以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[実施形態1]
<情報処理システムの構成>
本実施形態1に係る情報処理システム1は、画像データを画像形成装置で印刷する場合や画像データを表示装置に表示する場合に、ユーザにとって余剰なデータ(以下、単に「余剰データ」と称する)を取り除くシステムである。
「余剰データ」は、ユーザによって不要な部分と判断された特定の文字データ(特定の文字列のパターンデータを含む)であり、編集処理(ここでは、取り除き処理)の対象となるデータ(以下、「編集対象データ」と称する)を意味している。
ここでは、取り扱う画像データが複数の人物の間で送信及び受信された電子メールの画像データでかつ過去の文章を含む構成になっており、その画像データの過去の文章の中から、余剰データとなる空白領域データを取り除く場合を想定して説明する。
また、ここでは、情報処理システム1が、画像データを画像形成装置で印刷する印刷システムとして構築される場合を想定して説明する。なお、情報処理システム1は、画像データを表示装置(ディスプレイ13a(図2参照))に表示させる閲覧システムとして構築することも、また、印刷システム及び閲覧システムを兼用するシステムとして構築することもできる。
以下、図1を参照して、本実施形態1に係る情報処理システムの構成につき説明する。図1は、実施形態1に係る情報処理システムの全体の構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態1に係る情報処理システム1は、情報処理装置10及び画像形成装置20を有している。
情報処理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やサーバ等の、画像形成装置20の上位装置である。ここでは、情報処理装置10がパーソナルコンピュータ(PC)として構成されている場合を想定して説明する。情報処理装置10は、オペレーティングシステム(OS)や、画像形成装置20の動作に関する設定を行うユーティリティソフト、印刷ジョブデータを画像形成装置20に送信するプリンタドライバ等のソフトウェアがインストールされている。情報処理装置10は、ユーザの操作に基づいて、画像形成装置20の状態を管理したり、画像形成装置20の設定を変更したり、印刷ジョブデータを画像形成装置20に送信したりする。
画像形成装置20は、例えば、プリンタや、マルチファンクションプリンタ(MFP)、複写機等の、画像データに基づいて、印刷(画像を印刷媒体に形成)する装置である。ここでは、画像形成装置20がプリンタとして構成されている場合を想定して説明する。
情報処理装置10及び画像形成装置20は、LAN等のネットワークI/F2や、USBやセントロ(Centro)、RS232C等のローカルI/F3によって、通信可能に接続されている。図1に示す例では、情報処理システム1は、複数の情報処理装置10が、ネットワークI/F2やローカルI/F3を介して、共有プリンタとなる1台の画像形成装置20と接続された構成になっている。
<情報処理装置の構成>
以下、図2を参照して、本実施形態1に係る情報処理装置10の構成につき説明する。図2は、実施形態1に係る情報処理装置の構成を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、制御部11、記憶部12、表示操作部13、及び、通信インタフェース(以下、「I/F」と称する)14を有している。
制御部11は、情報処理装置10の動作を制御する機能手段である。制御部11は、CPUによって構成されている。制御部11を構成するCPUは、記憶部12の後記する標準メモリ12aに予め記憶された制御プログラムを実行することにより、主制御部11a、表示操作制御部11b、設定制御部11c、メモリ制御部11d、対象指定部11e、対象判定部11f、編集部11g、及び、通信制御部11hとして機能する。
主制御部11aは、情報処理装置10の全体の動作を制御する機能手段である。
表示操作制御部11bは、表示操作部13の動作を制御する機能手段である。表示操作制御部11bは、任意のデータを表示操作部13に表示させたり、ユーザが表示操作部13を操作することにより入力された指示やデータを受け付けたりする。
設定制御部11cは、画像形成装置20の設定を登録する機能手段である。設定制御部11cは、表示操作制御部11bによって受け付けられた指示やデータに基づいて、例えば、片面印刷や両面印刷、マルチページ印刷といった印刷手法の選択、使用する印刷媒体が収納されたトレイの選択、印刷させる画像データ(又は、画像形成装置20)に対する「節約モード」機能のオン又はオフの選択等の設定データを記憶部22に登録する。記憶部22に登録された設定データは、運用に応じて、印刷ジョブデータに反映される。
なお、「節約モード」とは、印刷媒体(紙)や、現像剤(トナー)、電力等の資源を節約(節減)するための動作モードである。本実施形態1では、情報処理システム1は、画像データの印刷時に、「節約モード」が設定されていると、画像データに対して、余剰データを取り除くための所定の編集処理(以下、「余剰データの取り除き処理」と称する)を行う。
なお、「余剰データ」とは、前記した通り、編集処理(ここでは、取り除き処理)の対象となる「編集対象データ」を意味している。「編集対象データ(余剰データ)」は、ユーザが取り除き処理の対象となる特定の文字データ(特定の文字列のパターンデータを含む)を、編集対象データを検出する際に用いるキーコード(以下、「対象キーコード」と称する)として予め指定することによって、定義付けされる。なお、本実施形態1では、「対象キーコード」と後記する「空白領域データ」とが組み合わせられたデータが、「編集対象データ」となる。「編集対象データ」は、余剰データとなるため、編集部11gによって画像データから取り除かれる。
メモリ制御部11dは、記憶部12の制御管理を行う機能手段である。メモリ制御部11dは、記憶部12からデータを読み出したり、記憶部12にデータを記憶させたりする。
対象指定部11eは、ユーザによって指定される特定の文字(特定の文字列のパターンを含む)を受け付ける機能手段である。ここでは、「特定の文字(又は、文字列)」は、ユーザによって不要な部分と判断された文字(又は、文字列)を意味している。対象指定部11eは、特定の文字の指定を受け付けると、指定された特定の文字を表すデータ(以下、「特定の文字データ」と称する)を対象キーコードとして記憶部12の標準メモリ12a(又はオプションメモリ12b)に登録する。
なお、特定の文字データは、特定の文字列のパターンデータを含む(以下、同様)。特定の文字データは、編集対象データの一部分に該当するため、対象キーコードとして用いられる。前記した通り、「対象キーコード」と後記する「空白領域データ」とが組み合わせられたデータが、「編集対象データ」となる。
特定の文字(特定の文字列のパターンを含む)の指定は、例えば、ユーザが、表示操作部13のディスプレイ13aに表示されたプリンタドライバの対象キーコードの設定画面601(図26参照)で、対象キーコードとして指定したい特定の文字データ(特定の文字列のパターンデータを含む)を入力することにより、行われる。このとき、対象指定部11eは、前記した通り、特定の文字の指定を受け付けると、指定された特定の文字を表す特定の文字データを対象キーコードとして記憶部12の標準メモリ12a(又はオプションメモリ12b)に登録する。なお、本実施形態1では、特定の文字(特定の文字列のパターンを含む)の指定は、1つのみしかできないものとして説明する。
対象判定部11fは、画像データ(ここでは、文書データの画像データ)を構成する各行の行データに対して、編集対象データが含まれているか否かを判定する機能手段である。
本実施形態1では、対象判定部11fは、記憶部12から画像データを構成する各行の行データを1行分ずつ読み出し、読み出された行データ(以下、「処理中の行データ」と称する)に対して、記憶部12に登録された対象キーコード(すなわち、対象指定部11eによって受け付けられた特定の文字を表す特定の文字データ(特定の文字列のパターンデータを含む))が検出されるか否かを判定する。
そして、対象判定部11fは、対象キーコードが処理中の行データの中から検出された場合に、その処理中の行データに対して、さらに、対象キーコードと後記する空白領域データとが組み合わされた編集対象データが検出されるか否かを判定する。
編集対象データが処理中の行データの中から検出された場合に、その処理中の行データが、余剰データの取り除き処理(ここでは、削除処理)の対象に該当する行(以下、「該当行」と称する)の行データとなる。「該当行」は、余剰データとなる編集対象データが含まれている行である。
編集部11gは、画像データを編集する機能手段である。なお、編集部11gの「編集」とは、画像データから余剰データを取り除く動作や、画像データを画像形成装置20で印刷させる場合に、画像データに基づいて印刷ジョブデータを生成する動作を意味している。
編集部11gは、対象判定部11fによって編集対象データが含まれていると判定された該当行の行データに対して、余剰データの取り除き処理を行う。編集部11gは、そのための機能手段として、削除実行部11gaを備えている。
削除実行部11gaは、対象判定部11fによって編集対象データが含まれていると判定された該当行を行単位で画像データから削除する機能手段である。
通信制御部11hは、通信I/F14の動作を制御する機能手段である。
なお、情報処理装置10は、画像データを画像形成装置20で印刷させる場合に、対象判定部11fが画像データの中から編集対象データを検出し、編集部11gの削除実行部11gaが編集対象データを余剰データ部分として行単位で画像データから削除する。そして、編集部11gが画像データに基づいて印刷ジョブデータを生成し、通信制御部11hがその印刷ジョブデータを画像形成装置20に送信する。
記憶部12は、情報処理装置10の動作に必要なプログラムやデータを記憶する記憶手段である。記憶部12は、例えば、運用中の汎用作業領域として使用されるRAMに加え、電源のオン/オフ操作に影響することなくデータを保持し続けるメモリ領域として使用される不揮発性メモリ(EEPROM(登録商標)、HDD、Flash(登録商標)、メモリカード等)によって構成される。図2に示す例では、記憶部12は、標準メモリ12aとオプションメモリ12bとに区画されている。
標準メモリ12aは、記憶部12として標準的に搭載される記憶手段である。標準メモリ12aは、制御部11を構成するCPUを、主制御部11a、表示操作制御部11b、設定制御部11c、メモリ制御部11d、対象指定部11e、対象判定部11f、編集部11g、及び、通信制御部11hとして機能させる制御プログラムが、予め記憶されている。
オプションメモリ12bは、記憶部12としてオプション的に搭載される記憶手段である。
表示操作部13は、様々な情報を表示したり、ユーザによる操作を受け付けたりする構成要素である。図2に示す例では、表示操作部13は、ディスプレイ13a、キーボード13b、及び、マウス13cによって構成されている。表示操作部13は、ディスプレイ13aに表示された画面に対応して、ユーザによってキーボード13bやマウス13cから入力された信号を解析して、入力された指示やデータを制御部11に出力する。
ディスプレイ13aは、様々な情報を表示する表示装置である。ディスプレイ13aは、例えば、画像形成装置20の設定や画像データ等を表示する。ディスプレイ13aは、例えば、CRTやLCD等によって構成される。
キーボード13bは、ユーザI/Fの一手段であり、キータッチ式の入力部である。
マウス13cは、ユーザI/Fの一手段であり、ボタンクリック式の入力部である。
通信I/F14は、外部の機器(ここでは、画像形成装置20)との通信を行う構成要素である。通信I/F14は、情報処理装置10から画像形成装置20に対して、単方向及び双方向を含めた全ての通信ハードウェア及びI/F上のデータを掌る。通信I/F14の接続手段としては、ネットワーク、セントロ(Centro)、USB、RS232C、無線LAN等の複数の手段がある。
図2に示す例では、本実施形態1に係る情報処理システム1は、対象指定部11e、対象判定部11f、及び、編集部11gが、余剰データの取り除き処理を実行する機能手段(以下、「余剰データの取り除き手段」と称する)として、情報処理装置10に設けられている。しかしながら、余剰データの取り除き手段は、情報処理装置10ではなく、画像形成装置20に設けられるようにしてもよい。
<画像形成装置の構成>
以下、図3を参照して、本実施形態1に係る画像形成装置20の構成につき説明する。図3は、実施形態1に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図3に示すように、画像形成装置20は、制御部21、記憶部22、表示操作部23、通信I/F24、及び、印刷部25を有している。
制御部21は、画像形成装置20の動作を制御する機能手段である。制御部21は、CPUによって構成されている。制御部21を構成するCPUは、記憶部22の後記する標準メモリ22aに予め記憶された制御プログラムを実行することにより、主制御部21a、表示操作制御部21b、設定制御部21c、メモリ制御部21d、対象指定部21e、対象判定部21f、編集部21g、通信制御部21h、及び、印刷制御部21iとして機能する。
主制御部21aは、画像形成装置20の全体の動作を制御する機能手段である。
表示操作制御部21bは、表示操作部23の動作を制御する機能手段である。表示操作制御部21bは、任意のデータを表示操作部23に表示させたり、ユーザが表示操作部23を操作することにより入力された指示やデータを受け付けたりする。
設定制御部21cは、画像形成装置20の設定を定義する機能手段である。設定制御部21cは、表示操作制御部21bによって受け付けられた指示やデータに基づいて、例えば、節約モードのオン/オフの選択等を設定する。
メモリ制御部21dは、記憶部22の制御管理を行う機能手段である。メモリ制御部21dは、記憶部22からデータを読み出したり、記憶部22にデータを記憶させたりする。
対象指定部21eは、ユーザによって指定される特定の文字(特定の文字列のパターンを含む)を受け付ける機能手段である。特定の文字(特定の文字列のパターンを含む)の指定は、例えば、ユーザが、表示操作部23のディスプレイ23aに表示された対象キーコードの図示せぬ設定画面で、対象キーコードとして指定したい特定の文字データ(特定の文字列のパターンデータを含む)を入力することにより、行われる。このとき、対象指定部21eは、特定の文字の指定を受け付けると、指定された特定の文字を表す特定の文字データを対象キーコードとして記憶部22の標準メモリ22a(又はオプションメモリ22b)に登録する。
対象判定部21fは、画像データ(ここでは、文書データの画像データ)を構成する各行の行データに対して、編集対象データが含まれているか否かを判定する機能手段である。
本実施形態1では、対象判定部21fは、記憶部12から画像データを構成する各行の行データを1行分ずつ読み出し、読み出された行データ(すなわち、処理中の行データ)に対して、記憶部22に登録された対象キーコード(すなわち、対象指定部21eによって受け付けられた特定の文字を表す特定の文字データ(特定の文字列のパターンデータを含む))が検出されるか否かを判定する。
そして、対象判定部21fは、対象キーコードが処理中の行データの中から検出された場合に、その処理中の行データに対して、さらに、対象キーコードと後記する空白領域データとが組み合わされた編集対象データが検出されるか否かを判定する。
編集対象データが処理中の行データの中から検出された場合に、その処理中の行データが、余剰データの取り除き処理(ここでは、削除処理)の対象に該当する行(すなわち、該当行)の行データとなる。
編集部21gは、画像データを編集する機能手段である。なお、編集部21gの「編集」とは、印刷ジョブデータから画像データを取得する動作や、画像データから余剰データを取り除く動作を意味している。
編集部21gは、対象判定部21fによって編集対象データが含まれていると判定された該当行の行データに対して、余剰データの取り除き処理を行う。編集部21gは、そのための機能手段として、削除実行部21gaを備えている。
削除実行部21gaは、対象判定部21fによって編集対象データが含まれていると判定された該当行を行単位で画像データから削除する機能手段である。
通信制御部21hは、通信I/F24の動作を制御する機能手段である。
印刷制御部21iは、印刷部25の動作を制御する機能手段である。印刷制御部21iは、印刷部25の状態に応じて、様々な情報(例えば、印刷の終了や、印刷エラー、現像剤の不足等のデータ)を主制御部21aに出力する。主制御部21aは、印刷制御部21iから出力されたデータの内容に応じて、印刷部25の動作を管理する。
なお、画像形成装置20は、情報処理装置10から受信された印刷ジョブデータに含まれている画像データの画像を印刷する場合に、通信制御部21hが情報処理装置10から印刷ジョブデータを受信し、編集部21gが印刷ジョブデータを解析して画像データを取得する。次に、対象判定部21fが画像データの中から編集対象データを検出し、編集部21gの削除実行部21gaが編集対象データを余剰データ部分として行単位で画像データから削除する。そして、印刷制御部21iが画像データに基づいて印刷部25を駆動して、印刷部25に印刷(画像を印刷媒体上に形成)させる。
記憶部22は、画像形成装置20の動作に必要なプログラムやデータを記憶する記憶手段である。記憶部22は、例えば、運用中の汎用作業領域として使用されるRAMに加え、電源のオン/オフ操作に影響することなくデータを保持し続けるメモリ領域として使用される不揮発性メモリ(EEPROM、HDD、Flash、メモリカード等)によって構成される。図3に示す例では、記憶部22は、標準メモリ22aとオプションメモリ22bとに区画されている。
標準メモリ22aは、記憶部22として標準的に搭載される記憶手段である。標準メモリ22aは、制御部21を構成するCPUを、主制御部21a、表示操作制御部21b、設定制御部21c、メモリ制御部21d、対象指定部21e、対象判定部21f、編集部21g、通信制御部21h、及び、印刷制御部21iとして機能させる制御プログラムが、予め記憶されている。
オプションメモリ22bは、記憶部22としてオプション的に搭載される記憶手段である。
表示操作部23は、様々な情報を表示したり、ユーザによる操作を受け付けたりする構成要素である。図3に示す例では、表示操作部23は、ディスプレイ23a、インジケータ23b、及び、スイッチ23cによって構成されている。表示操作部23は、ディスプレイ23aに表示された画面に対応して、ユーザによってスイッチ23cから入力された信号を解析して、入力された指示やデータを制御部21に出力する。
ディスプレイ23aは、様々な情報を表示する構成要素である。ディスプレイ23aは、例えば、画像形成装置20の設定や画像データ等を表示する。ディスプレイ23aは、例えば、LCD等によって構成される。
インジケータ23bは、画像形成装置20の状態等のデータをランプ表示する構成要素である。インジケータ23bは、例えば、複数のLED素子によって構成される。インジケータ23bは、複数のLED素子を、点灯や消灯、点滅させたり、点滅の周期を変更したり、又は、点灯や消灯の組み合わせを変更することによって、様々な情報をユーザに伝達する。
スイッチ23cは、ユーザI/Fの一手段であり、ボタン式やタッチパネル式の入力部である。
通信I/F24は、外部の機器(ここでは、情報処理装置10)との通信を行う構成要素である。通信I/F24は、情報処理装置10から画像形成装置20に対して、単方向及び双方向を含めた全ての通信ハードウェア及びI/F上のデータを掌る。通信I/F24の接続手段としては、ネットワーク、セントロ(Centro)、USB、RS232C、無線LAN等の複数の手段がある。
印刷部25は、画像を印刷媒体に形成する構成要素である。
係る構成において、情報処理システム1は、画像データの画像を印刷する場合に、情報処理装置10及び画像形成装置20のいずれか一方で、画像データに対して、余剰データの取り除き処理(ここでは、削除処理)を行う。
なお、情報処理装置10の余剰データの取り除き手段(対象指定部11e、対象判定部11f、及び、編集部11g)と、画像形成装置20の余剰データの取り除き手段(対象指定部21e、対象判定部21f、及び、編集部21g)とは、同じ機能を果たす。そのため、「余剰データの取り除き処理」は、情報処理装置10及び画像形成装置20のどちらで行ってもよい。
また、余剰データの取り除き手段は、同等の機能を実現することができれば、情報処理装置と画像形成装置との間で、又は、これらに加え、図示せぬ機能手段との間で、処理を分担して行うようにしてもよい。したがって、情報処理システム1の構成は、図2及び図3に示す構成に限定されない。
<情報処理システムの動作>
情報処理システム1の動作は、画像データに対して余剰データの取り除き処理を行う点が特徴となる。以下、図4Aを参照して、本実施形態1に係る情報処理システム1の余剰データの取り除き処理時の動作につき説明する。図4Aは、実施形態1に係る情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
なお、各装置の動作は、各装置の記憶部に読み出し自在に予め格納されたプログラムによって規定されており、各装置の制御部によって実行される。また、装置間の通信は、受信側の装置が通信によって受信されたデータを記憶部に一旦格納し、その後に、データを記憶部から読み出すことによって、行われる。また、データは、記憶部に読み出し自在に一旦格納されてから、その後の処理を行う所要の構成要素に出力される。以下、これらの点については、データ処理では常套手段であるので、その詳細な説明を省略する。
図4Aは、情報処理システム1を構成する情報処理装置10及び画像形成装置20のいずれか一方の装置が、画像データに対して余剰データの取り除き処理を行う場合の動作を示している。
ここでは、画像形成装置20が、情報処理装置10から印刷ジョブデータを受信した場合で、その印刷ジョブデータに含まれている画像データに対して、余剰データの取り除き処理を行うときの動作を説明する。
また、ここでは、情報処理システム1の余剰データの取り除き処理時の動作を分かり易く説明するために、例えば、図6に示すような、複数の人物の間で送信及び受信された電子メールの画像データから余剰データを取り除くことを想定して説明する。
電子メールの画像データは、過去の文章を含む構成になっている場合に、「>」等の記号が過去の文章の部分に付与された構成になっている。その画像データの過去の文章の部分は、無駄な空白領域(改行コードのみの領域、若しくは、スペース及びタブのいずれか一方又は双方と改行コードとが組み合わせられた構成の領域)によって構成された行(以下、「空白行」と称する)を複数含む場合がある。この場合に、その空白行の行データは、余剰データとなる。そこで、情報処理システム1は、画像データに対して、空白行の行データを余剰データとして取り除くものとする。
なお、空白行の構成は、例えば、図5に示すような構成になっている。図5は、実施形態1で用いる対象キーコードの設定例を示す図である。図5に示す例では、文字「>」が対象キーコードとして設定されており、また、対象キーコードと「空白領域データ」とが組み合わせられたデータが編集対象データ(余剰データの取り除き処理の対象となるデータ)となっている。
図5に示すように、空白行は、対象キーコードと空白領域データとが組み合わされた構成となっている。そして、空白行は、対象キーコード「>」の後の領域の構成が、以下の5種類の構造パターンのいずれかに該当する構成になっている。
構造パターン1は、複数のスペースと改行コードとから構成される。
構造パターン2は、単一のスペースと改行コードとから構成される。
構造パターン3は、1乃至複数のタブと改行コードとから構成される。
構造パターン4は、1乃至複数のタブ及び1乃至複数のスペースの組み合わせと、改行コードとから構成される。
構造パターン5は、改行コードのみから構成される。
情報処理システム1は、ユーザが、文字「>」を対象キーコードとして指定した場合に、構造パターン1〜構造パターン5のいずれか1つに該当するデータを編集対象データと見なし、編集対象データを余剰データとして行単位で画像データから削除する。これにより、情報処理システム1は、余剰データの取り除き処理(ここでは、削除処理)を行う。
具体的には、本実施形態1では、情報処理システム1は、ユーザが文字「>」を対象キーコードとして指定した場合に、対象判定部11f又は21fが、記憶部12又は22から画像データを構成する各行の行データを1行分ずつ読み出し、読み出された行データ(すなわち、処理中の行データ)に対して、対象キーコード「>」が検出されるか否かを判定する。
そして、対象判定部11f又は21fは、対象キーコードが処理中の行データの中から検出された場合に、その処理中の行データに対して、さらに、対象キーコード「>」と空白領域データとが組み合わされた編集対象データが検出されるか否かを判定する。
構造パターン1〜構造パターン5のいずれか1つに該当するデータが処理中の行データの中に含まれる場合に、対象判定部11f又は21fは、そのデータを編集対象データとして検出する。
この後、情報処理システム1は、編集部11gの削除実行部11ga又は編集部21gの削除実行部21gaが、編集対象データを余剰データとし、また、編集対象データを含む行を該当行とし、該当行を行単位で画像データから削除する。このようにして、情報処理システム1は、余剰データの取り除き処理(ここでは、削除処理)を行う。
ただし、余剰データの取り除き処理は、このような動作以外の場合にも行うことができる。例えば、情報処理システム1は、情報処理装置10が、画像データに対して余剰データの取り除き処理を行い、余剰データの取り除き処理後の画像データに基づいて、印刷ジョブデータを生成して、その印刷ジョブデータを画像形成装置20に送信するようにしてもよい。この場合に、画像形成装置20は、受信された印刷ジョブデータに含まれている画像データの画像をそのまま印刷する。
この場合に、余剰データの取り除き処理は、情報処理装置10の余剰データの取り除き手段(対象指定部11e、対象判定部11f、及び、編集部11g)が、画像形成装置20の余剰データの取り除き手段(対象指定部21e、対象判定部21f、及び、編集部21g)に代わって、同様に行われる。ここでは、その詳細な説明を省略する。
また、情報処理システム1は、余剰データの取り除き処理後の画像データを表示装置(ここでは、ディスプレイ13a)に表示させることもできる。この場合に、情報処理システム1は、情報処理装置10が、画像データに対して余剰データの取り除き処理を行い、余剰データの取り除き処理後の画像データを表示装置(ディスプレイ13a)に表示する。
この場合に、余剰データの取り除き処理は、情報処理装置10の余剰データの取り除き手段(対象指定部11e、対象判定部11f、及び、編集部11g)が、画像形成装置20の余剰データの取り除き手段(対象指定部21e、対象判定部21f、及び、編集部21g)に代わって、同様に行われる。ここでは、その詳細な説明を省略する。
なお、ここでは、ユーザが、情報処理装置10の表示操作部13を操作して、印刷させる画像データ(又は、画像形成装置20)に対して、「節約モード」機能のオン又はオフの指定を事前に行っているものとして説明する。そのため、情報処理装置10から画像形成装置20に送信される印刷ジョブデータの中には、「節約モード」機能のオン又はオフを指定する設定データが含まれているものとする。
また、ここでは、ユーザが、情報処理装置10の表示操作部13を操作して、対象キーコード(余剰データの取り除き処理の対象となる特定の文字データ(特定の文字列のパターンデータを含む))の指定を行った場合に、情報処理装置10が、対象キーコードを画像形成装置20に通知するものとする。
例えば、情報処理システム1は、ユーザが、情報処理装置10の表示操作部13を操作して、プリンタドライバの対象キーコードの設定画面601(図26参照)で対象キーコード(余剰データの取り除き処理の対象となる特定の文字データ(特定の文字列のパターンデータを含む))の指定を行った場合に、情報処理装置10の対象指定部11eが、対象キーコードを記憶部12に一旦登録する。なお、図26は、対象キーコードを設定する場合の設定画面の一例を示す図である。図26に示す例では、文字「>」が対象キーコードの候補として入力欄に入力されており、ユーザが「登録」ボタンを押下することにより、文字「>」が対象キーコードとして指定される。このとき、情報処理装置10の対象指定部11eが、指定された対象キーコードを記憶部12に一旦登録する。
この後、情報処理システム1は、印刷時に(又は、印刷時よりも前に)、情報処理装置10の主制御部11aが、記憶部12から対象キーコードを読み出して、画像形成装置20に送信する。なお、情報処理装置10から画像形成装置20への対象キーコードの送信は、対象キーコードを印刷ジョブデータの中に含ませることによって行うようにしてもよい。これに応答して、画像形成装置20の対象指定部21eが、対象キーコードを記憶部22に登録する。
なお、ユーザが、画像形成装置20の表示操作部23を操作して、対象キーコード(余剰データの取り除き処理の対象となる特定の文字データ(特定の文字列のパターンデータを含む))の登録を行った場合は、画像形成装置20の対象指定部21eが、対象キーコードを記憶部22に登録する。
以下、前記した通り、画像形成装置20が、情報処理装置10から印刷ジョブデータを受信した場合で、その印刷ジョブデータに含まれている画像データに対して、余剰データの取り除き処理を行うときの動作を説明する。
画像形成装置20は、通信制御部21hが、情報処理装置10から印刷ジョブデータを受信すると、印刷ジョブデータを記憶部22に一旦格納する。そして、編集部21gが、記憶部22から印刷ジョブデータを読み出し、印刷ジョブデータを解析して、画像データを取得し、取得した画像データを記憶部22に一旦格納する。これにより、画像形成装置20は、余剰データの取り除き処理として、図4Aに示す一連のルーチンの処理を開始する。
図4Aに示すように、まず、画像形成装置20は、主制御部21aが、「節約モード」機能が画像データ(又は、画像形成装置20)に対して設定されているか否かを判定する(S105)。
このとき、主制御部21aは、「節約モード」機能のオンを指定する設定データが印刷ジョブデータの中に含まれている場合に、「節約モード」機能が設定されていると判定し、一方、「節約モード」機能のオンを指定する設定データが印刷ジョブデータの中に含まれていない場合(又は、「節約モード」機能のオフを指定する設定データが印刷ジョブデータの中に含まれている場合)に、「節約モード」機能が設定されていないと判定する。
S105の判定で、「節約モード」機能が設定されていると判定された場合(“Yes”の場合)に、処理はS110に進む。一方、「節約モード」機能が設定されていないと判定された場合(“No”の場合)に、処理は終了する。この場合に、画像形成装置20は、節約を行わない、通常モードで、画像を印刷する。
S105の判定で、「節約モード」機能が設定されていると判定された場合(“Yes”の場合)に、対象判定部21fが、対象キーコード(余剰データの取り除き処理の対象となる特定の文字データ(特定の文字列のパターンデータを含む))の登録があるか否かを判定する(S110)。
S110の判定で、対象キーコードが記憶部22に登録されていると判定された場合(“Yes”の場合)に、処理はS115に進む。一方、対象キーコードが記憶部22に登録されていないと判定された場合(“No”の場合)に、処理は終了する。この場合に、画像形成装置20は、節約を行わない、通常モードで、画像を印刷する。
S110の判定で、対象キーコードが記憶部22に登録されていると判定された場合(“Yes”の場合)に、以下のようにして、対象判定部21fが、画像データ(ここでは、文書データの画像データ)を構成する各行の行データに対して、編集対象データが含まれているか否かを判定する。
例えば、S110の判定で、対象キーコードが記憶部22に登録されていると判定された場合(“Yes”の場合)に、まず、対象判定部21fが、記憶部22から画像データの先頭行の行データを読み出す(S115)。
次に、対象判定部21fが、読み出された行データ(すなわち、処理中の行データ)に対して、対象キーコードが検出されるか否かを判定する(S120)。S120の判定で、対象キーコードが検出されたと判定された場合(“Yes”の場合)に、処理中の行データは編集対象データを含む可能性のある行データであるので、処理は、S125に進む。一方、S120の判定で、対象キーコードが検出されていないと判定された場合(“No”の場合)に、処理中の行データは編集対象データを含む可能性のない対象外の行データであるので、処理は、S135に進む。
S120の判定で、対象キーコードが検出されたと判定された場合(“Yes”の場合)に、対象判定部21fが、対象キーコードが検出された処理中の行データに対して、対象キーコードの後に空白領域が連続するか否かを判定する(S125)。
なお、対象キーコードと空白領域データとの組み合わせパターンは、前記した通り、図5に示す構造パターン1〜構造パターン5のいずれかに該当する。構造パターン1〜構造パターン5は、記憶部22に予め記憶された制御プログラムによって規定されている。対象判定部21fは、その制御プログラムに基づいて、処理中の行データに対して、構造パターン1〜構造パターン5のいずれかのパターンに該当するデータの検出処理を行う。
S125の判定で、対象キーコードの後に空白領域が連続すると判定された場合(“Yes”の場合)に、処理中の行データは編集対象データを含む可能性のある行データであるので、処理は、S130に進む。一方、S125の判定で、対象キーコードの後に空白領域が連続しないと判定された場合(“No”の場合)に、処理中の行データは編集対象データを含む可能性のない対象外の行データであるので、処理は、S135に進む。
S125の判定で、対象キーコードの後に空白領域が連続すると判定された場合(“Yes”の場合)に、処理中の行データは編集対象データを含む該当行の行データであるので、編集部21gの削除実行部21gaが、処理中の行データを行単位で画像データから削除する(S130)。このようにして、画像形成装置20は、余剰データとしての編集対象データの削除処理を行い、その結果、画像データが見易くなるように、画像データの調整を行うことができる。
また、S120の判定で、対象キーコードが検出されていないと判定された場合(“No”の場合)、又は、S125の判定で、対象キーコードの後に空白領域が連続しないと判定された場合(“No”の場合)、又は、S130の後に、対象判定部21fが、記憶部22から画像データの次の行データを読み出す(S135)。
そして、対象判定部21fは、行データが終了したか否か(最終行の行データの読み出しが終了したか否か)を判定する(S140)。S140の判定で、行データが終了した(最終行の行データの読み出しが終了した)と判定された場合(“Yes”の場合)に、処理は、終了する。一方、S140の判定で、行データが終了していない(最終行の行データの読み出しが終了していない)と判定された場合(“No”の場合)に、処理は、S120に戻る。その結果、この場合に、画像形成装置20は、S120〜S140の処理を繰り返す。
このようにして、情報処理システム1は、画像データに対する余剰データの取り除き処理を行う。これにより、情報処理システム1は、例えば、図6及び図7に一例として示す処理を行うことができる。
図6は、実施形態1に係る情報処理システムの処理例を示す図である。図6(a)は、余剰データの取り除き処理を行う前(以下、「処理前」と称する)の印刷サンプルデータ111Aとその構成内容を表す画像データテーブル121Aとを示している。また、図6(b)は、処理前の印刷サンプルデータ(ここでは、印刷サンプルデータ111A)に対して余剰データの取り除き処理を行った後(以下、「処理後」と称する)の処理結果データ111Bとその構成内容を表す画像データテーブル121Bとを示している。
なお、「画像データテーブル」は、対応する画像データ(ここでは、印刷サンプルデータ又は処理結果データ)の各行にデータが存在するか否かを、また、データが存在する場合に、そのデータはどのような種類(例えば、文字やパターン等)のデータであるのかを示している。
図6に示す例では、処理後の処理結果データ111Bは、処理前の印刷サンプルデータ111Aと比較すると、図6(a)に示す画像データテーブル121Aの「No.4」の2行分のデータと「No.6」の1行分のデータとが削除されている。
また、図7は、実施形態1に係る情報処理システムの処理例を示す図である。図7(a)は、処理前の印刷サンプルデータ112Aとその構成内容を表す画像データテーブル122Aとを示している。また、図7(b)は、処理後の処理結果データ112Bとその構成内容を表す画像データテーブル122Bとを示している。
図7に示す例では、処理後の処理結果データ112Bは、処理前の印刷サンプルデータ112Aと比較すると、図7(a)に示す画像データテーブル122Aの「No.4」の2行分のデータが削除されている。
このように、情報処理システム1は、図4Aに示すフローに沿って、画像データに対して、余剰データの取り除き処理を行うことにより、印刷される画像データのデータ量自体を削減することができる。そのため、情報処理システム1は、使用する印刷媒体(紙)の資源を従来の情報処理システムよりも節約することができる。また、情報処理システム1は、印刷媒体だけでなく、現像剤(トナー)や電力等の資源を節約することができる。
また、印刷された画像は、余剰データが取り除かれているため、見易い構成になっている。そのため、情報処理システム1は、ユーザにとって見易い画像を印刷することができる。
<情報処理システムの動作の変形例>
情報処理システム1は、対象キーコード「>」に対して、その後の領域だけでなく、その前の領域も、編集対象データの検出の対象にすることにより、余剰データの取り除き処理の効率を向上させることができる。例えば、空白領域が対象キーコード「>」の後だけでなく前にも存在する該当行は、無駄な空白行である可能性が高い。そこで、ここでは、情報処理システム1がそのような該当行を重点的に画像データから取り除くことができるように、その動作の一部を変更した例を示す。
以下、図4Bを参照して、本実施形態1に係る情報処理システム1の動作の変更例につき説明する。図4Bは、実施形態1に係る情報処理システムの動作の変更例を示すフローチャートである。
図4Bに示す変形例のフローは、図4Aに示すフローと比較すると、図4Aに示すS125の処理(「(対象キーコードの)後に空白領域が連続するか?」の判定処理)の代わりに、S126の処理及びS127の処理を行う点で、相違している。
すなわち、図4Bに示すように、変形例のフローでは、S120の判定で、対象キーコードが検出されたと判定された場合(“Yes”の場合)に、対象判定部21fが、対象キーコードが検出された処理中の行データに対して、対象キーコードの後が改行コードのみ又は空白領域データと改行コードとが組み合わされたデータであるか否かを判定する(S126)。
S126の判定で、対象キーコードの後が改行コードのみ又は空白領域データと改行コードとが組み合わされたデータであると判定された場合(“Yes”の場合)に、処理中の行データは編集対象を含む可能性のある行データであるので、処理は、S130に進む。一方、S126の判定で、対象キーコードの後が改行コードのみ又は空白領域データと改行コードとが組み合わされたデータでないと判定された場合(“No”の場合)に、処理は、S127に進む。
S126の判定で、対象キーコードの後が改行コードのみ又は空白領域データと改行コードとが組み合わされたデータでないと判定された場合(“No”の場合)に、対象判定部21fは、さらに、対象キーコードが検出された処理中の行データに対して、対象キーコードの前が空白領域であるか否かを判定する(S127)。
S127の判定で、対象キーコードの前が空白領域であると判定された場合(“Yes”の場合)に、処理中の行データは編集対象データを含む可能性のある行データであるので、処理は、S130に進む。一方、S127の判定で、対象キーコードの前が空白領域でないと判定された場合(“No”の場合)に、処理中の行データは編集対象データを含む可能性のない対象外の行データであるので、処理は、S135に進む。
これにより、情報処理システム1は、空白領域が対象キーコード「>」の後だけでなく前にも存在する該当行を重点的に画像データから取り除くことができる。そのため、例えば、情報処理システム1は、図8に一例として示す処理を行うことができる。
図8は、実施形態1に係る情報処理システムの処理例を示す図である。図8(a)は、処理前の印刷サンプルデータ113Aとその構成内容を表す画像データテーブル123Aとを示している。また、図8(b)は、処理後の処理結果データ113Bとその構成内容を表す画像データテーブル123Bとを示している。
図8に示す例では、処理後の処理結果データ113Bは、処理前の印刷サンプルデータ113Aと比較すると、図8(a)に示す画像データテーブル123Aの「No.3」の10行分のデータが削除されている。
なお、画像データは、アプリケーションプログラムや情報処理装置10の互換性の問題により、また、情報処理システム1やプリンタドライバ、I/Fによって何らかの整合データが追加されることにより、行のインデント(文字の印字開始位置)がずれることがある。インデント(文字の印字開始位置)がずれた行は、見難い構成になっている。そこで、情報処理システム1は、このような場合に、対象キーコードとそれ以外が空白領域データという組み合わせのパターンデータを編集対象データとすることにより、インデントがずれた行データを取り除くことができる。
例えば、情報処理システム1は、図9A及び図9Bに一例として示す処理を行うことができる。図9A及び図9Bは、それぞれ、実施形態1に係る情報処理システムの処理例を示す図である。図9Aは、処理前の印刷サンプルデータ114Aとその構成内容を表す画像データテーブル124Aとを示している。また、図9Bは、処理後の処理結果データ114Bとその構成内容を表す画像データテーブル124Bとを示している。
図9A及び図9Bに示す例では、処理後の処理結果データ114B(図9B参照)は、処理前の印刷サンプルデータ114A(図9B参照)と比較すると、図9Aに示す画像データテーブル124Aの「No.5」の2行分のデータと「No.6」の2行分のデータと「No.7」の2行分のデータと「No.9」の6行分のデータとが削除されている。
図9Aに示すように、処理前の印刷サンプルデータ114Aは、返信の繰り返しにより、記号「>」が追加されており、また、記号「>」と空白領域データとの組み合わせのみからなる行を複数含み、さらに、一部の行で、行のインデント(文字の印字開始位置)がずれた構成になっていた。そのため、多数の余剰データが発生していた。
これに対して、図9Bに示すように、処理後の処理結果データ114Bは、余剰データが大幅に削減されている。図9A及び図9Bに示す例では、情報処理システム1は、1ページのうち約30%以上の行データを、余剰データとなる編集対象データとして削減することができる。
このように、情報処理システム1は、図4Bに示すフローに沿って、画像データに対して、余剰データの取り除き処理を行うことにより、印刷される画像データのデータ量自体をさらに効率よく削減することができる。そのため、情報処理システム1は、使用する印刷媒体(紙)の資源を図4Aに示すフローの動作時よりもさらに効率よく節約することができる。また、情報処理システム1は、印刷媒体だけでなく、現像剤(トナー)や電力等の資源をさらに効率よく節約することができる。
なお、情報処理システム1は、画像データが複数ページ分ある場合に、次ページ以降の画像データを前ページの画像データにリンクさせることができる。情報処理システム1は、次ページ以降の画像データを前ページの空いた領域に連結させることにより、複数ページ分の画像データを1ページに集約させることができる。
このような処理(以下、「集約処理」と称する)は、例えば、以下のようにして、実現することができる。情報処理システム1は、複数ページ分の画像データに対して、図4A又は図4Bに示すルーチンの処理を行い、これによって取得される処理後の画像データを記憶部22(又は、記憶部12)に記憶する。そして、情報処理システム1は、複数ページ分の画像データに対する図4A又は図4Bに示すルーチンの処理が終了すると、編集部21g(又は、編集部11g)が、記憶部22(又は、記憶部12)から処理後の複数ページ分の画像データを読み出して、処理後の複数ページ分の画像データを互いにリンクさせる。これにより、前記した集約処理が、実現される。
例えば、情報処理システム1は、図10に一例として示す処理を行うことができる。図10は、実施形態1に係る情報処理システムの処理例を示す図である。図10は、情報処理システム1が、3ページ分の処理前の印刷サンプルデータ(ここでは、基データファイル115A,115B,115C)に対して、余剰データの取り除き処理として該当行の削除処理を行うことにより、3ページ分の処理前の印刷サンプルデータを1ページ分の処理後の処理結果データ(ここでは、実行結果画像データ125A)に集約させていることを示している。これにより、図10に示す例では、情報処理システム1は、2ページ分の印刷に要する資源を節約することができる。したがって、情報処理システム1は、印刷ジョブデータ全体で大きな資源の節約効果を得ることができる。
なお、本実施形態1では、取り扱う画像データが複数の人物の間で送信及び受信された電子メールの画像データでかつ過去の文章を含む構成になっており、その画像データの過去の文章の中から余剰データとなる空白領域データを取り除く場合を想定して説明している。しかしながら、余剰データの取り除き処理は、この場合に限定されない。
例えば、情報処理システム1は、ユーザ専用のシステムによって生成された特定のフォーマットを印刷する場合や、あるアプリケーションプログラムが作成したデータを種類の異なるデータへの変換する場合(例えば、Excel(登録商標)等によって作成された表計算データをWord(登録商標)等で閲覧可能な文書データに変換する場合)がある。このような場合に、空白領域データや、互換性ノイズ等に起因する不要な文字データが、使用されるデータの中に混入するときがある。これらの空白領域データや不要な文字データは、余剰データとなる。
情報処理システム1は、ユーザがこれらの空白領域データや不要な文字データを予め想定して対象キーコード(又は、編集対象データ)として情報処理システム1に予め登録しておき、図4A又は図4Bに示す余剰データの取り除き処理を行うことにより、これらの空白領域データや不要な文字データを削除することができる。情報処理システム1は、この場合にも、同様に、印刷ジョブデータ全体で大きな資源の削減効果を得ることができる。
なお、情報処理システム1は、過去の文章の中から空白領域データを取り除く動作を行う場合とこれ以外の動作を行う場合とで、対象判定部11f又は21fの動作が以下のように変わる。
情報処理システム1は、過去の文章の中から空白領域データを取り除く動作を行う場合に、過去の文章の部分に付与された記号「>」が特定の文字として指定される。そのため、対象判定部11f又は21fは、その記号「>」を対象キーコードとし、対象キーコード「>」と空白領域データとを自動的に組み合わせることによって編集対象データを特定し、編集対象データが行データの中に含まれているか否かを判定する。
これに対して、情報処理システム1は、過去の文章の中から空白領域データを取り除く以外の動作を行う場合に、記号「>」以外の文字(記号を含む)が特定の文字として指定される。この場合に、対象判定部11f又は21fは、制御プログラムによって特に規定されていなければ、指定された特定の文字を編集対象データと見なし、その編集対象データとしての指定された特定の文字が行データの中に含まれているか否かを判定する。
このような情報処理システム1は、ユーザによって不要な部分と判断された特定の文字データ(特定の文字列のパターンデータを含む)が対象キーコードとして予め設定されることにより、対象キーコードに基づいて、編集対象データを特定し、余剰データとなる編集対象データを検出することができる。そのため、情報処理システム1は、ユーザにとって不要な余剰データを取り除くことができる。
これにより、情報処理システム1は、例えば、印刷時に、印刷される画像データのデータ量自体を削減することができる。そのため、情報処理システム1は、使用する印刷媒体(紙)の資源を従来の情報処理システムよりも節約することができる。また、情報処理システム1は、印刷媒体だけでなく、現像剤(トナー)や電力等の資源を節約することができる。また、印刷された画像は、余剰データが取り除かれているため、見易い構成になっている。そのため、情報処理システム1は、ユーザにとって見易い画像を印刷することができる。
以上の通り、実施形態1に係る情報処理システム1によれば、ユーザにとって余剰なデータを取り除くことができる。そのため、情報処理システム1によれば、使用する印刷媒体(紙)を従来の情報処理システムよりも節約することができるとともに、印刷媒体(紙)だけでなく、現像剤(トナー)や電力等の資源を従来の情報処理システムよりも節約することができる。また、情報処理システム1によれば、ユーザにとって見易い画像を印刷することができる。
[実施形態2]
本実施形態2に係る情報処理システム1Bは、実施形態1に係る情報処理システム1と比較すると、余剰データとなる編集対象データが含まれている該当行に対し、対象キーコードのみを残して、空白領域データを削除することにより、該当行のデータサイズを縮約する点で相違している。
以下、図11及び図12を参照して、本実施形態2に係る情報処理システム1Bの構成につき説明する。図11は、実施形態2に係る情報処理装置10Bの構成を示す図である。図12は、実施形態2に係る画像形成装置20Bの構成を示す図である。
情報処理装置10Bは、実施形態1に係る情報処理装置10と同様に、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やサーバ等の、画像形成装置20Bの上位装置である。情報処理装置10Bは、実施形態1に係る情報処理装置10(図2参照)と比較すると、実施形態1に係る編集部11gの代わりに、編集部11Bgを備えている点で相違している。
編集部11Bgは、実施形態1に係る編集部11gと同様に、画像データを編集する機能手段である。編集部11Bgは、実施形態1に係る編集部11gと同様に、対象判定部11fによって編集対象データが含まれていると判定された該当行の行データに対して、余剰データの取り除き処理を行う。ただし、編集部11Bgは、実施形態1に係る編集部11gと比較すると、実施形態1に係る編集部11gが削除実行部11gaを備えているのに対し、縮約実行部11Bgaを備えている点で相違している。
縮約実行部11Bgaは、余剰データとなる編集対象データが含まれている該当行に対して、対象キーコードのみを残して、空白領域データを削除する機能手段である。縮約実行部11Bgaは、画像データに対する余剰データの取り除き処理時に、このような処理を行うことにより、該当行のデータサイズを縮約する。なお、縮約実行部11Bgaは、空白領域データの削除処理が繰り返し行われる場合に、2回目以降の削除処理では、前行の改行コードも削除する。
画像形成装置20Bは、実施形態1に係る画像形成装置20と同様に、例えば、プリンタや、マルチファンクションプリンタ(MFP)、複写機等の、画像データに基づいて、印刷する装置である。画像形成装置20Bは、実施形態1に係る画像形成装置20(図3参照)と比較すると、実施形態1に係る編集部21gの代わりに、編集部21Bgを備えている点で相違している。
編集部21Bgは、実施形態1に係る編集部21gと同様に、画像データを編集する機能手段である。編集部21Bgは、実施形態1に係る編集部21gと同様に、対象判定部21fによって編集対象データが含まれていると判定された該当行の行データに対して、余剰データの取り除き処理を行う。ただし、編集部21Bgは、実施形態1に係る編集部21gと比較すると、実施形態1に係る編集部21gが削除実行部21gaを備えているのに対し、縮約実行部21Bgaを備えている点で相違している。
縮約実行部21Bgaは、余剰データとなる編集対象データが含まれている該当行に対して、対象キーコードのみを残して、空白領域データを削除する機能手段である。縮約実行部21Bgaは、画像データに対する余剰データの取り除き処理時に、このような処理を行うことにより、該当行のデータサイズを縮約する。なお、縮約実行部21Bgaは、空白領域データの削除処理が繰り返し行われる場合に、2回目以降の削除処理では、前行の改行コードも削除する。
係る構成において、情報処理システム1Bは、画像データの画像を印刷する場合に、情報処理装置10B及び画像形成装置20Bのいずれか一方で、画像データに対して、余剰データの取り除き処理として縮約処理を行う。
なお、情報処理装置10Bの余剰データの取り除き手段(対象指定部11e、対象判定部11f、及び、編集部11Bg)と、画像形成装置20Bの余剰データの取り除き手段(対象指定部21e、対象判定部21f、及び、編集部21Bg)とは、同じ機能を果たす。そのため、実施形態2に係る「余剰データの取り除き処理」は、情報処理装置10B及び画像形成装置20Bのどちらで行ってもよい。
また、余剰データの取り除き手段は、同等の機能を実現することができれば、情報処理装置と画像形成装置との間で、又は、これらに加え、図示せぬ機能手段との間で、処理を分担して行うようにしてもよい。したがって、情報処理システム1Bの構成は、図11及び図12に示す構成に限定されない。
以下、図13を参照して、本実施形態2に係る情報処理システム1Bの動作につき説明する。図13は、実施形態2に係る情報処理システム1Bの動作を示すフローチャートである。
図13に示すように、本実施形態2に係る情報処理システム1Bの動作は、実施形態1に係る情報処理システム1の動作(図4B参照)と比較すると、実施形態1に係る情報処理システム1がS130の処理を行うのに対し、S130の処理の代わりに、S131の処理を行う点で相違している。
すなわち、図13に示すように、本実施形態2に係る情報処理システム1Bは、S126の判定で、対象キーコードの後が改行コードのみ又は空白領域データと改行コードとが組み合わされたデータであると判定された場合(“Yes”の場合)、又は、S127の判定で、対象キーコードの前が空白領域データであると判定された場合(“Yes”の場合)に、編集部21Bgの縮約実行部21Bgaが、余剰データとなる編集対象データがある処理中の行データに対して、対象キーコードのみを残して、空白領域データを削除する。これにより、縮約実行部21Bgaは、処理中の行データのデータサイズを縮約する(S131)。
なお、このとき、縮約処理が前の行から連続していれば、縮約実行部21Bgaは、前の行の改行コードも削除する。例えば、空白領域データの削除処理が繰り返し行われる場合に、縮約実行部21Bgaは、2回目以降の削除処理では、前行の改行コードも削除する。
これにより、情報処理システム1Bは、余剰データとなる編集対象データが含まれている該当行のデータサイズを縮約することができる。しかも、情報処理システム1Bは、対象キーコードが縮約された領域に残るように、余剰データを取り除くため、縮約された該当行の数(すなわち、縮約された領域の中で検出された対象キーコードの数)がいくつであるのかをユーザに知らせることができる。例えば、情報処理システム1Bは、図14に一例として示す処理を行うことができる。
図14は、実施形態2に係る情報処理システムの処理例を示す図である。図14(a)は、処理前の印刷サンプルデータ211Aとその構成内容を表す画像データテーブル221Aとを示している。また、図14(b)は、処理後の処理結果データ211Bとその構成内容を表す画像データテーブル221Bとを示している。
図14に示す例では、処理後の処理結果データ211Bは、処理前の印刷サンプルデータ211Aと比較すると、図14(a)に示す画像データテーブル221Aの「No.4」の2行分のデータと「No.6」の4行分のデータとが縮約されている。
なお、情報処理システム1Bは、図13のS131の処理(「縮約が前行から連続していれば、前行からの改行を削除する」の処理)を変更すれば、図15に示す処理結果データ211Baを得ることも可能である。図15は、実施形態2に係る情報処理システムの処理例を示す図である。
図15は、図14(a)に示す処理前の印刷サンプル211Aに対して、変更例に係る縮約処理を行った結果得られた処理結果データ211Baの構成を示している。ここでは、情報処理システム1Bは、変更例に係る縮約処理として、図14(a)に示す処理前の印刷サンプルデータ211Aの縮約処理の対象となる領域に対して、その領域の中の対象キーコードの数をカウントし、その領域の中の対象キーコードを、対象キーコードとカウントされた数データとを組み合わせたパターンデータに変換する処理を行っている。
図14(a)及び図15に示す例では、処理後の処理結果データ211Ba(図15参照)は、処理前の印刷サンプルデータ211A(図14(a)参照)と比較すると、図14(a)に示す画像データテーブル221Aの「No.4」の2行分のデータが「>*2」と表記されることによって1つの行に縮約(凝縮)され、また、「No.6」の4行分のデータが「>*4」と表記されることによって1つの行に縮約(凝縮)されている。
このような情報処理システム1Bは、例えば、図16A及び図16Bに一例として示す処理を行うことができる。図16A及び図16Bは、それぞれ、実施形態2に係る情報処理システムの処理例を示す図である。図16Aは、処理前の印刷サンプルデータ214Aとその構成内容を表す画像データテーブル224Aとを示している。また、図16Bは、処理後の処理結果データ214Bとその構成内容を表す画像データテーブル224Bとを示している。
図16A及び図16Bに示す例では、処理後の処理結果データ214B(図16B参照)は、処理前の印刷サンプルデータ214A(図16A参照)と比較すると、図16Aに示す画像データテーブル224Aの「No.6」の8行分のデータと「No.8」の2行分のデータとが縮約されている。
図16Aに示すように、処理前の印刷サンプルデータ214Aは、返信の繰り返しにより、記号「>」が追加されており、また、記号「>」と空白領域データとの組み合わせのみからなる行を複数含む構成になっている。そのため、多数の余剰データが発生していた。
これに対して、図16Bに示すように、処理後の処理結果データ214Bは、余剰データが大幅に削減されている。図16A及び図16Bに示す例では、情報処理システム1Bは、1ページのうち約30%以上の行データを、余剰データとなる編集対象データとして削減することができる。
なお、情報処理システム1Bは、実施形態1に係る情報処理システム1と同様に、画像データが複数ページ分ある場合に、次ページ以降の画像データを前ページの画像データにリンクさせることができる。これにより、情報処理システム1Bは、次ページ以降の画像データを前ページの空いた領域に連結させることにより、複数ページ分の画像データを1ページに集約させることができる。
例えば、情報処理システム1Bは、図17に一例として示す処理を行うことができる。図17は、実施形態2に係る情報処理システムの処理例を示す図である。図17は、情報処理システム1Bが、3ページ分の処理前の印刷サンプルデータ(ここでは、基データファイル215A,215B,215C)に対して、余剰データの取り除き処理として該当行の縮約処理を行うことにより、3ページ分の処理前の印刷サンプルデータを1ページ分の処理後の処理結果データ(ここでは、実行結果画像データ225A)に集約させていることを示している。これにより、図17に示す例では、情報処理システム1Bは、2ページ分の印刷に要する資源を節約することができる。したがって、情報処理システム1Bは、印刷ジョブデータ全体で大きな資源の節約効果を得ることができる。
このような情報処理システム1Bは、実施形態1に係る情報処理システム1と同様に、空白領域データを含む、ユーザにとって不要な余剰データを取り除くことができる。これにより、情報処理システム1Bは、例えば、印刷時に、印刷される画像データのデータ量自体を削減することができる。そのため、情報処理システム1Bは、実施形態1に係る情報処理システム1と同様に、使用する印刷媒体(紙)の資源を従来の情報処理システムよりも節約することができる。また、情報処理システム1Bは、印刷媒体だけでなく、現像剤(トナー)や電力等の資源を節約することができる。
また、印刷された画像は、余剰データが取り除かれているため、見易い構成になっている。しかも、情報処理システム1Bは、対象キーコードが縮約された領域に残るように、余剰データを取り除くため、縮約された該当行の数(すなわち、縮約された領域の中で検出された対象キーコードの数)がいくつであるのかをユーザに知らせることができる。そのため、情報処理システム1Bは、ユーザにとって見易い画像を印刷することができる。
以上の通り、実施形態2に係る情報処理システム1Bによれば、実施形態1に係る情報処理システム1と同様に、ユーザにとって余剰なデータを取り除くことができる。そのため、情報処理システム1Bによれば、使用する印刷媒体(紙)を従来の情報処理システムよりも節約することができるとともに、印刷媒体(紙)だけでなく、現像剤(トナー)や電力等の資源を従来の情報処理システムよりも節約することができる。また、情報処理システム1Bによれば、ユーザにとって見易い画像を印刷することができる。しかも、情報処理システム1Bによれば、縮約された該当行の数(すなわち、縮約された領域の中で検出された対象キーコードの数)がいくつであるのかをユーザに知らせることができる。
[実施形態3]
本実施形態3に係る情報処理システム1Cは、実施形態1に係る情報処理システム1と比較すると、対象キーコードを複数設定することができるとともに、各対象キーコードに関連して、編集対象データの定義を拡張させる拡張修飾語を設定することができる構成になっている点で相違している。
以下、図18及び図19を参照して、本実施形態3に係る情報処理システム1Cの構成につき説明する。図18は、実施形態3に係る情報処理装置10Cの構成を示す図である。図19は、実施形態3に係る画像形成装置20Cの構成を示す図である。
情報処理装置10Cは、実施形態1に係る情報処理装置10と同様に、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やサーバ等の、画像形成装置20Cの上位装置である。情報処理装置10Cは、実施形態1に係る情報処理装置10(図2参照)と比較すると、実施形態1に係る対象指定部11e及び対象判定部11fの代わりに、対象指定部11Ce及び対象判定部11Cfを備えている点で相違している。
対象指定部11Ceは、実施形態1に係る対象指定部11eと同様に、ユーザによって指定される特定の文字(特定の文字列のパターンを含む)を受け付ける機能手段である。ただし、対象指定部11Ceは、実施形態1に係る対象指定部11eと比較すると、対象キーコードを複数設定することができるとともに、各対象キーコードに関連して、編集対象データの定義を拡張させる拡張修飾語を設定することができる点で相違している。
対象判定部11Cfは、実施形態1に係る対象判定部11fと同様に、画像データ(ここでは、文書データの画像データ)を構成する各行の行データに対して、編集対象データが含まれているか否かを判定する機能手段である。ただし、対象判定部11Cfは、実施形態1に係る対象判定部11fと比較すると、実施形態1に係る対象判定部11fが対象指定部11eによって指定される1つの対象キーコードに基づいて、余剰データとなる編集対象データを検出するのに対し、本実施形態3に係る対象指定部11Ceによって設定される1乃至複数の対象キーコード及び各対象キーコードに関連して設定される拡張修飾語の双方を条件データとし、その条件データに基づいて、余剰データとなる編集対象データを検出する点で相違している。
画像形成装置20Cは、実施形態1に係る画像形成装置20と同様に、例えば、プリンタや、マルチファンクションプリンタ(MFP)、複写機等の、画像データに基づいて、印刷する装置である。画像形成装置20Cは、実施形態1に係る画像形成装置20(図3参照)と比較すると、実施形態1に係る対象指定部21e及び対象判定部21fの代わりに、対象指定部21Ce及び対象判定部21Cfを備えている点で相違している。
対象指定部21Ceは、実施形態1に係る対象指定部21eと同様に、ユーザによって指定される特定の文字(特定の文字列のパターンを含む)を受け付ける機能手段である。ただし、対象指定部21Ceは、実施形態1に係る対象指定部21eと比較すると、対象キーコードを複数設定することができるとともに、各対象キーコードに関連して、編集対象データの定義を拡張させる拡張修飾語を設定することができる点で相違している。
対象判定部21Cfは、実施形態1に係る対象判定部21fと同様に、画像データ(ここでは、文書データの画像データ)を構成する各行の行データに対して、編集対象データが含まれているか否かを判定する機能手段である。ただし、対象判定部21Cfは、実施形態1に係る対象判定部21fと比較すると、実施形態1に係る対象判定部21fが対象指定部21eによって指定される1つの対象キーコードに基づいて、余剰データとなる編集対象データを検出するのに対し、本実施形態3に係る対象指定部21Ceによって設定される1乃至複数の対象キーコード及び各対象キーコードに関連して設定される拡張修飾語の双方を条件データとし、その条件データに基づいて、余剰データとなる編集対象データを検出する点で相違している。
係る構成において、情報処理システム1Cは、画像データの画像を印刷する場合に、情報処理装置10C及び画像形成装置20Cのいずれか一方で、画像データに対して、余剰データの取り除き処理として削除処理を行う。
なお、情報処理装置10Cの余剰データの取り除き手段(対象指定部11Ce、対象判定部11Cf、及び、編集部11g)と、画像形成装置20Cの余剰データの取り除き手段(対象指定部21Ce、対象判定部21Cf、及び、編集部21g)とは、同じ機能を果たす。そのため、「余剰データの取り除き処理」は、情報処理装置10C及び画像形成装置20Cのどちらで行ってもよい。
また、余剰データの取り除き手段は、同等の機能を実現することができれば、情報処理装置と画像形成装置との間で、又は、これらに加え、図示せぬ機能手段との間で、処理を分担して行うようにしてもよい。したがって、情報処理システム1Cの構成は、図18及び図19に示す構成に限定されない。
実施形態1に係る情報処理システム1は、対象キーコードとして、1つの特定の文字データを設定する構成になっている。これに対して、本実施形態3に係る情報処理システム1Cは、例えば、図27に示すように、対象キーコードを複数設定することができるとともに、各対象キーコードに関連して、編集対象データの定義を拡張させる拡張修飾語を設定することができる構成になっている。図27は、実施形態3で用いる対象キーコードを設定する場合の設定画面の一例を示す図である。
ここでは、ユーザは、情報処理装置10Cのディスプレイ13aに表示されるプリンタドライバの対象キーコードの設定画面602で対象キーコード及び拡張修飾語を設定する場合を想定して説明する。ただし、ユーザは、画像形成装置20Cの表示操作部23を操作することによっても、対象キーコード及び拡張修飾語を設定することができる。
図27に示す例では、情報処理装置10Cのディスプレイ13aに表示されるプリンタドライバの対象キーコードの設定画面602は、各対象キーコードに関連して、編集対象データの定義を拡張させる定義データ(以下、「拡張修飾語」と称する)を設定することができる構成になっている。
対象指定部11Ceは、ユーザによって設定画面602で対象キーコードと拡張修飾語とが設定されると、対象キーコードと拡張修飾語とを記憶部12に登録する。なお、記憶部12に登録された対象キーコード及び拡張修飾語は、情報処理装置10Cから画像形成装置20Cに通知されて、画像形成装置20Cの記憶部22に登録される。情報処理システム1Cは、記憶部12又は22に登録された対象キーコードと拡張修飾語とが組み合わせられたデータを、該当行を検出する際の条件データとして用いる。
拡張修飾語は、例えば、「加算」を意味する記号「+」や、「論理積」を意味する文字「and」又は記号「&」、「論理和」を意味する文字「or」又は記号「|」、「不定1文字」を意味する記号「$」、「不定連続文字」を意味する記号「*」等によって表記された論理演算式を用いて設定することができる。
ここでは、例えば、鍵カッコ(「[」及び「]」)で「対象キーコード」を囲むことによって表記されるものとする。例えば、対象キーコードを「abc」とし、拡張修飾語を「xyz」とし、対象キーコードに関連する拡張修飾語を「abc又はxyz」と定義する場合に、対象キーコードに関連する拡張修飾語は、「[abc]or[xyz]」、又は、「[abc]|[xyz]」として表記される。
情報処理システム1Cは、対象キーコード及び拡張修飾語が設定されると、対象キーコードと拡張修飾語とが組み合わせられたデータを条件データとし、条件データに一致する該当行を検出し、その該当行に対して、余剰データの取り除き処理(ここでは、削除処理)を行う。
ここでは、情報処理システム1Cは、図21に示すように、「対象キーコード」の前後に、文字を伴わない、単独の「>」又は「>>」だけを含む行を削除する場合を想定して説明する。図21は、実施形態3に係る情報処理システムの処理例を示す図である。図21(a)は、処理前の印刷サンプルデータ311Aとその構成内容を表す画像データテーブル321Aとを示している。また、図21(b)は、処理後の処理結果データ311Bとその構成内容を表す画像データテーブル321Bとを示している。図21は、対象キーコード「>又は>>」と、対象キーコードに関連して設定された拡張修飾語との双方の条件に該当する編集対象データを含む該当行を削除する場合の例を示している。
ユーザは、図21に示す削除処理を情報処理システム1Cに行わせる場合に、事前に、例えば、プリンタドライバの対象キーコードの設定画面602(図27参照)で、対象キーコードとして「[>]or[>>]」を登録する。これにより、情報処理システム1Cは、余剰データとなる編集対象データを検出する際に用いる条件データの設定範囲を変更することができる。
なお、本実施形態3に係る情報処理システム1Cは、例えば、図28に示すように、さらに複雑な条件データを設定することができる構成にしてもよい。図28は、実施形態3で用いる対象キーコードを設定する場合の設定画面の一例を示す図である。図28に示す例では、プリンタドライバの対象キーコードの設定画面603は、拡張修飾語として、対象キーコードの前後のいずれか一方又は双方のスペース文字列の数を設定することができる構成になっている。なお、「スペース文字列の数」は、空白領域の大きさによって定義することもできる。
図28に示す例では、設定画面603は、上段の入力欄が対象キーコードの設定を行う欄になっており、下段の入力欄が対象キーコードに関連する拡張修飾語を設定する欄になっている。
設定画面603の上段の入力欄は、対象キーコードが設定される。なお、設定画面603は、図27に示す設定画面602と同様に、対象キーコードの設定を行う欄(上段の欄)で、対象キーコードと拡張修飾語とを設定することもできる。
また、設定画面603の下段の入力欄は、拡張修飾語として、対象キーコードの「前」と「後」とで、それぞれ、スペース文字列の数(空白領域の大きさ)を表す数値データが右側の入力欄で設定され、等号や不等号等の記号が左側の入力欄で設定される。
なお、拡張修飾語は、例えば、「等しい」を意味する記号「=」や、「等しくない」を意味する記号「≠」、「より大」を意味する記号「>」、「より小」を意味する記号「<」、「以上」を意味する記号「≧」、「以下」を意味する記号「≦」、「等しくない」を意味する記号「≠」等によって表記された、任意の数値に対する論理演算式を用いて設定することができる。設定画面603は、対象キーコード「>」に対する拡張修飾語として、対象キーコード「>」の前後の空白領域の文字数を設定することができる。これにより、情報処理システム1Cは、さらに、余剰データとなる編集対象データを検出する際に用いる条件データの設定範囲を細かく変更することができる。
以下、図20を参照して、本実施形態3に係る情報処理システム1Cの動作につき説明する。図20は、実施形態3に係る情報処理システム1Cの動作を示すフローチャートである。
図20に示すように、本実施形態3に係る情報処理システム1Cの動作は、実施形態1に係る情報処理システム1の動作(図4B参照)と比較すると、実施形態1に係る情報処理システム1がS126の処理及びS127の処理を行うのに対し、これらの処理の代わりに、S128の処理及びS129の処理を行う点で相違している。
すなわち、図20に示すように、本実施形態3に係る情報処理システム1Cは、S120の判定で、対象キーコードが検出されたと判定された場合(“Yes”の場合)に、対象判定部21Cfが、対象キーコードが検出された処理中の行データに対して、対象キーコードの後に空白領域が指定された数連続するか否かを判定する(S128)。
S128の判定で、対象キーコードの後に空白領域が指定された数連続すると判定された場合(“Yes”の場合)に、処理中の行データは編集対象を含む可能性のある行データであるので、処理は、S130に進む。一方、S128の判定で、対象キーコードの後に空白領域が指定された数連続していないと判定された場合(“No”の場合)に、処理は、S129に進む。
S129の判定で、対象キーコードの後に空白領域が指定された数連続していないと判定された場合(“No”の場合)に、対象判定部21Cfは、さらに、対象キーコードが検出された処理中の行データに対して、対象キーコードの前に空白領域が指定された数連続するか否かを判定する(S129)。
S129の判定で、対象キーコードの前に空白領域が指定された数連続すると判定された場合(“Yes”の場合)に、処理中の行データは編集対象を含む可能性のある行データであるので、処理は、S130に進む。一方、S129の判定で、対象キーコードの前に空白領域が指定された数連続していないと判定された場合(“No”の場合)に、処理中の行データは編集対象データを含む可能性のない対象外の行データであるので、処理は、S135に進む。
S128の判定で、対象キーコードの後に空白領域が指定された数連続すると判定された場合(“Yes”の場合)、又は、S129の判定で、対象キーコードの前に空白領域が指定された数連続すると判定された場合(“Yes”の場合)に、編集部21gの削除実行部21gaが、処理中の行データを削除する(S130)。
また、S120の判定で、対象キーコードが検出されていないと判定された場合(“No”の場合)、又は、S129の判定で、対象キーコードの前に空白領域が指定された数連続していないと判定された場合(“No”の場合)、又は、S130の後に、対象判定部21Cfが、記憶部22から画像データの次の行データを読み出す(S135)。
そして、対象判定部21Cfは、行データが終了したか否か(最終行の行データの読み出しが終了したか否か)を判定する(S140)。S140の判定で、行データが終了した(最終行の行データの読み出しが終了した)と判定された場合(“Yes”の場合)に、処理は、終了する。一方、S140の判定で、行データが終了していない(最終行の行データの読み出しが終了していない)と判定された場合(“No”の場合)に、処理は、S120に戻る。その結果、この場合に、画像形成装置20Cは、S120〜S140の処理を繰り返す。
このような情報処理システム1Cは、例えば、前記した図21に一例として示す処理を行うことができる。前記した通り、図21は、対象キーコード「>又は>>」(すなわち、対象キーコード「[>]or[>>]」)と、対象キーコードに関連して設定された拡張修飾語との双方の条件に該当する編集対象データを含む該当行を削除する場合の例を示している。
図21に示す例では、処理後の処理結果データ311Bは、処理前の印刷サンプルデータ311Aと比較すると、図21(a)に示す画像データテーブル321Aの「No.4」の2行分のデータと「No.5」の5行分のデータとが削除されている。
なお、S128及びS129の判定で用いられる、空白領域の指定された数は、空白領域としてのデータのサイズであってもよい。この場合に、S128及びS129の判定では、対象判定部21Cfは、空白領域として一定のサイズの領域が連続しているか否かを検出する。
例えば、情報処理システム1Cは、対象キーコードを記号「>」とし、対象キーコードの前の空白領域の文字数を「ゼロ」とし、対象キーコードの後の空白領域の文字数を「1」とし、これらの条件に該当する該当行を削除することもできる。
また、例えば、情報処理システム1Cは、図22に一例として示す処理を行うことができる。図22は、実施形態3に係る情報処理システムの処理例を示す図である。図22(a)は、処理前の印刷サンプルデータ312Aとその構成内容を表す画像データテーブル322Aとを示している。また、図22(b)は、処理後の処理結果データ312Bとその構成内容を表す画像データテーブル322Bとを示している。
実施形態1に係る情報処理システム1は、図4Aに示すフローに沿って、対象キーコードを含む行を削除する。しかしながら、実施形態1に係る情報処理システム1は、図22(a)に示す画像データテーブル322Aの「No.3」に対応する文字列データを含む行を、削除することができない。
これに対して、本実施形態3に係る情報処理システム1Cは、図27に示す設定画面602又は図28に示す設定画面603で設定される1乃至複数の対象キーコード及び各対象キーコードに関連して設定される拡張修飾語の双方を条件データとし、図20に示すフローに沿って、その条件データに該当する行を削除する。そのため、本実施形態3に係る情報処理システム1Cは、図22(a)に示す画像データテーブル322Aの「No.3」に対応する文字列データを含む行を、削除することができる。
なお、図22(a)に示す画像データテーブル322Aの「No.3」に対応する文字列データを含む行の検出は、例えば、対象キーコードに関連して、対象キーコードの前の空白領域の文字数を「ゼロ以上(「≧0」)」とし、対象キーコード後の空白領域の文字数を「ゼロ以上(「≧0」)」として拡張修飾語を設定することにより、実現することができる。
また、例えば、情報処理システム1Cは、図23に一例として示す処理を行うことができる。図23は、実施形態3に係る情報処理システムの処理例を示す図である。図23(a)は、処理前の印刷サンプルデータ313Aとその構成内容を表す画像データテーブル323Aとを示している。また、図23(b)は、処理後の処理結果データ313Bとその構成内容を表す画像データテーブル323Bとを示している。
図23に示す例では、処理後の処理結果データ313Bは、処理前の印刷サンプルデータ313Aと比較すると、図23(a)に示す画像データテーブル323Aの図形データを含む「No.3」の4行分のデータと、「No.4」の2行分のデータとが削除されている。
図23に示す例では、処理前の印刷サンプルデータ313Aは、対象キーコード「>」の後に図形を含む構成になっている。ユーザは、図形の削除を望む場合に、図27に示す設定画面602又は図28に示す設定画面603で図形を拡張修飾語として設定することができる。その結果、情報処理システム1Cは、図23(b)に示すように、画像データテーブル323Aの図形データを含む「No.3」の4行分のデータすることができる。
また、例えば、情報処理システム1Cは、図24A及び図24Bに一例として示す処理を行うことができる。図24A及び図24Bは、それぞれ、実施形態3に係る情報処理システムの処理例を示す図である。図24Aは、処理前の印刷サンプルデータ314Aとその構成内容を表す画像データテーブル324Aとを示している。また、図24Bは、処理後の処理結果データ314Bとその構成内容を表す画像データテーブル324Bとを示している。
図24Aに示す例では、処理後の処理結果データ314Bは、処理前の印刷サンプルデータ314Aと比較すると、図24Aに示す画像データテーブル324Aの「No.6」以降のデータが削除されている。すなわち、情報処理システム1Cは、インデントがずれた行の行データを削除している。
インデントがずれた行の検出は、例えば、対象キーコードを記号「>>」とし、対象キーコードの前の空白領域の文字数を「ゼロ以上(「≧0」)」とし、対象キーコードの後の空白領域の文字数を「ゼロ以上(「≧0」)」として拡張修飾語を設定することにより、実現することができる。
また、例えば、情報処理システム1Cは、図25A及び図25Bに一例として示す処理を行うことができる。図25A及び図25Bは、それぞれ、実施形態3に係る情報処理システムの処理例を示す図である。図25Aは、処理前の印刷サンプルデータ315Aとその構成内容を表す画像データテーブル325Aとを示している。また、図25Bは、処理後の処理結果データ315Bとその構成内容を表す画像データテーブル325Bとを示している。
図25Aに示す例では、処理後の処理結果データ315Bは、処理前の印刷サンプルデータ315Aと比較すると、図25Aに示す画像データテーブル325Aの「No.3」以降のデータが削除されている。すなわち、情報処理システム1Cは、過去の文書の部分を一括して削除している。
図25Aに示す例では、処理前の印刷サンプルデータ315Aは、過去の文書の中に、いくつかのアイデアに関するデータが含まれており、最新の文章の中に、そのアイデアに対する決定事項に関するデータが含まれる構成になっている。なお、ここでは、印刷サンプルデータ315Aは、次ページ以降も同様の構成になっているものとする。
ここで、例えば、ユーザは、決定事項に関するデータのみを印刷することを望む場合に、過去の文章が不要となる。このような場合に、情報処理システム1Cは、過去の文章を一括して削除することができる。
過去の文章の検出は、例えば、対象キーコードを記号「>」とし、対象キーコードの前の空白領域の文字数を「ゼロ以上(「≧0」)」とし、対象キーコードの後の空白領域の文字数を「ゼロ以上(「≧0」)」として拡張修飾語を設定することにより、実現することができる。
なお、情報処理システム1Cは、実施形態1に係る情報処理システム1と同様に、画像データが複数ページ分ある場合に、次ページ以降の画像データを前ページの画像データにリンクさせることができる。情報処理システム1Cは、次ページ以降の画像データを前ページの空いた領域に連結させることにより、複数ページ分の画像データを1ページに集約させることができる。図25Bに示す例では、処理結果データ315Bは、同様の削除処理が行われた次ページ以降の画像データが、前ページの空いた領域に連結させた構成となっている。このような情報処理システム1Cは、実施形態1に係る情報処理システム1と同様に、印刷ジョブデータ全体で大きな資源の節約効果を得ることができる。
なお、本実施形態3では、情報処理システム1Cは、ユーザが、余剰データとなる編集対象データの検出に用いる対象キーコードとして、任意の記号を設定している。このとき、ユーザは、当然ながら、図5に示す空白領域データの構成要素である「スペース」や「タブ」、「改行コード」等のデータを対象キーコードとして設定すれば、基データファイルに含まれる空白領域データを余剰データとなる編集対象データとして削除することができる。
なお、本実施形態3では、情報処理システム1Cは、情報処理装置10Cがプリンタドライバの対象キーコードの設定画面603(図28参照)をディスプレイ13aに表示し、ユーザがその設定画面603で対象キーコード及び拡張修飾語を設定している。しかしながら、情報処理システム1Cは、画像形成装置20Cがメニュー画面を表示操作部23に表示し、ユーザがそのメニュー画面から対象キーコード及び拡張修飾語を設定することもできる。
図29は、実施形態3で用いる表示操作部の一例を示す図である。図29は、表示操作部23としてのオペレータパネル701の構成を示している。図29に示す例では、オペレータパネル701は、上スクロールキー711、下スクロールキー712、確定キー713、戻りキー714、及び、テンキー715を備える構成となっている。
ユーザは、メニュー画面を見ながら、上スクロールキー711や、下スクロールキー712、テンキー715等を操作して、記号や、スペース、タブ、英数文字等を選択し、確定キー713を押下して、文字を確定する。このとき、ディスプレイに表示されたカーソルが右に移動する。なお、ユーザは、戻りキー714を押下することにより、カーソルを一文字分戻させることができる。ユーザは、規定文字数まで設定したら、確定キー713を押下して、設定する文字を確定させる。ユーザは、このようにして対象キーコードや拡張修飾語を設定することができる。
なお、オペレータパネル701は、対象キーコードや拡張修飾語を設定する場合に、各種の記号や、スペース、タブ、英数文字等を用いることができる。また、オペレータパネル701は、等号や不等号等を含む論理演算式を用いることができる。また、オペレータパネル701は、拡張修飾語として、空白領域の文字数を設定することができる。その文字数は、対象キーコードの前及び後のいずれか一方又は双方に関連付けて設定することができる。
画像形成装置20Cは、このようなオペレータパネル701があれば、対象キーコードや拡張修飾語を容易に設定することができる。なお、オペレータパネル701は、数個のスイッチしか備えていない構成であっても、メニュー画面の項目をスクロールさせたり、画面の階層を移動させたりすることにより、複雑な設定を行うこともできる。図30は、実施形態3で用いる画面の階層構造の一例を示す図である。
このような情報処理システム1Cは、ユーザによって不要な部分と判断された特定の文字データ(特定の文字列のパターンデータを含む)が1乃至複数の対象キーコードとして予め設定されるとともに、各対象キーコードに関連して、編集対象データの定義を拡張させる拡張修飾語が設定されることにより、対象キーコード及び拡張修飾語に基づいて、編集対象データを特定し、様々な条件に一致する、余剰データとなる編集対象データを検出することができる。そのため、情報処理システム1Cは、実施形態1に係る情報処理システム1よりも効率よく、ユーザにとって不要な余剰データを取り除くことができる。
以上の通り、実施形態3に係る情報処理システム1Cによれば、実施形態1に係る情報処理システム1と同様に、ユーザにとって余剰なデータを取り除くことができる。そのため、情報処理システム1Cによれば、使用する印刷媒体(紙)を従来の情報処理システムよりも節約することができるとともに、印刷媒体(紙)だけでなく、現像剤(トナー)や電力等の資源を従来の情報処理システムよりも節約することができる。また、情報処理システム1Cによれば、ユーザにとって見易い画像を印刷することができる。しかも、情報処理システム1Cによれば、各対象キーコードに関連して、編集対象データの定義を拡張させる拡張修飾語を設定することができるため、余剰データとなる編集対象データを検出する際に用いる条件データの設定範囲を細かく変更することができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、本発明は、プリンタに限らず、ユーザが必要に応じてデータの印刷やデータの閲覧を行うことができる、ファクシミリ装置、複写機、MFP等の画像形成装置に用いることができる。なお、「MFP」とは、Multi Function Printerの略称で、プリンタにファクシミリ機能やスキャナ機能、コピー機能等を付加した装置である。
また、例えば、実施形態2に係る情報処理装置10Bは、対象指定部11e及び対象判定部11fの代わりに、実施形態3に係る情報処理装置10Cの対象指定部11Ce及び対象判定部11Cfを有する構成にすることもできる。同様に、実施形態2に係る画像形成装置20Bは、対象指定部21e及び対象判定部21fの代わりに、実施形態3に係る画像形成装置20Cの対象指定部21Ce及び対象判定部21Cfを有する構成にすることもできる。この場合に、実施形態2に係る情報処理装置10B及び画像形成装置20Bは、対称キーコードを複数設定することができるとともに、各対象キーコードに関連して、編集対象データの定義を拡張させる拡張修飾語を設定することができるようになる。
また、例えば、実施形態3に係る情報処理装置10Cは、削除実行部11gaと実施形態2に係る情報処理装置10Bの縮約実行部11Bgaとを有する構成にすることもできる。同様に、実施形態3に係る画像形成装置20Cは、削除実行部21gaと実施形態2に係る画像形成装置20Cの縮約実行部21Bgaとを有する構成にすることもできる。この場合に、ユーザは、余剰データの取り除き処理として、削除処理及び縮約処理のいずれか一方を選択することができるようになる。