JP2014116544A - 多層金属ベース回路基板の製造方法 - Google Patents

多層金属ベース回路基板の製造方法 Download PDF

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Takeshi Kondo
剛司 近藤
Akira Miyakoshi
亮 宮越
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Abstract

【課題】金属板、絶縁層及び導電箔がこの順に設けられ、耐熱性、金属板及び絶縁層間の接着強度、導電箔及び絶縁層間の接着強度、並びに放熱性に優れ、絶縁層内に回路が良好に埋め込まれてなる多層金属ベース回路基板の製造方法の提供。
【解決手段】導電箔上に液晶ポリエステル含有層を備えた積層中間体を285〜320℃で加熱処理して、液晶ポリエステル含有層を加熱処理層とした第一の積層体101及び第二の積層体を作製し、第二の積層体で導電箔から回路14を形成して回路基板102Aを作製し、金属板11、回路基板102A、及び第一の積層体101をこの順に、加熱処理層121及び122を金属板11に向けて重ね合わせ、前記加熱処理の温度に対して20℃以上、55℃以下の温度で加熱プレスして、互いに接触するもの同士を接着させるとともに、回路14が内部に埋め込まれた絶縁層12を形成して、多層金属ベース回路基板1を得る。
【選択図】図6

Description

本発明は、金属板、絶縁層及び導電箔がこの順に設けられ、絶縁層内に1層以上の回路が埋め込まれてなる多層金属ベース回路基板の製造方法に関する。
近年、電気電子機器の小型化、高性能化及びハイパワー化に伴い、回路基板には、十分な耐熱性、金属板又は導電箔と絶縁層との高い接着強度、素子から発生した熱を効率よく放散できる優れた放熱性を有することが求められている。そして、電気電子機器の小型化及び高性能化を実現するために、任意の層数の回路を容易に設けられるよう、絶縁層内に回路を埋め込む技術が重要となっている。
これに対して、特許文献1には、高密度化及び高信頼化を目的とした、二層以上の回路が設けられた多層金属ベース回路基板が開示されている。また、特許文献2には、絶縁層の放熱性を向上させるために、絶縁層を構成する絶縁材として樹脂の中では極めて高い熱伝導率を有する液晶ポリエステルをマトリックスとして用いた金属ベース回路基板が開示されている。
特開2008−213426号公報 国際公開第2010/117023号
しかし、特許文献1で開示されている多層金属ベース回路基板は、絶縁層のマトリックス樹脂として熱硬化性のエポキシ樹脂を用いているため、特に多層化により絶縁層が厚くなった場合に、絶縁層の放熱性が十分ではないという問題点があった。また、特許文献2で開示されている金属ベース回路基板は、絶縁層を構成する絶縁材として液晶ポリエステルを用いているため、絶縁層の放熱性には優れるものの、絶縁層内に回路を埋め込む技術に関しては何ら開示されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、金属板、絶縁層及び導電箔がこの順に設けられ、耐熱性、金属板及び絶縁層間の接着強度、導電箔及び絶縁層間の接着強度、並びに放熱性に優れ、絶縁層内に回路が良好に埋め込まれてなる多層金属ベース回路基板の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明は、金属板、絶縁層及び導電箔がこの順に設けられ、前記絶縁層は液晶ポリエステルを含み、前記絶縁層内に1層以上の回路が埋め込まれてなる多層金属ベース回路基板の製造方法であって、導電箔上に液晶ポリエステル含有層を備えた積層中間体を、285〜320℃の温度で加熱処理することにより、前記液晶ポリエステル含有層を加熱処理層とした第一の積層体及び第二の積層体を作製する工程と、前記第二の積層体において前記導電箔から回路を形成して、回路基板を作製する工程と、金属板、1枚以上の前記回路基板、及び前記第一の積層体をこの順に、これら回路基板及び第一の積層体の前記加熱処理層をすべて前記金属板に向けて重ね合わせ、この重ね合わせ方向において、第一の積層体及び第二の積層体のすべての作製時における前記加熱処理の温度に対して20℃以上、55℃以下の温度で加熱プレスすることにより、互いに接触するもの同士を接着させるとともに、前記回路が内部に埋め込まれた絶縁層を形成する工程と、を有することを特徴とする多層金属ベース回路基板の製造方法を提供する。
本発明の多層金属ベース回路基板の製造方法においては、前記液晶ポリエステルが、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を有することが好ましい。
(1)−O−Ar−CO−
(2)−CO−Ar−CO−
(3)−X−Ar−Y−
(式中、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基であり;Ar及びArは、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記一般式(4)で表される基であり;X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基であり;前記Ar、Ar及びAr中の1個以上の水素原子は、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar−Z−Ar
(式中、Ar及びArは、それぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基であり;Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基である。)
本発明の多層金属ベース回路基板の製造方法においては、前記液晶ポリエステルが、これを構成する全繰返し単位の合計量に対して、前記一般式(1)で表される繰返し単位を30〜80モル%有し、前記一般式(2)で表される繰返し単位を10〜35モル%有し、前記一般式(3)で表される繰返し単位を10〜35モル%有することが好ましい。
本発明の多層金属ベース回路基板の製造方法においては、前記絶縁層が、40〜70体積%の含有量で無機充填材を含むことが好ましい。
本発明によれば、金属板、絶縁層及び導電箔がこの順に設けられ、耐熱性、金属板及び絶縁層間の接着強度、導電箔及び絶縁層間の接着強度、並びに放熱性に優れ、絶縁層内に回路が良好に埋め込まれてなる多層金属ベース回路基板の製造方法が提供される。
本発明に係る製造方法により得られる多層金属ベース回路基板を例示する概略断面図である。 本発明に係る製造方法により得られる他の多層金属ベース回路基板を例示する概略断面図である。 本発明における積層体作製工程の一例を説明するための概略断面図である。 本発明における積層中間体の作製方法の一例を説明するための概略断面図である。 本発明における回路基板作製工程の一例を説明するための概略断面図である。 本発明における加熱プレス工程の一例を説明するための概略断面図である。 本発明における加熱プレス工程の他の例を説明するための概略断面図である。
本発明に係る多層金属ベース回路基板の製造方法は、金属板、絶縁層及び導電箔がこの順に設けられ、前記絶縁層は液晶ポリエステルを含み、前記絶縁層内に1層以上の回路が埋め込まれてなる多層金属ベース回路基板の製造方法であって、導電箔上に液晶ポリエステル含有層を備えた積層中間体を、285〜320℃の温度で加熱処理することにより、前記液晶ポリエステル含有層を加熱処理層とした第一の積層体及び第二の積層体を作製する工程(以下、「積層体作製工程」ということがある。)と、前記第二の積層体において前記導電箔から回路を形成して、回路基板を作製する工程(以下、「回路基板作製工程」ということがある。)と、金属板、1枚以上の前記回路基板、及び前記第一の積層体をこの順に、これら回路基板及び第一の積層体の前記加熱処理層をすべて前記金属板に向けて重ね合わせ、この重ね合わせ方向において、第一の積層体及び第二の積層体のすべての作製時における前記加熱処理の温度に対して20℃以上、55℃以下の温度で加熱プレスすることにより、互いに接触するもの同士を接着させるとともに、前記回路が内部に埋め込まれた絶縁層を形成する工程(以下、「加熱プレス工程」ということがある。)と、を有することを特徴とする。
かかる多層金属ベース回路基板は、積層体作製工程及び加熱プレス工程における加熱温度を上記のように特定の範囲に設定することで、耐熱性に優れ、金属板及び絶縁層間の接着強度、並びに導電箔及び絶縁層間の接着強度に優れたものとなり、さらに、回路が絶縁層内において隙間の発生が抑制されて良好に埋め込まれたものとなる。また、絶縁層が液晶ポリエステルを含むことにより、放熱性にも優れる。
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る製造方法により得られる多層金属ベース回路基板を例示する概略断面図である。
ここに示す多層金属ベース回路基板1は、金属板11、絶縁層12及び導電箔13がこの順に設けられ、絶縁層12内に1層の回路14が埋め込まれてなるものである。
金属板11は、可撓性を有していてもよいし、有していなくてもよい。
金属板11の材質の例としては、アルミニウム、鉄、銅等の単体の金属や、アルミニウム合金、ステンレス等の合金が挙げられ、炭素等の非金属を含んでいてもよく、例えば、炭素と複合化したアルミニウムを含んでいてもよい。
金属板11は、熱伝導率が高いものが好ましく、熱伝導率が60W・m−1・K−1以上であることが好ましい。
金属板11は、単層構造でもよいし、二層以上の金属薄板が積層されてなる複数層構造でもよい。そして複数層構造である場合、これを構成する前記金属薄板は、互いに同一でも異なっていてもよい。ここで、金属薄板が互いに異なるとは、金属薄板の材質及び厚さの少なくもと一方が互いに異なることを意味する。
金属板11の厚さは、0.2〜5mmであることが好ましい。
絶縁層12は液晶ポリエステルを含み、液晶ポリエステル及び無機充填材を含むものが好ましい。
液晶ポリエステルは、絶縁層12を構成し、電気絶縁性の材料であり、他の多くの樹脂よりも比抵抗が大きい。
また、液晶ポリエステルは、金属板11及び導電箔13を接着する接着剤としても機能し、絶縁層12が無機充填材を含む場合には、無機充填材同士を接着するバインダとしても機能する。さらに、液晶ポリエステルは、絶縁層12の表面を平坦にする機能も有する。
液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示す液晶ポリエステルであり、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。なお、液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
液晶ポリエステルの典型的な例としては、
(I)芳香族ヒドロキシカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸と、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重合(重縮合)させてなるもの、
(II)複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させてなるもの、
(III)芳香族ジカルボン酸と、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重合させてなるもの、
(IV)ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルと、芳香族ヒドロキシカルボン酸と、を重合させてなるもの
が挙げられる。ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンは、それぞれ独立に、その一部又は全部に代えて、その重合可能な誘導体が用いられてもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸のようなカルボキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、カルボキシル基をアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基に変換してなるもの(エステル)、カルボキシル基をハロホルミル基に変換してなるもの(酸ハロゲン化物)、及びカルボキシル基をアシルオキシカルボニル基に変換してなるもの(酸無水物)が挙げられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシアミンのようなヒドロキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシル基をアシル化してアシルオキシル基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンのようなアミノ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
液晶ポリエステルは、下記一般式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」ということがある。)を有することが好ましく、繰返し単位(1)と、下記一般式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」ということがある。)と、下記一般式(3)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(3)」ということがある。)とを有することがより好ましい。
(1)−O−Ar−CO−
(2)−CO−Ar−CO−
(3)−X−Ar−Y−
(式中、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基であり;Ar及びArは、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記一般式(4)で表される基であり;X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基であり;前記Ar、Ar及びAr中の1個以上の水素原子は、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar−Z−Ar
(式中、Ar及びArは、それぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基であり;Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基である。)
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
前記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基及びn−デシル基が挙げられ、その炭素数は、1〜10であることが好ましい。
前記アリール基の例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられ、その炭素数は、6〜20であることが好ましい。
前記水素原子がこれらの基で置換されている場合、その数は、Ar、Ar又はArで表される前記基毎に、それぞれ独立に2個以下であることが好ましく、1個であることがより好ましい。
前記アルキリデン基の例としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、n−ブチリデン基及び2−エチルヘキシリデン基が挙げられ、その炭素数は1〜10であることが好ましい。
繰返し単位(1)は、所定の芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(1)としては、Arが1,4−フェニレン基であるもの(p−ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)、及びArが2,6−ナフチレン基であるもの(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(2)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(2)としては、Arが1,4−フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Arが1,3−フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)、Arが2,6−ナフチレン基であるもの(2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)、及びArがジフェニルエ−テル−4,4’−ジイル基であるもの(ジフェニルエ−テル−4,4’−ジカルボン酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(3)は、所定の芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミン又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。繰返し単位(3)としては、Arが1,4−フェニレン基であるもの(ヒドロキノン、p−アミノフェノール又はp−フェニレンジアミンに由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(1)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量(液晶ポリエステルを構成する各繰返し単位の質量をその各繰返し単位の式量で割ることにより、各繰返し単位の物質量相当量(モル)を求め、それらを合計した値)に対して、好ましくは30モル%以上、より好ましくは30〜80モル%、さらに好ましくは30〜60モル%、特に好ましくは30〜40モル%である。
繰返し単位(1)の含有量が多いほど、液晶ポリエステルの液晶性が向上し、耐熱性や強度・剛性が向上する傾向にあり、繰返し単位(1)の含有量が少ないほど、液晶ポリエステルの溶媒に対する溶解性が向上する傾向にある。
繰返し単位(2)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは35モル%以下、より好ましくは10〜35モル%、さらに好ましくは20〜35モル%、特に好ましくは30〜35モル%である。
繰返し単位(3)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは35モル%以下、より好ましくは10〜35モル%、さらに好ましくは20〜35モル%、特に好ましくは30〜35モル%である。
繰返し単位(2)の含有量と繰返し単位(3)の含有量との割合は、[繰返し単位(2)の含有量]/[繰返し単位(3)の含有量](モル/モル)で表して、好ましくは0.9/1〜1/0.9、より好ましくは0.95/1〜1/0.95、さらに好ましくは0.98/1〜1/0.98である。
なお、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)を、それぞれ独立に二種以上有してもよい。また、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)以外の繰返し単位を有してもよいが、その含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下である。
そして、液晶ポリエステルは、繰返し単位として、繰返し単位(1)〜(3)のみを有することが好ましい。
液晶ポリエステルは、繰返し単位(3)として、X及び/又はYがイミノ基(−NH−)であるものを有すること、すなわち、所定の芳香族ヒドロキシルアミンに由来する繰返し単位及び/又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位を有することが好ましく、繰返し単位(3)として、X及び/又はYがイミノ基であるもののみを有することがより好ましい。このようにすることで、液晶ポリエステルは溶媒に対する溶解性がより優れたものとなる。
液晶ポリエステルは、これを構成する全繰返し単位の合計量に対して、繰返し単位(1)を30〜80モル%有し、繰返し単位(2)を10〜35モル%有し、繰返し単位(3)を10〜35モル%有するものが好ましい。
液晶ポリエステルは、これを構成する繰返し単位に対応する原料モノマーを溶融重合させ、得られた重合物(プレポリマー)を固相重合させることにより、製造することが好ましい。これにより、耐熱性や強度・剛性が高い高分子量の液晶ポリエステルを操作性良く製造することができる。溶融重合は、触媒の存在下で行ってもよく、この場合の触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモン等の金属化合物や、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1−メチルイミダゾール等の含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
液晶ポリエステルは、その流動開始温度が、好ましくは250℃以上、より好ましくは250℃〜350℃、さらに好ましくは260℃〜330℃である。流動開始温度が高いほど、耐熱性や強度・剛性が向上し易いが、高過ぎると、溶媒に対する溶解性が低くなり易かったり、後述する液状組成物の粘度が高くなり易かったりする。
なお、流動開始温度は、フロー温度又は流動温度とも呼ばれ、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kg/cm)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、内径1mm及び長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度であり、液晶ポリエステルの分子量の目安となるものである(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
絶縁層12の液晶ポリエステルの含有量は、好ましくは30〜60体積%、より好ましくは35〜55体積%である。前記下限値以上であることで、金属板11及び絶縁層12間の接着強度、絶縁層12及び導電箔13間の接着強度、無機充填材同士の接着性、並びに絶縁層12の表面平坦性がより向上し、前記上限値以下であることで、多層金属ベース回路基板1の放熱性及び耐電圧性がより向上する。
無機充填材は、絶縁層12の熱伝導性を高めるものであり、その例としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物;窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物;炭化ケイ素等の炭化物;ホウ酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、チタン酸カリウム等のオキソ酸塩が挙げられ、これらを一種又は二種以上使用でき、酸化物、窒化物が好ましい。
無機充填材の形状は、粒状、繊維状及び板状のいずれでもよく、二種以上の形状が混在していてもよい。
無機充填材は、液晶ポリエステルとの密着性、及び後述する液状組成物中での分散性を向上させるために、その少なくとも一部として、表面処理を施したものを使用してもよい。この表面処理に使用可能な表面処理剤の例としては、シランカップリング剤;チタンカップリング剤;アルミニウムカップリング剤;ジルコニウムカップリング剤;長鎖脂肪酸;イソシアナート化合物;エポキシ基、メトキシシリル基、アミノ基又はヒドロキシル基を有する高分子が挙げられる。
絶縁層12の無機充填材の含有量は、好ましくは40〜70体積%、より好ましくは45〜65体積%である。前記下限値以上であることで、多層金属ベース回路基板1の放熱性がより向上し、前記上限値以下であることで、金属板11及び絶縁層12間の密着強度、絶縁層12及び導電箔13間の密着強度、無機充填材同士の接着性、並びに多層金属ベース回路基板1の耐電圧性がより向上する。
絶縁層12は、液晶ポリエステル及び無機充填材以外に、有機充填材、添加剤、液晶ポリエステル以外の樹脂等の他の成分を含んでいてもよい。
前記他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記有機充填材の例としては、硬化エポキシ樹脂、架橋ベンゾグアナミン樹脂、架橋アクリル樹脂等が挙げられ、これらを一種又は二種以上使用できる。
前記添加剤の例としては、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤(染料、顔料)、カップリング剤、沈降防止剤、熱安定剤等が挙げられ、これらを一種又は二種以上使用できる。
前記液晶ポリエステル以外の樹脂の例としては、ポリプロピレン、ポリアミド、液晶ポリエステル以外のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンエーテルの変性物、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂;グリシジルメタクリレートとポリエチレンとの共重合体等のエラストマーが挙げられ、これらを一種又は二種以上使用できる。
絶縁層12の前記他の成分の含有量は、好ましくは0〜10体積%である。
絶縁層12の厚さは、目的に応じて適宜調節すればよく、特に限定されないが、通常は60〜140μmであることが好ましい。
導電箔13の材質は、銅、アルミニウム、ニッケル、銀又はこれらから選択される一種以上の金属の合金であることが好ましい。
導電箔13の厚さは、好ましくは10〜500μmである。
導電箔13は、絶縁層12との接着強度をより向上させるために、絶縁層12との接触面が力学的又は化学的に表面処理されていてもよい。ここで、力学的な表面処理の例としては、粗化処理が挙げられ、化学的な表面処理の例としては、表面処理剤による処理が挙げられる。例えば、市販品の導電箔として、樹脂との接着性を向上させるべく、樹脂との接触面(一方の主面)が粗化処理等の表面処理がなされ、他の面(他方の主面)が平滑な光沢面となっているものがあるが、このような導電箔を用いる場合には、表面処理された面を絶縁層12との接触面とすればよい。
回路14の材質及び厚さは、導電箔13と同様とすることができ、1枚の多層金属ベース回路基板1において、回路14並びに導電箔13は、材質及び厚さが互いに同一でも異なっていてもよい。
そして、回路14の表面は、導電箔13の絶縁層12との接触面と同様に、力学的又は化学的に表面処理されていてもよい。この場合、例えば、上記のような通常の導電箔を用いて回路14を形成するためには、前記光沢面に対して前記表面処理を行った導電箔を用いればよい。このようにすることで、回路14は、絶縁層12との接着強度がより向上して、絶縁層12との間で隙間の発生が高度に抑制されて、絶縁層12における埋め込み性がより向上する。
ここでは、回路14について4個の断面を示しているが、回路14のパターンは任意に設定できる。
ここまでは、多層金属ベース回路基板として、絶縁層内に1層の回路が埋め込まれているものについて説明したが、絶縁層内に埋め込まれている回路は2層以上の複数層でもよく、その層数は目的に応じて任意に選択できる。
図2は、このような多層金属ベース回路基板のうち、絶縁層内に埋め込まれている回路が2層であるものを例示する概略断面図である。なお、図2において、図1に示す要素と同じものには図1の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。これは、図3以降においても同様である。
ここに示す多層金属ベース回路基板2は、金属板11、絶縁層12及び導電箔13がこの順に設けられ、絶縁層12内に回路241及び242が離間して埋め込まれてなるものである。回路241及び242は、多層金属ベース回路基板1における回路14と同様のものであり、互いに同一でも異なっていてもよい。
このように、絶縁層中に回路を2層有する点以外は、多層金属ベース回路基板2は多層金属ベース回路基板1と同じである。
本発明に係る多層金属ベース回路基板の製造方法においては、まず、前記積層体作製工程を行う。図3は、本発明における積層体作製工程の一例を説明するための概略断面図であり、図1に示す多層金属ベース回路基板1を製造する場合について示している。
積層体作製工程においては、まず、導電箔上に液晶ポリエステル含有層を備えた積層中間体を作製する。
ここでは、導電箔13上に液晶ポリエステル含有層121’を設けて第一の積層中間体101’を作製し、導電箔14’上に液晶ポリエステル含有層122’を設けて第二の積層中間体102’を作製する場合について示している。第一の積層中間体101’は、多層金属ベース回路基板1において導電箔13と絶縁層12の一部を構成するためのものであり、第二の積層中間体102’は、多層金属ベース回路基板1において回路14と絶縁層12の一部を構成するためのものである。第一の積層中間体101’及び第二の積層中間体102’は、互いに同一でも異なっていてもよく、目的に応じて任意に選択できる。
第一の積層中間体101’は、例えば、液晶ポリエステル等の絶縁層12を構成する成分、及び溶媒を含む液晶ポリエステル液状組成物(以下、「液状組成物」ということがある。)を導電箔13上に塗工し、前記溶媒を除去して液晶ポリエステル含有層121’を形成することで作製できる。ここで、液晶ポリエステル以外の絶縁層12を構成する成分の例としては、上記の無機充填材及び他の成分が挙げられる。
また、第一の積層中間体101’は、フィルム状又はプレート状の支持体上に前記液状組成物を塗工し、前記溶媒を除去して得られた、液晶ポリエステルを含有する膜(以下、「膜」という。)を支持体ごと導電箔13上に熱圧着させ、前記支持体を剥離して、導電箔13上に前記膜を転写して液晶ポリエステル含有層121’を形成することによっても作製できる。図4は、このような膜の転写によって第一の積層中間体101’を作製する方法を説明するための概略断面図である。
ここに示すように、例えば、支持体19上に形成された液晶ポリエステルを含有する膜120’の表面に導電箔13を重ね合わせ、この状態で熱を加えながらこの重ね合わせたものに重ね合わせ方向において圧力を加えて、膜120’を導電箔13に接着させた後、支持体19を剥離することで、膜120’の転写を行うことができる。このとき、膜120’の導電箔13との接着強度が支持体19との接着強度よりも大きいことで、膜120’を導電箔13上に残したまま、膜120’から支持体19を剥離できる。
なお、上記の熱及び圧力を加える工程は、例えば、ロールツーロール方式等の連続式で行ってもよい。
支持体19の材質の例としては、ポリエステル、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルペンテン等の樹脂が挙げられる。
液状組成物は、液晶ポリエステル及び必要に応じて他の成分を溶媒に溶解させてなる溶液(液晶ポリエステル溶液)に、必要に応じて無機充填材及び他の成分からなる群から選択される一種以上を溶解又は分散させることにより、調製することが好ましい。このとき、無機充填材は、ボールミル、3本ロール、遠心攪拌機、ビーズミル等により粉砕したものを、前記溶液に分散させてもよい。また、前記溶液に無機充填材を分散させる前に、前記溶液にシランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤やイオン吸着剤を加えてもよい。
液状組成物の調製に用いる溶媒としては、液晶ポリエステルが溶解可能なもの、具体的には、液晶ポリエステルが50℃にて1質量%以上の濃度([液晶ポリエステル]/[液晶ポリエステル+溶媒]×100)で溶解可能なものが好ましい。
前記溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1−クロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;p−クロロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノール等のハロゲン化フェノール;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル;アセトン、シクロヘキサノン等のケトン;酢酸エチル等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート;トリエチルアミン等のアミン;ピリジン等の含窒素複素環芳香族化合物;アセトニトリル、スクシノニトリル等のニトリル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(N−メチル−2−ピロリドン)等のアミド系化合物(アミド結合を有する化合物);ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物;ヘキサメチルリン酸アミド、トリn−ブチルリン酸等のリン化合物が挙げられ、これらの二種以上を併用してもよい。
溶媒としては、腐食性が低く、取り扱い易いことから、非プロトン性化合物、特にハロゲン原子を有しない非プロトン性化合物を主成分とする溶媒が好ましく、溶媒全体に占める非プロトン性化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。
また、前記非プロトン性化合物としては、液晶ポリエステルを溶解し易いことから、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンが好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンがより好ましい。
また、溶媒としては、液晶ポリエステルを溶解し易いことから、双極子モーメントが3〜5である化合物を主成分とする溶媒が好ましく、溶媒全体に占める、双極子モーメントが3〜5である化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%であり、前記非プロトン性化合物として、双極子モーメントが3〜5である化合物を用いることが好ましい。
また、溶媒としては、除去し易いことから、1気圧における沸点が220℃以下である化合物を主成分とするとする溶媒が好ましく、溶媒全体に占める、1気圧における沸点が220℃以下である化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%であり、前記非プロトン性化合物として、1気圧における沸点が220℃以下である化合物を用いることが好ましい。
液状組成物において、液晶ポリエステルの含有量は、液晶ポリエステル及び溶媒の合計含有量に対して、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%、さらに好ましくは15〜45質量%である。液晶ポリエステルの含有量は、所望の粘度の液状組成物が得られるように、また、所望の厚さの絶縁層が得られるように、適宜調整すればよい。
液状組成物の導電箔13上又は支持体19上への塗工方法としては、例えば、ロールコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、ダイスコーター法及びコンマコータ法が挙げられ、連続式であってもよいし、単板式であってもよい。
液状組成物の溶媒を除去する方法は、特に限定されないが、溶媒を蒸発させて除去する方法が好ましい。なお、ここで「溶媒を除去する」とは、必ずしも「溶媒を全量除去する」ことを意味するものではなく、例えば、対象物の明らかな重量変化が生じない程度にまで、十分に溶媒を除去することが挙げられる。
溶媒の除去は、加熱しながら行うことが好ましく、このときの加熱温度(乾燥温度)は、好ましくは50〜180℃である。
また、支持体19上に液状組成物を塗工し、溶媒を除去して得られた膜120’を導電箔13上に転写する場合には、転写に供する膜120’は前記溶媒の一部が残存しているものが好ましく、このときの膜120’の溶媒含有量は、好ましくは1〜25質量%である。このような範囲であることで、膜120’の転写が容易となる。また、このような溶媒含有量とするために、溶媒除去時の加熱温度(乾燥温度)は、好ましくは50〜180℃、より好ましくは80〜150℃である。
膜120’を導電箔13上に熱圧着させるときの加熱温度(転写温度)は、好ましくは100〜180℃であり、圧力は好ましくは0.1〜1.0MPaである。
第二の積層中間体102’は、導電箔13に代えて導電箔14’を用いる点以外は、第一の積層中間体101’と同じ方法で作製できる。
前記積層体作製工程においては、次いで、前記積層中間体を285〜320℃の温度で加熱処理することにより、前記液晶ポリエステル含有層を加熱処理層とした第一の積層体及び第二の積層体を作製する。
図3では、第一の積層中間体101’を加熱処理することで、液晶ポリエステルを含有する加熱処理層121を導電箔13上に備えた第一の積層体101を作製し、第二の積層中間体102’ を加熱処理することで、液晶ポリエステルを含有する加熱処理層122を導電箔14’上に備えた第二の積層体102を作製する場合について示している。第一の積層体101及び第二の積層体102は、互いに同一でも異なっていてもよい。
前記加熱処理を行うことにより、液晶ポリエステル含有層121’及び122’は、処理温度と同等の温度(すなわち、285〜320℃)となり、液晶ポリエステル含有層121’及び122’中の液晶ポリエステルは、適度に高分子量化されて、分子量や結晶化度が調節されたものとなるので、加熱処理層121及び122は、接着性に優れたものとなる。
前記加熱処理時の温度が285℃未満の場合には、液晶ポリエステル含有層121’及び122’中の液晶ポリエステルの高分子量化が不十分となる。その結果、後述する加熱プレス工程において、液晶ポリエステルの高分子量化が別途生じ、それに伴い昇華物が生じる。また、加熱プレス工程で形成した絶縁層12中の液晶ポリエステルも高分子量化が不十分であるため、絶縁層12の耐熱性、接着力等が低下する。一方、前記加熱処理時の温度が320℃を超えた場合には、液晶ポリエステルの高分子量化が過度に進行する。その結果、後述する加熱プレス工程において、加熱処理層121及び122の流動性が不十分となり、重ね合わせたもの同士の接着強度が低下したり、回路14の絶縁層12への埋め込みが不完全となって、回路14の周辺部に隙間が生じる。
前記加熱処理時の温度は、一定としてもよいし、変動させてもよく、変動させる場合には、上昇させてもよいし、下降させてもよい。
前記加熱処理の時間は、このときの温度等を考慮して調節すればよいが、通常は好ましくは0.5〜12時間、より好ましくは2〜4時間である。このような範囲とすることで、液晶ポリエステルをより適正に高分子量化できる。
第一の積層中間体101’及び第二の積層中間体102’の前記加熱処理の条件は、互いに同じでも異なっていてもよい。例えば、第一の積層中間体101’並びに第二の積層中間体102’の加熱処理時の温度及び時間は、互いに同じでも異なっていてもよい。また、第一の積層中間体101’及び第二の積層中間体102’は、まとめて加熱処理してもよいし、別々に加熱処理してもよい。
第一の積層中間体101’及び第二の積層中間体102’の前記加熱処理は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明に係る多層金属ベース回路基板の製造方法においては、積層体作製工程後、前記回路基板作製工程を行い、第二の積層体において導電箔から回路を形成して、回路基板を作製する。図5は、本発明における回路基板作製工程の一例を説明するための概略断面図であり、図3に示す第二の積層体102において、導電箔14’から回路14を形成して、回路基板102Aを作製する場合について示している。
回路14は公知の方法で形成すればよく、例えば、導電箔14’上にパターニングされたレジスト層を設け、塩化鉄(III)水溶液等を用いて導電箔14’をエッチングして、所望の形状にパターニングすることにより形成できる。
本発明に係る多層金属ベース回路基板の製造方法においては、回路基板作製工程後、前記加熱プレス工程を行う。図6は、本発明における加熱プレス工程の一例を説明するための概略断面図であり、図3に示す第一の積層体101及び図5に示す回路基板102Aを用いる場合について示している。
加熱プレス工程においては、まず、金属板11、回路基板102A及び第一の積層体101をこの順に重ね合わせる。このとき、回路基板102Aはその加熱処理層122(回路14が設けられていない側の主面)を金属板11に向け、第一の積層体101はその加熱処理層121(加熱処理層121の主面)を金属板11に向けて、それぞれ配置する。このように、回路基板102A及び第一の積層体101を、いずれもこれらの加熱処理層を金属板11に向けて重ね合わせることで、金属板11と導電箔13との間において、回路14が加熱処理層121と加熱処理層122とで挟まれた重ね合わせ体10とし、これを加熱プレスに供する。
加熱プレス工程においては、次いで、前記重ね合わせの方向、すなわち金属板11、回路基板102A、及び第一の積層体101のそれぞれの重ね合わせ面(例えば、回路基板102Aの場合には、加熱処理層122の金属板11との接触面、回路14の第一の積層体101との接触面)に対して垂直な方向において、前記重ね合わせ体10を第一の積層体及び第二の積層体の作製時における前記加熱処理の温度に対して20℃以上、55℃以下の温度で加熱プレスする。このように加熱プレスすることにより、加熱処理層121及び122は、加熱温度と同等の温度(すなわち、第一の積層体及び第二の積層体の作製時における前記加熱処理の温度に対して20℃以上、55℃以下の温度)となり、重ね合わせ体10において互いに接触するもの同士が接着して一体化するとともに、回路14が内部に埋め込まれた絶縁層12が形成される。
液晶ポリエステルは熱可塑性樹脂であり、加熱時には、溶融及び固化によって各種部材を接着できるだけでなく、適度な流動性を有する。したがって、加熱プレス時には、重ね合わせたもの同士、すなわち、金属板11及び加熱処理層122、並びに回路14及び加熱処理層121が、それぞれ接着する。さらに加熱プレス時には、加熱によって加熱処理層121及び122は適度な流動性を有するので、これら加熱処理層は回路14の露出面(主に側面14a)を隙間無く覆うように変形して、加熱処理層121及び122、加熱処理層121及び回路14、並びに加熱処理層122及び回路14が、それぞれ新たに接触するともに接着する。また、加熱処理層121及び122中の液晶ポリエステルは、さらに高分子量化することもある。これらの結果、加熱処理層121及び122が一体化して絶縁層12を形成するとともに、その内部に回路14が埋め込まれる。
加熱プレス時の加熱温度は、好ましくは300℃以上、より好ましくは320℃以上である。前記下限値以上であることで、加熱プレスによる絶縁層12と金属板11との十分な接着や、絶縁層12内部への回路14の十分な埋め込みが可能となる。
また、加熱プレス時の加熱温度は、好ましくは350℃以下、より好ましくは340℃以下である。前記上限値以下であることで、絶縁層12の劣化が高度に抑制される。
加熱プレスの時間は、加熱温度等を考慮して調節すればよいが、通常は好ましくは5〜60分、より好ましくは10〜30分である。前記下限値以上であることで、互いに接触するもの同士の接着がより強固になるとともに、絶縁層12内部の回路14周辺部における隙間の発生を抑制する効果が高くなる。また、前記上限値以下であることで、絶縁層12の劣化が高度に抑制されるとともに、効率よく多層金属ベース回路基板1を製造できる。
加熱プレス時の圧力は、好ましくは3〜40MPa、より好ましくは10〜30MPaである。前記下限値以上であることで、互いに接触するもの同士の接着がより強固になるとともに、絶縁層12内部の回路14周辺部における隙間の発生を抑制する効果が高くなる。また、前記上限値以下であることで、多層金属ベース回路基板1の形状や厚さを、目的とするものにより近付けることができる。
加熱プレス時の加熱温度は、一定としてもよいし、変動させてもよく、変動させる場合には、上昇させてもよいし、下降させてもよい。
また、加熱プレス時の圧力も同様に、一定としてもよいし、変動させてもよく、変動させる場合には、増大させてもよいし、低下させてもよい。
加熱プレスは、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
図6では、金属板11、回路基板102A、及び第一の積層体101の重ね合わせ方向が鉛直方向である場合を示しているが、重ね合わせ体10の配置方向は、これに限定されず、前記重ね合わせ方向が水平方向等、その他の方向であってもよい。そして、前記重ね合わせ方向が鉛直方向である場合、最下部に位置するのは金属板11及び第一の積層体101のいずれであってもよい。
本発明において、加熱プレスは、重ね合わせ体10に対して相反する二方向から圧力を加えるか、又は重ね合わせ体10を一方向から支持し、反対方向から重ね合わせ体10に対して圧力を加えることで行うことができる。
加熱プレス工程により得られたものは、そのまま多層金属ベース回路基板1とすることができる。
多層金属ベース回路基板1は、公知の方法により導電箔13を所望の形状にパターニングして回路とし、必要に応じて、各所に切断、穴あけ等の加工を行って、各種用途に用いることができる。
ここまでは、図1に示す多層金属ベース回路基板1を製造する場合について説明したが、図2に示す多層金属ベース回路基板2を製造する場合には、例えば、図7に示すように、加熱プレス工程において、1枚の回路基板102Aに代えて、2枚の回路基板102Aを用いる点以外は、多層金属ベース回路基板1と同じ方法で製造できる。この場合、2枚の回路基板102Aは、一方の回路14が他方の加熱処理層122に接触するように、重ね合わせて配置する。すなわち、2枚の回路基板102A及び第一の積層体101を、いずれもこれらの加熱処理層を金属板11に向けて重ね合わせることで、金属板11と導電箔13との間において、2層の回路14が別々に加熱処理層122同士、又は加熱処理層122と加熱処理層121とで挟まれた重ね合わせ体20とし、これを加熱プレスに供する。なお、図7においては、加熱プレス後の2層の回路に対して、これらを互いに区別するために、図2に合わせて、符号14に代えて符号241及び242を付して、多層金属ベース回路基板2を示している。
さらに、多層金属ベース回路基板として、絶縁層内に3層以上の回路が埋め込まれてなるものを製造する場合には、多層金属ベース回路基板2の場合と同様に、一方の回路が他方の加熱処理層に接触するように、すなわち、加熱処理層及び回路が交互に配置されるように、3枚以上の回路基板を順次重ね合わせて配置し、加熱プレス工程を行う点以外は、多層金属ベース回路基板1と同様の方法で製造できる。
上記のような、絶縁層内に2層以上の回路が埋め込まれてなる多層金属ベース回路基板を製造する場合には、加熱プレス工程での加熱温度を「第一の積層体及び第二の積層体の作製時における加熱処理の温度に対して20℃以上、55℃以下の温度」とする加熱条件は、加熱プレス工程に供する回路基板の作製に用いたすべての第二の積層体と、第一の積層体を適用対象とする。すなわち、加熱プレス工程においては、第一の積層体及び第二の積層体のすべての作製時における加熱処理の温度に対して20℃以上、55℃以下の温度で加熱プレスする。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。なお、液晶ポリエステルの流動開始温度、液晶ポリエステル溶液の粘度は、それぞれ以下の方法で測定した。
(液晶ポリエステルの流動開始温度の測定)
フローテスター(島津製作所社製「CFT−500型」)を用いて、液晶ポリエステル約2gを、内径1mm及び長さ10mmのノズルを有するダイを取り付けたシリンダーに充填し、9.8MPa(100kg/cm)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、ノズルから押し出し、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度を測定した。
(液晶ポリエステル溶液の粘度の測定)
B型粘度計(東機産業社製「TVL−20型」)を用いて、No.21のローターにより、回転数20rpmで測定した。
<液状組成物の製造>
[製造例1]
(液晶ポリエステルの製造)
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(1976g、10.5モル)、4−ヒドロキシアセトアニリド(1474g、9.75モル)、イソフタル酸(1620g、9.75モル)及び無水酢酸(2374g、23.25モル)を入れ、反応器内のガスを窒素ガスで十分に置換した後、窒素ガス気流下で攪拌しながら、15分かけて室温から150℃まで昇温し、この温度(150℃)を保持して3時間還流させた。
次いで、留出する副生成物の酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、2時間50分かけて150℃から300℃まで昇温し、300℃で1時間保持した後、反応器から内容物を取り出した。この内容物を室温まで冷却し、得られた固形物を粉砕機で粉砕し、比較的低分子量の粉末状の液晶ポリエステル(プレポリマー)を得た。このプレポリマーの流動開始温度は235℃であった。このプレポリマーを窒素ガス雰囲気下において、6時間かけて室温から223℃まで昇温し、223℃で3時間保持することにより、固相重合を行い、次いで冷却して、粉末状の液晶ポリエステルを得た。この液晶ポリエステルの流動開始温度は270℃であった。
(液状組成物の製造)
得られた液晶ポリエステル(2200g)を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(7800g)に加え、100℃で2時間加熱して、液晶ポリエステル溶液を得た。この液晶ポリエステル溶液の粘度は、0.40Pa・s(400cP)であった。
この液晶ポリエステル溶液に、無機充填材として窒化ホウ素及び酸化アルミニウムを加え、遠心攪拌脱泡機で5分間攪拌することにより、液状組成物を得た。このときの、液状組成物の液晶ポリエステル、窒化ホウ素及び酸化アルミニウムの含有量は、これらの比重(液晶ポリエステル:1.37g/cm、酸化アルミニウム:3.98g/cm、窒化ホウ素:2.28g/cm)を考慮し、後述する絶縁層の液晶ポリエステルの含有量が50体積%、酸化アルミニウムの含有量が25体積%、窒化ホウ素の含有量が25体積%となるように、それぞれ調製した。
<多層金属ベース回路基板の製造>
[実施例1]
図3〜6を参照して説明した製造方法により、絶縁層内に1層の回路が埋め込まれてなる多層金属ベース回路基板を製造した。より具体的には以下の通りである。
(第一の積層体及び第二の積層体の作製)
支持体として厚さ100μmのポリエステルフィルム上に、塗膜の厚さが約90μmとなるように、得られた液状組成物を塗布し、100℃で20分間乾燥させることにより、膜を形成した。
次いで、この膜の表面に、導電箔として厚さ35μmの銅箔を重ね合わせ、この重ね合わせたものを、150℃に加熱した一対の熱ロール間を通過させて、前記膜と銅箔とを熱圧着させた。
次いで、ポリエステルフィルムを前記膜から剥離することで、銅箔上に液晶ポリエステル含有層が形成された積層中間体を作製した。この手順により、積層中間体を別々に2枚作製し、第一の積層中間体及び第二の積層中間体とした。
次いで、表1に示すように、得られた第一の積層中間体を300℃で3時間加熱処理することにより、第一の積層体を作製した。また、第二の積層中間体を320℃で3時間加熱処理することにより、第二の積層体を作製した。
(回路基板の作製)
得られた第二の積層体において、塩化鉄(III)水溶液を用いて銅箔を所定の形状にエッチングすることにより、回路を形成し、回路基板を作製した。
(多層金属ベース回路基板の製造)
金属板として厚さ1.5mmのアルミニウム合金板(熱伝導率:140W・m−1・K−1)を用い、金属板、回路基板及び第一の積層体をこの順に重ね合わせた。このとき、回路基板及び第一の積層体は、いずれも加熱処理層を金属板に向けて配置した。
次いで、この重ね合わせ体を、表1に示すように340℃で20分間、20MPaの圧力で加熱プレスすることにより、重ね合わせ体を接着して一体化させるとともに、絶縁層を形成して、その内部に回路を埋め込んで、多層金属ベース回路基板を得た。
[実施例2、比較例1〜6]
第一の積層中間体及び第二の積層中間体の加熱処理温度、並びに重ね合わせ体の加熱プレス温度のいずれかを、表1に示すように変更した点以外は、実施例1と同様の方法で、多層金属ベース回路基板を得た。
<多層金属ベース回路基板の評価>
得られた多層金属ベース回路基板について、下記方法により、回路の埋め込み性、導電箔及び絶縁層間の接着強度、金属板及び絶縁層間の接着強度、及び耐熱性を評価した。結果を表1に示す。
(回路の埋め込み性)
走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製「S−4700」)を用いて、多層金属ベース回路基板の断面を観察し、回路及び絶縁層間の隙間の有無を観察して、隙間が全く又はほぼ無い場合を○、明らかな隙間がある場合を×と判定した。
(導電箔及び絶縁層間の接着強度)
以下の導電箔のピール強度で評価した。
導電箔をエッチングにより部分的に除去して、幅10mmのパターンを形成した。次いで、このパターンの長手方向(幅方向に直交する方向)の一端を把持し、この一端からパターンを絶縁層から剥離し、剥離したパターンの長手方向が、金属板の主面(絶縁層の導電箔との接触面)に対して垂直となるように、50mm/分の速度でパターンを他端へ向けて絶縁層から剥離した。このときのパターンに加えた力(N/cm)を導電箔のピール強度とした。結果を表1中に「導電箔/絶縁層接着強度」として示す。
(金属板及び絶縁層間の接着強度)
導電箔のピール強度の測定時に、金属板及び絶縁層間での剥離の有無を観察して、剥離が生じなかった場合を○、剥離が生じた場合を×と判定した。結果を表1中に「金属板/絶縁層接着強度」として示す。
(耐熱性)
以下のはんだ耐熱性で評価した。
回路の埋め込み部分を含むように、多層金属ベース回路基板を50mm×50mmの寸法に切断し、さらに導電箔をエッチングにより部分的に除去して、矩形状のランドを形成して試料とした。このとき、導電箔を除去した領域の寸法とランド(残存した導電箔)の寸法を、いずれも25mm×50mmとした。次いで、300℃のはんだ浴上にこの試料を4分間載置した後、試料の状態を目視観察して、導電箔及び絶縁層に膨れや剥離等の外観不良が生じていない場合を○、膨れや剥離等の外観不良が生じている場合を×と判定した。
Figure 2014116544
実施例1及び2の多層金属ベース回路基板は、絶縁層が液晶ポリエステルを含むことにより放熱性に優れているのに加え、上記結果から明らかなように、回路及び絶縁層間に隙間がなく、回路の埋め込み性が良好であった。また、導電箔及び絶縁層間の接着強度、金属板及び絶縁層間の接着強度、並びに耐熱性に優れていた。
これに対して、比較例1、2及び4の多層金属ベース回路基板は、耐熱性が劣り、導電箔及び絶縁層に膨れが見られた。これは、比較例1では第二の積層体、比較例2では第一の積層体、比較例4では第一及び第二の積層体の加熱処理温度がそれぞれ低かったことにより、加熱プレス工程において、これら積層体で液晶ポリエステルの高分子量化が生じただけでなく、絶縁層中の液晶ポリエステル自体も高分子量化が不十分であったためと推測される。さらに、比較例2及び4の多層金属ベース回路基板は、導電箔及び絶縁層間の接着強度が低かった。これは、第一の積層体の加熱処理温度が低かったことにより、第一の積層体に由来する絶縁層の接着力が低下したためと推測される。
比較例3及び5の多層金属ベース回路基板は、回路及び絶縁層間に明らかな隙間があり、回路の埋め込み性が不良であった。これは、第一の積層体の加熱処理温度が高かったことにより、第一の積層体で液晶ポリエステルの高分子量化が過度に進行し、加熱プレス工程において加熱処理層の流動性が不十分になったためと推測される。
比較例6の多層金属ベース回路基板は、金属板及び絶縁層間の接着強度が低かった。これは、第二の積層体の加熱処理温度が高かったことにより、第二の積層体で液晶ポリエステルの高分子量化が過度に進行し、加熱プレス工程において加熱処理層の流動性が不十分になり、接着力が低下したためと推測される。
本発明は、電気電子機器に組み込まれる多層金属ベース回路基板の製造に利用可能である。
1,2・・・多層金属ベース回路基板、10,20・・・重ね合わせ体、11・・・金属板、12・・・絶縁層、13,14’・・・導電箔、14,241,242・・・回路、101・・・第一の積層体、102・・・第二の積層体、102A・・・回路基板、101’・・・第一の積層中間体、102’・・・第二の積層中間体、121,122・・・加熱処理層、121’,122’・・・液晶ポリエステル含有層

Claims (4)

  1. 金属板、絶縁層及び導電箔がこの順に設けられ、前記絶縁層は液晶ポリエステルを含み、前記絶縁層内に1層以上の回路が埋め込まれてなる多層金属ベース回路基板の製造方法であって、
    導電箔上に液晶ポリエステル含有層を備えた積層中間体を、285〜320℃の温度で加熱処理することにより、前記液晶ポリエステル含有層を加熱処理層とした第一の積層体及び第二の積層体を作製する工程と、
    前記第二の積層体において前記導電箔から回路を形成して、回路基板を作製する工程と、
    金属板、1枚以上の前記回路基板、及び前記第一の積層体をこの順に、これら回路基板及び第一の積層体の前記加熱処理層をすべて前記金属板に向けて重ね合わせ、この重ね合わせ方向において、第一の積層体及び第二の積層体のすべての作製時における前記加熱処理の温度に対して20℃以上、55℃以下の温度で加熱プレスすることにより、互いに接触するもの同士を接着させるとともに、前記回路が内部に埋め込まれた絶縁層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする多層金属ベース回路基板の製造方法。
  2. 前記液晶ポリエステルが、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を有することを特徴とする請求項1に記載の多層金属ベース回路基板の製造方法。
    (1)−O−Ar−CO−
    (2)−CO−Ar−CO−
    (3)−X−Ar−Y−
    (式中、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基であり;Ar及びArは、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記一般式(4)で表される基であり;X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基であり;前記Ar、Ar及びAr中の1個以上の水素原子は、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
    (4)−Ar−Z−Ar
    (式中、Ar及びArは、それぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基であり;Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基である。)
  3. 前記液晶ポリエステルが、これを構成する全繰返し単位の合計量に対して、前記一般式(1)で表される繰返し単位を30〜80モル%有し、前記一般式(2)で表される繰返し単位を10〜35モル%有し、前記一般式(3)で表される繰返し単位を10〜35モル%有することを特徴とする請求項2に記載の多層金属ベース回路基板の製造方法。
  4. 前記絶縁層が、40〜70体積%の含有量で無機充填材を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層金属ベース回路基板の製造方法。
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