以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)と、遊技盤を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域2が形成されている。この遊技領域2には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技領域2の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤における遊技領域2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリアが配置されてもよい。始動入賞記憶表示エリアでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに発生する。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリアとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
遊技盤の盤面上に形成された遊技領域2には、画像表示装置5の天辺よりも左側の左遊技領域2A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域2B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域2Aと、第2遊技領域である右遊技領域2Bは、例えば遊技領域2の内部における画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域2に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域2Aには、普通入賞球装置6Aが設けられている。例えば普通入賞球装置6Aは、画像表示装置5の中央下方に設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。このように、左遊技領域2Aには、常時遊技球が進入(通過)可能な第1始動入賞口を形成する普通入賞球装置6Aが設けられている。
右遊技領域2Bには、普通可変入賞球装置6Bと通過ゲート41とが設けられている。例えば普通可変入賞球装置6Bは、画像表示装置5の右側方に設けられ、通過ゲート41は、普通可変入賞球装置6Bの上方に設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、右遊技領域2Bには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能または通過(進入)困難な第2可変状態とに変化可能な普通可変入賞球装置6Bが設けられている。
左遊技領域2Aや右遊技領域2Bにおける普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bなどの配置により、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された遊技球は、第2遊技領域である右遊技領域2Bに設けられた通過ゲート41を通過したり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)したりすることが不可能または困難である。加えて、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導された遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aに設けられた普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)することが不可能または困難である。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの下方には、2つの特別可変入賞球装置7A、7Bが設けられている。すなわち、特別可変入賞球装置7A、7Bは、第2遊技領域となる右遊技領域2Bに設けられている。
特別可変入賞球装置7Aは、図2に示す上大入賞口扉用のソレノイド82Aによって開閉駆動される上大入賞口扉を備え、その上大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する上大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7Aでは、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオフ状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7Aでは、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオン状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す上大入賞口スイッチ23Aによって検出される。
特別可変入賞球装置7Bは、図2に示す下大入賞口扉用のソレノイド82Bによって開閉駆動される下大入賞口扉を備え、その下大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する下大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7Bでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Bがオフ状態であるときに下大入賞口扉が下大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7Bでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Bがオン状態であるときに下大入賞口扉が下大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す下大入賞口スイッチ23Bによって検出される。
特別可変入賞球装置7Aが形成する上大入賞口や特別可変入賞球装置7Bが形成する下大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、多数の遊技球が賞球として払い出される。すなわち、特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉により下大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉により下大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な第2状態となる。なお、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技領域2の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
遊技盤の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域2の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域2の周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域2における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域2に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域2の下方における所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタン30が設置されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
右遊技領域2Bにおいて普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
普通可変入賞球装置6Bの上方に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間(特図変動時間)が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、上大入賞口または下大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7Aまたは特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば6個)の遊技球が上大入賞口または下大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、上大入賞口または下大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。上大入賞口に遊技球が進入したときには、上大入賞口スイッチ23Aにより入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「14」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されることのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。この実施の形態では、一例として、時短終了条件と確変終了条件とが同じであり、次回の大当り遊技状態が開始されなければ、最大100回の可変表示が実行されたことによって、時短終了条件と確変終了条件とが成立する。従って、時短状態及び確変状態となってから大当り遊技状態とならずに100回の可変表示が実行されると、時短状態及び確変状態が終了する。時短状態及び確変状態である状態は、スペシャルタイム状態や、ST状態、あるいは、単にスペシャルタイム、STともいう。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御、及び、高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくとも何れかが行われるときには、特図ゲーム(第2特図ゲーム)が頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)における可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
なお、確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。例えば可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態にて上大入賞口や下大入賞口が開放状態となる上限時間が短く、遊技球が通過(進入)困難または通過(進入)不可能なラウンド遊技が実行され、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御される場合がある。このような場合は、大当り種別が「突確」(「突然確変」ともいう)であるとも称される。そして、高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われる確変状態となるものの、高開放制御が行われないようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「14」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」となったときに、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」以外であるときには、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、下大入賞口に進入した遊技球が図2に示す特定領域スイッチ24によって検出されることで、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。すなわち、特定領域スイッチ24の設置箇所を特定領域とし、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、所定の確変制御条件を成立させることができる。
大当り遊技状態には、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」であるとき(第14ラウンド)に、下大入賞口を開放状態とする上限時間を異ならせた複数種類の大当り種別がある。一例として、大当り種別が「第1大当り」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が0.05秒に設定される。一方、大当り種別が「第2大当り」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が29.5秒に設定される。したがって、大当り種別が「第1大当り」の場合には、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が低く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しにくい。これに対して、大当り種別が「第2大当り」の場合には、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が高く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。大当り種別を複数種類のいずれとするかは、例えば特図ゲームの開始時に可変表示結果を「大当り」とする決定がなされたことに対応して、所定割合で決定される。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81、上大入賞口扉用のソレノイド82A、下大入賞口扉用のソレノイド82Bに伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や節電中報知LED9L、9Rなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、大入賞口スイッチ(上大入賞口スイッチ23Aおよび下大入賞口スイッチ23B)、特定領域スイッチ24といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDさらには節電中報知LED9L、9Rの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント(更新)可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
図3に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「300」のいずれかの値を取り得る。。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態となる開放状態や拡大開放状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。
図4は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
なお、飾り図柄の可変表示態様は、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態となることで、「リーチ」になる。具体的な一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。こうした「リーチ」にはならない飾り図柄の可変表示態様を、「非リーチ」という。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。また、ROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。また、一例として、RAM102には、図5に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図5に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。また、第2特図保留記憶部151Bの機能は、記憶の対象が第2特図の乱数値等の数値データである点を除き、第1特図保留記憶部151Aの機能と同様である。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドや操作検出ユニット31から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LED、さらには節電中報知LED9L、9Rなどに供給する。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図6のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図6に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介して各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7A、7Bにおける大入賞口(上大入賞口および下大入賞口)の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図7は、特別図柄プロセス処理として、図6のステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図8は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS204にて第2始動口スイッチ22Bがオフであるときや(ステップS204;No)、ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS205;Yes)、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには保留データが第1特図保留記憶部151Aにセットされる一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには保留データが第2特図保留記憶部151Bにセットされる。なお、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データは、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したときに抽出されるものに限定されず、第1特図や第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときに抽出されるようにしてもよい。
ステップS210の処理に続いて、始動入賞時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。第1始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第1始動入賞口を通過(進入)したことにより第1始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)したことにより第2始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。また、演出制御基板12に対して合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてもよい。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図6に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、始動入賞判定処理を終了する。
図7に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。図4に示すように、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して上大入賞口または下大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、上大入賞口または下大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や上大入賞口スイッチ23Aまたは下大入賞口スイッチ23Bによって検出された遊技球の個数などに基づいて、上大入賞口または下大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、上大入賞口または下大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、上大入賞口または下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図9は、特別図柄通常処理として、図7のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、確変制御が行われる確変状態であるか否かなどに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図10(A)は、ステップS239の処理における決定例を示している。この決定例では、遊技状態が確変状態であるか否か(確変制御の有無)に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、確変制御が行われている確変状態のときには、確変制御が行われていない通常状態や時短状態(非確変状態)のときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、確変制御が行われる確変状態であるときには、確変制御が行われない通常状態や時短状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、ステップS239にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図指定バッファ値などに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図10(B)は、ステップS242の処理における決定例を示している。この決定例では、開始条件が成立した特図ゲームにて可変表示される特別図柄(変動特図)が、第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。ここで、変動特図指定バッファ値が「1」であるときには、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第1特図となる。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であるときには、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第2特図となる。図10(B)に示す決定例では、変動特図が第1特図であるときに、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれかに決定される。一方、変動特図が第2特図であるときには、大当り種別が「第2大当り」にのみ決定される。すなわち、大当り種別が「第1大当り」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「第2大当り」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
この実施の形態では、大当り種別が「第2大当り」の場合に、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「14」である第14ラウンドにて、大当り種別が「第1大当り」の場合よりも下大入賞口を開放状態とする上限時間が長くなり、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。図10(B)に示すような決定割合で大当り種別が決定されることにより、変動特図が第2特図であるときには、第1特図であるときよりも高い割合で、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。すなわち、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合には、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第1特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合よりも確変制御条件が成立しやすい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。ステップS243の処理では、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファといったRAM102の所定領域に、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することで、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図11は、変動パターン設定処理として、図7のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS251)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS251;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS252)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS251;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS253)。
ステップS252の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。また、ステップS253の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図12は、大当り変動パターンの決定例を示している。図11に示すステップS252の処理では、例えば図12に示すような割合で、大当り時の変動パターンが決定される。図12に示す例では、大当り時の変動パターンとして、変動パターンPA3−1、変動パターンPA3−2のいずれかが、所定割合で使用パターンに決定される。
図13は、ハズレ変動パターンの決定例を示している。図11に示すステップS253の処理では、時短制御が行われていない非時短状態(時短中以外)であるときに、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、例えば図13(A)に示すような割合で、ハズレ時の変動パターンが決定される。また、図11に示すステップS253の処理では、時短制御が行われている時短状態(時短中)であるときに、変動特図が第2特図である場合、例えば図13(B1)に示すような割合で、ハズレ時の変動パターンが決定され、変動特図が第1特図である場合、例えば図13(B2)に示すような割合で、ハズレ時の変動パターンが決定される。ステップS253の処理では、ハズレ時の変動パターンを決定することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かが決定される。なお、変動パターンの決定とは別個の処理により、可変表示結果が「ハズレ」となる場合にリーチ状態とするか否かが決定されてもよい。
図12に示す例では、変動パターンPA3−2といった、スーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値が、変動パターンPA3−1といった、ノーマルリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値よりも多くなるように設定されている。一方、図13(A)や(B1)に示す例では、変動パターンPA2−1といった、ノーマルリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値が、変動パターンPA2−2といった、スーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値よりも多くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。
図13(A)に示す決定例では、合計保留記憶数が0、1または2以上のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに割り当てられる決定値が含まれている。このような設定により、合計保留記憶数に応じて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間を異ならせることができる。特に、合計保留記憶数が所定値(例えば「2」)以上であるときには、合計保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンに決定値が割り当てられていればよい。時短制御が行われない非時短状態には、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しにくく、第2特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が低い。そのため、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、合計保留記憶数にかかわらず、変動パターンの決定が行われてもよい。
図13(B1)に示す決定例では、合計保留記憶数が0、1または2以上のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに割り当てられる決定値が含まれている。このような設定により、合計保留記憶数に応じて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間を異ならせることができる。特に、合計保留記憶数が所定値(例えば「2」)以上であるときには、合計保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンに決定値が割り当てられていればよい。
図13(B2)に示す決定例では、合計保留記憶数が0〜8(実質的に特図1の保留記憶数0〜4)のいずれであるかにかかわらず、同じ変動パターンに決定値が割り当てられている。この実施の形態では、時短制御が行われている時短状態(時短中)であるときに、変動特図が第1特図である場合、ハズレ変動パターンとして、図13(B2)に示すように変動パターンPB1−1にのみ決定される。
この実施の形態では、時短制御が行われている時短状態(時短中)であるときに、変動特図が第2特図である場合、図13(B1)に示すようにハズレ変動パターンとして変動パターンPB2−1に決定されることはあるが、変動パターンPB1−1に決定されることはない。一方、時短制御が行われている時短状態(時短中)であるときに、変動特図が第1特図である場合、図13(B2)に示すようにハズレ変動パターンとして変動パターンPB1−1に決定されることはあるが、変動パターンPB2−1に決定されることはない。即ち、変動パターンPB2−1は、第2特図専用のハズレ変動パターンとなっており、変動パターンPB1−1は、第1特図専用のハズレ変動パターンとなっている。
この実施の形態では、図4に示すように、変動パターンPB1−1に対応して、200(ms:ミリ秒)といった特図変動時間が設定されている。また、変動パターンPB2−1に対応して、1000(ms)といった特図変動時間が設定されている。これらの変動パターンは、上述したように時短状態において、即ち高ベース状態(低確高ベース状態と高確高ベース状態とのいずれか)において選択され得る変動パターンである。変動パターンPB1−1に対応して設定された特図変動時間である200(ms)は、高ベース状態であるときの第1特図についての最短の可変表示時間となっている。また、変動パターンPB2−1に対応して設定された特図変動時間である1000(ms)は、高ベース状態であるときの第2特図についての最短の可変表示時間となっている。したがって、高ベース状態に制御されているときの第1特図についての最短の可変表示時間は、第2特図についての最短の可変表示時間よりも短い時間に設定されている。
また、この実施の形態では、高ベース状態(低確高ベース状態及び高確高ベース状態のいずれか)に制御されているときの第1特図についての可変表示時間である200(ms)は、大当り遊技状態の終了時に保留されている4つの第1特図の可変表示が、第2始動条件が成立する前に実行されるように、設定されている。詳細については後述する。
ステップS252、S253の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS254)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図4に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。したがって、ステップS252、S253の処理にて変動パターンを決定することにより、特図変動時間が決定される。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS254の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS255)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS255の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS256)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS256の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS257)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS257にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図14(A)は、特別図柄停止処理として、図7のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14(A)に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS265の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS261;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS262)。そして、図柄確定時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS263)。例えば、図柄確定コマンドとして予め用意された演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。さらに、特図確定表示時間を設定する(ステップS264)。ステップS264では、遊技状態が時短状態であるか否かや、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、異なる特図確定表示時間を設定する。
図14(B)は、特図確定表示時間の設定例を示す。図14(B)に示すように、遊技状態が時短状態(高ベース状態)のときに、変動特図が第1特図である場合、特図確定表示時間として0.1秒(100ms)が設定され、変動特図が第2特図である場合、特図確定表示時間として0.5秒(500ms)が設定される。また、遊技状態が非時短状態(低ベース状態)のときに、変動特図が第1特図である場合と第2特図である場合とにおいて、確定表示時間として0.5秒(500ms)が設定される。このように、この実施の形態では、高ベース状態のときには変動特図に応じて特図確定表示時間が異なるが、低ベース状態のときには変動特図によらずに特図確定表示時間が同じになるように設定されている。
ステップS264の処理の後、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS265)、特別図柄停止処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行される。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS261;Yes)特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS266)。このとき、特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS266;No)、特別図柄停止処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行され、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS266にて特図確定表示時間が経過した場合には(ステップS266;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS267)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS268)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS268;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS269)。そして、大当りを開始することを示す演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)の送信設定を行う(ステップS270)。次に、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする(ステップS271)。続いて、時短制御(高開放制御を含む)や確変制御を終了するための設定を行う(ステップS272)。例えば、ステップS272の処理として、遊技制御フラグ設定部152などに設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理、確変制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための確変回数カウンタをクリアする処理などが、実行されればよい。
時短回数カウンタは、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられ、大当り遊技状態の終了後に確変状態や時短状態となる場合に、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値が設定されればよい。確変回数カウンタは、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられ、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる場合に、確変制御が行われる特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値が設定されればよい。この実施の形態では、確変回数カウンタ及び時短回数カウンタには、カウント初期値として「100」がそれぞれ設定され、確変状態及び時短状態は、次回の大当り遊技状態が開始されなければ、100回の可変表示が実行されるまで継続する。
ステップS272の処理を実行した後には、現在の遊技状態を示す演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)の送信設定を行い(ステップS272a)、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS273)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS114の大当り開放前処理が実行される。
ステップS268にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS268;No)、時短制御(高開放制御を含む)や確変制御を終了させるか否かの判定を行う(ステップS274)。一例として、ステップS274の処理では、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、所定の時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短制御や高開放制御を終了すればよい。一方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持するなどして、ステップS274の処理を終了すればよい。
また、ステップS274の処理では、確変回数カウンタの格納値である確変回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するなどして更新する。そして、更新後の確変回数カウント値が所定の確変終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。このとき、確変終了判定値と合致すれば、所定の確変フラグをクリアすることなどにより、確変制御を終了すればよい。一方、確変終了判定値と合致しなければ、確変フラグの状態を維持するなどして、ステップS274の処理を終了すればよい。
ステップS274の処理を実行した後には、現在の遊技状態を示す演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)の送信設定を行い(ステップS274a)、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS275)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“0”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図15は、大当り開放前処理として、図7のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。大当り開始フラグは、大当り遊技状態の開始に対応して、図14に示すステップS271の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて大当り開始フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS292)。このとき、大当り開始時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS292;No)、大当り開放前処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放前処理が再び実行され、大当り開始時演出待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS292にて大当り開始時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS292;Yes)、大当り開始フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS293)、例えば遊技制御カウンタ設定部193といったRAM102の所定領域に設けられたラウンドカウンタに、ラウンド遊技の実行回数に対応するカウント初期値として「1」を設定する(ステップS294)。
ステップS291にて大当り開始フラグがオフであるときや(ステップS291;No)、ステップS294の処理を実行した後には、ラウンド遊技にて開放状態とする大入賞口を、特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口または特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口のいずれかに決定する(ステップS295)。図16(A)は、ステップS295の処理における決定例を示している。この実施の形態では、ラウンドカウント値が「1」〜「13」のいずれかであるときに、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。一方、ラウンドカウント値が「14」であるときには、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。したがって、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」となったときに、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行され、特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。
ステップS295の処理により開放する大入賞口を決定することにあわせて、遊技球を有効に検出するための検出有効スイッチを設定してもよい。例えば、ラウンドカウント値が「1」〜「13」のいずれかであるときには、上大入賞口が開放状態となることにあわせて、上大入賞口スイッチ23Aによる遊技球の検出を有効にする。一方、ラウンドカウント値が「14」であるときには、下大入賞口が開放状態となることにあわせて、下大入賞口スイッチ23Bによる遊技球の検出を有効にする。下大入賞口スイッチ23Bが有効化されるとともに、特定領域スイッチ24による遊技球の検出も有効にすればよい。
ステップS295の処理に続いて、例えば大当り種別バッファなどから大当り種別の記憶データを読み出す(ステップS296)。そして、大入賞口開放上限時間を決定する(ステップS297)。大入賞口開放上限時間は、大当り遊技状態にて実行される各回のラウンド遊技にて、上大入賞口または下大入賞口を開放状態とする上限時間である。図16(B)は、ステップS297の処理における決定例を示している。この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」であるときに、ラウンドカウント値が「1」〜「13」のいずれかである場合と「14」である場合とで、大入賞口開放上限時間を異ならせている。特に、ラウンドカウント値が「14」である場合には、大入賞口開放上限時間が極めて短い時間(0.05秒)に設定され、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が極めて低い。一方、大当り種別が「第2大当り」であるときには、ラウンドカウント値が「1」〜「14」のいずれであるかにかかわらず、大入賞口開放上限時間が一定時間(29.5秒)に設定される。したがって、大当り種別が「第2大当り」である場合には、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が高く、お当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。
ステップS297の処理を実行した後には、大入賞口(上大入賞口または下大入賞口)を閉鎖状態から開放状態とするための開放開始制御が行われる(ステップS298)。このときには、ステップS295の処理により決定された開放する大入賞口に応じて、ソレノイド82A、82Bのいずれかに駆動信号を送信するための設定が行われる。一例として、上大入賞口を開放状態とする場合には、上大入賞口扉用のソレノイド82Aに駆動信号を送信するための設定を行う。一方、下大入賞口を開放状態とする場合には、下大入賞口扉用のソレノイド82Bに駆動信号を送信するための設定を行う。
その後、ラウンドを開始することを示す演出制御コマンド(ラウンド開始コマンド)の送信設定を行い(ステップS298a)、特図プロセスフラグの値を“5”に更新してから(ステップS299)、大当り開放前処理を終了する。ステップS299にて特図プロセスフラグの値が“5”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS115の大当り開放中処理が実行される。
図17は、大当り開放中処理として、図7のステップS115にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、大入賞口開放上限時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。このとき、大入賞口開放上限時間が経過していなければ(ステップS311;No)、上大入賞口スイッチ23Aと下大入賞口スイッチ23Bのうちで、遊技球の検出が有効な大入賞口スイッチから伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS312)。
ステップS312にて大入賞口スイッチがオンである場合には(ステップS312;Yes)、入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS313)。入賞個数カウント値は、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられた入賞個数カウンタの格納値であり、1回のラウンド遊技が実行されるあいだに大入賞口スイッチにより検出された遊技球の個数を示すものであればよい。その後、大入賞口スイッチにより遊技球が検出されたことに基づいて、賞球となる遊技球を払い出すための設定を行う(ステップS314)。なお、賞球を直接に払い出すことに代えて、賞球の個数に対応した得点を付与するようにしてもよい。続いて、大入賞口入賞時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS314a)。例えば、下大入賞口に入賞したときには、下大入賞口への入賞を通知する演出制御コマンド(下大入賞口入賞通知コマンド)の送信設定を行う。これに対して、上大入賞口に入賞したときには、上大入賞口への入賞を通知する演出制御コマンド(上大入賞口入賞通知コマンド)の送信設定を行う。
ステップS312にて大入賞口スイッチがオフである場合や(ステップS312;No)、ステップS314aの処理を実行した後には、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS315)。このとき、確変確定フラグがオフであれば(ステップS315;No)、特定領域スイッチ24から伝送された検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS316)。そして、特定領域スイッチ24がオンであるときには(ステップS316;Yes)、確変確定フラグをオン状態にセットし(ステップS317)、確変制御条件の成立を通知する演出制御コマンド(確変確定コマンド)の送信設定を行う(ステップS317a)。
ステップS315にて確変確定フラグがオンであるときや(ステップS315;Yes)、ステップS316にて特定領域スイッチ24がオフであるとき(ステップS316;No)、あるいはステップS317aの処理を実行した後には、入賞個数カウント値が予め定められた入賞上限判定値(例えば「6」)に達したか否かを判定する(ステップS318)。このとき、入賞上限判定値に達していなければ(ステップS318;No)、大当り開放中処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放中処理が再び実行される。
一方、ステップS311にて大入賞口開放上限時間が経過した場合や(ステップS311;Yes)、ステップS318にて入賞上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS318;Yes)、今回のラウンド遊技を終了すると判断して、開放状態となっている大入賞口(上大入賞口または下大入賞口)を閉鎖状態に戻すための開放終了制御が行われる(ステップS319)。このときには、開放した大入賞口に応じて、ソレノイド82A、82Bのいずれかに対する駆動信号の送信を停止するための設定が行われればよい。
ステップS319の処理に続いて、ラウンドを終了することを示す演出制御コマンド(ラウンド終了コマンド)の送信設定を行い(ステップS319a)、入賞個数カウンタをクリアすることで、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS320)。そして、特図プロセスフラグの値を“6”に更新してから(ステップS321)、大当り開放中処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“6”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS116の大当り開放後処理が実行される。
図18は、大当り開放後処理として、図7のステップS116にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた次ラウンド待ちフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS331)。次ラウンド待ちフラグは、大当り遊技状態における次回のラウンド遊技が開始されるまで待機することに対応して、後述するステップS334の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS331にて次ラウンド待ちフラグがオフであるときには(ステップS331;No)、ラウンドカウント値が予め定められたラウンド上限判定値(例えば「14」)に達したか否かを判定する(ステップS332)。このとき、ラウンド上限判定値に達していなければ(ステップS332;No)、次ラウンド待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS333)。そして、次ラウンド待ちフラグをオン状態にセットしてから(ステップS334)、大当り開放後処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行される。
ステップS332にてラウンド上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS332;Yes)、大当り終了前時間として予め定められた一定時間を設定し(ステップS335)、大当りを終了することを示す演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)の送信設定を行う(ステップS335a)。このときには、ラウンドカウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS336)。また、大当りフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS337)。そして、特図プロセスフラグの値を“7”に更新してから(ステップS338)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“7”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS117の大当り終了処理が実行される。
ステップS331にて次ラウンド待ちフラグがオンである場合には(ステップS331;Yes)、次ラウンド待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS339)。そして、次ラウンド待ち時間が経過していなければ(ステップS339;No)、大当り開放後処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行され、次ラウンド待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS339にて次ラウンド待ち時間が経過したときには(ステップS339;Yes)、次ラウンド待ちフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS340)。また、ラウンドカウント値を1加算するように更新する(ステップS341)。そして、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS342)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS114の大当り開放前処理が実行され、新たなラウンド遊技を開始させることができる。
図19は、大当り終了処理として、図7のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了前時間が経過したか否かを判定する(ステップS361)。このとき、大当り終了前時間が経過していなければ(ステップS361;No)、大当り終了処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り終了処理が再び実行され、大当り終了前時間が経過するまで待機する。
ステップS361にて大当り終了前時間が経過した場合には(ステップS361;Yes)、時短制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を時短状態とするための設定を行う(ステップS362)。一例として、ステップS361の処理では、時短フラグをオン状態にセットすることに加え、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(「100」)を、時短回数カウンタに設定する。その後、確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS363)。
ステップS363にて確変確定フラグがオンであるときには(ステップS363;Yes)、確変制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS364)。一例として、ステップS364の処理では、確変フラグをオン状態にセットすることに加え、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(「100」)を、確変回数カウンタに設定する。その後、確変確定フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS365)。
ステップS363にて確変確定フラグがオフであるときや(ステップS363;No)、ステップS365の処理を実行した後には、現在の遊技状態を示す演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)の送信設定(ステップS366)や、大当り終了時演出(エンディング演出)の終了を指定する演出制御コマンド(終了時演出終了指定コマンド)の送信設定を行い(ステップS367)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS368)、大当り終了処理を終了する。特図プロセスフラグが“0”に初期化されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図20(A)は、普通図柄プロセス処理として、図6のステップS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20(A)に示す普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、普図保留記憶部151Cにおける保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR4を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部151Cにおける空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR4が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、図20(A)に示すステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部151Cに格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部151Cに格納された保留データがある場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する普図表示結果決定処理を実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。
普図表示結果決定処理では、普図保留記憶部151Cから読み出した保留データに含まれる普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどに基づき、所定の普図表示結果決定テーブルを参照して、普図表示結果を決定する。ここで、普図表示結果決定テーブルでは、高開放制御を伴う時短制御が行われているか否かに応じて、普図表示結果決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、普図表示結果を「普図当り」と「普図ハズレ」のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
図20(B)は、普図表示結果等の決定例を示している。この決定例では、時短制御の有無に応じて、普図表示結果を「普図当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、時短制御が行われているときには、時短制御が行われていないときよりも高い割合で、普図表示結果が「普図当り」に決定される。この実施の形態では、一例として、時短制御が行われていないときには、100%に近い割合(65534/65535)で「普図ハズレ」に決定される。なお、時短制御が行われていないときには、100%の割合で「普図ハズレ」に決定されるようにしてもよい。このように、遊技状態が高ベース状態で高開放制御を伴う時短制御が行われるときには、低ベース状態であるときに比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口が開放状態または拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。
なお、高開放制御(時短状態)の有無に関係なく「普図当り」となる確率を上げると、遊技者によっては低ベース状態であっても、例えば「←左打ち」といった発射方向を指示するメッセージに従わずに意図的に右打ちして遊技球を通過ゲート41に通過させ、第1始動入賞よりも有利な第2始動入賞を発生させようとする場合がある。これでは遊技者間の公平性を担保できなくなってしまう。これに対し、この実施の形態では、高開放制御(時短制御)が行われていないときには、100%に近い割合(あるいは100%の割合)で「普図ハズレ」に決定されるようにすれば、低ベース状態において第2始動入賞の発生が困難(あるいは不可能)となるため、遊技者間の公平性を担保できる。なお、特図表示結果が「大当り」となる確率よりも、普図表示結果が「普図当り」となる確率を低くしてもよい。
また、高開放制御を伴う時短制御が行われる高ベース状態では、時短制御が行われない低ベース状態よりも普図変動時間が短くなるように設定される。一例として、高ベース状態における普図変動時間は、普図表示結果が「普図ハズレ」であるか「普図当り」であるかにかかわらず、1秒に設定されている。一方、低ベース状態における普図変動時間は、普図表示結果が「普図ハズレ」であるか「普図当り」であるかにかかわらず、2.5秒に設定されている。これにより、高ベース状態であるときには、低ベース状態であるときに比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口が開放状態または拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。
さらに、高ベース状態では、第2始動入賞口を開放状態または拡大開放状態とする開放時間や開放回数が低ベース状態よりも増加するように設定される。一例として、低ベース状態における第2始動入賞口の開放時間は0.5秒に設定され、開放回数は1回に設定されている、また、高ベース状態における第2始動入賞口の開放時間は2秒に設定され、開放回数は3回に設定されている。これにより、高ベース状態であるときには、低ベース状態であるときに比べて第2始動入賞口が開放状態や拡大開放状態となる時間や回数が増加することで、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。なお、第2始動入賞口を開放状態や拡大開放状態とする設定は、ステップS142の普通図柄停止処理やステップS143の普通電動役物作動処理にて行うようにしてもよい。
この実施の形態では、普通確定表示時間は、時短制御の有無や普図表示結果にかかわらず、0.5秒に設定されている。なお、普通確定表示時間は、時短制御の有無や普図表示結果に応じて異なる時間が設定されてもよい。普図表示結果が「普図当り」である場合には、普通確定表示時間が経過したときに、第2始動入賞口が開放状態へ変化する。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。そして、普図変動時間に達したときには、普図プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定や、確定普通図柄が停止表示してからの経過時間(普図確定表示時間)の計測などを行う。また、普通図柄停止処理では、普図表示結果が「普図当り」である場合に、例えば普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片に連結された普通電動役物用のソレノイド81を駆動するための普電作動パターンの設定といった、可動翼片を傾動位置とする傾動制御のための設定を行ってから、普図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図確定表示時間が経過したことに基づき、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化させる傾動制御の設定などが行われる。例えば、普通電動役物作動処理では、ステップS142の普通図柄停止処理にてセットされた普電作動パターンの設定に応じて、普通電動役物用のソレノイド81を駆動するための駆動制御信号の生成が行われるようにすればよい。また、普通電動役物作動処理では、普通電動役物用のソレノイド81を駆動して第2始動入賞口を開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が普電作動パターンに対応した傾動制御時間(開放時間)に達したか否かの判定が行われる。そして、経過時間が傾動制御時間に達した場合には、普通電動役物用のソレノイド81の駆動を停止して可動翼片を傾動位置から垂直位置に戻すことにより、第2始動入賞口を開放状態から閉鎖状態に変化させるための設定を行う。そして、第2始動入賞口を開放状態とする傾動回数が普電作動パターンに対応した開放回数に達したときには、普図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化すればよい。
ここで、パチンコ遊技機1における主基板11の側の具体的な制御の一例について説明する。パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出され、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となったときには、大当り遊技状態に制御されて大入賞口が開放状態に変化するラウンド遊技が行われることで、遊技者が多数の賞球(または対応する得点)を得られる有利な状態となる。
ラウンド遊技にて開放状態となる大入賞口としては、図1に示す右遊技領域2Bに設けられた特別可変入賞球装置7Aにより形成される上大入賞口と、上大入賞口の下方に設けられた特別可変入賞球装置7Bにより形成される下大入賞口とがある。大当り遊技状態にて実行される複数回のラウンド遊技にて、いずれの大入賞口を開放状態とするかは、図15に示すステップS295の処理にて、図16(A)に示すようなラウンドカウント値に応じて決定される。また、図15に示すステップS297の処理では、図16(B)に示すような大当り種別やラウンドカウント値に応じた大入賞口開放上限時間が決定される。
大当り遊技状態の終了後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、通常状態よりも特図表示結果が「大当り」となりやすい確変状態に制御されることがある。一例として、特定領域スイッチ24の設置箇所を遊技球が通過し、その遊技球が特定領域スイッチ24により検出されたときに、確変制御条件が成立する。例えば、特別可変入賞球装置7Aにより形成される上大入賞口に進入した遊技球(上大入賞口入賞球)は、上大入賞口スイッチ23Aにより検出された後に、特定領域スイッチ24の設置箇所へと誘導されずに排出経路へと誘導される。一方、特別可変入賞球装置7Bにより形成される下大入賞口に進入した遊技球(下大入賞口入賞球)は、下大入賞口スイッチ23Bにより検出された後に、特定領域スイッチ24の設置箇所へと誘導される。したがって、下大入賞口入賞球は、特定領域スイッチ24により検出することができる。その後、下大入賞口入賞球は、排出経路へと誘導される。
図17に示すステップS315の処理にて確変確定フラグがオフであるときには、ステップS316の処理にて特定領域スイッチ24がオンであるか否かが判定される。そして、特定領域スイッチ24がオンであると判定された場合には、ステップS317の処理により確変確定フラグがオン状態にセットされる。大当り遊技状態の終了時には、図19に示すステップS363の処理により確変確定フラグがオンであると判定された場合に、ステップS364の処理により確変制御を開始するための設定が行われる。こうして、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行中に特定領域スイッチ24により遊技球が検出されたことに基づいて、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御することができる。
この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」のいずれに決定された場合でも、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大実行回数は「14」になる(第14ラウンドまで)。そして、ラウンド遊技の実行回数が「1」〜「13」である第1ラウンド(1R)〜第13ラウンド(13R)までは、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」である第14ラウンド(14R)では、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。この第14ラウンドにて下大入賞口を開放状態とする上限時間(大入賞口開放上限時間)は、図16(B)に示すような決定により、大当り種別が「第1大当り」である場合に、大当り種別が「第2大当り」である場合よりも極めて短い時間(0.05秒)となる。したがって、大当り種別が「第1大当り」である場合には、下大入賞口に遊技球を進入させることが極めて困難または不可能であり、確変制御条件が成立しにくい。
次に、高ベース状態に移行したときの第1特図や第2特図、普通図柄の可変表示などのタイミングについて図21を参照して説明する。
図21(A)に示すように大当り遊技状態(大当り中)から当該大当り遊技状態が終了する(大当り終了)と、図21(B)に示すように時短状態に移行する、即ち低ベース状態から高ベース状態へ移行する。この例では、大当り終了時点において、第1特図の可変表示についての保留が4つあり、第2特図の可変表示についての保留が0であったとする。また、保留されている第1特図の可変表示は、可変表示結果が全て「ハズレ」であるものとする。この場合、図21(C)に示すように高ベース状態に移行した直後から第1特図の可変表示が4回連続して実行される。このとき実行される第1特図の可変表示は、時短状態(高ベース状態)における可変表示なので、変動パターンPB1−1にもとづく可変表示であり、可変表示時間は、0.2秒となっている(図13(B2)及び図4の変動パターンPB1−1を参照)。また、第1特図についての特図確定表示時間は、0.1秒となっている(図14(B)を参照)。したがって、4回分の第1特図の可変表示に要する時間は、1.2秒となっている。なお、大当り終了時から0.9秒後に4回目の可変表示が開始する。
また、大当り終了時点において、遊技球が通過ゲート41を通過し、図21(D)に示すようにゲートスイッチ21によって検出された場合、図21(E)に示すように普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示が実行される。なお、大当り終了時点においては、普通図柄の可変表示についての保留が0であり、前回の普通図柄の可変表示も終了しているものとする。このとき実行される普通図柄の可変表示は、時短状態(高ベース状態)における可変表示なので、可変表示時間(普図変動時間)は、1秒となっている(図20(B)を参照)。また、普通図柄についての普図確定表示時間は、0.5秒となっている(図20(B)を参照)。当該普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となり、普図確定表示時間が経過すると、普通電動役物が作動して、図21(F)に示すように第2始動入賞口が閉鎖状態から開放状態へと変化する。第2始動入賞口の開放状態は、2秒間継続し、その後1秒間の閉鎖期間を経て、再び開放状態となる(図20(B)を参照)。
第2始動入賞口が開放状態となった後に、遊技球が第2始動入賞口を通過すると、図21(G)に示すように第2始動口スイッチ22Bによって検出される(1回目)。すると、図21(H)に示すように第2特別図柄表示装置4Bにて第2特図の可変表示が実行される。このとき実行される第2特図の可変表示は、変動パターンPB2−1にもとづく可変表示であるとする。従って、可変表示時間は、1秒となっている(図13(B1)及び図4の変動パターンPB2−1を参照)。また、第2特図についての特図確定表示時間は、0.5秒となっている(図14(B)を参照)。なお、最初の第2特図の可変表示が実行されているときに、新たに遊技球が第2始動入賞口を通過すると、図21(G)に示すように第2始動口スイッチ22Bによって検出されるが(2回目)、この検出にもとづく第2特図の可変表示は、最初の第2特図の可変表示が終了した後に実行される。
この実施の形態では、一例として、図21(F)に示すように普通図柄の可変表示が開始されてから第2始動入賞口が開放状態へと変化するまでの期間Tは、1.5秒に設定されている。この期間Tは、大当り終了時点から4回分の第1特図の可変表示が終了するまでの期間である1.2秒よりも長い期間となっている。従って、図21(C)、(E)に示すように、大当り終了時点から第1特図の可変表示と普通図柄の可変表示とが同時に開始された場合であっても、第2始動入賞口が開放状態へ変化する前に、保留されている4つの第1特図の可変表示が終了する。また、第2始動入賞口が開放状態へ変化してから、遊技球が第2始動口スイッチに検知されるまで(第2始動条件が成立するまで)には、図21(F)、(E)に示すように所定期間を要することとなる。このように、この実施の形態では、高ベース状態に制御されているときの第1特図についての可変表示時間は、大当り遊技状態の終了時に保留されている4つの第1特図の可変表示が、第2始動条件が成立する前に実行されるように、設定されている。
なお、第1保留記憶数の上限値が、例えば「3」である場合には、高ベース状態に制御されているときの第1特図についての可変表示時間は、大当り遊技状態の終了時に保留されている3つの第1特図の可変表示が、第2始動条件が成立する前に実行されるように、設定されていればよい。また、第1保留記憶数の上限値が、例えば、「1」や「2」、「5」などである場合も、上記と同様に設定されていればよい。
なお、普通図柄の可変表示が開始されてから第2始動入賞口が開放状態へと変化するまでの期間Tは、1.5秒に限定されない。この実施の形態では、上述したように第2特図の可変表示(特図ゲーム)は、第1特図の可変表示(特図ゲーム)よりも優先して実行される。また、図23(C)の例では、大当り終了時から0.9秒後に4回目の可変表示が開始する。このような場合においては、期間Tは、少なくとも0.9秒よりも長い期間であればよい。このように設定しても、第2始動条件が成立する前に、大当り遊技状態の終了時に保留されていた4つの第1特図の可変表示が実行されることとなる。なお、第2始動入賞口の開放と同時に遊技球が第2始動口スイッチに検知されることのない構造である場合には、例えば期間Tを0.9秒としてもよい。
なお、例えば高ベース状態中に第1特図の可変表示結果が「大当り」となると、図10(B)に示す大当り種別として「第1大当り」となり、大当り遊技状態における第14ラウンドにおいて遊技球が下大入賞口に進入しない(特定領域スイッチ24を通過しない)結果となりやすい。そのため、第2特図の可変表示が連続して実行されやすい高ベース状態中であるにもかかわらず、第1特図の可変表示結果によって高ベース状態が終了してしまう可能性が高く、本来の遊技性を発揮できないこととなる。一方、この実施の形態では、例えば図21に示すように高ベース状態に制御されているときの第1特図についての最短の可変表示時間は、第2特図についての最短の可変表示時間よりも短い時間に設定されている。また、高ベース状態に制御されているときの第1特図についての可変表示時間は、大当り遊技状態の終了時に保留されている第1特図の可変表示が、第2始動条件が成立する前に実行されるように、設定されている。これにより、第2特図の可変表示が連続して実行されやすい高ベース状態中であるにもかかわらず、第1特図の可変表示結果によって高ベース状態が終了してしまう、ということを抑制できる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12においては、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図22のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図22に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また、演出制御基板12に搭載されたCTCのレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えば、CTCのレジスタ設定に基づき、所定期間が経過する毎にオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフである場合には(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側においては、所定期間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば、所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理においては、I/O125に含まれる入力ポートのうちにおいて、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれたコマンドは、例えば、RAM122の所定領域(例えば、演出制御バッファ設定部等)に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目と2バイト目を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;YES)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理においては、例えば、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。
ステップS74のコマンド解析処理に続いて、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理においては、例えば、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定、設定等が行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後には、ステップS72の処理に戻る。
ステップS74のコマンド解析処理では、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを受信したときは、第1始動口入賞時や第2始動口入賞時に対応した表示の更新設定として、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリアに保留表示を表示させるための設定等が行われる。また、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容を、RAM122の所定領域(例えば、演出制御バッファ設定部等)に設けられた入賞時判定結果バッファに記憶させる。
遊技状態に変更があったときなどに主基板11から伝送される遊技状態指定コマンドを受信したときは、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。高確フラグは、確変状態になったことに対応してオン状態になり、確変状態が終了したことに対応してオフ状態になるものであればよい。また、高ベースフラグは、時短状態になったことに対応してオン状態になり、時短状態が終了したことに対応してオフ状態になるものであればよい。
また、第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンドといった変動開始コマンドや、大当り開始指定コマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンド、大当り終了指定コマンドなどを受信したときは、例えば、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部等)に設けられた変動開始コマンド受信フラグや、大当り開始指定コマンド受信フラグ、大入賞口開放中フラグ、大入賞口開放後フラグ、大当り終了指定コマンド受信フラグなどをオン状態にセットする。下大入賞口入賞通知コマンドや、上大入賞口入賞通知コマンド、確変確定コマンドなどを受信したときは、例えば、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部等)に設けられた下大入賞口入賞通知コマンド受信フラグや、上大入賞口入賞通知コマンド受信フラグ、確変確定コマンド受信フラグなどをオン状態にセットする。また例えば、変動パターン指定コマンドを受信したときは、RAM122の所定領域(例えば、演出制御バッファ設定部等)に設けられた変動パターン指定コマンド格納領域に格納する。
図23は、図22のステップS75にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、報知フラグ設定処理を実行し(ステップS151)、報知制御処理(ステップS152)を実行する。その後、演出制御フラグ設定部に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS151の報知フラグ設定処理においては、例えば、連続出玉数を計数する処理や、連続出玉数が所定の出玉報知個数に初めて到達したか否かを判定する処理、連続出玉数が所定の出玉報知個数に初めて到達した場合に出玉報知前フラグをセットする処理、確変確定報知前フラグをセットする処理などが行われる。なお、所定の出玉報知個数は、少なくとも1種類あればよい。本実施の形態では、3000個、5000個、10000個など複数種類の出玉報知個数を定めている。また、連続出玉数が所定の出玉報知個数に初めて到達するとは、連続出玉数が、ある出玉報知個数未満の個数から当該出玉報知個数以上の個数となることである。例えば、連続出玉数が2999個から3013個になったときは、出玉報知個数「3000個」未満の2999個から当該出玉報知個数「3000個」以上の3013個になったので、連続出玉数が出玉報知個数「3000個」に初めて到達したことになる。また、連続出玉数が出玉報知個数「5000個」に初めて到達したときや出玉報知個数「10000個」に初めて到達したときについても同様である。つまり、複数種類の出玉報知個数を定めている場合には、複数種類の何れかの出玉報知個数に初めて到達したか否かが判定される。
ステップS152の報知制御処理においては、例えば、出玉報知(出玉通常態様報知又は出玉簡易態様報知)を制御する処理や、確変確定報知を制御する処理などが行われる。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。例えば、可変表示開始待ち処理においては、所定の演出制御コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド、第1変動開始コマンド、又は、第2変動開始コマンド)を受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。例えば、可変表示開始設定処理においては、特図ゲームが開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、変動パターンに応じた演出制御パターン等を決定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。例えば、可変表示中演出処理においては、ステップS171の可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて飾り図柄の可変表示等の各種の演出を実行する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。例えば、特図当り待ち処理においては、確定飾り図柄を停止する処理が行われる。大当りとなるときには、ファンファーレ演出を設定する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される。ハズレとなるときには、遊技状態を制御する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS174の大当り開始処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。例えば、大当り開始処理においては、ファンファーレ演出を実行する処理や、大入賞口が開放状態であるときに実行される開放中演出を設定する処理を行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175のラウンド中処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。例えば、ラウンド中処理においては、開放中演出を実行する処理や、大入賞口が閉鎖状態であるときに実行される閉鎖中演出を設定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176のラウンド後処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。例えば、ラウンド後処理においては、閉鎖中演出を実行する処理や、最終ラウンドでないときは、開放中演出を設定する処理を行われ、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。最終ラウンドであるときには、エンディング演出を設定する処理を行われ、演出プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS177の大当り終了後処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。例えば、大当り終了後処理においては、エンディング演出を実行する処理や、遊技状態を制御する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図24(A)は、図23のステップS174にて実行される大当り開始処理の一例を示すフローチャートである。図24(A)に示す大当り開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS741)。即ち、演出制御用CPU120は、ラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定する。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS741;NO)、大当り開始処理を終了する。なお、大入賞口開放中フラグがセットされる迄の間の期間は、ファンファーレ演出が実行される。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS741;YES)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中フラグをクリアし(ステップS742)、開放中演出を設定し(ステップS743)、演出プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS175)に対応する“5”に更新し(ステップS744)、大当り開始処理を終了する。
図24(B)は、図23のステップS175にて実行されるラウンド中処理の一例を示すフローチャートである。図24(B)に示すラウンド中処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS751)。即ち、演出制御用CPU120は、ラウンド終了コマンドを受信したか否かを判定する。大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS751;NO)、ラウンド後処理を終了する。なお、大入賞口開放後フラグがセットされる迄の間の期間は、開放中演出が実行される。
大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS751;YES)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後フラグをクリアし(ステップS752)、閉鎖中演出を設定し(ステップS753)、演出プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS176)に対応する“6”に更新し(ステップS754)、ラウンド中処理を終了する。
図25は、図23のステップS176にて実行されるラウンド後処理の一例を示すフローチャートである。図25に示すラウンド後処理において、演出制御用CPU120は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS760)。即ち、演出制御用CPU120は、大当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS760;NO)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS761)。即ち、演出制御用CPU120は、ラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定する。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS761;NO)、ラウンド後処理を終了する。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS761;YES)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中フラグをクリアし(ステップS762)、開放中演出を設定し(ステップS763)、演出プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS175)に対応する“5”に更新し(ステップS764)、ラウンド後処理を終了する。
一方、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS760;YES)、演出制御用CPU120は、大当り終了指定コマンド受信フラグをクリアし(ステップS765)、エンディング演出を設定し(ステップS766)、演出プロセスフラグの値を大当り終了後処理(ステップS177)に対応する“7”に更新し(ステップS767)、ラウンド後処理を終了する。なお、大当り終了指定コマンド受信フラグ又は大入賞口開放中フラグの何れか一方がセットされる迄の間の期間は、閉鎖中演出が実行される。
図26は、図23のステップS151にて実行される報知フラグ設定処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す報知フラグ設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出プロセスフラグの値が4以上であるか否かを判定する(ステップS920)。即ち、演出制御用CPU120は、ステップS75の演出制御プロセス処理において大当り中の処理(ステップS174の大当り開始処理、ステップS175のラウンド中処理、ステップS176のラウンド後処理、ステップS177の大当り終了時処理)の何れかを実行しているか否かを判定する。演出プロセスフラグの値が4以上でないときは(ステップS920;NO)、報知フラグ設定処理を終了する。
演出プロセスフラグの値が4以上であるときは(ステップS920;YES)、演出制御用CPU120は、下大入賞口入賞通知コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS921)。下大入賞口入賞通知コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS921;YES)、下大入賞口入賞通知コマンド受信フラグをクリアし(ステップS922)、下大入賞口に対応する賞球数を連続出玉数カウント値に加算する(ステップS923)。
下大入賞口入賞通知コマンド受信フラグがセットされていないときや(ステップS921;NO)、ステップS923の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、上大入賞口入賞通知コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS924)。上大入賞口入賞通知コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS924;YES)、上大入賞口入賞通知コマンド受信フラグをクリアし(ステップS925)、上大入賞口に対応する賞球数を連続出玉数カウント値に加算する(ステップS926)。
上大入賞口入賞通知コマンド受信フラグがセットされていないときや(ステップS924;NO)、ステップS926の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、連続出玉数カウント値は所定の出玉報知個数に初めて到達したか否かを判定する(ステップS928)。なお、所定の出玉報知個数は、少なくとも1種類あればよい。本実施の形態では、複数種類の出玉報知個数(例えば、3000個、5000個、10000個など)を定めている。複数種類の出玉報知個数を定めている場合には、複数種類の何れかの出玉報知個数に初めて到達したか否かを判定する。例えば、3000個に初めて到達したか否かや、5000個に初めて到達したか否かや、10000個に初めて到達したか否かなどを判定する。
連続出玉数カウント値が所定の出玉報知個数に初めて到達したときは(ステップS927;YES)、演出制御用CPU120は、初めて到達した出玉報知個数に応じた出玉報知前フラグをセットする(ステップS928)。具体的には、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部等)に、夫々の出玉報知個数に対応する出玉報知前フラグ(例えば、3000個到達時の出玉報知前フラグ、5000個到達時の出玉報知前フラグ、10000個到達時の出玉報知前フラグなど)を設けておき、演出制御用CPU120は、初めて到達した出玉報知個数に対応する出玉報知前フラグをオン状態にセットすればよい。
連続出玉数カウント値が所定の出玉報知個数に初めて到達していないときや(ステップS927;NO)、ステップS928の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、確変確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS929)。確変確定コマンド受信フラグがセットされていないときは(ステップS929;NO)、報知フラグ設定処理を終了する。
確変確定コマンド受信フラグがセットされているときは(ステップS929;YES)、演出制御用CPU120は、確変確定コマンド受信フラグをクリアする(ステップS930)。続いて、演出制御用CPU120は、確変設定フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS931)。確変設定フラグがセットされているときは(ステップS931;YES)、報知フラグ設定処理を終了する。
確変設定フラグがセットされていないときは(ステップS931;NO)、演出制御用CPU120は、確変設定フラグをオン状態にセットする(ステップS932)。なお、確変設定フラグは、主基板11から伝送される終了時演出終了指定コマンドを受信したときに、ステップS177の大当り終了後処理においてオフ状態になるものである。続いて、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部等)に設けられた確変確定報知前フラグをオン状態にセットし(ステップS933)、報知フラグ設定処理を終了する。
図27は、図23のステップS152にて実行される報知制御処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す報知制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、出玉報知終了制御処理を実行する(ステップS940)。出玉報知終了制御処理については後述する。続いて、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値が6であるか否かを判定する(ステップS941)。即ち、演出制御用CPU120は、ステップS75の演出制御プロセス処理においてステップS176のラウンド後処理を実行しているか否かを判定する。
演出プロセスフラグの値が6であるときは(ステップS941;YES)、演出制御用CPU120は、確変確定報知終了制御処理を実行する(ステップS942)。確変確定報知終了制御処理については後述する。演出プロセスフラグの値が6でないときや(ステップS941;NO)、ステップS942の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値が4以上であるか否かを判定する(ステップS943)。演出プロセスフラグの値が4以上でないときは(ステップS943;NO)、報知制御処理を終了する。演出プロセスフラグの値が4以上であるときは(ステップS943;YES)、演出制御用CPU120は、大当り中報知開始制御処理を実行し(ステップS944)、報知制御処理を終了する。
図28(A)は、図27のステップS940にて実行される出玉報知終了制御処理の一例を示すフローチャートである。図28(A)に示す出玉報知終了制御処理において、演出制御用CPU120は、出玉通常態様報知中フラグ(又は、出玉簡易態様報知中フラグ)がセットされているか否かを判定する(ステップS9000)。出玉通常態様報知中フラグは、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部等)に設けられたフラグであって、通常態様で出玉報知が行われている間はオン状態にセットされる。出玉簡易態様報知中フラグは、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部等)に設けられたフラグであって、通常態様に比べ簡易である簡易態様で出玉報知が行われている間はオン状態にセットされる。出玉通常態様報知中フラグ(又は、出玉簡易態様報知中フラグ)がセットされていないときは(ステップS9000;NO)、出玉報知終了制御処理を終了する。つまり、出玉報知が通常態様でも簡易態様でも行われていない場合には、報知を終了する対象が存在しないので、出玉報知終了制御処理を終了する。
出玉通常態様報知中フラグ(又は、出玉簡易態様報知中フラグ)がセットされているときは(ステップS9000;YES)、演出制御用CPU120は、出玉報知中タイマ値を1減算し(ステップS9001)、出玉報知中タイマ値が0になったか否かを判定する(ステップS9002)。なお、出玉報知中タイマ値は、出玉通常態様報知中フラグ(又は、出玉簡易態様報知中フラグ)がセットされるときに、RAM122の所定領域(例えば、演出制御タイマ設定部等)に設けられた出玉報知中タイマにセットされるタイマ値である。即ち、演出制御用CPU120は、出玉報知中タイマがタイムアウトしたか否かを判定する。出玉報知中タイマ値が0になっていないときは(ステップS9002;NO)。出玉報知終了制御処理を終了する。つまり、未だ、報知を終了させる時間に至っていないので、出玉報知終了制御処理を終了する。
出玉報知中タイマ値が0になったときは(ステップS9002;YES)、演出制御用CPU120は、出玉通常態様報知中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS9003)。出玉通常態様報知中フラグがセットされているときは(ステップS9003;YES)、演出制御用CPU120は、出玉通常態様報知を終了し(ステップS9004)、出玉通常態様報知中フラグをクリアし(ステップS9005)、出玉報知終了制御処理を終了する。つまり、通常態様で行われていた出玉報知の報知時間が終了(タイムアウト)したので、当該出玉報知(通常態様)を終了し、出玉通常態様報知中フラグをクリアする。
出玉通常態様報知中フラグがセットされていないときは(ステップS9003;NO)、演出制御用CPU120は、出玉簡易態様報知を終了し(ステップS9006)、出玉簡易態様報知中フラグをクリアし(ステップS9006)、出玉報知終了制御処理を終了する。つまり、簡易態様で行われていた出玉報知の報知時間が終了(タイムアウト)したので、当該出玉報知(簡易態様)を終了し、出玉簡易態様報知中フラグをクリアする。
以上、図28(A)に示した出玉報知終了制御処理(ステップS940)によれば、出玉通常態様報知や出玉簡易態様報知は、出玉報知中タイマのタイムアウトによって終了する。
図28(B)は、図27のステップS942にて実行される確変確定報知終了制御処理の一例を示すフローチャートである。図28(B)に示す確変確定報知終了制御処理において、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS9010)。確変確定報知中フラグは、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部等)に設けられたフラグであって、確変確定報知が行われている間はオン状態にセットされる。確変確定報知中フラグがセットされていないときは(ステップS9010;NO)、確変確定報知終了制御処理を終了する。つまり、確変確定報知が行われていない場合には、報知を終了する対象が存在しないので、確変確定報知終了制御処理を終了する。
確変確定報知中フラグがセットされているときは(ステップS9010;YES)、演出制御用CPU120は、確変確定報知を終了し(ステップS9011)、確変確定報知中フラグをクリアし(ステップS9012)、確変確定報知終了制御処理を終了する。
以上、図28(B)に示した確変確定報知終了制御処理(ステップS942)によれば、確変確定報知は、当該確変確定報知終了制御処理が実行されるときに終了する。つまり、確変確定報知は、演出プロセスフラグの値が6であるときに対応するステップS176のラウンド後処理が実行されるとき(大入賞口の開放状態が終わるとき)に終了する。
図29及び図30は、図27のステップS944にて実行される大当り中報知開始制御処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す大当り中報知開始制御処理において、演出制御用CPU120は、出玉報知前フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS9030)。なお、本実施の形態では、上述したように、3000個、5000個、10000個など複数種類の出玉報知個数を定めている。また、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部等)には、夫々の出玉報知個数に対応する出玉報知前フラグ(例えば、3000個到達時の出玉報知前フラグ、5000個到達時の出玉報知前フラグ、10000個到達時の出玉報知前フラグなど)を設けている。従って、ステップS9030の処理では、演出制御用CPU120は、何れかの出玉報知前フラグがセットされているか否か、換言すれば複数の出玉報知前フラグ(例えば、3000個到達時の出玉報知前フラグ、5000個到達時の出玉報知前フラグ、10000個到達時の出玉報知前フラグなど)のうちのどれかがセットされているか否か、を判定する。
出玉報知前フラグがセットされているときは(ステップS9030;YES)、演出制御用CPU120は、確変確定報知前フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS9032)。
ステップS9032において確変確定報知前フラグがセットされているときは(ステップS9032;YES)、演出制御用CPU120は、確変確定報知前フラグをクリアし(ステップS9033)、確変確定報知を開始する(ステップS9034)。これにより、画像表示装置5の表示領域において、大当り後に高確状態に制御される旨を示した画像やメッセージなどが表示される。続いて、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグをセットし(ステップS9035)、大当り中報知開始制御処理を終了する。つまり、出玉報知前フラグも確変確定報知前フラグも共にセットされているときは(ステップS9030;YES,ステップS9032;YES)、演出制御用CPU120は、確変確定報知を行う(ステップS9034)。
ステップS9032において確変確定報知前フラグがセットされていないときは(ステップS9032;NO)、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグがセットされているか否かを判定する(図30(A)のステップS9040)。
ステップS9040において確変確定報知中フラグがセットされていないときは(ステップS9040;NO)、演出制御用CPU120は、出玉報知前フラグをクリアし(ステップS9041)、出玉通常態様報知を開始する(ステップS9042)。これにより、画像表示装置5の表示領域において、連続出玉数が出玉報知個数(例えば、3000個、5000個、10000個など)に到達した旨を示した画像やメッセージなどが通常の表示態様で表示される。続いて、演出制御用CPU120は、出玉通常態様報知中フラグをセットし(ステップS9043)、RAM122の所定領域(例えば、演出制御タイマ設定部等)に設けられた出玉報知中タイマに、出玉報知中タイマ値をセットし(ステップS9047)、大当り中報知開始制御処理を終了する。つまり、出玉報知前フラグがセットされ、確変確定報知前フラグがセットされていないときであって(ステップS9030;YES,ステップS9032;NO)、確変確定報知中フラグがセットされていないときは(ステップS9040;NO)、演出制御用CPU120は、通常態様で出玉報知を行う(ステップS9042)。
ステップS9040において確変確定報知中フラグがセットされいるときは(ステップS9040;YES)、演出制御用CPU120は、出玉報知前フラグをクリアし(ステップS9044)、出玉簡易態様報知を開始する(ステップS9045)。これにより、画像表示装置5の表示領域において、連続出玉数が出玉報知個数(例えば、3000個、5000個、10000個など)に到達した旨を示した画像やメッセージなどが簡易な表示態様で表示される。続いて、演出制御用CPU120は、出玉簡易態様報知中フラグをセットし(ステップS9046)、RAM122の所定領域(例えば、演出制御タイマ設定部等)に設けられた出玉報知中タイマに、出玉報知中タイマ値をセットし(ステップS9047)、大当り中報知開始制御処理を終了する。つまり、出玉報知前フラグがセットされており(ステップS9030;YES)、確変確定報知前フラグがセットされていないときであって(ステップS9032;NO)、確変確定報知中フラグがセットされているときは(ステップS9040;YES)、演出制御用CPU120は、通常態様に比べ簡易である簡易態様で出玉報知を行う(ステップS9045)。
なお、本実施の形態では、ステップS9047の処理において出玉報知中タイマにセットする出玉報知中タイマ値は5秒である。但し、出玉報知中タイマにセットする出玉報知中タイマ値は5秒に限定されない。例えば、出玉報知中タイマに5秒未満の値(時間)を出玉報知中タイマ値としてセットしてもよいし、5秒を超える値(時間)を出玉報知中タイマ値としてセットしてもよい。また、ステップS9042の処理において出玉通常態様報知を開始するときと、ステップS9045の処理において出玉簡易態様報知を開始するときとで、ステップS9047の処理において異なる出玉報知中タイマ値をセットしてもよい。例えば、出玉簡易態様報知を開始するときには出玉通常態様報知を開始するときに比べて短い値(時間)の出玉報知中タイマ値をセットしてもよい。これにより、表示態様が簡易であり表示時間も短いので、より簡単に(簡潔に)、出玉を報知することができる。また例えば、出玉簡易態様報知を開始するときには出玉通常態様報知を開始するときに比べて長い値(時間)の出玉報知中タイマ値をセットしてもよい。これにより、簡易な表示態様を表示時間の長さでカバーし、より確実に報知することができる。
ステップS9030において出玉報知前フラグがセットされていないときは(ステップS9030;NO)、演出制御用CPU120は、確変確定報知前フラグがセットされているか否かを判定する(図30(B)のステップS9050)。確変確定報知前フラグがセットされていないときは(ステップS9050;NO)、大当り中報知開始制御処理を終了する。つまり、出玉報知前フラグも確変確定報知前フラグも共にセットされていないときは(ステップS9030;NO,ステップS9050;NO)、報知を開始する対象が存在しないので、大当り中報知開始制御処理を終了する。
ステップS9050において確変確定報知前フラグがセットされているときは(ステップS9050;YES)、演出制御用CPU120は、確変確定報知前フラグをクリアし(ステップS9051)、出玉通常態様報知中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS9052)。
ステップS9052において出玉通常態様報知中フラグがセットされていないときは(ステップS9052;NO)、演出制御用CPU120は、確変確定報知を開始し(ステップS9056)、確変確定報知中フラグをセットし(ステップS9057)、大当り中報知開始制御処理を終了する。つまり、出玉報知前フラグがセットされておらず(ステップS9030;NO)、確変確定報知前フラグがセットされているときであって(ステップS9050;YES)、出玉通常態様報知中フラグがセットされていないときは(ステップS9052;NO)、演出制御用CPU120は、単に、確変確定報知を行う(ステップS9057)。
ステップS9052において出玉通常態様報知中フラグがセットされているときは(ステップS9052;YES)、演出制御用CPU120は、出玉通常態様報知を終了して出玉簡易態様報知を開始する(ステップS9053)。これにより、連続出玉数が出玉報知個数に到達した旨を示した画像やメッセージなどが、通常の表示態様から簡易な表示態様に切り替わる。続いて、演出制御用CPU120は、出玉通常態様報知中フラグをクリアし(ステップS9054)、出玉簡易態様報知中フラグをセットする(ステップS9055)。続いて、演出制御用CPU120は、確変確定報知を開始する(ステップS9056)。これにより、画像表示装置5の表示領域において、大当り後に高確状態に制御される旨を示した画像やメッセージなどが表示される。続いて、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグをセットし(ステップS9057)、大当り中報知開始制御処理を終了する。つまり、出玉報知前フラグがセットされておらず(ステップS9030;NO)、確変確定報知前フラグがセットされているときであって(ステップS9050;YES)、出玉通常態様報知中フラグがセットされているときは(ステップS9052;YES)、演出制御用CPU120は、出玉通常態様報知を出玉簡易態様報知に切り替えるとともに(ステップS9053、ステップS9054、ステップS9055)、確変確定報知を行う(ステップS9057)。
以上、図29及び図30に示した大当り中報知開始制御処理(ステップS944)によれば、出玉報知前フラグも確変確定報知前フラグも共にセットされていない場合には(ステップS9050;NO)、報知を開始する対象が存在しないので、大当り中報知開始制御処理は終了する。確変確定報知前フラグのみがセットされている場合には(ステップS9050;YES)、確変確定報知を開始する(また、出玉通常態様報知が行われているときには出玉簡易態様報知に切り替える)。出玉報知前フラグのみがセットされている場合には(ステップS9032;NO)、確変確定報知の実行有無に応じて出玉通常態様報知又は出玉簡易態様報知の何れかを開始する(確変確定報知が行われていなければ出玉通常態様報知を開始し、確変確定報知が行われていなければ出玉簡易態様報知を開始する)。出玉報知前フラグも確変確定報知前フラグも共にセットされている場合(ステップS9032;YES)、確変確定報知を開始する(ステップS9034)。当該場合、確変確定報知前フラグがクリアされ(ステップS9033)、確変確定報知中フラグがセットされるため(ステップS9035)、次回の大当り中報知開始制御処理の実行時には、出玉簡易態様報知を開始する(ステップS9045)。
本実施の形態では、連荘(初当り後に、遊技球(出玉)を余り減らすことなく、所定回数迄の第2特図ゲームにおいて再度大当りとなる状態)のときなどにおいて、連続出玉数(初当りからの出玉数の累計)が、複数種類の出玉報知個数(例えば、3000個、5000個、10000個など)の何れかに初めて到達した旨の出玉報知を行うようにしている。例えば、連続出玉数が初めて3000個に到達したときには画像表示装置5の表示領域において3000個に到達した旨の出玉報知を行い、連続出玉数が初めて5000個に到達したときには画像表示装置5の表示領域において5000個に到達した旨の出玉報知を行い、連続出玉数が初めて10000個に到達したときには画像表示装置5の表示領域において10000個に到達した旨の出玉報知を行うようにしている。
また、本実施の形態では、大当り中において確変制御条件が成立したときには、大当り後に高確状態に制御される旨の確変確定報知を行うようにしている。例えば、確変制御条件が成立したときには画像表示装置5の表示領域において確変確定報知を行うようにしている。
また、本実施の形態では、出玉報知として、出玉通常態様報知と、出玉簡易態様報知とを用意し、出玉報知が行われる時間と確変確定報知が行われる時間とが重なる場合には、当該確変確定報知が行われている時間については出玉報知として出玉簡易態様報知を行うようにしている。
具体的には、確変確定報知を行っている最中に、連続出玉数が出玉報知個数に初めて到達したときは(図30(A)の大当り中報知開始制御処理のステップS9040;YES)、出玉報知として出玉簡易態様報知を開始する(図30(A)のステップS9045)。
より詳細に説明すると、確変確定報知を開始した場合には確変確定報知前フラグはクリアされる(図29のステップS9033、又は、図30(B)のステップS9051)。また、確変確定報知を開始した場合には確変確定報知中フラグはセットされる(図29のステップS9035、又は、図30(B)のステップS9057)。また、確変確定報知前フラグは、確変設定フラグによって1回の大当りについて2回以上セットされないようにている(図26の報知フラグ設定処理参照)。つまり、確変確定報知を行っている最中には、確変確定報知前フラグはセットされておらず、確変確定報知中フラグはセットされている。以上から、確変確定報知を行っている最中に、連続出玉数が出玉報知個数に初めて到達して出玉報知前フラグがセットされたときは(図26の報知フラグ設定処理参照)、出玉簡易態様報知が開始される(図30(A)のステップS9045)。
また、出玉通常態様報知を行っている最中に、確変制御条件が成立したときは(図30(B)の大当り中報知開始制御処理のステップS9052;YES)、出玉通常態様報知から出玉簡易態様報知に切り替えるとともに(図30(B)のステップS9053)、確変確定報知を開始する(ステップS9056)。
より詳細に説明すると、出玉通常態様報知を開始した場合には出玉報知前フラグはクリアされる(図30(A)のステップS9041)。また、出玉通常態様報知を開始した場合には出玉通常態様報知中フラグはセットされる(図30(A)のステップS9043)。つまり、出玉通常態様報知を行っている最中には、出玉報知前フラグはセットされておらず、出玉通常態様報知中フラグはセットされている。以上から、出玉通常態様報知を行っている最中に、確変制御条件が成立して確変確定報知前フラグがセットされたときは(図26の報知フラグ設定処理参照)、出玉通常態様報知から出玉簡易態様報知に切り替えられ(図30(B)のステップS9053)、確変確定報知が開始される(ステップS9056)。
また、連続出玉数が出玉報知個数に初めて到達したタイミングと、確変制御条件が成立したタイミングとが一致(又は略一致)した場合には(図29の大当り中報知開始制御処理のステップS9032;YES)、確変確定報知を開始し(図29のステップS9034)、続いて、出玉簡易態様報知を開始する(図30(A)のステップS9042)。
より詳細に説明すると、連続出玉数が出玉報知個数に初めて到達したタイミングと、確変制御条件が成立したタイミングとが一致(略一致)した場合などにおいて、出玉報知前フラグと確変確定報知前フラグとが共にセットされる場合がある。例えば、図26の報知フラグ設定処理において、ステップS928の処理が実行されて出玉報知前フラグがセットされた後に、ステップS933の処理が実行されて確変確定報知前フラグがセットされる場合などである。出玉報知前フラグも確変確定報知前フラグも共にセットされている場合には、図29の大当り中報知開始制御処理において、確変確定報知前フラグがクリアされ(ステップS9033)、確変確定報知が開始され(ステップS9034)、確変確定報知中フラグがセットされ(ステップS9035)、次回の大当り中報知開始制御処理の実行時に、出玉簡易態様報知が開始される(ステップS9042)。
次に、大当り遊技状態中における具体的な演出動作について説明する。図31〜図33は、大当り遊技状態中における演出動作例を示す図である。図31は、確変制御条件が成立した場合における画面表示例を示す図である。なお、画面表示は、図31(a)→図31(b)→図31(c)→図31(d)→図31(e)の順に代表的な場面を表したものである。他の図についても同様である。
図31(a)は、画像表示装置5に大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示された場面を表している。図31(b)は、大当り遊技状態にて1ラウンド目が行われている場面である。各ラウンドは、右打ちにて消化されるため、表示画面の右上に「右打ち→」といった発射方向を指示するメッセージを表示している。1ラウンド目の「右打ち→」のメッセージは、図24の大当り開始処理(ステップS174)において1ラウンド目の開放中演出として設定すればよい。また、2ラウンド目以降の「右打ち→」のメッセージは、図25のラウンド後処理(ステップS176)において2ラウンド目以降を開始するときに開放中演出として設定すればよい。図31(c)は、14ラウンド目が行われている場面である。14ラウンド目は、確変制御条件の成立に関わるラウンドであるため、遊技者への注意喚起のため「Vを狙え!!」のメッセージを表示している。なお、「Vを狙え!!」のメッセージは、例えば、図25のラウンド後処理(ステップS176)において、14ラウンド目を開始するときに開放中演出として設定すればよい。
図31(d)は、14ラウンド目において確変確定報知が行われている場面である。即ち、図中において吹き出しにて示したように、遊技球が特定領域スイッチ24を通過し(特定領域スイッチ24により検出され)、確変制御条件が成立したときには、図31(d)に示すように、確変確定報知が行われる。図31(d)に示した「V」の画像は、確変確定報知の一例である。当該「V」の画像は、大当り中報知開始制御処理(ステップS944)の確変確定報知開始(図30(B)のステップS9056)において設定される。
なお、当該大当り遊技状態の終了後には、100回の特図ゲームが終了する迄の間、高確高ベースに移行する。
図32は、連続出玉数が出玉報知個数に初めて到達した場合の画面表示例を示す図である。図32(a)は、画像表示装置5に大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示された場面を表している。図32(b)は、大当り遊技状態にて1ラウンド目が行われている場面である。
図32(c)は、7ラウンド目において出玉通常態様報知が行われている場面である。即ち、図中において吹き出しにて示したように、遊技球が上大入賞口スイッチ23Aを通過し(上大入賞口スイッチ23Aにより検出され)、連続出玉数が出玉報知個数「3000個」に初めて到達したときは、図32(c)に示すように、出玉通常態様報知が行われる。図32(c)に示したキャラクタ画像や「3000発GET!!!」のメッセージは、出玉通常態様報知の一例である。当該キャラクタ画像や「3000発GET!!!」のメッセージは、大当り中報知開始制御処理(ステップS944)の出玉通常態様報知開始(図30(A)のステップS9042)において設定される。
図33は、確変制御条件が成立し、且つ、連続出玉数が出玉報知個数に初めて到達した場合における画面表示例を示す図である。図33(a)は、画像表示装置5に大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示された場面を表している。図33(b)は、大当り遊技状態にて1ラウンド目が行われている場面である。図33(c)は、14ラウンド目が行われている場面である。14ラウンド目は、確変制御条件の成立に関わるラウンドであるため、遊技者への注意喚起のため「Vを狙え!!」のメッセージを表示している。
図33(d)は、14ラウンド目において確変確定報知及び出玉簡易態様報知が行われている場面である。即ち、図中において吹き出しにて示したように、遊技球が特定領域スイッチ24を通過し(特定領域スイッチ24により検出され)、確変制御条件が成立したのと同時に(又は略同時に)、遊技球が下大入賞口スイッチ23Bを通過し(下大入賞口スイッチ23Bにより検出され)、連続出玉数が出玉報知個数「3000個」に初めて到達したときは、図33(d)に示すように、確変確定報知と出玉簡易態様報知が行われる。図33(d)に示した「3000発GET!!!」のメッセージは、出玉簡易態様報知の一例である。図33(d)における出玉報知は、図32(c)における出玉報知に比べ簡易である。具体的には、図33(d)の出玉簡易態様報知は、図32(c)の出玉通常態様報知に存在したキャラクタ画像を省略し、また、図32(c)の「3000発GET!!!」のメッセージを小さくしている。
なお、確変確定前フラグと出玉報知前フラグとが同時にセットされた場合には、当該「V」の画像は、大当り中報知開始制御処理(ステップS944)の確変確定報知開始(図29のステップS9034)において設定され、簡易態様である「3000発GET!!!」のメッセージは、大当り中報知開始制御処理(ステップS944)の出玉簡易態様報知開始(図30(A)のステップS9045)において設定される。
また、確変確定前フラグの方が出玉報知前フラグよりも僅かに先にセットされた場合には、当該「V」の画像は、大当り中報知開始制御処理(ステップS944)の確変確定報知開始(図30(B)のステップS9056)において設定され、簡易態様である「3000発GET!!!」のメッセージは、大当り中報知開始制御処理(ステップS944)の出玉簡易態様報知開始(図30(A)のステップS9045)において設定される。
なお、出玉報知前フラグの方が確変確定前フラグよりも僅かに先にセットされた場合には、通常態様であるキャラクタ画像や「3000発GET!!!」のメッセージが一瞬表示され(若しくは表示の設定が行われるが表示されずに)、簡易態様である「3000発GET!!!」のメッセージが表示される。つまり、出玉報知前フラグの方が確変確定前フラグよりも僅かに先にセットされた場合には、まず、図30(A)のステップS9042において通常態様であるキャラクタ画像や「3000発GET!!!」のメッセージが設定され、瞬時に、図30(B)のステップS9053において簡易態様である「3000発GET!!!」のメッセージに切り替わり、図30(B)のステップS9056において「V」の画像が設定される。
なお、出玉簡易態様報知は、出玉通常態様報知に比べ、メッセージを小さくしたり、画像を省略したりしたものに限定されない。例えば、出玉簡易態様報知は、出玉通常態様報知に比べメッセージの文字数を少なくしたものや、出玉通常態様報知に比べ目立ち難い(目立たない)位置にキャラクタ画像やメッセージを表示したものや、出玉通常態様報知に比べ目立ち難い色彩にてキャラクタ画像やメッセージを表示したものであってもよい。
なお、当該大当り遊技状態の終了後には、100回の特図ゲームが終了する迄の間、高確高ベースに移行する。
続いて、変形例について説明する。図34は、報知制御処理の他の例を示すフローチャートである。図34の報知制御処理は、図27の報知制御処理と主に下記2点の相違点がある。
(相違点1)
図27の報知制御処理では、演出プロセスフラグの値が4以上であるときに(ステップS943;YES)、図29及び図30の大当り中報知開始制御処理(ステップS944)を実行するのに対し、図34の報知制御処理では、演出プロセスフラグの値が4以上であるときに(ステップS943;YES)、図35及び図36の大当り中報知開始制御処理(ステップS1944)を実行する。
(相違点2)
図27の報知制御処理では、演出プロセスフラグの値が4以上でないときや(ステップS943;NO)、大当り中報知開始制御処理(ステップS944)を実行した後には、処理を終了するのに対し、図34の報知制御処理では、演出プロセスフラグの値が4以上でないときや(ステップS943;NO)、大当り中報知開始制御処理(ステップS1944)を実行した後には、演出プロセスフラグの値が1であるか否かを判定し(ステップS1945)、演出プロセスフラグの値が1であるときは(ステップS1945;YES)、図37の可変表示中報知開始制御処理(ステップS1944)を実行する。
図34に示す報知制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、図28(A)の出玉報知終了制御処理を実行する(ステップS940)。続いて、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値が6であるか否かを判定する(ステップS941)。
演出プロセスフラグの値が6であるときは(ステップS941;YES)、演出制御用CPU120は、図28(B)の確変確定報知終了制御処理を実行する(ステップS942)。演出プロセスフラグの値が6でないときや(ステップS941;NO)、ステップS942の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値が4以上であるか否かを判定する(ステップS943)。演出プロセスフラグの値が4以上であるときは(ステップS943;YES)、演出制御用CPU120は、図29及び図30の大当り中報知開始制御処理を実行する(ステップS1944)。一方、演出プロセスフラグの値が4以上でないときや(ステップS943;NO)、ステップS1944の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値が1であるか否かを判定する(ステップS1945)。即ち、演出制御用CPU120は、ステップS75の演出制御プロセス処理としてステップS171の可変表示開始設定処理を実行しているか否かを判定する。
演出プロセスフラグの値が1でないときは(ステップS1945;NO)、報知制御処理を終了する。演出プロセスフラグの値が1であるときは(ステップS1945;YES)、演出制御用CPU120は、図37の可変表示中報知開始制御処理を実行する(ステップS1944)。
図35及び図36は、図34のステップS1944にて実行される大当り中報知開始制御処理の一例を示すフローチャートである。図35及び図36の大当り中報知開始制御処理は、図29及び図30の大当り中報知開始制御処と主に下記2点の相違点がある。
(相違点3)
図29及び図30の大当り中報知開始制御処理では、最初に、出玉報知前フラグがセットされているか否かを判定するのに対し(ステップS9030)、図35及び図36の大当り中報知開始制御処理では、最初に、大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS9020)。大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS9020;YES)、図36(B)の各処理を実行し、大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS9020;NO)、出玉報知前フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS9030)。
(相違点4)
図29及び図30の大当り中報知開始制御処理では、ステップS9032の処理において確変確定報知前フラグがセットされていないときは(ステップS9032;NO)、図30(A)の各処理を実行するのに対し、図35及び図36の大当り中報知開始制御処理では、ステップS9032の処理において確変確定報知前フラグがセットされていないときは(ステップS9032;NO)、図36(A)の各処理を実行する。
図35に示す大当り中報知開始制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS9020)。即ち、演出制御用CPU120は、ステップS75の演出制御プロセス処理としてステップS176のラウンド後処理を実行しているか否かを判定する。大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS9020;NO)、演出制御用CPU120は、出玉報知前フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS9030)。
出玉報知前フラグがセットされていないときは(ステップS9030;YES)、演出制御用CPU120は、確変確定報知前フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS9032)。
ステップS9032において確変確定報知前フラグがセットされているときは(ステップS9032;YES)、演出制御用CPU120は、確変確定報知前フラグをクリアし(ステップS9033)、確変確定報知を開始する(ステップS9034)。続いて、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグをセットし(ステップS9035)、大当り中報知開始制御処理を終了する。
ステップS9032において確変確定報知前フラグがセットされていないときは(ステップS9032;NO)、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグがセットされているか否かを判定する(図36(A)のステップS9040)。
ステップS9040において確変確定報知中フラグがセットされていないときは(ステップS9040;NO)、演出制御用CPU120は、出玉報知前フラグをクリアし(ステップS9041)、出玉通常態様報知を開始する(ステップS9042)。続いて、演出制御用CPU120は、出玉通常態様報知中フラグをセットし(ステップS9043)、RAM122の所定領域(例えば、演出制御タイマ設定部等)に設けられた出玉報知中タイマに、出玉報知中タイマ値をセットし(ステップS9047)、大当り中報知開始制御処理を終了する。
ステップS9040において確変確定報知中フラグがセットされいるときは(ステップS9040;YES)、ステップS9041の処理、ステップS9042の処理、ステップS9043の処理、ステップS9047の処理を実行せずに大当り中報知開始制御処理を終了する。つまり、出玉報知前フラグがセットされており(ステップS9030;YES)、確変確定報知前フラグがセットされていないときであって(ステップS9032;NO)、確変確定報知中フラグがセットされているときは(ステップS9040;YES)、出玉報知を開始しない。具体的には、出玉報知前フラグをクリアしていないため、確変確定報知が終了した後に(確変確定報知中フラグがクリアされた後に)、出玉通常態様報知を開始する。
ステップS9030において出玉報知前フラグがセットされていないときは(ステップS9030;NO)、図30(B)の各処理を実行する。
ステップS9020において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS9020;YES)、演出制御用CPU120は、今回は14ラウンド目であるか否かを判定する(図36(B)のステップS9060)。即ち、演出制御用CPU120は、次ラウンドがなくエンディング演出が実行されるか否かを判定する。今回は14ラウンド目でないときは(ステップS9060;NO)、大当り中報知開始制御処理を終了する。
今回は14ラウンド目であるときは(ステップS9060;YES)、演出制御用CPU120は、出玉報知前フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS9061)。出玉報知前フラグがセットされていないときは(ステップS9061;NO)、大当り中報知開始制御処理を終了する。
出玉報知前フラグがセットされているときは(ステップS9061;YES)、演出制御用CPU120は、出玉報知前フラグをクリアし(ステップS9062)、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部等)に設けられた出玉未報知フラグをオン状態にセットし(ステップS9063)、大当り中報知開始制御処理を終了する。なお、出玉未報知フラグがセットされているときには、大当り終了後の可変表示において出玉報知が行われる。つまり、大入賞口開放後フラグがセットされ(ステップS9020;YES)、今回は14ラウンド目であり(ステップS9060;YES)、出玉報知前フラグがセットされているときは(ステップS9061;NO)、演出制御用CPU120は、大当り終了後の可変表示において出玉報知が行われるように出玉未報知フラグをセットする。なお、出玉報知前フラグがセットされているが、今回が14ラウンド目ではない場合には、出玉報知前フラグをクリアしていないため、次回以降のラウンドにおいて(大入賞口開放後フラグがクリアされた後に)、出玉通常態様報知を開始する。
図37は、図34のステップS1946にて実行される可変表示中報知開始制御処理の一例を示すフローチャートである。図37に示す可変表示中報知開始制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、出玉未報知フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS9070)。出玉未報知フラグがセットされていないときは(ステップS9070;NO)、可変表示中報知開始制御処理を終了する。
出玉未報知フラグがセットされているときは(ステップS9070;YES)、演出制御用CPU120は、出玉未報知フラグをクリアし(ステップS9071)、出玉通常態様報知の開始を設定する(ステップS9072)。これにより、可変表示中演出処理(ステップS172)において出玉通常態様報知が開始される。続いて、演出制御用CPU120は、出玉通常態様報知中フラグをセットし(ステップS9073)、出玉報知中タイマに、出玉報知中タイマ値をセットし(ステップS9074)、可変表示中報知開始制御処理を終了する。
図38は、大当り遊技状態中における演出動作例を示す図である。図38は、確変制御条件が成立し、且つ、連続出玉数が出玉報知個数に初めて到達した場合における画面表示例を示す図である。具体的には、図35及び図36の大当り中報知開始制御処理(ステップS1944)を実行したとき画面動作例を示している。なお、図38では図33との共通部分の一部(図33(a)、(b))を省略している。具体的には、図33(a)→図33(b)→図38(a)→図38(b)→図38(c)の順に代表的な場面を表している。
図38(a)は、図33(c)と同様、図33(b)に続く場面である。図38(b)は、14ラウンド目において確変確定報知が行われている場面である。図33(d)では14ラウンド目において確変確定報知及び出玉簡易態様報知が行われているのに対し、図38(b)では14ラウンド目において出玉簡易態様報知が行われていない点が異なる。図35及び図36の大当り中報知開始制御処理(ステップS1944)が実行されると、図38(b)に示すように、確変確定報知が行われる。つまり、図35及び図36の大当り中報知開始制御処理(ステップS1944)では、出玉報知前フラグがセットされており(ステップS9030;YES)、確変確定報知前フラグがセットされていないときであって(ステップS9032;NO)、確変確定報知中フラグがセットされているときは(ステップS9040;YES)、出玉報知を開始しない。
図38(c)は、当該大当り遊技状態の終了後の可変表示において出玉通常態様報知が行われている場面である。つまり、図36のステップS9063において出玉未報知フラグがセットされ、図37の可変表示中報知開始制御処理のステップS9072において出玉通常態様報知の開始が設定されることにより、図38(c)に示すように、可変表示において出玉通常態様報知が行われる。
以上説明したように、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、大当り遊技状態の終了後に、高ベース状態に移行する。高ベース状態では、通常状態であるときよりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態または拡大開放状態に変化させるので、第2特図の可変表示の実行頻度が通常状態よりも高くなる。高ベース状態には、低確高ベース状態と高確高ベース状態とがある。例えば図10(B)に示す決定割合により大当り種別が決定されることによって、第2特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されたときには、第1特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されたときに比べて高い割合で、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態に移行する。また、第1特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されたときには、第2特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されたときに比べて高い割合で、大当り遊技状態の終了後に低確高ベース状態に移行する。低確高ベース状態及び高確高ベース状態のいずれかに制御されているときの第1特図についての最短の可変表示時間は、変動パターンPB1−1に対応して設定された特図変動時間の200(ms)であり、第2特図についての最短の可変表示時間は、変動パターンPB2−1に対応して設定された特図変動時間の1000(ms)である。このように第1特図についての最短の可変表示時間は、第2特図についての最短の可変表示時間よりも短い時間に設定時間に設定されているので、第2特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されたことに基づく大当り遊技状態の終了後の高確高ベース状態移行後に、第1特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されることによる興趣の低下を抑制することができる。
また、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、大当り遊技状態の終了後に、高ベース状態に移行する。高ベース状態では、通常状態であるときよりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態または拡大開放状態に変化させるので、第2特図の可変表示の実行頻度が通常状態よりも高くなる。高ベース状態には、低確高ベース状態と高確高ベース状態とがある。例えば図10(B)に示す決定割合により大当り種別が決定されることによって、第2特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されたときには、第1特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されたときに比べて高い割合で、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態に移行する。また、第1特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されたときには、第2特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されたときに比べて高い割合で、大当り遊技状態の終了後に低確高ベース状態に移行する。例えば図21に示すように大当り遊技状態の終了時において第1特図の可変表示が4つ保留されている場合、遊技球が第2始動口スイッチによって検出される前に、保留されていた4つの第1特図の可変表示が実行される。このように低確高ベース状態及び高確高ベース状態のいずれかに制御されているときの第1特図についての可変表示時間は、大当り遊技状態の終了時において保留されている複数の第1特図の可変表示が、第2始動条件が成立する前(遊技球が第2始動口スイッチによって検出される前)に実行されるように、設定されている。これにより、第2特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されたことに基づく大当り遊技状態の終了後の高確高ベース状態移行後に、第1特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されることによる興趣の低下を抑制することができる。
なお、上記実施の形態では、大当り遊技状態の終了時において第1特図の可変表示が4つ保留されている場合、遊技球が第2始動口スイッチによって検出される前に、保留されていた4つの第1特図の可変表示が全て実行されるようにした。しかし、遊技球が第2始動口スイッチによって検出される前に、保留されていた第1特図の可変表示が全て実行されるものに限定されない。例えば、大当り遊技状態の終了時において第1特図の可変表示が2つ以上保留されている場合、遊技球が第2始動口スイッチによって検出される前に、保留されていた第1特図の可変表示が少なくとも2つ実行されるようにしてもよい。このように低確高ベース状態及び高確高ベース状態のいずれかに制御されているときの第1特図についての可変表示時間を、大当り遊技状態の終了時において保留されている少なくとも2つの第1特図の可変表示が、第2始動条件が成立する前(遊技球が第2始動口スイッチによって検出される前)に実行されるように、設定したとしても、第2特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されたことに基づく大当り遊技状態の終了後の高確高ベース状態移行後に、第1特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されることによる興趣の低下を抑制することができる。
上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、特別可変入賞球装置7B内に設けられた特定領域スイッチ24の設置箇所を遊技球が通過すると、確変制御条件が成立し、確変確定報知を行う。また、連続出玉数が所定の出玉報知個数に初めて到達したという出玉報知条件が成立すると、出玉報知を行う。確変制御条件と出玉報知条件とが成立したときには、例えば、図38(b)に示すように、出玉報知を実行せずに確変確定報知を実行可能である。なお、確変確定報知を実行せずに出玉報知を実行可能としてもよい。このように確変制御条件と出玉報知条件とが成立したときに、確変確定報知と出玉報知とのうちのいずれか一方を実行可能とすることにより、確変確定報知と出玉報知とを効果的に実行できる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、第1特図の可変表示時間と第2特図の可変表示時間とは、ステップS253の処理を実行することにより決定される。ステップS253では、高ベース状態のとき、第2特図の可変表示時間は、図13(B1)に示すように第2特図の可変表示についての保留記憶数に応じて決定される。一方、ステップS253では、高ベース状態のとき、第1特図の可変表示時間は、図13(B2)に示すように第1特図の可変表示についての保留記憶数がいずれであるかにかかわらずに決定される。このように高ベース状態に制御されているとき、第2特図の可変表示についての保留記憶数に応じて、第2特図の可変表示時間を決定し、第1特図の可変表示についての保留記憶数がいずれであるかにかかわらずに、第1特図の可変表示時間を決定するので、未だ開始されていない第1特図の可変表示を、当該第1特図の可変表示数によらずに早期に消化できる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、図4に示すように変動パターンPA3−1やPA3−2には、リーチ演出を実行可能な可変表示時間が設定されている。また、変動パターンPB1−1には、変動パターンPA3−1やPA3−2に設定された可変表示時間よりも短い可変表示時間が設定されている。なお、変動パターンPB1−1は非リーチの変動パターンなので、この変動パターンによる可変表示では、リーチ演出は実行不可能となっている。また、高ベース状態のときにおいて、第1特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示される場合(「大当り」の場合)、図12に示すように変動パターンとしてPA3−1とPA3−2とのいずれかに決定する。なお、この場合、リーチ演出を実行可能な変動パターンPA3−1及びPA3−2以外にも、リーチ演出が実行されない変動パターンに決定されるように構成してもよい。一方、高ベース状態のときにおいて、第1特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されない場合(「ハズレ」の場合)、図13(B2)に示すように変動パターンとしてPB1−1に決定する。このように高ベース状態に制御されているときにおいて第1特図の可変表示結果として大当り図柄となる特別図柄が表示されない場合に、当該第1特図の可変表示として、リーチ演出を実行可能な可変表示時間の長い可変表示が行われないので、第1特図の可変表示を早期に消化できる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、特別可変入賞球装置7B内に設けられた特定領域スイッチ24の設置箇所を遊技球が通過すると、確変制御条件が成立し、確変確定報知を行う。また、連続出玉数が所定の出玉報知個数に初めて到達したという出玉報知条件が成立すると、出玉報知を行う。確変制御条件と出玉報知条件とが成立したときには、例えば、図33(d)に示すように、確変確定報知と出玉報知とを重複して実行可能である。このように確変制御条件と出玉報知条件とが成立したときに、確変確定報知と出玉報知とを重複して実行可能とすることにより、確変確定報知と出玉報知とを効果的に実行できる。
また、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1では、前記第1の報知(例えば、確変確定報知など)と前記第2の報知(例えば、出玉報知など)が重複して実行される場合に、前記第2の報知に比べて前記第1の報知の方が、遊技者とって認識容易な態様で実行される(例えば、図33(d)における出玉簡易態様報知は図32(c)における出玉通常態様報知よりも小さく、図33(d)では、出玉報知に比べ確変確定報知の方が遊技者にとって認識容易な態様で実行される)。なお、第2の報知に比べて第1の報知の方が遊技者とって認識容易な態様とは、第1の報知に係る表示の方が第2の報知に係る表示に比べ大きいことによって認識容易であることに限定されない。例えば、第1の報知に係る表示の方が第2の報知に係る表示に比べ目立つ色彩であることによって認識容易であってもよいし、第1の報知に係る表示の方が第2の報知に係る表示に比べ目立つ位置にあることによって認識容易であってもよい。このような構成によれば、有利状態へ制御されることが確実に認識できる。
また、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1では、前記第1条件(例えば、確変制御条件など)と前記第2条件(例えば、連続出玉数が所定の出玉報知個数に初めて到達したという条件など)とが成立した場合に、前記第1の報知(例えば、確変確定報知など)が優先して実行される。例えば、図33(d)に示すように、出玉報知に比べ確変確定報知の方が遊技者にとって認識容易な態様で実行される。また例えば、図38(b)、(c)に示すように、確変確定報知の終了後に出玉報知が行われる。このような構成によれば、有利状態へ制御されることが確実に認識できる。
また、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1は、前記可変入賞装置(例えば、特別可変入賞球装置7Bなど)へ、遊技媒体を入賞させて前記第1条件(例えば、確変制御条件など)を成立させる旨を指示する指示手段(図24(A)の大当り開始処理のステップS743の処理、図25のラウンド後処理のステップS763の処理など)を備える。例えば、図31(c)に示すように、確変制御条件を成立させる旨の指示として「Vを狙え!!」のメッセージを表示している。このような構成によれば、第1条件を容易に成立させることができる。なお、指示報知(指示演出)として、「Vを狙え!!」というメッセージを表示して、特別可変入賞球装置7Bへの遊技球の発射操作を遊技者に指示する態様に限られず、指示報知(指示演出)は、「アタッカーを狙え!!!」や「右打ちしろ!!!」等のメッセージを表示して、特別可変入賞球装置7Bへの遊技球の発射操作を遊技者に指示するものであってもよい。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、時短制御が行われている時短状態(時短中)であるとき、変動回数がいずれであるかにかかわらず、図13(B1)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、第2特図についての変動パターンを決定した。しかし、変動回数に応じて異なる変動パターン決定テーブルを参照することにより、第2特図についての変動パターンを決定してもよい。例えば、時短状態に移行してから50回まで(1回〜50回)の可変表示では、可変表示時間の短い変動パターンに決定されやすく(あるいは、可変表示時間の短い変動パターンに決定され)、51回以降(51回〜100回)の可変表示では、可変表示時間の長い変動パターンに決定されやすい(あるいは、可変表示時間の長い変動パターンに決定される)ようにしてもよい。なお、変動パターン決定テーブルを切り替えるタイミングは、上記50回の可変表示が実行されたタイミングに限定されず、その他の回数の可変表示が実行されたタイミングであってもよい。また、時短状態が終了するまでに変動パターン決定テーブルを複数回切り替えてもよい。このように変動回数に応じて異なる変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動回数に応じて可変表示態様や平均的な可変表示時間が変化するので、遊技の興趣を向上することができる。
また、上記変動パターン決定テーブルを切り替えるとともに、演出モードを切り替えてもよい。あるいは、変動パターン決定テーブルとは関係なく、変動回数に応じて演出モードを切り替えてもよい。例えば、時短状態に移行してから50回まで(1回〜50回)の可変表示では、特別演出モードが実行され、51回以降(51回〜100回)の可変表示では、通常演出モードが実行されるようにしてもよい。なお、演出モードを切り替えるタイミングは、上記50回の可変表示が実行されたタイミングに限定されず、その他の回数の可変表示が実行されたタイミングであってもよい。また、時短状態が終了するまでに演出モードを複数回切り替えてもよい。
上記実施の形態では、特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示が、特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示よりも優先して実行されることとしたが、その逆、即ち特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示が、特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示よりも優先して実行されることとしてもよい。また、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、可変表示が実行されるようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する可変表示について、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
上記実施の形態では、次回の大当り遊技状態が開始されなければ、最大100回の可変表示が実行されたことによって、確変終了条件が成立することとした。しかし、次回の大当り遊技状態が開始されるまで、可変表示の回数に関係なく、確変状態が継続するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、大当り遊技状態終了後に100%の割合で時短状態に移行した。しかし、時短状態に移行する割合は100%でなくてもよく、例えば、90%や70%などといった100%以外の所定割合であってもよい。
上記実施の形態では、大当り遊技状態における14ラウンド目において、遊技球が特定領域スイッチ24を通過し、確変制御条件が成立したときには、図31(d)に示すように、確変確定報知が行われる。しかし、確変制御条件が成立したとしても、確変確定報知を実行しない場合があってもよい。例えば、低確低ベース状態から大当り遊技状態となり(所謂、「初当り」となり)、その後に高確高ベース状態へ移行する場合、当該大当り遊技状態中に、保留されている可変表示について先読み判定を行い、該先読み判定の結果として、第1特図の可変表示について可変表示結果が「大当り」となるものがあるとき、確変確定報知を行わないようにしてもよい。このようにすることによって、興趣の低下を抑制することができる。なお、保留されている可変表示についての先読み判定処理は、主基板11と演出制御基板12とのうちのいずれかで実行されればよい。
上記実施の形態では、上大入賞口に進入した遊技球は特定領域スイッチ24の設置箇所に誘導されることがない一方で、下大入賞口に進入した遊技球はすべて特定領域スイッチ24の設置箇所へと誘導されるものとして説明した。すなわち、特別可変入賞球装置7Aに遊技球が入賞しても確変制御条件は成立しない一方で、特別可変入賞球装置7Bに遊技球が入賞すれば常に確変制御条件が成立するものとして説明した。
これに対して、遊技球が上大入賞口と下大入賞口のいずれに進入したかに応じて、特定領域スイッチ24の設置箇所へと誘導される割合を異ならせるようにしてもよい。一例として、上大入賞口に進入した上大入賞口入賞球と、下大入賞口に進入した下大入賞口入賞球のいずれであっても、特定領域スイッチ24の設置箇所へと誘導されることもあれば、特定領域スイッチ24の設置箇所へと誘導されずに排出経路へと誘導されることもある。ここで、特定領域スイッチ24の設置箇所へと誘導されて特定領域を通過する割合(特定領域通過割合)は、上大入賞口と下大入賞口とで異ならせるように、特別可変入賞球装置7A、7Bの内部構造が形成されればよい。例えば、上大入賞口における特定領域通過割合は、下大入賞口における特定領域通過割合よりも極めて低くなるように設定される。これにより、上大入賞口に進入した遊技球は、下大入賞口に進入した遊技球よりも特定領域を通過しにくくなる。したがって、特別可変入賞球装置7Aにおける入賞球である上大入賞口入賞球は、特別可変入賞球装置7Bにおける入賞球である下大入賞口入賞球よりも確変制御条件を成立させにくい。こうして、特別可変入賞球装置7A、7Bのうちいずれに遊技球が入賞したかに応じて、確変制御条件を成立させる割合を異ならせることができればよい。
上記実施の形態では、遊技領域2に左遊技領域2Aと右遊技領域2Bとがあり、画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより、左遊技領域2Aと右遊技領域2Bとが区分けされるものとして説明した。これに対して、遊技領域2が区分けされず、遊技領域2へと発射された遊技球が第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれにも誘導され得るようにしてもよい。
上記実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかにかかわらず、大当り遊技状態におけるラウンド遊技が一定の上限回数となる「14」に達するまで繰返し実行され、ラウンド遊技の実行回数が特定回数である「14」に達したときの大入賞口開放上限時間を異ならせることにより、大当り種別に応じて確変制御条件の成立しやすさを相違させるものとして説明した。これに対して、大当り種別に応じて、ラウンド遊技を実行する上限回数を異ならせるようにしてもよい。そして、大当り遊技状態のうちには、ラウンド遊技の上限回数が特定回数以上となる大当り遊技状態と、ラウンド遊技の上限回数が特定回数未満となる大当り遊技状態とがあるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態において、「異なる割合」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で異なる割合とするものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で異なる割合となるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、例えば「0」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
上記実施の形態では、可変表示時間や飾り図柄の可変表示態様などを示す変動パターンを演出制御基板12の側に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12の側に通知してもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、1つ目のコマンドではリーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信してもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が2つのコマンドの組合せから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信してもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信してもよい。なお、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。