以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)と、遊技盤を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域2が形成されている。この遊技領域2には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技領域2の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤における遊技領域2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。始動入賞記憶表示エリア5Hのおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせる。この実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示とする。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していないときに、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していないときに、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
遊技盤の盤面上に形成された遊技領域2には、画像表示装置5の天辺よりも左側の左遊技領域2A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域2B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域2Aと、第2遊技領域である右遊技領域2Bは、例えば遊技領域2の内部における画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域2に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導不可能または誘導困難となる。つまり、普通可変入賞球装置6B、2つの特別可変入賞球装置7A、7Bについては、第1経路を通過する場合(例えば左遊技領域2Aを通る経路)に比べて、第2経路を通過するときの方が、遊技球が入賞する割合が高い。なお、普通可変入賞球装置6B、2つの特別可変入賞球装置7A、7Bのうちの少なくとも一つを、普通入賞球装置6Aの下方に配置してもよい。この場合に、釘の配列PLの全てを削除したり、その少なくとも一部を削除したりしてもよい。
左遊技領域2Aには、普通入賞球装置6Aが設けられている。例えば普通入賞球装置6Aは、画像表示装置5の中央下方に設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。このように、左遊技領域2Aには、常時遊技球が進入(通過)可能な第1始動入賞口を形成する普通入賞球装置6Aが設けられている。
右遊技領域2Bには、普通可変入賞球装置6Bと通過ゲート41とが設けられている。例えば普通可変入賞球装置6Bは、画像表示装置5の右側方に設けられ、通過ゲート41は、普通可変入賞球装置6Bの上方に設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、右遊技領域2Bには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能または通過(進入)困難な第2可変状態とに変化可能な普通可変入賞球装置6Bが設けられている。
左遊技領域2Aや右遊技領域2Bにおける普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bなどの配置により、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された遊技球は、第2遊技領域である右遊技領域2Bに設けられた通過ゲート41を通過したり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)したりすることが不可能または困難である。加えて、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導された遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aに設けられた普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)することが不可能または困難である。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの下方には、2つの特別可変入賞球装置7A、7Bが設けられている。すなわち、特別可変入賞球装置7A、7Bは、第2遊技領域となる右遊技領域2Bに設けられている。なお、特別可変入賞球装置7Aは本発明における第2可変入賞装置に対応し、特別可変入賞球装置7Bは本発明における第1可変入賞装置に対応する。
特別可変入賞球装置7Aは、図2に示す上大入賞口扉用のソレノイド82Aによって開閉駆動される上大入賞口扉を備え、その上大入賞口扉によって開放状態(開状態ともいう)と閉鎖状態(閉状態ともいう)とに変化する上大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7Aでは、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオフ状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7Aでは、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオン状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口に進入した遊技球は、上大入賞口スイッチ23Aによって検出される。上大入賞口スイッチ23Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特別可変入賞球装置7Bは、図2に示す下大入賞口扉用のソレノイド82Bによって開閉駆動される下大入賞口扉を備え、その下大入賞口扉によって開放状態(開状態ともいう)と閉鎖状態(閉状態ともいう)とに変化する下大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7Aでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Aがオフ状態であるときに下大入賞口扉が下大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7Aでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Aがオン状態であるときに下大入賞口扉が下大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7Aに形成された下大入賞口に進入した遊技球は、下大入賞口スイッチ23Bによって検出される。下大入賞口スイッチ23Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、上大入賞口スイッチ23Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、下大入賞口スイッチ23Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
特別可変入賞球装置7Aが形成する上大入賞口や特別可変入賞球装置7Bが形成する下大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、多数の遊技球が賞球として払い出される。すなわち、特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉により下大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉により下大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。なお、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
特別可変入賞球装置7Aは、図1に示すように、開放状態の上大入賞口扉から進入した遊技球を、遊技領域2よりも背後側で下方に排出案内する排出通路27を備える。この排出通路27は、単一の入口側通路部27Aと、入口側通路部27Aの出口側に形成され且つ通路を二つに分岐する分岐領域部27Bと、分岐領域部27Bの出口側にそれぞれ連通する第1通路部27Cおよび第2通路部27Dと、第1通路部27Cおよび第2通路部27Dの出口側に形成された出口側通路部とを備える。入口側通路部27Aには上大入賞口スイッチ23Aが配置され、上大入賞口に進入した遊技球は全て上大入賞口スイッチ23Aにより検出される。また、第2通路部27Dには継続領域スイッチ26が配置され、上大入賞口に進入して第2通路部27Dを通過した遊技球は、継続領域スイッチ26によって検出される。後述する大当り遊技状態にて上大入賞口が開状態となり、上大入賞口に進入した上限数の遊技球のうち少なくとも一球が第2通路部27Dを通過した場合には、上大入賞口の開状態の実行が上限回(例えば「15回」)に達していなければ、当該開状態の終了後に次の開状態に制御される。また、分岐領域部27Bには、入口側通路部27Aを通過した遊技球を、第1通路部27C又は第2通路部27Dに振り分ける振分装置27Gが配置されている。振分装置27Gは、例えば、分岐領域部27Bに配置された振分板部と、この振分板部を、第1通路部27Cに遊技球を案内する第1振分状態と、第2通路部27Dに遊技球を案内する第2振分状態とに駆動可能な駆動源(例えば図2に示すソレノイド82C)と、を備える。振分装置27Gは、例えば、上大入賞口の開放状態中において、振分板部の第1振分状態を5秒間継続し、その後に振分板部の第2振分状態を5秒間継続することを繰り返すといった常時動作を実行する。また、第1振分状態の期間と第2振分状態の期間とを異なるようにしてもよい。遊技領域2における排出通路27に対応する箇所のうち少なくとも分岐領域部27Bに対応する箇所は、例えば透明となっている。これにより、遊技者は、振分装置27Gによる遊技球の挙動を視認(確認)することができる。なお、かかる箇所を覆う可動式の被覆部材(例えばシャッター部材など)が配置され、大当り遊技状態において被覆部材が後退し、振分装置27Gによる遊技球の挙動が視認可能となるようにしてもよい。例えば被覆部材を遊技領域2と排出通路27との間に配置することにより、遊技領域2を流下する遊技球が被覆部材に接触するようなことがない。また、遊技領域2の一部を透明とする構成に限らず、上大入賞口扉の開放状態において振分装置27Gを視認可能に配置した構成などであってもよい。
特別可変入賞球装置7Bは、図1に示すように、開放状態の下大入賞口扉から進入した遊技球を、遊技領域2よりも背後側で下方に排出案内する排出通路28を備える。この排出通路28は、単一の入口側通路部28Aと、入口側通路部28Aの出口側に形成され且つ通路を二つに分岐する分岐領域部28Bと、分岐領域部28Bの出口側にそれぞれ連通する第1通路部28Cおよび第2通路部28Dと、第1通路部28Cおよび第2通路部28Dの出口側に形成された出口側通路部とを備える。入口側通路部28Aには下大入賞口スイッチ23Bが配置され、下大入賞口に進入した遊技球は全て下大入賞口スイッチ23Bにより検出される。また、第2通路部28Dには特定領域スイッチ24が配置され、下大入賞口に進入して第2通路部28Dを通過した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出される。後述する大当り遊技状態にて下大入賞口が開状態となり、下大入賞口に進入した上限数の遊技球のうち少なくとも一球が第2通路部28Dを通過した場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される。また、分岐領域部28Bには、入口側通路部28Aを通過した遊技球を、第1通路部28C又は第2通路部28Dに振り分ける振分装置28Gが配置されている。振分装置28Gは、例えば、分岐領域部28Bに配置された振分板部と、この振分板部を、第1通路部28Cに遊技球を案内する第1振分状態と、第2通路部28Dに遊技球を案内する第2振分状態とに駆動可能な駆動源(例えば図2に示すソレノイド82D)と、を備える。振分装置28Gは、例えば、下大入賞口の開放状態中において、振分板部の第1振分状態を5秒間継続し、その後に振分板部の第2振分状態を5秒間継続することを繰り返すといった常時動作を実行する。また、第1振分状態の期間と第2振分状態の期間とを異なるようにしてもよい。遊技領域2における排出通路28に対応する箇所のうち少なくとも分岐領域部28Bに対応する箇所は、例えば透明となっている。これにより、遊技者は、振分装置28Gによる遊技球の挙動を視認(確認)することができる。なお、かかる箇所を覆う可動式の被覆部材(例えばシャッター部材など)が配置され、大当り遊技状態において被覆部材が後退し、振分装置27Gによる遊技球の挙動が視認可能となるようにしてもよい。例えば被覆部材を遊技領域2と排出通路27との間に配置することにより、遊技領域2を流下する遊技球が被覆部材に接触するようなことがない。また、遊技領域2の一部を透明とする構成に限らず、上大入賞口扉の開放状態において振分装置27Gを視認可能に配置した構成などであってもよい。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技領域2の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域2の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域2の周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域2における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7A、7B等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域2に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル19(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドル19は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル19には、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域2の下方における所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
右遊技領域2Bにおいて普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
普通可変入賞球装置6Bの上方に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、第1ラウンド、第2ラウンドにおいて、下大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となり、第3ラウンド以降において、上大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。第1ラウンド、第2ラウンドでは、所定期間(例えば29.5秒間)あるいは当該所定期間内に所定個数(例えば9個)の遊技球が下大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの当該ラウンド期間内において、下大入賞口に進入した遊技球が特定領域スイッチ24を通過したことに基づいて確変状態に制御される。また、第3ラウンド以降では、所定期間(例えば29.5秒間)あるいは当該所定期間内に所定個数(例えば9個)の遊技球が上大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの当該ラウンド期間内において、上大入賞口に進入した遊技球が継続領域スイッチ26を通過したことに基づいて、次ラウンドの上大入賞口の開放状態が実行される(つまり、ラウンド遊技が継続される)。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回(例えば「15回」)に達するまで継続可能である。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。上大入賞口に遊技球が進入したときには、上大入賞口スイッチ23Aにより入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。下大入賞口に遊技球が進入したときには、下大入賞口スイッチ23Bにより入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件(例えば特定領域スイッチ24による遊技球の通過検出)が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。なお、この所定の確変終了条件は、所定回数の可変表示が実行されることであってもよく、可変表示の実行が所定回数に達するまでに次回の大当り遊技状態が開始されることであってもよく、その他の例であってもよい。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。例えば可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態にて下大入賞口が開放状態となる上限時間が所定期間(例えば29.5秒間)よりも短く、下大入賞口に進入した遊技球が特定領域スイッチ24を通過したことに基づいて大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御される場合がある。このような場合は、大当り種別が「突確」(「突然確変」、「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)であるとも称される。そして、高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、高開放制御が行われないようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態の第1、第2ラウンドにおいて、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、下大入賞口に進入した遊技球が図1に示す特定領域スイッチ24によって検出されることで、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。すなわち、特定領域スイッチ24の設置箇所を特定領域とし、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、所定の確変制御条件を成立させることができる。一方、第3ラウンド以降において、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、当該ラウンドにおいて上大入賞口に進入した遊技球が継続領域スイッチ26によって検出されると、次ラウンドにおいて上大入賞口が開放状態に制御され、大当り遊技状態が継続される。
このように、大当り遊技状態中の第1期間(例えば、少なくとも最初のラウンドを含む期間:ここでは第1、第2ラウンドの期間)において下大入賞口が開放状態となるので、確変状態となるか否かの機会(つまり、遊技球が特定領域スイッチ24を通過し得る機会)が必ず与えられており、ラウンド継続の有無に依存せずに確変確率を一定にできる。言い換えれば、一回の大当りの中で確変割合が異なることを防止できる。つまり、公平さを担保できる。また、ラウンド遊技の実行回数が特定回数(ここでは「1」、「2」)となったときに特定領域を備える下大入賞口が開放するので、特定回数のときに遊技者が特定領域を狙うようになるので遊技の興趣が向上する。さらに、大当り遊技状態中の第1期間後の第2期間における所定期間(ここでは第3ラウンド以降の各ラウンドの期間)において遊技球が継続領域スイッチ26を通過したことに基づいて、大当り遊技状態の制御が継続される、つまりラウンド継続されるので、ラウンド継続するか否かの機会も与えられており、ラウンド継続するか否かの遊技の興趣性も確保できる。
また、この実施の形態のパチンコ遊技機1は、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数(ここでは「1」、「2」)であるとき(つまり、第1、第2ラウンド)に、下大入賞口を開放状態とする上限時間(開放態様)を異ならせた複数種類の大当り種別として、「第1大当り」と「第2大当り」とを備える。例えば「第1大当り」の場合には、下大入賞口を0.1秒間開放状態とする。一方、「第2大当り」の場合には、下大入賞口を29.5秒間開放状態とする。したがって、大当り種別が「第1大当り」の場合には、大当り種別が「第2大当り」である場合よりも、下大入賞口が開放状態となる上限時間が短いので、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が低く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しにくい。大当り種別を複数種類のいずれとするかは、例えば特図ゲームの開始時に可変表示結果を「大当り」とする決定がなされたことに対応して、所定割合で決定される。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81、上大入賞口扉用のソレノイド82A、下大入賞口扉用のソレノイド82Bに伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L、9Rなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、大入賞口スイッチ(上大入賞口スイッチ23Aおよび下大入賞口スイッチ23B)、特定領域スイッチ24、継続領域スイッチ26といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDさらには節電中報知LED9L、9Rの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する表示結果指定コマンドである。表示結果指定コマンドでは、例えば、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果が「第1大当り」を通知する第2表示結果指定コマンドである。「第1大当り」は、第1、第2ラウンドにて下大入賞口が短開放し、第3−第15ラウンドにて上大入賞口が長開放するとの大当り種別のことである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果が「第2大当り」を通知する第2表示結果指定コマンドである。「第2大当り」は、第1、第2ラウンドにて下大入賞口が長開放し、第3−第15ラウンドにて上大入賞口が長開放するとの大当り種別のことである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放指定コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口閉鎖指定コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば表示結果指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、表示結果指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放指定コマンドや大入賞口閉鎖指定コマンドでは、例えばラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かの判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態では、入賞時乱数値判定処理において、始動入賞の発生に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否か、大当りの種別(例えば第1大当り又は第2大当り)、変動パターン種別決定用の乱数値MR3がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、可変表示結果が「大当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値MR3が含まれる決定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第1大当り」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「第2大当り」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
図4は、主基板11においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板11において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図9に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類(第1大当り又は第2大当り)のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態となる開放状態や拡大開放状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
なお、飾り図柄の可変表示態様は、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態となることで、「リーチ」になる。具体的な一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。こうした「リーチ」にはならない飾り図柄の可変表示態様を、「非リーチ」という。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。また、ROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
一例として、RAM102には、図6に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図6に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、操作ボタン30に対する遊技者の指示操作(例えば押下操作など)を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、操作検出ユニット31から伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図7(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図7(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図7(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図7(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図7(B)では、バッファ番号「1」〜「6」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図7(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図7(B)に示す格納状態において新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「6」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「5」に対応した領域にシフトされる。
図7(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのうち、バッファ番号「6」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行えず、保留記憶数通知コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図7(B)に示す例では、バッファ番号「6」に対応して、本来、保留記憶数通知コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納される始動入賞時のコマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンド)に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における先読み予告パターンが決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)されるまで、先読み予告演出の設定が行われないように制限される。こうした先読み予告演出の設定が制限される期間(先読み予告制限中)に始動入賞時のコマンドを受信した場合に、その受信タイミングで先読み予告演出の設定が行われなかったものに対応して、未判定情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。なお、先読み予告演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する可変表示を対象とする先読み予告演出について、全部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
図7(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、各バッファ番号(保留番号)に保留記憶表示の表示態様を示す「保留表示態様」が対応づけて記憶される。この「保留表示態様」の値が「0」である場合は通常の表示態様となり、「1」や「2」である場合は通常の表示態様とは異なる特別態様であることを示す。例えば、予告表示予告の先読み予告演出が実行されている場合には特別態様となる。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや操作検出ユニット31から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LED、さらには節電中報知LED9L、9Rなどに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図8のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図8に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介して各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7A、7Bにおける大入賞口(上大入賞口および下大入賞口)の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図9は、特別図柄プロセス処理として、図8のステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図10は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
図10に示す始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには保留データが第1特図保留記憶部151Aにセットされる一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには保留データが第2特図保留記憶部151Bにセットされる。なお、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データは、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したときに抽出されるものに限定されず、第1特図や第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときに抽出されるようにしてもよい。
ステップS210の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。その後、ステップS211の処理に続いて、始動入賞時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS211A)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。第1始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第1始動入賞口を通過(進入)したことにより第1始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)したことにより第2始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。また、演出制御基板12に対して合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてもよい。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図8に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211Aの処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、始動入賞判定処理を終了する。
図11は、入賞時乱数値判定処理として、図10のステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図9のステップS110、図12)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図9のステップS111)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS211の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の演出制御用CPU120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図11に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、図示しない第1特図表示結果決定テーブルまたは第2特図表示結果決定テーブルを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。その後、図10のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブルを構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。
ステップS405、S410の処理のいずれかを実行した後には、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブルと、を用いて乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS412)。
ステップS412では、例えば、変動パターン決定テーブルを設定して、変動カテゴリとしていずれの変動パターンに決定されるかの判定を行う。そして、その変動パターンがPA1−1〜PA1−5、PB1−1、PB1−2のいずれかである場合には、非リーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPA2−1、PA2−2、PB2−1、PB2−2のいずれかである場合には、ノーマルリーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPA3−1、PA3−2、PB3−1、PB3−2のいずれかである場合には、スーパーリーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPA4−1、PA4−2、PB4−1、PB4−2のいずれかである場合には、ノーマルリーチ大当りの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPA5−1、PA5−2、PB5−1、PB5−2のいずれかである場合には、スーパーリーチ大当りの変動カテゴリであると判定する。
その後、ステップS412の処理による判定結果に応じて、変動カテゴリコマンドのいずれかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図10に示す始動入賞判定処理では、ステップS211Aの処理を実行する。この処理が実行されてから、図8に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図9に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。図5に示すように、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して上大入賞口または下大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、上大入賞口または下大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や上大入賞口スイッチ23Aまたは下大入賞口スイッチ23Bによって検出された遊技球の個数などに基づいて、上大入賞口または下大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理、特定領域スイッチ24による遊技球の通過検出の有無を判定する処理、継続領域スイッチ26による遊技球の通過検出の有無を判定する処理などが含まれている。そして、上大入賞口または下大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、上大入賞口または下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回に達したか否かを判定する処理や、上限回に達していない場合に次回のラウンド遊技を継続させるか否かを判定する処理、次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回に達したときまたは上限回に達することなく途中回数で終了したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図12は、特別図柄通常処理として、図9のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、確変制御が行われる確変状態であるか否かなどに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図13(A)は、ステップS239の処理における決定例を示している。この決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、ステップS239にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図指定バッファ値などに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図13(B)は、ステップS242の処理における決定例を示している。この決定例では、開始条件が成立した特図ゲームにて可変表示される特別図柄(変動特図)が、第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。ここで、変動特図指定バッファ値が「1」であるときには、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第1特図となる。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であるときには、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第2特図となる。図13(B)に示す決定例では、変動特図が第1特図であるときに、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれかに決定される。一方、変動特図が第2特図であるときには、大当り種別が「第2大当り」に決定される。すなわち、大当り種別が「第1大当り」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけである。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
この実施の形態では、大当り種別が「第2大当り」の場合に、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「1」である第1ラウンドと「2」である第2ラウンドとにおいて、大当り種別が「第1大当り」の場合よりも下大入賞口を開放状態とする上限時間が長くなり、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。図13(B)に示すような決定割合で大当り種別が決定されることにより、変動特図が第2特図であるときには、第1特図であるときよりも高い割合で、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。すなわち、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合には、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第1特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合よりも確変制御条件が成立しやすい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。ステップS243の処理では、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファといったRAM102の所定領域に、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することで、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図9に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図14は、特別図柄停止処理として、図9のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS265の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS261;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS262)。また、図柄確定時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS263)。例えば、図柄確定コマンドとして予め用意された演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。さらに、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば1000ミリ秒)を設定する(ステップS264)。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS265)、特別図柄停止処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行される。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS261;Yes)特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS266)。このとき、特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS266;No)、特別図柄停止処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行され、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS266にて特図確定表示時間が経過した場合には(ステップS266;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS267)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS268)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS268;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS269)。このときには、大当り開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS270)。また、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする(ステップS271)。続いて、時短制御(高開放制御を含む)や確変制御を終了するための設定を行う(ステップS272)。例えば、ステップS272の処理として、遊技制御フラグ設定部152などに設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理、確変制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための確変回数カウンタをクリアする処理などが、実行されればよい。
時短回数カウンタは、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられ、大当り遊技状態の終了後に確変状態や時短状態となる場合に、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「70」)が設定されればよい。確変回数カウンタは、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられ、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる場合に、確変制御が行われる特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「71」)が設定されればよい。
ステップS272の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS273)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図9に示すステップS114の大当り開放前処理が実行される。
ステップS268にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS268;No)、時短制御(高開放制御を含む)や確変制御を終了させるか否かの判定を行う(ステップS274)。一例として、ステップS274の処理では、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、所定の時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短制御や高開放制御を終了すればよい。一方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持するなどして、ステップS274の処理を終了すればよい。
また、ステップS274の処理では、確変回数カウンタの格納値である確変回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するなどして更新する。そして、更新後の確変回数カウント値が所定の確変終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。このとき、確変終了判定値と合致すれば、所定の確変フラグをクリアすることなどにより、確変制御を終了すればよい。一方、確変終了判定値と合致しなければ、確変フラグの状態を維持するなどして、ステップS274の処理を終了すればよい。
ステップS274の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS275)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“0”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図9に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図15は、大当り開放前処理として、図9のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。大当り開始フラグは、大当り遊技状態の開始に対応して、図14に示すステップS271の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて大当り開始フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS292)。このとき、大当り開始時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS292;No)、大当り開放前処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放前処理が再び実行され、大当り開始時演出待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS292にて大当り開始時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS292;Yes)、大当り開始フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS293)、例えば遊技制御カウンタ設定部193といったRAM102の所定領域に設けられたラウンドカウンタに、ラウンド遊技の実行回数に対応するカウント初期値として「1」を設定する(ステップS294)。
ステップS291にて大当り開始フラグがオフであるときや(ステップS291;No)、ステップS294の処理を実行した後には、例えば大当り種別バッファなどから大当り種別の記憶データを読み出す(ステップS295)。
そして、ラウンド遊技にて開放状態とする大入賞口を、特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口または特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口のいずれかに決定するとともに(ステップS296)、大入賞口開放上限時間を決定する(ステップS297)。大入賞口開放上限時間は、大当り遊技状態にて実行される各回のラウンド遊技にて、上大入賞口または下大入賞口を開放状態とする上限時間である。
図16は、ステップS296、S297の処理における決定例を示している。この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」である場合には、ラウンドカウント値が「1」、「2」のいずれかであるとき、下大入賞口を所定時間(例えば0.1秒)開放状態とするラウンド遊技を実行し、「3」〜「15」のいずれかであるとき、上大入賞口を所定時間(例えば29.5秒)開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。また、大当り種別が「第2大当り」である場合には、ラウンドカウント値が「1」、「2」のいずれかであるとき、下大入賞口を所定時間(例えば29.5秒)開放状態とするラウンド遊技を実行し、「3」〜「15」のいずれかであるときに、上大入賞口を所定時間(例えば29.5秒)開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。したがって、大当り種別が「第2大当り」である場合、第1、第2ラウンドにおいて下大入賞口を所定時間(例えば29.5秒)開放状態とするラウンド遊技が実行され、「第1大当り」である場合の下大入賞口の所定時間(例えば0.1秒)よりも長くなっており、特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとってさらに有利な第1状態となる。また、大当り種別が「第2大当り」である場合には、「第1大当り」である場合よりも、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が高く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。
図16に示すように、下大入賞口の開閉パターンを複数備える。つまり、第1大当りのときの下大入賞口が短開放する開閉パターンと、第2大当りのときの下大入賞口が長開放する開閉パターンとを備える。なお、「開閉パターン」は、例えば、閉状態から開状態に変化させる態様を含むものである。これにより、例えば特図の種類などに応じて確変状態の移行割合を異ならせることができ、遊技の興趣性を高めることができる。例えば、高ベース状態中の連荘(連チャン)により出球を多数獲得できる。詳述すれば、一の有利状態(大当り遊技状態)においてはラウンド継続の有無にかかわらず確変確率を一定にすることができ、有利状態の種類(大当り種別)ごとに確変状態の移行割合を異ならせることができ、遊技の興趣性を高めることができる。なお、この実施形態では、下大入賞口の開閉パターンとして、その開放時間が異なる複数の開閉パターンを用いているが、開放時間に限定されない。例えば、開放時間、開放回数、開放角度、開放領域などのうち少なくとも一つが異なる複数の開閉パターンとしてもよい。
ステップS296の処理により開放する大入賞口を決定することにあわせて、遊技球を有効に検出するための検出有効スイッチを設定してもよい。図16に示すように、上大入賞口が開放状態となることにあわせて、上大入賞口スイッチ23Aによる遊技球の検出を有効にするとともに、継続領域スイッチ26による遊技球の検出も有効にすればよい。一方、下大入賞口が開放状態となることにあわせて、下大入賞口スイッチ23Bによる遊技球の検出を有効にするとともに、特定領域スイッチ24による遊技球の検出も有効にすればよい。
また、上大入賞口スイッチ23Aおよび継続領域スイッチ26の少なくとも一方による遊技球の検出と、下大入賞口スイッチ23Bおよび特定領域スイッチ24の少なくとも一方による遊技球の検出との両方を有効にしてもよい。その場合、開放していない方の大入賞口への入賞は異常と判定してもよい。詳しくは、上大入賞口が閉鎖状態であるときに、上大入賞口スイッチ23Aまたは継続領域スイッチ26による遊技球の検出があれば異常と判定する。一方、下大入賞口が閉鎖状態であるときに、下大入賞口スイッチ23Bまたは特定領域スイッチ24による遊技球の検出があれば異常と判定する。かかる異常判定により、大入賞口に対する不正入賞などを図る不正行為や、上入賞口スイッチ23A、下大入賞口スイッチ23B、継続領域スイッチ26および特定領域スイッチ24などのスイッチの故障や大入賞口内の球詰まりなどが検知し易くなる。
なお、大当り種別が「第1大当り」の場合、特定領域が設けられた下大入賞口が短時間(0.1秒)開放されるため、大当り遊技状態の終了後に確変状態となることが殆ど無い大当り種別となっている。また、0.1秒以外の短時間とし、下大入賞口への入賞が困難または実質的に不可能としてもよい。また、「第1大当り」において下大入賞口を「第2大当り」と同様に長開放(例えば29.5秒)にする一方、特定領域スイッチ24による遊技球の検出を無効としたり、振分装置28Gにより特定領域への進入を阻むようにしたり、特定領域への進入を阻害する部材(蓋や羽根など)を設けたりして、物理的に入賞できないように制御してもよい。また、大入賞口が1つの遊技機においては、「第2大当り」の場合は、所定のラウンド(例えば第1、第2ラウンド)において特定領域スイッチ24による遊技球の検出を有効としたり、特定領域への進入を可能とし、「第1大当り」の場合は、特定領域スイッチ24による遊技球の検出を無効としたり、特定領域への進入を不可能とすることで、この実施の形態と同様の大当り種別を再現することができる。以上のようにすることで、各ラウンドにおいて開放する大入賞口は大当り種別によらず一定となるので、ステップS296における決定の処理を省略でき、制御負担が軽減する。
また、図16に示すように、上大入賞口の開閉パターンは一定である。つまり、上大入賞口が、第1大当りまたは第2大当りのいずれであっても第3ラウンド以降のラウンドにおいてその開放上限時間が29.5秒で一定であるので、大当り遊技状態のラウンド継続率を一定とすることができる。これにより、一回の有利状態(大当り遊技状態)についての遊技者間の利益の公平さを担保することができる。
なお、この実施形態では、下大入賞口は、第1、第2ラウンドにおいて開放状態となるが、第1ラウンドのみ開放状態となるようにしたり、第1−第nラウンド(但し、nは3以上で上限ラウンド数未満の自然数)において開放状態となるようにしたりしてもよい。また、上大入賞口は、第3ラウンド以降のラウンドにおいて開放状態となるが、第mラウンド(但し、mは2以上で上限ラウンド数までの自然数)から上限ラウンドまで(なお、mが上限ラウンド数の場合は上限ラウンドのみ)において開放状態となるようにしてもよい。
ステップS297の処理を実行した後には、大入賞口(上大入賞口または下大入賞口)を閉鎖状態から開放状態とするための開放開始制御が行われる(ステップS298)。このときには、ステップS296の処理により決定された開放する大入賞口に応じて、ソレノイド82A、82Bのいずれかに駆動信号を送信するための設定が行われる。一例として、上大入賞口を開放状態とする場合には、上大入賞口扉用のソレノイド82Aに駆動信号を送信するための設定を行う。一方、下大入賞口を開放状態とする場合には、下大入賞口扉用のソレノイド82Bに駆動信号を送信するための設定を行う。
その後、特図プロセスフラグの値を“5”に更新してから(ステップS299)、大当り開放前処理を終了する。ステップS299にて特図プロセスフラグの値が“5”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図9に示すステップS115の大当り開放中処理が実行される。
図17は、大当り開放中処理として、図9のステップS115にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、大入賞口開放上限時間が経過したか否かを判定する(ステップS301)。このとき、大入賞口開放上限時間が経過していなければ(ステップS301;No)、上大入賞口スイッチ23Aと下大入賞口スイッチ23Bのうちで、遊技球の検出が有効な大入賞口スイッチから伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS302)。
ステップS302にて大入賞口スイッチがオンである場合には(ステップS302;Yes)、入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS303)。入賞個数カウント値は、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられた入賞個数カウンタの格納値であり、1回のラウンド遊技が実行されるあいだに大入賞口スイッチにより検出された遊技球の個数を示すものであればよい。その後、大入賞口スイッチにより遊技球が検出されたことに基づいて、賞球となる遊技球を払い出すための設定を行う(ステップS304)。なお、賞球を直接に払い出すことに代えて、賞球の個数に対応した得点を付与するようにしてもよい。
ステップS302にて大入賞口スイッチがオフである場合や(ステップS302;No)、ステップS304の処理を実行した後には、ラウンドカウント値が「1」、「2」のいずれかであるか否かを判定する(ステップS305)。ステップS305にてラウンドカウント値が「1」、「2」のいずれかである場合には(ステップS305;Yes)、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS306)。確変確定フラグは、確変状態の確定の有無を示すフラグである。このとき、確変確定フラグがオフであれば(ステップS306;No)、特定領域スイッチ24から伝送された検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS307)。そして、特定領域スイッチ24がオンであるときには(ステップS307;Yes)、確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS308)。ここで、特定領域スイッチ24がオンとなって、確変状態となることが確定したことを演出制御基板12に通知するための確変確定コマンドの送信設定が行われる(ステップS309)。
ステップS305にてラウンドカウント値が「1」、「2」のいずれでもない場合には(ステップS305;No)、ラウンドカウント値が「3」〜「14」のいずれかであるか否かを判定する(ステップS310)。ステップS310にてラウンドカウント値が「3」〜「14」のいずれかである場合には(ステップS310;Yes)、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた次ラウンド継続フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS311)。次ラウンド継続フラグは、次ラウンド継続の有無を示すフラグである。このとき、次ラウンド継続フラグがオフであれば(ステップS311;No)、継続領域スイッチ26から伝送された検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS312)。そして、継続領域スイッチ26がオンであるときには(ステップS312;Yes)、次ラウンド継続フラグをオン状態にセットする(ステップS313)。
ステップS306にて確変確定フラグがオンであるときや(ステップS306;Yes)、ステップS307にて特定領域スイッチ24がオフであるとき(ステップS307;No)、ステップS309の処理を実行した後、ラウンドカウント値が上限回「15」であるとき(ステップS310;No)、ステップS311にて次ラウンド継続フラグがオンであるときや(ステップS311;Yes)、ステップS312にて継続領域スイッチ26がオフであるとき(ステップS312;No)、あるいはステップS313の処理を実行した後には、入賞個数カウント値が予め定められた入賞上限判定値(例えば「9」)に達したか否かを判定する(ステップS318)。このとき、入賞上限判定値に達していなければ(ステップS318;No)、大当り開放中処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放中処理が再び実行される。
一方、ステップS301にて大入賞口開放上限時間が経過した場合や(ステップS301;Yes)、ステップS318にて入賞上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS318;Yes)、今回のラウンド遊技を終了すると判断して、開放状態となっている大入賞口(上大入賞口または下大入賞口)を閉鎖状態に戻すための開放終了制御が行われる(ステップS319)。このときには、開放した大入賞口に応じて、ソレノイド82A、82Bのいずれかに対する駆動信号の送信を停止するための設定が行われればよい。
なお、ステップS313にて次ラウンド継続フラグをセットしたときは、ステップS318に進むのではなく、ステップS319に進むようにして、そのラウンドを終了させてもよい。この場合には、ステップS313の処理後に、ステップS318における判定の処理を省略でき、制御負担が軽減する。
ステップS319の処理に続いて、入賞個数カウンタをクリアすることで、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS320)。そして、特図プロセスフラグの値を“6”に更新してから(ステップS321)、大当り開放中処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“6”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図9に示すステップS116の大当り開放後処理が実行される。
図18は、大当り開放後処理として、図9のステップS116にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた次ラウンド待ちフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS331)。次ラウンド待ちフラグは、大当り遊技状態における次回のラウンド遊技が開始されるまで待機することに対応して、後述するステップS334の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS331にて次ラウンド待ちフラグがオフであるときには(ステップS331;No)、ラウンドカウント値が予め定められたラウンド上限判定値(例えば「15」)に達したか否かを判定する(ステップS332)。このとき、ラウンド上限判定値に達していなければ(ステップS332;No)、ラウンドカウント値が「1」、「2」のいずれかであるか否かを判定する(ステップS332A)。ステップS332Aにてラウンドカウント値が「1」、「2」のいずれでもない場合には(ステップS332A;No)、次ラウンド継続フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS332B)。次ラウンド継続フラグがオンであれば(ステップS332B;Yes)、次ラウンド継続フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS332C)。ステップS332Aにてラウンドカウント値が「1」、「2」のいずれかである場合(ステップS332A;Yes)、ステップS332Cの処理を実行した後には、次ラウンド待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS333)。そして、次ラウンド待ちフラグをオン状態にセットしてから(ステップS334)、大当り開放後処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行される。
ステップS332にてラウンド上限判定値に達したと判定された場合(ステップS332;Yes)、次ラウンド継続フラグがオフの場合(ステップS332B;No)には、大当り終了前時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS335)。このときには、ラウンドカウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS336)。また、大当りフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS337)。そして、特図プロセスフラグの値を“7”に更新してから(ステップS338)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“7”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図9に示すステップS117の大当り終了処理が実行される。なお、次ラウンド継続フラグがオフの場合(ステップS332B;No)でも、次ラウンド待ち時間をセットし、遅れ球の入賞状況を見て、継続領域スイッチ26による遊技球の通過検出(つまり、V入賞の発生)したときには次のラウンドへ移行させ、待ってもV入賞が発生しなければ大当りを終了するようにしてもよい。また、各ラウンド(下大入賞口が開くラウンドでもよい)において、入賞検出した遊技球数分の遊技球が大入賞口から排出されることを次のラウンドや大当りの終了の条件としてもよい(この場合でも待っている時間に遊技球を検出する処理を実行する)。
ステップS331にて次ラウンド待ちフラグがオンである場合には(ステップS331;Yes)、次ラウンド待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS339)。そして、次ラウンド待ち時間が経過していなければ(ステップS339;No)、ステップS333にて設定された次ラウンド待ち時間の計時に用いる、遊技制御タイマ設定部153に設けられた次ラウンド待ち時間タイマのタイマ値を「1」減算して、大当り開放後処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行され、次ラウンド待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS339にて次ラウンド待ち時間が経過したときには(ステップS339;Yes)、次ラウンド待ちフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS340)。また、ラウンドカウント値を1加算するように更新する(ステップS341)。そして、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS342)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図9に示すステップS114の大当り開放前処理が実行され、新たなラウンド遊技を開始させることができる。
図19は、大当り終了処理として、図9のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了前時間が経過したか否かを判定する(ステップS361)。このとき、大当り終了前時間が経過していなければ(ステップS361;No)、大当り終了処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り終了処理が再び実行され、大当り終了前時間が経過するまで待機する。
ステップS361にて大当り終了前時間が経過した場合には(ステップS361;Yes)、時短制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を時短状態とするための設定を行う(ステップS362)。一例として、ステップS361の処理では、時短フラグをオン状態にセットすることに加え、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「70」)を、時短回数カウンタに設定する。なお、確変状態か否かで時短回数(つまり、時短回数カウンに設定されるカウント初期値)を異ならせてもよい。例えば、確変状態の場合は時短回数を例えば150回、低確率状態の場合は例えば100回などとしてもよい。この場合、確変状態も回数切りでもよく、例えば150回、あるいは150回よりも多いまたは少ない回数であってもよい。そして、ステップS362の後、確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS363)。
ステップS363にて確変確定フラグがオンであるときには(ステップS363;Yes)、確変制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS364)。一例として、ステップS364の処理では、確変フラグをオン状態にセットすることに加え、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「71」)を、確変回数カウンタに設定する。その後、確変確定フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS365)。
ステップS363にて確変確定フラグがオフであるときや(ステップS363;No)、ステップS365の処理を実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS336)、大当り終了処理を終了する。特図プロセスフラグが“0”に初期化されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図9に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図20(A)は、普通図柄プロセス処理として、図8のステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20(A)に示す普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、普図保留記憶部151Cにおける保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR4を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部151Cにおける空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR4が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、図20(A)に示すステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部151Cに格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部151Cに格納された保留データがある場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する普図表示結果決定処理が実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
普図表示結果決定処理では、普図保留記憶部151Cから読み出した保留データに含まれる普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどに基づき、所定の普図表示結果決定テーブルを参照して、普図表示結果を決定する。ここで、普図表示結果決定テーブルでは、高開放制御を伴う時短制御が行われているか否かに応じて、普図表示結果決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、普図表示結果を「普図当り」と「普図ハズレ」のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
図20(B)は、普図表示結果等の決定例を示している。この決定例では、時短制御の有無に応じて、普図表示結果を「普図当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、時短制御が行われているときには、時短制御が行われていないときよりも高い割合で、普図表示結果が「普図当り」に決定される。これにより、遊技状態が高ベース状態で高開放制御を伴う時短制御が行われるときには、低ベース状態であるときに比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口が開放状態または拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。
また、高開放制御を伴う時短制御が行われる高ベース状態では、時短制御が行われない低ベース状態よりも普図変動時間が短くなるように設定される。これにより、高ベース状態にて時短制御が行われるときには、低ベース状態であるときに比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口が開放状態または拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。さらに、高ベース状態では、第2始動入賞口を開放状態または拡大開放状態とする開放時間や開放回数が低ベース状態よりも増加するように設定される。これにより、高ベース状態にて時短制御が行われるときには、低ベース状態であるときに比べて第2始動入賞口が開放状態や拡大開放状態となる時間や回数が増加することで、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。なお、第2始動入賞口を開放状態や拡大開放状態とする設定は、ステップS142の普通図柄停止処理やステップS143の普通電動役物作動処理にて行うようにしてもよい。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を通常開放状態から拡大開放状態に変化させるための設定などが行われる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図21のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図21に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図22は、コマンド解析処理として、図21のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することにより、そのMODEデータが大入賞口開放指定コマンドであり、且つそのコマンドのEXTデータを確認することにより、そのEXTデータが15回目の大入賞口開放を指定するものであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、15回目の大入賞口開放を指定する大入賞口開放指定コマンドつまりコマンドA115Hであるときには(ステップS502;Yes)、保留内に大当りが有るか否かを判定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される、図7(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータ中の図柄指定コマンドにおいて、「大当り」となるものがあるか否かを判定する。例えば図7(B)では、バッファ番号「4」の図柄指定コマンドがコマンドC402Hであり、演出制御用CPU120は「大当り」となるものがあると判定する。
ステップS503にて保留内に大当りが有ると判定した場合には(ステップS503;Yes)、始動入賞時受信コマンドバッファ194A内における大当り保留に対応する予告フラグをオン状態にセットする(ステップS504)。例えば、図7(B)では、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号「4」に対応する格納領域の図柄指定コマンドが大当りを示すコマンドであるため、そのバッファ番号「4」に対応する格納領域に連チャン予告フラグをオン状態にセットする。オン状態にセットされた連チャン予告フラグは、当該15ラウンドの大当り遊技状態の終了後における、図24の先読み予告設定処理(ステップS161)や先読み予告実行処理(ステップS162)にて用いられ、画像表示装置5での可変表示中において始動入賞記憶表示エリア5Hに表示される保留記憶表示のうち、連チャンとなる保留記憶表示を所定の態様(後述する例えば星型の青色表示)で表示させる。なお、連チャン対象の大当りが実行される際に、連チャン予告フラグをオフ状態にリセットする。また、連チャン対象の大当りに限らず、大当りが実行される際に連チャン予告フラグをリセットするようにしてもよい。なお、15回目の大入賞口開放を指定する大入賞口開放指定コマンド(コマンドA115H)を受信したタイミングで、保留内に大当りが有るか否かを判定し(ステップS503)、大当り有りの場合(ステップS503;Yes)に当該大当り遊技状態中に大当り確定報知などを行う(例えば、大当り中演出処理(ステップS174)にて大当り確定報知などを行う)ようにしてもよい。この大当り確定報知は、大当りキャラクタが登場させたり、大当り文字情報を表示させたりするなどの種々の大当り確定報知表示と、大当り音、大当り楽曲、大当り効果音などの種々の大当り確定音報知と、大当り態様ランプ点灯などの大当り確定ランプ報知とのうち少なくとも一つを実行するものとすればよい。
ステップS502にて受信コマンドが、15回目の大入賞口開放を指定する大入賞口開放指定コマンド(つまりコマンドA115H)でない場合(ステップS502;No)、ステップS503にて保留内に大当りがないと判定した場合(ステップS503;No)、あるいはステップS504の処理を実行した後には、その他のコマンド解析処理、例えばその他の受信コマンドに対応するフラグをセットするなどの設定を行い(ステップS505)、コマンド解析処理を終了する。
上記のコマンド解析処理にて受信した各演出制御コマンドは、例えば、図23に示すようにそのコマンドに応じた処理内容でそれぞれ処理される。なお、図23中、フラグをセットとは、フラグをオン状態にすることをいう。
図24は、演出制御プロセス処理として、図21のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読み予告演出の有無や演出態様を決定する先読み予告設定処理を実行する(ステップS161)。
図25(A)は、図24のステップS161にて実行される先読み予告設定処理の一例を示すフローチャートである。図25(A)に示す先読み予告設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1始動口入賞指定コマンドを新たに受信しているか否かを判定する(ステップS601)。第1始動口入賞指定コマンドを受信していない場合(ステップS601;No)、先読み予告設定処理を終了する。
なお、この実施の形態では、第1始動口への入賞に基づく先読み予告演出を実行するようになっているが、第2始動入賞口への入賞に基づく先読み予告演出を実行するようにしてもよい。この場合、ステップS601においては、第2始動口入賞指定コマンドを新たに受信しているか否を判定するようにすればよい。
いずれかの入賞指定コマンドを新たに受信している場合には、当該始動入賞に基づく、先読み予告演出の実行が制限される期間(先読み予告制限期間)であるか否かを判定する(ステップS602)。先読み予告制限期間である場合には(ステップS602;Yes)、先読み予告設定処理を終了する。
ステップS602の処理では、大当り遊技状態である場合、または、既に先読み予告演出を実行している場合には、先読み予告制限期間であると判定される。なお、先読み予告制限期間は、先読み予告演出を新たに実行するのにふさわしくない任意のタイミングが設定されればよい。なお、遊技状態が高ベース状態である場合や、大当り中に優先消化されない第1特図の方だけ制限の対象としてもよい等、遊技状態だけでなく他の要素(例えば特図の種類など)も複合した状況に対して制限をかけるものであってもよい。
先読み予告制限期間でない場合には(ステップS602;No)、連チャン予告フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS602A)。一例として、演出制御用CPU120は、ステップS602Aにおいて、図7(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのバッファ番号「1」〜「8」の対応する格納領域のうち連チャン予告フラグがオン状態であるものが有るかを判定する。連チャン予告フラグがオン状態であるものがある場合には(ステップS602A;Yes)、保留内大当り報知予告パターンを決定する(ステップS603A)。一例として、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の表示領域の始動入賞記憶表示エリア5Hに表示された第1特図の保留記憶表示のうち、連チャンとなる保留記憶表示を星型の青色表示で表示させる保留内大当り報知予告パターンを決定する。なお、他の第1特図の保留記憶表示は丸型の青色表示で表示されている。遊技者は、かかる保留予告表示(星型の保留表示)を見ることにより、連チャンとなることを知ることができ、遊技の興趣性が向上する。この実施形態では、保留予告表示(星型の保留表示)としているが、前述したように当該大当り遊技状態中において大当り確定報知(画像表示装置5に大当りキャラクタなどを表示する大当り確定報知表示と、大当り音などを出力する大当り確定報知音演出と、大当り態様でランプ点灯させるなどの大当り確定ランプ報知の少なくとも一つ)を行うようにしてもよい。
連チャン予告フラグがオン状態であるものがない場合には(ステップS602A;No)、先読み予告演出の実行の有無と先読み予告演出を実行する場合の演出態様(先読み予告パターン)を決定する(ステップS603)。一例として、ステップS603の処理では、先読み予告演出の有無と先読み予告パターンとを決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み予告決定テーブルを選択してセットする。先読み予告決定テーブルでは、変動カテゴリコマンドから特定される変動カテゴリに応じて、先読み予告決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、先読み予告演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、先読み予告演出を実行する場合における複数の先読み予告パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した先読み予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み予告決定テーブルを参照することにより、先読み予告演出の有無と先読み予告パターンとを決定すればよい。
ステップS603の処理では、例えば図25(B)に示すような決定割合で、先読み予告演出の有無と先読み予告パターンとが決定されればよい。図25(B)に示す決定割合の設定例では、変動カテゴリに応じて、先読み予告演出の有無や先読み予告パターンの決定割合を異ならせている。これにより、先読み予告演出の演出態様に応じて変動カテゴリ(リーチとなるか否かや大当りとなるか否か)を予告することができる。
続いてステップS603Aの処理を実行した後、あるいはステップS603の処理を実行した後には、先読み予告演出を実行することが決定されたか否かを判定する(ステップS604)。先読み予告演出を実行しないことが決定された場合には(ステップS604;No)、先読み予告設定処理を終了する。
先読み予告演出を実行することが決定された場合には(ステップS604;Yes)、現在画像表示装置5において、リーチ演出が実行中であるか否かを判定する(ステップS605)。ステップS605では、変動開始から変動パターン毎に定められたリーチ演出の実行開始までの時間が経過したか否かなどにより、リーチ演出が実行中であるか否かを判定すればよい。
リーチ演出が実行中でなければ(ステップS605;No)、ステップS603において決定された先読み予告パターンに対応する先読み予告演出を開始するための設定を行う(ステップS606)。ステップS606では、先読み予告パターンに対応した先読み予告演出制御データを読み出して、その演出制御データに基づく演出を開始する。そして、先読み予告演出が実行中であることを示す先読み予告実行中フラグをオン状態にセットし(ステップS607)、先読み予告設定処理を終了する。
一方、リーチ演出が実行中であれば(ステップS605;Yes)、あるいはステップS607の処理を実行した後、先読み予告設定処理を終了する。
図24に示すステップS161にて先読み予告設定処理を実行した後には、先読み予告実行処理を実行する(ステップS162)。
図26は、図24のステップS162にて実行される先読み予告実行処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す先読み予告実行処理において、演出制御用CPU120は、まず、連チャン予告フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS621)。
連チャン予告フラグがオン状態であれば(ステップS621;Yes)、図25のステップS603Aで決定した保留内大当り報知予告パターンによる保留内大当り報知予告を実行する。続いて、連チャン予告フラグがオフ状態であるとき(ステップS621;No)、あるいはステップS621Aの処理を実行した後には、先読み予告演出実行中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS622)。先読み予告実行中フラグがオン状態であれば(ステップS622;Yes)、リーチ演出が開始されるタイミングとなったか否かを判定する(ステップS623)。先読み予告実行中フラグがオフ状態(ステップS622;No)、あるいは、リーチ演出が開始されるタイミングであれば(ステップS623;Yes)、先読み予告実行処理を終了する。
リーチ演出が開始されるタイミングでなければ(ステップS623;No)、先読み予告演出制御データに基づいて先読み予告演出の演出制御を実行する(ステップS624)。そして、先読み予告演出の終了タイミングとなったか否かを判定し(ステップS625)、終了タイミングであれば先読み予告実行中フラグをオフ状態にクリアして(ステップS626)、先読み予告実行処理を終了する。
図25、図26を用いて説明したように、パチンコ遊技機1では、変動中の先読み(図25(A)のステップS603)と、連チャン先読み(図25(A)のステップS603A)とが実行可能である。変動中の先読みについては、始動入賞があると(図25(A)のステップS601)、変動中の先読み予告演出の実行の有無と先読み予告演出を実行する場合の先読み予告パターンとが決定される(図25(A)のステップS603)。そして、変動中の先読み予告演出の実行が有りの場合には、変動中の先読み予告演出がリーチ演出前に実行される(図26のステップS624)。一方、連チャン先読みについては、大当り遊技状態において、連チャン予告フラグがオン状態であるか否かを判定し(図25(A)のステップS602A)、連チャン予告フラグがオン状態であれば、例えば連チャンとなる保留記憶表示を星型の青色表示で表示させる保留内大当り報知予告パターンが決定される(図25(A)のステップS603A)。そして、保留内大当り報知予告が実行される(図26のステップS621A)。なお、保留変化によるものではなく、毎変動演出を連続的に実行するものでもよい。
図24、図26に示すステップS162にて先読み予告実行処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態(例えば第1大当りまたは第2大当りなど)における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像(例えば第1大当り演出画像または第2大当り演出画像など)を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ここで、図27を用いて、第1大当りと第2大当りの場合の上大入賞口および下大入賞口の開閉動作について説明する。図27(A)は、第1大当りにおける上大入賞口と下大入賞口の開閉パターンの一例を示すタイムチャート、図27(B)は第2大当りにおける上大入賞口と下大入賞口の開閉パターンの一例を示すタイムチャートである。
第1大当りでは、図27(A)に示すように、大当り遊技状態の第1、第2ラウンドにおいて、下大入賞口が所定時間(0.1秒)開放状態となり、第3ラウンドにおいて上大入賞口が所定時間(29.5秒)開放状態となり、当該ラウンドにて継続領域への入賞があれば次ラウンドまで上大入賞口が開放状態となる大当りが継続する。つまり、第1大当りでは、下大入賞口の開放状態が0.1秒間であり、下大入賞口に遊技球が入賞することが困難であることから、下大入賞口内の特定領域への入賞が困難であり、確変状態となるための確変制御条件の成立が困難であるものの、第3ラウンド以降では、上大入賞口の継続領域への入賞を条件に上大入賞口の開放状態が上限の第15ラウンドまで継続されるので、多数の遊技球が賞球として払い出され、遊技者にとって有利な状態である。
第2大当りでは、図27(B)に示すように、大当り遊技状態の第1、第2ラウンドにおいて、下大入賞口が所定時間(29.5秒)開放状態となり、第3ラウンドにおいて上大入賞口が所定時間(29.5秒)開放状態となり、当該ラウンドにて継続領域への入賞があれば次ラウンドまで上大入賞口が開放状態となる大当りが継続する。つまり、第2大当りでは、下大入賞口の開放状態が29.5秒であり、下大入賞口に遊技球が入賞することができ、特定領域に入賞することで、確変状態となるための確変制御条件の成立が可能であることから、さらに遊技者にとって有利な状態となる。
以上説明したように、上記実施の形態のパチンコ遊技機1では、一の大当り遊技状態中の第1期間(例えば、少なくとも最初のラウンドを含む期間:この実施の形態では第1、第2ラウンドの期間)において下大入賞口が開放状態となるので、確変状態となるか否かの機会が必ず与えられており、ラウンド継続の有無に依存せずに確変確率を一定にできる。つまり、公平さを担保できる。また、大当り遊技状態中の第1期間後の第2期間における所定期間(ここでは第3ラウンド以降の各ラウンドの期間)において遊技球が継続領域スイッチ26を通過したことに基づいて、大当り遊技状態の制御が継続される、つまりラウンド継続されるので、ラウンド継続するか否かの機会も与えられており、ラウンド継続するか否かの遊技の興趣性も確保できる。
また、この実施形態では、下大入賞口の開閉パターンを複数備える。例えば、下大入賞口が短開放する開閉パターン(図27(A)参照)と、下大入賞口が長開放する開閉パターン(図27(B)参照)とを備えるので、例えば特図の種類などに応じて確変状態の移行割合を異ならせることができ、遊技の興趣性を高めることができる。例えば、高ベース状態中の連荘(連チャン)により出球を多数獲得できる。詳述すれば、一の有利状態(大当り遊技状態)においてはラウンド継続の有無にかかわらず確変確率を一定にすることができ、有利状態の種類(大当り種別)ごとに確変状態の移行割合を異ならせることができ、遊技の興趣性を高めることができる。つまり、一回の大当りの中で確変割合が異なることを防止しつつ、遊技機として例えば特図の種類により確変期待度が異なるようにできる。
また、この実施形態では、上大入賞口の開閉パターンは一定である。つまり、上大入賞口が、第1大当りまたは第2大当りのいずれであっても第3ラウンド以降のラウンドにおいてその開放上限時間が29.5秒で一定であるので、大当り遊技状態のラウンド継続率を一定とすることができる。これにより、一回の大当り遊技状態についての遊技者間の利益の公平さを担保することができる。
また、この実施形態では、上大入賞口に入賞した遊技球は、上大入賞口内の振分装置27Gの動作により、継続領域または継続領域以外の領域のいずれかに振り分けられることから、上大入賞口に入賞した遊技球が必ず継続領域に入賞するものではなく、振分装置27Gによる遊技球の挙動に面白みを持たせることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。また、下大入賞口に入賞した遊技球は、下大入賞口内の振分装置28Gの動作により、特定領域または特定領域以外の領域のいずれかに振り分けられることから、下大入賞口に入賞した遊技球が必ず特定領域に入賞するものではなく、振分装置28Gによる遊技球の挙動に面白みを持たせることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、この実施形態では、大当り遊技状態中において上大入賞口の開放状態への制御が所定回(例えば、上限回)実行される(例えば、上大入賞口が最終ラウンド(例えば第15ラウンド)まで継続される)ときに、第1特図保留記憶部151Aまたは第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留情報の中に、大当り遊技状態へ制御される特定保留記憶(例えば、大当りの保留記憶など)が含まれることを予告する。すなわち、所定ラウンド(例えば、最終ラウンド)に継続されるときに保留内に大当りが有る場合、つまり連荘(連チャン)となることを予告することができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態のパチンコ遊技機1は、有利状態(大当り遊技状態)のうち有利度合の低い所定有利状態として、図28に示す第3大当り(例えば、突確大当りまたは小当たりなど)を備える構成とし、この第3大当りでは、下大入賞口を、遊技球が進入困難または進入不可能な態様の開状態に制御する(例えば、第1、第2ラウンドにて特別可変入賞球装置7Bの開放上限時間が0.1秒であるなど)ものであってもよい。例えば突確大当りの場合には、突確大当り遊技状態の終了後に、確変状態に制御される。また、小当りの場合には、大当りとは異なる小当り抽選に当選すると小当り遊技状態となるが、小大当り遊技状態の終了後も、遊技状態に変化なしのままである。この構成よれば、第3大当り(例えば突確、小当りなど)では、下大入賞口のみが、遊技媒体が進入困難または進入不可能な態様の開状態となるので、上大入賞口は閉状態のままで開状態にならず、出球を取らせたくない状況において上大入賞口の開状態が継続してしまうことを防止できる。この場合には、上記実施の形態において透明とした遊技領域2の一部(例えば排出通路28に対応する箇所など)を不透明としたり、下大入賞口の開放状態において特定領域が見えないまたは見え難い構成にしたりするなど、遊技球が特定領域に進入したか否かが見えないまたは見え難いようにすることが好ましい。突確状態を効果的に発生させることができるからである。
また、図29に示すように、大当り種別に応じて先読み実行割合が異なるように構成してもよい。例えば、第1特図保留記憶部151A、第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留情報に基づいて、大当り遊技状態に制御されるか否か、及び、大当り遊技状態の種類を判定する判定手段(例えばステップS240、S242の処理を実行するCPU103など)と、この判定結果に応じて異なる割合で先読み予告を実行する先読み予告実行手段(例えば先読み判定(例えばステップS211の処理など)とその先読み結果のコマンドを送信する処理(例えばステップS71の処理など)を実行するCPU103と、受信した先読み結果のコマンドに基づいて先読み予告演出(例えばステップS161、S162の処理など)を実行する演出制御用CPU120と、を備える構成など)とを備えるようにしてもよい。図29に示す一例では、大当り種別がハズレのときは先読み実行割合が1/100、大当り種別が第1大当りのときは先読み実行割合が10/100、大当り種別が第2大当りのときは先読み実行割合が30/100となっており、遊技者にとってより有利になるに連れて先読み実行割合が高くなっている。これにより、大当り遊技状態の種類についての先読み予告を遊技者に提供でき、遊技の興趣性が向上する。また、大当り遊技状態の種類として、第3大当り(例えば突確)を含めてもよい。また、可変入賞装置の開閉パターン(例えば、下大入賞口が開放されるか否か、下大入賞口の開放パターンの種類など)に応じて異なる割合で先読み予告を実行してもよい。
また、上記実施の形態では、主基板11側で先読み判定(例えばステップS211の処理など)し、主基板11での先読み判定結果のコマンドが送信され(例えばステップS71の処理など)、演出制御基板12側でその受信コマンドに基づいて先読み予告演出を実行する(例えばステップS161、S162の処理など)構成としているが、これに限定されない。例えば、主基板11で乱数値を示すコマンド送信し(例えば入賞時乱数値を示すコマンドを送信する実行するCPU103など)、演出制御基板12側で大当り判定(例えば先読み判定を実行する演出制御用CPU120など)し、演出制御基板12側で先読み予告演出を実行する(例えばステップS161、S162の処理を実行する演出制御用CPU120など)構成であってもよい。つまり、主基板11側ではなく、演出制御基板12側で先読み判定を行うようにしてもよい。
上記実施の形態では、遊技領域2に左遊技領域2Aと右遊技領域2Bとがあり、画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより、左遊技領域2Aと右遊技領域2Bとが区分けされるものとして説明した。これに対して、遊技領域2が区分けされず、遊技領域2へと発射された遊技球が第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれにも誘導され得るようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、特別可変入賞球装置7A(第2可変入賞装置)の下に特別可変入賞球装置7B(第1可変入賞装置)を配置しているが、その配置を上下逆としたり、横並びや斜め並びとしたり、両者を離して配置したりしてもよい。
また、上記実施の形態では、特別可変入賞球装置7A及び7B(上大入賞口及び下大入賞口)が右遊技領域2Bに設けられていたが、一方を左遊技領域2Aに設け、他方を右遊技領域2Bに設けるようにしてもよい。このようすることで、遊技者が大入賞口を打ち分けすることができるようになり、より遊技の興趣が向上する。また、特別可変入賞球装置7A及び7Bは扉状の入賞口となっていたが、少なくとも一方を引き出し式の入賞口としてもよい。引き出し式の入賞口は、スライド式の板が遊技盤の盤面から突出することにより遊技球(遊技媒体)を入賞させることが可能となるものである。例えば、上記実施の形態においては、大当り種別が「第1大当り」の場合に、0.1秒間開放状態(特定態様)とする動作は、大入賞口を引き出し式の入賞口で構成した場合に、球噛みの発生を防止するために、より有効な動作となる。
上記実施の形態では、遊技者にとって有利な特別状態は確変状態としているが、時短状態、高ベース状態などであってもよい。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。この場合、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームにて特図表示結果が「大当り」となったかにかかわらず、所定割合で特定領域を遊技球が通過しやすい大入賞口を開放状態に変化させるか否かが決定されてもよいし、いずれの始動入賞口を遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、特定領域を遊技球が通過しやすい大入賞口を開放状態に変化させる割合が異なるように設定されてもよい。
上記実施の形態のパチンコ遊技機1では、V継続方式(継続領域への入賞を条件に上大入賞口の開放状態が次ラウンドまで継続される方式)としているが、上限ラウンド実行方式(上大入賞口の開放状態が必ず上限ラウンドまで実行される方式)であってもよい。この場合には、継続領域スイッチ26は不要である。
また、この実施形態では、上大入賞口の開放状態中において、振分装置27Gが常時動作しているが、上大入賞口の開放状態中の所定期間において動作するものであってもよい。例えば、上大入賞口の一回の開放状態における上限入賞個数(この実施の形態では9個)よりも小さい所定入賞個数(例えば8個またはそれ未満の個数)までは振分装置27Gが動作せず、継続領域への入賞が困難または不可能であり、当該所定入賞個数(例えば8個またはそれ未満の個数)の入賞があると振分装置27Gが動作し、上限入賞個数目(9個目など)の遊技球が継続領域に入賞するか否かが振り分けられる構成であってもよい。この場合には、さらに、振分装置27Gによる遊技球の挙動に面白みを持たせることができる。また、振分装置28Gについても、下大入賞口の開放状態中において常時動作するのではなく、下大入賞口の開放状態中の上記と同様の所定期間において動作するものであってもよい。
また、この実施形態では、振分装置27Gおよび振分装置28Gは視認(確認)可能となっているが、その少なくとも一方が視認(確認)不可能であってもよい。また、振分装置27Gおよび振分装置28Gは、大入賞口の外部に設けられたものであってもよい。また、振分装置27Gおよび振分装置28Gは、クルーン、シーソー、揺動ステージなどのような種々の振分装置であってもよい。
また、図柄の可変表示について、変動中に表示されるものは1種類の外れ図柄だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を繰り返すようにしてもよい。さらに変動中に表示されるものも、図柄の停止時に表示されるものでなくてもよい(例えば、表示機器が7セグメントなどの場合に、変動中は真ん中の横棒の点灯と消灯の繰り返しだが、表示結果としては真ん中の横棒だけが表示されることはない等)。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
加えて、本発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。