JP2013083569A - 物体検知装置 - Google Patents

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【課題】応答性が低下することを抑制できる物体検知装置を提供する。
【解決手段】通信線53を介して通信可能に設けられたマスタ装置10とスレーブ装置20,30,40とを備えた物体検知装置である。スレーブ装置20,30,40は、マスタ装置10からの指示に応じて、車両の周辺に検知波を送波し、この検知波が物体によって反射してきた反射波を受波するとともに、反射波に基づいて物体を識別するための複数の情報を測定する。そして、スレーブ装置20,30,40は、測定された複数の情報のうち、マスタ装置10から指示された情報のみを物体を識別するための情報として含む測定結果を送信する。マスタ装置10は、スレーブ装置20,30,40に対して、検知波の送波を指示するとともに、送信させる情報を指示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両周辺の物体を検知する物体検知装置に関するものである。
従来、物体検知装置の一例として、電波や超音波の反射波を用いて、自車両の前方車両と非車両とを識別するもの(特許文献1)が考えられていた。
また、物体検知装置としては、特許文献2に示すように、マスタ装置とセンサ(超音波センサ)であるスレーブ装置とがシリアル通信可能なように通信線を介して接続されているものがある。
特開2002−131433号公報 特開2003−152741号公報
上述のように、自車両の前方車両と非車両とを識別するための多くの情報(例えば、反射波の幅、高さ(振幅)、或いは波数)をスレーブ装置(センサ)で測定する必要がある。つまり、スレーブ装置は、多くの情報(測定結果)をマスタ装置に送信することなる。
ところで、物体検知装置は、異なる目的で車両周辺の物体を検知することがある。例えば、駐車空間を検知する場合(駐車空間検知処理)、単に障害物を検知する場合(障害物検知処理)、又は死角を検知する場合(死角検知処理)など。このように異なる複数の検知処理(例えば、駐車空間検知処理、障害物検知処理、死角検知処理など)を行う物体検知装置では、スレーブ装置を複数の検知処理で兼用することが考えられる。
しかしながら、検知処理によって、必要な情報や必要な情報数が異なる場合がある。よって、スレーブ装置が、常に測定可能な全ての情報を測定するとともに、常に全ての情報を含む測定結果をマスタ装置に対して送信すると、検知処理に必要ない情報を送信することになる可能性がある。このように、スレーブ装置からマスタ装置に対して、検知処理に必要ない情報を送信すると、必要以上に特定結果のデータ長が長くなり(換言すると、データ量が多くなり)、応答性が低下するという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、応答性が低下することを抑制できる物体検知装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、
車両に設けられるものであり、通信線を介して通信可能に設けられたマスタ装置とスレーブ装置とを備え、前記車両の周辺の物体を検知する物体検知装置であって、
スレーブ装置は、
マスタ装置からの指示に応じて、車両の周辺に検知波を送波する送波手段と、
送波手段にて送波された検知波が物体によって反射してきた反射波を受波するとともに、反射波に基づいて物体を識別するための複数の情報を測定可能な測定手段と、
測定手段にて測定された複数の情報のうち、マスタ装置から指示された情報のみを物体を識別するための情報として含む測定結果を送信する送信手段と、を備え、
マスタ装置は、
スレーブ装置から出力された測定結果に基づいて物体を検知するものであり、
スレーブ装置に対して、送波手段による検知波の送波を指示するとともに、送信手段に送信させる情報を指示する指示手段を備えることを特徴とする物体検知装置。
このように、本発明におけるマスタ装置は、スレーブ装置に対して、送波手段による検知波の送波を指示するとともに、送信手段に送信させる情報を指示するものである。このため、スレーブ装置は、マスタ装置から指示された情報のみを含む測定結果を送信すればよい。従って、応答性が低下することを抑制できる。
また、請求項2に示すように、指示手段は、検知波の送波指示を示す情報、及び送信させる情報の指示を示す情報を含む一つの送信フレームを、スレーブ装置に対して送信することで指示を行うようにしてもよい。
このようにすることによって、夫々の指示を示す情報を個別にスレーブ装置に送信するよりも、効率よく指示を行うことができる。
なお、測定手段に送信させる情報は、車両の状態によって異なる。そこで、請求項3に示すように、車両の状態を検知するものであり、車両の状態に応じた状態情報を出力する状態検知手段を備え、マスタ装置は、状態検知手段から出力された状態情報に基づいて、送信手段に送信させる情報を決定する第1決定手段を備えるようにしてもよい。
このようにすることによって、車両の状態に応じた情報を送信手段に送信させることができる。
また、請求項4に示すように、ユーザによって操作されるものであり、ユーザの操作に応じた操作情報を出力する操作手段を備え、マスタ装置は、操作手段から出力された操作情報に基づいて、送信手段に送信させる情報を決定する第2決定手段を備えるようにしてもよい。
このようにすることによって、ユーザの意図に応じた情報を送信手段に送信させることができる。
本発明の実施形態における物体検知装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態における送波指示フレームの一例を示すイメージ図である。 本発明の実施形態における物体検知装置の送信処理動作を示すフローチャートである。 駐車空間を検知しているときのイメージ図である。 駐車空間を検知して、その駐車空間に駐車しようとしているときのイメージ図である。 マスク処理を説明する説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態における物体検知装置100は、マスタ装置10、スレーブ装置20〜40、電源線51、GND線52、通信線53などを備えて構成されるものである。この物体検知装置100は、車両200に搭載されて車両200の周辺にある物体を検知するものである。より詳細には、本実施形態における物体検知装置100は、例えば駐車空間検知処理、障害物検知処理、死角検知処理(BSD:Blind Spot Detection)などを行うものである。換言すると、物体検知装置100は、超音波センサであるスレーブ装置20,30,40を駐車空間検知処理、障害物検知処理、死角検知処理で兼用するものである。
図1におけるマスタ装置10は、物体検知装置100を構成する制御装置であり、車両200の前方バンパの左、正面、右にそれぞれ対応するIDが図示しない不揮発性メモリ(例えばEEPROM)に設定される。スレーブ装置20,30,40は物体検知装置を構成する超音波センサであり、マスタ装置10に近い順からこの順番で順次、車両のバンパの左、正面、右にそれぞれ設置される。つまり、マスタ装置10の不揮発性メモリに設定されたIDは、スレーブ装置20,30,40の夫々に対応して設定される。なお、後ほど説明するが、このIDは、マスタ装置10からスレーブ装置20,30,40に対するID設定指示によって設定されるものである。
また、ここでは、物体検知装置100は、車両200の前方バンパの左、正面、右に設けられたスレーブ装置20,30,40を備えている例を採用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。物体検知装置100は、スレーブ装置20,30,40に加えて、車両200の後方バンパの左、正面、右に設けられたスレーブ装置を備えていてもよい。
マスタ装置10は、例えば、CPU(CentralProcessing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などを備えるマイコンやカスタムICを含んで構成されるものを採用できる。このマスタ装置10は、CPUが予めROMなどに格納されたプログラムをRAMに読出して実行することで、スレーブ装置20,30,40との通信処理、送波指示、結果受信処理、決定処理などの所定の処理を実行する。なお、マスタ装置10の処理動作に関しては、後ほど説明する。また、マスタ装置10は、イグニッションスイッチ(図示省略)を介して車載バッテリ(図示省略)から電源の供給を受ける。
スレーブ装置20は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROMなどを備えるマイコン、超音波素子、電源回路などを含んで構成されるものを採用できる。スレーブ装置20は、CPUが予めROMなどに格納されたプログラムをRAMに読出して実行することで、超音波の送波処理、測定処理、結果送信処理などの所定の処理を実行する。
また、スレーブ装置20は、これらの処理を実行する際には、マスタ装置10からの指示に応じて、車両の周辺に検知波を送波する(送波手段)。また、スレーブ装置20は、送波された検知波が物体によって反射してきた反射波を受波するとともに、反射波に基づいて物体を識別するための複数の情報を測定可能である(測定手段)。さらに、スレーブ装置20は、測定した複数の情報のうち、マスタ装置10から指示された情報のみを物体を識別するための情報として含む測定結果を送信する(送信手段)。なお、スレーブ装置20の処理動作に関しては、後ほど説明する。
また、スレーブ装置20における電源回路は、電源線51とGND線32に接続されており、スレーブ装置20におけるマイコンの電源を生成するものである。さらに、スレーブ装置20におけるマイコンは、マスタ装置10から引き出されたGND線52及び通信線53に直結(バス接続)されている。スレーブ装置20は、通信線53を介して、マスタ装置10とシリアル通信を行なうことができる(通信可能)。また、
なお、スレーブ装置30及び40は、スレーブ装置20と同様の構成を有しているため詳しい説明は省略する。ただし、スレーブ装置30は、マスタ装置10から引き出された電源線51がスレーブ装置20を介して接続されている。同様に、スレーブ装置40は、マスタ装置10から引き出された電源線51がスレーブ装置20,30を介して接続されている。
ここで、図2に基づいて、マスタ装置10からスレーブ装置20,30,40に対して送信する通信フレームである送波指示フレームに関して説明する。図2は、マスタ装置10が通信線53を介してスレーブ装置20,30,40に送信する送波指示フレームの一例である。
つまり、マスタ装置10は、図2に示すような送波指示フレームによって、各スレーブ装置20,30,40に対して指示(命令)を行う。換言すると、マスタ装置10(指示手段)は、検知波の送波指示を示す情報、及び送信(返信、出力)させる情報(物体までの距離、振幅(高さ)、幅データなど)の指示を示す情報を含む一つの送信フレームを、スレーブ装置20,30,40に対して送信することで指示を行う。このようにすることによって、夫々の指示を示す情報を個別にスレーブ装置20,30,40に送信するよりも、効率よく指示を行うことができる。
なお、マスタ装置10が送信する送波指示フレームには、スタート・オブ・フレーム(SOF)、エラー・チェック・コード(ECC)、エンド・オブ・フレーム(EOF)なども含まれるものである。しかしながら、ここでは、図面を簡略化するための、図示を省略している。また、送波指示フレームには、測定時間(つまり測定する距離)の指示を示す情報を含めるようにしてもよい。
図2に示すように、送波指示フレームは、送波指示(命令コード)、ID、反射波の振幅データ指示、幅データ指示、スレッシュ仕様指示、マスク時間指示が含まれる。送波指示は、スレーブ装置20,30,40に対して検知波の送波を指示するものである。IDは、スレーブ装置20,30,40のうち、どのIDのスレーブ装置に対する命令(指示)であるかを示すものである。波数指示は、送波指示をしたスレーブ装置に対して、何個目までの反射波を測定(距離測定)するかを指示するものである。つまり、何個目までの反射波で物体までの距離(情報)を送信するかを指示するものである。反射波の振幅データ指示は、送波指示をしたスレーブ装置に対して、振幅(高さ)データ(情報)を送信するか否かを指示するものである。幅データ指示は、送波指示をしたスレーブ装置に対して、幅データ(情報)を送信するか否かを指示するものである。
また、スレッシュ仕様指示は、送波指示をしたスレーブ装置に対して、スレーブ装置に内蔵している(設定されている)数種類のスレッシュの内、どれを使用するか指示するものである。マスク時間指示は、送波指示をしたスレーブ装置に対して、反射波を測定後、次の反射波を測定するまでのマスク時間を指示するものである。よって、このマスク時間指示は、スレーブ装置に対して、2個以上の反射波の測定及び送信させる場合に用いられるものである。換言すると、スレーブ装置に対して、2個以上の反射波の測定及び送信を指示する場合に、送波指示フレームに含められるものである。
ここで、図3〜図5に基づいて、マスタ装置10とスレーブ装置20,30,40の処理動作に関して説明する。なお、図3に示すフローチャートでは、ステップS10〜S12はマスタ装置10の処理動作を示すものであり、ステップS20〜S23はスレーブ装置20,30,40の処理動作を示すものである。また、マスタ装置10及びスレーブ装置20,30,40は、イグニッションスイッチがオンになると図3に示すフローチャートの処理動作を実行する。
まず、ステップS10では、マスタ装置10は、ID設定指示を行う。一方、ステップS20では、各スレーブ装置20,30,40は、マスタ装置10からの指示に従ってIDを設定する。なお、このステップS10,20におけるID設定に関しては、特開2003−152741号公報などを参照されたい。
マスタ装置10は、このようにID設定が完了するとステップS11に進む。このステップS11では、マスタ装置10は、送波指示を行う。このとき、マスタ装置10は、上述の送波指示フレームを通信線53に出力する。つまり、マスタ装置10は、通信線53を介して、各スレーブ装置20,30,40に対して送波指示フレームを送信する。
ここで、マスタ装置10における送波指示フレームの設定処理に関して説明する。この送波指示フレームの設定処理は、各検知処理に応じて、送波指示フレームの内容を設定する処理である。すなわち、マスタ装置10は、どの検知処理を行うかを決定し、この決定結果に応じて送波指示フレームの内容を設定する(設定処理)。換言すると、マスタ装置10は、スレーブ装置20,30,40に対して、どの情報を送信(返信、出力)させるかを設定(決定)する。なお、マスタ装置10は、スレーブ装置20,30,40に対して、どの情報を測定させるかを設定(決定)するとも言い換えることができる。
上述のように、物体検知装置100は、駐車空間検知処理、障害物検知処理、死角検知処理を行うものである。
まず、一例として、車両を駐車空間(駐車可能なスペース)に駐車させようとしている場合に関して説明する。車両を駐車空間に駐車させようとしている場合、物体検知装置100は、駐車空間検知処理と障害物検知処理とを必要に応じて切り替えて実施する。つまり、ここでは、スレーブ装置20,30,40を駐車空間検知処理と障害物検知処理に兼用する場合に関して説明する。
物体検知装置100が搭載された車両200は、図4に示すように、駐車空間を探すために駐車場を低速で走行する。そして、駐車空間が見つかると、車両200は、図5に示すように、例えば後進などによって、駐車空間に駐車するために走行する。つまり、マスタ装置10は、駐車空間を検知する際には駐車空間検知処理を行い、車両を駐車させる際には障害物検知処理を行う。なお、図4,5においては、紙面上側が車両200の前進方向である。また、図4,5における検知エリアとは、検知波(ここでは超音波)を送波するエリアである。
駐車空間を検知する際には、他車両300の検知の他に、他車両300よりも遠方の歩道等との距離測定も必要である。このため、一個目から三個目までの反射波の測定が必要である。つまり、図4に示すように、検知ポイントP1,P2,P3での反射波の測定が必要である。換言すると、マスタ装置10は、駐車空間検知処理においては、検知ポイントP1,P2,P3での反射波の測定結果が必要である。
これに対して、車両を駐車空間に駐車させる際には、最も近い障害物の検知のみが必要である。このため、一個目の反射波の測定のみが必要である。つまり、図5に示すように、検知ポイントP4での反射波の測定のみが必要である。換言すると、マスタ装置10は、障害物検知処理においては、一個目(検知ポイントP4)のみの反射波の測定結果が必要である。
このように、駐車空間検知処理と障害物検知処理とでは、検知処理を行うのに必要となる反射波の個数が異なる。よって、マスタ装置10は、駐車空間検知処理を行う際には、ID、三個目までの反射波の測定を指示する波数指示を含むように、送波指示フレームの内容を設定する(波数を三に設定)。つまり、マスタ装置10は、一個目から三個目までの反射波の測定を指示することで、三個目までの反射波の測定結果の送信を指示する。
一方、マスタ装置10は、障害物検知処理を行う際には、ID、一個目のみの反射波の測定を指示する波数指示を含むように、送波指示フレームの内容を設定する(波数を一に設定)。つまり、マスタ装置10は、一個目のみの反射波の測定を指示することで、一個目のみの反射波の測定結果の送信を指示する。また、障害物検知処理では、一個目の反射波の測定のみが必要であるため、図6に示すようなマスク処理も必要ない。マスク処理とは、指示されたマスク時間中の反射波は測定しない(すなわち無視する)処理である。
また、もう一例、スレーブ装置20,30,40を死角検知処理と障害物検知処理に兼用する場合に関して説明する。マスタ装置10は、車両200の速度が低速(例えば15km/h未満)の場合に障害物検知処理を行い、車両200の速度が一定以上(例えば15km/h以上)の場合にBSDを行う。
死角検知処理では、通常の障害物検知処理の場合よりも、より遠方を検知する必要があるため、スレッシュの設定を低くする必要がある。また、これに伴って、路面検知の可能性が高くなるため、路面検知と車両との物体を識別するために、反射波の幅、高さ(振幅)のデータ(情報)が必要となる。つまり、マスタ装置10は、反射波の幅、高さ(振幅)のデータ(情報)が必要となる。さらに、路面反射の他に、他車両300からの反射波を受信する可能性があるため、反射波も複数の測定が必要となる。つまり、マスタ装置10は、複数の反射波の測定結果が必要となる。
これに対して、障害物検知処理では、上述のよう通常一個の反射波の測定のみで、必要な情報も距離(情報)のみである。
このように、死角検知処理と障害物検知処理とでは、検知処理を行うのに必要となる反射波の個数などが異なる。よって、マスタ装置10は、死角検知処理を行う際には、ID、複数の反射波の測定を指示する送波指示、反射波の振幅データ指示、幅データ指示、及びスレッシュ仕様指示、マスク時間指示を含むように、送波指示フレームの内容を設定する。つまり、マスタ装置10は、このような指示をすることで、これらの測定結果の送信を指示する。
一方、マスタ装置10は、障害物検知処理を行う際には、ID、一個目のみの反射波の測定を指示する波数指示を含むように、送波指示フレームの内容を設定する。つまり、マスタ装置10は、一個目のみの反射波の測定を指示することで、一個目のみの反射波の測定結果の送信を指示する。
なお、マスタ装置10は、どの検知処理を行うかを(どの情報を送信させるかを)決定する際には、車両の状態から決定(第1決定手段)ようにしてもよいし、ドライバからの指示に基づいて決定(第2決定手段)するようにしてもよい。
例えば、車両の状態から決定する場合、物体検知装置100は、車両200の状態を検知するものであり、車両の状態(例えば速度)に応じた状態情報をマスタ装置10に出力する状態検知装置(状態検知手段)を備える。そして、マスタ装置10は、車両の状態を示す状態情報に基づいて、スレーブ装置20,30,40に送信させる情報を決定する(第1決定手段)。
また、ドライバ(ユーザ)からの指示に基づいて決定する場合、物体検知装置100は、ユーザによって操作されるものであり、ドライバの操作に応じた操作情報をマスタ装置10に出力する操作装置(操作手段)を備える。そして、マスタ装置10は、操作装置から出力された操作情報に基づいて、スレーブ装置20,30,40に送信させる情報を決定する(第2決定手段)。
ここで、図3のフローチャートの説明に戻る。ステップS21では、スレーブ装置20は、マスタ装置10から送信された送波指示フレームに含まれた指示に基づいて、超音波の送波処理を行う(送波手段)。つまり、スレーブ装置20は、マスタ装置10からの指示に応じて、車両の周辺に検知波を送波する。この送波処理は、スレーブ装置20,30,40のうち、送波指示フレームに含まれるIDで指示されたスレーブ装置(IDに対応するスレーブ装置であり、ここでは一例としてスレーブ装置20を採用する)が行うものである。
次に、ステップS22では、スレーブ装置20は、送波指示フレームに含まれる指示に基づいて、反射波(例えば、三個目までの反射波の幅や距離など)を測定する測定処理を行う(測定手段)。つまり、スレーブ装置20は、ステップS21にて送波された検知波が物体によって反射してきた反射波を受波するとともに、この反射波に基づいて物体を識別するための複数の情報を測定する。
ステップS23では、スレーブ装置20は、ステップS22で測定した測定結果を送信する結果送信処理を行う(送信手段)。このとき、スレーブ装置20は、マスタ装置10から指示された情報のみを物体を識別するための情報として含む測定結果を送信する。具体的には、スレーブ装置20は、送信結果を含む通信フレーム(測定結果フレーム)を通信線53に出力する。つまり、スレーブ装置20は、通信線53を介して、マスタ装置10に対して測定結果フレームを送信する。
そして、ステップS12では、マスタ装置10は、通信線53を介して、この測定結果フレームを取得(受信)する。
このように、本発明におけるマスタ装置10は、スレーブ装置20,30,40に対して、検知波の送波を指示するとともに、送信(返信、出力)させる情報を指示するものである。このため、スレーブ装置20,30,40は、マスタ装置10から指示された情報のみを含む測定結果を送信(返信、出力)すればよい。従って、応答性が低下することを抑制できる。
換言すると、物体検知装置100は、マスタ装置10が各検知処理に必要な情報のみをスレーブ装置20,30,40に対して要求するので、測定結果フレームのデータ長(データ量)を適切にすることができる。これに伴って、マスタ装置10とスレーブ装置20,30,40との通信時間を適切にすることができる。従って、検知処理の応答性(すなわち、スレーブ装置20,30,40からの応答性)が低下することを抑制することができる。
例えば、上述の障害物検知処理の場合、マスタ装置10は、一個目のみの反射波の測定を指示する波数指示を含むように送波指示フレームを設定して、この送波指示フレームを例えばスレーブ装置20に対して送信する。つまり、マスタ装置10は、一個目のみの反射波の測定を指示することで、一個目のみの反射波の測定結果の送信を指示する。これに対して、スレーブ装置20は、一個目の反射波の測定結果を含む測定結果フレームをマスタ装置10に送信する。よって、スレーブ装置20が、障害物検知処理には必要ない二個目、三個目の反射波の測定結果を含む測定結果フレームをマスタ装置10に送信することを抑制できる。従って、測定結果フレームのデータ長(データ量)及びマスタ装置10とスレーブ装置20,30,40との通信時間を適切にすることができ、検知処理の応答性が低下することを抑制することができる。
なお、本実施形態においては、超音波によって物体を検知する例を採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、電波によって物体を検知するものであっても採用できるとともに、本発明の目的を達成することができる。
また、マスタ装置10は、スレーブ装置20,30,40に対して、全ての情報の測定を指示して、この情報から送信させる情報を指示するようにしてもよい。つまり、スレーブ装置20,30,40は、マスタ装置10から送波指示フレームを受信すると、全ての情報の測定を行う。そして、スレーブ装置20,30,40は、全ての情報から、送波指示フレームで指示された情報のみをマスタ装置10に送信する。このようにしても本発明の目的は達成できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。
10 マスタ装置、20〜40 スレーブ装置、100 物体検知装置、200 車両、300 他車両

Claims (4)

  1. 車両に設けられるものであり、通信線を介して通信可能に設けられたマスタ装置とスレーブ装置とを備え、前記車両の周辺の物体を検知する物体検知装置であって、
    前記スレーブ装置は、
    前記マスタ装置からの指示に応じて、前記車両の周辺に検知波を送波する送波手段と、
    前記送波手段にて送波された検知波が物体によって反射してきた反射波を受波するとともに、該反射波に基づいて物体を識別するための複数の情報を測定可能な測定手段と、
    前記測定手段にて測定された複数の情報のうち、前記マスタ装置から指示された情報のみを物体を識別するための情報として含む測定結果を送信する送信手段と、を備え、
    前記マスタ装置は、
    前記スレーブ装置から出力された測定結果に基づいて物体を検知するものであり、
    前記スレーブ装置に対して、前記送波手段による検知波の送波を指示するとともに、前記送信手段に送信させる情報を指示する指示手段を備えることを特徴とする物体検知装置。
  2. 前記指示手段は、検知波の送波指示を示す情報、及び送信させる情報の指示を示す情報を含む一つの送信フレームを、前記スレーブ装置に対して送信することで指示を行うことを特徴とする請求項1に記載の物体検知装置。
  3. 前記車両の状態を検知するものであり、前記車両の状態に応じた状態情報を出力する状態検知手段を備え、
    前記マスタ装置は、前記状態検知手段から出力された状態情報に基づいて、前記送信手段に送信させる情報を決定する第1決定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の物体検知装置。
  4. ユーザによって操作されるものであり、ユーザの操作に応じた操作情報を出力する操作手段を備え、
    前記マスタ装置は、前記操作手段から出力された操作情報に基づいて、前記送信手段に送信させる情報を決定する第2決定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の物体検知装置。
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