JP2013090905A - テープ縫い付け装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】身頃にテープを縫い付ける装置であって、テーブル上に出没し、身頃を位置決めする基準ピン16と、位置決めされた身頃を把持する身頃押え部11、12と、縫製パターンに基いて、身頃押え部を水平一平面に沿って移動させるX−Y送り装置と、身頃上にテープを供給するテープ供給装置3と、縫製パターンに基づいて縫製物にテープを縫い付けるミシン2と、テープ幅の変化に基づいて前記縫製パターンを変化させる制御手段5と、を備える。
【選択図】図29
Description
特許文献1のシークイン送り装置は、シークインが直列に連結されたシークインテープを基準線に沿わせてミシンの縫付位置に送る送り機構と、シークインの縫付穴を送り機構よりも上流側の基準線上に係止する係止機構と、基準線の左右両側でテープを基準線と平行に案内する二つのガイドと、そのガイドをテープの幅方向へ個別に調整する調整機構とを備えている。
このように、基準線の左右両側でテープを基準線と平行に案内する二つのガイドを、テープの幅方向へ個別に調整して、テープのガイド幅を修正する。
その場合、テープの縫い目の両側のコバを均一化する必要がある。
そして、テープ幅の変化に応じてガイドを調整する場合は、特許文献1のように、二つのガイドをテープ幅中心に移動させるのがよいが、構造が複雑で大型化する。
また、本発明は、テープ幅の変化に対応してガイドを移動する機構を簡単で小型化することも課題とする。
身頃にテープを縫い付ける装置であって、
テーブル上において、前記身頃を位置決めする位置決め部材と、
位置決めされた身頃を把持する身頃押え部と、
縫製パターンに基いて、前記身頃押え部を水平面に沿って移動させるX−Y送り装置と、
前記身頃上にテープを供給するテープ供給装置と、
縫製パターンに基づいて縫製物にテープを縫い付けるミシンと、
テープ幅の変化に基づいて前記縫製パターンを変化させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載のテープ縫い付け装置であって、
複数の縫製パターンを記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段が、
前記テープ幅の設定に対応して、縫製パターンを選択することを特徴とする。
請求項1または2に記載のテープ縫い付け装置であって、
前記制御手段は、
前記縫製パターンを編集する編集手段を有することを特徴とする。
請求項3に記載のテープ縫い付け装置であって、
前記テープ幅を前記縫製物の各サイズの設定値に対応して有し、且つ、前記テープ幅を設定値に対し一時的に増減可能とする設定手段を備えることを特徴とする。
請求項4に記載のテープ縫い付け装置であって、
前記制御手段は、
前記設定手段による前記テープ幅の設定値に対する増減設定に対応して、前記縫製パターンをテープの幅方向に移動させることを特徴とする。
請求項1に記載のテープ縫い付け装置であって、
前記テープ供給装置のテープ供給経路の一側に沿ってテープをガイドする固定テープガイドと、
前記テープ供給経路の他側に沿ってテープをガイドする可動テープガイドと、
前記テープ幅の変化に対応し前記可動テープガイドを移動して前記テープ供給経路の幅を補正する幅補正装置を備えること特徴とする。
請求項6に記載のテープ縫い付け装置であって、
前記制御手段は、
前記可動テープガイド側の複数の針落ち点を区間指定し、
前記可動テープガイドの移動量に対応して、前記区間指定された複数の針落ち点を平行移動して、縫製することを特徴とする。
請求項6に記載のテープ縫い付け装置であって、
前記幅補正装置は、
駆動源としての一つのパルスモータと、
前記パルスモータより回動する伝達軸と、
一端側が前記可動テープガイドに固定された一対のネジ棒と、
前記一対のネジ棒と前記伝達軸を連結するウオームギアを備えることを特徴とする。
請求項6に記載のテープ縫い付け装置であって、
前記制御手段は、
前記幅補正装置を動作制御して、前記テープ供給経路の幅が前記テープ幅よりも広くなる位置に、前記可動テープガイドを待機させておき、
前記テープの縫い付けに関する所定のタイミングに、前記テープ供給経路の幅が前記テープ幅となる位置に、前記可動テープガイドを移動させることを特徴とする。
請求項9に記載のテープ縫い付け装置であって、
前記制御手段が、前記テープ供給経路の幅が前記テープ幅となる位置に、前記可動テープガイドを移動させるタイミングは、
前記テープの先端位置を前記固定テープガイド或いは前記可動テープガイドの先端に合わせた状態で、
前記テープを縫い始める予定位置において、前記身頃のみを縫製し、前記身頃に糸が結節したタイミングであることを特徴とする。
請求項9に記載のテープ縫い付け装置であって、
前記制御手段が、前記テープ供給経路の幅が前記テープ幅となる位置に、前記可動テープガイドを移動させるタイミングは、
前記テープを縫い始める予定位置において、前記身頃のみを縫製して、前記身頃に前記糸が結節した部分に、前記テープを突き当てたタイミングであることを特徴とする。
請求項9に記載のテープ縫い付け装置であって、
前記制御手段が、前記テープ供給経路の幅が前記テープ幅となる位置に、前記可動テープガイドを移動させるタイミングは、
前記身頃に前記糸が結節した部分に前記テープを突き当てた後、前記テープを前記身頃と結節させる少なくとも1針の縫い目が形成されたタイミングであることを特徴とする。
そして、テープ幅が一時的に変化した際に、そのテープ幅を使用する全サイズを変更可能とし、コバを均一化できる。
また、テープ幅の変化に対応してガイドを移動する機構を簡単で小型化することもできる。
(実施形態)
図1は本発明を適用したテープ縫い付け装置の一実施形態の構成を示すもので、1はテーブル、2はミシン、3はテープ供給装置、4はテープラック、5は制御ボックス(制御手段)、7はバーコードリーダ、8はミシン制御端末(操作パネル)、9は糸巻きである。また、制御ボックス5には、複数の縫製パターンを記憶する記憶手段としてのROMやRAMが設けられている。そして、ミシン制御端末8に設けられたタッチパネルを操作して、選択された縫製パターンの編集を行うことができる。
図示、上下方向をZ軸方向、これと直交する一つの方向をX軸方向(左右方向)、Z軸方向とX軸方向の両方向に直交する方向をY軸方向(前後方向)と定義する。
なお、テーブル1には身頃がセットされ、ミシン2により縫製パターンに基づいて身頃にテープを縫い付ける。
のテーブル1及びミシン2の右側にテープ供給装置3が配置され、そのテープ供給装置3の向こう側(Y軸方向後方側)にテープラック4が配置されている。なお、テーブル1に
針落ち穴10が形成され、テーブル1上に下板11及び上押え12が設けられている。また、ミシン2の頭部には、テープ縫い付け装置(テープ供給装置3とミシン2が含まれる。)のスタートスイッチ20及び停止スイッチ21が設けられている。
そして、テーブル1の右側下方に制御ボックス5が配置され、テープ供給装置3の右側にミシン制御端末8が配置されている。このミシン制御端末8は、タッチパネル式の表示画面を備えている。
さらに、ミシン制御端末8の手前下にバーコードリーダ7が掛けられて、ミシン制御端末8の向こう側に糸巻き9が配置されている。糸巻き9から糸がミシン2に供給される。
ここで、靴の踝の下に位置する高さは、左右ともに外側の身頃LO・ROの方が内側の身頃LI・RIよりも低く(幅が狭く)なっている。
そして、4枚の身頃LO・LI・RI・ROの底側に沿った部分には同一ピッチの2つの基準穴hがそれぞれ貫通形成されている。この2つの基準穴hは全サイズの身頃に共通で設けられ、靴底との接着時に折り返して基準穴hが隠されるようになっている。
なお、下板11と上押え12は、押え駆動装置13を介して、図示しない周知のX−Y送り装置(支持ガイドと、移動ベース、モータ等から構成される。)によりX軸方向、Y軸方向を同期移動し、また、上押え12は押え駆動装置13により上昇下降する。すなわち、X−Y送り装置は、身頃を支持する身頃押えを、水平一平面に沿って移動させる。
また、その左右の丸穴14a、14bの手前側に左右の丸穴15a、15dが形成され、その間で少し向こう寄りに左右の丸穴15b、15cが形成されている。
そして、丸穴14c内の基準ピン16cの中心を通る、Y軸方向中心線に対して、14aと14b、15aと15d、15bと15cは左右対称の位置にある。
図中、22はミシン2の針、23は針22が貫通する中押えである。また、図5は縫製前に身頃をセットする、初期位置に身頃押え部11、12が位置する。
図示のように、テーブル1の下部には、ロッド111を介して支持板112が固定されている。この支持板112上にシリンダユニット113が搭載され固定されている。シリンダユニット113の駆動ロッド(ピストン)には可動板114が固定されている。可動板114には、ナットで固定した3つのネジ棒115上に基準ピン16がそれぞれ組み付けられている。位置決め部材としてのこの基準ピン16は、ネジ棒115に対し所定以上の荷重がかかると内部に引っ込むようバネを介装して組み付けられている。シリンダユニット113の駆動ロッドが上下動すると、可動板114を介して基準ピン16が上昇、下降する。
図示のように、テープラック4は、上段ラック41、中段ラック42、下段ラック43の3段構成となっており、上段ラック41の回転板44上に小さい幅のテープTsが、中段ラック42の回転板44上に一般幅のテープTmが、下段ラック42の回転板44上に大きい幅のテープTwが、それぞれロール状態で置かれている。
ここで、上段ラック41、中段ラック42、下段ラック43はともに、テープTs・Tm・Twをテープ供給装置3にセットする場合は、ガイド45に掛けて供給用穴46に通す。この供給用穴46にテープを通すと、近接スイッチによるテープセンサ47がテープを検出する。なお、LEDランプ48は、前記バーコードリーダ7で所定の靴サイズのバーコードを読み取った際、靴サイズに適合したテープ幅ラック(41〜43)の該当ラックLEDランプが点灯し、オペレータ(作業者)に知らせる。
また、使用しないテープの先端は待機用穴49に通しておく。
また、一対のネジ棒37の下方には、図43に示すように、ネジ棒37に直交するように、1本の伝達軸371が配置されている。この伝達軸371と一対のネジ棒37は、各々ウオームギア372により連結されている。また、伝達軸371の一端は、固定テープガイド34に組み込まれた一つのパルスモータ36に直交歯車(一対の傘歯車)373で連結されている。
そして、パルスモータ36の駆動により、伝達軸371、ウオームギア372を介して、一対のネジ棒37が回転すると、固定テープガイド34に対し可動テープガイド35が平行移動してテープ供給経路の幅が補正される。
このように、テープ幅(テープ供給経路幅)を補正する幅補正機構(幅補正装置)が構成されている。
なお、ホルダ383は、前ローラ381及び後ローラ382の間の中央において、支軸385に回動可能に支持されている。支軸385は、ブラケット384に固定され、また、ブラケット384は可動ブロック33に固定されている。
また、前ローラ381と後ローラ382は、テープの送り出し方向に間隔を開けて配置され、テープに圧接してテープを送る2つのローラである。
また、可動ブロック33に固定された図示しないモータは、2つのローラを回転させる駆動源としての1つのモータである。
また、ホルダ383は、2つのローラの回転軸をそれぞれ回転自在に支持する。
すなわち、タイミングベルト機構39は、前ローラ381及び後ローラ382の回転軸とモータの駆動軸に歯付きプーリ391・392・393をそれぞれ装着し、これら3つの歯付きプーリ391・392・393にタイミングベルト394を巻き付けて、ブラケット384の両側部において、タイミングベルト394の外周面にそれぞれ圧接するテンションプーリ395を設けて構成されている。テンションプーリ395は、ホルダ383の側面にブラケット396を介して取り付けられている。
タイミングベルト機構(動力伝達機構)39は、ホルダ383を挟んで2つのローラ(381、382)と反対側において、1つのモータの駆動軸の回転動力を、2つのローラの回転軸に伝達する。
詳細に述べると、タイミングベルト機構(動力伝達機構)39は、2つのローラの回転軸と1つのモータの駆動軸にそれぞれ設けられた歯付きプーリ391、392、393と、これら歯付きプーリに掛け渡されたタイミングベルト394から構成されている。
すなわち、メスを一端側で保持し、メスともに上下動する伝達腕307と、伝達腕307に支持され、メスとともに上下動し、テープ供給経路上のテープを押圧可能な押えレバー(302)を備えている。
テープ退避穴33aは、後述する第一の延長制御(図45参照)において、切断後のテープTmがテープ供給経路上を通常のテープ送り方向とは反対側に向かって送られる際に進入させるための退避スペースである。
また、ガイド板308は、図45に示すように、斜め下方向に向かってメス301に垂下されており、メス301が下降した状態でその先端部がテープ退避穴33aの入り口に臨んでおり、後退移動するテープTmの後端部が当接すると、テープ退避穴33a側に導く構造となっている。
ローラ切り替え機構330は、レバー332及びシリンダユニット335等により構成される。
また、連結レバー332の後側端には、上方に向けたピストンロッド336を有するシリンダユニット335が配置されている。シリンダユニット335は可動ブロック33の側面に固定されている。レバー332の後側は、連結コマ334を介して、ピストンロッド336の上端部に連結されている。
すなわち、ローラ切り替え機構330は、ホルダ383を、2つのローラの間を支点として揺動させ、2つのローラの一方のみを選択的にテープに圧接させる。
詳細に述べると、ローラ切り替え機構330は、一端側がホルダ383に連結される連結レバー332と、連結レバー332を回動可能に支持する第2支軸331と、連結レバー332の後端部に連結されるシリンダユニット335を有する。
この状態から図18に示すように、シリンダユニット335を動作させてピストンロッド336を下げると、レバー332が中間部の支軸331を支点に時計回りに揺動する。これにより、長穴333及び係合ピン398を介して後側のブラケット396が上方に移動し、ブラケット396と一体化されたホルダ383が中央の支軸385を支点に反時計回りに揺動する。これにより、後ローラ382がテープ供給経路から上昇すると同時に、前ローラ381がテープ供給経路上に下降してテープを送る状態となる。
また、この時、図示しないX−Y送り装置による身頃の搬送に同期させ、前ローラを回転させてテープTmを送る。この時のテープ送り量は縫い目ピッチ以上〜縫い目ピッチの2倍の量とし、その量は使用するテープTmの特性(硬さ、伸び縮み、滑り)による為、ミシン制御端末8にて設定変更可能となっている。
なお、身頃の移動は、身頃を支持する身頃押えを、水平一平面に沿って移動させるX−Y送り装置によって行われる。
また、小ピッチで2針以上の縫い付け時は、少なくとも縫いピッチ以上の長さ分ずつ(例えば、縫い目ピッチ以上〜縫い目ピッチの2倍の範囲で送ると好ましい)、テープ送り量を縫いピッチ送り方向に繰り出すと、テープ縫い付け時にテープが正確に縫われる。
なお、縫いピッチ送り方向は、靴の身頃に直線状のテープを縫い付ける場合、最初に長方形の長辺を縫うためX軸方向であり、テープ供給装置3のテープ送り方向(テープ供給経路)はX軸方向に形成されている。
また、靴の身頃にテープを縫い付ける方法は、靴の身頃にテープを縫い付ける装置であって、身頃がセットされるテーブルと、身頃を支持する身頃押えを、水平一平面に沿って移動させるX−Y送り装置と、テープを身頃に供給するテープ供給装置と、縫製パターンに基づいて身頃にテープを縫い付けるミシンを備えるテープ縫い付け装置に適用できる。さらに、針が貫通する中押えを備えるテープ縫い付け装置に適用できる。
すなわち、小ピッチで2針以上の縫い付け時は、中押え23の高さをその後の高さよりも小さくする。具体的には、小ピッチで2針以上の縫い付け時は、中押え23の高さを身頃厚み高さまで下降するように設定し、その後テープTmを縫い付ける際には、中押え23の高さを通常の高さ(身頃厚み+テープ厚み)に戻す。
長尺のテープを金テープ(金色の反射テープ)で繋いだテープ継目(テープ繋ぎ目)TGがテープ供給装置3上のテープ供給経路に到達して、図示のように、光電管によるテープ継目センサ303において、テープ継目TGが金テープによる反射で検出されると、後ローラ382で送られてメス301によりテープ継目TGの手前で切断されて、再び後ローラ382で送られてメス301によりテープ継目TGの後側で切断される。
すなわち、テープ継目センサ303は、2つのローラ381、382に対し、長尺のテープの送り出し方向の上流側に配置され、テープの継目を検出する。
すなわち、テープセンサ305は、2つのローラ381、382に対しテープの送り出し方向の下流側に配置され、テープの有無を検出する。
図42(A)は、テープ継目TGがちょうどテープセンサ305下に位置した場合で、この時、テープ継目TGを作業者が取り除くとテープセンサ305の検出は、ON(金テープ)→OFF(テープ)→ON(テープ無し=可動ブロック33表面)と切替る。
図42(B)は、テープ継目TGの後にテープセンサ305が位置した場合で、テープ継目TGを作業者が取り除くとテープセンサ305の検出は、OFF(テープ)→ON(テープ無し=可動ブロック33表面)と切替る。
図42(C)は、テープ継目TGの前にテープセンサ305が位置した場合で、テープ継目TGを作業者が取り除くとテープセンサ305の検出は、OFF(テープ)→ON(金テープ)→OFF(テープ)→ON(テープ無し=可動ブロック33表面)と切替る。いずれの場合も、テープ継目TGを取り除くとテープセンサ305はOFF→ONの切替りが発生するようにしている。
そこで、縫製が予定されたテープ長さtlがメス301からテープガイド34,35の先端部までの距離よりも長い場合に、第一又は第二の延長制御のいずれかを選択的に実行する。
即ち、予め、テープ供給装置3を待機位置に後退させておき、後ローラ382を下降させてから(図45(A))、縫製が予定されたテープ長さtlだけ送りを行う(図45(B))。この送りは、後ローラ382の回転開始からの動作量を積算し、積算量を監視することで行われる。
そして、メス301を下降してテープTmを切断し(図45(C))、前ローラ381を下降させて(図45(D))、切断後のテープTmを逆方向に送る(図45(E))。この時、逆方向の送り量は、テープ長さtlからメス301からテープガイド34,35の先端部までの距離clを減じた距離とする。これにより、テープTmの先端部がテープガイド34,35の先端部と一致した状態とすることができる。
また、テープTmは逆方向に送られることにより、その後端部がメス301に設けられたガイド板308に当接し、テープ退避穴33a内に案内されるようになっている。
なお、テープ長さtlの最大値は、メス301からテープガイド34,35の先端部までの距離clとテープ供給装置3が待機位置にある状態でのテープガイド34,35の先端部から針22までの距離との合計値となる。これを超えると、テープTmの切断の際に前方に送りだすと、テープTmが針22と干渉する恐れがあるからである。
即ち、通常縫製と同様に、テープ供給装置3を供給位置(針22への最近接位置)としつつ後ローラ382を下降させ(図46(A))、テープTmの先端部をテープガイド34,35の先端部まで送る(図46(B))。その後、テープTmをカットせずにテープTmを縫い速度に合わせて送りながら縫いを実行する(図46(C)及び図46(D))。
そして、縫製が予定されたテープ長さtlとするための切断位置がメス301の切断位置に到達すると、送りを一時停止して、メス301の下降により切断を行い(図46(E))、その後は、残りの縫製を通常の縫製と同様に実行する。
また、テープTmの先端部をテープガイド34,35の先端部に一致させた後の送りは後ローラ382に限らず、前ローラ381で行ってもよい。
具体的には、制御ボックス5(制御手段)が、幅補正機構(幅補正装置)を動作制御して、テープの縫い付けを行う装置の動作に応じて、固定テープガイド34に対し可動テープガイド35を平行移動させてテープ供給経路の幅を切り替えるようにする。
テープ供給経路の途中にテープが詰まってしまうと身頃にテープを供給できないトラブルになることは勿論、テープ供給経路の途中でテープが一時的に止まってしまうことでは、テープを縫い始める予定位置からずれた位置にテープを供給してしまうトラブルや、テープを所定の長さにカットできないなどのトラブルの原因になる。
特に、コシのない軟らかなテープの場合、前ローラ381及び後ローラ382によって送り出される際に、そのテープの縁が固定テープガイド34や可動テープガイド35と擦れた抵抗によってテープが折れ曲がりやすく、テープ詰まりが発生してしまうことがある。
そこで、テープ供給経路の幅をテープ幅よりも広くすることによって、固定テープガイド34及び可動テープガイド35とテープとの摩擦を抑えて、テープの送り出しをスムーズに行うことが可能になる。なお、テープ供給経路の幅は、テープ幅よりも例えば1〜3mm広くすればよく、そのような配置を可動テープガイド35の待機位置とさせるようにすればよい。
ここで、制御ボックス5(制御手段)が、幅補正機構(幅補正装置)を動作制御して、テープ供給経路の幅がテープ幅となる位置に可動テープガイド35を移動させるタイミングとしては、例えば、以下の3つのタイミング(タイミングA,B,C)がある。
・タイミングA;テープの先端位置をテープガイドの先端まで繰り出した状態で、テープを縫い始める予定位置において、身頃のみを縫製し、身頃と糸を結節したタイミング(図21参照)。
・タイミングB;テープを縫い始める予定位置において、身頃のみを縫製して、身頃と糸を結節した部分に、テープを突き当てたタイミング(図22参照)。
・タイミングC;テープを縫い始める予定位置において、身頃のみを縫製して身頃と糸を結節した部分にテープを突き当てた後、テープを身頃と結節させる少なくとも1針の縫い目が形成されたタイミング(図23参照)。
この3つのタイミングの何れかを選択し、そのタイミングで可動テープガイド35を移動させる制御を、記憶手段(ROM、RAM)を備えた制御ボックス5(制御手段)に設定しておくことで、所望のタイミングに可動テープガイド35を待機位置から移動させて、テープ供給経路の幅がテープ幅となるように切り替えることができる。
なお、以下の制御は、制御ボックス5に内蔵した制御ユニットによって処理される。
続いて、可動テープガイド35を(テープ幅+幅補正値)に移動し(ステップS12)、再びステップS7の処理に戻る。
ここで、ステップS14においては、幅補正値を更新するとともに、縫製パターンを移動し、さらに、縫製パターンを拡大または縮小する。すなわち、図1のミシン制御端末8の図3に示した表示画面において、そのタッチパネルに対するオペレータの設定による幅補正値(図示例では−0.5mm)に対応して、縫製パターンを移動して、さらには、縫製パターンを拡大したり縮小する。
従って、ミシン制御端末8の表示画面は、テープ幅を設定値に対し一時的に増減可能とする設定手段を兼ねている。
そして、供給テープ有無検出によりテープありと判定された場合には、OKとして(ステップS1603)、処理を終了する。
また、ステップS1602において、供給テープ有無検出によりテープなしと判定された場合には、NGとして(ステップS1604)、処理を終了する。
尚、このミシン制御端末8に「材料なし」は、材料(テープ)がセットされたことをテープ継目センサ303でチェック(ステップS18)されると表示が消える。
すなわち、ステップS1802においては、図41の下図に示すように、左の身頃センサ17aがON(遮蔽状態)であれば、テーブル1に左外側身頃LOか右内側身頃RIがセットされており、また、右の身頃センサ17bがONであれば、テーブル1に左内側身頃LIか右外側身頃ROがセットされている。
なお、ステップS1801において、左右の身頃センサ17の内一つのみONでない場合には、NGとして(ステップS1804)、ミシン制御端末8に「ワークセット待ち」を表示して処理を終了する。
尚、このミシン制御端末8に「ワークセット待ち」は、材料(身頃)がセットされ、左右の身頃センサ17の内一つのみONされると表示が消える。
つまり、左の身頃センサ17aがONであれば左の身頃センサ18aをIOセンサーとして選択すると共にそのチェック位置を取得し、右の身頃センサ17bがONであれば右の身頃センサ18bをIOセンサーとして選択すると共にそのチェック位置を取得する。図41に示すように本実施例では、左右の身頃センサ17、18を対称に配置し、左右おのおのの身頃センサ18のチェック位置は、縦方向Dの距離となる。
すなわち、ステップS2402においては、図33のABセンサチェック(ステップS18)のステップS1802で左の身頃センサ17aがONでテーブル1に左外側身頃LOか右内側身頃RIがセットされている場合、左の身頃センサ18aがOFFで、踝下の高さが低い(幅が狭く)方の左外側身頃LOがテーブル1にセットされており、また、左の身頃センサ17aがON、左の身頃センサ18aがONで、踝下の高さが高い(幅が広い)方の右内側身頃RIがテーブル1にセットされている。
なお、ステップS2401において、左右の身頃センサ18が共にONの場合はNGとして(ステップS2405)、ミシン制御端末8に「ワークセット異常」を表示し処理を終了する。
そして、既にテープTmの縫着縫製が実行中の場合には、「供給終了命令」または「縫製終了命令」が読み込まれるまで縫製を行う(ステップS2602)。
そして、現在縫製中ではない場合又は「供給終了命令」または「縫製終了命令」により縫製が終了した場合には、可動テープガイド35を(テープ幅+幅補正値)よりも隙間幅を若干広げる方向に移動させる(ステップS2603)。この位置を可動テープガイド35の待機位置とする。
上記第一の供給指令はテープ供給経路上でメス301の切断位置からテープガイド24,25の先端までテープを送るための指令であり、第二の供給指令はテープガイド24,25の先端からテープの送りを再開するための指令である。
また、図44(A)に示すように、補正区間開始命令は(g−1)針目に、補正区間終
了命令は(h)針目に組み込まれている。
また、S2630で、補正区間開始命令でなければ、補正区間終了命令か判断する(ステップS2632)。補正区間終了命令であれば、次の1針を縫製データの移動量から幅補正値を減じて縫製する(ステップS2633)。次に、S2603に戻る。
また、S2632で補正区間終了命令でなければ処理を終了する。
図44(A)は、テープの幅補正値が0の場合の縫製パターンであり、(B)は作業者が可動テープガイド35を操作して、テープ幅を増加した場合の縫製パターンである。いずれも、針落ち点e→f→(g―1)→g→h→(h+1)→iを通過する。各針落ち点間のピッチを2mmとすると、(g−1)とg、hと(h+1)の間隔は2mmである。例えば、Y軸方向前方側に、0.5mmテープ幅を増加させると、針落ち点gの一針前の針落ち点(g−1)に、Y軸方向の成分のみ幅補正値0.5mmが加えられて、新たな針落ち点g座標が決められる(旧g座標(x、y)→新g座標(x、y+0.5)。これが、補正区間開始命令であれば、次の1針を縫製データの移動量に幅補正値を加減して縫製することを意味する。
また、Y軸方向前方側に、0.5mmテープ幅を増加させると、針落ち点hの次の針落ち点(h+1)に幅補正値0.5mmが減らされて、hと(h+1)のピッチ間距離は1.5mmになる。これが、補正区間終了命令であれば、次の1針を縫製データの移動量に幅補正値を加減して縫製することを意味する。
結果的には、この補正区間開始命令と補正区間終了命令により、制御手段(制御ボックス5)は、可動テープガイド側の複数の針落ち点(gからh)を区間指定し、
可動テープガイドの移動量に対応して、区間指定された複数の針落ち点を平行移動して、縫製パターンを作成している。
図38は、テープ残量チェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。テープ残量チェック処理の際には、後述するテープ送りの処理で行われるテープの継ぎ目TGが検出された場合に設定される継目フラグがONか否かを判断し(ステップS2701)、継目フラグがONでなければテープ残量チェック処理を終了する。また、継目フラグがONである場合には、テープ送りの処理の際に求められた「継ぎ目までの長さ」(継ぎ目の現在位置からメス301までの距離)の現在値が縫製しようとしているテープの長さよりも大きいか否かを判定する(ステップS2702)。
そして、「継ぎ目までの長さ」の方が大きい場合には、「継ぎ目までの長さ」の現在値から縫製しようとしているテープの長さを減じた値を新たな「継ぎ目までの長さ」の現在値に更新する(ステップS2703)。
一方、「継ぎ目までの長さ」の現在値が縫製しようとしているテープの長さ以下の場合には、ミシン制御端末8に「継ぎ目エラー」を表示し(ステップS2704)、継ぎ目排出動作を実行する(ステップS2705)。即ち、継ぎ目TGがメス301を通過するまで後ローラ382でテープTmを送り、継ぎ目TGの後ろ側でテープTmを切断し、前ローラ381を下降させて切断されたテープTmの継ぎ目TG部分をテープ供給装置3の先端部から排出する。
さらに、作業者により排出したテープTmの継ぎ目TGがテープ供給装置3から取り除かれて(ステップS2707)、ミシン制御端末8に設けられた継ぎ目エラー解除ボタンが押下されるまで待機する(ステップS2707)。
そして、継ぎ目エラー解除ボタンが押下されると、ミシン制御端末8の「継ぎ目エラー」表示を解除する。さらに、縫製を指示するミシン制御端末8に設けられた起動スイッチが押下されると(ステップS2708)、継目フラグのONを解除して(ステップS2709)、テープ送りの処理を終了する。
そして、縫製しようとしているテープTmの長さがテープ長短しきい値を超える長さかを判定する(ステップS2607)。テープ長短しきい値とは、テープ供給装置3が切り出すことができる機械的なテープ長さの上限値であり、具体的にはメス301からテープガイド34,35の先端部までの長さと同値である。そして、テープTmの長さがテープ長短しきい値以上である場合には、第一又は第二の延長制御に移行するが、これらについては後述する。
まず、テープ継目センサ303によりテープ継目TGの検出を行う(ステップS2731)。そして、テープ継目TGが検出されない場合にはステップS2734に処理を進める。
一方、テープ継目TGを検出した場合には、[継目までの長さ]を[テープ継目センサ−メス間距離]−[送り残り量]により算出する(ステップS2732)。なお、[送り残り量]とは、縫製しようとしているテープの長さからこのテープ送り制御で繰り返される微小長さ単位での送りによる減じられた値である。また、これと同時に、継目フラグをONに設定する(ステップS2733)。そして、ステップS2734に処理を進める。
ステップS2734では、微小長さ単位でのテープTmの送りを行う。また、これに伴い、[送り残り量]を現在の送り残り量から微小長さ分減じた値に更新する(ステップS2735)。
そして、新たに求められた[送り残り量]が0になった場合、即ち、縫製しようとしているテープの長さ分の送りが行われた場合にはこのテープ送り制御を終了する。また、[送り残り量]がまだ0ではない場合には、ステップS2731に戻り、最初からテープ送り制御を繰り返す。
テープTmの先端位置をテープガイド34,35の先端に合わせると、身頃と糸を結節させるため、身頃のみ数針(例えば、3針以上の縫い目を形成する)縫製を行う(ステップS2614)。
そして、第二の供給指令を読み取ったか否かを判定し(ステップS2615)、第二の供給指令を読み取っていない場合には、ステップS2614に戻って身頃のみの縫製を続ける。
そして、第二の供給指令を読み取ると、可動テープガイド35を待機位置から移動させてテープ供給経路の幅がテープ幅となるように切り替えるタイミングの設定が前述したタイミングAであるか否かを判断し(ステップS2616)、制御ボックス5における設定がタイミングAであればステップS2617に進み、設定がタイミングAでなければステップS2617をスキップしてステップS2618に進む。
次いで、テープTmを送って、テープTmを身頃の糸の結節部分に突き当てる(送られたテープTmは、針下まで送られ、身頃と縫い付け可能な位置である。このテープTmの位置を、テープ縫い始め予定位置とする。)(ステップS2618)。
即ち、設定されているタイミングが「タイミングB」の場合、身頃に糸が結節してから可動テープガイド35を待機位置から移動させて、テープ供給経路の幅がテープ幅となるように切り替える(ステップS2620)。
小ピッチで2針以上の縫い付け時は、少なくとも縫いピッチ以上の長さ分づつ、前ローラにより、テープTmを縫いピッチ送り方向に繰り出す。(例えば、縫い目ピッチ以上〜縫い目ピッチの2倍の範囲で送ると好ましい。)(ステップS2621)。
即ち、設定されているタイミングが「タイミングC」の場合、テープTmを身頃と結節させるように例えば2針縫製してから、可動テープガイド35を待機位置から移動させて、テープ供給経路の幅がテープ幅となるように切り替える(ステップS2623)。
そして、現在のテープ縫着縫製が第二の延長制御に基づくものではない場合、つまり、通常縫製又は第一の延長制御に基づく場合には、ステップS2601に処理を戻し、後ローラ382を下降させてから縫製を続ける。その際、中押え23を上昇して通常の高さ(身頃厚み+テープ厚み)に戻す。テープは身頃と糸によって結合されており、身頃がX−Y送り装置によって移動することで縫い目ピッチに必要な量が引き出されて行く。
そして、一つのテープについて縫い付けの終了を示す「供給終了命令」又は複数のテープ全体の縫製の完了を示す「縫製終了命令」を読み込むことで、現在のテープの縫製が終了する。
そして、「供給終了命令」を読み込んだ場合には、ステップS2604で再び第一の供給指令を読み込んで、次のテープの縫製に移行し、「縫製終了命令」を読み込んだ場合には、ステップS2605〜S2607を経て縫製の終了となる。
まず、テープTmの長さがテープ長短しきい値以上である場合には、第二の延長制御の実行が予め設定されているか否かを判断する(ステップS2625)。
さらに、テープ長さtl分のテープ送りを行い(ステップS2609:図45(B))、メス301を下降してテープTmを切断し(ステップS2610:図45(C))、前ローラ381を下降して(ステップS2611:図45(D))、テープ供給装置3を供給位置に前進移動させる(ステップS2612)。
さらに、テープTmの先端をテープガイド34,35の先端と一致するように送りを行う(ステップS2613)。なお、このとき、前述した通常縫製の場合には、テープは前方に送られるが、第一の延長制御では、テープTmは後方に送られる(図45(E))。
そして、これ以降は、ステップS2614〜S2624,S2601,S2602の処理を経て前述した通常縫製の場合と同様にして縫製が行われる。
さらに、テープTmの先端がテープガイド34,35の先端に一致するまでテープ送りを行い(ステップS2613:図46(B))、身頃と糸を結節させる(ステップS2614)。
そして、第二の供給指令を読み取ってからは、選択されているいずれかのタイミングA〜Cでテープ供給経路の幅をテープ幅に合わせつつ、テープTmを身頃と糸の結節部分に突き当てて(図46(C))、小ピッチでテープTmを身頃と結節させる(ステップS2615〜S2623:図46(D))。
そして、ミシン2により縫製を再開し(ステップS2629)、S2601,S2602の処理を経て前述した通常縫製の場合と同様にして縫製が行われる。
図40は縫製物回収待ち(ステップS29)のフローチャートで、ABセンサの状態、つまり、左右の身頃センサ17の状態より、ONだった身頃センサ17を取得し(ステップS2801)、ONだった身頃センサ17がOFFになったか否かを判断する(ステップS2802)、OFFになった場合基準ピンを上昇させる(S2803)。そして、処理を終了する。その後、再びステップS6の処理に戻る。
身頃にテープを縫い付ける装置であって、
テーブル上に出没し、身頃を位置決めする基準ピン16と、
位置決めされた身頃を把持する身頃押え部11、12と、
縫製パターンに基いて、身頃押え部を水平一平面に沿って移動させるX−Y送り装置と、身頃上にテープを供給するテープ供給装置3と、
縫製パターンに基づいて縫製物にテープを縫い付けるミシン2と、
テープ幅の変化に基づいて縫製パターンを変化させると、を備えることで、テープ幅の設定に対応して、縫製パターンを変化させることにより、テープの縫い目の両側のコバを均一化することができる。
この縫製パターンの変化とは、ABセンサチェックやIOセンサチェックによる縫製パターンの選択や、テープ幅を設定値に対し増減した際の縫製パターンの編集(縫製パターンの移動、拡大、縮小、作成を含む)等が含まれる。
また、制御手段は、縫製パターンを編集することを特徴とする。具体的にはミシン制御端末8に設けられたタッチパネルを操作して、縫製パターンの編集を行うことができる。前記ミシン制御端末8及びタッチパネルは編集手段を構成する。
また、上記実施形態のテープ縫い付け装置は、テープ幅を前記縫製物の各サイズの設定値に対応して有し、且つ、前記テープ幅を設定値に対し一時的に増減可能とする設定手段を備える。この設定手段とは、ミシン制御端末8等に設けたタッチパネルが該当する。このタッチパネル操作により、テープ幅が増減設定される。
制御手段は、設定手段による前記テープ幅の設定値に対する増減設定に対応して、縫製パターンをテープの幅方向に移動させる。このため、テープ幅が一時的に変化した際に、そのテープ幅を使用する全サイズを変更可能とし、コバを均一化することができる。
また、上記実施形態のテープ縫い付け装置は、テープ供給装置のテープ供給経路の一側に沿ってテープをガイドする固定テープガイド34と、
テープ供給経路の他側に沿ってテープをガイドする可動テープガイド35と、
テープ幅の変化に対応し前記可動ガイドを移動して前記テープ供給経路の幅を補正する幅補正装置を備える。このため、テープ幅の変化に対応してガイドを移動する機構を簡単で小型化することもできる。
可動テープガイド側の複数の針落ち点を区間指定し、可動テープガイドの移動量に対応して、区間指定された複数の針落ち点を平行移動して、縫製パターンを作成する。
また、上記実施形態のテープ縫い付け装置の幅補正装置は、
駆動源としての一つのパルスモータと、パルスモータより回動する伝達軸と、一端側が前記可動テープガイドに固定された一対のネジ棒と、一対のネジ棒と伝達軸を連結するウオームギアを備える。
幅補正装置を動作制御して、テープ供給経路の幅が前記テープ幅よりも広くなる位置に可動テープガイドを待機させておき、テープの縫い付けに関する所定のタイミングに、テープ供給経路の幅が前記テープ幅となる位置に、可動テープガイドを移動させることができる。
つまり、テープ縫い付け装置によって身頃にテープを縫い付ける際に、テープ供給経路の幅を適切に切り替えることによって、テープの向きがずれることなどなく、好適にテープを縫い付けることができる。
例えば、図47に示すように、ミシン2のテーブル1には、基準ピン用の3つの丸穴14c、14d、14eと、2つの長穴14aa、14bbが形成されていてもよい。丸穴14cと2つの長穴14aa、14bbは、身頃押え部11の枠内で比較的大きな三角形の頂点に相当する配置になっており、3つの丸穴14c、14d、14eは、身頃押え部11の枠内で比較的小さな三角形の頂点に相当する配置になっている。
またこのとき、テーブル1の下方に配されている可動板114には、テーブル1の丸穴14c、14d、14eに対応する丸穴114c、114d、114eと、テーブル1の長穴14aa、14bbに対応する長穴114aa、114bbが形成されている(図48参照)。
この状態で、シリンダユニット113の駆動ロッドが上下動すると、可動板114を介して基準ピン16が上昇・下降し、基準ピン16aはテーブル1の長穴14aaから、基準ピン16bはテーブル1の長穴14bbから、基準ピン16cはテーブル1の丸穴14cから、それぞれ出没する。
このような配置に3つの基準ピン16a、16b、16cが取り付けられていれば、図9、図10に示した身頃の位置決めと同様に、身頃(LI,LO,RI,RO)の縁側であって、靴底との接着時に折り返して隠される位置に設けられている2つの基準穴hに、基準ピン16b、16cまたは基準ピン16a、16cを挿入して、その身頃の位置決めを行うことができる。
これにより、例えば靴の種類・モデル毎に、身頃に形成された基準穴hの位置が異なる場合でも、身頃の基準穴hの位置に応じて基準ピン16a、16bの取り付け位置を調整することによって、様々な身頃の位置決めを行うことが可能になる。
この状態で、シリンダユニット113の駆動ロッドが上下動すると、可動板114を介して基準ピン16が上昇・下降し、基準ピン16aはテーブル1の丸穴14dから、基準ピン16bはテーブル1の丸穴14eから、それぞれ出没する。一方、基準ピン16cはテーブル1の丸穴14cから上に出現しない高さに調整されている。
このような配置に3つの基準ピン16a、16b、16cが取り付けられていれば、図51、図52に示すように、身頃(LI,LO,RI,RO)の長手方向中央側であって、身頃に縫い付けられるテープで隠される位置に設けられている2つの基準穴hに、基準ピン16a、16bを挿入して、その身頃の位置決めを行うことができる。
つまり、靴の種類やモデルによって、身頃の大きさや形状、また身頃に縫い付けられるテープの配置が異なるために、基準穴hを形成可能な位置が限られるなどして、身頃に形成する基準穴hの位置が異なってしまうことがあっても、基準ピン16a、16b、16cの取り付け位置が変更可能であれば、様々なタイプの身頃の位置決めを行うことが可能になる。
テープ縫製選択画面には、縫製するテープのライン数に対応する縫製切り替えキー8bと、クリアキー8cと、エンターキー8d等が備えられている。
図55に示すテープ縫製選択画面は、3本のテープを身頃に縫い付けるためのものであり、3つの縫製切り替えキー8bを有している。このテープ縫製選択画面では、初期設定として3本全てのテープを縫製する選択がなされており、3つの縫製切り替えキー8bの表示が“縫製する”表示になっている。なお、縫製切り替えキー8bの数は、縫製するテープのライン数に応じて変動する。
そして、図55に示すように、3本全てのテープを縫製する選択・設定がなされた状態で、エンターキー8dを押下して縫製画面に戻り、縫製を実行すると、図56に示すように、順次テープが供給されて、3本のテープを身頃に縫い付けることができる。なお、図中の針落ち点tでテープが供給される。
そして、図57に示すように、1本目と3本目のテープを縫製し、2本目のテープを縫製しない選択・設定がなされた状態で、エンターキー8dを押下して縫製画面に戻り、縫製を実行すると、図58に示すように、順次テープが供給されて、2本のテープを身頃に縫い付けることができる。なお、図中の針落ち点tでテープが供給されるとともに、1本目のテープを縫製後、3本目のテープが供給されるまでの区間は空送りされる。
この後、2本目のテープを縫製し、1本目と3本目のテープを縫製しない選択・設定がなされた装置によって、2本目のテープを身頃に縫い付けることができる。
例えば、3本のテープの縫製を3台のミシンで分担して縫製するようにし、各ミシンで縫い付けるテープの色や柄、太さや素材などを異ならせることで、靴のデザインのバリエーションを豊富にすることができる。
これに対し、任意のテープを選択して縫製することが可能であれば、不具合のあるテープのみを解いて、そのテープのみ縫い直すことができるので、作業効率を向上させることができる。
なお、ミシンにおける身頃の自動判別モードと、作業者が選択入力するマニュアルモードは、ミシン制御端末8での所定の操作によって切り替えることができる。
例えば図9に示した向きに身頃が載置されていれば、その身頃と同じ向きのマークが表示されている「A選択キー8e」を押下することによって、左内側の身頃LIまたは右外側の身頃ROを選択したことになる。同様に、例えば図10に示した向きに身頃が載置されていれば、その身頃と同じ向きのマークが表示されている「B選択キー8f」を押下することによって、左外側の身頃LOまたは右内側の身頃RIを選択したことになる。
そして、例えば、テーブル1上に載置された身頃の縁に小さな突起が形成されていれば、小さな突起のマークが表示されている「IN選択キー8g」を押下することによって、左内側の身頃LIまたは右内側の身頃RIを選択したことになる。同様に、テーブル1上に載置された身頃の縁に小さな切欠が形成されていれば、小さな切欠のマークが表示されている「OUT選択キー8h」を押下することによって、左外側の身頃LOまたは右外側の身頃ROを選択したことになる。
図62と図63は、マニュアルモードにおけるテープ縫い付けのゼネラルフローチャートである。
ここで、図62のフローチャートにおけるステップS401からステップS414は、前述した図29のフローチャートにおけるステップS1からステップS14に相当し、同様の動作制御に関するものであるので、説明は割愛する。
なお、図62のステップS413において、幅補正値入力無しの場合は、図63のステップS415に進む。
「A選択キー8e」「B選択キー8f」が押下されなければ、ステップS417において、「IN選択キー8g」と「OUT選択キー8h」の何れかが押下されたか否か判断し(ステップS417)、「IN選択キー8g」がオンであればIO選択状態を「IN」に更新し(ステップS418)、「OUT選択キー8h」がオンであればIO選択状態を「OUT」に更新して(ステップS418)、再びステップS407の処理に戻る。
「IN選択キー8g」と「OUT選択キー8h」が押下されなければ、ステップS419において、起動SW(スタートスイッチ)20のONか否かを判断し、スタートスイッチ20のONで、テープのチェックを行い(ステップS420)、スタートスイッチ20がOFFの場合は、再びステップS407の処理に戻る。
なお、ステップS420のテープチェックは、図32のフローチャートにおけるステップS1601からステップS1604と同様であるので、説明は割愛する。
なお、ステップS426の縫製は、図36、図37のフローチャートにおけるステップS2601からステップS2633と同様であるので、説明は割愛する。
なお、ステップS429の縫製物回収待ちは、図40のフローチャートにおけるステップS2801からステップS2803と同様であるので、説明は割愛する。
そして、縫製物回収待ち処理(ステップS429)の後、再びステップS406の処理に戻る。
また、図63のゼネラルフローチャートにおいて、ステップS425で、IO・AB選択状態がOKでない場合は、再びステップS406の処理に戻る。
具体的には、一般的な規格より大きなサイズの身頃や小さなサイズの身頃、また特殊なモデルの身頃の場合、既設のセンサ位置では、その身頃の種類を自動判別できないことがある。その際、自動判別モードからマニュアルモードに切り替えて、上述したマニュアル操作による選択入力を行うことによって、身頃の種類を容易に間違いなく選択することができ、その身頃に応じたテープの縫い付けを実行することが可能になる。
以上の実施形態において、金テープで繋いだテープ継目としたが、テープ継目は銀テープや他の反射テープで繋いでもよい。
また、センサの種類、レイアウト及び使用個数、テープ供給装置の構成等は任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
位置決め部材としては、ピン形状のものに代えて、型を有する位置決め部材を設けても良い。
10 針落ち穴
11 下板(身頃押え)
12 外押え(身頃押え)
13 押え駆動装置
14 丸穴
15 丸穴
16 基準ピン
17 身頃センサ
18 身頃センサ
19 ブラケット
111 ロッド
112 支持板
113 シリンダユニット
114 可動板
115 ネジ棒
2 ミシン
20 スタートスイッチ
21 停止スイッチ
22 針
23 中押え
3 テープ供給装置
301 メス
302 レバー
303 テープ継目センサ
304 ブラケット
305 テープセンサ
306 ブラケット
31 固定ブロック
32 シリンダユニット
33 可動ブロック
330 ローラ切り替え機構
331 支軸
332 レバー
333 長穴
334 結合コマ
335 シリンダユニット
336 ピストンロッド
34 固定テープガイド
35 可動テープガイド
36 パルスモータ
37 ネジ棒
371 伝達軸
372 ウオームギア
373 直交歯車(一対の傘歯車)
38 テープ送り出し機構部
381 前ローラ
382 後ローラ
383 ホルダ
384 ブラケット
385 支軸
39 タイミングベルト機構
391 歯付きプーリ
392 歯付きプーリ
393 歯付きプーリ
394 タイミングベルト
395 テンションプーリ
396 ブラケット
397 延長部
398 係合ピン
4 テープラック
41 上段ラック
42 中段ラック
43 下段ラック
44 回転板
45 ガイド
46 供給用穴
47 テープセンサ
48 LEDランプ
49 待機用穴
5 制御ボックス
7 バーコードリーダ
8 ミシン制御端末
9 糸巻き
LO 左外側の身頃
LI 左内側の身頃
RI 右内側の身頃
RO 右外側の身頃
h 基準穴
Ts 小さい幅のテープ
Tm 一般幅のテープ
Tw 大きい幅のテープ
TG テープ継目
Claims (12)
- 身頃にテープを縫い付ける装置であって、
テーブル上において、前記身頃を位置決めする位置決め部材と、
位置決めされた身頃を把持する身頃押え部と、
縫製パターンに基いて、前記身頃押え部を水平面に沿って移動させるX−Y送り装置と、
前記身頃上にテープを供給するテープ供給装置と、
縫製パターンに基づいて縫製物にテープを縫い付けるミシンと、
テープ幅の変化に基づいて前記縫製パターンを変化させる制御手段と、を備えることを特徴とするテープ縫い付け装置。 - 複数の縫製パターンを記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段が、前記テープ幅の設定に対応して、縫製パターンを選択することを特徴とする請求項1に記載のテープ縫い付け装置。 - 前記制御手段は、
前記縫製パターンを編集する編集手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載のテープ縫い付け装置。 - 前記テープ幅を前記縫製物の各サイズの設定値に対応して有し、且つ、前記テープ幅を設定値に対し一時的に増減可能とする設定手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のテープ縫い付け装置。
- 前記制御手段は、
前記設定手段による前記テープ幅の設定値に対する増減設定に対応して、前記縫製パターンをテープの幅方向に移動させることを特徴とする請求項4に記載のテープ縫い付け装置。 - 前記テープ供給装置のテープ供給経路の一側に沿ってテープをガイドする固定テープガイドと、
前記テープ供給経路の他側に沿ってテープをガイドする可動テープガイドと、
前記テープ幅の変化に対応し前記可動テープガイドを移動して前記テープ供給経路の幅を補正する幅補正装置を備えることを特徴とする請求項1または5に記載のテープ縫い付け装置。 - 前記制御手段は、
前記可動テープガイド側の複数の針落ち点を区間指定し、
前記可動テープガイドの移動量に対応して、前記区間指定された複数の針落ち点を平行移動して、縫製することを特徴とする請求項6に記載のテープ縫い付け装置。 - 前記幅補正装置は、
駆動源としての一つのパルスモータと、
前記パルスモータより回動する伝達軸と、
一端側が前記可動テープガイドに固定された一対のネジ棒と、
前記一対のネジ棒と前記伝達軸を連結するウオームギアを備えることを特徴とする請求項6に記載のテープ縫い付け装置。 - 前記制御手段は、
前記幅補正装置を動作制御して、前記テープ供給経路の幅が前記テープ幅よりも広くなる位置に、前記可動テープガイドを待機させておき、
前記テープの縫い付けに関する所定のタイミングに、前記テープ供給経路の幅が前記テープ幅となる位置に、前記可動テープガイドを移動させることを特徴とする請求項6に記載のテープ縫い付け装置。 - 前記制御手段が、前記テープ供給経路の幅が前記テープ幅となる位置に、前記可動テープガイドを移動させるタイミングは、
前記テープの先端位置を前記固定テープガイド或いは前記可動テープガイドの先端に合わせた状態で、
前記テープを縫い始める予定位置において、前記身頃のみを縫製し、前記身頃に糸が結節したタイミングであることを特徴とする請求項9に記載のテープ縫い付け装置。 - 前記制御手段が、前記テープ供給経路の幅が前記テープ幅となる位置に、前記可動テープガイドを移動させるタイミングは、
前記テープを縫い始める予定位置において、前記身頃のみを縫製して、前記身頃に前記糸が結節した部分に、前記テープを突き当てたタイミングであることを特徴とする請求項9に記載のテープ縫い付け装置。 - 前記制御手段が、前記テープ供給経路の幅が前記テープ幅となる位置に、前記可動テープガイドを移動させるタイミングは、
前記身頃に前記糸が結節した部分に前記テープを突き当てた後、前記テープを前記身頃と結節させる少なくとも1針の縫い目が形成されたタイミングであることを特徴とする請求項9に記載のテープ縫い付け装置。
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