JP5963074B2 - 金属ベース回路基板及び発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、金属ベース回路基板及びこれを用いた発光素子に関する。
近年、発光素子などの実装部品の発熱密度が上昇し、放熱設計の重要性が高くなっており、放熱性及び絶縁性に優れた金属ベース回路基板が広く使用されている。そして、電子機器の小型化及び薄型化のため、金属ベース回路基板は、平坦でない部分や箇体の側面、底面、段差部、局面などに、折り曲げ加工や絞り加工を施して実装することがある。
しかし、従来の金属ベース回路基板の絶縁層は、放熱性を高めるために、熱伝導率を向上させる目的で、エポキシ化合物にアルミナやシリカなどの熱伝導フィラーを含有させて構成している。このような絶縁層は非常に脆性であり、折り曲げ加工により折り曲げ部にクラックや剥がれ落ちが生じて、品質が劣化する可能性があり、折り曲げ加工には適さない。
これに対して、特許文献1では、金属基板を折り曲げ部で折り曲げて、先端部とこの先端部に交差する脚部とを一体に設け、少なくとも前記先端部の絶縁層表面に、電子部品を取り付けるためのプリント配線部を備え、前記折り曲げ部の全長に沿って、前記絶縁層を分断してなる絶縁層分断部を設けたプリント配線板が開示されている。
また、特許文献2では、水素添加されたビスフェノールF型及び/又はA型のエポキシ樹脂を含有する熱硬化性樹脂と無機フィラーとを含有する、ガラス転移温度が低い絶縁層を供え、折り曲げ加工性を向上させた金属ベース回路基板が開示されている。
また、特許文献3では、熱伝導性に優れた光学異方性の溶融相を形成し得る液晶ポリエステルと無機充填材とを含有する組成物から絶縁層を形成し、この絶縁層を用いた金属ベース回路基板が開示されている。
特開2010−129984号公報 特開2006−303082号公報 特開2011−032316号公報
しかし、特許文献1に記載のプリント配線板では、前記絶縁層分断部を設けるなど、予め基板に特殊な加工を行う必要がある上、回路パターンの設計自由度が制限されてしまうという問題点があった。
また、特許文献2に記載の金属ベース回路基板では、エポキシ樹脂自体の熱伝導率が低いため、絶縁層の熱伝導率を高めるために、熱伝導性の無機フィラーを50体積%以上含有させる必要があり、屈曲性が悪く、折り曲げ加工性が不十分であるという問題点があった。
また、特許文献3に記載の金属ベース回路基板では、無機充填材の含有量が多いため、脆性であり、折り曲げ加工すると絶縁層にクラックが生じてしまうという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、基板に対する特殊な加工が不要で、回路パターンの設計自由度が高く、放熱性、絶縁性及び折り曲げ加工性に優れた金属ベース回路基板を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明は、金属ベース上に絶縁層を介して導体回路が設けられた金属ベース回路基板であって、
前記絶縁層が液晶ポリエステルを含み、該液晶ポリエステルが、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を有し、
前記金属ベースの厚さが20〜1000μmであり、
前記絶縁層の厚さが20〜90μmであり、
前記導体回路の厚さが9〜140μmであり、
該液晶ポリエステルの重量平均分子量が3000〜13000であり、
熱抵抗値が0.5℃/W以下、絶縁破壊電圧値が2.0kV以上であることを特徴とする金属ベース回路基板を提供する。
(1)−O−Ar−CO−
(2)−CO−Ar−CO−
(3)−X−Ar−Y−
(式中、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基であり;Ar及びArは、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記一般式(4)で表される基であり;X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基であり;前記Ar、Ar及びAr中の一つ以上の水素原子は、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar−Z−Ar
(式中、Ar及びArは、それぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基であり;Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基である。)
本発明の金属ベース回路基板においては、前記絶縁層の厚さが20〜80μmであることが好ましい。
本発明の金属ベース回路基板においては、前記絶縁層の厚さが20〜70μmであることがより好ましい。
本発明の金属ベース回路基板においては、前記金属ベースが、銅、アルミニウム及び鉄のいずれかであることが好ましい。
発明の金属ベース回路基板においては、前記導体回路側又は金属ベース側に折り曲げられたことが好ましい。
また、本発明は、上記本発明の金属ベース回路基板に発光ダイオードが実装されてなることを特徴とする発光素子を提供する。
本発明によれば、基板に対する特殊な加工が不要で、回路パターンの設計自由度が高く、放熱性、絶縁性及び折り曲げ加工性に優れた金属ベース回路基板を提供できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<金属ベース回路基板>
本発明の金属ベース回路基板は、金属ベース上に絶縁層を介して導体回路が設けられた金属ベース回路基板であって、前記絶縁層が液晶ポリエステルを含み、該液晶ポリエステルが、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位(以下、それぞれ「繰返し単位(1)」、「繰返し単位(2)」、「繰返し単位(3)」ということがある。)を有し、前記金属ベースの厚さが20〜1000μmであり、前記絶縁層の厚さが20〜90μmであり、前記導体回路の厚さが9〜140μmであることを特徴とする。
(1)−O−Ar−CO−
(2)−CO−Ar−CO−
(3)−X−Ar−Y−
(式中、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基であり;Ar及びArは、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記一般式(4)で表される基であり;X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基であり;前記Ar、Ar及びAr中の一つ以上の水素原子は、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar−Z−Ar
(式中、Ar及びArは、それぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基であり;Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基である。)
(金属ベース)
前記金属ベースは、熱伝導率が60W/mK以上のものが好ましく、金属板又は金属箔が好ましい。
前記金属ベースの材質としては、銅、アルミニウム、鉄等の単体の金属;これら金属の合金;ステンレス等が例示できる。
前記金属ベースの厚さは、20〜1000μmであり、20〜800μmであることが好ましく、20〜500μmであることがより好ましく、20〜300μmであることがさらに好ましい。下限値以上とすることで金属ベースの強度が向上し、上限値以下とすることで、金属ベースの屈曲が容易となって金属ベース回路基板の折り曲げ加工性が向上する共に、金属ベース回路基板を搭載する電子機器の小型化及び薄型化が容易となる。
前記金属ベースは、単層でもよいし複数層でもよい。そして複数層である場合には、これら複数層の材質(金属)は、互いに同一でも異なっていてもよい。
(導体回路)
前記導体回路の材質は公知のものでよく、銅、アルミニウム、ニッケル又はこれらの合金であることが好ましい。
前記導体回路の厚さは、9〜140μmであり、9〜100μmであることが好ましく、9〜70μmであることがより好ましい。下限値以上とすることで導体回路としての機能を十分果たし、上限値以下とすることで、導体回路の屈曲が容易となって金属ベース回路基板の折り曲げ加工性が向上する共に、金属ベース回路基板を搭載する電子機器の小型化及び薄型化が容易となる。
(絶縁層)
前記絶縁層は、液晶ポリエステルを含み、該液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)、(2)及び(3)を有する。
液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示す液晶ポリエステルであり、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。
液晶ポリエステルにおいて、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
前記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基及びn−デシル基が挙げられ、その炭素数は、1〜10であることが好ましい。
前記アリール基の例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられ、その炭素数は、6〜20であることが好ましい。
前記水素原子がこれらの基で置換されている場合、その数は、Ar、Ar又はArで表される前記基毎に、それぞれ独立に2個以下であることが好ましく、1個であることがより好ましい。
前記アルキリデン基の例としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、n−ブチリデン基及び2−エチルヘキシリデン基が挙げられ、その炭素数は1〜10であることが好ましい。
繰返し単位(1)は、所定の芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(1)としては、Arが1,4−フェニレン基であるもの(p−ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)、及びArが2,6−ナフチレン基であるもの(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(2)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(2)としては、Arが1,4−フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Arが1,3−フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)、Arが2,6−ナフチレン基であるもの(2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)、及びArがジフェニルエ−テル−4,4’−ジイル基であるもの(ジフェニルエ−テル−4,4’−ジカルボン酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(3)は、所定の芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミン又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。繰返し単位(3)としては、Arが1,4−フェニレン基であるもの(ヒドロキノン、p−アミノフェノール又はp−フェニレンジアミンに由来する繰返し単位)、及びArが4,4’−ビフェニリレン基であるもの(4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニル又は4,4’−ジアミノビフェニルに由来する繰返し単位)が好ましい。
繰返し単位(1)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量(液晶ポリエステルを構成する各繰返し単位の質量をその各繰返し単位の式量で割ることにより、各繰返し単位の物質量相当量(モル)を求め、それらを合計した値)に対して、好ましくは30モル%以上、より好ましくは30〜80モル%、さらに好ましくは30〜60モル%、特に好ましくは30〜40モル%である。
繰返し単位(2)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは35モル%以下、より好ましくは10〜35モル%、さらに好ましくは20〜35モル%、特に好ましくは30〜35モル%である。
繰返し単位(3)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは35モル%以下、より好ましくは10〜35モル%、さらに好ましくは20〜35モル%、特に好ましくは30〜35モル%である。
繰返し単位(1)の含有量が多いほど、耐熱性や強度・剛性が向上し易いが、あまり多いと、溶媒に対する溶解性が低くなり易い。
繰返し単位(2)の含有量と繰返し単位(3)の含有量との割合は、[繰返し単位(2)の含有量]/[繰返し単位(3)の含有量](モル/モル)で表して、好ましくは0.9/1〜1/0.9、より好ましくは0.95/1〜1/0.95、さらに好ましくは0.98/1〜1/0.98である。
なお、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)を、それぞれ独立に二種以上有してもよい。また、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)以外の繰返し単位を有してもよいが、その含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下である。
液晶ポリエステルは、繰返し単位(3)として、X及びYの一方がイミノ基(−NH−)であり、他方が酸素原子であるものを有すること、すなわち、所定の芳香族ヒドロキシルアミンに由来する繰返し単位を有することが好ましく、繰返し単位(3)として、X及びYの一方がイミノ基であり、他方が酸素原子であるもののみを有することがより好ましい。このようにすることで、液晶ポリエステルは溶媒に対する溶解性がより優れたものとなる。
液晶ポリエステルは、これを構成する繰返し単位に対応する原料モノマーを溶融重合させることにより、製造することができる。また、原料モノマーを溶融重合させ、得られた重合物(プレポリマー)を固相重合させることにより、製造してもよい。プレポリマーを固相重合させることにより、耐熱性や強度・剛性が高い高分子量の液晶ポリエステルを操作性良く製造することができる。溶融重合は、触媒の存在下で行ってもよく、この場合の触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモン等の金属化合物や、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1−メチルイミダゾール等の含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
液晶ポリエステルは、その流動開始温度が260℃以下であることが好ましく、120〜260℃であることがより好ましく、150〜250℃であることがさらに好ましく、150〜220℃であることが特に好ましい。この液晶ポリエステルの流動開始温度が低いほど、熱処理後の液晶ポリエステルフィルムの厚さ方向の熱伝導性が向上する傾向にあるが、あまり低いと、熱処理後のフィルムの耐熱性や強度・剛性が不十分になり易い。
なお、流動開始温度は、フロー温度又は流動温度とも呼ばれ、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、内径1mm及び長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度であり、液晶ポリエステルの分子量の目安となるものである(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
液晶ポリエステルは、その液晶転移温度が320℃以下であることが好ましく、150〜320℃であることがより好ましく、150〜300℃であることがさらに好ましく、150〜280℃であることが特に好ましい。この液晶ポリエステルの液晶転移温度が低いほど、熱処理後の液晶ポリエステルフィルムの厚さ方向の熱伝導性が向上する傾向にあるが、あまり低いと、熱処理後でもフィルムの耐熱性や強度・剛性が不十分になり易い。
液晶転移温度は、液晶化温度とも呼ばれ、偏光顕微鏡を用いて、直交ニコル下、10℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させるときに、シュリーレン模様を示す温度である。
液晶ポリエステルは、その重量平均分子量が13000以下であることが好ましく、3000〜13000であることがより好ましく、5000〜12000であることがさらに好ましく、5000〜10000であることが特に好ましい。この液晶ポリエステルの重量平均分子量が小さいほど、熱処理後の液晶ポリエステルフィルムの厚さ方向の熱伝導性が向上する傾向にあるが、あまり小さいと、熱処理後でもフィルムの耐熱性や強度・剛性が不十分になり易い。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
前記絶縁層は、例えば、液晶ポリエステルと溶媒とを含む液晶ポリエステル液状組成物を基材上に塗布し、溶媒を除去することで形成できる。好ましい液晶ポリエステル液状組成物としては、液晶ポリエステルが溶媒に溶解されてなる液晶ポリエステル溶液や、該液晶ポリエステル溶液中で充填材が分散された分散液が例示できる。なお、ここで基材とは、金属ベース回路基板において、絶縁層に接触して設けられるものであり、前記金属ベースや、前記導体回路を形成するための導体層が例示できる。
前記溶媒としては、用いる液晶ポリエステルが溶解可能なもの、具体的には50℃にて1質量%以上の濃度([液晶ポリエステル]/[液晶ポリエステル+溶媒]×100)で溶解可能なものが、適宜選択して用いられる。
前記溶媒の例としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;p−クロロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタフルオロフェノール等のハロゲン化フェノール;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル;アセトン、シクロヘキサノン等のケトン;酢酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート;トリエチルアミン等のアミン;ピリジン等の含窒素複素環芳香族化合物;アセトニトリル、スクシノニトリル等のニトリル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(N−メチル−2−ピロリドン)等のアミド系化合物(アミド結合を有する化合物);テトラメチル尿素等の尿素化合物;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物;及びヘキサメチルリン酸アミド、トリn−ブチルリン酸等のリン化合物が挙げられ、これらの2種以上を用いてもよい。
溶媒としては、腐食性が低く、取り扱い易いことから、非プロトン性化合物、特にハロゲン原子を有しない非プロトン性化合物を主成分とする溶媒が好ましく、溶媒全体に占める非プロトン性化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。
また、前記非プロトン性化合物としては、液晶ポリエステルを溶解し易いことから、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系化合物を用いることが好ましい。
また、溶媒としては、液晶ポリエステルを溶解し易いことから、双極子モーメントが3〜5である化合物を主成分とする溶媒が好ましく、溶媒全体に占める、双極子モーメントが3〜5である化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%であり、前記非プロトン性化合物として、双極子モーメントが3〜5である化合物を用いることが好ましい。
また、溶媒としては、除去し易いことから、1気圧における沸点が220℃以下である化合物を主成分とするとする溶媒が好ましく、溶媒全体に占める、1気圧における沸点が220℃以下である化合物の割合は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%であり、前記非プロトン性化合物として、1気圧における沸点が220℃以下である化合物を用いることが好ましい。
液晶ポリエステル液状組成物中の液晶ポリエステルの含有量は、液晶ポリエステル及び溶媒の合計量に対して、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%、さらに好ましくは15〜45質量%であり、所望の粘度の液晶ポリエステル液状組成物が得られるように、適宜調整される。
液晶ポリエステル液状組成物は、充填材等の他の成分を1種以上含有してもよい。
前記充填材は、30W/mK以上の熱伝導率と絶縁性を有するものが好ましく、無機充填材が好ましく、具体的な材質としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等が例示できる。
液晶ポリエステル液状組成物中の前記充填材の含有量は、23℃において、0〜65体積%であることが好ましく、0〜50体積%であることがより好ましい。
液晶ポリエステル液状組成物は、液晶ポリエステル、溶媒、及び必要に応じて用いられる他の成分を、一括で又は適当な順序で混合することにより調製できる。そして、他の成分として充填材を用いる場合には、液晶ポリエステルを溶媒に溶解させて液晶ポリエステル溶液とし、得られた液晶ポリエステル溶液に充填材を分散させればよい。液晶ポリエステル液状組成物に他の成分を含有させる場合には、さらに溶媒を添加してもよく、このときの溶媒としては、液晶ポリエステル溶液中の前記溶媒と同様のものが例示できる。
液晶ポリエステル液状組成物は、例えば、ローラーコート法、ディップコート法、スプレイコート法、スピナーコート法、カーテンコート法、スロットコート法、スクリーン印刷法等の公知の方法で、基材上に塗布できる。そして、加熱乾燥等により塗布した溶液から溶媒を除去することで、前記絶縁層を形成できる。
前記絶縁層の厚さは、20〜90μmであり、20〜80μmであることが好ましく、20〜70μmであることがより好ましく、20〜65μmであることがさらに好ましい。下限値以上とすることで絶縁層の絶縁破壊電圧値が向上する。また、上限値以下とすることで、熱抵抗値が低下して放熱性が向上すると共に、絶縁層の屈曲が容易となって金属ベース回路基板の折り曲げ加工性が向上し、金属ベース回路基板を搭載する電子機器の小型化及び薄型化が容易となる。
金属ベース回路基板は、例えば、前記金属ベース、絶縁層、及び前記導体回路を形成するための導体層をこの順に備えた積層体を形成し、エッチング等の公知の手法で前記導体層を所望の形状にパターニングし、回路を形成することで製造できる。
絶縁層は、液晶ポリエステル液状組成物を用いる上記の方法で形成できる。また、絶縁層は、前記金属ベース及び導体層等の、互いに接触して設けられたものと共に加熱処理又は加圧加熱処理することで、密着度を向上させてもよい。この時の加熱温度は、250〜400℃であることが好ましい。また、圧力は50〜300kg/cmであることが好ましく、100〜300kg/cmであることがより好ましい。
本発明の金属ベース回路基板は、折り曲げ加工性に優れ、前記導体回路側への折り曲げ加工、及び前記金属ベース側(前記導体回路とは反対側)への折り曲げ加工のいずれも容易に行うことができる。ここで、導体回路側への折り曲げ加工とは、金属ベースから導体回路へ向かう方向の外力の印加により行う折り曲げ加工を指し、金属ベース側への折り曲げ加工とは、導体回路から金属ベースへ向かう方向の外力の印加により行う折り曲げ加工を指す。このように、前記導体回路側又は金属ベース側に折り曲げられた金属ベース回路基板は、小型又は薄型の電子機器への搭載に極めて有用である。
折り曲げ加工された金属ベース回路基板において、折り曲げ角度(すなわち、折り曲げ加工部の断面において、180°から、折り曲げられた表面同士が為す角度(°)を差し引いた角度(°))は、0°より大きく180°より小さい範囲で、目的に応じて適宜選択できる。
本発明の金属ベース回路基板は、絶縁層が熱伝導率に優れる液晶ポリエステルを用いたものであるので、例えば、熱伝導性の充填材を用いなくても優れた放熱性を示し、このような充填材を用いる場合も、その量は従来の絶縁層のように大量である必要性がない。そのため、絶縁層が脆性になるのを抑制でき、折り曲げ時に絶縁層にクラックが生じない。
また、本発明の金属ベース回路基板は、絶縁破壊電圧値が大きく、好ましくは2.0kV以上、より好ましくは2.5kV以上とすることができ、絶縁性にも優れる。これは、折り曲げ加工された部位であるか否かによらない。したがって、絶縁層の厚さを従来よりも薄くでき、熱抵抗値をより低減でき、好ましくは0.5℃/W以下、より好ましくは0.45℃/W以下とすることできる。
また、本発明の金属ベース回路基板は、金属ベースの厚さが薄いので、折り曲げが容易(屈曲性が良好)であり、絶縁層におけるクラックの発生抑制とあわせて、室温においても折り曲げ加工性に優れる。
本発明の金属ベース回路基板は、特殊な加工を行うことなく、また、回路パターンの制約を受けることもなく、このような優れた効果を奏する。
<発光素子>
本発明の発光素子は、上記本発明の金属ベース回路基板に発光ダイオードが実装されてなることを特徴とする。かかる発光素子は、上記本発明の金属ベース回路基板を用いること以外は、従来の発光素子と同様の構成とすることができ、小型又は薄型の電子機器への搭載に極めて有用である。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。なお、液晶ポリエステルの流動開始温度、液晶転移温度及び重量平均分子量は、それぞれ以下の方法で測定した。
(液晶ポリエステルの流動開始温度の測定)
フローテスター(島津製作所社製、CFT−500型)を用いて、液晶ポリエステル約2gを、内径1mm及び長さ10mmのノズルを有するダイを取り付けたシリンダーに充填し、9.8MPa(100kg/cm)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、ノズルから押し出し、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度を測定した。
(液晶ポリエステルの液晶転移温度の測定)
偏光顕微鏡の加熱ステージ上に液晶ポリエステルを載せ、直交ニコル下、10℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、シュリーレン模様を示す温度を測定した。なお、静置下で液晶ポリエステルが完全溶融しない場合は、スプリング圧による加圧下で液晶ポリエステルを完全溶融させた。
(液晶ポリエステルの重量平均分子量の測定)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記条件でポリスチレン換算の重量平均分子量を測定した。
装置:東ソー社製「HLC−8120GPC」
試料:濃度0.5質量%の液晶ポリエステルのN−メチルピロリドン溶液
試料注入量:100μL
カラム:東ソー社製「α−M」及び「α−3000」を連結したもの
移動相:濃度50mmol/Lの臭化リチウムのN−メチルピロリドン溶液
移動相流量:0.7mL/分
検出器:紫外可視検出器(東ソー社製「UV−8020」)
<液晶ポリエステル溶液の製造>
(液晶ポリエステルの製造)
[製造例1]
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(1976g、10.5モル)、4−ヒドロキシアセトアニリド(1474g、9.75モル)、イソフタル酸(1620g、9.75モル)及び無水酢酸(2374g、23.25モル)を入れ、反応器内のガスを窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で攪拌しながら、15分間かけて室温から150℃まで昇温し、この温度(150℃)を保持して3時間還流させた。
次いで、留出する副生成物の酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、2時間50分かけて300℃まで昇温し、直ちに反応器から内容物を取り出した。この内容物を室温まで冷却し、得られた固形物を粉砕機で粉砕し、低分子量の粉末状の液晶ポリエステルを得た。この液晶ポリエステルの流動開始温度は180℃、液晶転移温度は260℃、重量平均分子量は7000であった。
(液晶ポリエステル溶液の製造)
[製造例2]
製造例1で得られた液晶ポリエステル(2200g)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP、7800g)に加え、100℃で2時間加熱して、液晶ポリエステルが完全に溶解した透明な溶液が得られたことを確認した後、この溶液を攪拌および脱泡し、液晶ポリエステル溶液を得た。
<金属ベース回路基板の製造>
[実施例1]
製造例2で得られた液晶ポリエステル溶液を、厚さ35μmの銅箔上に塗布した後、100℃で20分間乾燥させた。次いで、窒素気流下で昇温速度を9.0℃/分として40℃から300℃まで加熱し、さらに300℃で3時間加熱処理することにより、銅箔上に厚さ40μmの液晶ポリエステルフィルムを設けた。
次いで、熱伝導率140W/(m・K)、厚さ100μmのアルミニウム合金板の表面と、上記で得られた液晶ポリエステルフィルムの表面とを接触させ、圧力を200kg/cm、温度を340℃として、20分間加圧加熱処理することにより、アルミニウム合金板と液晶ポリエステルフィルムとを熱接着させ、アルミニウム合金板、液晶ポリエステルフィルム及び銅箔がこの順に積層された積層体を得た。得られた積層体の所定の位置をエッチングレジストでマスクし、銅箔をエッチングした後、エッチングレジストを除去して銅箔回路を形成し、金属ベース回路基板を得た。金属ベース回路基板の構成を表1に示す。なお、表1中、「LCP」は「液晶ポリエステル」を意味する。
[実施例2]
表1に示すように、製造例2で得られた前記液晶ポリエステル溶液に代えて、前記液晶ポリエステル溶液に酸化アルミニウム(住友化学社製「AA−5」)を23℃で40体積%の割合で混合分散させた分散液を用い、液晶ポリエステルフィルムの厚さを、40μmに代えて60μmとしたこと以外は、実施例1と同様に金属ベース回路基板を得た。
[実施例3]
表1に示すように、製造例2で得られた前記液晶ポリエステル溶液に代えて、前記液晶ポリエステル溶液に酸化アルミニウム(住友化学社製「AA−5」)を23℃で50体積%の割合で混合分散させた分散液を用い、液晶ポリエステルフィルムの厚さを、40μmに代えて80μmとしたこと以外は、実施例1と同様に金属ベース回路基板を得た。
[実施例4]
表1に示すように、アルミニウム合金板の厚さを、100μmに代えて1000μmとしたこと以外は、実施例3と同様に金属ベース回路基板を得た。
[比較例1]
表1に示すように、アルミニウム合金板の厚さを、100μmに代えて2000μmとしたこと以外は、実施例1と同様に金属ベース回路基板を得た。
[比較例2]
表1に示すように、液晶ポリエステルフィルムの厚さを、40μmに代えて100μmとしたこと以外は、実施例1と同様に金属ベース回路基板を得た。
[比較例3]
表1に示すように、液晶ポリエステルフィルムの厚さを、40μmに代えて15μmとしたこと以外は、実施例1と同様に金属ベース回路基板を得た。
[比較例4]
表1に示すように、アルミニウム合金板の厚さを、100μmに代えて2000μmとしたこと以外は、実施例2と同様に金属ベース回路基板を得た。
[比較例5]
表1に示すように、製造例2で得られた前記液晶ポリエステル溶液に代えて、前記液晶ポリエステル溶液に酸化アルミニウム(住友化学社製「AA−5」)を23℃で75体積%の割合で混合分散させた分散液を用い、液晶ポリエステルフィルムの厚さを、40μmに代えて100μmとしたこと以外は、実施例1と同様に金属ベース回路基板を得た。
[比較例6]
ビスフェノールA系エポキシ樹脂(アデカ社製、商品名「EP4100G」、エポキシ当量190)100質量部、酸無水物系硬化剤(アデカ社製、商品名「EH3326」、酸価650)85質量部、及び溶媒としてトルエン100質量部を混合し、得られた混合物を厚さ35μmの銅箔上に塗布した後、加熱処理することなく、塗布した混合物上に、熱伝導率140W/(m・K)、厚さ100μmのアルミニウム合金板を積層した。次いで、圧力を50kg/cm、温度を180℃として90分間加圧加熱処理することにより、各層を熱接着させ、金属ベース回路基板を得た。金属ベース回路基板の構成を表1に示す。
<金属ベース回路基板の特性評価>
上記各実施例及び比較例で得られた金属ベース回路基板の特性を、下記方法で評価した。結果を表2に示す。
(1)屈曲性
金属ベース回路基板を10mm×100mmの大きさに加工し、25±1℃(室温)の温度で、銅箔回路側及びアルミニウム合金板(銅箔回路とは反対)側に、曲率半径5mmにて90°以上折り曲げるときに、両手で折り曲げることが可能であるものを○とし、両手で折り曲げることができず、曲げ加工用の金型とプレス機などを用いる必要がある場合を×とした。
(2)絶縁層の熱伝導率
金属ベース回路基板から、縦10mm×横10mm×厚さ0.1mmの液晶ポリエステルフィルムのサンプルを切り出し、このサンプルを用いて、下記方法で熱拡散率、比熱及び密度を求め、下記式(A)から液晶ポリエステルフィルムの熱伝導率を算出した。
熱拡散率:熱伝導率測定装置(アイフェイズ社製「ai−phase Mobile」)を用いて温度波熱分析法により、室温で測定した。
比熱:示差走査熱量計(DSC)を用い、サファイア標準物質との比較により測定した。
密度:アルキメデス法を用いて測定した。
熱伝導率=熱拡散率×比熱×密度 ・・・・(A)
(3)熱抵抗値
金属ベース回路基板のサイズを30mm×40mm、ランドサイズを14mm×10mmとし、はんだでトランジスタC2233を取り付け、金属ベース回路基板を、その裏面に熱伝導性のシリコーングリースを塗布して冷却装置に装着した。そして、30Wの電力を供給し、発熱した状態のトランジスタの表面温度と、冷却装置の表面温度をそれぞれ測定し、下記式(B)から熱抵抗値を算出した。
熱抵抗値={(トランジスタの表面温度)−(冷却装置の表面温度)}/負荷電力値
(4)折り曲げ時の絶縁破壊電圧値
室温下において、銅箔回路として形成した直径20mmの円形パターンが折り曲げ部に含まれるように、金属ベース回路基板を曲率半径1mmにて90°折り曲げ、この状態でJIS C 2110に規定された段階昇圧法により、円形パターン及び金属ベース間の絶縁破壊電圧値を測定した。
(5)折り曲げ時の絶縁層のクラックの有無
室温下において、金属ベース回路基板を曲率半径1mmにて90°折り曲げ、この状態での絶縁層を光学顕微鏡で10倍に拡大して目視観察し、クラックの有無を確認した。
Figure 0005963074
Figure 0005963074
表1及び2から明らかなように、実施例1〜4の金属ベース回路基板は、基板に対する特殊な加工を行わなくても、折り曲げ加工性(屈曲性、折り曲げ時の絶縁層のクラックの有無)、放熱性(絶縁層の熱伝導率、熱抵抗値)、絶縁性(折り曲げ時の絶縁破壊電圧値)のすべてに優れていた。また、構造も特殊ではないので、回路パターンの設計自由度が高い。
これに対し、比較例1及び4の金属ベース回路基板は、金属ベース(アルミニウム合金板)の厚さが厚く、屈曲性が不良で、折り曲げ加工性が劣っていた。
また、比較例2の金属ベース回路基板は、絶縁層(液晶ポリエステルフィルム)の厚さが厚く、熱抵抗値が大きく、放熱性が劣っていた。
また、比較例3の金属ベース回路基板は、絶縁層(液晶ポリエステルフィルム)の厚さが薄く、折り曲げ時の絶縁破壊電圧値が小さく、絶縁性が劣っていた。
また、比較例5の金属ベース回路基板は、絶縁層(液晶ポリエステルフィルム)の厚さが厚い一方、熱伝導性が良好な無機充填材を絶縁層が含有していることにより、比較例2とは異なり、熱抵抗値は小さかった。しかし、無機充填材の含有量が多いために脆性であり、折り曲げ時に絶縁層にクラックが生じ、折り曲げ加工性が劣っていた。また、クラックの発生により、絶縁破壊電圧値が小さくなっており、絶縁性も劣っていた。
また、比較例6の金属ベース回路基板は、絶縁層を構成する樹脂がエポキシ樹脂であるため、熱抵抗値が大きく、放熱性が劣っていた。
本発明は、小型又は薄型の電子機器に実装する発光素子などの製造に利用可能である。

Claims (6)

  1. 金属ベース上に絶縁層を介して導体回路が設けられた金属ベース回路基板であって、
    前記絶縁層が液晶ポリエステルを含み、該液晶ポリエステルが、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される繰返し単位を有し、
    前記金属ベースの厚さが20〜1000μmであり、
    前記絶縁層の厚さが20〜90μmであり、
    前記導体回路の厚さが9〜140μmであり、
    該液晶ポリエステルの重量平均分子量が3000〜13000であり、
    熱抵抗値が0.5℃/W以下、絶縁破壊電圧値が2.0kV以上であることを特徴とする金属ベース回路基板。
    (1)−O−Ar−CO−
    (2)−CO−Ar−CO−
    (3)−X−Ar−Y−
    (式中、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基であり;Ar及びArは、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記一般式(4)で表される基であり;X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基であり;前記Ar、Ar及びAr中の一つ以上の水素原子は、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
    (4)−Ar−Z−Ar
    (式中、Ar及びArは、それぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基であり;Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基である。)
  2. 前記絶縁層の厚さが20〜80μmであることを特徴とする請求項1に記載の金属ベース回路基板。
  3. 前記絶縁層の厚さが20〜70μmであることを特徴とする請求項2に記載の金属ベース回路基板。
  4. 前記金属ベースが、銅、アルミニウム及び鉄のいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属ベース回路基板。
  5. 前記導体回路側又は金属ベース側に折り曲げられたことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の金属ベース回路基板。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の金属ベース回路基板に発光ダイオードが実装されてなることを特徴とする発光素子。
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