JP2013094734A - 印刷物、および印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紫外線硬化性の液状インクを用いたインクジェット記録方式により液状インクに対して非吸収性の記録媒体上に画像を形成する印刷方法であって、印刷物として車両用表示パネル200を製造する場合、インクジェットヘッドに第1の走査をさせながら第1の階調を含む第1のマスクによって前記記録媒体上へ車両用表示パネル200の光学特性に応じた第1印刷層230を形成する第1印刷ステップと、前記インクジェットヘッドに第2の走査をさせながら前記第1の階調とは異なる第2の階調を含む第2のマスクによって前記記録媒体上に第1印刷ステップで形成した層よりも薄い第2印刷層240を形成する第2印刷ステップと、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
このスクリーン印刷とは、印刷データから印刷画像が描かれたスクリーンマスク(版)を製作し、このスクリーンマスクを通して例えば溶剤乾燥型又は加熱硬化型インク等を基板に印刷する方法であり、不透過部の印刷濃度が濃くなるように、一度に印刷することができるという利点がある。しかし、スクリーン印刷は、単色印刷で行われるため、文字等の意匠を形成するためには、色の異なるインクを用いて多層印刷しなければならない。そのため加工工数や加工時間が増大するという問題がある。また、スクリーン印刷においては、一般に印刷位置や精度や解像度が低いため、形成可能なデザインが制限されてしまうという問題があった。
また、自動車メーターパネル等の用途としては、スクリーン印刷をおこなうことによって作製された表示板を圧空成形等の熱絞りを加工して、ダイヤル表示部分の所望の部分を他よりも盛り上げるようにして立体感を高めた成形表示板が用いられている(例えば特許文献1及び2を参照)。しかし、このような成形表示板においては、インジケーターの配置が狂うと精度不良、輝度ムラ等が発生するため、シビアな変形制御が必要であった。そのため、配置調整のたびにスクリーン板を作り直して何度も評価を繰り返す必要があり、製造時間とコストが増大する原因となっていた。
このようなデジタル印刷技術の中でも、インクジェット法は、電子制御されたインクジェットヘッドのノズルからインクの液滴を吐出することで印刷をおこなう方法である。この方法においては、装置機構が簡素な構成でイニシャルコストが低いことや、画像解像度を高くできるなどの利点により、OAプリンターなどの分野で急速に普及している。
このインクジェット法による印刷技術を用いて、種々の光学特性を有する液状体としてのインク液滴を、インク樹脂製の透光性基板に印刷して作製された表示板が、例えば特許文献3に紹介されている。また、インクジェット印刷工法によって、表示板用基板にインク受容層と遮光性印刷層とを積層形成する技術が、例えば特許文献4に紹介されている。
このように、インクジェット法による印刷技術を用いてインクを樹脂基板上に印刷して形成した表示板は、画像解像度を高くすることができるとともに、所望の立体感を容易に形成可能であるため、意匠性に優れた印刷物としての表示板を得ることができる。
また、局所的な紫外線照射により硬化する紫外線硬化性の液状インクを用いることにより、本適用例の効果によって高品質な積層印刷物を形成することができる。
また、複数の前記印刷層のうち少なくとも一層が、さらに光学的特性の異なる二層の積層体により形成することができるので、光学的に多様な機能を有する印刷物を提供することができる。
〔車両用表示パネル〕
まず、実施形態1に係る印刷物としての車両用表示パネル200の概略構成について説明する。図1は、実施形態1に係る車両用表示パネルの概略構成を模式的に示すものであり、(a)は平面図、(b)は(a)のD部を矢印2の方向からみた部分断面図である。
図1(b)に示すように、印刷物としての車両用表示パネル200は、記録媒体としての基材250上に、第1印刷層230と、第2印刷層240とが、この順に積層されて形成されている。
各仮想計器201〜204は、車両用表示パネル200の光学的特性の異なる複数の領域、即ち、遮光層領域210と、半透過層領域220との光学的特性としての可視光線透過率の差異により、所定の表示物として認識されるようになっている。
詳述すると、遮光層領域210は、遮光性を付与させるように形成された層であり、例えば、光学濃度OD(Optical Density)が5以上で設計される。一方、半透過層領域220は、可視光線を減衰させて透過するように形成された層であり、例えば、OD=1.3で設計されている。これら光学的特性の設計値は、目的に応じて適宜に設定される。
次に、上記実施形態1の印刷物としての車両用表示パネル200の製造方法(印刷方法)について説明する。
〔液滴吐出装置〕
まず、本実施形態の車両用表示パネル200の製造に用いる液滴吐出装置について図面を参照して説明する。図2は、本実施形態の車両用表示パネル200の製造(印刷)に用いる液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図である。また図3は、本実施形態におけるキャリッジを図2中のA視方向に見たときの正面図である。また図4は本実施形態における吐出ヘッドの底面図である。また図5は図3中のB−B線における断面図である。また図6は本実施形態における液滴吐出装置の概略の構成を示すブロック図である。
キャリッジ7には、ヘッドユニット13と、2個の照射装置15と、が設けられている。
液滴吐出装置1では、ヘッドユニット13と基板などのワークWとの平面視での相対位置を変化させつつ、ヘッドユニット13から液状体を液滴として吐出させることによって、ワークWに液状体で所望のパターンを描画(記録)することができる。なお、図中のY方向はワークWの移動方向を示し、X方向は平面視でY方向とは直交する方向を示している。また、X方向及びY方向によって規定されるXY平面と直交する方向は、Z方向として規定される。
ワーク搬送装置3は、図2に示すように、定盤21と、ガイドレール23aと、ガイドレール23bと、ワークテーブル25と、を有している。
定盤21は、例えば石などの熱膨張係数が小さい材料で構成されており、Y方向に沿って延びるように据えられている。ガイドレール23a及びガイドレール23bは、定盤21の上面21a上に配設されている。ガイドレール23a及びガイドレール23bは、それぞれ、Y方向に沿って延在している。ガイドレール23aとガイドレール23bとは、互いにX方向に隙間をあけた状態で並んでいる。
ワーク搬送モーターからの動力は、移動機構を介してワークテーブル25に伝達される。これにより、ワークテーブル25は、ガイドレール23a及びガイドレール23bに沿って、すなわちY方向に沿って往復移動することができる。つまり、ワーク搬送装置3は、ワークテーブル25の載置面25aに載置されたワークWを、Y方向に沿って往復移動させることができる。
吐出ヘッド33は、底面図である図4に示すように、ノズル面35を有している。ノズル面35には、複数のノズル37が形成されている。なお、図4では、ノズル37をわかりやすく示すため、ノズル37が誇張され、且つノズル37の個数が減じられている。
吐出ヘッド33において、複数のノズル37は、Y方向に沿って配列する4本のノズル列39を構成している。4本のノズル列39は、X方向に互いに隙間をあけた状態で並んでいる。各ノズル列39において、複数のノズル37は、Y方向に沿って所定のノズル間隔Pで形成されている。
以下において、4本のノズル列39のそれぞれが識別される場合に、ノズル列39a、ノズル列39b、ノズル列39c及びノズル列39dという表記が用いられる。
吐出ヘッド33において、ノズル列39aとノズル列39bとは、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。ノズル列39c及びノズル列39dも、互いにY方向にP/2の距離だけずれている。
照射装置15a及び照射装置15bは、それぞれ、紫外光41を発する光源43を有している。光源43からの紫外光41は、吐出ヘッド33から吐出された液状インクとしての機能液53の硬化を促進させる。機能液53は、紫外光41の照射を受けると、硬化が促進する。
光源43としては、例えば、LED、LD、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等の種々の光源43が採用され得る。
なお、本実施形態では、光源43のY方向における長さは、吐出ヘッド33のノズル列39を網羅する長さに設定されている。
なお、照射装置15aの光源43と、照射装置15bの光源43とは、それぞれ、吐出ヘッド33のノズル面35がX方向に沿って描く軌跡に、平面視で重なっている。
ノズルプレート46は、ノズル面35を有している。複数のノズル37は、ノズルプレート46に設けられている。
キャビティープレート47は、ノズルプレート46のノズル面35とは反対側の面に設けられている。キャビティープレート47には、複数のキャビティー51が形成されている。各キャビティー51は、各ノズル37に対応して設けられており、対応する各ノズル37に連通している。各キャビティー51には、図示しないタンクから機能液53が供給される。
複数の圧電素子49は、それぞれ、振動板48のキャビティープレート47側とは反対側の面に設けられている。各圧電素子49は、各キャビティー51に対応して設けられており、振動板48を挟んで各キャビティー51に対向している。各圧電素子49は、駆動信号に基づいて、伸長する。これにより、振動板48がキャビティー51内の容積を縮小させる。このとき、キャビティー51内の機能液53に圧力が付与される。その結果、ノズル37から、機能液53が液滴55として吐出される。吐出ヘッド33による液滴55の吐出法は、インクジェット法の1つである。インクジェット法は、塗布法の1つである。
キャリッジ7は、図3に示すように、ヘッドユニット13を支持している。ここで、ヘッドユニット13は、ノズル面35がZ方向の下方に向けられた状態でキャリッジ7に支持されている。
上記により、ワークWには、吐出ヘッド33から機能液53が塗布され得る。
なお、本実施形態では、縦振動型の圧電素子49が採用されているが、機能液53に圧力を付与するための加圧手段は、これに限定されず、例えば、下電極と圧電体層と上電極とを積層形成した撓み変形型の圧電素子も採用され得る。また、加圧手段としては、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズルから液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなども採用され得る。さらに、発熱体を用いてノズル内に泡を発生させ、その泡によって機能液に圧力を付与する構成も採用され得る。
機能液53は、樹脂材料、光重合開始剤及び溶媒を、成分として含んでいる。これらの成分に、顔料や染料等の色素や、親液性や撥液性等の表面改質材料などの機能性材料を添加することによって固有の機能を有する機能液53を生成することができる。顔料や染料等の色素を含有する機能液53は、例えば、ワークWに記録する画像を形成するための機能液53として採用され得る。以下において、ワークWに記録する画像を形成するための機能液53は、画像塗料と呼ばれる。
クリアインクの用途としては、例えば、画像を被覆するオーバーコート層としての用途や、画像を形成する前の下地層としての用途などが考えられる。以下において、下地層として適用される機能液53は、下地塗料と呼ばれる。
下地塗料としては、透光塗料だけでなく、透光塗料に種々の顔料を添加した機能液53を採用することもできる。例えば、白色を呈する機能液53や、金属的な光沢(メタリック)を示す機能液53なども、下地塗料として採用され得る。
光重合開始剤は、ポリマーの架橋性基に作用して架橋反応を進行させる添加剤である。光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタールなどが採用され得る。本実施形態では、光重合開始剤として、ラジカル型の光重合開始剤が採用されている。ラジカル型の光重合開始剤としては、例えば、チバ・ジャパン(株)社製のイルガキュア819などが採用され得る。
溶媒は、樹脂材料の粘度を調整するためのものである。
架台101は、X方向に延在しており、ワーク搬送装置3をX方向にまたいでいる。架台101は、ワークテーブル25の定盤21側とは反対側で、ワーク搬送装置3に対向している。架台101は、一対の支柱107によって支持されている。一対の支柱107は、定盤21を挟んでX方向に互いに対峙する位置に設けられている。
なお、以下においては、一対の支柱107のそれぞれを識別する場合に、支柱107a及び支柱107bという表記が用いられる。支柱107a及び支柱107bは、それぞれ、ワークテーブル25よりもZ方向の上方に突出している。これにより、架台101とワークテーブル25との間には、隙間が保たれている。
前述したキャリッジ7は、ガイドレール103に支持されている。キャリッジ7がガイドレール103に支持された状態において、吐出ヘッド33のノズル面35は、Z方向においてワークテーブル25側に向いている。キャリッジ7は、ガイドレール103によってX方向に沿って案内され、X方向に往復動可能な状態でガイドレール103に支持されている。なお、平面視で、キャリッジ7がワークテーブル25に重なっている状態において、ノズル面35とワークテーブル25の載置面25aとは、互いに隙間を保った状態で対向する。
キャリッジ搬送モーターからの動力は、移動機構を介してキャリッジ7に伝達される。これにより、キャリッジ7は、ガイドレール103に沿って、すなわちX方向に沿って往復移動することができる。つまり、キャリッジ搬送装置11は、キャリッジ7に支持されたヘッドユニット13を、X方向に沿って往復移動させることができる。
上記の構成を有する液滴吐出装置1では、吐出ヘッド33をワークWに対向させた状態で、吐出ヘッド33とワークWとを相対的に往復移動させながら、吐出ヘッド33から液滴55を吐出させることによって、ワークWへのパターンの記録(描画)が行われる。
また、液滴吐出装置1は、キャリッジ搬送モーター121と、ワーク搬送モーター123と、入力装置129と、表示装置131と、を有している。
キャリッジ搬送モーター121及びワーク搬送モーター123は、それぞれ、入出力インターフェイス133とバス119とを介して制御部111に接続されている。また、入力装置129及び表示装置131も、それぞれ、入出力インターフェイス133とバス119とを介して制御部111に接続されている。
入力装置129は、各種の加工条件を入力する装置である。表示装置131は、加工条件や、作業状況を表示する装置である。液滴吐出装置1を操作するオペレーターは、表示装置131に表示される情報を確認しながら、入力装置129を介して種々の情報を入力することができる。
なお、吐出ヘッド33、照射装置15a及び照射装置15bも、それぞれ、入出力インターフェイス133とバス119とを介して制御部111に接続されている。
入力装置129は、各種の加工条件を入力する装置である。入力装置129を介して種々の情報を入力することができる。
駆動制御部115は、モーター制御部141と、吐出制御部145と、照射制御部147と、表示制御部151と、を有している。
吐出制御部145は、CPU113からの指令に基づいて、吐出ヘッド33の駆動を制御する。
照射制御部147は、CPU113からの指令に基づいて、照射装置15a及び照射装置15bのそれぞれにおける光源43の発光状態を個別に制御する。
表示制御部151は、CPU113からの指令に基づいて、表示装置131の駆動を制御する。
次に、液滴吐出装置1による車両用表示パネル200の製造方法における印刷方法の記録処理(描画)について図面を参照して説明する。
図7は、実施形態2に係る車両用表示パネルの印刷方法としての記録処理の流れを示すフローチャートである。また図8は、実施形態2に関る印刷データの生成フローを模式的に示すイメージ図である。また図9は、実施形態2に関るマスクを模式的に示すイメージ図である。また図10は、実施形態2に係る第1のマスク及び第2のマスクのイメージとその階調性を模式的に示すイメージ図である。また図11は実施形態2に係る第1のマスク及び第2のマスクの印刷特性の比較表である。
図8は、色情報を持った画像データから記録データを生成するまでのフローのイメージを示している。画像データは図6に示すメモリー部117のデータ展開部137に入力される。そしてデータ展開部137において、各ノズル列単位で印刷すべき2値化されたビットマップデータへと変換され、次いで、そのデータは各走査で記録すべきデータへと分解され出力される。このデータはメモリー部117に格納される。
ここで、図9に示すように、例えば印字をおこなうノズルが160ノズルの場合、ノズルN1からノズルN80までのマスクパターン印字領域は図中右上側に示すような階調のついたマスクパターンとなっており、ノズルN1からノズルN80に向かうにつれて濃度が濃くなるランダムパターンとなっている。最初に、このマスクパターンを印字し、次いで、図中右下側に示すようなノズルN81からノズルN160までのマスクパターン補完部分印字領域のマスクパターンの印字を行う。マスクパターン補完部分印字領域のマスクパターンは、ノズルN1〜ノズルN80マスクパターンを反転させたものである。即ち、記録データはマスクパターン印字領域のマスクパターンと、マスクパターン補完部分印字領域のマスクパターンとが合わさったデータとなり、液滴55で形成すべきドットがビットマップ状に表現されている。
記録をおこなう際は、先にマスクパターンが印字され、次いで補完パターンが印字される。この時、補完パターンの印字と同時に次に印字すべき領域のマスクパターンが印字される。ワークWに記録されるパターンは、液滴55で形成される複数のドットの集合として表現される。ワークWへのパターンの記録は、吐出ヘッド33をワークWに対向させた状態で、吐出ヘッド33とワークWとを相対的に往復移動させながら、吐出ヘッド33から液滴55を所定周期で吐出させることによって行われる。
ここで、液滴吐出装置1では、記録エリアが設定されている。記録エリアは、図2に示すワークテーブル25によってY方向に沿って描かれる軌跡と、吐出ヘッド33によってX方向に沿って描かれる軌跡とが重なり合う領域である。
そして、往路開始位置は、キャリッジ7を往復移動させるときの往路が開始する位置である。本実施形態では、往路開始位置は、平面視で、記録エリアの外側に位置している。本実施形態では、往路開始位置は、平面視で、記録エリアの支柱107a側に位置している。
次いで、図7のステップS2において、図6に示すCPU113は、ワーク搬送指令をモーター制御部141に出力する。このとき、モーター制御部141は、ワーク搬送モーター123の駆動を制御して、ワークWを記録エリアに移動させる。
ここで、キャリッジ7の往復移動では、キャリッジ7は、上述した往路開始位置と復路開始位置との間を往復移動する。つまり、往路開始位置から復路開始位置で折り返して往路開始位置に戻る経路がキャリッジ7の1往復である。このため、本実施形態では、往路開始位置から復路開始位置に向かう経路がキャリッジ7の往路である。他方で、復路開始位置から往路開始位置に向かう経路がキャリッジ7の復路である。
なお、復路開始位置は、X方向に記録エリアを挟んで往路開始位置に対峙する位置である。復路開始位置は、平面視で、記録エリアの外側に位置している。このため、往路開始位置と復路開始位置とは、平面視で、記録エリアをX方向に挟んで互いに対峙している。本実施形態では、復路開始位置は、平面視で、記録エリアの支柱107b側に位置している。
次いで、図7のステップS5において、図6に示すCPU113は、図2の吐出ヘッド33の位置が往路における記録開始位置に到達したか否かを判定する。
ここで、記録開始位置は、記録エリア内で吐出ヘッド33から液滴55の吐出を開始させる位置である。
このとき、吐出ヘッド33の位置が記録開始位置に到達した(図7のステップS5においてYes)と判定されると、処理がステップS6に移行する。他方で、吐出ヘッド33の位置が記録開始位置に到達していない(ステップS5においてNo)と判定されると、図2の吐出ヘッド33の位置が記録開始位置に到達するまで処理が待機される。
次いで、図7のステップS7において、図6に示すCPU113は、図2の吐出ヘッド33の位置が往路における記録停止位置に到達したか否かを判定する。
ここで、記録停止位置は、記録エリア内で吐出ヘッド33から液滴55の吐出を停止させる位置である。
このとき、吐出ヘッド33の位置が記録停止位置に到達した(図7のステップS7でYes)と判定されると、処理がステップS8に移行する。他方で、吐出ヘッド33の位置が記録停止位置に到達していない(ステップS7でNo)と判定されると、吐出ヘッド33の位置が記録停止位置に到達するまで処理が待機される。
次いで、図7のステップS9において、図6に示すCPU113は、照射装置15aに対する照射停止指令を照射制御部147に出力する。このとき、照射制御部147は、照射装置15aの光源43の駆動を制御して、照射装置15aの光源43を消灯させる。
図7のステップS11では、図6に示すCPU113は、改行指令をモーター制御部141に出力する。このとき、改行指令を受けたモーター制御部141は、ワーク搬送モーター123の駆動を制御して、ワークWをY方向に移動(改行)させ、ワークWにおいてパターンを記録すべき新たな領域を記録エリアに移動させる。
次いで、図7のステップS13において、図6に示すCPU113は、図2の吐出ヘッド33の位置が復路における記録開始位置に到達したか否かを判定する。このとき、吐出ヘッド33の位置が記録開始位置に到達した(図7のステップS13でYes)と判定されると、処理がステップS14に移行する。他方で、吐出ヘッド33の位置が記録開始位置に到達していない(ステップS13でNo)と判定されると、吐出ヘッド33の位置が記録開始位置に到達するまで処理が待機される。
次いで、図7のステップS15において、図6に示すCPU113は、図2の吐出ヘッド33の位置が復路における記録停止位置に到達したか否かを判定する。
このとき、吐出ヘッド33の位置が記録停止位置に到達した(図7のステップS15でYes)と判定されると、処理がステップS16に移行する。他方で、吐出ヘッド33の位置が記録停止位置に到達していない(ステップS15でNo)と判定されると、吐出ヘッド33の位置が記録停止位置に到達するまで処理が待機される。
次いで、図7のステップS16において、図6に示すCPU113は、吐出停止指令を吐出制御部145に出力する。このとき、吐出制御部145は、図2の吐出ヘッド33の駆動を停止して、各ノズル37からの液滴55の吐出を停止させる。これにより、復路での記録が終了する。
次いで、図7のステップS17において、図6に示すCPU113は、照射装置15bに対する照射停止指令を照射制御部147に出力する。このとき、照射制御部147は、照射装置15bの光源43の駆動を制御して、照射装置15bの光源43を消灯させる。
次いで、図7のステップS18において、図6に示すCPU113は、記録データが終了したか否かを判定する。このとき、記録データが終了した(図7のステップS18でYes)と判定されると、処理が終了する。他方で、記録データが終了していない(ステップS18でNo)と判定されると、エラーとして出力され装置が停止する。
第1印刷ステップでは、図10(a)に示す第1のマスクを用いて第1の描画をおこない、図1(b)に示すような第1印刷層230を形成する。第1のマスクは、マスク印字領域と補完領域が線形になっており、ノズルの中心を境に対称となるような第1の階調が設定されている。
これに対して、第2印刷ステップでは、図10(b)の第2のマスクを用いて第2の描画をおこない、図1(b)に示すような第2印刷層240を形成する。第2のマスクの第2の階調は、ノズルの中心までの階調の中に変曲点が存在するようになっており、ノズルの中心を境に非対称となるように階調が設定されている。
本願出願者は、第1のマスク及び第2のマスクが、図11に示すようなスジ・ムラに対する特性を有していることを見出した。即ち、図11は、第1のマスク及び第2のマスクそれぞれにより描画パターンを形成したときのスジやムラの発生の状態を比較して示す図である。図11中の「×」は、印刷物を30cm離れて観察を行ったときに印刷物の表面凹凸により人間の目にスジやムラとして認識されることを示し、「○」は、スジやムラが認識されないことを示している。第1のマスクを用いた第1印刷ステップでは、遮光された層など前記記録媒体へのインクの打ち込み量が多い部分ではムラが発生し、半透過層などの前記記録媒体へのインクの打ち込み量が少ない部分ではスジが発生する。第2印刷ステップでは、全ての層において第1印刷ステップで記録媒体としての基材250(図1を参照)上へ打ち込んだインク量より少なく設定される。これにより、第2印刷ステップでは使用する第2のマスクのインク打ち込み量が少ない場合の特性であるスジ・ムラのない膜を最上層に形成することができる。
従って、最終表面にスジやムラのない膜を形成することができ、高品質な印刷物を製造することができる。
上記実施形態1では、第1印刷層230および第2印刷層240を基材250上の全領域に形成する構成において、各印刷層に厚みの異なる領域を意図的に形成した印刷物としての車両用表示パネル200、及びその製造方法(印刷方法)を説明したが、この構成に限定するものではない。
以下、本発明に係る印刷物の変形例について図面に沿って説明する。
図12は、本発明の印刷物の変形例を示すものであり、(a)は平面図、(b)は、(a)のC−Cの断面図である。
なお、本変形例において、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
第1印刷層320が形成された基材310には、第1印刷層320の保護や意匠性付与のための透明な第2印刷層330が形成されている。本変形例では、画像を形成する第1印刷層320が厚めに形成され、第2印刷層330は第1印刷層320よりも薄く積層されている。
本変形例において、任意の画像は、基材310上の第1印刷層320が有る部分と無い部分とにより画像として視認される。即ち、基材310上の第1印刷層320および第2印刷層330が積層された部分が遮光層領域340を形成し、第2印刷層330のみの部分が半透過層領域を形成して任意の画像が視認される。さらに、本変形例の印刷物300は、基材310上および第1印刷層320上に積層された第2印刷層330により、耐久性および質感などの意匠性が付与された画像が形成された印刷物300として提供することができる。
まず、上記実施形態の第1印刷ステップと同様に、図10(a)に示す第1のマスクを用いて第1の描画をおこない、図12(b)に示すような第1印刷層320を形成する。
次いで、上記実施形態の第2印刷ステップと同様に、図10(b)に示す第2のマスクを用いて第2の描画をおこない、図12(b)に示すような第2印刷層330を形成する。
第1のマスクを用いた第1印刷ステップでは、第1印刷層320により画像の色を形成するために単位面積あたりのインク打ち込み量が多くなる部分ではムラが発生する。第2印刷ステップでは、第1印刷層320よりもインクの打ち込み量が少なく設定される。これにより、第2印刷ステップではスジ・ムラのない表面形状を形成することができる。
Claims (7)
- 液状インクを用いたインクジェット記録方式により記録媒体上に画像を形成する印刷方法であって、
インクジェットヘッドに第1の走査をさせながら第1の階調を含む第1のマスクによって前記記録媒体上に第1の描画をおこなう第1印刷ステップと、
前記インクジェットヘッドに第2の走査をさせながら前記第1の階調とは異なる第2の階調を含む第2のマスクによって前記記録媒体上に第2の描画をおこなう第2印刷ステップと、
を含むことを特徴とする印刷方法。 - 請求項1に記載の印刷方法において、
前記第2印刷ステップの前記液状インクの打ち込み量が、前記第1印刷ステップの前記液状インクの打ち込み量よりも少ないことを特徴とする印刷方法。 - 請求項1または2に記載の印刷方法において、
前記記録媒体には、前記液状インクに対して非吸収性の記録媒体が用いられ、
前記液状インクには、紫外線硬化性の液状インクが用いられていることを特徴とする印刷方法。 - 記録媒体上に複数の印刷層が積層された印刷物であって、
複数の前記印刷層のうち少なくとも一層が、さらに異なる光学的特性を有する二層の積層体により形成されていることを特徴とする印刷物。 - 請求項4に記載の印刷物において、
前記積層体が遮光性を有することを特徴とする印刷物。 - 請求項5に記載の印刷物において、
前記積層体の前記記録媒体側の層が、該記録媒体側の層上に積層された側の層よりも厚みが厚く形成されていることを特徴とする印刷物。 - 請求項4または5に記載の印刷物において、
複数の前記印刷層のうち少なくとも一層内に複数の光学的特性の異なる領域を含むことを特徴とする印刷物。
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