JP2013096448A - 風力発電設備用転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】組織変化型剥離が生じ易い条件で使用する風力発電設備用転がり軸受の転動疲労寿命を、より一層長くする。
【解決手段】転がり軸受の材料の合金成分(C,Si,Mn,Cr,Mo)の量を最適化するとともに、組織変化が起こりやすい位置のC+N量、硬さ、残留オーステナイト量、圧縮残留応力を制御して水素による組織変化を遅延させ、さらに、黒染め処理(酸化被膜)を施すことで水素が鋼に侵入することを抑制し、有効すきまを所定の範囲で小さく管理することで滑りを抑制し、ころの数を所定の範囲で増す(高負荷容量化)とともに、ころの転動面に所定のクラウニングを施すことで接触面圧を抑制することで、組織変化型はくりの発生の機序の各々のプロセスを抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、風力発電設備の風車の回転支持部に用いられる転がり軸受に関する。
風力発電設備の風車の回転支持部(翼が取り付けられたロータの主軸、ロータと発電機との間に配置された変速機の入力軸および出力軸等)を支持する転がり軸受としては、例えば外径が180mm以上の大型のころ軸受が使用されている。
この種のころ軸受は、高面圧下で繰り返しせん断応力を受けるという厳しい条件で使用される。そのため、そのせん断応力に耐え得る転がり疲労寿命を確保する必要がある。また、この種のころ軸受は、軌道輪と転動体の間に滑りが発生しやすい条件下で使用される。軌道輪と転動体の間に大きな滑りが発生すると、転動体と軌道輪との間に膜状に存在する潤滑油(油膜)が切れ易くなり、潤滑油の切れた部分で金属接触が生じる。金属接触が生じると一時的に金属の新生面が形成され、化学的に活性な状態となる。そのため、潤滑油が分解して水素が発生し易くなり、その発生した水素が、軌道輪および転動体をなす鋼に侵入し易くなる。
また、風力発電設備の風車は負荷するトルクや回転速度が変わりやすい。このような用途では、軸受の軌道輪と転動体の間に油膜を安定して形成するために、鉱油ではなく、ポリアルキレングリコール系などの合成油が用いられることがある。合成油のなかには、鉱油より水素を発生しやすいものがある。潤滑油から発生した水素は、軸受の軌道輪および転動体をなす鋼に侵入して、転がり軸受の組織変化型剥離を加速させる要因となると考えられている。組織変化型剥離とは、鋼の金属組織がマルテンサイトから超微細なフェライトに変化し、フェライトになった部分が起点となって疲労亀裂が生じ、剥離に至る現象である。
そこで、例えば特許文献1ないし2には、水素によって引き起こされる組織変化に対する転がり軸受の長寿命化技術として、軸受に封入するグリースの改良によって、水素の発生および侵入を抑制した転がり軸受が提案されている。また、例えば特許文献3には、CrとMoを多量に添加した鋼に浸炭または浸炭窒化を行い、水素による組織変化型はく離を遅延させた転がり軸受が提案されている。
特開2002−327758号公報 特開2003−106338号公報 特開2005−314794号公報
しかしながら、上述のように、風力発電設備の風車の回転支持部に用いられるころ軸受の用途では、潤滑剤としてグリースを用いるのではなく、潤滑油を用いる場合がある。そのため、上記のグリースの改良による長寿命化技術は適用できない場合があった。特に、風車の回転支持部のように、比較的大形の転がり軸受では、グリースよりも潤滑油を用いる場合が多いため、上記従来技術が適用できない場合が多い。
また、転がり軸受にCrやMoを多く添加することによって、水素による組織変化は遅延するものの、CrやMoの添加量が多くなると素材のコストが上昇してしまう。さらに、風車の回転支持部のような、高靭性が必要な大形の軸受では使用できない場合があるという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、組織変化型剥離が生じ易い条件で使用する風力発電設備用転がり軸受の転動疲労寿命を、より一層長くし得る風力発電設備用転がり軸受を提供することを目的としている。
ここで、本発明が解決する課題の対象としている組織変化型はくりの発生の機序は、軌道面・転動面間の滑りおよび接触面圧の増大により、油膜切れが生じ、油膜切れが生じると金属新生面が生成され、金属新生面が生成されると、軸受の軌道輪および転動体をなす鋼に水素が侵入し、水素が鋼に侵入することで組織変化が生じ、これにより、組織変化型はくりが発生するものである。そこで、本発明者らは、このような発生の機序の各々のプロセスに着目し、組織変化型はくりを抑制するために、次の対策を施すことが有効であることを知見した。
第一には、材料成分と熱処理を見直すことによって、仮に水素が鋼に侵入した場合であっても組織変化を抑制することが有効である。加えて、第二に、黒染め(皮膜)を施すことにより、油膜切れが生じた場合であっても、金属新生面の生成を抑制することが有効である。第三に、転がり面の粗さを管理することにより、軌道面・転動面間の滑りを抑制することが有効である。さらに、第四に、有効すきまを小さく管理することにより、軌道面・転動面間の滑りを抑制することが有効である。第五に、ころ数を増すことで軌道面と転動体の接触面圧を抑制することが有効であり、第六に、クラウニング形状を所定とすることにより、軌道面と転動体の接触面圧を抑制することが有効である。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る風力発電設備用転がり軸受は、風力発電設備の風車の回転支持部に用いられる転がり軸受であって、内輪、外輪および転動体の少なくとも何れかが、下記の構成(1)〜(4)を有し、さらに、下記の構成(5)〜(7)の少なくとも何れかを有することを特徴とする。
構成(1) 炭素含有率〔C〕が0.10質量%以上0.30質量%以下、珪素含有率〔Si〕が0.20質量%以上0.50質量%以下、マンガン含有率〔Mn〕が0.20質量%以上1.20質量%以下、クロム含有率〔Cr〕が2.6質量%以上4.5質量%以下、モリブデン含有率〔Mo〕が0.10質量%以上0.40質量%以下、ニッケル含有率〔Ni〕が0.20質量%以下、銅含有率〔Cu〕が0.20質量%以下、硫黄含有率〔S〕が0.02質量%以下、リン含有率〔P〕が0.02質量%以下、酸索含有率〔O〕が12質量ppm以下、残部が鉄(Fe)および不可避不純物である合金鋼からなり、任意の切断面で面積320mm当たりに存在する直径10μm以上の酸化物系介在物が10個以下である素材を、所定形状に加工した後、浸炭または浸炭窒化と焼入れ焼戻しを行って得られる。
構成(2) 転がり面の表面(内外輪の軌道面、転動体の転動面)から転動体の直径の0.01倍に相当する深さの位置で、炭素と窒素の合計含有率〔C+N〕が0.8質量%以上1.2質量%以下、ビッカース硬さ(Hv)が720以上830以下であり、残留オーステナイト量が20体積%以上45体積%以下であり、圧縮残留応力が50MPa以上30OMPa以下である。
構成(3) 芯部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で400以上550以下である。
構成(4) 転がり面(内外輪の軌道面、転動体の転動面)の表面粗さが、粗さ曲線の最大山高さ(Rp)で1.0μm以下である。
構成(5) 内輪、外輪および転動体の少なくとも何れかの表面に黒染め処理が施されている。
構成(6) 隣接するころ同士の中心間距離ところ径の比が1.15以下となるように、ころのピッチ円径上にころが等配される保持器を有するものである。
構成(7) ころの転動面に対数クラウニングが施されているもの、またはストレート部と2段クラウニングが施されているもの、若しくはそれ以上の多段クラウニングであってRの異なる単一クラウニングによって構成されたクラウニングを有するもの。
本発明の一態様に係る風力発電設備用転がり軸受によれば、グリースではなく転がり軸受の材料に着目して、合金成分(C,Si,Mn,Cr,Mo)の量を最適化するとともに、組織変化が起こりやすい位置のC+N量、硬さ、残留オーステナイト量、圧縮残留応力を制御したので、水素による組織変化を遅延させ、これにより、転動疲労寿命の向上効果と高い靭性の両方を得ることができる(構成(1)〜(4))。
さらに、黒染め処理(酸化被膜)を施すことで水素が鋼に侵入することを抑制し(構成(5))、ころの数を所定の範囲で増す(高負荷容量化)ことで接触面圧を抑制し(構成(6))、ころの転動面に所定のクラウニングを施すことで接触面圧を抑制(構成(7))することができる。したがって、組織変化型はくりの発生の機序の各々のプロセスを抑制することができる。そのため、組織変化型剥離が生じ易い条件で使用する風力発電設備用転がり軸受の転動疲労寿命を、より一層長くすることができる。
本発明の一態様に係る風力発電設備の備える風車の一実施形態であるプロペラ型風車を示した外観の側面図である。 図1の風車のハウジング部分の図であり、同図では、ハウジングを破断して示している。 図2のハウジング内の増速機を示す図であり、同図では、軸線に沿った断面を示している。 図3の増速機の回転支持部に設けられる転がり軸受(本発明の一態様に係る風力発電設備用転がり軸受の一例)を示す図であり、同図(a)は、外輪に鍔を有する円筒ころ軸受の例を示し、同図(b)は、内輪に鍔を有する円筒ころ軸受の例を示している。 本発明の一態様に係る風力発電設備用転がり軸受における、隣接するころの配置を説明する模式図である。 本発明の一態様に係る風力発電設備用転がり軸受における、ころに形成されるクラウニングの一例(二段クラウニング)を説明する模式図である。 本発明の一態様に係る風力発電設備用転がり軸受における、転動体の負荷圏を説明する模式図である。 本発明の一態様に係る風力発電設備用転がり軸受の他の例であって、同図は、円すいころ軸受の例を示している。 本発明の一態様に係る風力発電設備用転がり軸受の他の例であって、同図は、自動調心ころ軸受の例を示している。
以下、本発明の一態様に係る風力発電設備の備える風車の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1に示すように、この風車30は、地上に立設されるタワー54を有し、このタワー54の上部にハウジング53が略水平に設けられている。ハウジング53の一端側には、ロータ52が回転自在に設けられ、このロータ52の周方向に、風力エネルギを取り込むための複数の翼51が張り出している。
上記ハウジング53の内部には、図2に示すように、ロータ52の回転力が入力される増速機40と、この増速機40の出力軸に連結された発電機55とが収納されている。増速機40は、図3に示すように、ケース55内に、複数の転がり軸受を介して低速段歯車列、中速段歯車列および高速段歯車列を構成する歯車列が支持されている。低速段歯車列は、ロータ52側に設けられており、遊星歯車軸42aを支持する不図示のキャリアが一体となった入力軸41、遊星歯車42、内歯車43及び太陽歯車44を備えている。そして、この太陽歯車44と同軸に太陽歯車軸45が配置され、この太陽歯車軸45にスプライン46によって円筒歯車47が結合されている。この円筒歯車47には、中間軸49と一体に配置された円筒歯車48が歯合してこれにより中速段歯車列を構成している。さらに、中間軸49の端部には円筒歯車50が同軸に配置されており、この円筒歯車50が出力軸52に配置された円筒歯車51と歯合して高速段歯車列を構成している。なお、中間軸49の先端には油ポンプ58が配置されている。そして、上述の各歯車列の回転支持部に、本発明の一態様に係る風力発電設備用転がり軸受として、図4(a)に示す円筒ころ軸受が用いられている。
図4(a)に示す円筒ころ軸受10は、軌道輪である円環状の内輪1及び外輪2と、これら内輪1及び外輪2の間に転動自在に配された転動体である複数の円筒状のころ3と、これら複数のころ3を内輪1及び外輪2の間に保持する保持器4とを有して構成されている。なお、保持器4は、各ころ3の転動面と対向して周方向に並ぶ複数の柱部と、各ころ3の端面と軸方向で対向し上記周方向で並ぶ柱部の軸方向両端部間をそれぞれ連結する一対の環状部とを有する。内輪1の外周面及び外輪2の内周面の間によって画成された軸受内部空間には、図示しない潤滑剤(例えば潤滑油,グリース)が封入されている。
また、外輪2の内周面の軸方向両端部には、つば部5,5が径方向内方に突出して設けられている。内輪1には、つば部は設けられていない。ただし、同図(b)に示す変形例のように、図4の例とは逆に、内輪1の外周面の軸方向両端部に径方向外方に突出するつば部を設け、外輪2にはつば部を設けない構成としてもよいし、内輪1及び外輪2の両方につば部を設ける構成としてもよい。
ここで、この円筒ころ軸受10は、内輪1、外輪2およびころ3の少なくとも何れかが、下記の構成(1)〜(3)を有する。また、下記の構成(1)〜(4)を有することが好ましい。
構成(1) 炭素含有率〔C〕が0.10質量%以上0.30質量%以下、珪素含有率〔Si〕が0.20質量%以上0.50質量%以下、マンガン含有率〔Mn〕が0.20質量%以上1.20質量%以下、クロム含有率〔Cr〕が2.6質量%以上4.5質量%以下、モリブデン含有率〔Mo〕が0.10質量%以上0.40質量%以下、ニッケル含有率〔Ni〕が0.20質量%以下、銅含有率〔Cu〕が0.20質量%以下、硫黄含有率〔S〕が0.02質量%以下、リン含有率〔P〕が0.02質量%以下、酸素含有率〔O〕が12質量ppm以下、残部が鉄(Fe)および不可避不純物である合金鋼からなり、任意の切断面で面積320mm当たりに存在する直径10μm以上の酸化物系介在物が10個以下である素材を、所定形状に加工した後、浸炭または浸炭窒化と焼入れ焼戻しを行って得られる。
構成(2) 転がり面の表面(内外輪の軌道面、転動体の転動面)から転動体の直径の0.01倍に相当する深さの位置で、炭素と窒素の合計含有率〔C+N〕が0.8質量%以上1.2質量%以下、ビッカース硬さ(Hv)が720以上830以下であり、残留オーステナイト量が20体積%以上45体積%以下であり、圧縮残留応力が50MPa以上300MPa以下である。
構成(3) 芯部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で400以上550以下である。
構成(4) 転がり面(内外輪の軌道面、転動体の転動面)の表面粗さが、粗さ曲線の最大山高さ(Rp)で1.0μm以下である。
[構成(1)で使用する合金鋼の組成について]
〔C〕を0.10質量%以上0.30質量%以下とする理由は以下の通りである。
炭素(C)は、焼入れによって基地(マトリックス)に固溶し、組織をマルテンサイト化することで鋼を強化する元素である。炭素含有率が0.10質量%未満であると、芯部の硬さが不足して剛性が不十分となる。ただし、炭素含有率が0.30質量%を超えると、芯部の靱性が不足する。
〔Si〕を0.20質量%以上0.50質量%以下とする理由は以下の通りである。
珪素(Si)は、精鋼時に脱酸剤として作用する。また、基地に固溶して焼入れ性を向上させる作用を有する。さらに、マルテンサイトを安定化する元素であるため、水素によるマルテンサイトからフェライトへの組織変化を抑制する作用を有する。珪素含有率が0.20質量%未満であると、その作用が実質的に得られない。ただし、珪素含有率が0.50質量%を超えると、浸炭性および浸炭窒化性が不十分となる。
〔Mn〕を0.20質量%以上1.20質量%以下とする理由は以下の通りである。
マンガン(Mn)は、基地に固溶して焼入れ性を向上させる作用を有する。また、マルテンサイトを安定化する元素であるため、水素によるマルテンサイトからフェライトへの組織変化を抑制する作用を有する。さらに、オーステナイトを安定化する元素でもあるため、鋼の組織変化の原因となる水素の局所集積を抑制する残留オーステナイト量を多くする作用も有する。マンガン含有率が0.20質量%未満であると、その作用が実質的に得られない。
ただし、マンガン含有率が1.20質量%を超えると、残留オーステナイト量が多くなり過ぎて、硬さと寸法安定性が低下する。好適な硬さと寸法安定性を得るために、好ましくは0.20質量%以上0.45質量%以下とする。
〔Cr〕を2.6質量%以上4.5質量%以下とする理由は以下の通りである。
クロム(Cr)は、基地に固溶して焼入れ性を向上させる作用を有する。また、炭素と結合して鋼中に硬い炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる作用を有する。また、マルテンサイトを安定化する元素であるため、水素によるマルテンサイトからフェライトへの組織変化を抑制する作用を有する。クロム含有率が2.6質量%未満であると、これらの作用が実質的に得られない。ただし、クロムは高価な元素であるため含有率は少ない方が好ましい。また、クロム含有率が4.5質量%を超えると、靱性、浸炭性および浸炭窒化性が不十分となるとともに、化学的に安定した炭化物を形成するために焼入れ温度を高くする必要があるため、生産性が低下する。
〔Mo〕を0.10質量%以上0.40質量%以下とする理由は以下の通りである。
モリブデン(Mo)は、基地に固溶して焼入れ性および焼戻し軟化抵抗性を向上させる作用を有する。また、炭素と結合して鋼中に硬い炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる作用を有する。また、マルテンサイトを安定化する元素であるため、水素によるマルテンサイトからフェライトへの組織変化を抑制する作用を有する。さらに、オーステナイトを安定化する元素でもあるため、鋼の組織変化の原因となる水素の局所集積を抑制する残留オーステナイト量を多くする作用も有する。モリブデンの含有率が0.10質量%未満であると、これらの作用が実質的に得られない。ただし、モリブデン含有率が0.40質量%を超えると、靱性が不十分となり、冷間加工性および被削性も不十分となって、生産性が低下する。
〔Ni〕を0.20質量%以下とする理由は以下の通りである。
ニッケル(Ni)は、基地に固溶して焼入れ性および靱性を向上させる作用を有する。また、オーステナイトを安定化する元素であるため、鋼の組織変化の原因となる水素の局所集積を抑制する残留オーステナイト量を多くする作用を有する。ニッケルは高価な元素であるため、含有率を0.20質量%以下とする。また、ニッケルは必須成分ではないが、その含有率が0.01質量%未満であると、これらの作用が実質的に得られないため、ニッケルを含有させる場合にはその含有率を0.01質量%以上とする。
〔Cu〕を0.20質量%以下とする理由は以下の通りである。
銅(Cu)は、基地に固溶して焼入れ性および粒界強度を向上させる作用を有する。銅は必須成分ではないが、その含有率が0.02質量%未満であるとこれらの作用が実質的に得られないため、銅を含有させる場合にはその含有率を0.02質量%以上とする。ただし、銅の含有率が0.20質量%を超えると、熱間鍛造性が不十分となって、生産性が低下する。
〔S〕を0.02質量%以下とする理由は以下の通りである。
硫黄(S)は、マンガン(Mn)と結合してMnSを形成し、介在物となるため、その含有率を0.02質量%以下にする。
〔P〕を0.02質量%以下とする理由は以下の通りである。
リン(P)は、結晶粒界に偏析して、粒界強度や破壊靱性を低下させるため、その含有率を0.02質量%以下にする。
〔O〕を12質量ppm以下とする理由は以下の通りである。
酸素(O)は、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)等と結合してAl、MgO、CaO等の酸化物を形成する。これらの酸化物は介在物となり、剥離の起点となるため、その含有率を12質量ppm以下にする。
[構成(1)で使用する素材に存在する酸化物系介在物について]
鋼に大きな非金属介在物が存在すると、介在物の周りに応力が集中して、介在物を起点とした疲労亀裂が生じ、剥離の原因となる。また、鋼に侵入した水素は応力集中部に集積し易いため、大きな非金属介在物の周りには鋼の組織変化も生じ易い。
非金属介在物のうち、Al、MgO、CaO等の酸化物系介在物であって、大きさが直径10μm以上であるものは、亀裂の起点となり易い。酸化物系介在物の大きさが10μm未満の場合は、介在物を起点とした亀裂が生じる前に、鋼の基地組織が水素で変化し、これに伴う亀裂が生じる。よって、直径10μm未満の酸化物系介在物が存在していても実質的に有害にならない。これらの観点から、介在物を起点とした疲労亀裂が生じることを抑制するために、任意の切断面で面積320mm当たりに存在する直径10μm以上の酸化物系介在物が10個以下である素材を用いている。
[構成(1)の熱処理条件について]
前記構成の素材に対して浸炭または浸炭窒化と焼入れ焼戻しを行うことで、軸受部品(内輪、外輪、転動体のいずれか)の表層部に炭素または炭素と窒素が導入される。
浸炭または浸炭窒化処理の保持温度は960℃以下とすることが好ましい。960℃を超える温度に保持すると結晶粒の粗大化が生じる。焼入れ処理の保持温度は860〜880℃とすることが好ましい。860℃未満であると焼入れ後の硬さが不足し、880℃を超えると残留オーステナイト量が過剰になったり、結晶粒の粗大化が生じて靱性が低下する。
焼戻し処理の保持温度は160〜200℃とすることが好ましい。160℃未満であると、靱性が低下したり、水素と敏感に反応して組織変化が生じ易くなったりする。200℃を超えると、組織変化を遅延させるために必要な残留オーステナイト量が不十分となる。
[構成(2)について]
構成(2)は、熱処理後の表層部の性状を特定している。
先ず、表層部の性状を特定する位置を、転がり面の表面から転動体の直径(ころの場合は、最大直径)の0.01倍に相当する深さ(以下、「1%D」と称する。)に設定している。1%D位置の周辺は、軌道輪と転動体との接触部の材料内部に生じる剪断応力が最大になる位置であって、水素の局所集積が生じ易いため、この位置での性状を水素による組織変化が生じないように特定する。
1%D位置での炭素と窒素の合計含有率〔C+N〕を0.8質量%以上1.2質量%以下とする理由は以下の通りである。
1%D位置での炭素と窒素の合計含有率〔C+N〕を0.8質量%以上とすることで、転がり面に必要な硬さを得るとともに、表層部の残留オーステナイト量を多くして組織変化の抑制作用を得る。1%D位置での炭素と窒素の合計含有率〔C+N〕が1.2質量%を超えると、転がり面に必要な靱性が不足する。
1%D位置でのビッカース硬さ(Hv)を720以上830以下とする理由は以下の通りである。
1%D位置でのビッカース硬さ(Hv)を720以上とすることで、鋼に水素が侵入した場合でも局所的な塑性変形が生じ難くなるため、水素による組織変化を抑制できる。これは、水素による組織変化が鋼に局所的な塑性変形が生じることで引き起こされるという知見に基づく。1%D位置でのビッカース硬さが830を超えると、転がり面に必要な破壊靱性値が得られない。
1%D位置での残留オーステナイト量を20体積%以上45体積%以下とする理由は以下の通りである。
1%D位置での残留オーステナイト量を20体積%以上とすることで、残留オーステナイトによる水素拡散抑制効果が発揮されて、組織変化を抑制する作用が得られる。1%D位置での残留オーステナイト量が45体積%を超えると、寸法安定性が不良となる。
1%D位置での圧縮残留応力を50MPa以上300MPa以下とする理由は以下の通りである。
1%D位置に存在する圧縮残留応力は、水素による組織変化から生じた亀裂の進展を抑制する作用を有する。50MPa未満ではこの作用が実質的に得られず、300MPaを超えると、圧縮残留応力と釣り合う大きさで内部に発生する引張残留応力の作用によって、亀裂の進展が促進される場合がある。
[構成(3)について]
芯部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で400未満であると、剛性が不十分となる。しかし、550を超えると靱性が不十分となる。芯部の硬さをHv400以上550以下とすることで、転動体直径が30mm以上である大形の転がり軸受として十分な靱性が得られる。
[構成(4)について]
転がり面の表面粗さが粗いと、油膜が切れ易くなり、油膜が切れた部分で軌道輪と転動体が金属接触し、組織変化の原因となる潤滑油の分解や水素の侵入が生じ易くなる。通常、転がり軸受の転がり面の表面粗さは算術平均粗さ(Ra)で管理されているが、粗さ曲線の最大山高さ(Rp)の方が部分的な油膜の切れ易さの指標としては適している。そして、転がり面の表面粗さが粗さ曲線の最大山高さ(Rp)で1.0μmを超えると、油膜が切れて部分的な金属接触が生じ易くなるため、1.0μm以下とした。
転がり面の表面粗さの粗さ曲線の最大山高さ(Rp)を1.0μm以下とすることは、研削加工で、砥石の種類、研削速度等の加工条件を最適化することにより達成できる。また、転がり面の(転がり面が玉の表面の場合は円周方向で、それ以外の場合は軸方向で)5〜10箇所について測定を行い(粗さ曲線を得)、その中での粗さ曲線の最大山高さ(Rp)が1.0μm以下となるようにする。
さらに、この円筒ころ軸受10は、下記の構成(5)〜構成(8)の少なくとも何れかを有する。
構成(5) 内輪1、外輪2および転動体であるころ3の少なくとも何れかの表面に黒染め処理が施されている。
構成(6) ラジアル内部すきまは、初期すきまが区分C3未満とする。また、円錐ころ軸受のように接触角を持つ転がり軸受の場合には定圧予圧で使用するものである。但し「区分C3」とは以下の表1〜3に規定するものである。但し、表1は、円筒ころ軸受(上記実施形態の例に対応)におけるラジアル内部すきまの規定値を示す表であり、表2は、複列及び組み合わせ円すいころ軸受におけるラジアル内部すきまの規定値を示す表であり、表3は、自動調心ころ軸受におけるラジアル内部すきまの規定値を示す表をそれぞれ示している。
Figure 2013096448
Figure 2013096448
Figure 2013096448
構成(7) 隣接するころ3同士の中心間距離ところ径の比が1.15以下となるように、ころ3のピッチ円径上にころ3が等配される保持器4を有するものである。
構成(8) ころ3の転動面に対数クラウニングが施されているもの、またはストレート部と2段クラウニングが施されているもの、若しくはそれ以上の多段クラウニングで構成したもの。
[構成(5)について]
内輪1または外輪2ところ3の間に滑りが生じ、油膜が切れた部分で内輪1または外輪2ところ3が金属接触する場合、金属新生面が形成され、組織変化の原因となる潤滑油の分解や水素の侵入が生じやすくなる。しかし、黒染め処理(アルカリ化成処理)を施すことにより表面が酸化鉄皮膜で覆われるため、金属新生面の形成を抑制すること可能となる。なお、黒染め処理は、例えばドイツ工業規格No.50938で規定されているものを採用すればよい。
[構成(6)について]
軸受のラジアル内部すきまを初期すきま区分C3未満で使用する。もしくは接触角を有する軸受(例えば図8に示す変形例のように、2列を組合せた円すいころ軸受)の場合には、残留時予圧あるいは定圧予圧で使用することで、運転時の有効すきまを軸受寿命が著しく低下しない程度に小さくして負荷圏(図7参照)を大きくする。これにより、一公転中に転動体荷重(トラクション)の作用する時間が長くなり、内輪1または外輪2ところ3の間の滑りを抑制することができ、油膜切れを抑制することが可能となる。
ここで、第1に、ころ軸受のラジアル内部すきまは、標準的な初期すきまとして、上記表1に示したように、普通すきまCNと、これよりも大きいC3すきま、普通すきまCNよりも小さいC2すきまがある。本発明の一態様において、初期すきまをC3未満とする理由は、通常の使用条件(軸やハウジングとのはめあい、温度条件、荷重条件)と普通すきまCNの組合せにより有効すきま(運転時の内部すきま)は適正になる。つまり、C3すきまかそれより大きい初期すきまを選定すると有効すきまが大きくなり、負荷圏が小さくなるためである。なお、荷重条件や運転条件に基づく上記表1に示した嵌め合いや、すきまの選定についてはNSKカタログ「転がり軸受」(CAT.No.1102h)A82〜A95に開示されている内容に基づいて設定した。
第2に、図8に示すような円すいころ軸受10における、定圧予圧を負荷する方法としては、外輪2間の間座6を省略し、一方の外輪2の外側側面からアキシアル方向にばね(不図示)で押し付ける。このとき、ばねが外輪2に作用する力の向きは、この軸受が支持する外部荷重と同じとしておく。
[構成(7)について]
図5に示す、転動体中心間距離と転動体径の比が1.15以下となるように転動体であるころ3を配置することで、ころ3の数を多くすることができ、各ころ3に負荷される荷重が減少する。そのため、内輪1または外輪2ところ3の接触面圧が減少する。これにより、油膜切れを抑制することが可能となる。
但し、上記の比を小さくすることは、各ころ3を分離し均等に保持する為の保持器4の柱部分が細くなることを意味する。このため、保持器4の柱部は、ころ3から作用する力による内部応力が増大しやすくなる。そこで、柱部分を支持する円環部分も適切に剛性を小さくし、保持器全体での応力バランスをとることが肝要である。具体的には柱部分と円環部分の断面2次モーメントを適切な比となるようにすることが好ましい。
具体的には、保持器4において、上記一対の環状部のうち、ころ3が円筒状のものであれば直径が等しい一方の環状部を第1環状部と呼び(ころ3が円すい状のものであるときは直径が大きい方の環状部を第1環状部と呼び)、直径が等しい他方の環状部を第2環状部と呼び(ころ3が円すい状のものであるときは直径が小さい方の環状部を第2環状部と呼び)、柱部の長さ方向に垂直な中立軸に対する上記第1環状部の断面二次モーメントをI1、柱部の長さ方向に垂直な中立軸に対する第2環状部の断面二次モーメントをI2、保持器4の円周方向に垂直な中立軸に対する上記柱部の断面二次モーメントをI3とし、柱部の長さ方向に平行な中立軸に対する上記第1環状部の断面二次モーメントをI1’、柱部の長さ方向に平行な中立軸に対する第2環状部の断面二次モーメントをI2’、保持器4の円周方向に平行な中立軸に対する上記柱部の断面二次モーメントをI3’としたときに、0.8≦(I1/I2)≦1.4、且つ0.1≦(I1/I3)≦3.0の条件式、または、0.5≦(I1’/I2’)≦2.7、且つ0.2≦(I1’/I3’)≦6.0の条件式の少なくとも一方の条件式を満足する構成とすることが好ましい。
[構成(8)について]
転動体の転道面形状が円筒面+単一Rの一段クラウニング面であるパーシャルクラウニングである場合、大荷重条件でクラウニング端と面取りの交点部にエッジロードが発生して接触面圧が著しく増加する。これを抑制すべく、例えばクラウニングのRを小さく(クラウニング落ち量は大きくなる)すると、ストレート部とクラウニングの交点部で面圧が極大となってしまう。
そこで、転動体の転道面形状を対数クラウニングで構成、またはストレート部、2段ないしそれ以上の多段でRの異なる単一クラウニングで構成することにより、パーシャルクラウニングで発生するエッジロードやストレート部とクラウニング交点部での接触面圧の増加を軽減することができ、油膜切れを抑制することが可能となる。
ここで、2段クラウニング形状とする際には、図6に示すように、ころ3が、軸方向中央部に軸方向に沿って形成される平坦面3aと、この平坦面3aの軸方向外端部から軸方向外側に向かつて形成される第1クラウニング面3bと、この第1クラウニング面3bの軸方向外端部から軸方向外側に向かって形成される第2クラウニング面3cとを有する構成とする。そして、第1クラウニング面3bの軸方向に沿う曲率半径R1を、第2クラウニング面3cの軸方向に沿う曲率半径R2よりも大きくし、さらに、ころ3の中心位置を径方向に沿って通る中心線からの軸方向2点位置を位置xとするとき、ころ3のクラウニング量と内輪1の軌道面のクラウニング量との総和δが以下の式を満足する構成とすることが好ましい。これにより、広範な荷重条件において適切に接触面圧の増大を抑制できる。
図6に示す例において、対数クラウニングの形状を近似するように、第1クラウニング面3bの軸方向に沿う曲率半径R1は、第2クラウニング面3cの軸方向に沿う曲率半径R2よりも大きくなるように設定される。また、第1クラウニング面3bと第2クラウニング面3cとの境界での、軸方向に沿う接線それぞれが一致するように、第1クラウニング面3bの曲率半径R1の中心位置P1、及び第2クラウニング面3cの曲率半径R2の中心位置P2がそれぞれ設定される。具体的には、第1クラウニング面3bの曲率半径R1の中心位置P1は、ころ3の軸方向中心を通る径方向中心線上に設けられる。第2クラウニング面3cの曲率半径R2の中心位置P2は、第1クラウニング面3bの曲率半径R1の中心位置P1と、第1クラウニング面3bと第2クラウニング面3cとの境界となる点(交点)Kと、を結ぶ線上に設けられる。
さらに、x=0.425Leの位置における ころ3のクラウニング量と内輪1の軌道面のクラウニング量との総和δが下記式の範疇となり、x=0.5Leにおける、ころ3のクラウニング量と内輪1の軌道面のクラウニング量との総和δも下記式の範疇に規定することで、ころと軌道面の接触面圧の分布がより適切となり寿命延長に有利となる。
Figure 2013096448
なお、本発明に係る風力発電設備用転がり軸受は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、風力発電設備の風車の回転支持部に用いられる転がり軸受として、図4(a)に示した円筒ころ軸受10を中心に例示して説明したが、これに限定されず、本発明に係る風力発電設備用転がり軸受としては、図4(b)に示した円すいころ軸受10や、図8に示した円すいころ軸受10、図9に示す自動調心ころ軸受10等にも適用することができる。さらに構成(8)を除く全ての構成を深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、4点接触玉軸受等の、転動体が玉である軸受にも適用できる。
1 内輪
2 外輪
3 ころ
4 保持器
6 間座
10 円筒ころ軸受

Claims (1)

  1. 風力発電設備の風車の回転支持部に用いられる転がり軸受であって、内輪、外輪および転動体の少なくとも何れかが、下記の構成(1)〜(4)を有し、さらに、下記の構成(5)〜(7)の少なくとも何れかを有することを特徴とする風力発電設備用転がり軸受。
    構成(1) 炭素含有率〔C〕が0.10質量%以上0.30質量%以下、珪素含有率〔Si〕が0.20質量%以上0.50質量%以下、マンガン含有率〔Mn〕が0.20質量%以上1.20質量%以下、クロム含有率〔Cr〕が2.6質量%以上4.5質量%以下、モリブデン含有率〔Mo〕が0.10質量%以上0.40質量%以下、ニッケル含有率〔Ni〕が0.20質量%以下、銅含有率〔Cu〕が0.20質量%以下、硫黄含有率〔S〕が0.02質量%以下、リン含有率〔P〕が0.02質量%以下、酸索含有率〔O〕が12質量ppm以下、残部が鉄(Fe)および不可避不純物である合金鋼からなり、任意の切断面で面積320mm当たりに存在する直径10μm以上の酸化物系介在物が10個以下である素材を、所定形状に加工した後、浸炭または浸炭窒化と焼入れ焼戻しを行って得られる。
    構成(2) 転がり面の表面(内外輪の軌道面、転動体の転動面)から転動体の直径の0.01倍に相当する深さの位置で、炭素と窒素の合計含有率〔C+N〕が0.8質量%以上1.2質量%以下、ビッカース硬さ(Hv)が720以上830以下であり、残留オーステナイト量が20体積%以上45体積%以下であり、圧縮残留応力が50MPa以上30OMPa以下である。
    構成(3) 芯部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で400以上550以下である。
    構成(4) 転がり面(内外輪の軌道面、転動体の転動面)の表面粗さが、粗さ曲線の最大山高さ(Rp)で1.0μm以下である。
    構成(5) 内輪、外輪および転動体の少なくとも何れかの表面に黒染め処理が施されている。
    構成(6) 隣接するころ同士の中心間距離ところ径の比が1.15以下となるように、ころのピッチ円径上にころが等配される保持器を有するものである。
    構成(7) ころの転動面に対数クラウニングが施されているもの、またはストレート部と2段クラウニングが施されているもの、若しくはそれ以上の多段クラウニングを有するもの。
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