JP2013084890A - R−t−b系焼結磁石の製造方法 - Google Patents

R−t−b系焼結磁石の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2合金法において、焼結時の密度不足による磁気特性の低下を防止し、製造コストの増加を招くことなく、安全性に優れる製造方法によって、主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織を有し、Bを低下させずにHcJを向上させたR−T−B系焼結磁石を提供する。
【解決手段】軽希土類元素RLまたは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなるRとBとFeを含む第一合金粉末と、RLとRHからなるRとBとCoとFeを含み、第一合金粉末よりもRH及びCo含有量が多い第二合金粉末とを、70:30〜97:3の割合で混合し、成形、焼結する。Rの含有量とRの含有量との差は1以内とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、R−T−B系焼結磁石の製造方法に関する。
R−T−B系焼結磁石(Rは希土類元素のうち少なくとも一種でありNdを必ず含む、Tは遷移金属元素のうち少なくとも一種でありFeを必ず含む)は、永久磁石の中で最も高性能な磁石として知られており、ハイブリッド自動車用、電気自動車用や家電製品用の各種モータ等に使用されている。
しかし、R−T−B系焼結磁石は、高温で保磁力HcJ(以下、単に「HcJ」と記載する)が低下し、不可逆熱減磁が起こる。そのため、特にハイブリッド自動車用や電気自動車用モータに使用される場合、高温下でも高いHcJを維持することが要求されている。
従来、HcJ向上のために、Dy、Tb等の重希土類元素RHをR−T−B系焼結磁石に多量に添加していた。しかし、重希土類元素RHを多量に添加すると、HcJは向上するが、残留磁束密度B(以下、単に「B」と記載する)が低下するという問題があった。また、DyやTbは、希少で高価な元素であり、コスト面からも多量に添加することができない。
前記問題を解決するため、組成が異なる2種類の合金粉末を混合した後、成形、焼結して、磁化反転の起点となる主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮することにより、単一合金から製造された同一組成のR−T−B系焼結磁石に比べて、Bを低下させずにHcJを向上させる技術(以下、「2合金法」と記載する)が提案されている。
特許文献1は、NdFe14B金属間化合物を主成分とする第1成分粉末と、R(Cu1−x)およびR(Cu1−x(Rは、Dy+Tbを30%以上含有する希土類元素であり、Tは遷移金属又は亜金属のうちの1種又は2種以上の混合)のうちの1種又は2種を主成分とする第2成分粉末とを混合した後、混合物を磁場中で成形し、焼結する方法が開示されている。これにより、NdFe14B金属間化合物の結晶粒の表面部分(外殻部)において、Ndの一部をDyおよび/またはTbで置換した相が生成され、磁化反転を生じ難くなり、HcJが向上すると開示されている。
特許文献2は、希土類元素の全量は同じで、重希土類元素(Dy等)/軽希土類元素(Nd、Pr等)の比率が異なる以外は組成が実質的に同様な2種類以上の合金を混合し、磁場中成形、焼結する方法が開示されている。特許文献2の方法により、重希土類元素の濃度が結晶粒界相よりも高い第一のR14B型主相結晶粒と、重希土類元素の濃度が結晶粒界相よりも低い第二のR14B型主相結晶粒とを有する組織のR−T−B系焼結型永久磁石が得られ、該永久磁石が高いBおよび高い最大エネルギー積(BH)maxを示すことが開示されている。
特許文献3は、重希土類元素RHの濃度が異なる2種類のR−T−B系合金粉末を焼結するに際し、重希土類元素RHの濃度が高い合金粉末の粒径を小さくすることが開示されている。特許文献3の方法により、焼結後の組織において、粒度の大きいR−T−B系合金粉末の外周部に粒度の小さいR−T−B系合金粉末が取り込まれるような結晶粒成長が起こり、主相外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織が実現され、HcJが向上すると開示されている。
特開平6−96928号公報 特開2000−188213号公報 国際公開第2010/082492号
しかし、特許文献1の方法は、NdFe14B金属間化合物を主成分とする第1成分粉末と、R(Cu1−x)及びR(Cu1−xのうちの1種又は2種を主成分とする第2成分粉末の主成分となる化合物および組成が異なり、特に、焼結時に液相となる希土類元素の含有量が大きく異なるため、混合物を焼結する際に緻密化し難く、密度不足により磁気特性が低下するという問題があった。
特許文献2の方法は、Rに含まれる重希土類元素の濃度が異なる以外は、組成が実質的に同じ2種類のR14B型主相結晶粒を混合し、焼結している。そのため、特許文献1のように、焼結時に緻密化し難いという問題は起こらない。しかし、得られる永久磁石の組織は、重希土類元素の濃度が結晶粒界相よりも高い第一のR14B型主相結晶粒と、重希土類元素の濃度が結晶粒界相よりも低い第二のR14B型主相結晶粒となっており、主相結晶粒の外殻部に重希土類元素を濃縮した組織にはなっていない。従って、Bを低下させずにHcJを向上させることはできない。すなわち、特許文献2による永久磁石では、特許文献3の図2に示されるような、重希土類元素の濃度が低い部分と重希土類元素の濃度が高い部分とが半々に存在する結晶粒や、重希土類元素の濃度が高い部分のまわりが重希土類元素の濃度が低い部分で覆われた結晶粒が多数存在していると考えられる。
特許文献3の方法は、重希土類元素RHの濃度が異なる2種類のR−T−B系合金粉末のうち、重希土類元素RHの濃度が高い合金粉末の粒径を相対的に小さくすることで表面エネルギーを高くし、焼結時において、重希土類元素RHの濃度が低い合金粉末を固相状態に維持したまま、重希土類元素RHの濃度が高い合金粉末を先に液相化し、液相中における重希土類元素RHの濃度を高くすることができる。その結果、重希土類元素RHの低い結晶粒の外周部に重希土類元素RHの濃度が高い結晶粒が取り込まれるような結晶粒成長が起きる。これにより、主相外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織となる。
しかし、特許文献3の方法では、重希土類元素RHの濃度が高い合金粉末を微細化するために、気流式粉砕機による乾式粉砕において、従来の窒素ガスに替えて、高価なArガスやHeガスを使用する必要があり、製造コストの増加が避けられないという問題があった。また、微細化された粉末は、酸化しやすく、発火する危険性があり、安全性の面で問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、いわゆる2合金法において、焼結時の密度不足による磁気特性の低下を防止し、製造コストの増加を招くことなく、安全性に優れる製造方法によって、主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織を有し、Bを低下させずにHcJを向上させたR−T−B系焼結磁石を提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明によるR−T−B系焼結磁石の製造方法は、
R28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
RH0.5質量%以上5質量%以下、
B0.5質量%以上2質量%以下、
Co0.5質量%以上2.5質量%以下、
残部Feおよび不可避的不純物からなるR−T−B系焼結磁石の製造方法において、
28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLまたは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
RH4.4質量%以下(0質量%を含む)、
B0.5質量%以上2質量%以下、
Co2質量%以下(0質量%を含む)、
残部Feおよび不可避的不純物からなる第一合金粉末を準備する工程と、
28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
RH10質量%以上25質量%以下、
B0.5質量以上2質量%以下、
Co5質量%以上20質量%以下、
残部Feおよび不可避的不純物からなる第二合金粉末を準備する工程と、
前記第一合金粉末と前記第二合金粉末を質量比70:30〜97:3で混合し、混合粉末を準備する工程と、
前記混合粉末を成形し、成形体を準備する工程と、
前記成形体を焼結する工程と、を含み、
第一合金粉末に含まれる前記Rの含有量(質量%)と第二合金粉末に含まれる前記Rの含有量(質量%)との値の差が1以内であることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明によるR−T−B系焼結磁石の製造方法は、
R28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
RH0.5質量%以上5質量%以下、
B0.5質量%以上2質量%以下、
Co0.5質量%以上2.5質量%以下、
Cu0.05質量%以上0.2質量%以下、
残部Feおよび不可避的不純物からなるR−T−B系焼結磁石の製造方法において、
28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLまたは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
RH4.4質量%以下(0質量%を含む)、
B0.5質量%以上2質量%以下、
Co2質量%以下(0質量%を含む)、
Cu0.2質量%以下(0質量%を含む)、
残部Feおよび不可避的不純物からなる第一合金粉末を準備する工程と、
28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
RH10質量%以上25質量%以下、
B0.5質量以上2質量%以下、
Co5質量%以上20質量%以下、
Cu0.5質量%以上2質量%以下、
残部Feおよび不可避的不純物からなる第二合金粉末を準備する工程と、
前記第一合金粉末と前記第二合金粉末を質量比70:30〜97:3で混合し、混合粉末を準備する工程と、
前記混合粉末を成形し、成形体を準備する工程と、
前記成形体を焼結する工程と、を含み、
第一合金粉末に含まれる前記Rの含有量(質量%)と第二合金粉末に含まれる前記Rの含有量(質量%)との値の差が1以内であることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明によるR−T−B系焼結磁石の製造方法は、
R28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
RH0.5質量%以上5質量%以下、
B0.5質量%以上2質量%以下、
Co0.5質量%以上2.5質量%以下、
Cu0.05質量%以上0.2質量%以下、
Ga0.05質量%以上0.2質量%以下、
残部Feおよび不可避的不純物からなるR−T−B系焼結磁石の製造方法において、
28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLまたは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
RH4.4質量%以下(0質量%を含む)、
B0.5質量%以上2質量%以下、
Co2質量%以下(0質量%を含む)、
Cu0.2質量%以下(0質量%を含む)、
Ga0.2質量%以下(0質量%を含む)、
残部Feおよび不可避的不純物からなる第一合金粉末を準備する工程と、
28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
RH10質量%以上25質量%以下、
B0.5質量以上2質量%以下、
Co5質量%以上20質量%以下、
Cu0.5質量%以上2質量%以下、
Ga0.5質量%以上2質量%以下、
残部Feおよび不可避的不純物からなる第二合金粉末を準備する工程と、
前記第一合金粉末と前記第二合金粉末を質量比70:30〜97:3で混合し、混合粉末を準備する工程と、
前記混合粉末を成形し、成形体を準備する工程と、
前記成形体を焼結する工程と、を含み、
第一合金粉末に含まれる前記Rの含有量(質量%)と第二合金粉末に含まれる前記Rの含有量(質量%)との値の差が1以内であることを特徴とする。
請求項4に記載の本発明によるR−T−B系焼結磁石の製造方法は、
請求項1〜3のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法において、
前記R−T−B系焼結磁石におけるRLがNdおよびPrであるとともに、
Prの含有量が0.6質量%以上2質量%以下であり、
前記第一合金粉末におけるRLがNdであり、
前記第二合金粉末におけるRLがNdおよびPrであるとともに、
Prの含有量が6質量%以上19質量%以下である、
ことを特徴とする。
請求項5に記載の本発明によるR−T−B系焼結磁石は、
請求項4に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法によって得られることを特徴とする。
請求項6に記載の本発明によるR−T−B系焼結磁石は、
請求項5に記載のR−T−B系焼結磁石において、
R−T−B系焼結磁石のPrの含有量をx質量%としたとき、
R−T−B系焼結磁石の主相結晶粒の外殻部におけるPrの含有量が0.7x質量%以上であり、
R−T−B系焼結磁石の主相結晶粒の中心部におけるPrの含有量が0.4x質量%以下であり、
前記主相結晶粒の存在量が体積比率で60%以上95%以下であることを特徴とする。
請求項1に記載の本発明によれば、第一合金粉末よりも第二合金粉末にRHおよびCoが多く含有されているため、焼結時に第二合金粉末が第一合金粉末よりも先に液相化し、第一合金粉末の外殻部を第二合金粉末で取り囲むように粒成長する。これによって、主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織を実現することができ、Bを低下させずにHcJを向上させたR−T−B系焼結磁石を提供することができる。従って、第二合金粉末の微細化が不要であり、微細化のために高価なArガスやHeガスを使用する必要がなく、製造コストの増加を招くことがない。また、微細化による合金粉末の発火の危険性も解消され、安全にしてR−T−B系焼結磁石を製造することができる。また、本発明によれば、第一合金粉末に含まれるRの含有量(質量%)と第二合金粉末に含まれるRの含有量(質量%)との値の差が1以内であり、組成が近似しているため、焼結時に緻密化し易く、密度不足による磁気特性の低下を招くことがない。
請求項2に記載の本発明によれば、第一合金粉末よりも第二合金粉末にRH、CoおよびCuが多く含有されているため、前記請求項1に記載の本発明による効果をさらに助長し、HcJをさらに向上させることができる。
請求項3に記載の本発明によれば、第一合金粉末よりも第二合金粉末にRH、Co、CuおよびGaが多く含有されているため、前記請求項2に記載の本発明による効果をさらに助長し、HcJをさらに向上させることができる。
請求項4に記載の本発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法において、第二合金粉末のみにPrが含有されているため、請求項1〜3に記載の本発明による効果をさらに助長し、HcJをさらに向上させることができる。
請求項5に記載の本発明によれば、Brを低下させずに、HcJを向上させたR−T−B系焼結磁石を提供することができる。
請求項6に記載の本発明によれば、請求項5に記載のR−T−B系焼結磁石において、R−T−B系焼結磁石の主相結晶粒の外殻部に特定量のDyおよびPrを濃縮させるため、HcJをさらに向上させたR−T−B系焼結磁石を提供することができる。
本発明によるR−T−B系焼結磁石の断面EPMA分析結果を示す写真であり、(a)は反射電子線像、(b)はDyの分布を示すマッピング写真である。 比較例によるR−T−B系焼結磁石の断面EPMA分析結果を示す写真であり、(a)は反射電子線像、(b)はDyの分布を示すマッピング写真である。 本発明による他のR−T−B系焼結磁石の断面EPMA分析結果を示す写真であり、(a)は反射電子線像、(b)はDyの分布を示すマッピング写真であり、(c)はPrの分布を示すマッピング写真である。 本発明による他のR−T−B系焼結磁石のFE−SEMによる反射電子線像を示す写真である。
本発明の主たる特徴は、2合金法において、第一合金粉末よりも第二合金粉末にRH及びCoを多く含有させること、第一合金粉末に含まれるRの含有量(質量%)と第二合金粉末に含まれるRの含有量(質量%)との値の差が1以内であること、および、第一合金粉末と第二合金粉末を質量比70:30〜97:3の割合で混合することにある。これらの特徴によって、焼結時に、第二合金粉末が第一合金粉末よりも先に液相化し、第一合金粉末の外殻部を第二合金粉末で取り囲むように粒成長し、主相結晶粒子の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織を実現することができ、Bを低下させずにHcJを向上させたR−T−B系焼結磁石を得ることができる。
本発明において、主相結晶粒の外殻部とは、主相結晶粒の円周から円周の中心に向かって粒径の0.1〜15%の厚さの部分のことをいい、主相結晶粒の中心部とは、前記外殻部以外の部分のことをいう。
[R−T−B系焼結磁石]
本発明におけるR−T−B系焼結磁石は、
R28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、軽希土類元素RLはNdおよび/またはPr、重希土類元素RHはDy)、
重希土類元素RH0.5質量%以上5質量%以下、
B0.5質量%以上2質量%以下、
Co0.5質量%以上2.5質量%以下、
残部Feおよび不可避的不純物からなる。
Rは、軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPrからなり、RHはDyである。Nd、Pr、Dy以外の他の希土類元素を少量含有してもよい。また、RL及びRHは純元素でなくてもよく、工業上入手可能な範囲で、製造上不可避な不純物を含有するものでも差し支えない。Rの含有量は28質量%以上33質量%以下とする。28質量%未満では高いHcJが得られず、33質量%を超えるとBが低下する。
重希土類元素RHの含有量は0.5質量%以上5質量%以下とする。0.5質量%未満ではHcJの向上効果が少なく、5質量%を超えるとBが低下する。
B(硼素)の含有量は0.5質量%以上2質量%以下とする。0.5質量%未満ではHcJが低下し、2質量%を超えるとBが低下する。
Coの含有量は0.5質量%以上2.5質量%以下とする。Coは温度特性の向上、耐食性の向上に有効であり、0.5質量%未満ではそれらの向上効果が少なく、2.5質量%を超えるとHcJが低下する。
Feは前記元素の残部を占める。Fe、Co以外の他の遷移金属元素を少量含有してもよい。
前記各元素に加え、0.05質量%以上0.2質量%以下のCu、あるいはさらに0.05質量%以上0.2質量%以下のGaを含有させてもよい。Cuを含有させることにより、Cuを含有しない場合に比べHcJが向上する。また、CuとGaの両方を含有させることにより、Cuのみを含有させる場合に比べHcJがさらに向上する。
本発明におけるR−T−B系焼結磁石は、主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織を有している。そのため、単一合金から製造した同一組成のR−T−B系焼結磁石に比べ、Bを低下させずにHcJを向上させることができる。
前記R−T−B系焼結磁石は、特定組成からなる第一合金粉末を準備する工程、特定組成からなる第二合金粉末を準備する工程、第一合金粉末と第二合金粉末を特定割合で混合し混合粉末を得る工程、混合粉末を成形し成形体を得る工程、成形体を焼結する工程を経て製造される。以下、その製造方法について詳細に説明する。
[第一合金粉末を準備する工程]
本発明における第一合金粉末は、
28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLまたは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
RH4.4質量%以下(0質量%を含む)、
B0.5質量%以上2質量%以下、
Co2質量%以下(0質量%を含む)、
残部Feおよび不可避的不純物からなる。
第一合金粉末は、後述する第二合金粉末よりもRHおよびCoの含有量が少なく、焼結時に、第二合金粉末よりも液相化し難い組成となっており、先に液相化した第二合金粉末が第一合金粉末の外殻部を取り囲むように粒成長するため、主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織となる。
は、軽希土類元素RLまたは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなる。すなわち、RはRHが含まれない場合はRLのみからなり、RHが含まれる場合はRLとRHとからなる。RLはNdおよび/またはPrであり、RHはDyである。Nd、Pr、Dy以外の他の希土類元素を少量含有してもよい。また、RLおよびRHは純元素でなくてもよく、工業上入手可能な範囲で、製造上不可避な不純物を含有するものでも差し支えない。Rの含有量は28質量%以上33質量%以下とする。28質量%未満では得られるR−T−B系焼結磁石において高いHcJが得られず、33質量%を超えるとBが低下する。
RHの含有量は4.4質量%以下(0質量%を含む)とする。4.4質量%を超えると主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織にすることが困難になる。
B(硼素)の含有量は0.5質量%以上2質量%以下とする。0.5質量%未満では得られるR−T−B系焼結磁石のHcJが低下し、2質量%を超えるとBが低下する。
Coの含有量は2質量%以下(0質量%を含む)とする。2質量%を超えると主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織にすることが困難になる。
Feは前記元素の残部を占める。Fe、Co以外の他の遷移金属元素を少量含有してもよい。
前記各元素に加え、0.2質量%以下のCu、あるいはさらに0.2質量%以下のGaを含有させてもよい。Cuを含有させる場合は、第二合金粉末に第一合金粉末よりも多くCuを含有させる。これにより、Cuを含有しない場合に比べ、得られるR−T−B系焼結磁石のHcJが向上する。CuとGaの両方を含有させる場合は、第二合金粉末に第一合金粉末よりも多くCuとGaを含有させる。これにより、Cuのみを含有する場合に比べ、得られるR−T−B系焼結磁石のHcJがさらに向上する。
前記組成からなる第一合金粉末は、公知のR−T−B系焼結磁石の製造方法と同様の方法によって準備することができる。例えば、金型鋳造によるインゴット法や冷却ロールを用いて合金溶湯を急冷するストリップキャスト法等により合金を作製する。後述する混合粉末を準備する工程において、第一合金粉末と第二合金粉末を粗粉砕粉末の状態で混合した後、微粉砕を行って混合粉末を準備する場合は、第一合金粉末の合金と第二合金粉末の合金とをそれぞれ水素粉砕法等によって粗粉砕し、平均粒度が数百μm程度の粗粉砕粉末を準備する。また、第一合金粉末と第二合金粉末を微粉砕粉末の状態で混合する場合は、前記粗粉砕粉末をジェットミル等によって微粉砕し、平均粒径(フィッシャー法)が3〜5μm程度の微粉砕粉末を準備する。微粉砕は、酸化を防止するために、実質的に酸素を含有しない雰囲気中で行うことが好ましい。微粉砕中の酸化を防止することにより、得られるR−T−B系焼結磁石の磁気特性を向上させることができる。また、微粉砕後の微粉砕粉末の酸化を防止するために、微粉砕粉末を鉱油、合成油、植物油またはそれらの混合油中に浸漬することも好ましい。浸漬は、例えば、ジェットミルの微粉砕粉末の取出口に前記油が入った容器を設置し、直接油中へ回収する等の方法により行うことができる。
[第二合金粉末を準備する工程]
本発明における第二合金粉末は、
28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
RH10質量%以上25質量%以下、
B0.5質量%以上2質量%以下、
Co5質量%以上20質量%以下、
残部Feおよび不可避的不純物からなる。
第二合金粉末は、前記第一合金粉末よりもRH及びCoの含有量が多く、焼結時に、第一合金粉末よりも液相化し易い組成となっており、第二合金粉末が第一合金粉末よりも先に液相化し、第一合金粉末の外殻部を取り囲むように粒成長するため、主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織となる。
は、軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなる。RLはNdおよび/またはPrであり、RHはDyである。Nd、Pr、Dy以外の他の希土類元素を少量含有してもよい。また、RLおよびRHは純元素でなくてもよく、工業上入手可能な範囲で、製造上不可避な不純物を含有するものでも差し支えない。Rの含有量は28質量%以上33質量%以下とする。28質量%未満では得られるR−T−B系焼結磁石において高いHcJが得られず、33質量%を超えるとBが低下する。
RHの含有量は10質量%以上25質量%以下とする。10質量%未満では主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織にすることが困難になり、25質量%を超えると、得られるR−T−B系焼結磁石のHcJが低下する。好ましくは15質量%以上24質量%以下、さらに好ましくは20質量%以上23質量%以下である。
B(硼素)の含有量は0.5質量%以上2質量%以下とする。0.5質量%未満では得られるR−T−B系焼結磁石のHcJが低下し、2質量%を超えるとBが低下する。
Coの含有量は5質量%以上20質量%以下とする。5質量%未満では主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織にすることが困難になり、20質量%を超えると得られるR−T−B系焼結磁石のBが低下する。
Feは前記元素の残部を占める。Fe、Co以外の他の遷移金属元素を少量含有してもよい。
前記各元素に加え、0.5質量%以上2質量%以下のCu、あるいはさらに0.5質量%以上2質量%以下のGaを含有させてもよい。第一合金粉末よりも第二合金粉末にRHおよびCoを多く含有させ、かつCuを多く含有させることにより、Cuを含有しない場合に比べ焼結中の液相生成を促進できるため、得られるR−T−B系焼結磁石のHcJが向上する。さらに、CuとGaの両方を含有させることにより、Cuのみを含有する場合に比べ、得られるR−T−B系焼結磁石のHcJがさらに向上する。
前記組成からなる第二合金粉末は、前記第一合金粉末と同様の方法によって準備することができる。本発明においては、第一合金粉末よりも第二合金粉末にRHおよびCoを多く含有させることによって、主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織を実現することができるため、前記特許文献3のように、第二合金粉末の微細化が不要であり、微細化のために高価なArガスやHeガスを使用する必要がなく、製造コストの増加を招くことがない。また、微細化による合金粉末の発火の危険性も解消され、安全にしてR−T−B系焼結磁石を製造することができる。
第一合金粉末に含まれるRの含有量(質量%)と第二合金粉末に含まれるRの含有量(質量%)との値の差が1以内とする。R含有量とR含有量の差が大きくなるにつれ、混合粉末を焼結する際に緻密化し難くなって、密度不足により得られるR−T−B系焼結磁石の磁気特性が低下するためである。R含有量とR含有量の差が1を超えると急に緻密化し難くなるということはないが、R含有量とR含有量の差をできるだけ小さくすることにより、主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織を実現し易くなる。
なお、前記1以内とは、第一合金粉末および第二合金粉末を準備する工程における、第一合金粉末中のRの質量比(質量%)と第二合金粉末中のRの質量比(質量%)との差であり、原料配合時の狙い組成にもとづくものである。RおよびRの含有量は、溶解工程や粉砕工程において、酸化や分級などによって若干変化し、その変化量もRHの含有量や平均粒径等の違いによって異なるため、粉末の状態において含有量の差を規定することが難しいからである。
前記のR−T−B系焼結磁石、第一合金粉末を準備する工程および第二合金粉末を準備する工程において、R−T−B系焼結磁石におけるRLがNdおよびPrであるとともに、Prの含有量が0.6質量%以上2質量%以下であり、第一合金粉末におけるRLがNdであり、第二合金粉末におけるRLがNdおよびPrであるとともに、Prの含有量が6質量%以上19質量%以下とすることにより、HcJをさらに向上させることができる。この場合、第一合金粉末には基本的にPrは含有されない。但し、不可避的不純物として混入する場合は許容される。
[混合粉末を準備する工程]
第一合金粉末と第二合金粉末の質量比は70:30〜97:3とする。第一合金粉末の質量比が70未満または97を超えると、主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織にすることが困難になり、得られるR−T−B系焼結磁石のHcJが低下するためである。第一合金粉末と第二合金粉末は、両粉末が粗粉砕粉末の状態で混合してもよいし、微粉砕粉末の状態で混合してもよい。粗粉砕粉末の状態で混合する場合は、両粉末を上記質量比で混合後、ジェットミル等により微粉砕して混合粉末を準備する。混合には公知の混合機等を使用することができる。また、混合は、不活性ガス雰囲気中等で行ってもよいし、粗粉砕粉または微粉砕粉末を鉱油、合成油、植物油またはそれらの混合油中に浸漬し、油中で混合してもよい。
[成形体を準備する工程]
前記混合粉末を成形し、成形体を準備する工程は、公知のR−T−B系焼結磁石の製造方法と同様の方法を用いることができる。例えば、磁界中で金型を用いて加圧成形する方法等である。本工程において、酸素や炭素などの不純物の混入を最小限に抑えるため、潤滑剤や離型剤等の使用は最小限にとどめることが好ましい。また、酸化を抑制ために、混合粉末を油中に浸漬してスラリー状にして、そのスラリーを磁界中で湿式成形することも好ましい。これらの好ましい方法を用いることによって、得られるR−T−B系焼結磁石の磁気特性を向上させることができる。
[成形体を焼結する工程]
前記成形体を焼結する工程は、公知のR−T−B系焼結磁石の製造方法と同様の方法を用いることができる。本発明においては、第一合金粉末と第二合金粉末の組成が近似しており、特に、R含有量とR含有量との差が1質量%以内であるため、焼結時に緻密化し易く、密度不足による磁気特性の低下を招くことがない。
上記の製造方法によって得られた本発明によるR−T−B系焼結磁石に対して、例えば、国際公開第2007/102391号に代表されるような、R−T−B系焼結磁石に重希土類元素RHを含む金属、合金、化合物等を特定手段により磁石表面に供給した後、熱処理で重希土類元素RHを磁石内部に拡散させる方法を適用することもできる。これにより、さらに、主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮させることができ、Bの低下を抑制しつつHcJを向上させることができる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例1
表1に示す第一合金粉末と第二合金粉末の組成になるように各原料を配合し、それぞれを溶解し、ストリップキャスト法によって厚さ0.2mm〜0.4mmの板状合金を得た。前記板状合金を水素加圧雰囲気で水素脆化させた後、600℃まで真空中で加熱後、冷却し粗粉砕粉末を得た。得られた第一合金粉末の粗粉砕粉末と第二合金粉末の粗粉砕粉末を90:10の質量比でV型混合機に投入して混合し、混合粉末を得た。前記混合粉末をジェットミルにより窒素気流中で微粉砕し、平均粒径3.0μmの微粉砕粉末を得た。
前記微粉砕粉末に、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を0.05質量%添加混合した後、磁界中で成形し、成形体を得た。前記成形体を真空中において1050℃で2時間焼結し、室温まで冷却してR−T−B系焼結磁石を得た。得られたR−T−B系焼結磁石の組成分析および酸素分析の結果を表1に示す。また得られたR−T−B系焼結磁石の磁気特性の測定結果を表1に示す。
表1に示すように、試料No.1および4の第一合金粉末よりも第二合金粉末にDy及びCoを多く含有する本発明による焼結磁石は、試料No.2および3の第一合金粉末よりも第二合金粉末にDyのみ多く含有し、第一合金粉末と第二合金粉末のCo量が同じ比較例の焼結磁石に比べて、HcJが大きく向上している。なお、以下の説明においては、「第一合金粉末よりも第二合金粉末に」の「第一合金粉末よりも」を省略し、「第二合金粉末に」と記載する。
また、試料No.1および4よりも、試料No.5の第二合金粉末にDy、CoおよびCuを多く含有する本発明による焼結磁石の方が、HcJが向上しており、さらに、試料No.6の第二合金粉末にDy、Co、CuおよびGaを多く含有する焼結磁石の方が、さらにHcJが向上している。一方、試料No.7の第二合金粉末にDyおよびCuを多く含有し、第一合金粉末と第二合金粉末のCo量が同じ比較例の焼結磁石のHcJは、試料No.2の焼結磁石と同じ程度である。すなわち、HcJを向上させるためには、第二合金粉末にDyとCoを多く含有することが必要であり、DyとCoに加えてCu、あるいはさらにGaを多くが含有することにより、さらにHcJを向上させることができる。
表1の試料No.6の本発明による焼結磁石の断面EPMA分析結果を示す写真を図1に示す。また、表1の試料No.3の比較例の焼結磁石の断面EPMA分析結果を示す写真を図2に示す。図1、図2いずれも(a)が反射電子線像の写真、(b)がDyの分布を示すマッピング写真であり、倍率は2000倍である。図1(a)および図2(a)において、灰色の部分及び黒みがかった灰色の部分が主相結晶粒であり、白い部分が粒界相である。また、図1(b)および図2(b)において、白い部分がDyの濃度が高い部分、黒い部分がDyの濃度が低い部分である。
図1(b)では、多数の黒い粒子状の部分(Dy濃度が低い部分)が存在し、その周りをドーナツ状に白い部分(Dy濃度が高い部分)が取り囲んでいる。これを図1(a)と照らし合わせると、ドーナツ状の部分(黒い粒子状の部分を含む)が一つの主相結晶粒に相当することが分かる。すなわち、図1(a)に示す通り、本発明による焼結磁石は、主相結晶粒の外殻部にDyを濃縮した組織となっていることが分かる。
一方、図2(b)では、黒い粒子状の部分(Dy濃度が低い部分)をドーナツ状に白い部分(Dy濃度が高い部分)が取り囲んでいるものと、逆に、白い粒子状の部分(Dy濃度が高い部分)をドーナツ状に黒い部分(Dy濃度が低い部分)が取り囲んでいるものとが混在している。これを図2(a)と照らし合わせると、ドーナツ状の部分(黒い粒子状の部分を含む)が一つの主相結晶粒に相当することが分かる。すなわち、図2(a)に示すとおり、比較例の焼結磁石においては、主相結晶粒の外殻部にDyを濃縮した組織と、全く逆の組織が存在する。
これは、比較例の永久磁石においては、第一合金粉末と第二合金粉末のCo含有量が同じであるため、焼結時に第一合金粉末と第二合金粉末とからほぼ同様に液相化し、第一合金粉末の外殻部を第二合金粉末で取り囲むように粒成長するものもあれば、第二合金粉末の外殻部を第一合金粉末で取り囲むように粒成長しているものもあると考えられる。このような粒成長により焼結された焼結磁石は、表1の磁気特性の結果からも明らかなようにHcJは向上しない。
以上のように、本発明の製造方法によれば、主相結晶粒の外殻部に重希土類元素RHを濃縮した組織を実現することができ、Bを低下させずにHcJを向上させたR−T−B系焼結磁石を得ることができる。
実施例2
表2に示す第一合金粉末と第二合金粉末の組成になるように各原料粉末を配合することと、表2に示す質量比にて混合する以外は実施例1と同様な方法によりR−T−B系焼結磁石を作製した。得られた焼結磁石の組成分析及び酸素分析の結果、並びに磁気特性の測定結果を表2に示す。
本実施例は、質量比を95:5から50:50に変化させ、同じ組成の焼結磁石を作製したものである。表2に示すように、第二合金粉末の質量比が大きくなるにつれHcJが低下する傾向があり、質量比が60:40(試料No.12)になると、HcJが大きく低下する。好ましい質量比は90:10である。
実施例3
表3に示す第一合金粉末と第二合金粉末の組成になるように各原料粉末を配合する以外は実施例1と同様な方法によりR−T−B系焼結磁石を作製した。得られた焼結磁石の組成分析および酸素分析の結果、並びに磁気特性の測定結果を表3に示す。
本実施例は、第二合金粉末のDy含有量を変化させ、同じ組成の焼結磁石を作製したものである。表3に示すように、第二合金粉末のDy含有量が10質量%(試料No.15)および25質量%(試料No.16)でHcJが大きく向上している。このように、第二合金粉末におけるDy含有量は、10質量%〜25質量%の範囲が好ましい。
実施例4
表4に示す第一合金粉末と第二合金粉末の組成になるように各原料粉末を配合する以外は実施例1と同様な方法によりR−T−B系焼結磁石を作製した。得られた焼結磁石の組成分析及び酸素分析の結果、並びに磁気特性の測定結果を表4に示す。
本実施例は、第二合金粉末のCo含有量、Cu含有量、Ga含有量を変化させたものである。表4の試料No.18〜22に示すように、第二合金粉末のCo含有量が5質量%(試料No.19)、10質量%(試料No.20)、20質量%(試料No.21)で高いHcJが得られている。一方、Co含有量が3質量%(試料No.18)ではHcJが低下し、30質量%(試料No.22)になるとBが低下する。このように、第二合金粉末におけるCo含有量は、5質量%〜20質量%の範囲が好ましい。
表4の試料No.23〜26は、第二合金粉末にDy、CoおよびCuを多く含有するものである。試料No.19と23、20と24、21と25の対比から明らかなように、第二合金粉末にDy、Coを多く含有するとともにCuを含有することにより、HcJが向上している。但し、試料No.25と26の対比から明らかなように、Cu含有量が3質量%になるとBが低下する。このように、第二合金粉末におけるCu含有量は、2質量%以下が好ましい。
表4の試料No.27〜30は、第二合金粉末にDy、Co、CuおよびGaを多く含有するものである。試料No.23と27、24と28、25と29の対比から明らかなように、第二合金粉末にDy、Co、Cuを多く含有するとともにGaを含有することにより、HcJが向上している。但し、試料No.29と30の対比から明らかなように、Ga含有量が3質量%になると、Bが低下する。このように、第二合金粉末におけるGa含有量は、2質量%以下が好ましい。
実施例5
表5の試料No.31に示す第一合金粉末と第二合金粉末の組成になるように各原料を配合し、それぞれを溶解し、ストリップキャスト法によって厚さ0.2mm〜0.4mmの板状合金を得た。前記板状合金を水素加圧雰囲気で水素脆化させた後、600℃まで真空中で加熱後、冷却し粗粉砕粉末を得た。得られた第一合金粉末の粗粉砕粉末と第二合金粉末の粗粉砕粉末を90:10の質量比でV型混合機に投入して混合し、混合粉末を得た。前記混合粉末を、実質的に酸素を含有しない不活性ガス中でジェットミルにより微粉砕し、平均粒径3.0μmの微粉砕粉末を得た。
ジェットミルの微粉砕粉末の取出口に油が入った容器を設置し、微粉砕粉末をジェットミルから直接油中へ回収した。得られた油と微粉砕粉末からなるスラリーを磁界中で湿式成形し、成形体を得た。前記成形体を真空中において200℃で1時間加熱する脱油処理を行い、引き続き真空中において1050℃で2時間焼結し、室温まで冷却してR−T−B系焼結磁石を得た。得られた焼結磁石の組成分析及び酸素分析の結果、並びに磁気特性の測定結果を表5に示す。
また、表5の試料No.32に示す第一合金粉末と第二合金粉末の組成になるように各原料を配合する以外は実施例と同様な方法(大気中で乾式成形)によりR−T−B系焼結磁石を作製した。得られた焼結磁石の組成分析および酸素分析の結果、並びに磁気特性の測定結果を表5に示す。
表5に示す通り、湿式成形した焼結磁石(試料No.31)の含有酸素量は0.1質量%(1000ppm)であり、大気中で乾式成形した焼結磁石(試料No.32)の含有酸素量の0.39質量%(3900ppm)に比べ、大幅に低減されている。すなわち、微粉砕粉末を油中に浸漬してスラリー状となし、そのスラリーを磁場中で湿式成形することにより、微粉砕粉末の酸化が防止されている。これによって、大気中で乾式成形した焼結磁石に比べ、B、HcJが大きく向上している。
実施例6
表6に示す第一合金粉末と第二合金粉末の組成になるように各原料を配合する以外は実施例1と同様な方法によりR−T−B系焼結磁石を作製した。得られた焼結磁石の組成分析及び酸素分析の結果、並びに磁気特性の測定結果を表6に示す。
本実施例は、第二合金粉末のみにPrを含有する組成(試料No.33)と第一合金粉末と第二合金粉末の両方に同量のPrを含有する組成(試料No.34)と、第一合金粉末および第二合金粉末ともにPrを含有しない組成(試料No.35)で焼結磁石を製作したものである。なお、試料No.33及び試料No.35の第一合金粉末に含有されているPr(0.1質量%)は不可避的不純物として混入したものである。
表6に示すように、第二合金粉末のみにPrを含有する試料No.33の焼結磁石は、第一合金粉末と第二合金粉末の両方に同量のPrを含有する試料No.34ならびに第一合金粉末および第二合金粉末ともにPrを含有しない試料No.35の焼結磁石よりもHcJが向上している。すなわち、第二合金粉末のみにPrを含有させることにより、Bを低下させずにHcJをさらに向上させることができる。
表6の試料No.33の焼結磁石の断面EPMA分析結果を示す写真を図3に示す。図3において、(a)が反射電子線像の写真、(b)がDyの分布を示すマッピング写真、(c)がPrの分布を示すマッピング写真であり、それぞれ倍率は2000倍である。図3(a)において、灰色の部分及び黒みがかった灰色の部分が主相結晶粒であり、白色の部分が粒界相である。また、図3(b)において、灰色の部分がDyの濃度が高い部分、黒色の部分がDyの濃度が低い部分であり、図3(c)において、黒みがかった灰色の部分がPrの濃度が高い部分、黒い部分がPrの濃度が低い部分であり、灰色(黒みがかった灰色よりも白い)の部分は粒界相である。
図3(b)、(c)では、多数の黒い粒子状の部分(DyまたはPr濃度が低い部分)が存在し、図3(b)においては灰色の部分(Dy濃度が高い部分)が、図3(c)においては黒みがかった灰色の部分(Pr濃度が高い部分)が、黒い粒子状の部分の周りをドーナツ状に取り囲んでいる。これを図3(a)と照らしあわせると、ドーナツ状の部分(黒い粒子状の部分を含む)が一つの主相結晶粒に相当することがわかる。すなわち、第二合金粉末のみにPrを含有することにより、主相結晶粒の外殻部にDyおよびPrを濃縮した組織となっていることがわかる。
表7は、前記表6の試料No.33と試料No.34の焼結磁石における主相結晶粒の中心部と外殻部を下記に記載する方法により分析し、R(Nd、Pr、Dy)の組成(質量%)を求めたものである。なお、試料No.33については8ヵ所を分析した。分析方法は以下の通りである、例えばPrを分析する場合、まず、試料表面を平滑に研磨後、EPMAにより各元素の特性X線のラインプロファイルのカウント数(以下、X線カウント数と記載する。)を500μmの範囲で測定する。次に、焼結磁石全体のPrのICP分析値と、同じ焼結磁石におけるPrのX線カウント数の500μmの範囲での平均値を、Pr組成の異なる複数の焼結磁石において求める。そして、これらのデータを元に一次関数(検量線)を作成する。この検量線を用いて、PrのX線カウント数からPrの組成を分析することができる。
表7に示すように、試料No.33および試料No.34は、いずれも焼結磁石におけるDy含有量(2.3質量%)、Pr含有量(1.0質量%)は同じであるが、試料No.33は、DyおよびPrの濃度が主相結晶粒における中心部よりも外殻部の方が高く、主相結晶粒の外殻部にDyおよびPrが濃縮されている。これに対し、試料No.34は、Dyは主相結晶粒の外殻部に濃縮されているが、Prは主相結晶粒における中心部と外殻部とで濃度差がほとんどなく、主相結晶粒の外殻部にPrが濃縮されていないことが分かる。
また、表7に示すように、試料No.33は、R−T−B系焼結磁石のPrの含有量をx質量%としたとき、主相結晶粒の外殻部におけるPrの含有量は0.7x質量%以上となり、また、主相結晶粒の中心部におけるPrの含有量は0.4x質量%以下となる。以上の通り、第二合金粉末のみにPrを含有させることにより、主相結晶粒の外殻部にPrを濃縮させることができBを低下させずにHcJをさらに向上させることができる。
実施例7
表8に示す第一合金粉末と第二合金粉末の組成になるように各原料粉末を配合すること以外は実施例1と同様な方法によりR−T−B系焼結磁石を作製した。得られた焼結磁石の組成分析及び酸素分析の結果、並びに140℃におけるHcJの測定結果を表8に示す。
R−T−B系焼結磁石にPrを多量に含有させると温度特性が悪化し、高温においてHcJが大きく低下してしまう。本実施例は、焼結磁石におけるPrの含有量を変化させ、得られた焼結磁石を140℃の高温に加熱し、140℃におけるHcJを測定したものである。表8に示すように、Prの含有量が、焼結磁石においては0.6質量%から2質量%の範囲で、第二合金粉末においては6質量%以上19質量%の範囲で、HcJが大きく向上している。このように、Prの含有量が焼結磁石において0.6質量%未満(第二合金粉末において6質量%未満)であると、添加量が少なすぎる為、所望のHcJ向上効果が得られないので好ましくない。また、Prの含有量が焼結磁石において2.0質量%を超えると(第二合金粉末において19質量%を超えると)焼結磁石の温度特性が悪化し、高温においてHcJが低下してしまうため好ましくない。
実施例8
前記実施例6の試料No.33の焼結磁石断面のFE−SEMによる反射電子線像の写真を図4に示す。図4からわかるように、個々の主相結晶粒において、外殻部と中心部とで濃淡が異なっている。すなわち、ドーナツ状の黒みがかった灰色の部分が外殻部であり、黒い粒子状の部分が中心部である。前記実施例6の表7に示す通り、主相結晶粒の外殻部におけるPrの含有量は0.7x質量%以上、主相結晶粒の中心部におけるPrの含有量は0.4x質量%以上となっている。この主相結晶粒のR−T−B系焼結磁石中における存在量(体積比率)を求めた。体積比率は、図4を用いて点算法により前記主相結晶粒の面積比率を求め、それを前記主相結晶粒の体積比率とした。その結果、前記主相結晶粒の存在量は体積比率で90%であった。また、前記実施例7の試料No.37、38、39の焼結磁石断面のFE−SEMによる反射電子線像を複数個所観察し、前記と同様に前記主相結晶粒の存在量を点算法により求めた。その結果、前記主相結晶粒の存在量は体積比率で60%〜95%の範囲にあった。
実施例9
表9に示す第一合金粉末と第二合金粉末の組成になるように各原料粉末を配合すること以外は実施例1と同様な方法によりR−T−B系焼結磁石を作製した。得られた焼結磁石の組成分析及び酸素分析の結果、並びに磁気特性の測定結果を表9に示す。
本実施例は、第二合金粉末のみにPrを含有する組成(試料No.33)と第一合金粉末および第二合金粉末ともにPrを含有しない組成(試料No.41)とでHcJの値が同じになるように、Dy量を調整して焼結磁石を製作したものである。
表9に示すように、試料No.33および試料No.41は、いずれもHcJの値は同じ(1490kA/m)であるが、試料No.33のDyの含有量は2.3質量%であるのに対し、試料No.41のDyの含有量は2.8質量%であり、試料No.33に比べてDyの含有量が0.5質量%多い。すなわち、第二合金粉末のみにPrを含有する組成(試料No.33)にすることで、第一合金粉末および第二合金粉末ともにPrを含有しない組成(試料No.41)と比べてDyの使用量を0.5質量%削減させることができる。

Claims (6)

  1. R28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
    RH0.5質量%以上5質量%以下、
    B0.5質量%以上2質量%以下、
    Co0.5質量%以上2.5質量%以下、
    残部Feおよび不可避的不純物からなるR−T−B系焼結磁石の製造方法において、
    28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLまたは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
    RH4.4質量%以下(0質量%を含む)、
    B0.5質量%以上2質量%以下、
    Co2質量%以下(0質量%を含む)、
    残部Feおよび不可避的不純物からなる第一合金粉末を準備する工程と、
    28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
    RH10質量%以上25質量%以下、
    B0.5質量以上2質量%以下、
    Co5質量%以上20質量%以下、
    残部Feおよび不可避的不純物からなる第二合金粉末を準備する工程と、
    前記第一合金粉末と前記第二合金粉末を質量比70:30〜97:3で混合し、混合粉末を準備する工程と、
    前記混合粉末を成形し、成形体を準備する工程と、
    前記成形体を焼結する工程と、を含み、第一合金粉末に含まれる前記Rの含有量(質量%)と第二合金粉末に含まれる前記Rの含有量(質量%)との値の差が1以内である、R−T−B系焼結磁石の製造方法。
  2. R28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
    RH0.5質量%以上5質量%以下、
    B0.5質量%以上2質量%以下、
    Co0.5質量%以上2.5質量%以下、
    Cu0.05質量%以上0.2質量%以下、
    残部Feおよび不可避的不純物からなるR−T−B系焼結磁石の製造方法において、
    28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLまたは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
    RH4.4質量%以下(0質量%を含む)、
    B0.5質量%以上2質量%以下、
    Co2質量%以下(0質量%を含む)、
    Cu0.2質量%以下(0質量%を含む)、
    残部Feおよび不可避的不純物からなる第一合金粉末を準備する工程と、
    28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
    RH10質量%以上25質量%以下、
    B0.5質量以上2質量%以下、
    Co5質量%以上20質量%以下、
    Cu0.5質量%以上2質量%以下、
    残部Feおよび不可避的不純物からなる第二合金粉末を準備する工程と、
    前記第一合金粉末と前記第二合金粉末を質量比70:30〜97:3で混合し、混合粉末を準備する工程と、
    前記混合粉末を成形し、成形体を準備する工程と、
    前記成形体を焼結する工程と、
    を含み、第一合金粉末に含まれる前記Rの含有量(質量%)と第二合金粉末に含まれる前記Rの含有量(質量%)との値の差が1以内である、R−T−B系焼結磁石の製造方法。
  3. R28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
    RH0.5質量%以上5質量%以下、
    B0.5質量%以上2質量%以下、
    Co0.5質量%以上2.5質量%以下、
    Cu0.05質量%以上0.2質量%以下、
    Ga0.05質量%以上0.2質量%以下、
    残部Feおよび不可避的不純物からなるR−T−B系焼結磁石の製造方法において、
    28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLまたは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
    RH4.4質量%以下(0質量%を含む)、
    B0.5質量%以上2質量%以下、
    Co2質量%以下(0質量%を含む)、
    Cu0.2質量%以下(0質量%を含む)、
    Ga0.2質量%以下(0質量%を含む)、
    残部Feおよび不可避的不純物からなる第一合金粉末を準備する工程と、
    28質量%以上33質量%以下(Rは軽希土類元素RLと重希土類元素RHからなり、RLはNdおよび/またはPr、RHはDy)、
    RH10質量%以上25質量%以下、
    B0.5質量以上2質量%以下、
    Co5質量%以上20質量%以下、
    Cu0.5質量%以上2質量%以下、
    Ga0.5質量%以上2質量%以下、
    残部Feおよび不可避的不純物からなる第二合金粉末を準備する工程と、
    前記第一合金粉末と前記第二合金粉末を質量比70:30〜97:3で混合し、混合粉末を準備する工程と、
    前記混合粉末を成形し、成形体を準備する工程と、
    前記成形体を焼結する工程と、
    を含み、第一合金粉末に含まれる前記Rの含有量(質量%)と第二合金粉末に含まれる前記Rの含有量(質量%)との値の差が1以内である、R−T−B系焼結磁石の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法において、
    前記R−T−B系焼結磁石におけるRLがNdおよびPrであるとともに、
    Prの含有量が0.6質量%以上2質量%以下であり、
    前記第一合金粉末におけるRLがNdであり、
    前記第二合金粉末におけるRLがNdおよびPrであるとともに、
    Prの含有量が6質量%以上19質量%以下である、
    R−T−B系焼結磁石の製造方法。
  5. 請求項4に記載のR−T−B系焼結磁石の製造方法によって得られたR−T−B系焼結磁石。
  6. R−T−B系焼結磁石のPrの含有量をx質量%としたとき、
    R−T−B系焼結磁石の主相結晶粒の外殻部におけるPrの含有量が0.7x質量%以上であり、
    R−T−B系焼結磁石の主相結晶粒の中心部におけるPrの含有量が0.4x質量%以下であり、
    前記主相結晶粒の存在量が体積比率で60%以上95%以下である、
    請求項5に記載のR−T−B系焼結磁石。
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