JP2013086984A - 塩素バイパス排ガスの処理方法 - Google Patents

塩素バイパス排ガスの処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セメントキルン等でのコーチングトラブルを回避し、プレヒータ等での熱損失を防止し、セメントキルンのクリンカ生産量の低下を抑え、排水処理コストを低く抑えることも可能な塩素バイパス排ガスの処理方法を提供する。
【解決手段】セメントキルン2の窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部Gを冷却しながら抽気し、抽気ガスG2、G3から塩素バイパスダストD5を回収する塩素バイパスシステム1から排出される、塩素バイパスダストを回収した後の抽気ガスG4を処理する方法であって、回収された塩素バイパスダストを、塩素バイパスダストの質量の5倍以上20倍以下の質量の水を添加してスラリー化し、スラリーS1を、塩素バイパスダストを回収した後の抽気ガスに接触させて抽気ガスの脱硫を行う。脱硫後のスラリーS2のpHを6以上12.5以下に調整することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部を抽気して塩素を除去する塩素バイパスシステムから排出されるガスを処理する方法に関する。
従来、セメント製造設備におけるプレヒータの閉塞等の問題を引き起こす原因となる塩素、硫黄、アルカリ等の中で、塩素が特に問題となることに着目し、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部を抽気して塩素を除去する塩素バイパスシステムが用いられている。
この塩素バイパスシステムでは、図5に示すように、セメントキルン42の窯尻から最下段サイクロン(不図示)に至るまでのキルン排ガス流路からの抽気ガスG1は、プローブ43において冷却ファン44からの冷風Aによって冷却された後、分級機46に導入され、粗粉D1と、微粉D2及びガスG2とに分離される。
粗粉D1は、セメントキルン系に戻され、塩化カリウム(KCl)等を含む微粉D2及びガスG2は、冷却器47によって冷却され、バグフィルタ48によって微粉(塩素バイパスダスト)D2が回収された後、ダストタンク49に貯留される。微粉D2は、ダストタンク49から溶解槽50に供給され、水W1と混合されてスラリーSとなり、微粉D2に含まれる水溶性の塩素が水W1に溶解する。このスラリーSは、固液分離機51において固液分離しながら、さらに水W2を用いてケークを水洗し、固液分離して塩素分を除去し、塩素分を含むろ液Lと、脱塩ケーキCとに分離される。
一方、この塩素バイパスシステムから排出されるガス(以下、「塩素バイパス排ガス」という)G3には、高濃度のSO2が含まれているため、脱硫処理が必要となる。そこで、例えば、特許文献1及び2に記載の発明では、塩素バイパス排ガスG3をプレヒータやクリンカクーラ等のセメントキルン系に戻して処理している。
特開2010−180063号公報 特開2010−195660号公報
しかし、上記塩素バイパス排ガスG3をセメントキルン系に戻して脱硫を行うと、硫黄分の濃縮により、セメントキルン42やプレヒータでのコーチングトラブルが増加したり、塩素バイパスシステムからの低温の排ガスが導入されることでプレヒータ等での熱損失が大きくなり、セメントキルンのクリンカ生産量の低下に繋がるという問題がある。
さらに、固液分離機51によって固液分離されたろ液Lには、ケーキCに回収されなかった重金属の一部が溶出しているため、この重金属を後段の排水処理工程で薬剤等を用いて回収する必要があり、排水処理コストが高騰する。
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、セメントキルン等でのコーチングトラブルを回避し、プレヒータ等での熱損失を防止し、セメントキルンのクリンカ生産量の低下を回避し、また、排水処理コストを低く抑えることのできる塩素バイパス排ガスの処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気し、該抽気ガスから塩素バイパスダストを回収する塩素バイパスシステムから排出される、前記塩素バイパスダストを回収した後の前記抽気ガスを処理する方法であって、前記回収された塩素バイパスダストを、該塩素バイパスダストの質量の5倍以上20倍以下の質量の水を添加してスラリー化し、該スラリーを、前記塩素バイパスダストを回収した後の前記抽気ガスに接触させて該抽気ガスの脱硫を行うことを特徴とする。
そして、本発明によれば、塩素バイパス排ガスを脱硫しているため、セメントキルン系に戻す必要がない。そのため、セメントキルンやプレヒータでのコーチングトラブルを回避することができると共に、プレヒータ等での熱損失を防止し、セメントキルンのクリンカ生産量の低下を抑えることができる。
また、塩素バイパスダストの質量の5倍以上20倍以下の質量の水を添加してスラリー化するため、シンゲナイトの生成を抑制することができると共に、該スラリーを固液分離した後のろ液への重金属の溶出を効果的に防止することができる。
上記塩素バイパス排ガスの処理方法において、前記脱硫後のスラリーのpHを6以上12.5以下に調整することができる。これによって、該スラリーを固液分離した後のろ液への重金属の溶出をより効果的に防止することができる。
上記塩素バイパス排ガスの処理方法において、前記スラリー化後のスラリーのpHを6以上12.5以下に調整し、該pH調整後のスラリーを固液分離し、該固液分離によって得られたケークを再溶解させてスラリー化し、該ケークが再溶解したスラリーにて前記脱硫を行うことができる。
本発明によれば、固液分離前及び脱硫後のスラリーのpHを6以上12.5以下に調整することにより、ろ液への重金属の溶出を防止することができる。また、塩素バイパスダストをスラリー化した後、脱水して得られたケークを再溶解させ、塩素バイパス排ガスの脱硫に用いるため、塩素濃度の低い環境下で脱硫を行うことができ、スケールトラブルの原因となる石膏の溶解を最小限に抑え、シンゲナイトの生成をより効果的に抑制しながら塩素バイパス排ガスを処理することができる。
また、本発明は、セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気し、該抽気ガスから塩素バイパスダストを回収する塩素バイパスシステムから排出される、前記塩素バイパスダストを回収した後の前記抽気ガスを処理する方法であって、前記回収された塩素バイパスダストをスラリー化し、該スラリーを該塩素バイパスシステムの排ガスに接触させて該排ガスの脱硫を行い、該脱硫後のスラリーのpHを6以上12.5以下に調整することを特徴とする。
本発明によれば、上記発明と同様に、塩素バイパス排ガスを脱硫しているため、セメントキルン系に戻す必要がなく、セメントキルンやプレヒータでのコーチングトラブルを回避することができると共に、プレヒータ等での熱損失を防止し、セメントキルンのクリンカ生産量の低下を抑えることができる。また、脱硫後のスラリーのpHを6以上12.5以下に調整することで、該スラリーを固液分離した後のろ液への重金属の溶出を効果的に防止することができる。
また、上記塩素バイパス排ガスの処理方法において、前記スラリー化後のスラリーのpHを6以上12.5以下に調整し、該pH調整後のスラリーを固液分離し、該固液分離によって得られたケークを再溶解させてスラリー化し、該ケークが再溶解したスラリーにて前記脱硫を行うことができ、ろ液への重金属の溶出を防止すると共に、スケールトラブルの原因となる石膏の溶解を最小限に抑え、シンゲナイトの生成をより効果的に抑制しながら塩素バイパス排ガスを処理することができる。
以上のように、本発明によれば、セメントキルン等でのコーチングトラブルを回避し、プレヒータ等での熱損失を防止し、セメントキルンのクリンカ生産量の低下を抑え、排水処理コストを低く抑えることも可能な塩素バイパス排ガスの処理方法を提供することができる。
本発明にかかる塩素バイパス排ガスの処理方法を適用した塩素バイパスシステムの一例を示す全体構成図である。 塩素バイパスダストの水洗時における、ダストの質量に対する水の質量比(水比)と、生成されたスラリーのシンゲナイト含有率との関係を示すグラフである。 塩素バイパスダストの水洗時の水比と、各重金属の溶出率との関係を、スラリーのpH毎に示すグラフであって、(a)はセレン、(b)は鉛、(c)はカドミウム、(d)は銅、(e)は亜鉛の場合を示す。 本発明にかかる塩素バイパス排ガスの処理方法を適用した塩素バイパスシステムのもう一つの例を示す全体構成図である。 従来の塩素バイパスシステムの一例を示す全体構成図である。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる塩素バイパス排ガスの処理方法を適用した塩素バイパスシステムの一例を示し、この塩素バイパスシステム1は、セメントキルン2の窯尻から最下段サイクロン(不図示)に至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部Gを冷却ファン4、5からの冷風Aで冷却しながら抽気するプローブ3と、プローブ3で抽気した抽気ガスG1に含まれるダストの粗粉D1を分離する分級機としてのサイクロン6と、サイクロン6から排出された微粉D2を含む抽気ガスG2を冷却する冷却器7と、冷却器7からの抽気ガスG3を集塵するバグフィルタ8と、冷却器7及びバグフィルタ8から排出されたダスト(D3+D4)を貯留するダストタンク9と、ダストタンク9から排出されたダスト(塩素バイパスダスト)D5を水W1に溶解させる溶解槽11と、溶解槽11から排出されたスラリーS1を貯留するスラリータンク12と、スラリータンク12から排出されたスラリーS1を用いてバグフィルタ8の排ガス(塩素バイパス排ガス)G4を脱硫する脱硫塔14と、脱硫塔14から排出されたスラリーS2のpHを調整するpH調整槽16と、pH調整槽16からのスラリーS3を固液分離する固液分離機17等で構成される。プローブ3〜ダストタンク9の構成については、従来の塩素バイパスシステムと同様の構成であるため、詳細説明を省略する。
溶解槽11は、ダストタンク9からのダストD5を水W1を用いてスラリー化するために備えられる。ここで、ダストD5に対する水W1の質量比を、5〜20倍に調節することが好ましい。これにより、コンクリート強度を低下させる要因となるシンゲナイト(K2Ca(SO42)の生成を抑制することができると共に、後述するように、適切なpH調整を行うことで、固液分離機17による固液分離後のろ液L1への重金属の溶出を防止することができる。
脱硫塔14は、バグフィルタ8からファン15を介して供給された排ガスG4をスラリータンク12から供給されたスラリーS1を利用して脱硫するために備えられる。脱硫によって生じた二水石膏を含むスラリーS2はpH調整槽16へ、脱硫された排ガスG5は、セメントキルン2の排ガス系(セメントキルン2に付設されたプレーヒータから排出されたガスを処理するプロセス)へ戻される。
pH調整槽16は、スラリーS2を一時的に貯留し、スラリーS2のpHを調整し、後述するように、固液分離後のろ液L1への重金属の溶出を防止するために備えられる。pH調整は、NaOH、KOH、Ca(OH)2などのアルカリ、HCl、H2SO4などの酸のいずれの薬剤を用いてもよいが、Ca(OH)2、H2SO4を用いるのが好ましい。
固液分離機17は、pH調整槽16から供給されたスラリーS3を固液分離するために備えられ、固液分離されたろ液L1は、後段の排水処理工程で処理して放流、又は塩を回収し、固液分離されたケーク側に二水石膏Gyが回収される。
次に、上記構成を有する塩素バイパスシステム1の動作について、図1を参照しながら説明する。
セメントキルン2の窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路からの燃焼ガスの一部Gをプローブ3によって抽気しながら、冷却ファン4、5からの冷風Aによって冷却する。これによって、塩素化合物の微結晶が生成される。この塩素化合物の微結晶は、抽気ガスG1に含まれるダストの微粉側に偏在しているため、サイクロン6で分級した粗粉D1をセメントキルン2に付設されたプレヒータ等にセメント原料として戻す。
サイクロン6によって分離された微粉D2を含む抽気ガスG2を冷却器7に導入し、抽気ガスG2と媒体との熱交換を行う。熱交換によって冷却された抽気ガスG3をバグフィルタ8に導入し、バグフィルタ8において抽気ガスG3に含まれるダストD4を回収する。バグフィルタ8で回収したダストD4は、冷却器7から排出されたダストD3と共にダストタンク9に一旦貯留し、溶解槽11に導入する。
溶解槽11に導入されたダストタンク9からのダストD5は、溶解槽11内において、水W1と混合されてスラリーS1が生成される。ここで、図2に示すように、ダストD5に対する水W1の質量比(水比)を5〜20倍に調節することで、スラリーS1のシンゲナイト含有率を大幅に低下させ、又は、脱硫塔14での脱硫反応におけるシンゲナイトの生成を防止することができる。
次に、溶解槽11からのスラリーS1を一時的にスラリータンク12に貯留した後、スラリータンク12からのスラリーS1を脱硫塔14に供給して脱硫に利用する。ここで、脱硫塔14に水W2を添加すると共に、脱硫塔14内のスラリーS1のpHを4〜7に管理しながら排ガスG4の脱硫を行うことで、脱硫塔14の内部への固結の発生及び成長を防止することができる。脱硫後の排ガスG5は、セメントキルン2の排ガス系へ導入し、脱硫塔14からのスラリーS2は、pH調整槽16へ供給する。
pH調整槽16において、スラリーS2のpHを6.0〜12.5(好ましくは6.8〜8.0、より好ましくは6.0〜7.5)に調整する。これにより、図3(a)〜(e)に示すように、スラリーS2に含まれる重金属の溶出量を低減し、又は溶出を防止することができ、特に、水比が5〜10の範囲内で溶出率が低下する。
次に、pH調整槽16から排出されたスラリーS3を固液分離機17で固液分離しながら、固液分離して得られるケークを水洗して塩素分を除去する。また、得られたろ液L1中には、微量ではあるが重金属が含まれるため、排水処理工程で処理して放流、又は塩を回収することができる。一方、固液分離機17の固体側に、重金属を含む二水石膏Gyが回収される。
以上のように、本実施の形態によれば、塩素バイパス排ガスG4をセメントキルン系に戻す必要がないため、セメントキルン2やプレヒータでのコーチングトラブルを回避することができると共に、プレヒータ等での熱損失を防止することができ、クリンカ生産量の低下を招くこともない。また、ダスト(塩素バイパスダスト)D5を溶解させたスラリーS1や脱硫後のスラリーS2中のシンゲナイトの生成を抑制することができると共に、スラリーを固液分離した際のろ液L1への重金属の溶出を低減又は防止することで、排水処理コストを低く抑えることができる。
次に、本発明にかかる塩素バイパス排ガスの処理方法を適用した塩素バイパスシステムのもう一つの例について、図4を参照しながら詳細に説明する。尚、図4において、図1に示した塩素バイパスシステム1と同一の構成要素については、同一の参照番号を付して詳細説明を省略する。
この塩素バイパスシステム31は、セメントキルン2の窯尻から最下段サイクロン(不図示)に至るまでのキルン排ガス流路より、燃焼ガスの一部Gを冷却ファン4、5からの冷風Aで冷却しながら抽気するプローブ3と、プローブ3で抽気した抽気ガスG1に含まれるダストの粗粉D1を分離するサイクロン6と、サイクロン6から排出された微粉D2を含む抽気ガスG2を冷却する冷却器7と、冷却器7からの抽気ガスG3を集塵するバグフィルタ8と、冷却器7及びバグフィルタ8から排出されたダスト(D3+D4)を貯留するダストタンク9と、ダストタンク9から排出されたダスト(塩素バイパスダスト)D5を水W1に溶解させると共に、pH調整を行う溶解槽32と、溶解槽32から排出されたスラリーS1を固液分離する第2の固液分離機33(既出の固液分離機17と区別するため、以下「第2の固液分離機」という)と、第2の固液分離機33から排出されたケークCを水W3に再溶解(リパルプ)させる溶解槽34と、溶解槽34から排出されたリパルプスラリーRを用いてバグフィルタ8の排ガス(塩素バイパス排ガス)G4を脱硫する脱硫塔14と、脱硫塔14から排出されたスラリーS2のpHを調整するpH調整槽16と、pH調整槽16からのスラリーS3を固液分離する固液分離機17等で構成される。
この塩素バイパスシステム31は、塩素バイパスシステム1の溶解槽11に代えてpH調整も行う溶解槽32を配置し、スラリータンク12に代えて溶解槽34を配置し、さらに、溶解槽32と溶解槽34との間に第2の固液分離機33を設けたことを特徴とし、他の構成要素は塩素バイパスシステム1と同様である。
溶解槽32は、ダストタンク9からのダストD5と水W1とを混合してスラリーS1を生成すると共に、ダストD5に対する水W1の量、及びスラリーS1のpHを調節するために備えられる。
第2の固液分離機33は、溶解槽32からのスラリーS1を固液分離するために備えられ、固液分離後のケークCは溶解槽34へ供給され、固液分離されたろ液L2は、後段の排水処理工程で処理して放流、又は塩を回収することができる。
溶解槽34は、第2の固液分離機33からのケークCに、固液分離機17からのろ液L1を供給して再溶解させるために備えられ、生成したリパルプスラリーRを脱硫塔14に供給して排ガスG4の脱硫に利用する。
次に、上記構成を有する塩素バイパスシステム31の動作について、図4を参照しながら説明する。
セメントキルン2の窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路からの燃焼ガスの一部Gをプローブ3によって抽気しながら、冷却ファン4、5からの冷風Aによって冷却する。これによって、塩素化合物の微結晶が生成される。この塩素化合物の微結晶は、抽気ガスG1に含まれるダストの微粉側に偏在しているため、サイクロン6で分級した粗粉D1をセメントキルン2に付設されたプレヒータ等にセメント原料として戻す。
サイクロン6によって分離された微粉D2を含む抽気ガスG2を冷却器7に導入し、抽気ガスG2と媒体との熱交換を行う。熱交換によって冷却された抽気ガスG3をバグフィルタ8に導入し、バグフィルタ8において抽気ガスG3に含まれるダストD4を回収する。バグフィルタ8で回収したダストD4は、冷却器7から排出されたダストD3と共にダストタンク9に一旦貯留し、溶解槽32に導入する。
溶解槽32に導入されたダストD5は、溶解槽32内において、水W1と混合されてスラリーS1が生成される。ここで、上述のように、ダストD5に対する水W1の質量比(水比)を5〜20倍に調節することでシンゲナイトの生成を防止することができる。
また、溶解槽32において、スラリーS1のpHを6.0〜12.5(好ましくは6.8〜8.0、より好ましくは6.0〜7.5)に調整する。これにより、上述のように、スラリーS1に含まれる重金属の溶出を防止することができ、特に、水比を5〜10の範囲に調節することで溶出率を低下させることができる。
次に、第2の固液分離機33によって、溶解槽32から排出されたスラリーS1を固液分離しながら、固液分離して得られるケークを水洗して塩素分を除去する。塩素分が除去されたケークCを溶解槽34へ供給して再溶解させ、リパルプしたスラリーRを脱硫塔14に供給して脱硫に利用する。ここで、脱硫塔14に水W2を添加すると共に、脱硫塔14内のスラリーS1のpHを4〜7に管理しながら排ガスG4の脱硫を行うことで、脱硫塔14の内部への固結の発生及び成長を防止することができる。脱硫後の排ガスG5は、セメントキルン2の排ガス系へ導入し、脱硫塔14からのスラリーS2は、pH調整槽16へ供給する。リパルプスラリーRの固形分は、塩素バイパスダストの溶解成分の割合にもよるが、概ね2.5%〜15%である。
ここで、上記リパルプしたスラリーR中には、カルシウム化合物として、CaO、CaCO3及びCa(OH)2が混在するが、これらは、脱硫塔14でバグフィルタ8の排ガスG4に含まれるSO2と反応して二水石膏(CaSO4・2H2O)へと転換される。この際、第2の固液分離機33においてカリウム分や塩素分を除去したため、リパルプしたスラリーRの塩素含有率が低く、スケールトラブルの原因となる石膏の溶解を最小限に抑えることができると共に、シンゲナイト(K2Ca(SO42)の生成を抑制することができる。
次に、pH調整槽16において、スラリーS2のpHを6.0〜12.5(好ましくは6.8〜8.0、より好ましくは6.0〜7.5)に調整する。これにより、スラリーS2に含まれる重金属の溶出を防止することができ、特に、水比を5〜10の範囲に調節することで溶出率を低下させることができる。
次いで、pH調整槽16から排出されたスラリーS3を固液分離機17で固液分離しながら、固液分離して得られるケークを水洗して塩素分を除去する。得られたろ液L1を溶解槽34で再利用すると共に、固液分離機17の固体側に、重金属を含む二水石膏Gyを回収する。この二水石膏Gyの純度は75%以上である。
一方、第2の固液分離機33で固液分離して得られたろ液L2中には、微量ではあるが重金属が含まれるため、排水処理工程で処理して放流、又は塩を回収することができる。
この塩素バイパスシステム31によれば、塩素バイパスシステム1の作用効果に加え、第2の固液分離機33においてスラリーS1中のカリウム分や塩素分を除去することができるため、溶解槽34内のリパルプスラリーR及び、脱硫利用後のスラリーS2中の塩素濃度を低減することができる。これにより、スラリーS2において、スケールトラブルの原因となる石膏の溶解を最小限に抑えることができると共に、シンゲナイトの生成をより効果的に抑制することができる。
1 塩素バイパスシステム
2 セメントキルン
3 プローブ
4、5 冷却ファン
6 サイクロン
7 冷却器
8 バグフィルタ
9 ダストタンク
11 溶解槽
12 スラリータンク
14 脱硫塔
15 ファン
16 pH調整槽
17 固液分離機
31 塩素バイパスシステム
32 溶解槽
33 第2の固液分離機
34 溶解槽

Claims (5)

  1. セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気し、該抽気ガスから塩素バイパスダストを回収する塩素バイパスシステムから排出される、前記塩素バイパスダストを回収した後の前記抽気ガスを処理する方法であって、
    前記回収された塩素バイパスダストを、該塩素バイパスダストの質量の5倍以上20倍以下の質量の水を添加してスラリー化し、
    該スラリーを、前記塩素バイパスダストを回収した後の前記抽気ガスに接触させて該抽気ガスの脱硫を行うことを特徴とする塩素バイパス排ガスの処理方法。
  2. 前記脱硫後のスラリーのpHを6以上12.5以下に調整することを特徴とする請求項1に記載の塩素バイパス排ガスの処理方法。
  3. 前記スラリー化後のスラリーのpHを6以上12.5以下に調整し、
    該pH調整後のスラリーを固液分離し、
    該固液分離によって得られたケークを再溶解させてスラリー化し、
    該ケークが再溶解したスラリーにて前記脱硫を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の塩素バイパス排ガスの処理方法。
  4. セメントキルンの窯尻から最下段サイクロンに至るまでのキルン排ガス流路より燃焼ガスの一部を冷却しながら抽気し、該抽気ガスから塩素バイパスダストを回収する塩素バイパスシステムから排出される、前記塩素バイパスダストを回収した後の前記抽気ガスを処理する方法であって、
    前記回収された塩素バイパスダストをスラリー化し、
    該スラリーを該塩素バイパスシステムの排ガスに接触させて該排ガスの脱硫を行い、
    該脱硫後のスラリーのpHを6以上12.5以下に調整することを特徴とする塩素バイパス排ガスの処理方法。
  5. 前記スラリー化後のスラリーのpHを6以上12.5以下に調整し、
    該pH調整後のスラリーを固液分離し、
    該固液分離によって得られたケークを再溶解させてスラリー化し、
    該ケークが再溶解したスラリーにて前記脱硫を行うことを特徴とする請求項4に記載の塩素バイパス排ガスの処理方法。
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