JP5982782B2 - 風力発電設備用転がり軸受 - Google Patents
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Description
この種のころ軸受は、高面圧下で繰り返しせん断応力を受けるという厳しい条件で使用される。そのため、そのせん断応力に耐え得る転がり疲労寿命を確保する必要がある。また、この種のころ軸受は、軌道輪と転動体の間に滑りが発生しやすい条件下で使用される。軌道輪と転動体の間に大きな滑りが発生すると、転動体と軌道輪との間に膜状に存在する潤滑油(油膜)が切れ易くなり、潤滑油の切れた部分で金属接触が生じる。金属接触が生じると一時的に金属の新生面が形成され、化学的に活性な状態となる。そのため、潤滑油が分解して水素が発生し易くなり、その発生した水素が、軌道輪および転動体をなす鋼に侵入し易くなる。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、組織変化型剥離が生じ易い条件で使用する風力発電設備用転がり軸受の転動疲労寿命を、より一層長くし得る風力発電設備用転がり軸受を提供することを目的としている。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る風力発電設備用転がり軸受は、風力発電設備の風車の回転支持部に用いられる転がり軸受であって、内輪、外輪および転動体の少なくとも何れかが、下記の構成(1)〜(4)および構成(7)を有し、さらに、下記の構成(5)〜(6)の少なくとも何れかを有することを特徴とする。
構成(3) 芯部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で400以上550以下である。
構成(4) 転がり面(内外輪の軌道面、転動体の転動面)の表面粗さが、粗さ曲線の最大山高さ(Rp)で1.0μm以下である。
構成(5) 内輪、外輪および転動体の少なくとも何れかの表面に黒染め処理面を有する。
構成(7) ころの転動面に2段クラウニングが施されており、該2段クラウニングは、ころの軸方向中央部に軸方向に沿って形成される平坦面と、該平坦面の軸方向外端部から軸方向外側に向かって形成される第1クラウニング面と、該第1クラウニング面の軸方向外端部から軸方向外側に向かって形成される第2クラウニング面とを有し、
前記第1クラウニング面と前記第2クラウニング面との境界での、軸方向に沿う接線それぞれが一致するように、前記第1クラウニング面の曲率半径の中心位置は、前記ころの軸方向中心を通る径方向中心線上に設けられ、前記第2クラウニング面の曲率半径の中心位置は、前記第1クラウニング面の曲率半径の中心位置と、前記第1クラウニング面と前記第2クラウニング面との境界となる交点とを結ぶ線上に設けられるもの。
図1に示すように、この風車30は、地上に立設されるタワー54を有し、このタワー54の上部にハウジング53が略水平に設けられている。ハウジング53の一端側には、ロータ52が回転自在に設けられ、このロータ52の周方向に、風力エネルギを取り込むための複数の翼51が張り出している。
ここで、この円筒ころ軸受10は、内輪1、外輪2およびころ3の少なくとも何れかが、下記の構成(1)〜(3)を有する。また、下記の構成(1)〜(4)を有することが好ましい。
構成(3) 芯部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で400以上550以下である。
構成(4) 転がり面(内外輪の軌道面、転動体の転動面)の表面粗さが、粗さ曲線の最大山高さ(Rp)で1.0μm以下である。
〔C〕を0.10質量%以上0.30質量%以下とする理由は以下の通りである。
炭素(C)は、焼入れによって基地(マトリックス)に固溶し、組織をマルテンサイト化することで鋼を強化する元素である。炭素含有率が0.10質量%未満であると、芯部の硬さが不足して剛性が不十分となる。ただし、炭素含有率が0.30質量%を超えると、芯部の靱性が不足する。
〔Si〕を0.20質量%以上0.50質量%以下とする理由は以下の通りである。
珪素(Si)は、精鋼時に脱酸剤として作用する。また、基地に固溶して焼入れ性を向上させる作用を有する。さらに、マルテンサイトを安定化する元素であるため、水素によるマルテンサイトからフェライトへの組織変化を抑制する作用を有する。珪素含有率が0.20質量%未満であると、その作用が実質的に得られない。ただし、珪素含有率が0.50質量%を超えると、浸炭性および浸炭窒化性が不十分となる。
マンガン(Mn)は、基地に固溶して焼入れ性を向上させる作用を有する。また、マルテンサイトを安定化する元素であるため、水素によるマルテンサイトからフェライトへの組織変化を抑制する作用を有する。さらに、オーステナイトを安定化する元素でもあるため、鋼の組織変化の原因となる水素の局所集積を抑制する残留オーステナイト量を多くする作用も有する。マンガン含有率が0.20質量%未満であると、その作用が実質的に得られない。
ただし、マンガン含有率が1.20質量%を超えると、残留オーステナイト量が多くなり過ぎて、硬さと寸法安定性が低下する。好適な硬さと寸法安定性を得るために、好ましくは0.20質量%以上0.45質量%以下とする。
クロム(Cr)は、基地に固溶して焼入れ性を向上させる作用を有する。また、炭素と結合して鋼中に硬い炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる作用を有する。また、マルテンサイトを安定化する元素であるため、水素によるマルテンサイトからフェライトへの組織変化を抑制する作用を有する。クロム含有率が2.6質量%未満であると、これらの作用が実質的に得られない。ただし、クロムは高価な元素であるため含有率は少ない方が好ましい。また、クロム含有率が4.5質量%を超えると、靱性、浸炭性および浸炭窒化性が不十分となるとともに、化学的に安定した炭化物を形成するために焼入れ温度を高くする必要があるため、生産性が低下する。
モリブデン(Mo)は、基地に固溶して焼入れ性および焼戻し軟化抵抗性を向上させる作用を有する。また、炭素と結合して鋼中に硬い炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる作用を有する。また、マルテンサイトを安定化する元素であるため、水素によるマルテンサイトからフェライトへの組織変化を抑制する作用を有する。さらに、オーステナイトを安定化する元素でもあるため、鋼の組織変化の原因となる水素の局所集積を抑制する残留オーステナイト量を多くする作用も有する。モリブデンの含有率が0.10質量%未満であると、これらの作用が実質的に得られない。ただし、モリブデン含有率が0.40質量%を超えると、靱性が不十分となり、冷間加工性および被削性も不十分となって、生産性が低下する。
ニッケル(Ni)は、基地に固溶して焼入れ性および靱性を向上させる作用を有する。また、オーステナイトを安定化する元素であるため、鋼の組織変化の原因となる水素の局所集積を抑制する残留オーステナイト量を多くする作用を有する。ニッケルは高価な元素であるため、含有率を0.20質量%以下とする。また、ニッケルは必須成分ではないが、その含有率が0.01質量%未満であると、これらの作用が実質的に得られないため、ニッケルを含有させる場合にはその含有率を0.01質量%以上とする。
銅(Cu)は、基地に固溶して焼入れ性および粒界強度を向上させる作用を有する。銅は必須成分ではないが、その含有率が0.02質量%未満であるとこれらの作用が実質的に得られないため、銅を含有させる場合にはその含有率を0.02質量%以上とする。ただし、銅の含有率が0.20質量%を超えると、熱間鍛造性が不十分となって、生産性が低下する。
硫黄(S)は、マンガン(Mn)と結合してMnSを形成し、介在物となるため、その含有率を0.02質量%以下にする。
〔P〕を0.02質量%以下とする理由は以下の通りである。
リン(P)は、結晶粒界に偏析して、粒界強度や破壊靱性を低下させるため、その含有率を0.02質量%以下にする。
〔O〕を12質量ppm以下とする理由は以下の通りである。
酸素(O)は、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)等と結合してAl2O3、MgO、CaO等の酸化物を形成する。これらの酸化物は介在物となり、剥離の起点となるため、その含有率を12質量ppm以下にする。
鋼に大きな非金属介在物が存在すると、介在物の周りに応力が集中して、介在物を起点とした疲労亀裂が生じ、剥離の原因となる。また、鋼に侵入した水素は応力集中部に集積し易いため、大きな非金属介在物の周りには鋼の組織変化も生じ易い。
非金属介在物のうち、Al2O3、MgO、CaO等の酸化物系介在物であって、大きさが直径10μm以上であるものは、亀裂の起点となり易い。酸化物系介在物の大きさが10μm未満の場合は、介在物を起点とした亀裂が生じる前に、鋼の基地組織が水素で変化し、これに伴う亀裂が生じる。よって、直径10μm未満の酸化物系介在物が存在していても実質的に有害にならない。これらの観点から、介在物を起点とした疲労亀裂が生じることを抑制するために、任意の切断面で面積320mm2当たりに存在する直径10μm以上の酸化物系介在物が10個以下である素材を用いている。
前記構成の素材に対して浸炭または浸炭窒化と焼入れ焼戻しを行うことで、軸受部品(内輪、外輪、転動体のいずれか)の表層部に炭素または炭素と窒素が導入される。
浸炭または浸炭窒化処理の保持温度は960℃以下とすることが好ましい。960℃を超える温度に保持すると結晶粒の粗大化が生じる。焼入れ処理の保持温度は860〜880℃とすることが好ましい。860℃未満であると焼入れ後の硬さが不足し、880℃を超えると残留オーステナイト量が過剰になったり、結晶粒の粗大化が生じて靱性が低下する。
焼戻し処理の保持温度は160〜200℃とすることが好ましい。160℃未満であると、靱性が低下したり、水素と敏感に反応して組織変化が生じ易くなったりする。200℃を超えると、組織変化を遅延させるために必要な残留オーステナイト量が不十分となる。
構成(2)は、熱処理後の表層部の性状を特定している。
先ず、表層部の性状を特定する位置を、転がり面の表面から転動体の直径(ころの場合は、最大直径)の0.01倍に相当する深さ(以下、「1%D」と称する。)に設定している。1%D位置の周辺は、軌道輪と転動体との接触部の材料内部に生じる剪断応力が最大になる位置であって、水素の局所集積が生じ易いため、この位置での性状を水素による組織変化が生じないように特定する。
1%D位置での炭素と窒素の合計含有率〔C+N〕を0.8質量%以上とすることで、転がり面に必要な硬さを得るとともに、表層部の残留オーステナイト量を多くして組織変化の抑制作用を得る。1%D位置での炭素と窒素の合計含有率〔C+N〕が1.2質量%を超えると、転がり面に必要な靱性が不足する。
1%D位置でのビッカース硬さ(Hv)を720以上とすることで、鋼に水素が侵入した場合でも局所的な塑性変形が生じ難くなるため、水素による組織変化を抑制できる。これは、水素による組織変化が鋼に局所的な塑性変形が生じることで引き起こされるという知見に基づく。1%D位置でのビッカース硬さが830を超えると、転がり面に必要な破壊靱性値が得られない。
1%D位置での残留オーステナイト量を20体積%以上とすることで、残留オーステナイトによる水素拡散抑制効果が発揮されて、組織変化を抑制する作用が得られる。1%D位置での残留オーステナイト量が45体積%を超えると、寸法安定性が不良となる。
1%D位置に存在する圧縮残留応力は、水素による組織変化から生じた亀裂の進展を抑制する作用を有する。50MPa未満ではこの作用が実質的に得られず、300MPaを超えると、圧縮残留応力と釣り合う大きさで内部に発生する引張残留応力の作用によって、亀裂の進展が促進される場合がある。
芯部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で400未満であると、剛性が不十分となる。しかし、550を超えると靱性が不十分となる。芯部の硬さをHv400以上550以下とすることで、転動体直径が30mm以上である大形の転がり軸受として十分な靱性が得られる。
転がり面の表面粗さが粗いと、油膜が切れ易くなり、油膜が切れた部分で軌道輪と転動体が金属接触し、組織変化の原因となる潤滑油の分解や水素の侵入が生じ易くなる。通常、転がり軸受の転がり面の表面粗さは算術平均粗さ(Ra)で管理されているが、粗さ曲線の最大山高さ(Rp)の方が部分的な油膜の切れ易さの指標としては適している。そして、転がり面の表面粗さが粗さ曲線の最大山高さ(Rp)で1.0μmを超えると、油膜が切れて部分的な金属接触が生じ易くなるため、1.0μm以下とした。
さらに、この円筒ころ軸受10は、下記の構成(5)〜構成(8)の少なくとも何れかを有する。
構成(6) ラジアル内部すきまは、初期すきまが区分C3未満とする。また、円錐ころ軸受のように接触角を持つ転がり軸受の場合には定圧予圧で使用するものである。但し「区分C3」とは以下の表1〜3に規定するものである。但し、表1は、円筒ころ軸受(上記実施形態の例に対応)におけるラジアル内部すきまの規定値を示す表であり、表2は、複列及び組み合わせ円すいころ軸受におけるラジアル内部すきまの規定値を示す表であり、表3は、自動調心ころ軸受におけるラジアル内部すきまの規定値を示す表をそれぞれ示している。
構成(8) ころ3の転動面に対数クラウニングが施されているもの、またはストレート部と2段クラウニングが施されているもの、若しくはそれ以上の多段クラウニングで構成したもの。
内輪1または外輪2ところ3の間に滑りが生じ、油膜が切れた部分で内輪1または外輪2ところ3が金属接触する場合、金属新生面が形成され、組織変化の原因となる潤滑油の分解や水素の侵入が生じやすくなる。しかし、黒染め処理(アルカリ化成処理)を施すことにより表面が酸化鉄皮膜で覆われるため、金属新生面の形成を抑制すること可能となる。なお、黒染め処理は、例えばドイツ工業規格No.50938で規定されているものを採用すればよい。
軸受のラジアル内部すきまを初期すきま区分C3未満で使用する。もしくは接触角を有する軸受(例えば図8に示す変形例のように、2列を組合せた円すいころ軸受)の場合には、残留時予圧あるいは定圧予圧で使用することで、運転時の有効すきまを軸受寿命が著しく低下しない程度に小さくして負荷圏(図7参照)を大きくする。これにより、一公転中に転動体荷重(トラクション)の作用する時間が長くなり、内輪1または外輪2ところ3の間の滑りを抑制することができ、油膜切れを抑制することが可能となる。
図5に示す、転動体中心間距離と転動体径の比が1.15以下となるように転動体であるころ3を配置することで、ころ3の数を多くすることができ、各ころ3に負荷される荷重が減少する。そのため、内輪1または外輪2ところ3の接触面圧が減少する。これにより、油膜切れを抑制することが可能となる。
但し、上記の比を小さくすることは、各ころ3を分離し均等に保持する為の保持器4の柱部分が細くなることを意味する。このため、保持器4の柱部は、ころ3から作用する力による内部応力が増大しやすくなる。そこで、柱部分を支持する円環部分も適切に剛性を小さくし、保持器全体での応力バランスをとることが肝要である。具体的には柱部分と円環部分の断面2次モーメントを適切な比となるようにすることが好ましい。
転動体の転道面形状が円筒面+単一Rの一段クラウニング面であるパーシャルクラウニングである場合、大荷重条件でクラウニング端と面取りの交点部にエッジロードが発生して接触面圧が著しく増加する。これを抑制すべく、例えばクラウニングのRを小さく(クラウニング落ち量は大きくなる)すると、ストレート部とクラウニングの交点部で面圧が極大となってしまう。
そこで、転動体の転道面形状を対数クラウニングで構成、またはストレート部、2段ないしそれ以上の多段でRの異なる単一クラウニングで構成することにより、パーシャルクラウニングで発生するエッジロードやストレート部とクラウニング交点部での接触面圧の増加を軽減することができ、油膜切れを抑制することが可能となる。
例えば、上記実施形態では、風力発電設備の風車の回転支持部に用いられる転がり軸受として、図4(a)に示した円筒ころ軸受10を中心に例示して説明したが、これに限定されず、本発明に係る風力発電設備用転がり軸受としては、図4(b)に示した円すいころ軸受10や、図8に示した円すいころ軸受10、図9に示す自動調心ころ軸受10等にも適用することができる。さらに構成(8)を除く全ての構成を深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、4点接触玉軸受等の、転動体が玉である軸受にも適用できる。
2 外輪
3 ころ
4 保持器
6 間座
10 円筒ころ軸受
Claims (1)
- 風力発電設備の風車の回転支持部に用いられる転がり軸受であって、内輪、外輪および転動体の少なくとも何れかが、下記の構成(1)〜(4)および構成(7)を有し、さらに、下記の構成(5)〜(6)の少なくとも何れかを有することを特徴とする風力発電設備用転がり軸受。
構成(1) 炭素含有率〔C〕が0.10質量%以上0.30質量%以下、珪素含有率〔Si〕が0.20質量%以上0.50質量%以下、マンガン含有率〔Mn〕が0.20質量%以上1.20質量%以下、クロム含有率〔Cr〕が2.6質量%以上4.5質量%以下、モリブデン含有率〔Mo〕が0.10質量%以上0.40質量%以下、ニッケル含有率〔Ni〕が0.20質量%以下、銅含有率〔Cu〕が0.20質量%以下、硫黄含有率〔S〕が0.02質量%以下、リン含有率〔P〕が0.02質量%以下、酸素含有率〔O〕が12質量ppm以下、残部が鉄(Fe)および不可避不純物である合金鋼からなり、任意の切断面で面積320mm2当たりに存在する直径10μm以上の酸化物系介在物が10個以下、且つ、表面に浸炭焼入れ焼戻し処理層または浸炭窒化焼入れ焼戻し処理層を有する。
構成(2) 転がり面の表面(内外輪の軌道面、転動体の転動面)から転動体の直径の0.01倍に相当する深さの位置で、炭素と窒素の合計含有率〔C+N〕が0.8質量%以上1.2質量%以下、ビッカース硬さ(Hv)が720以上830以下であり、残留オーステナイト量が20体積%以上45体積%以下であり、圧縮残留応力が50MPa以上300MPa以下である。
構成(3) 芯部の硬さがビッカース硬さ(Hv)で400以上550以下である。
構成(4) 転がり面(内外輪の軌道面、転動体の転動面)の表面粗さが、粗さ曲線の最大山高さ(Rp)で1.0μm以下である。
構成(5) 内輪、外輪および転動体の少なくとも何れかの表面に黒染め処理面を有する。
構成(6) 隣接するころ同士の中心間距離ところ径の比が1.15以下となるように、ころのピッチ円径上にころが等配される保持器を有するものである。
構成(7) ころの転動面に2段クラウニングが施されており、該2段クラウニングは、ころの軸方向中央部に軸方向に沿って形成される平坦面と、該平坦面の軸方向外端部から軸方向外側に向かって形成される第1クラウニング面と、該第1クラウニング面の軸方向外端部から軸方向外側に向かって形成される第2クラウニング面とを有し、
前記第1クラウニング面と前記第2クラウニング面との境界での、軸方向に沿う接線それぞれが一致するように、前記第1クラウニング面の曲率半径の中心位置は、前記ころの軸方向中心を通る径方向中心線上に設けられ、前記第2クラウニング面の曲率半径の中心位置は、前記第1クラウニング面の曲率半径の中心位置と、前記第1クラウニング面と前記第2クラウニング面との境界となる交点とを結ぶ線上に設けられるもの。
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