JP2013098144A - 読取装置用線状光源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】LED光源と導光体とからなる線状光源を有する読取装置用線状光源装置において、個別的に色見の異なるLED光源の色見を調整し、複数種類のインクを用いた印刷物を的確に読取、また、紙とフィルムといった異なった読取対象にも対応できる読取用線状光源装置を提供することである。
【解決手段】前記線状光源は、それぞれLED光源と、主反射面と副反射面を有する導光体を備えた2つの線状光源が対向配置され、一方の導光体の副反射からの反射光が、他方の導光体の副反射面に向けて出射されるようにされていることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

この発明は読取装置用線状光源装置に関するものであり、特に、ファクシミリ、複写機、イメージスキャナー、バーコードリーダ等に使用される画像読取装置の照明用光源として利用される線状光源装置に係わるものである。
近年、パーソナルファクシミリ等の画像読取装置において、発光ダイオード(以下、LEDという)の出力向上と受光素子としてのCCD型センサの高感度化により、小型で低消費電力のLEDが読取光源装置の光源として使用されるようになってきている。
上記従来技術として、特開2008−216409号公報(特許文献1)がある。
図7に、該従来技術の線状光源が示され、図8に、該線状光源が組み込まれた読取装置が示されている。
図7(A)において、線状光源50は、LED光源51と、棒状の導光体52とからなり、LED光源51は、この導光体52の長手方向(軸方向)端面52aに対向するように配置されている。図7(B)に示すように、棒状の導光体52の側面には、長手方向に沿って伸びる主反射面53と、同じく長手方向に沿って伸びる副反射面54とが形成されている。
そして、主反射面53と、副反射面54とは、各々の反射面による反射光が互いに異なる方向に出射するように配置されており、より具体的には主反射面53の法線と、副反射面54の法線とが導光体52中で交わるように設けられている。
上記において、LED光源51より発せられた光は、棒状の導光体52の長手方向端面52aから導光体52の内部に入射する。導光体52に入射した光は、該導光体52の内部を、反射を繰り返しながら軸方向に進行する。
導光体52の内部を進行する光は、一部が主反射面53または副反射面54に反射されて、導光体52の長手方向に対して垂直な方向に出射される。
図8に、LED光源51と導光体52とからなる線状光源50が組み込まれた読取装置が示されている。
導光体52は、その主反射面53からの光が原稿ガラス55の原稿読取面Xに向かうように配置される。
また、前記導光体52に対向するように反射鏡56が設けられていて、導光体52の副反射面54に対向配置されている。
上記構成において、導光体52の主反射面53より反射された光は、導光体52の光出射面より外部に放射され、原稿読取面Xへ向かう
一方、副反射面54より反射された光は、光出射面より外部に放射され、反射鏡56によって反射されて原稿読取面Xに向かう。
これにより、この線状光源を搭載した原稿読取装置は、1の線状光源により原稿面に対して2方向から線状光を照射することができ、読取対象物が原稿面から離間したり立体的に配置されたりしている場合であっても、撮像素子に影を生じることなく対象物を読み取らせることができるというものである。
また、2つの線状光源を対に配置して用いる原稿読取装置も特開2011−101098号公報(特許文献2)で開示されている。
図9にその概要が示されていて、同一の発光素子(LED)を有する第1導光体60と第2導光体70を対向並列配置し、これらの導光体60、70はそれぞれ2つの反射面61、62、71、72を有する。そして、これらの導光体60、70の前記反射面61、62、71、72からの反射光はいずれも原稿読取面Xに向かうものである。
これにより、原稿を2方向から照射して副走査方向での照度のばらつきを低減し、かつ、読取時に影をなくそうとするものである。
しかしながら、この従来例でも、そのLED光源は同一波長を発光するものであって、同じ波長の光を2方向から照射するものである。
ところで近年、原稿読取装置には、付加価値を高めるために紙の書類以外にも様々な対象物を読み取る多様な機能を追加することが求められている。
一例を挙げれば、ネガフィルムを読み取る機能であり、フィルムにより所蔵している写真をデジタルデータとして保存したいという需要や、レントゲン写真などをデジタルデータとして取り扱いたいという需要がある。
ところが、ネガフィルムを読み取るために照射する光には、紙の書類を対象としたカラースキャンとは異なる特性が求められる。
紙の書類をカラーで読み取る場合は、白色光源(色度x:y=0.325:0.325)が好ましいが、ネガフィルムを読取る場合は、上記白色に加えて青系色を混ぜ合わせた青色味の強い白色光源(色度x:y=0.236:0.329)が好ましいことが知られている。
この理由は、ネガフィルムに光沢性があって白色光の反射が強いことと、フィルム自体に光透過性があって照射光を透過してしまうことによって、光を照射して得られる反射光の特性が紙とは異なるためである。
また、上記のごとく紙の書類の読取には白色のLED光源が使用される。白色のLED光源は、青色を放射させる青色LED光源と、その周りを取り囲むように配置された、青色を照射することにより黄色を発色する蛍光体(黄色蛍光体)とから構成されており、青色光と、黄色蛍光体により波長変換された黄色光と、の混色により擬似的に白色光を実現している。
ただし、黄色蛍光体の発光効率は、青色LED光源から放射される発光波長(ピーク波長)と、黄色蛍光体の含有量に依存する励起光量の度合いと、により変化する。加えて、蛍光体の厚さのバラツキにより、青色光と黄色光の混色度合いが変化する。
このような事情から、白色LED光源といっても厳密には全光束量と、色度値が個別的にばらついている。
このように色度の異なる白色光を発光するLEDを搭載すると複写機の性能(色再現性)にバラツキが生じ、品質的に問題が生じてしまう。その対策として、一定の基準でLEDを選別することも考えられるが、基準外のLEDは廃棄され、更には、選別工程といった工数増加によりコストアップとなるため不経済である。
また更には、同一の読取対象物であっても、紙幣とか、複数種のインクを用いたものとか、その読取に複数種の波長光が必要とされる読取対象が存在している。そのためには、当然単一波長の光源ではその読取ができず、複数の波長光を照射する光源装置が必要である。
以上により、第一に、ひとつのLED光源では、読取り対象原稿として紙とフィルムの両方を読み取ることは困難であるという問題があった。
また、第二には、複数のインク等により印刷された対象物には、異なる発光波長の光を照射できるものでなくては読み取れないという問題があった。
そして更に、第三には、同じ種類のLED光源でも、色度にばらつきが有り、これに起因して複写機の色再現性に不具合が生じるという問題があった。
特開2008−216409号公報 特開2011−101098号公報
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、LED光源と導光体とからなる線状光源を有する読取装置用線状光源装置において、多様な原稿に的確に対応してその読取を可能とし、また、LED光源の個別的な色度のばらつきに起因する複写機の色再現性の不具合を改善した構造を提供せんとするものである。
上記課題を解決するために、この発明に係る読取装置用線状光源装置は、前記線状光源を、第1のLED光源と第1の棒状の導光体を備える第1の線状光源と、第2のLED光源と第2の棒状の導光体を備える第2の線状光源とが対向配置された一対の線状光源であり、該一対の線状光源のそれぞれの導光体が、前記LED光源が対向する、長手方向の端部に設けられた光取込端面部と、当該光取込端面部からの入射光を長手方向に対して垂直な方向に変向して原稿読取面に向けて反射する長手方向に伸びる主反射面と、前記入射光を互いに他方の導光体の副反射面に向けて反射する長手方向に伸びる副反射面と、を有することを特徴とする。
また、前記第1のLED光源と前記第2のLED光源の発光主波長が異なることを特徴とする。
更には、前記第1のLED光源は白色を出射し、前記第2のLED光源は青系色を出射することを特徴とする。
この発明の読取装置用線状光源装置によれば、一対の線状光源を対向配置することにより、例え2つのLED光源の色度が異なったとしても、これら色度の異なる2つのLED光源を組み合わせて混色し、最終的に得られる線状光の色味を調節することができるという効果がある。
また、2つのLED光源の発光主波長を異なるものとすることにより、同一の読取対象物であっても、複数種類の波長光が必要とされるものに的確に対応できる。
更には、白色LED光源と青色系色LED光源を用いることにより、紙とフィルムという異なる種類の原稿を読み取ることが可能となる。
本発明の読取装置用線状光源装置の正面図。 図1のA−A断面図。 本発明の作用説明図。 図3の更に別の作用説明図。 本発明の他の実施例の上面図。 更に他の実施例の上面図。 LED線状光源の説明図。 従来の読取装置用線状光源装置。 別の従来の読取装置用線状光源装置。
図1は、本発明の読取装置用線状光源装置を示す上面図であり、線状光源装置は、第1の線状光源1と、第2の線状光源2とを有し、台状フレーム3、3およびこれらの間に設けられた棒状フレーム4、4によって固定されて、互いに対向配置されている。この台状フレーム3にはLEDの熱を逃がすためのヒートシンク5が設けられている。
それぞれの線状光源1、2は、LED光源12、22を有し、これがそれぞれ棒状の導光体13、23の端部に対向して配置されている。即ち、第1の線状光源1は、第1のLED光源12と第1の棒状導光体13とからなり、また、第2の線状光源2は、第2のLED光源22と第2の棒状導光体23とからなっていて、これらの第1の導光体13と第2の導光体23とは互いに平行に配置されている。
そして、この実施例では、これらの第1および第2の線状光源1、2は、第1および第2のLED光源12、22の位置が反対側に位置するように配置されている。前記ヒートシンク5、5は、これらのLED光源12、22に当接して設けられている。
図2に示されるように、それぞれ台状フレーム3と棒状フレーム4に支持固定された棒状導光体13、23には、長手方向に伸びる主反射面14、24と副反射面15、25がそれぞれ形成されている。
第1の線状光源1における第1の棒状導光体13における主反射面14は、LED光源12からの入射光を長手方向に対して垂直な方向に変向して原稿読取面Xに向けて反射し、副反射面15は、前記入射光を他方の第2の棒状導光体23に向けて反射するように形成されている。
同様に、第2の線状光源2における第2の棒状導光体23における主反射面24は、LED光源22からの入射光を長手方向に対して垂直な方向に変向して原稿読取面Xに向けて反射し、副反射面25は、前記入射光を他方の第1の棒状導光体13に向けて反射するように形成されている。
そしてこの時、第1の導光体13の副反射面15からの光は、他方の第2の導光体23の副反射面25に向けて指向され、また、反対に、第2の棒状導光体23の副反射面25からの光は、他方の第1の導光体13の副反射面15に向けて指向されるように位置決めされている。
こうして、図2には、第1および第2の導光体13、23の主反射面15、25で反射された光は原稿読取面Xに向けて指向される態様が示されている。
また、図3(A)に示されるように、第1の導光体13の副反射面15によって反射された光が、第2の導光体23に入射し、この第2の導光体23の内部で反射を繰り返し、最終的には該第2の導光体23の主反射面24から外部に出射し、原稿読取面Xに向かう光となる。
そして、図3(B)に示されるように、第2の導光体23の副反射面25から反射されて第1の導光体13に入射される光についても、同様なことが行われて、第1の主反射面14から原稿読取面Xに向けて出射される。
以上の現象が図4に整理されて示されていて、第1の導光体13から出射される光Aには、主反射面14から原稿読取面Xに向かう光A1と、第2の導光体23に向かう光A2と、該第2の導光体23から原稿読取面Xに向かう光A3とがある。
一方、第2の導光体23から出射される光Bには、主反射面24から原稿読取面Xに向かう光B1と、第1の導光体13に向かう光B2と、該第1の導光体13から原稿読取面Xに向う光B3とがある。
こうして、線状光源1、2のLED光源12、22からの光を、それぞれ導光体13、23によって原稿読取面Xに2方向から照射することができる。見方を変えれば、2つのLED光源からの2種類の光を、それぞれ2方向から原稿読取面Xに照射できることになる。
こうして2種類の光を使う例としては、上述したように、紙書類のカラー原稿スキャン用途と、フィルムスキャン用途の両方を同じ読取装置によって実現する用途がある。
即ち、図4に示す線状光源において、第1のLED光源12を白色に、第2のLED光源22を青系色とする。
紙類のカラー原稿スキャン用途としては前記第1の白色の光源で読取りができるが、これのみではカラー原稿スキャン用途専用となってしまうところ、本発明では、これに前記第2の青系色の光源を組み合わせることにより、フィルムスキャンにも適した読取用線状光源となり、2種類の用途に適合した読取用光源となる。
なお、本発明でいう青系色とは、主波長(dominant wavelength)がシアン(490〜520nm)、ブルー(460〜490nm)、またはロイヤルブルー(440〜520nm)など、440〜520nmの波長を主に含む発光色をいう。
また、上記では、紙類とフィルムの別の原稿をそれぞれの適切な波長光で読取る場合を例示したが、紙幣読取や複数種類のインクを用いた印刷物等のように、単一対象物を異なる色の線状光で読み取るスキャナーにも適用できる。
例えば、紙幣読取では、赤色と緑色のLED光源を用いて、これらの光を照射し、それぞれの反射光を読み取って、そこに印字された特定の文字などを精度よく判定して、紙幣の真偽、券種(金額)等を読み取ることができる。
また、更には、複数種類のインクを用いて印刷された原稿に対しては、白色光、赤外光、紫外光等のうちで適宜に選択したLED光源を用いることによって、正確な読取が可能となる。
また、2つのLED光源として、同一の波長を発光するLED光源を組み合わせることもできる。
これは、前述したように、同一LED光源といっても、厳密にはそれぞれ全光束量と、色度値が個別的にばらついていて、色度の異なる白色光を発光するLEDを搭載すると複写機の性能(色再現性)にバラツキが生じ、品質的に問題が生じてしまうが、本発明では、これを2つのLED光源によって色度の異なる光を混色して、その色度を平準化して最終的に得られる線状光の色味を調整することができるので、複写機の性能のばらつきを解消できる。
図5には他の実施例が示され、図1に示した装置の応用例として、導光体に対するLED光源の位置を同一側に揃えた例である。
即ち、第1の線状光源1の第1のLED光源12と、第2の線状光源2の第2のLED光源22を、第1および第2の導光体13、23の同じ側に配置した例である。
こうすると、LED光源12、22に当接するヒートシンク5を共通化して1つで済むという利点がある。
更に、上記実施例では導光体の一方の端部にのみLED光源を配置するものを示したが、各導光体の両端にそれぞれ同一種類のLED光源を配置するようにしてもよい。
即ち、図6に示すように、第1の線状光源1の第1の導光体13の両端に同一種類のLED光源12a、12bを配置し、また、第2の線状光源2の第2の導光体23の両端に同一種類のLED光源22a、22bを配置したものである。
なお、この場合、第1の線状光源1のLED光源12a、12bと第2の線状光源2のLED光源22a、22bとは、同一種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。また、ヒートシンク5、5は導光体13、23における両端のLED光源12a、12b、13a、13bの両側に設けられる。
こうすることにより、導光体13、23からの出射光の光量が大きくなるという利点がある。
以上のように、本発明においては、LED光源と導光体とからなる線状光源を有する読取装置用線状光源装置においては、導光体への入射光を副反射面によって、互いに他方の導光体の副反射面に向けて反射するようにしたことにより、互いの色見の違うLED光源からの光を混色して利用することにより、最終的に得られる線状光の色味を調節することができるという効果がある。
また、発光色の異なるLED光源を用いることにより、複数種類のインク等で印刷された対象物を的確に読み取ることができ、更には、白色のLED光源と青系色のLED光源を利用することによって、書類とフィルムの両方を精度よく読み取れる読取光源装置を提供できるものである。
1 第1の線状光源
12 第1のLED光源
13 第1の棒状の導光体
14 第1の主反射面
15 第1の副反射面
2 第2の線状光源
22 第2のLED光源
23 第2の棒状の導光体
24 第2の主反射面
25 第2の副反射面
3 台状フレーム
4 棒状フレーム
5 ヒートシンク
A 第1の線状光源からの光
B 第2の線状光源からの光
X 原稿読取面


Claims (3)

  1. LED光源と導光体とからなる線状光源を有する読取装置用線状光源装置において、
    前記線状光源は、第1のLED光源と第1の棒状の導光体を備える第1の線状光源と、第2のLED光源と第2の棒状の導光体を備える第2の線状光源とが対向配置された一対の線状光源であり、
    前記一対の線状光源のそれぞれの導光体は、前記LED光源が対向する、長手方向の端部に設けられた光取込端面部と、
    当該光取込端面部からの入射光を長手方向に対して垂直な方向に変向して原稿読取面に向けて反射する長手方向に伸びる主反射面と、
    前記入射光を互いに他方の導光体の副反射面に向けて反射する長手方向に伸びる副反射面と、
    を有することを特徴とする読取装置用線状光源装置。
  2. 前記第1のLED光源と前記第2のLED光源の発光主波長が異なることを特徴とする請求項1に記載の読取装置用線状光源装置。
  3. 前記第1のLED光源は白色を出射し、前記第2のLED光源は青系色を出射することを特徴とする請求項2に記載の読取装置用線状光源装置。


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