JP2013084847A - 金属ベース回路基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属ベース2上に、絶縁層3を介して導体回路4が設けられた、金属ベース回路基板1の製造方法であって、溶媒及び液晶ポリエステルを含む液晶ポリエステル液状組成物を、導体回路4とするための導電箔上に塗工し、前記溶媒を除去して絶縁層3を形成する工程と、前記絶縁層3上に金属ベース2を重ね、得られた積層体を真空下又は不活性ガス雰囲気下で加熱プレスすることにより、前記絶縁層及び金属ベースを熱圧着させる工程と、を有し、前記液晶ポリエステルの流動開始温度が300〜340℃であることを特徴とする金属ベース回路基板の製造方法。
【選択図】図2
Description
十分な放熱性を実現する回路基板としては、金属ベース上に絶縁層及び導体回路がこの順に設けられた金属ベース回路基板が使用される。金属ベース回路基板において、絶縁層は、導体回路を金属ベースから電気的に絶縁するのに加え、これらを互いに貼り合せる役割も果たしている。そのため、絶縁層には通常、樹脂が使用される。
しかしながら、樹脂は熱伝導率が低い。そこで、金属ベース回路基板について、絶縁層の熱伝導率を高めるための研究が進められている。
本発明は、金属ベース上に、絶縁層を介して導体回路が設けられた、金属ベース回路基板の製造方法であって、溶媒及び液晶ポリエステルを含む液晶ポリエステル液状組成物を、導体回路とするための導電箔上に塗工し、前記溶媒を除去して絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層上に金属ベースを重ね、得られた積層体を真空下又は不活性ガス雰囲気下で加熱プレスすることにより、前記絶縁層及び金属ベースを熱圧着させる工程と、を有し、前記液晶ポリエステルの流動開始温度が300〜340℃であることを特徴とする金属ベース回路基板の製造方法を提供する。
本発明の金属ベース回路基板の製造方法においては、前記液晶ポリエステルが、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を有し、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対して、下記一般式(1)で表される繰返し単位を30〜80モル%、下記一般式(2)で表される繰返し単位を10〜35モル%、下記一般式(3)で表される繰返し単位を10〜35モル%有することが好ましい。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基であり;Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記一般式(4)で表される基であり;X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基であり;前記Ar1、Ar2及びAr3中の一つ以上の水素原子は、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5−
(式中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基であり;Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基である。)
本発明の金属ベース回路基板の製造方法においては、前記液晶ポリエステル液状組成物が、さらに、熱伝導率が10W/(m・K)以上の無機充填材を含むことが好ましい。
本発明の金属ベース回路基板の製造方法においては、前記溶媒の除去を100〜210℃で行うことが好ましい。
本発明の金属ベース回路基板の製造方法においては、前記加熱プレスにおいて、最高温度にある前記積層体の冷却開始時にプレスを開始することが好ましい。
かかる製造方法によれば、液晶ポリエステルを十分に溶解させたまま、液晶ポリエステル液状組成物を導電箔上に塗工でき、絶縁層形成時における不活性ガス雰囲気下での加熱処理による液晶ポリエステルの高分子量化を行わなくても、耐熱性、導体回路及び絶縁層間の密着強度、並びに放熱性に優れた金属ベース回路基板が得られる。
前記絶縁層形成工程においては、まず、前記液状組成物を、導体回路とするための導電箔上に塗工する。
前記液状組成物は、液晶ポリエステル及び溶媒を含むものであり、液晶ポリエステルは溶媒への溶解比率が高いほど好ましい。
(I)芳香族ヒドロキシカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸と、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重合(重縮合)させてなるもの、
(II)複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させてなるもの、
(III)芳香族ジカルボン酸と、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重合させてなるもの、
(IV)ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルと、芳香族ヒドロキシカルボン酸と、を重合させてなるもの
が挙げられる。ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンは、それぞれ独立に、その一部又は全部に代えて、その重合可能な誘導体が用いられてもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシアミンのようなヒドロキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシル基をアシル化してアシルオキシル基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンのようなアミノ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基であり;Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記一般式(4)で表される基であり;X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基であり;前記Ar1、Ar2及びAr3中の一つ以上の水素原子は、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5−
(式中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基であり;Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基である。)
前記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基及びn−デシル基が挙げられ、その炭素数は、1〜10であることが好ましい。
前記アリール基の例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられ、その炭素数は、6〜20であることが好ましい。
前記水素原子がこれらの基で置換されている場合、その数は、Ar1、Ar2又はAr3で表される前記基毎に、それぞれ独立に2個以下であることが好ましく、1個であることがより好ましい。
繰返し単位(1)の含有量が多いほど、液晶ポリエステルの液晶性が向上し、耐熱性や強度・剛性が向上する傾向にあり、繰返し単位(1)の含有量が少ないほど、液晶ポリエステルの溶媒に対する溶解性が向上する傾向にある。
繰返し単位(2)の含有量が多いほど、液晶ポリエステルの溶媒に対する溶解性が向上する傾向にあり、繰返し単位(2)の含有量が少ないほど、液晶ポリエステルの液晶性が向上する傾向にある。
繰返し単位(3)の含有量が多いほど、液晶ポリエステルの溶媒に対する溶解性が向上する傾向にあり、繰返し単位(3)の含有量が少ないほど、液晶ポリエステルの液晶性が向上する傾向にある。
そして、液晶ポリエステルは、繰返し単位として、繰返し単位(1)〜(3)のみを有することが好ましい。
また、前記非プロトン性化合物としては、液晶ポリエステルを溶解し易いことから、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラメチル尿素、γ−ブチロラクトンが好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンがより好ましい。
前記他の成分としては、充填材が好ましく、その例としては、無機充填材及び有機充填材が挙げられる。
具体的な無機充填材の例としては、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物;窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物;炭化ケイ素等の炭化物;ホウ酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、チタン酸カリウム等のオキソ酸塩が挙げられ、これらを一種又は二種以上使用でき、酸化物、窒化物が好ましい。
例えば、前記粒状充填材は、平均粒径が0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましい。また、前記板状充填材は、平均粒径が0.1〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。
熱伝導率=熱拡散率×比熱×密度
熱拡散率は、レーザーフラッシュ法により測定できる。
比熱は、示差走査熱量計(DSC)を用い、サファイア標準物質との比較により測定できる。
密度は、アルキメデス法により測定できる。
導電箔(すなわち、導体回路)の厚さは、好ましくは9〜140μm、より好ましくは18〜70μmである。下限値以上とすることで、導体回路としての機能がより向上し、上限値以下とすることで、導体回路の屈曲が容易となって金属ベース回路基板の折り曲げ加工性が向上する共に、金属ベース回路基板を搭載する電子機器の小型化及び薄型化が容易となる。
溶媒を除去する方法は、特に限定されないが、操作が簡便である点で、溶媒を蒸発させる方法が好ましく、加熱、減圧及び通風のいずれかを単独で、又は二つ以上を組み合わせて蒸発させる方法が例示できる。なかでも、生産効率及び取扱い性の観点から、加熱して蒸発させる方法が好ましく、通風及び加熱しながら蒸発させる方法がより好ましい。溶媒を蒸発させるときの加熱は、100〜210℃で10〜120分間の条件で行うことが好ましい。なお、ここで「溶媒を除去する」とは、必ずしも「溶媒を全量除去する」ことを意味するものではないが、例えば、絶縁層の明らかな重量変化が生じない程度にまで、十分に溶媒を除去することが好ましい。
前記絶縁層形成工程に次いで行う熱圧着工程においては、前記絶縁層上に金属ベースを重ね、得られた積層体を真空下又は不活性ガス雰囲気下で加熱プレスすることにより、前記絶縁層及び金属ベースを熱圧着させる。本工程により、導電箔、絶縁層及び金属ベースがこの順に積層された金属ベース基板が得られる。
前記金属ベースの厚さは、100〜3000μmであることが好ましく、500〜2000μmであることがより好ましい。
前記金属ベースは、熱伝導率が60W/(m・K)以上のものが好ましい。
前記金属ベースは、単層でもよいし複数層でもよい。そして複数層である場合には、これら複数層の材質(金属)は、互いに同一でも異なっていてもよい。
不活性ガス雰囲気下で加熱プレスする場合には、窒素ガス等の不活性ガスを用いればよい。
また、前記積層体の冷却は、冷却水等の冷却媒体を用いて行うことが好ましい。
このときの最高温度の保持時間は、5〜60分間であることが好ましく、10〜40分間であることがより好ましい。
ここに示す金属ベース基板1’は、導電箔4’、絶縁層3及び金属ベース2がこの順に積層されたものである。ただし、本発明において、金属ベース基板は、ここに示すものに限定されない。
なお、図1において、X方向及びY方向は、金属ベース2の主面(絶縁層3との接触面)に対して平行であり、且つ互いに直交し、Z方向はX方向及びY方向に対して垂直な方向(金属ベース基板1’の厚さ方向)である。
フローテスター(島津製作所社製、CFT−500型)を用いて、液晶ポリエステル約2gを、内径1mm及び長さ10mmのノズルを有するダイを取り付けたシリンダーに充填し、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、ノズルから押し出し、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度を測定した。
[製造例1]
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(1976g、10.5モル)、4−ヒドロキシアセトアニリド(1474g、9.75モル)、イソフタル酸(1620g、9.75モル)及び無水酢酸(2374g、23.25モル)を仕込み、反応器内のガスを窒素ガスで十分に置換した後、窒素ガス気流下で攪拌しながら、15分間かけて室温から150℃まで昇温し、この温度(150℃)を保持して3時間還流させた。
次いで、留出する副生成物の酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、2時間50分かけて300℃まで昇温し、直ちに反応器から内容物を取り出した。この内容物を室温まで冷却し、得られた固形物を粉砕機で粉砕し、低分子量の液晶ポリエステルの粉末を得た。この液晶ポリエステル粉末の流動開始温度は180℃であった。
製造例1で得られた液晶ポリエステル粉末を、窒素ガス雰囲気下において223℃で3時間加熱処理することで、固相重合を行った。固相重合後の液晶ポリエステルの流動開始温度は270℃であった。
製造例1で得られた液晶ポリエステル粉末を、窒素ガス雰囲気下において270℃で3時間加熱処理することで、固相重合を行った。固相重合後の液晶ポリエステルの流動開始温度は300℃であった。
製造例1で得られた液晶ポリエステル粉末を、窒素ガス雰囲気下において290℃で3時間加熱処理することで、固相重合を行った。固相重合後の液晶ポリエステルの流動開始温度は340℃であった。
製造例1で得られた液晶ポリエステル粉末を、窒素ガス雰囲気下において320℃で3時間加熱処理することで、固相重合を行った。固相重合後の液晶ポリエステルの流動開始温度を測定したところ、360℃を超えても4800Pa・sの粘度を示さず、流動開始温度は360℃よりも高かった。
[製造例6]
製造例1で得られた液晶ポリエステル(3000g)をN−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」という。)(7000g)に加え、100℃で2時間加熱して、液晶ポリエステルが完全に溶解した透明な溶液が得られたことを確認した後、この溶液を攪拌及び脱泡し、液晶ポリエステル溶液(1)を得た。
製造例2で得られた液晶ポリエステル(2200g)をNMP(7800g)に加え、100℃で2時間加熱して、液晶ポリエステルが完全に溶解した透明な溶液が得られたことを確認した後、この溶液を攪拌及び脱泡し、液晶ポリエステル溶液(2)を得た。
製造例3で得られた液晶ポリエステル(1800g)をNMP(8200g)に加え、100℃で2時間加熱して、液晶ポリエステルが完全に溶解した透明な溶液が得られたことを確認した後、この溶液を攪拌及び脱泡し、液晶ポリエステル溶液(3)を得た。
製造例4で得られた液晶ポリエステル(1200g)をNMP(8800g)に加え、100℃で2時間加熱して、液晶ポリエステルが完全に溶解した透明な溶液が得られたことを確認した後、この溶液を攪拌及び脱泡し、液晶ポリエステル溶液(4)を得た。
製造例5で得られた液晶ポリエステル(1000g)をNMP(9000g)に加え、100℃で2時間加熱したところ、液晶ポリエステルは完全には溶解せず、液晶ポリエステルの不溶物を多量に含む液体が得られた。
[実施例1]
(液晶ポリエステル液状組成物の製造)
製造例9で得られた液晶ポリエステル溶液(4)に、酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、「AA−5」、熱伝導率38W/(m・K)、平均粒径5μm)、及び窒化ホウ素(水島合金鉄株式会社製、「HP−40」、熱伝導率60W/(m・K)、平均粒径20μm)を添加し、分散液として液晶ポリエステル液状組成物を調製した。ここで、酸化アルミニウム及び窒化ホウ素の添加量は、この分散液から形成する絶縁層において、酸化アルミニウムが占める割合が25体積%、窒化ホウ素が占める割合が25体積%となるように、それぞれ調節した。
上記で得られた液晶ポリエステル液状組成物を遠心式攪拌脱泡機で5分間撹拌した後、これを厚さ70μmの銅箔上に塗布し、100℃で20分間、さらに200℃で10分間乾燥させることにより、絶縁層として厚さ110μmの液晶ポリエステルフィルムを銅箔上に形成した。
次いで、熱伝導率が140W/(m・K)、厚さが1.5mmのアルミニウム合金板を液晶ポリエステルフィルム上に重ね、得られた積層体について、真空下で温度を340℃として20分間加熱処理した後、水の噴霧による冷却の開始と同時に圧力を100kg/cm2加えて、アルミニウム合金板及び液晶ポリエステルフィルムを熱圧着させることで、銅箔、液晶ポリエステルフィルム及びアルミニウム合金板がこの順に積層された金属ベース基板を得た。
さらに、得られた金属ベース基板を所定の寸法に切断し、その所定の位置をエッチングレジストでマスクし、銅箔を部分的にエッチングした後、エッチングレジストを除去して、回路パターンとして幅10mmの銅箔パターンを形成して、金属ベース回路基板を得た。
製造例9で得られた液晶ポリエステル溶液(4)に代えて、製造例8で得られた液晶ポリエステル溶液(3)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で金属ベース回路基板を得た。
製造例9で得られた液晶ポリエステル溶液(4)に代えて、製造例6で得られた液晶ポリエステル溶液(1)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で金属ベース回路基板の製造を試みたが、液晶ポリエステルが流動し、液晶ポリエステルフィルムを形成できなかった。
製造例9で得られた液晶ポリエステル溶液(4)に代えて、製造例7で得られた液晶ポリエステル溶液(2)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で金属ベース回路基板を得た。
製造例9で得られた液晶ポリエステル溶液(4)に代えて、製造例10で得られた、液晶ポリエステルを含む液体を用いて、実施例1と同様の方法で金属ベース回路基板の製造を試みたが、液晶ポリエステル(流動開始温度>360℃)がNMPに十分に溶解していなかったため、前記液体の塗布により液晶ポリエステルフィルムを形成できなかった。
上記各実施例及び比較例で得られた金属ベース回路基板(金属ベース基板)について、以下の評価を行った。
上記の金属ベース回路基板について、その銅箔パターンの一端を把持し、銅箔パターンのうち剥離した部分が金属ベースの主面に対して垂直となるように力を加えながら、銅箔パターンを50mm/分の速度で金属ベース(絶縁層)から引き剥がした。このときの銅箔パターンに加えた力をピール強度(N/cm)とし、銅箔及び液晶ポリエステルフィルム間の密着強度の指標とした。結果を表1に示す。
上記で得られた金属ベース基板を、金属ベースの寸法が50×50mmとなるように切断し、上記と同様の方法で銅箔を部分的にエッチング除去して、サイズが25×50mmのランドを形成した。そしてこれを、300℃のはんだ浴の上に、ランドがはんだとの接触面となるように載せて、この状態を4分間維持した後、金属ベース基板における膨れ及び剥がれの有無について目視観察することで、不良の有無を確認し、耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
これに対して、比較例1では、液晶ポリエステルの流動開始温度が低過ぎ、液晶ポリエステル液状組成物を銅箔上に塗布する際に、液晶ポリエステルが流動してしまい、液晶ポリエステルフィルムを形成できなかった。
また、比較例2では、液晶ポリエステル液状組成物を銅箔上に塗布する際に、液晶ポリエステルが若干流動してしまい、液晶ポリエステルフィルムを形成できたものの、ピール強度及びはんだ耐熱性がいずれも劣っていた。
また、比較例3では、液晶ポリエステルの流動開始温度が高過ぎ、液晶ポリエステル溶液が得られず、液晶ポリエステルフィルムを形成できなかった。
Claims (5)
- 金属ベース上に、絶縁層を介して導体回路が設けられた、金属ベース回路基板の製造方法であって、
溶媒及び液晶ポリエステルを含む液晶ポリエステル液状組成物を、導体回路とするための導電箔上に塗工し、前記溶媒を除去して絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層上に金属ベースを重ね、得られた積層体を真空下又は不活性ガス雰囲気下で加熱プレスすることにより、前記絶縁層及び金属ベースを熱圧着させる工程と、を有し、
前記液晶ポリエステルの流動開始温度が300〜340℃であることを特徴とする金属ベース回路基板の製造方法。 - 前記液晶ポリエステルが、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を有し、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位の合計量に対して、下記一般式(1)で表される繰返し単位を30〜80モル%、下記一般式(2)で表される繰返し単位を10〜35モル%、下記一般式(3)で表される繰返し単位を10〜35モル%有することを特徴とする請求項1に記載の金属ベース基板の製造方法。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(式中、Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基であり;Ar2及びAr3は、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記一般式(4)で表される基であり;X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基であり;前記Ar1、Ar2及びAr3中の一つ以上の水素原子は、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5−
(式中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基であり;Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基である。) - 前記液晶ポリエステル液状組成物が、さらに、熱伝導率が10W/(m・K)以上の無機充填材を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属ベース基板の製造方法。
- 前記溶媒の除去を100〜210℃で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属ベース基板の製造方法。
- 前記加熱プレスにおいて、最高温度にある前記積層体の冷却開始時にプレスを開始することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属ベース基板の製造方法。
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