JP2013249500A - 転がり軸受 - Google Patents

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英幸 宇山
yusuke Morifuji
祐介 森藤
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紘樹 山田
Masako Tsutsumi
雅子 堤
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Abstract

【課題】生産性を低下させる程に多量のCrを添加させなくても、白色組織剥離を抑えて耐久性を確保できる転がり軸受を実現する。
【解決手段】転がり軸受1の軌道輪3、5を、Cを0.85〜1.2質量%、Siを0.4〜0.9質量%、Mnを0.3〜1.2質量%、Crを1.7〜2.4質量%、Moを0.45質量%以下、Vを0.45質量%以下、Niを1.8質量%以下、Cuを0.30質量%以下、Sを0.020質量%以下、Pを0.020質量%以下、Oを15質量ppm以下含み、残部をFeと不可避的不純物とした鋼製とする。更に、この鋼中に存在する酸化物系非金属介在物の数、この鋼の硬さ、残留オーステナイト量、この鋼中に含まれるSi、Mn、Cr、Moの量の割合、球状炭化物中のCr量とマルテンサイト中Cr量との比を適切に規制する。
【選択図】図1

Description

この発明は、ラジアル軸受、スラスト軸受等の一般的な転がり軸受、直動軸受(リニアガイド)やボールねじ等の特殊な転がり軸受を含めた、各種転がり軸受の耐久性向上を図るものである。具体的には、転がり軸受を潤滑する為の潤滑油が分解する等により発生した水素による、転がり軸受を構成する1対の軌道輪と複数個の転動体とのうちの少なくとも1種類である軸受部品を構成する鉄系合金の組織変化を抑え、当該軸受部品を含む転がり軸受の耐久性向上を図るものである。
各種回転機械装置の回転支持部に、例えば図1に示す様なラジアル玉軸受1が組み込まれている。このラジアル玉軸受1は、内周面に外輪軌道2を有する外輪3と、外周面に内輪軌道4を有する内輪5と、これら外輪軌道2と内輪軌道4との間に設けた、それぞれが転動体である複数個の玉6、6とを備える。これら各玉6、6は、円周方向に等間隔に配置された状態で、保持器7により、転動自在に保持されている。又、大きなラジアル荷重が加わる回転支持部には、例えば図2に示す様な、転動体として円すいころを使用したラジアル円すいころ軸受8が組み込まれている。このラジアル円すいころ軸受8は、内周面に円すい凹面状の外輪軌道2aを有する外輪3aと、外周面に円すい凸面状の内輪軌道4aを有する内輪5aと、これら外輪軌道2aと内輪軌道4aとの間に、保持器7aに保持された状態で転動自在に設けられた、それぞれが転動体である複数の円すいころ9、9とを備える。又、前記内輪5aの外周面両端部のうち、大径側端部には大径側鍔部10を、小径側端部には小径側鍔部11を、それぞれ形成している。尚、この小径側鍔部11は省略する場合もある。この様なラジアル玉軸受1及びラジアル円すいころ軸受8は、例えば前記外輪3、3aをハウジングに内嵌固定すると共に、前記内輪5、5aを回転軸に外嵌固定する事により、この回転軸を前記ハウジングに対し、回転自在に支持する。
例えば上述の様なラジアル玉軸受1或いはラジアル円すいころ軸受8の如き転がり軸受は、大きな荷重が負荷された状態で長期間使用される場合が多い。この様な使用に伴って、前記外輪3、3a、前記内輪5、5a、転動体(玉6、6或いは円すいころ9、9)等の軸受部品を構成する鋼に金属疲労が生じ、当該軸受部品の表面が剥離する場合がある。この様な剥離は、転動体の転動面よりも、前記外輪3、3aや前記内輪5、5a等の軌道輪の軌道面に発生し易い。この様な、転がり軸受の構成部品の表面に発生する剥離の種類には、材料内部の介在物を起点として生じる「内部起点型剥離」や、塵等の異物を噛み込んだ圧痕を起点として生じる「表面起点型剥離」や、水素が鋼中に侵入して水素脆性を生じた、白色組織と呼ばれる組織変化を起点として生じる「白色組織剥離」等がある。これら各剥離は、それぞれ異なるメカニズムで生じる為、それぞれに就いて、互いに異なる対策が必要である。本発明は、このうちの白色組織剥離を抑える事を目的としている。
軸受部品での白色組織剥離は、転がり軸受を潤滑する潤滑油が分解する事によって発生した水素原子が、前記軸受部品を構成する鋼中に侵入し、金属組織の変化を引き起こす事により発生する。即ち、この様な金属組織の変化に伴い、組織変化部と正常部との界面から疲労亀裂が生じ、この亀裂に沿って軸受部品の表面に剥離が生じる為、転がり軸受の寿命が著しく低下する。この様な白色組織剥離の発生を抑える為の対策として、軸受部品を構成する鋼中に、2.5質量%以上の、比較的多量のCrを含有させる事が、特許文献1〜3に記載される等により、従来から知られている。Crは鋼中への水素の侵入を遅延させる効果があるので、白色組織剥離の発生を抑えて、転がり軸受の耐久性向上を図れる。
但し、鋼中に含まれるCrの量を多くすると、鋼材の製造工程で割れ等の損傷が発生し易くなり、歩留りが低下する等の問題が生じ、生産性が低下する。更に、Crを多く含む鋼は、所望の硬さを得る為に行う、焼き入れ処理の処理温度を高くする必要がある。この為、Crを多く含む鋼製の軸受部品の製造工程でも、消費エネルギが嵩む事に加えて、処理時間が長くなる等の問題があり、生産性確保の面からも不利である。これらの理由により、前記特許文献1〜3に記載された、Crを2.5質量%以上含む鋼材により軸受部品を造る事は、白色組織剥離を抑えて転がり軸受の耐久性を確保する面からは優れているが、低コスト化の面からは不利である。この為、低コスト化を求められる大量生産品に広く利用する事が難しかった。
特開2001−221238号公報 特開2005−147352号公報 特開2010−196107号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、生産性を低下させる程に多量のCrを添加しなくても、白色組織剥離を抑えて耐久性を確保できる転がり軸受を実現すべく発明したものである。
本発明の転がり軸受は、何れかの面に第一の軌道面を有する第一の軌道輪と、この第一の軌道面と対向する面に第二の軌道面を有する第二の軌道輪と、これら第一、第二の両軌道面同士の間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備える。
特に、本発明の転がり軸受に於いては、前記第一の軌道輪と前記第二の軌道輪とこれら各転動体とのうちの少なくとも1種の部材である軸受部品を、Cを0.85〜1.2質量%、Siを0.4〜0.9質量%、Mnを0.3〜1.2質量%、Crを1.7〜2.4質量%、Moを0.45質量%以下、Vを0.45質量%以下、Niを1.8質量%以下、Cuを0.30質量%以下、Sを0.020質量%以下、Pを0.020質量%以下、Oを15質量ppm以下含み、残部をFeと不可避的不純物とした鋼製とする。
又、この鋼中に存在する10μm以上の大きさの酸化物系非金属介在物を、320mm2当り10個以下とする。
又、前記鋼の、焼き入れ・焼き戻し後の硬さを、Hv700〜800とする。
又、この鋼中の、焼き入れ・焼き戻し後の残留オーステナイト量を、11〜20容量%とする。
更に、前記鋼中に含まれるSi、Mn、Cr、Moの量を質量%で表した数を、それぞれ[Si]、[Mn]、[Cr]、[Mo]とし、焼き入れ・焼き戻し後に残存する球状炭化物中のCrの量を質量%で表した数を[Cr]とし、焼き入れ・焼き戻し後の基地のマルテンサイト中のCrの量を質量%で表した数を[Cr]とした場合に、
0.5[Si]+0.2[Mn]+0.2[Cr]+0.7[Mo]≧0.95
及び
5.5≦[Cr]/[Cr]≦7.5
を満たす。
上述の様に構成する本発明によれば、水素が発生する様な条件下で使用される転がり軸受の耐久性を、コストを抑えつつ向上させる事ができる。
即ち、本発明の場合には、軸受部品を構成する鋼中に、Crに加えて、Si、Mn、Moを適量添加し、更に、硬さ及び残留オーステナイト量を適切に規制しているので、Crの量を2.4質量%以下に抑えても、水素侵入による組織変化を遅延させて、前記軸受部品の耐久性向上を図れる。特に、本発明の場合には、Cr、Si、Mn、Moに関し、組織変化を抑えて長寿命化に寄与する効果を、これらCr、Si、Mn、Moの含有量により表した関係式で定量化している。この為、転がり軸受を構成する軸受部品を造るのに一般的に使用されている高炭素クロム軸受鋼2種(JIS G 4805に規定するSUJ2)と同等の生産性を確保しつつ、水素が発生する様な条件下で使用される転がり軸受の耐久性向上を図れる。
又、本発明によれば、Crを、基地と炭化物とに適切に分配する事により、基地のマルテンサイトと球状炭化物との両方が強化され、白色組織の形成を遅らせる事ができる。即ち、本発明者等は、白色組織の形成過程は、基地中のマルテンサイトが超微細粒フェライトになる現象と、球状炭化物が溶解してこの超微細粒フェライト界面に溶け込む現象との、2種類の現象が重畳する事により進む事に着目した。この様にして進行する白色組織形成に対し、Crは、基地中のマルテンサイトを安定化させると共に、球状炭化物も安定化して強化する機能を有する。この為、上述の様に、Crを基地と炭化物とに適切に分配する事により、鋼中全体のCr量を比較的(前述の特許文献1〜3に記載された鋼材に比べて)少なく抑えても、白色組織の形成を遅らせて、合金鋼により造られた軸受部品を含む転がり軸受の耐久性向上を図れる。
次に、軸受部品を構成する鋼中に添加する元素及びその含有量、硬度、残留オーステナイト量を規制した理由に就いて、以下に説明する。
「C:0.85〜1.2質量%」
Cは焼き入れによって基地中に固溶し、硬さを向上させる元素である為、軸受部品に必要な硬さを確保する為に添加する。合金成分中のC量が0.85質量%未満であると、焼き入れ後の硬さが不足して、耐摩耗性や転がり疲れ寿命が低下する。これら耐摩耗性や転がり疲れ寿命をより安定的に得る為に、好ましくは、Cの含有量を0.95質量%以上とする。一方、Cの含有量が1.2質量%を超えると、得られた軸受部品が硬くなり過ぎて、研削性の低下や破壊靭性値の低下を生じる。そこで、Cの含有量を1.2質量%以下に抑える。前記研削性をより安定させる為に、好ましくは、Cの含有量を1.10質量%以下とする。
「Si:0.4〜0.9質量%」
Siは、基地中に固溶して焼き入れ性及び焼き戻し軟化抵抗性を向上させる効果がある為、軸受部品に必要な硬さを確保する為に添加する。又、Siは、基地組織中のマルテンサイトを安定化させる為、本発明の重要な目的である、水素による組織変化を遅延させて、寿命を延長する効果がある。合金成分中のSi量が0.4質量%未満であると、組織変化を遅延させる効果を十分に得られない。一方、Siの含有量が0.9質量%を超えると、球状化焼鈍後の硬さが上昇する為、旋削性及び冷間加工性が低下する。そこで、Siの含有量を0.4〜0.9質量%の範囲とするが、安定的により良好な旋削性及び冷間加工性を得る為には、Siの含有量を0.4〜0.7質量%とする。
「Mn:0.30〜1.2質量%」
Mnは、基地中に固溶して焼き入れ性及び焼き戻し軟化抵抗性を向上させる効果がある為、軸受部品に必要な硬さを確保する為に添加する。又、基地組織中のマルテンサイトを安定化させる為、本発明の重要な目的である、水素による組織変化を遅延させて、前記軸受部品を含む転がり軸受の寿命を延長する効果がある。更に、熱処理に伴って残留オーステナイトを生成し易くする効果がある。そして、生成された残留オーステナイトは、鋼中の水素の拡散・集積を遅延させるので、組織変化が局所的に生じるのを遅延させ、前記転がり軸受の寿命を延長する効果がある。合金成分中のMnの含有量が0.30質量%未満の場合には、上述の様な効果を、何れも十分には得られない。一方、Mnの含有量が1.2質量%を超えると、残留オーステナイトの量が過剰になる。残留オーステナイトは、分解してマルテンサイトに変化する際に、僅かとは言え体積が膨張するので、残留オーステナイトが過剰になると、前記軸受部品の寸法安定性や、真円度等の形状安定性が低下する。そこで、Mnの含有量を0.30〜1.2質量%とした。上述の様な効果をより安定して得る為に好ましくは、Mnの含有量を0.6〜1.2質量%とする。
「Cr:1.7〜2.4質量%」
Crは、基地のマルテンサイト中に固溶する分と、球状炭化物中に固溶する分とに分配される。基地のマルテンサイト中に固溶したCrは、焼き入れ性を向上させて、軸受部品表面の硬さを確保する効果がある。又、球状炭化物中に固溶した(Cと結合して炭化物を形成した)Crは、耐摩耗性を向上させる効果がある。更に、Crは、炭化物と基地組織中のマルテンサイトとの両方を安定化させる為、本発明の重要な目的である、水素による組織変化を遅延させる効果がある。これらの効果は、Crの含有量が1.7質量%未満の場合には、十分には得られない。一方、Crの含有量が2.4質量%を超えると、焼き入れ温度を高くしないと、軸受部品として硬さを得られない等の理由により、この軸受部品の生産性が低下する。そこで、Crの含有量を1.7〜2.4質量%とした。上述の様な効果をより安定して得る為に好ましくは、Crの含有量を1.8〜2.3質量%とする。
「Mo:0.45質量%以下」
Moは基地中に固溶して、焼き入れ性及び焼き戻し軟化抵抗性を向上させる効果と、鋼中に硬い炭化物を形成し、耐摩耗性及び転がり疲れ寿命を向上させる効果とがある。更に、炭化物と基地組織中のマルテンサイトとを安定化させる為、本発明の重要な目的である、水素による組織変化を遅延させる効果がある。但し、非常に高価な元素である為、選択的に添加する。好ましくは、組織変化を遅らせる効果を安定的に得る為に、Moの添加量を0.15〜0.45質量%とする。
「V:0.45質量%以下」
Vは、鋼中に、硬くて微細な炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる効果がある。更に、Vを含む炭化物は、鋼中の水素のトラップサイトとなる為、水素の拡散係数を低下させる効果がある。従って、Vを含む炭化物は、水素が局所的に集積するのを遅延させる効果がある為、組織変化の発生を遅延させて寿命を延長する効果がある。但し、非常に高価な元素である為、本発明では選択的に添加する。Vの含有量が0.45質量%を超えると前記の効果が飽和するので、Vの含有量の最大値は0.45質量%とする。好ましくは、上述した効果と経済性のバランスを考慮して、Vの添加量を0.10〜0.25質量%とする。
「Ni:1.8質量%以下」
Niは、焼き入れ性を向上させる効果とオーステナイトを安定化させる効果とを持つ元素であり、更に、多量に添加すると靱性が向上する。但し、非常に高価な元素である為、多量に添加すると、前記軸受部品を含む転がり軸受の製造コストを高くする原因となるだけでなく、残留オーステナイトが過剰になり、寸法安定性が低下したりする。そこで、本発明では選択的に添加する。Niの含有量が1.8質量%を超えると、上述した効果が飽和するので、Niの含有量の最大値は1.8質量%とする。好ましくは、上述した効果と、寸法安定性の確保と、コストとを考慮して、Niの添加量を0.50〜0.90質量%とする。
「Cu:0.30質量%以下」
Cuは焼き入れ性を向上させる効果と、粒界強度を向上させる効果とがある。但し、鋼中の含有量が多くなると、熱間鍛造性が低下する。そこで、本発明の場合には、Cuの添加量の最大値を0.30質量%とする。好ましくは、必要とする焼き入れ性を確保し、且つ、安定的した熱間鍛造性を得る為に、Cuの添加量を0.10〜0.20質量%とする。
「S:0.020質量%以下」
Sは、前述の様に軸受部品に必要な硬さを確保する為に添加するMnと結合して、MnSを形成する。そして、形成されたMnSは、剥離の起点となる亀裂等の損傷の原因となる非金属介在物として作用する。この為、鋼中に含まれるS量は少ない程好ましい(性能面からのみ見た場合には、含有量=0が最良である)。但し、Sは自然界に多く含まれる元素である為、S量を極端に少なくする事は、鋼材の調達コストが徒に嵩む原因となる。そこで本発明の場合には、Sの含有量を0.020質量%以下とする。好ましくは、非金属介在物の存在に基づく、耐久性低下等の不利益をより低く抑える為に、Sの含有量を0.010質量%以下とする。
「P:0.020質量%以下」
Pは結晶粒界に偏析して、粒界強度や破壊靭性値を低下させるので、少ない程好ましい(性能面からのみ見た場合には、含有量=0が最良である)。但し、Pに関しても、自然界に多く含まれる元素である為、P量を極端に少なくする事は、鋼材の調達コストが徒に嵩む原因となる。そこで本発明の場合には、Pの含有量を0.020質量%以下とする。好ましくは、軸受部品として必要な、粒界強度や破壊靭性をより安定して得る為に、Pの含有量を0.015質量%以下とする。
「O:15質量ppm以下」
Oは、鋼中でAl等の酸化物系の非金属介在物を形成する。この非金属介在物が、剥離の起点となる亀裂等の損傷の原因となる事は、前記MnSの場合と同様であり、転がり軸受の耐久性確保の面からは不利に働くので、Oの含有量は少ない程好ましい。但し、Oに関しても、O量を極端に少なくする事は、鋼材の調達コストが徒に嵩む原因となる。そこで本発明の場合には、Oの含有量を15質量ppm以下とする。好ましくは、非金属介在物の存在に基づく、耐久性低下等の不利益をより低く抑える為に、Oの含有量を10質量ppm以下とする。
「鋼中に存在する10μm以上の大きさの酸化物系非金属介在物の数が、320mm2当り10個以下」
前述した様に、潤滑油の分解等により転がり軸受の使用時に発生した水素が、この転がり軸受の構成部品の鋼中に侵入する様な条件下では、この鋼の基地中の金属組織が組織変化し、この組織変化部と正常部との界面から疲労亀裂が生じて剥離に至る。但し、大きな非金属介在物が存在する場合には、非金属介在物の周りに応力集中が生じ、そこから剥離に至る「内部起点型剥離」が生じる。この場合に、破壊起点になる可能性が高い非金属介在物の種類は、Al、MgO、CaO等の、硬い酸化物系介在物であり、有害な大きさは、直径10μm以上である。又、一定の容積中(実際の場合には観察の為の切断面の一定面積中)に含まれる非金属介在物の個数が多くなると、前記内部起点型剥離の発生により、軸受部品の寿命が低下する確率が高くなる。
一方、非金属介在物の種類が異なる(軟らかい)場合、或いは、非金属介在物の大きさが小さい場合には、当該非金属介在物を起点とする亀裂が発生するまでに要する時間が長くなる。この結果、前記内部起点型剥離が発生するよりも前に、鋼中に侵入した水素によって基地組織の組織変化が生じ、この組織変化部から亀裂が発生し、軸受部品を組み込んだ転がり軸受が寿命に達する。この場合には、前記非金属介在物は、実質的に有害にならない。そこで、本発明では、実質的に有害になる非金属介在物の種類、大きさ、存在確率を規定した。即ち、鋼中に含まれる直径10μm以上の酸化物系非金属介在物の個数を、所定面積である320mm2当り10個以下とした。この大きさの酸化物系非金属介在物の所定面積当りの個数が10個を超えると、介在物を起点として亀裂が発生する(内部起点型剥離が生じる)確率が高くなり、転がり疲れ寿命が低下する。
尚、酸化物系介在物の大きさ及び個数の測定は、軸受部品の一部を切断し、切断面を鏡面に研磨して、光学顕微鏡或いは走査型電子顕微鏡を用いて観察する。
「焼き入れ・焼き戻し後の硬さ:Hv700〜Hv800」
本発明者等は、鋼中に侵入した水素による組織変化は、局所的に塑性変形が生じる事によって引き起こされる事を見出した。従って、組織変化が生じるのを遅延させる為には、硬さを向上させ、塑性変形に対する抵抗値を向上させる事が効果がある。硬さがHv700未満の場合には、硬さが不足する事によって、水素侵入に伴う組織変化が生じ易くなり、転がり軸受の転がり疲れ寿命が低下する。前記水素による組織変化を抑える面からは、鋼の硬さが高い(硬い)程効果がある。但し、この硬さがHv800を超えると、破壊靭性値の低下が著しくなり、転がり軸受の信頼性、耐久性確保の面から不利になる。そこで、前記硬さをHv700〜Hv800の範囲に規制した。尚、本発明を適用する軸受部品が軌道輪、転動体の何れであっても、焼き入れ処理は所謂ズブ焼き入れにより行うので、当該軸受部品の硬さは表面から芯部までほぼ一定になる。従って、前記硬さは、当該軸受部品全体で満たす値である。
「焼き入れ・焼き戻し後の残留オーステナイト量:11〜20容量%」
水素は原子半径が小さい為、鋼中で拡散する一方、応力が高い位置に集積し易い事が知られている。又、転がり軸受を構成する軸受部品では、転がり接触面(軌道輪の軌道面、転動体の転動面)の直下部分に大きな剪断応力が作用する。この為、この直下部分に水素が局所的に集積し、組織変化を生じさせる。この様なメカニズムで進行する、水素侵入に伴う組織変化に対して、金属組織中の残留オーステナイトは、基地組織であるマルテンサイトと結晶構造が異なる為、水素の拡散係数を低下させる機能を有する。要するに、残留オーステナイトは、鋼中に侵入した水素が局所的に集積するのを遅延させ、組織変化の発生を遅延させる効果がある。残留オーステナイト量が11容量%未満の場合には、組織変化を遅延させる効果を十分には得られない。前記水素による組織変化を抑える面からは、残留オーステナイト量が多い程効果がある。但し、前述した様に、残留オーステナイトが過剰になると、前記軸受部品の寸法安定性や、真円度等の形状安定性が低下する。そこで、残留オーステナイト量の上限を20容量%とした。尚、残留オーステナイト量の測定は、軸受部品の一部(例えば軌道輪の軌道面の一部)を切り出した後、切断面を電解研磨してから、X線回折装置を用いて行う。
「0.5[Si]+0.2[Mn]+0.2[Cr]+0.7[Mo]≧0.95」
前述した様に、Si、Mn、Cr、Moには、それぞれ組織変化を遅延させ、白色組織剥離に対する寿命を向上させる効果がある。このうちのSi、Mnは、置換型元素としてマルテンサイト組織の基地中に固溶する。又、Cr、Moは、それぞれの一部が置換型元素として基地中に固溶し、残りはCと結合して炭化物となる。一方、水素による組織変化が生じる際には、マルテンサイト組織の基地中に固溶したCが拡散して、微細なフェライト粒になると同時に、炭化物も溶解して微細なフェライト粒の粒界に析出する。前記の置換型元素である、Si、Mnと、Cr、Moの一部とは、基地組織中のマルテンサイト組織を安定させ、固溶したCの拡散を遅らせる為、組織変化の進行を遅らせる効果がある。又、CrとMoを含む炭化物は化学的に安定である為、溶解が生じにくくなり、組織変化の進行を遅らせる効果がある。
本発明者等は、種々の合金成分の鋼材を用いて寿命試験を行い、各合金元素(組成)と白色組織剥離寿命との関係を回帰分析する事により、白色組織剥離寿命に及ぼす各合金元素の効果を定量化した。即ち、この回帰分析により、Si、Mn、Cr、Moの各合金元素の添加量の効果は、Si:Mn:Cr:Mo=5:2:2:7となる事を突き止めた。この事から、Si、Mn、Cr、Moの各合金元素量(質量%)をそれぞれ[Si]、[Mn]、[Cr]、[Mo]とした場合に、「0.5[Si]+0.2[Mn]+0.2[Cr]+0.7[Mo]」で規定される値(算出値)を適切に規制する事により、Si、Mn、Cr、Moの各合金元素による、白色組織剥離寿命延長を有効に図れる事が分かる。更に本発明者等は、前記算出値を0.95以上にする{0.5[Si]+0.2[Mn]+0.2[Cr]+0.7[Mo]≧0.95を満たす}事により、転がり軸受を構成する軸受部品用の鋼材として標準的に用いられる、高炭素クロム軸受鋼2種(SUJ2、JIS G 4805)と比較して、白色組織剥離寿命を3倍以上確保できる事を見出した。
尚、上述した合金元素(Si、Mn、Cr、Mo)添加による効果は、物理的には複雑であり、本来は上式の様な一次式で表せるものではない。但し、本発明者等は、白色組織剥離寿命と各合金元素の添加量の関係が、近似的に前記算出値を求める一次式で表す事が可能である事を見出した。
前記算出値が0.95未満の場合には、前記合金元素(Si、Mn、Cr、Mo)添加による組織変化遅延効果が必ずしも十分とは言えず、得られる軸受部品の白色組織剥離寿命が、SUJ2により造られた軸受部品の3倍以上にはならず、明確な耐久性向上効果を得られない。好ましくは、得られる軸受部品の寿命を安定的に向上させる為に、前記算出値を1.00以上とする。尚、この算出値自体には上限はなく、この算出値が大きい程、白色組織剥離寿命は向上する。但し、前述した様に、生産性や寸法安定性等の面から、Si、Mn、Cr、Moの各元素の上限の添加量が制限される為、前記算出値の上限に関しても、1.485に制限される。
「5.5≦[Cr]/「Cr]M≦7.5」
前述した様に、白色組織の形成は、水素によって、基地のマルテンサイトが超微細粒フェライトになる現象と、球状炭化物が溶解して、この超微細粒フェライト界面に溶け込む現象との2種類の現象が重畳する事により進む。Crは、基地中のマルテンサイトと球状炭化物との両方を安定化して、白色組織が形成されるのを遅延させる効果がある。従って、鋼中のCrを基地中のマルテンサイト組織と球状炭化物との両方にバランス良く分配する事が重要である。焼き入れ・焼き戻し後に残存する球状炭化物中のCrの量を質量%で表した数[Cr]と、焼き入れ・焼き戻し後の基地のマルテンサイト中のCrの量を質量%で表した数[Cr]との比、[Cr]/[Cr]Mの値が5.5未満の場合、即ち、球状炭化物中のCr量が少なく、基地中のマルテンサイト中のCr量が多いと、水素によって球状炭化物の溶解が生じ易くなり、白色組織が形成され易くなる。これに対して、[Cr]/「Cr]Mの値が7.5を超えた場合、即ち、球状炭化物中のCr量が多く、基地中のマルテンサイト中のCr量が少ないと、水素によって基地中のマルテンサイトが超微細粒フェライトに変化し易くなる為、白色組織が形成され易くなる。
この様な点を考慮して、本発明の場合には、基地中のマルテンサイト組織と球状炭化物との両方を、バランス良く安定化させて、白色組織の形成を遅延させる為に、前記[Cr]/「Cr]Mの値を、5.5以上、7.5以下に規制している。好ましくは、上述した、マルテンサイトと球状炭化物とを安定化させて白色組織の形成を遅延させる効果をより安定的に得られる様に、前記[Cr]/「Cr]Mの値を、6.0以上、7.0以下に規制(6.0≦[Cr]/[Cr]M≦7.0)する。
尚、炭化物中のCr量[Cr]が高いと、球状炭化物が化学的に安定化する為、この球状炭化物が溶解しにくくなり、白色組織の形成過程を遅延させる効果がある。好ましくは、球状炭化物中のCr量[Cr]が9質量%以上であると、この球状炭化物がより溶解しにくくなる為、白色組織の形成がより遅延する。但し、球状炭化物中のCr量[Cr]が15質量%を超えた場合には、炭化物は安定化して溶解し難くなるが、球状炭化物中のCrが過剰になり、その分、基地中のCr量が少なくなる為、基地中のマルテンサイトが超微細粒フェライトに変化し易くなる。即ち、白色組織が形成され易くなる。従って、本発明では、炭化物の安定化と基地の安定化とを両立させる為に、好ましくは球状炭化物中のCr量[Cr]を、9〜15質量%とする。
尚、球状炭化物中のCr量[Cr]と、基地のマルテンサイト中のCr量[Cr]Mとは、電子線マイクロ分析法(EPMA)を用いて測定する。又、球状炭化物中のCr量[Cr]を測定する際には、直径1μm以上の球状炭化物を選び、10個以上の値を測定して平均値を求める。更に、基地のマルテンサイト中のCr量[Cr]Mを測定する際には、球状炭化物が存在しない場所を選び、10箇所以上を測定して平均値を求める。
本発明の対象となる転がり軸受の一種であるラジアル玉軸受の部分切断斜視図。 同じくラジアル円すいころ軸受の部分切断斜視図。 鋼材中のSi量と切削バイトの逃げ面摩耗量との関係を示す線図。 鋼材中のCr量と焼き入れ・焼き戻し後の硬さとの関係を示す線図。 鋼材のMn量と焼き入れ・焼き戻し後の残留オーステナイト量との関係を示す線図。 Si、Mn、Cr、Moの各合金元素量に関する算出値と白色組織剥離寿命との関係を示す、縦軸を対数軸として表した線図。 同じく縦軸を標準軸として表した線図。 本発明の効果を確認する為に行った実験の結果を説明する為に使用する、(A)は実施例1の、(B)は比較例19の、それぞれ試験終了後の表面層部分を示す顕微鏡写真。
本発明の特徴は、転がり軸受を構成する軸受部品の一部又は全部に就いて、鋼材の成分、鋼中に存在する酸化物系非金属介在物の数、この鋼材の焼き入れ・焼き戻し後の硬さ、同じく残留オーステナイト量等を適切に規制する事により、鋼中への水素の侵入に基づく白色組織剥離を抑える点にある。図面に現れる構造に関しては、前述の図1に記載したラジアル玉軸受1や図2に記載したラジアル円すいころ軸受8を含み、従来から知られている各種構造の転がり軸受と同様であるから、重複する説明を省略し、以下、本発明と合わせて実施する事により、転がり軸受の寿命をより向上させられる技術に就いて説明する。
「好適な熱処理条件」
本発明の転がり軸受を実施する場合には、上述した各要件を満たす軸受部品を、軌道輪部材とする場合が多い。この理由は、転動体(特に玉)はランダムに回転(自転しつつ公転)する為、応力を受ける箇所は一定ではないが、内輪、外輪等の軌道輪部材(特に内輪)は、軌道面の同一の箇所に繰返し応力を受ける為、転がり疲れ寿命確保の面から厳しくなる為である。鋼製の素材から軌道輪部材を造る場合には、この素材に熱間加工及び旋削加工を施す事により、完成後の軌道輪部材の形状に近い中間素材とした後、この中間素材に焼き入れ・焼き戻し処理を施して第二中間素材とする。更に、その後、この第二中間素材に研削加工を施して、完成形状に仕上げる。前述した硬さと残留オーステナイト量とは、上記素材として、本発明で規定する合金成分から成る鋼材を使用し、更に、焼き入れ・焼き戻し条件を好適にする事によって得られる。
生産性を、軸受部品として一般的に使用されている、高炭素クロム軸受鋼2種(SUJ2、JIS G 4805)と同等にする為、前記鋼材を、SUJ2と同条件で焼き入れをする事が好ましい。即ち、好ましくは、焼き入れは、820〜860℃で所定の時間保持した後、油冷する。より好ましくは、安定的に、硬さ、残留オーステナイト量等を好適な範囲にする為に、保持温度を830〜850℃とする。
焼き戻しも、SUJ2と同条件で行う事が好ましい。即ち、160〜200℃で所定の時間保持した後、空冷或いは炉冷する事が好ましい。この焼き戻し温度が160℃未満であると、残留オーステナイト量が過剰になり、形状安定性及び寸法安定性が低下する。これに対して、焼き戻し温度が200℃を超えると、残留オーステナイト量が低下し、前述した、水素が局所的に集積するのを遅延させ、組織変化を遅延させる効果を十分に得られなくなる。
「好適な用途」
本発明の転がり軸受は、潤滑剤の分解によって、水素が発生し易い環境であっても、白色組織の発生が遅延されて、水素による寿命低下が抑制されるので、好適に使用できる。転がり軸受運転時に於ける水素の発生し易さは、潤滑剤の種類により異なる。トラクション係数を高くしたり、摩耗を防止したりする為、添加剤を多く含む潤滑剤には、水素を発生し易いものがある。例えば自動車や産業機械の変速機に使用される潤滑油中には、添加剤を多く含み、水素が発生し易いものがあるので、本発明の転がり軸受を使用する事により得られる効果が大きい。
又、転がり軸受の内部に微量の電流が流れると、潤滑油の分解が促進され、水素が発生し易くなる。例えば、自動車エンジン用補機の様に、ゴムベルトとプーリとを用いて回転を伝達する構造の場合、ゴムベルトとプーリとの擦れ合い部の摩擦により、静電気が発生する。この様にして発生した静電気に基づく電位差は、前記プーリを嵌合させたシャフトを伝わり、このシャフトを支持した転がり軸受を構成する軌道輪と転動体との間の電位差となる。この転がり軸受の軌道輪と転動体との間には、油膜が存在して絶縁されてはいるが、回転速度の変動や振動によって、軌道輪と転動体との間で金属接触が生じると、電流が流れる。電流が流れると金属表面が局所的に溶解し、化学的に活性な新生面が露出して潤滑油の分解が促進され、水素が発生し易くなる。従って、ゴムベルトとプーリとで回転を伝達する構造部分に組み込まれる転がり軸受は、内部で水素が発生し易く、本発明の転がり軸受を使用する事により得られる効果が大きい。
特に、自動車のオルタネータやコンプレッサ等の補機用の転がり軸受は、エンジンのクランクシャフトの回転を、ゴムベルトとプーリとで伝達するので、静電気が発生して、水素が発生し易い。又、電動モータや発電機の回転支持部に組み込む転がり軸受では、これら電動モータや発電機から漏出した微量の電流が、シャフトを通って、このシャフトを支持している転がり軸受の内部を流れ、上述した静電気の場合と同様に、潤滑油の分解が促進され、水素が発生し易くなる。従って、これらの用途では、本発明の転がり軸受を使用する事による効果が大きい。
本発明を成す過程で行った実験(試験)に就いて説明する。実験は、下記の表1に示したA〜Tの20種類の鋼材に就いて、大きく分けて、加工のし易さを知る為の生産性評価試験と、白色組織剥離を抑える程度を知る為の白色組織剥離寿命試験とを行った。又、このうちの生産性評価試験に関しては、鋼材の削り加工のし易さを知る為の旋削試験と、熱処理後に所望の性状を得られるか否かを知る為の熱処理試験と、表面仕上げのし易さを知る為の研削試験との3種類の試験を行った。更に、前記白色組織剥離寿命試験に関しては、各鋼材に所定の処理を施した試験片を水素に曝らした後、これら各試験片の転がり疲れ寿命を知る為に行った転がり疲れ基礎試験と、実際に転がり軸受を構成して、各転がり軸受の耐久性を知る為に行った転がり軸受試験との2種類の試験を行った。
この表1に示す合金成分を有する鋼材により、本発明の技術的範囲に属する実施例1〜10と、本発明の技術的範囲から外れる比較例11〜20(実施例と比較例との混同を防止する為、比較例1〜10に関しては欠番とする)との、合計20種類の試験片を製作した。そして、これら各試験片に就いて生産性評価試験を行った後、その一部に白色組織剥離寿命試験を施した。前記表1には、前記各鋼材の合金製分と、前記算出値(「0.5[Si]+0.2[Mn]+0.2[Cr]+0.7[Mo])と、320mm2当りの10μm以上の大きさの酸化物系非金属介在物の個数とを記載している。表1中の鋼種SはSUJ2に、鋼種Tは高炭素クロム軸受鋼5種(JIS G 4805に規定するSUJ5)に、それぞれ対応する。実験では、前記表1に示した20種類の鋼材から作製した試験片或いは転がり軸受に就いて、次の表2に記載した条件で熱処理(焼き入れ及び焼き戻し)を施した。熱処理後に於ける残留オーステナイト量と、同じく炭化物中のCrの量[Cr]の値と、この値[Cr]とマルテンサイト中のCrの量[Cr]の値との比[Cr]/[Cr]とに就いても、次の表2に記載した。
次に、この表2及び前記表1を参照しつつ、生産性評価試験と白色組織剥離寿命試験とに就いて、それぞれ説明する。
「生産性評価試験」
転がり軸受を構成する軸受部材のうちの軌道輪は、下記の工程で造られる。
鋼材切断 → 熱間鍛造 → 球状化焼鈍 → 旋削 → 熱処理(焼き入れ及び焼き戻し) → 研削
この様にして造られた軌道輪は、他の軌道輪及び複数個の転動体と組み合わせて転がり軸受とする。この組み合わせ工程に関しては、特に本発明を実施する事により難易性に影響を受ける事はない。
これに対して、前記工程中の旋削、熱処理、研削の各工程に就いては、前記鋼材を構成する合金成分の影響を受け易く、転がり軸受の生産性に影響を及ぼす。本発明は、白色組織の形成を抑える事による、転がり軸受の耐久性向上を目的としてはいるが、この目的達成の為、転がり軸受として従来から一般的に使用されているSUJ2に比べ、生産性が大きく劣る事は好ましくない。
そこで、先ず、前記表1に記載した各種鋼材に就いて、生産性評価試験として、旋削試験と、熱処理試験と、研削試験とを施した。
「旋削試験」
球状化焼鈍後の硬さは、Siの添加によって上昇するので、旋削性には、鋼材のSi量が大きく影響する。従って、旋削性に及ぼすSi量の影響を調べる為、表1に示す鋼材の中からA〜J、M、S、Tを用いて旋削試験を行った。旋削試験は、転がり軸受を構成する軌道輪部材の外径面を旋削加工する事を想定し、球状化焼鈍を施した、外径が65mmの棒材の外周面を旋削し、その際に切削バイトに生じる逃げ面摩耗量を測定した。切削バイトには超硬バイトを用いた。切削速度は150m/minで行った。
図3に、鋼材中のSi量と、10分間旋削を行った後の切削バイトの逃げ面摩耗量との関係を示した。比較例13の様に、鋼材のSi量が0.9質量%を超えると、摩耗量が急激に増加し、旋削性が低下する事が分かる。この様な図3にその結果を示した旋削試験に基づいて、生産性確保の観点から、本発明で規定する鋼材のSi量を0.9質量%以下に規定した。
「熱処理試験」
焼き入れ・焼き戻し後の硬さは、金属組織の基地中に固溶するC量の影響が大きい。但し、鋼材中に含まれるC量が十分で、焼き入れ温度が一定である場合には、基地中に固溶するC量は、Cr量の影響が大きい。この理由は、Cr量が多い程、炭化物が化学的に安定になり、焼き入れ時に炭化物中のCが、基地中に溶け込み難くなる為である。
又、焼き入れ・焼き戻し後の残留オーステナイト量は、鋼中に含まれるC量が十分で、焼き入れ温度が一定である場合、オーステナイト安定化元素である、Mn及びNiの影響が大きい。
従って、焼き入れ・焼き戻し後の熱処理品質に及ぼすCr量と、Mn量と、Ni量との影響を調べる為、表1に示す鋼材を用いて、熱処理試験を行った。試験は、外径が60mm、厚さが6mmの円板試験片を用いて、SUJ2と同様の熱処理条件、即ち、焼き入れ温度が830〜850℃、焼き戻し温度が160〜200℃の条件で熱処理を行った。そして、焼き入れ・焼き戻し後に、円板試験片の断面の硬さと、表面直下の残留オーステナイト量とを測定した。残留オーステナイト量の測定は、円板試験片の表面を厚さ200μm分電解研磨して現れた面に関して、X線回折装置を用いて行った。
図4に、鋼材中のCr量と、焼き入れ・焼き戻し後の硬さとの関係を示す。この図4から分かる様に、比較例15の様に、鋼中のCr量が2.4質量%を超えると、焼き入れ・焼き戻し後の硬さが急激に低下する。硬さが低下すると、疲労強度が低下するので、転がり軸受の寿命が低下する。鋼中のCr量が高い場合には、焼き入れ温度を高くする事によって、基地中の固溶C量を増加させ、硬さを向上させる事が可能ではあるが、焼き入れ温度を変更すると、SUJ2製の軸受部品と同時に熱処理ができなくなる。本発明を実施する場合には、軌道輪に関して本発明の技術的範囲に属する鋼材を使用し、転動体に関してはSUJ2製のものを使用する事が考えられる。又、本発明品と、本発明とは関係のない転がり軸受用の軸受部品とを同時に熱処理する事も考えられる。従って、SUJ2製の軸受部品と同時に熱処理を行えない事は、生産性を著しく低下させる事に繋がる。以上の事から、生産性確保の観点から、本発明で規定する鋼中のCr量を、2.4質量%以下に規定した。
図5に、鋼中のMn量と、焼き入れ・焼き戻し後の残留オーステナイト量との関係を示す。実施例8、9、及び比較例11は、Ni量が多い為、残留オーステナイトが多い。特に比較例11は、Ni量が本発明で規定する範囲より多い為、残留オーステナイト量が20容量%を超えている。それら(実施例8、9、及び比較例11)を除くと、Mn量が多い鋼材程、残留オーステナイト量が多くなっている。そして、比較例14の様に鋼中のMn量が1.2質量%を超えると、焼き入れ・焼き戻し後の残留オーステナイト量が20容量%を超える。
金属組織中の残留オーステナイトは、転がり軸受の使用温度が高くなると、時間の経過と共に徐々に分解してマルテンサイトに変化し、その際、僅かとは言え体積が膨張する。従って、残留オーステナイト量が過剰であると、軸受部品の寸法安定性や真円度等の形状安定性が低下する。焼き戻し温度を高くする事によって、残留オーステナイト量を減らす事は可能であるが、焼き戻し温度を変更すると、やはり、SUJ2製の軸受部品と同時に熱処理ができなくなるので、生産性が著しく低下する。更に、焼き戻し温度を高くすると軸受部品の硬さが低下するので、疲労強度が低下して、転がり軸受の疲労寿命が低下する。従って、生産性確保と疲労寿命確保との観点から、本発明で規定する鋼材のMn量を1.2質量%以下に規定した。又、Ni量を1.8質量%以下に規定した。
「研削試験」
研削性は、金属組織中の炭化物の影響を大きく受ける。具体的には、鋼中のC量が多いと、炭化物の量が過剰になり研削性が低下する。又、MoとVとは、焼き入れ・焼き戻し後に硬い炭化物を形成するので、研削性には鋼中のMo量とV量との影響も大きい。そこで、研削性に及ぼす、C量、Mo量、V量の影響を調べる為、前記表1に示す鋼材を用いて研削試験を行った。この研削試験は、転がり軸受を構成する軌道輪の外径面を研削する事を想定して、直径が62.4mm、厚さが4mmであり、それぞれが焼き入れ・焼き戻し処理を施した後の、10個の円筒リングの外径を、直径が62.0mmになるまで研削した。研削はアルミナ砥石を用いて行い、研削後の軸方向の算術平均粗さRaを測定した。
この様な研削試験の結果、比較例12、16、17に関しては、粗さが悪い(0.20μmを超える)結果となった。このうちの比較例12は、C量が本発明で規定する範囲よりも多い為である。又、比較例16は、Mo量が本発明で規定する範囲よりも多い為である。更に、比較例17は、V量が本発明で規定する範囲よりも多い為である。
研削後の表面粗さは、砥石の送り速度を小さくする等の研削条件を変えて向上させる事は可能であるが、その分、生産性が低下する。従って、生産性確保の観点から、本発明で規定する鋼中のC量は1.2質量%以下、Mo量は0.45質量%以下、V量は0.45質量%以下とした。
「白色組織剥離寿命試験」
この白色組織剥離寿命試験に関しては、前述した様に、転がり疲れ基礎試験と転がり軸受試験との2種類の試験を行った。以下、それぞれに就いて説明する。
「転がり疲れ基礎試験」
この試験では、前記表1に示した鋼材を用いて、直径が65mm、厚さが6mmの円板を旋削加工で造り、この円板に、前記表2に示した条件で熱処理(焼き入れ及び焼き戻し)、平面の研削加工及びラップ加工を施して、転がり疲れ基礎試験の試験片とした。又、この転がり疲れ基礎試験を開始する前に、各試験片を50℃の20質量%チオシアン酸アンモニウム水溶液に24時間浸漬する事によって、前記各試験片を構成する鋼中に水素を侵入(水素チャージ)させた。そして、水素チャージ後の試験片をスラスト型転がり疲れ試験機にセットし、転がり疲れ基礎試験を行った。試験条件としては、潤滑油として一般鉱油(ISO−VG68)を使用し、最大面圧を3.8GPa、回転速度を1000min−1とした。1鋼種に付き(各実施例及び各比較例毎に)、それぞれ4〜7回ずつの試験を行い、累積破損確率が50%となる寿命を求めた。結果を前記表2中の転がり疲れ基礎試験寿命比の欄に記載した。この寿命比は、比較例19(SUJ2)の寿命を1.0とし、それとの比率で表している。
上述の様な転がり疲れ基礎試験の結果として、比較例11は、前記算出値が低く、更にC量が本発明で規定する範囲より低いので、白色組織の形成を遅延させる効果が小さく、寿命が短い。又、Ni量が本発明で規定する範囲よりも高い為、残留オーステナイト量が高くなっており、長期間の使用の際には寸法安定性が劣るので、転がり軸受を構成する軸受部品としては好適ではない。
又、比較例12は、Cr量が本発明で規定する範囲よりも低く、更に、前記Crに関する比[Cr]/[Cr]の値が低いので、白色組織の形成を遅延させる効果が小さく、寿命が短い。
又、比較例13は、Mn量が本発明で規定する範囲よりも低く、しかも、前記Crに関する比[Cr]/[Cr]の値が低いので、白色組織の形成を遅延させる効果が小さく、寿命が短い。
又、比較例14は、前記算出値が低いので、白色組織の形成を遅延させる効果が小さく、寿命が短い。しかも、Mn量が本発明で規定する範囲より高い為、残留オーステナイト量が高くなっており、長期間の使用の際には寸法安定性が劣るので、軸受部品としては好適ではない。
又、比較例15は、Cr量が本発明で規定する範囲よりも高い為、熱処理後の硬さが低い。しかも、前記Crに関する比[Cr]/[Cr]の値が本発明で規定する範囲よりも高い為、白色組織の形成を遅延させる効果が小さく、寿命が短い。
又、比較例16は、Si量が本発明で規定する範囲よりも低く、しかも、前記Crに関する比の値が高いので、白色組織の形成を遅延させる効果が小さく、寿命が短い。
又、比較例17は、C、Si、Mn、Cr、Moの量は、それぞれ好適な範囲にあるが、前記算出値が低い(これら各C、Si、Mn、Cr、Moの配合が適切ではない)ので、白色組織の形成を遅延させる効果が小さく、寿命が短い。
又、比較例18は、O量が本発明で規定する範囲よりも多い為、鋼中の酸化物系介在物の量が多くなっており、白色組織による剥離よりも先に、酸化物系介在物を起点とする剥離が発生してしまう為、寿命が短い。
更に、比較例19はSUJ2であり、比較例20はSUJ5であるが、何れも、合金成分が本発明とは異なり、前記算出値が本発明で規定する範囲より低い為、白色組織の形成を遅延させる効果が小さく、寿命が短い。
図6に、前記算出値と白色組織剥離寿命の関係を示す。縦紬は、比較例19(SUJ2)の寿命を1.0として寿命比を求め、対数軸で表している。白色組織剥離寿命は、凡そ、算出値と良い相関性を持っている。但し、比較例12、13、15、16は、前記Crに関する比の値が本発明で規定する範囲外であるので、前記算出値との相関が悪い。又、比較例18は、酸化物系介在物が多く、白色組織剥離ではなく、介在物起点の剥離が生じるので、前記算出値との相関が悪い。
又、図7は、縦軸を対数ではなく、通常の軸に変えて表したものである。この様な図7から分かる様に、算出値が0.95以上であると、比較例19のSUJ2と比較して、3倍以上の寿命を得られる。又、前記の値が1.0以上であると、安定的に長寿命を得られる。従って、本発明の鋼材に含まれる合金元素の算出値を、0.95以上に規定した。好ましくは、この算出値を1.0以上とする。
「軸受試験」
前述の転がり疲れ基礎試験で、特に寿命が長かった実施例1〜5と、SUJ2に相当する比較例19とに就いて、呼び番号が6303である単列深溝型の玉軸受(外径:47mm、内径:17mm、幅:14mm)用の内輪及び外輪を造った。この為に、先ず、球状化焼鈍された鋼材を旋削して内輪及び外輪の形状を造り、その後、前記表2に示した条件で熱処理(焼き入れ及び焼き戻し)を施した後、軌道面(外輪軌道及び内輪軌道)に研削を施した。転動体である玉には、SUJ2に浸炭窒化処理をしたものを使用した。前記の内輪と、外輪と、各玉と、ポリアミド製の保持器とを組み合わせ、グリースを充填して試験軸受とした。
試験機は、出願人会社製のオルタネータシミュレート試験機を用いた。この試験機は、プーリとゴムベルトとにより、試験軸受により回転自在に支持されたシャフトに回転を伝達する構造である為、この試験軸受の寿命試験中は、プーリとゴムベルトとの間で発生した静電気に基づく電位差によりこの試験軸受に微弱電流が流れ、グリースの分解による水素の発生が生じ易い条件になる。実施例1〜5(鋼材A〜E)は各3個、比較例19は7個の試験軸受を用いて寿命試験を行い、累積破損確率が50%となる寿命を求めた。結果を前記表2に示す。
実施例1〜5の試験軸受は、それぞれ3個ずつ寿命試験を施したが、1000時間経過しても剥離が生じなかった為、試験を打ち切った。試験後に、試験軸受を分解してから外輪及び内輪を切断して断面を観察したところ、少量の白色組織が発生していたが、剥離には至らなかったものと考えられる。1例として、図8の(A)に、実施例1の試験後の軸受の断面の金属組織写真を示す。
一方、比較例19は、7個に寿命試験を施したが、7個総てに白色組織が発生して、剥離が生じた。図8の(B)に、比較例19の試験後の軸受の断面の金属組織写真を示す。
以上に述べた実験結果から、実施例1〜5と比較例19との寿命差は、4倍以上と見做せる。又、本発明の転がり軸受は、水素が発生し易い用途に於いても、白色組織の発生が遅延され、優れた耐久性を確保できる事が確認できた。
上述した実施例では、スラスト型転がり疲れ基礎試験及び単列深溝型の玉軸受の寿命試験の結果を示したが、アンギュラ玉軸受等のその他の玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、自動調心ころ軸受等のころ軸受、ボールねじ、リニアガイド等の特殊な転がり軸受に就いても、本発明を適用できる。
1 ラジアル玉軸受
2、2a 外輪軌道
3、3a 外輪
4、4a 内輪軌道
5、5a 内輪
6 玉
7、7a 保持器
8 ラジアル円すいころ軸受
9 円すいころ
10 大径側鍔部
11 小径側鍔部

Claims (1)

  1. 何れかの面に第一の軌道面を有する第一の軌道輪と、この第一の軌道面と対向する面に第二の軌道面を有する第二の軌道輪と、これら第一、第二の両軌道面同士の間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備えた転がり軸受に於いて、
    前記第一の軌道輪と前記第二の軌道輪とこれら各転動体とのうちの少なくとも1種の部材である軸受部品が、Cを0.85〜1.2質量%、Siを0.4〜0.9質量%、Mnを0.3〜1.2質量%、Crを1.7〜2.4質量%、Moを0.45質量%以下、Vを0.45質量%以下、Niを1.8質量%以下、Cuを0.30質量%以下、Sを0.020質量%以下、Pを0.020質量%以下、Oを15質量ppm以下含み、残部をFeと不可避的不純物とした鋼製であり、
    この鋼中に存在する10μm以上の大きさの酸化物系非金属介在物の数が、320mm2当り10個以下であり、
    前記鋼の焼き入れ・焼き戻し後の硬さが、Hv700〜800であり、
    この鋼中の、焼き入れ・焼き戻し後の残留オーステナイト量が、11〜20容量%であり、
    この鋼中に含まれるSi、Mn、Cr、Moの量を質量%で表した数を、それぞれ[Si]、[Mn]、[Cr]、[Mo]とし、焼き入れ・焼き戻し後に残存する球状炭化物中のCrの量を質量%で表した数を[Cr]とし、焼き入れ・焼き戻し後の基地のマルテンサイト中のCrの量を質量%で表した数を[Cr]とした場合に、
    0.5[Si]+0.2[Mn]+0.2[Cr]+0.7[Mo]≧0.95
    及び
    5.5≦[Cr]/[Cr]≦7.5
    を満たす事を特徴とする転がり軸受。
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