1大入賞口14の開放中に遊技球がラウンド継続ゾーン36を通過した場合には(ステップS55のYES)、次ラウンド許可部90により、大当り遊技の次ラウンドの実行が許可される(ステップS53)。
一方、遊技球がラウンド継続ゾーン36を通過しないまま、第1大入賞口14が閉じられると(ステップS55のNO)、次ラウンドの実行が許可されず、大当り遊技が終了する。
<確変/通常モード設定部>
図14は、確変/通常モード設定部によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
第1大入賞口14が開放されると(ステップS61のYES)、確変/通常モード設定部91により、その開放中、第1確変Vセンサ56の出力が監視される。そして、第1確変Vセンサ56の出力に基づいて、遊技球が第1大入賞口14内の確変移行ゾーン24を通過したか否かが繰り返し調べられる。
第1大入賞口14の開放中に遊技球が確変移行ゾーン24を通過した場合には(ステップS62のYES)、確変/通常モード設定部91により、RAM45に設けられた確変移行フラグに1がセットされる(ステップS63)。確変移行フラグは、この処理の開始時に0にリセットされている。
その後、大当り遊技が終了か否かが判定される(ステップS64)。大当り遊技が終了でなければ、第1大入賞口14または第2大入賞口15が開放されたか否かが調べられる(ステップS61,S65)。
第2大入賞口15が開放された場合には(ステップS65のYES)、確変/通常モード設定部91により、その開放中、第2確変Vセンサ59の出力が監視される。そして、第2確変Vセンサ59の出力に基づいて、遊技球が第2大入賞口15内の確変移行ゾーン35を通過したか否かが繰り返し調べられる。
第2大入賞口15の開放中に遊技球が確変移行ゾーン35を通過した場合には(ステップS66のYES)、確変/通常モード設定部91により、RAM45に設けられた確変移行フラグに1がセットされる(ステップS63)。
その後、大当り遊技が終了か否かが判定される(ステップS64)。大当り遊技が終了でなければ、第1大入賞口14または第2大入賞口15が開放されたか否かが再び調べられる(ステップS61,S65)。
大当り遊技が終了すると(ステップS64のYES)、確変/通常モード設定部91により、確変移行フラグに1がセットされているか否かが調べられる(ステップS67)。
確変移行フラグに1がセットされていれば(ステップS67のYES)、確変/通常モード設定部91により、第1特図抽選および第2特図抽選での大当り確率が相対的に高い確変モードが設定される(ステップS68)。
確変モードは、大当り遊技の終了後、第1特図表示装置7に第1特別図柄が表示された回数および第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示された回数の合計が予め定める確変回数に達するまで継続する(ステップS69)。
確変モードが終了すると(ステップS69のYES)、確変/通常モード設定部91により、第1特図抽選および第2特図抽選での大当り確率が相対的に低い通常モードが設定される(ステップS70)。
また、確変移行フラグに1がセットされていない場合、つまり大当り遊技の終了後の確変移行フラグの状態が0である場合(ステップS67のNO)、大当り遊技の終了後直ちに、通常モードが設定される。
確変回数は、たとえば、100回に設定されている。
<時短/非時短モード設定部>
また、大当り遊技の終了後、確変モードが設定される場合には、時短/非時短モード設定部92により、時短モードが設定される。時短モードは、大当り遊技の終了後、第1特図表示装置7に第1特別図柄が表示された回数および第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示された回数の合計が予め定める時短回数に達するまで継続する。
時短モードの終了後は、時短/非時短モード設定部92により、非時短モードが設定される。
前述したように、時短モード時は、普図抽選で当りが出る確率が相対的に高く、非時短モード時は、普図抽選で当りが出る確率が相対的に低い。そのため、時短モード時は、電チュー9が相対的に高頻度で開閉し、第2始動口8への遊技球の入賞が相対的に容易である。したがって、時短モードは、第2始動口8への遊技球の入賞が相対的に容易となる態様で電チュー9が動作するモードであると言える。これに対し、非時短モード時は、電チュー9が相対的に低頻度で開閉し、第2始動口8への遊技球の入賞が相対的に困難である。したがって、非時短モードは、第2始動口8への遊技球の入賞が相対的に困難となる態様で電チュー9が動作するモードであると言える。
時短回数は、たとえば、100回に設定されている。
<パチンコ遊技>
パチンコ機1では、電源が投入されると、通常モードおよび非時短モードが設定される。すなわち、パチンコ機1では、電源投入直後のモード設定状態は、通常・非時短状態である。通常・非時短状態では、通常遊技が行われる。
通常遊技では、遊技者は、遊技球が遊技盤2内のセンタユニット4の左側に到達するようにハンドルの回動角度を調整する、いわゆる左打ちを行う。左打ちが行われると、ゲージ構成により、遊技球の一部は、センタユニット4の左側から第1始動口6に向かって落下する。
遊技球が第1始動口6に入賞すると、第1特図抽選が行われ、その第1特図抽選の結果を表す第1特別図柄が第1特図表示装置7に表示される。また、第1特図抽選の結果を表す演出画像(図柄)が演出表示装置5に表示される。
通常遊技が進み、第1特図抽選で大当りが出ると、その大当りを表す第1特別図柄(大当り図柄)が第1特図表示装置7に表示されるとともに、大当りを表す演出画像が演出表示装置5に表示される。また、大当り遊技の開始に先立ち、ハンドルを最大限に回動させる、いわゆる右打ちを遊技者に促すため、たとえば、「右打ちしろ!」というナビメッセージが演出表示装置5に表示される。
右打ちが行われると、遊技球は、センタユニット4の右側を落下する。ゲージ構成により、センタユニット4の右側を落下する遊技球の一部は、開放ゲート13および普図ゲート11を連続して通過する。
開放ゲート13を遊技球が通過すると、大当り遊技が開始される。
以下では、一例として、第1特図表示装置7に大当り図柄1が表示された場合を想定する。
大当り遊技の開始時には、たとえば、「16ラウンドまで完走すれば確変確定だ!」または「ゴールまで完走すれば確変確定だ!」というナビメッセージが演出表示装置5に表示される。
そして、大当り遊技では、第1大入賞口14が最小で2回開放される。また、第2ラウンド以降の各ラウンドで、第1大入賞口14内のラウンド継続ゾーン25を遊技球が通過すると、第1大入賞口14が最大で15回開放される(図11参照)。そして、第15ラウンドで第1大入賞口14内のラウンド継続ゾーン25を遊技球が通過すると、第16ラウンドでは、第2大入賞口15が開放される。
図15は、大当り遊技のラウンド継続率および各ラウンドにおける確変突入期待度を示す表である。
たとえ第1ラウンドで第1大入賞口14内のラウンド継続ゾーン25を遊技球が通過しなくても、第2ラウンドが必ず実行され、第1大入賞口14が開放される。したがって、第1ラウンドから第2ラウンドへのラウンド継続率は、100%である。第3ラウンド以降は、その前のラウンドで第1大入賞口14内のラウンド継続ゾーン25を遊技球が通過したことを条件に第1大入賞口14が開放される。第1大入賞口14内に入った遊技球が約95%の確率でラウンド継続ゾーン25を通過するように、第1大入賞口14が設計されているので、第2ラウンド以降、次のラウンドへのラウンド継続率は、95%である。
また、第1大入賞口14内に入った遊技球が約1%の確率で確変移行ゾーン24を通過するように、第1大入賞口14が設計されているので、第1〜15ラウンドまでの各ラウンドでの確変突入期待度は、1%である。これに対し、第2大入賞口15内に入った遊技球が100%の確率で確変移行ゾーン35およびラウンド継続ゾーン36を通過するように、第2大入賞口15が設計されているので、第16ラウンドでの確変突入期待度は、100%である。そのため、最終の第16ラウンドに近づくにつれて、遊技者は、確変モード突入確定への期待を高める。
大当り遊技中は、非時短モードが設定されているため、普図抽選で当りが出る確率が相対的に低い。また、非時短モードの設定中は、電チュー9の1回の開放時間が相対的に短い。しかしながら、非時短モードの設定中に普図抽選での当りが出る確率は、たとえば、1000/10000に設定されており、また、電チュー9の1回の開放時間は、たとえば、2秒間に設定されているので、大当り遊技中に、数個の遊技球が第2始動口8に入賞する。その結果、通常は、大当り遊技中に、数個の第2特図保留を得ることができる。
大当り遊技の終了後は、確変モードおよび時短モードが設定される。時短モードが設定されている間、遊技者は、右打ちを行う。
センタユニット4の右側を落下する遊技球が普図ゲート11を通過すると、普図抽選が行われる。時短モードにおける普図抽選では、高確率で当りが出るので、電チュー9が高頻度で開閉し、第2始動口8に遊技球が頻繁に入賞する。したがって、時短モードでは、通常、第2特図保留が1以上ある状態が続き、第2特図抽選が繰り返し行われて、第2特図抽選の結果を表す第2特別図柄が第2特図表示装置10に次々と表示される。
確変モードおよび時短モードは、第1特図表示装置7に第1特別図柄が表示された回数および第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示された回数の合計が100回に達するまで(通常は、第2特図表示装置10に第2特別図柄が100回表示されるまで)継続する。
確変モードおよび時短モードが設定されている確変・時短状態での第2特図抽選で大当りが出た場合、その大当りに対する大当り遊技では、第1〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開放される。第2大入賞口15内に入った遊技球は、100%の確率で確変移行ゾーン35を通過するので、その大当り遊技の終了後は、確変・時短状態に再び突入する。
一方、第2特図抽選で大当りが出ることなく、第1特図表示装置7に第1特別図柄が表示された回数および第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示された回数の合計が100回に達すると、確変モードおよび時短モードが終了し、通常モードおよび非時短モードに移行する(通常・非時短状態となる)。非時短モードでは、遊技者は、左打ちを行い、第1始動口6への遊技球の入球を狙う。
以下では、他の例として、第1特図表示装置7に大当り図柄9が表示された場合を想定する。
大当り遊技の開始時には、たとえば、「16ラウンドまで完走すれば確変確定だ!」または「ゴールまで完走すれば確変確定だ!」というナビメッセージが演出表示装置5に表示される。
そして、大当り遊技では、第1大入賞口14が最小で2回開放される。また、第2ラウンド以降の各ラウンドで、第1大入賞口14内のラウンド継続ゾーン25を遊技球が通過すると、第1大入賞口14が最大で7回開放される(図11参照)。第7ラウンドに到達すると、たとえば、「このラウンドを突破すれば確変確定だ!」というナビメッセージが演出表示装置5に表示される。そして、第7ラウンドで第1大入賞口14内のラウンド継続ゾーン25を遊技球が通過すると、第8ラウンドでは、第2大入賞口15が開放される。第9ラウンド以降の各ラウンドでは、第2大入賞口15が開放される。
大当り遊技の終了後は、確変モードおよび時短モードが設定される。確変モードおよび時短モードは、第1特図表示装置7に第1特別図柄が表示された回数および第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示された回数の合計が100回に達するまで(通常は、第2特図表示装置10に第2特別図柄が100回表示されるまで)継続する。
確変モードおよび時短モードが設定されている確変・時短状態での第2特図抽選で大当りが出た場合、その大当りに対する大当り遊技では、第1〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開放される。第2大入賞口15内に入った遊技球は、100%の確率で確変移行ゾーン35を通過するので、その大当り遊技の終了後は、確変・時短状態に再び突入する。
一方、第2特図抽選で大当りが出ることなく、第1特図表示装置7に第1特別図柄が表示された回数および第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示された回数の合計が100回に達すると、確変モードおよび時短モードが終了し、通常モードおよび非時短モードに移行する(通常・非時短状態となる)。
<作用効果>
このパチンコ機1では、第1始動口6または第2始動口8への遊技球の入賞を契機に、大当り抽選が行われる。大当り抽選で大当りが出ると、大当り遊技が実行される。大当り遊技では、第1大入賞口14または第2大入賞口15が所定期間にわたって開放される動作を1ラウンドとして、当該動作が最大16回繰り返される。
第1大入賞口14および第2大入賞口15には、それぞれラウンド継続ゾーン25,36が設けられている。第1大入賞口14または第2大入賞口15が開放されて、ラウンド継続ゾーン25,36に遊技球が入球すると、次ラウンドの動作が許可される。この場合、第1大入賞口14または第2大入賞口15が閉じられた後、次ラウンドに移行し、第1大入賞口14または第2大入賞口15が再び開放される。
また、第1大入賞口14および第2大入賞口15には、確変移行ゾーン24,35が設けられている。第1大入賞口14または第2大入賞口15が開放されて、確変移行ゾーン24,35に遊技球が入球すると、大当り遊技の終了後に、大当り抽選で大当りの出る確率が相対的に高い確変モードが設定される。一方、確変移行ゾーン24,35に遊技球が入球せずに、大当り遊技が終了した場合には、その後、大当り抽選で大当りの出る確率が相対的に低い通常モードが設定される。
したがって、大当り遊技の開始時点では、大当り遊技の終了後に確変モードおよび通常モードのいずれに突入するか不明である。そのため、遊技者は、確変モード突入(設定)への期待を抱きながら大当り遊技を楽しむことができる。よって、大当り遊技の開始前から遊技者の遊技に対するモチベーションが低下することを防止できる。
また、大当り遊技において、第2大入賞口15が開放されるラウンド(所定ラウンド)に到達すると、確変移行ゾーンに遊技球が入球する確率がアップする。
第2大入賞口15が開放される最初のラウンドに到達するためには、そのラウンドの1つ手前のラウンドまでの各ラウンドで、第1大入賞口14内のラウンド継続ゾーン25に遊技球を入球させる必要がある。そのため、確変モードに突入するか否かの決定に遊技者の技量が反映される。その結果、興趣に富んだ遊技性を創出することができる。
そして、第2大入賞口15が開放される最初のラウンドに到達するまでの間、大当り遊技(ラウンド)が継続するかどうか(いわゆるパンク終了しないかどうか)のドキドキ感を遊技者に与えることができながら、第2大入賞口15が開放されるラウンドに近づくにつれて、確変モード突入の決定への遊技者の期待を高めることができる。そして、第2大入賞口15が開放されるラウンドに到達し、確変モード突入が決定した後もなお、最終の16ラウンドまで大当り遊技が継続するかどうかのドキドキ感を遊技者に与えることができる。よって、大当り遊技中、ドキドキ感を遊技者に終始与えることができ、遊技者を興奮させることができる。
大当り抽選の結果は、第1特図表示装置7または第2特図表示装置10にその大当り抽選の結果を表す特別図柄が表示されることによって報知される。大当り抽選の結果が大当りであることを表す特別図柄である大当り図柄1〜17と対応づけて、第2大入賞口15が開放されるラウンドが決められている。
第1大入賞口14および第2大入賞口15は、第1大入賞口14の確変移行ゾーン24への遊技球の入球が第2大入賞口15の確変移行ゾーン35への遊技球の入球よりも困難であるように設計されている。
これにより、第1大入賞口14が開放されるラウンドが継続している間に、第1大入賞口14の確変移行ゾーン24に遊技球が入球して、大当り遊技後の確変モードへの突入が確定する可能性がある。しかしながら、その可能性は高くはないので、遊技者に、第1大入賞口14の確変移行ゾーン35への遊技球の入球による確変モード突入の決定に若干の期待感を持たせながら、第2大入賞口15の開放に大きい期待感を持たせることができる。よって、さらに興趣に富んだ遊技性を創出することができる。
大当り遊技は、開放ゲート13を遊技球が通過したことに応答して開始される。言い換えれば開放ゲート13を遊技球が通過するまで大当り遊技が開始されない。そのため、大当り抽選で大当りが出た時点で持ち玉(遊技に使用可能な遊技球)の数が少ない場合には、遊技球の追加の貸し出しを受けて、十分な数の持ち玉を確保したうえで、大当り遊技を開始することができる。その結果、球切れ状態で大当り遊技が開始されることを防止できる。
また、第2始動口8には、電チュー9が設けられている。大当り遊技の終了後には、第2始動口8への遊技球の入賞が相対的に容易となる態様で電チュー9が動作する時短モードが設定される。時短モードが終了する、第2始動口8への遊技球の入賞が相対的に困難となる態様で電チュー9が動作する非時短モードが設定される。
これにより、時短モードが設定されている間、遊技者は、持ち玉数を大きく減らすことなく、遊技を楽しむことができる。
また、大当り遊技の開始時などに、第2大入賞口15が開放されるラウンドがどのラウンドであるかが報知される。この報知は、演出表示装置5へのナビメッセージの表示などによって達成される。
第2大入賞口15が開放されるラウンドがどのラウンドであるかが遊技者に認識されることにより、そのラウンドに到達するまでのラウンド継続に対する強い意欲を遊技者に持たせることができる。
また、パチンコ機1では、大当り遊技の開始時に、「16ラウンドまで完走すれば確変確定だ!」などの偽情報を報知するナビメッセージが演出表示装置5に表示され、大当り遊技の途中で、「このラウンドを突破すれば確変確定だ!」という本当の情報を報知するナビメッセージが演出表示装置5に表示されることがある。
当初に報知されていたラウンドと異なるラウンドが第2大入賞口15が開放されるラウンドであると再報知されることにより、遊技者に驚きを与えることができ、興趣をさらに増すことができる。
<変形例1>
第1特図抽選の大当りには、大当り図柄1〜16に対応する16種類の大当りがあるとしたが、その16種類の大当りに追加して、または、16種類の大当りに代えて、図16に示されるように、大当り図柄18〜20に対応する3種類の大当りが設定されてもよい。
大当り図柄18〜20に対応する大当りによる大当り遊技では、最大ラウンド数が12である。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄18である場合、開放パターン設定部88により、第1〜11ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第12ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄19である場合、開放パターン設定部88により、第1〜7ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第8〜12ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄20である場合、開放パターン設定部88により、第1〜3ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第8〜12ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
このように、大当り遊技における最大ラウンド数は、16に限らない。
<変形例2>
また、所定ラウンド以降の各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンを例示したが、大当り図柄1〜16に対応する16種類の大当り、大当り図柄18〜20に対応する3種類の大当りもしくは大当り図柄1〜16,18〜20に対応する19種類の大当りに追加して、または、これらに代えて、図17に示されるように、大当り図柄21,22に対応する2種類の大当りが設定されてもよい。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄21である場合、開放パターン設定部88により、第1〜7,9〜15ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第8,16ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄22である場合、開放パターン設定部88により、第1〜7,9,11,13,15ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第8,10,12,14,16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。
<変形例3>
図18は、主制御部が実質的に有する機能処理部の他の例を示す図である。
主制御部41は、CPU43によるプログラム処理によってソフトウエア的に実現される機能処理部として、第1特図乱数取得部81、第2特図乱数取得部82、普図乱数取得部83、特図乱数判定部84、普図乱数判定部85、大当り図柄判定部86、大当り遊技実行部87、開放パターン設定部88、次ラウンド許可部90、確変/通常モード設定部91および時短/非時短モード設定部92に加えて、開放時間設定部89を実質的に有していてもよい。
図19は、第1大入賞口および第2大入賞口の開放パターンならびに第1大入賞口の開放時間の設定に用いられる設定テーブルである。
主制御部41が開放時間設定部89を有している場合、大当り図柄9(図11参照)に代えて、たとえば、大当り図柄23,24が設定される。そして、主制御部41のROM44には、図19に示されるように、大当り図柄23,24に対応づけて、第1大入賞口14および第2大入賞口15の開放パターンならびに第1大入賞口14の開放時間が記憶されている。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄23である場合、開放パターン設定部88により、第1〜7ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第8〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。また、開放時間設定部89により、第1〜5ラウンドの各ラウンドでは、第1大入賞口14の最大開放時間が28秒間に設定される。第6,7ラウンドでは、第1大入賞口14の最大開放時間が28秒間よりも短い時間、たとえば、2秒間に設定される。第8〜16ラウンドの各ラウンドでは、第2大入賞口15の最大開放時間が28秒間に設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄24である場合、開放パターン設定部88により、第1〜7ラウンドの各ラウンドで第1大入賞口14が開かれ、第8〜16ラウンドの各ラウンドで第2大入賞口15が開かれる開放パターンが設定される。また、開放時間設定部89により、第1〜6ラウンドの各ラウンドでは、第1大入賞口14の最大開放時間が28秒間に設定される。第7ラウンドでは、第1大入賞口14の最大開放時間が28秒間よりも短い時間、たとえば、2秒間に設定される。第8〜16ラウンドの各ラウンドでは、第2大入賞口15の最大開放時間が28秒間に設定される。
このように、第2大入賞口15が開放される第8ラウンドに到達する手前の第6,7ラウンドまたは第7ラウンドが短時間開放ラウンドとして設定され、その短時間開放ラウンドにおける第1大入賞口14の最大開放時間がその他のラウンドにおける第1大入賞口14の最大開放時間よりも短い時間に設定される。
短時間開放ラウンドでは、第1大入賞口14が短時間しか開放されないので、いわゆるパンク終了の危険度が高まり、大きなドキドキ感を遊技者に与えることができる。また、第1大入賞口14への遊技球の入賞に遊技者の全神経を集中させることができる。そして、短時間開放ラウンドを乗り切れば、第2大入賞口15が開放されるラウンドが到達するので、パンク終了に対する大きなドキドキ感から一転して、確変モード突入への期待感を遊技者に与えることができる。その結果、遊技者の感情を大きく変化させることができ、遊技者をより大きく興奮させることができる。
この場合、短時間開放ラウンドの1つ手前のラウンドが開始されると、たとえば、「危険!!まもなく危険ゾーンに突入!」というナビメッセージが演出表示装置5に表示されてもよい。また、短時間開放ラウンドでは、たとえば、「危険ゾーンを突破すれば確変確定だ!」というナビメッセージが演出表示装置5に表示されてもよい。
<第2実施形態>
図20は、本発明の第2実施形態に係るパチンコ機に備えられる遊技盤の正面図である。
図20において、図1に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略する。
第1始動口6の下方には、1個の大入賞口101が設けられている。
大入賞口101は、左右に長い矩形状の開口として形成されている。大入賞口101に関連して、開閉板102が設けられている。開閉板102は、遊技盤2の盤面に沿った姿勢で、大入賞口101を閉塞し、手前側に傾倒した姿勢で、大入賞口101を開放する。そして、開閉板102は、手前側に傾倒した姿勢で、大入賞口101に遊技球を案内する。
図21A,21Bは、大入賞口内の構成を図解的に示す正面図である。
開閉板102の内面の構成は、図2に示される第1開閉板16の内面21と同じ構成である。以下では、開閉板102の内面の構成についての説明を省略し、大入賞口101内の構成の説明上で必要な場合は、図2を適宜参照して、第1開閉板16の内面21の構成を引用する。
開閉板102の下方には、中央の1本の通路23(図2参照)と左右方向に同じ位置に、確変移行ゾーン103が設けられている。確変移行ゾーン103は、たとえば、中央の1本の通路23とほぼ同じ幅に形成されている。
また、開閉板102の下方において、確変移行ゾーン103の左上方および右上方には、それぞれラウンド継続ゾーン104が設けられている。ラウンド継続ゾーン104は、たとえば、2本の通路23(図2参照)の合計幅以上の幅に形成されている。
各ラウンド継続ゾーン104の下方には、確変可動部材105が設けられている。各確変可動部材105は、薄板状をなし、確変移行ゾーン103に近づくにつれて下方に傾斜している。また、各確変可動部材105は、図21Aに示されるように、その左右方向の中央側の端部が確変移行ゾーン103に対して相対的に離間した困難姿勢と、当該端部が確変移行ゾーン103に対して相対的に近接した容易姿勢とに変位可能に設けられている。
開閉板102の内面上に導かれた遊技球は、いずれかの通路23を通過して、その内面の下端部上を通路23に沿う方向に転動し、内面の下端から機内に落下する。確変移行ゾーン103の上方に位置する通路23を通過した遊技球は、開閉板102の内面上から機内に落下する途中、確変移行ゾーン103を通過する。また、ラウンド継続ゾーン104の上方に位置する通路23を通過した遊技球は、開閉板102の内面上から機内に落下する途中、ラウンド継続ゾーン104を通過する。
そして、確変可動部材105が困難姿勢をなすときには、確変移行ゾーン103の上方に位置する通路23を通過した遊技球のみが確変移行ゾーン103を通過可能であり、大入賞口101内に入った遊技球が確変移行ゾーン103を通過する確率は、約1%である。
一方、確変可動部材105が容易姿勢をなすときには、確変移行ゾーン103の上方に位置する通路23以外の通路23を通過した遊技球が、確変可動部材105上を確変移行ゾーン103に向けて転動し、確変可動部材105上から確変移行ゾーン103に向けて落下する。これにより、大入賞口101内に入った遊技球が確変移行ゾーン103を通過する確率は、約100%である。
また、大入賞口101内の各部の設計により、大入賞口101内に入った遊技球は、約95%の確率でラウンド継続ゾーン104を通過する。
図22は、図20に示されるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
図20において、図4に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略する。
パチンコ機1には、遊技球が大入賞口101に入賞したことに応答して検出信号を出力する大入賞口センサ111と、遊技球が大入賞口101内の確変移行ゾーン103を通過したことに応答して検出信号を出力する確変Vセンサ112と、遊技球が大入賞口101内のラウンド継続ゾーン104を通過したことに応答して検出信号を出力する継続Vセンサ113とが備えられている。大入賞口センサ111、確変Vセンサ112および継続Vセンサ113の検出信号は、主制御部41に入力されるようになっている。
主制御部41には、制御対象として、確変可動部材105を困難姿勢(図21A参照)と容易姿勢(図21B参照)とに変位させる確変可動部材駆動部67が接続されている。
図23は、図22に示される主制御部が実質的に有する機能処理部を示す図である。
図23において、図22に示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略する。
主制御部41は、CPU43によるプログラム処理によってソフトウエア的に実現される機能処理部として、第1特図乱数取得部81、第2特図乱数取得部82、普図乱数取得部83、特図乱数判定部84、普図乱数判定部85、大当り図柄判定部86、大当り遊技実行部87、次ラウンド許可部90、確変/通常モード設定部91および時短/非時短モード設定部92に加えて、姿勢パターン設定部93を実質的に有している。
<姿勢パターン設定部>
図24,25は、確変可動部材の姿勢パターンの設定に用いられる設定テーブルである。
主制御部41のROM44には、図24に示される設定テーブルT3および図25に示される設定テーブルT4が格納されている。設定テーブルT3には、各大当り図柄1〜16に対応づけて、確変可動部材105の姿勢パターンが記憶されている。設定テーブルT4には、大当り図柄17に対応づけて、確変可動部材105の姿勢パターンが記憶されている。
第1特図抽選で大当りが出た場合、姿勢パターン設定部93により、図24に示される設定テーブルT3が参照されて、大当り図柄判定部86によって判定された大当り図柄1〜16に基づいて、その大当りに対する大当り遊技での確変可動部材105の姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄1であると判定された場合、第1〜15ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第16ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄2であると判定された場合、第1〜14ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第15,16ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄3であると判定された場合、第1〜13ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第14〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄4であると判定された場合、第1〜12ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第13〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄5であると判定された場合、第1〜11ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第12〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄6であると判定された場合、第1〜10ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第11〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄7であると判定された場合、第1〜9ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第10〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄8であると判定された場合、第1〜8ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第9〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄9であると判定された場合、第1〜7ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第8〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄10であると判定された場合、第1〜6ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第7〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄11であると判定された場合、第1〜5ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第6〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄12であると判定された場合、第1〜4ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第5〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄13であると判定された場合、第1〜3ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第4〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄14であると判定された場合、第1,2ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第3〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄15であると判定された場合、第1ラウンドで確変可動部材105が困難姿勢をなし、第2〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第1特図表示装置7に表示される第1特別図柄が大当り図柄16であると判定された場合、第1〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
第2特図抽選で大当りが出た場合、開放パターン設定部88により、図25に示される設定テーブルT4が参照され、大当り図柄17に対応づけて記憶されている確変可動部材105の姿勢パターンが設定される。すなわち、第1〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす姿勢パターンが設定される。
<パチンコ遊技>
パチンコ機1での通常遊技が進み、第1特図抽選で大当りが出ると、その大当りを表す第1特別図柄(大当り図柄)が第1特図表示装置7に表示されるとともに、大当りを表す演出画像が演出表示装置5に表示される。また、大当り遊技の開始に先立ち、ハンドルを最大限に回動させる、いわゆる右打ちを遊技者に促すため、たとえば、「右打ちしろ!」というナビメッセージが演出表示装置5に表示される。
右打ちが行われると、遊技球は、センタユニット4の右側を落下する。ゲージ構成により、センタユニット4の右側を落下する遊技球の一部は、開放ゲート13および普図ゲート11を連続して通過する。
開放ゲート13を遊技球が通過すると、大当り遊技が開始される。
以下では、一例として、第1特図表示装置7に大当り図柄1が表示された場合を想定する。
大当り遊技の開始時には、たとえば、「16ラウンドまで完走すれば確変確定だ!」または「ゴールまで完走すれば確変確定だ!」というナビメッセージが演出表示装置5に表示される。
そして、大当り遊技では、大入賞口101が最小で2回開放される。また、第2ラウンド以降の各ラウンドで、大入賞口101内のラウンド継続ゾーン104を遊技球が通過すると、大入賞口101が最大で16回開放される(図24参照)。第1〜15ラウンドでは、確変可動部材105が困難姿勢をなしている。そして、第15ラウンドで大入賞口101内のラウンド継続ゾーン104を遊技球が通過すると、第16ラウンドでは、確変可動部材105が容易姿勢をなす。確変可動部材105が容易姿勢をなすとき、大入賞口101内に入った遊技球が確変移行ゾーン103を通過する確率は、約100%である。そのため、最終の第16ラウンドに近づくにつれて、遊技者は、確変モード突入確定への期待を高める。
大当り遊技の終了後は、確変モードおよび時短モードが設定される。時短モードが設定されている間、遊技者は、右打ちを行う。
センタユニット4の右側を落下する遊技球が普図ゲート11を通過すると、普図抽選が行われる。時短モードにおける普図抽選では、高確率で当りが出るので、電チュー9が高頻度で開閉し、第2始動口8に遊技球が頻繁に入賞する。したがって、時短モードでは、通常、第2特図保留が1以上ある状態が続き、第2特図抽選が繰り返し行われて、第2特図抽選の結果を表す第2特別図柄が第2特図表示装置10に次々と表示される。
確変モードおよび時短モードは、第1特図表示装置7に第1特別図柄が表示された回数および第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示された回数の合計が100回に達するまで(通常は、第2特図表示装置10に第2特別図柄が100回表示されるまで)継続する。
確変モードおよび時短モードが設定されている確変・時短状態での第2特図抽選で大当りが出た場合、第2特図表示装置10に大当り図柄17が表示されるので、その大当りに対する大当り遊技では、第1〜16ラウンドの各ラウンドで確変可動部材105が容易姿勢をなす。したがって、その大当り遊技の終了後は、確変・時短状態に再び突入する。
一方、第2特図抽選で大当りが出ることなく、第1特図表示装置7に第1特別図柄が表示された回数および第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示された回数の合計が100回に達すると、確変モードおよび時短モードが終了し、通常モードおよび非時短モードに移行する(通常・非時短状態となる)。非時短モードでは、遊技者は、左打ちを行い、第1始動口6への遊技球の入球を狙う。
<作用効果>
以上の構成によっても、第1実施形態の構成と同様な作用効果を奏することができる。
<変形例4>
図26A,26B,26Cは、大入賞口内の他の構成を図解的に示す正面図である。
図26A,26B,26Cにおいて、図21A,21Bに示される各部に相当する部分には、それらの各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号が付された部分の説明を省略する。
大入賞口101内において、大入賞口センサ111(図22参照)によって遊技球の通過が検出可能なゾーン121の下方に、ラウンド継続ゾーン104および確変移行ゾーン103が上下方向に互いに間隔を空けて上下に並べて設けられている。
そして、ゾーン121とラウンド継続ゾーン104との間には、継続可動部材122が設けられている。継続可動部材122は、ゾーン121を通過した遊技球のラウンド継続ゾーン104の通過を阻止する阻止姿勢(図26C参照)とその通過を許容する許容姿勢(図26A,26B参照)とに変位される。
また、ラウンド継続ゾーン104と確変移行ゾーン103との間には、確変可動部材123が設けられている。確変可動部材123は、ラウンド継続ゾーン104を通過した遊技球の確変移行ゾーン103の通過を阻止する阻止姿勢(図26B,26C参照)とその通過を許容する許容姿勢(図26A参照)とに変位される。
図26Aに示される状態では、継続可動部材122および確変可動部材123がともに許容姿勢をなしている。この状態では、ゾーン121を通過した遊技球は、100%の確率でラウンド継続ゾーン104および確変移行ゾーン103をこの順に通過する。
図26Bに示される状態では、継続可動部材122が許容姿勢をなし、確変可動部材123が阻止姿勢をなしている。この状態では、ゾーン121を通過した遊技球は、100%の確率でラウンド継続ゾーン104を通過するが、100%の確率で確変移行ゾーン103を通過しない。
図26Cに示される状態では、継続可動部材122および確変可動部材123がともに阻止姿勢をなしている。この状態では、ゾーン121を通過した遊技球は、100%の確率でラウンド継続ゾーン104および確変移行ゾーン103を通過しない。
この構成が採用される場合、たとえば、第1特図表示装置7に大当り図柄1(図24参照)が表示されると、大当り遊技における第1〜15ラウンドの各ラウンドでは、図26Bに示される状態をなす時間が最も長く、図26Cに示される状態をなす時間が次に長く、図26Aに示される状態をなす時間が最も短くなるように、継続可動部材122および確変可動部材123の姿勢が制御される。また、第16ラウンドでは、図26Aに示される状態をなす時間が最も長く、図26Bに示される状態をなす時間が次に長く、図26Cに示される状態をなす時間が最も短くなるように、継続可動部材122および確変可動部材123の姿勢が制御される。
これによっても、第1〜15ラウンドで確変移行ゾーン103に遊技球が入球する確率と比較して、第16ラウンドで確変移行ゾーン103に遊技球が入球する確率を向上させることができる。
なお、第16ラウンドでは、ラウンド中、図26Aに示される状態とされてもよい。
<変形例5>
図20に示されるパチンコ機1において、確変可動部材105が容易姿勢をなすラウンドの1または複数手前のラウンドから1つ手前のラウンドまでの各ラウンドが短時間開放ラウンドとされて、その短時間開放ラウンドにおける大入賞口101の開放時間がその他のラウンドにおける大入賞口101の開放時間よりも短く設定されてもよい。
これにより、変形例3に関連して述べた作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
以上、本発明の2つの実施形態およびそれらの変形例について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、第2特図抽選で大当りが出ることなく、第1特図表示装置7に第1特別図柄が表示された回数および第2特図表示装置10に第2特別図柄が表示された回数の合計が100回に達した場合に、確変モードから通常モードに移行されるとした。しかしながら、これに限らず、確変モードが設定されている間、第1特図抽選または第2特図抽選が実行されるごとに、確変モードから通常モードに移行するか否かを決定する転落抽選が実行されて、この転落抽選に当選したことに応答して、確変モードから通常モードに移行されてもよい。また、確変モードの設定回数が予め定める回数に達すると、その後に行われる大当り遊技が終了した後は、確変移行ゾーン24,35,103への遊技球の通過の有無にかかわらず、通常モードが設定されてもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。