JP2013079534A - 建築物の制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の制振装置に較べて減衰量を増大して、制振効果を向上させる建築物の制振装置を実現する。
【解決手段】ワイヤ6、建築物4に設けられた減衰器7及び2組の滑車群11、12を備え、ワイヤ6の途中にワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力を生じる減衰器7を介装し、ワイヤ6の両端側を、それぞれ滑車群11、12を介して張設し、両端部は、建築物4の左右に固定し、ワイヤ6の両端側は、それぞれ固定した端部から、滑車群11、12を構成する複数の滑車16〜18間を蛇行するように往復して張設され、減衰器7に向けて延びている。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の制振装置に関する。
従来、防振等の目的で、建築物の異なる部分間又は建築物と地盤間にワイヤを滑車を介して張設し、建築物が振動した際にワイヤが移動する行路の途中に、ワイヤの移動を減衰する減衰装置を設けた制振装置は、知られている(特許文献1〜3参照)。
特開平6−81516号公報 特開平6−58016号公報 特開平10−61248号公報
従来の制振装置は、建築物が振動した際にワイヤが移動する行路の途中に減衰装置を設ける構成であり、建築物の制振手段としては一定の効果が期待される。しかし、建築物が振動した際のワイヤの移動量は、振動幅と同じであり、その移動量に見合った量の減衰しかできないという限界があった。
本発明は、建築物の同じ振動幅でも、上記従来の制振装置に較べて減衰量を格段と大きくして、制振効果を増大する制振装置を実現することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、ワイヤ、減衰器及び2組の滑車群を備え、ワイヤの途中にワイヤと建築物の相対的な移動量に応じた減衰力を生じる減衰器を介装し、該ワイヤの両端側を、それぞれ滑車群を介して張設し、両端部は、それぞれ地盤又は制振すべき建築物に、左右に間隔をおいて固定した建築物の制振装置であって、前記2組の滑車群は、互いに同じ構成であり、それぞれ少なくとも2以上の滑車を備え、該2以上の滑車は、地震の際に互いに相対的に移動する2つの箇所に、それぞれ少なくとも1つ以上設置されており、前記地震の際に互いに相対的に移動する2つの箇所は、地盤と建築物の一部である、又は建築物の一部と他部であり、該2つの箇所の一方にワイヤの端部が固定されており、ワイヤの両端側は、それぞれ前記固定した端部から、前記滑車群を構成する複数の滑車間を蛇行するように往復して張設され、前記減衰器に向けて延びている構成を特徴とする制振装置を提供する。
前記2組の滑車群は、建築物に対して左右対称に配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は建築物に固定されている構成としてもよい。
前記2組の滑車群は、建築物に対して左右対称に配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は地盤に固定されている構成としてもよい。
減衰器は、建築物の頂部に設けられている構成としてもよい。
前記2組の滑車群は、建築物の前面側及び後面側のそれぞれ又は左面側及び右面側のそれぞれにおいて、互いにX字状に交叉するように配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は建築物に固定されている構成としてもよい。
前記2組の滑車群は、建築物の前面側及び後面側のそれぞれ又は左面側及び右面側のそれぞれにおいて、互いにX字状に交叉するように配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は地盤に固定されている構成としてもよい。
前記2組の滑車群は、建築物の構造体において、地震の際に相互に移動する部材間に互いに左右の位置で左右対称に配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は建築物の構造体の一部に固定されている構成としてもよい。
前記2組の滑車群は、建築物の構造体において、地震の際に相互に移動する部材間に互いにX字状に交叉するように配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は建築物の構造体の一部に固定されている構成としてもよい。
減衰器は、摩擦ダンパー、粘性ダンパー又は回転慣性質量ダンパーである構成としてもよい。
建築物は、ビル、戸建て住宅、橋梁、塔、プラントである構成としてもよい。
本発明に係る建築物の制振装置によれば、建築物の同じ振動幅でも、上記従来の制振装置に較べて減衰力を格段と大きくして、制振効果を増大できる。
本発明に係る建築物の制振装置の原理を模式的に説明する図である。 本発明に係る建築物の制振装置の実施例1を説明する図である。 本発明に係る建築物の制振装置の実施例2を説明する図である。 本発明に係る建築物の制振装置の実施例3を説明する図である。 本発明に係る建築物の制振装置の実施例4を説明する図である。 本発明に係る建築物の制振装置の実施例5を説明する図である。 本発明に係る建築物の制振装置の実施例6を説明する図である。 建築物の制振装置の従来例の原理を説明する図である。
本発明に係る建築物の制振装置を実施するための形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。
(基本原理)
本発明に係る建築物の制振装置の基本的な原理を、従来の建築物の制振装置と比較して、図1及び図8で説明する。図8(a)は、従来の建築物の制振装置1(以下、「従来例」という。)の原理を模式的に説明する図であり、図8(b)は建築物に適用した場合の正面から見た場合の概略図を示す。図1(a)、(b)は、それぞれ本発明に係る建築物の制振装置2、3の原理的な構成を模式的に示す図である。
図8に示す従来例は、ワイヤ6の端部を地盤13に固定し、建築物4に設けられる滑車5を介して建築物4を左右に横切るように張設されている。ワイヤ6の移動する行路の途中にワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じてエネルギーを消費する減衰器7が設けられている。
図1(a)に示す本発明に係る建築物の制振装置2では、建築物4に対して2組の滑車群11、12が左右対称に設置されている。ワイヤ6は、その両端がそれぞれ建築物4の左右に固定され、左右の滑車群11、12を介して建築物4を左右に横切るように張設されている。ワイヤ6の移動する行路の途中に、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じてエネルギーを消費する減衰器7が設けられている。
即ち、図1(a)に示す本発明に係る建築物の制振装置2では、ワイヤ6は、その両端がそれぞれ建築物4の左右に固定され、2組の滑車群11、12を介して、建築物4を左右に横切り減衰器7を介して張設されている。
2組の滑車群11、12は、図1(a)に示す例では、建築物4に対して左右に対称に設けられており、それぞれ地盤13に設置された第1の滑車15、建築物4に設置された第2の滑車16、地盤13に設置された第3の滑車17、建築物4に設置された第4の滑車18(後記する図2(a)に示す滑車38のようにワイヤを案内する滑車)を備えている。
そして、建築物4には、減衰器7(ダンパー)が設置されている。減衰器7は、2組の滑車群11、12の間において、ワイヤ6が建築物4を横切って移動する行路の途中に設けられおり、ワイヤ6がその軸線方向に移動する際に、ワイヤ6と建築物4との相対的な移動量に応じて揺れを減衰する。
本発明に係る建築物の制振装置2においては、ワイヤ6の両端側は、それぞれ建築物4に固定した端部8から、滑車群11、12をそれぞれ構成する第1、2、3の滑車16、17、18間を蛇行するようにして往復してから、減衰器7に向けて延びるように張設されている。
図8に示す従来例と本発明に係る制振装置2は、ワイヤを滑車を介して張設されている構成において共通するが、本発明に係る制振装置2のように、地盤13と建築物4に設置された複数の滑車16、17、18の間を蛇行するように往復して張設されていない点で異なる。
建築物4が地震等によって左右に加振され、地盤13に対して、建築物4が左右に振動した場合、左右の一方への移動量をDとすると、減衰器7によって建築物4に付与される減衰力は、従来例及び本発明に係る建築物の制振装置2では、それぞれ次のとおりである。
図8に示す従来例では、減衰器7に対するワイヤ6の移動量は、建築物4の移動量Dと同じである。従って、減衰器7によって、ワイヤ6の移動量Dに対するワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じて減衰力が生じ、建築物4の揺れを制振する。
一方、図1(a)に示す本発明に係る建築物の制振装置2では、建築物4が右方に移動すると、左側の滑車群11側にワイヤ6は引き込まれ、右側の滑車群12に張設されたワイヤ6は引き出され、ワイヤ6全体が、減衰器7に対して左側に向けて移動する。
このワイヤ6の移動量は、図1(a)のA部拡大図において、ワイヤ6のア、イ、ウ、エに示す部分の長さ(それぞれが建築物の移動量Dと同じ)の合計の長さだけ、減衰器7に対して移動されるので、建築物4の移動量Dの4倍の長さである。
従って、減衰器7によって、ワイヤ6の移動量であるD×4に対して、ワイヤ6と建築物4との相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の振動に対して、従来例より大きな減衰力が作用する。
図1(b)は、本発明に係る建築物の制振装置の別の原理図である。図1(b)に示す建築物の制振装置3は、図1(a)に示す建築物の制振装置2と較べて次の構成のみ相違し、他は全て同じである。
即ち、建築物の制振装置3においては、ワイヤ6の両側の端部14を、それぞれ地盤13に固定し、建築物4の左右に設けられる2組の滑車群21、22は、それぞれ建築物4に設置された第1の滑車23、地盤13に設置された第2の滑車24及び建築物4に設置された第3の滑車25の3つから構成されている。
この建築物の制振装置2の場合は、減衰器7に対して移動するワイヤ6の移動量は、建築物4の移動量Dの3倍の長さである。従って、減衰器7によって、ワイヤ6の移動量D×3に対応して、従来例より大きな減衰力が生じ、建築物4を制振する。
以上、要するに、本発明に係る建築物の制振装置は、複数の滑車から成る滑車群を介して、建築物4と地盤13との間に、ワイヤ6を蛇行するように往復して張設することで、地震による振動で、「建築物のワイヤ支持箇所」と「地盤のワイヤ支持箇所」が近づく又は遠のく際に、建築物4と地盤13との間に往復して張設されたワイヤ6を、より多く建築物4の減衰器7に対して相対的に移動させることにより、減衰器7によって生じる減衰力を増加させて、建築物4の制振効果を増大させる構成である。
従って、ワイヤを張設する左右の滑車群の滑車の数(「滑車の連数」という)を増加し、「建築物のワイヤ支持箇所」と「地盤のワイヤ支持箇所」の間のワイヤ6の張設本数を増やすことで、ワイヤ6が減衰器7に対して相対的に移動する移動量を増し、減衰器7による減衰力を増加させる。これによって、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力を増加させて、建築物4の制振効果を増大させることが可能となる。
ここで、「建築物のワイヤ支持箇所」及び「地盤のワイヤ支持箇所」の「ワイヤ支持箇所」とは、建築物4及び地盤13において、それぞれワイヤ6の端部を固定して支持し、或いはワイヤ6を滑車で支持している箇所である。ちなみに、図1において、建築物のワイヤ支持箇所は符号19で示し、地盤のワイヤ支持箇所は符号20で示す。
建築物のワイヤ支持箇所19と地盤のワイヤ支持箇所20の間のワイヤ6の張設本数は、図1(a)では4本であり図1(b)では、張設本数は3本である。このような張設本数は、ワイヤ6を張設して支持する滑車の数と一致する。
図8に示す従来例のように、1個の滑車を使用し、「建築物のワイヤ支持箇所」と「地盤のワイヤ支持箇所」の間のワイヤ6の張設本数が1本であって、建築物4の移動量をDとすると、減衰器7に対してワイヤが移動する移動量D’は、D×1である。従って、従来例では、ワイヤの移動量であるD×1に対応する減衰力しか発生しない。
これに対して、図1(a)に示す本発明に係る建築物の制振装置2の場合は、4個の滑車を使用し、建築物のワイヤ支持箇所19と地盤のワイヤ支持箇所20の間のワイヤ6の張設本数が4本であり、建築物4の移動量をDとすると、減衰器7に対してワイヤ6が移動する移動量D’は、D×4で、従来例より4倍の減衰力を建築物4に付与する。
また、図1(b)に示す本発明の別の建築物の制振装置の場合は、3個の滑車を使用し、建築物4のワイヤ6支持箇所19と地盤13のワイヤ6支持箇所20の間のワイヤ6の張設本数が3本の場合は、建築物4の移動量をDとすると、減衰器7に対してワイヤが移動する移動量D’は、D×3で、従来例より3倍の減衰力を建築物4に付与する。
以上整理すると、地震により、建築物4の振動による一方への移動量をDとし、ワイヤ6のその軸線方向への移動量をD’とした場合は、正確には、建築物4の移動方向に対する滑車群へのワイヤ6の張設方向によっても相違するが、図1(a)、(b)の場合は、次のとおりである。
「建築物のワイヤ支持箇所」と「地盤のワイヤ支持箇所」の間のワイヤ6の張設本数をN(滑車群においてワイヤ6を支持する滑車の連数でもある)とすると、ワイヤ6のその軸線方向への移動量D’は、「建築物4の移動量D×N」で示され、減衰器7により、ワイヤ6の軸線方向への移動量D’は、従来例に較べてN倍となる。
よって、ワイヤ6と建築物4との相対的な移動量に応じた減衰力を従来例のN倍増加させて、建築物4の制振効果を増大させることが可能となる。なお、減衰力を増大させるためには、「建築物のワイヤ支持箇所」と「地盤のワイヤ支持箇所」の間のワイヤ6の張設本数N(滑車の連数でもある)は少なくとも2以上であることが必要である。
図2(a)、(b)は、本発明に係る建築物の制振装置の実施例1を説明する図である。この実施例1の建築物の制振装置31は、1本のワイヤ6の両側の端部43がそれぞれ建築物4の左右に固定されている。そして、建築物4に対して2組の滑車群32、33が設けられている。この2組の滑車群32、33は、互いに建築物4に対して左右に対称に配置されている。
左右の滑車群32、33は、互いに同じ構成であり、それぞれ、地盤13に設置された第1の滑車35、建築物4に設置された第2の滑車36、地盤13に設置された第3の滑車37、建築物4に設置された第4の滑車38から構成されている。
ワイヤ6は、建築物4の上方で左右に横切るように設けられているが、その両側において、それぞれ建築物4に固定された端部43から、第1の滑車35、第2の滑車36、第3の滑車37、第4の滑車38に、蛇行するように張設されている。
そして、建築物4には、左右の滑車群32、33の間であって、ワイヤ6の移動行路に位置するように、減衰器7(ダンパー)が設置されている。減衰器7は、ワイヤ6がその軸線方向に移動する際に、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力を生じ、建築物の揺れを減衰させる。
減衰器7は、ワイヤ6の移動量に応じてエネルギーを消費する構成であれば、どのような構成の減衰器7であってもよい。例えば、減衰器7として、摩擦ダンパー、粘性ダンパー、回転慣性質量ダンパー等を使うことができる。
(作用)
建築物4が地震等によって左右に加振され、地盤13に対して、建築物4が左右に振動した場合、図2(b)の想像線(2点鎖線)に示すように、右方に揺れた状態に着目する。
ワイヤ6における左側の滑車群32に張設された部分について、建築物のワイヤ支持箇所41(建築物4のワイヤ6の固定端部43、第2の滑車36及び第4の滑車38が設けられた位置)と地盤のワイヤ支持箇所42(地盤13の第1の滑車35及び第3の滑車37の設けられた位置)の間が互いに離れる。
右側の滑車群33についてみると、建築物のワイヤ支持箇所41と地盤のワイヤ支持箇所42の間が、互いに近づき、それらの間に張設されたワイヤ6の長さが短くなり、その分、減衰器7及び左側の滑車群32側に移動する。
従って、ワイヤ6のうち右側の滑車群33を介して張設された部分は、左方に引き出され、左側の滑車群32側に向けて左方に引き込まれる。減衰器7は、ワイヤ6の移動する行路に沿って設けられており、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力を生じ、建築物4を制振する。
より詳細に解析すると、図2(b)において、建築物4の高さをh、建築物4の右方への移動量Dとし、「建築物のワイヤ支持箇所41」と「地盤のワイヤ支持箇所42」の間の長さについて、移動前はL1、移動後L2とし、地盤のワイヤ支持箇所42から建築物のワイヤ支持箇所41の迎角を移動前はθ1、移動後はθ2とする。
すると、建築物4の移動量Dによる、建築物4の移動前後において、建築物のワイヤ支持箇所41と「地盤のワイヤ支持箇所42の間の長さの差Sは、S=L1−L2=h/sinθ1−h/sinθ2である。
この実施例1では、左右の滑車群32、33は、それぞれ4つの滑車から構成し、建築物のワイヤ支持箇所41と地盤のワイヤ支持箇所42の間のワイヤ6の張設本数N(滑車の連数でもある)が4である。
従って、地震により、建築物4の振動による地盤13に対する左右の一方への移動量をDとし、その結果、建築物4の移動前後において、建築物のワイヤ支持箇所41と地盤のワイヤ支持箇所42の間の長さがS変化するので、ワイヤ6の減衰器7方向への移動量D’は、S×4となり、この移動量に相当する分だけ、減衰器7により、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを減衰させる。
図3(a)、(b)は、本発明に係る建築物の制振装置の実施例2を説明する図である。この実施例2の建築物の制振装置46は、実施例1の建築物の制振装置31と略同様の構成である。
しかし、実施例2の建築物の制振装置46は、ワイヤ6の両側の端部をそれぞれ地盤13に固定した構成と、左右対称に設けられた2組の滑車群47、48をそれぞれ構成する滑車の連数が3個である点で、実施例1の建築物の制振装置31と異なる。実施例2において、実施例1と同じ構成については、同じ符号を使用する。
即ち、左右の滑車群47、48は、互いに同じ構成であり、それぞれ、建築物4に設置された第1の滑車51、地盤13に設置された第2の滑車52、建築物4に設置された第3の滑車53から構成されている。ワイヤ6は、左右の滑車群47、48に蛇行し、建築物4の上方を左右に横切るように張設されており、その両側の端部はそれぞれ地盤13に固定されている。
この実施例2では、滑車群47、48を3つの滑車から構成し、建築物のワイヤ支持箇所56と地盤13のワイヤ6支持箇所57の間のワイヤ6の張設本数N(滑車の連数でもある)は、3である。
従って、地震により建築物4が振動し、図4(b)の想像線に示すように、右方へ揺れた際の右方への移動量をDとし、その結果、実施例1で説明したように、建築物4の移動前後において、建築物のワイヤ支持箇所56と地盤のワイヤ支持箇所57の間の長さの変化をSとすると、ワイヤ6の減衰器7方向への移動量D’は、S×3となり、このワイヤの移動量D’に相当する分だけ、減衰器7により、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4を大きく減衰させる。
図4は、本発明に係る建築物の制振装置の実施例3を説明する図である。この実施例3の建築物の制振装置56は、実施例1の建築物の制振装置と基本的には同じ原理に基づく構成であり、実施例3において、実施例1と同じ構成については、同じ符号を使用する。
しかし、この実施例3の建築物の制震装置56は、ワイヤ6が互いにX字状になるように張設されている構成において、実施例1の建築物の制振装置31と異なる。実施例3の建築物の制震装置56は、建築物4の前面側及び後面側(建築物の左面側及び右面側であってもよい)に、それぞれ同じ構成のものが対称的に設けられる。図4(a)において、建築物の後面側に設けた制振装置56は点線で示した。
この実施例3の建築物の制震装置56では、1本のワイヤ6の左右の端部がそれぞれ建築物4の左右に固定されている。そして、建築物4に対して、第1の滑車群57と第2の滑車群58の2組の滑車群が設けられている。
ワイヤ6の建築物4の左側の固定端59及び右側の固定端60から、それぞれワイヤ6が第1の滑車群57と第2の滑車群58に複数の滑車間を蛇行するように往復して張設され、減衰器7に向けて延びるように構成されている。
第1の滑車群57と第2の滑車群58は、互いに同じ構成であるが、それぞれを構成する複数の滑車は、ワイヤ6の左右の固定端59、60から、それぞれ蛇行するように往復して張設されたワイヤ6が、互いにX字状に交叉するように配置されている。
そのために、第1の滑車群57は、建築物4の右側の地盤13に設置された第1の滑車と、61建築物4の左上側に設置された第2の滑車62と、右側の地盤13に設置された第3の滑車63と、建築物4に左上側に設置された第4の滑車64と、から構成されている。
第2の滑車群58は、建築物4の左側の地盤13に設置された第1の滑車61と、建築物4の右上側に設置された第2の滑車62と、左側の地盤13に設置された第3の滑車63と、建築物4に右上側に設置された第4の滑車64と、から構成されている。
そして、建築物4には、第1の滑車群57と第2の滑車群58のそれぞれの第4の滑車64の間であって、ワイヤ6の移動行路に位置するように、減衰器7(ダンパー)が設置されている。減衰器7は、ワイヤ6がその軸線方向に移動する際に、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力を生じ、建築物の揺れを減衰させる。
地震に際して、図4(b)に示すように、地盤13に対して建築物4が右方に移動した場合、第1の滑車群57側から第2の滑車群58側にワイヤ6が引き込まれるために、建築物の上部に沿ってワイヤ6は右方に移動する。減衰器7によって、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを減衰させる。
この実施例3では、第1の滑車群57及び第2の滑車群58のそれぞれにおいて、建築物と地盤13の間に張設されたワイヤ6の本数N(滑車の連数でもある)は、4である。
地震により、建築物4が振動し、地盤13に対する建築物4が右方に移動し、その移動量をDとし、その結果、建築物4の移動前後において、建築物の上のワイヤ支持箇所67と建築物の左側の地盤の支持箇所68の間の距離の変化をSとする。
すると、ワイヤ6の減衰器7における移動量D’は、S×4となり、減衰器7により、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを大きく減衰させる。
図5は、本発明に係る建築物の制振装置の実施例4を説明する図である。この実施例4の建築物の制振装置70は、実施例2の建築物の制振装置46と基本的には同じ原理に基づく構成であり、実施例4において、実施例2と同じ構成については、同じ符号を使用する。
しかし、この実施例4の建築物の制振装置70は、ワイヤ6が互いにX字状になるように張設されている構成において、実施例2の建築物の制振装置46と異なる。実施例4の建築物の制振装置70は、建築物4の前面側及び後面側(建築物の左面側及び右面側であってもよい)に、それぞれ同じ構成のものが対称的に設けられる。図5(a)において、建築物4の後面側に設けた制振装置70は点線で示した。
この実施例3の建築物の制振装置70は、1本のワイヤ6の左右の端部が、それぞれ建築物4に対して左側及び右側において地盤13に固定されている。そして、建築物4に対して、第1の滑車群71と第2の滑車群72の2組の滑車群が設けられている。
建築物4に対して左側及び右側において地盤13に固定されたワイヤ6の左側の固定端73及び右側の固定端74から、それぞれワイヤ6が第1の滑車群71と第2の滑車群72の複数の滑車間を蛇行するように往復して張設され、減衰器7に向けて延びるように構成されている。
第1の滑車群71と第2の滑車群72は、互いに同じ構成であるが、それぞれを構成する複数の滑車は、ワイヤ6の左右の端部から蛇行するように往復して張設されたワイヤ6が、互いにX字状に交叉するように配置されている。
そのために、第1の滑車群71は、建築物4の右上側に設置された第1の滑車75、建築物4の左側の地盤に設置された第2の滑車76、建築物4の右上側に設置された第3の滑車77から構成されている。
一方、第2の滑車群72は、建築物4の左側に設置された第1の滑車75と、建築物4の右側の地盤に設置された第2の滑車76と、建築物4の左上側に設置された第3の滑車77と、から構成されている。
そして、建築物4には、第1の滑車群71と第2の滑車群72のそれぞれの第3の滑車77の間であって、ワイヤ6の移動行路に位置するように、減衰器7(ダンパー)が設置されている。減衰器7は、ワイヤ6がその軸線方向に移動する際に、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力を生じ、建築物4の揺れを減衰させる。
地震に際して、図5(b)に示すように、地盤13に対して建築物4が右方に移動した場合、第2の滑車群72側から第1の滑車群71側にワイヤ6が引き込まれるために、建築物4の上部に沿ってワイヤ6は右方に移動する。減衰器7によって、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを減衰させる。
この実施例3では、第1の滑車群71及び第2の滑車群72のそれぞれにおいて、建築物と地盤13の間に張設されたワイヤ6の本数N(滑車の連数でもある)は、3である。
地震により、建築物4が振動し、地盤13に対する建築物4が右方に移動し、その移動量をDとし、その結果、建築物4の移動前後において、建築物4の上のワイヤ支持箇所78と建築物の左側の地盤の支持箇所79の間の距離の変化をSとする。
すると、ワイヤ6の減衰器7における移動量D’は、S×3となり、減衰器7により、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを大きく減衰させる。
図6(a)、(b)は、本発明に係る建築物の制振装置の実施例5を説明する図である。この実施例5は、実施例1〜2と比較して、原理は基本的に同じであるが、建築物の制振装置を建築物の内部に設置した構成において異なる。
即ち、実施例1では、地震に際して、地盤13に対して建築物4が相対的に振動する点に着目して、ワイヤ6を地盤13と建築物4との間に2組の滑車群21、22を介して張設し、ワイヤ6の移動する行路の途中に減衰器7を設ける構成とした。
しかしながら、実施例5の建築物の制振装置81は、地震に際して、建築物4の構造体82の一部に対して構造体82の他の部分が相対的に移動するという点に着目して、ワイヤ6を建築物4の構造体82の一部と他の部分との間に左右の滑車群87、88を介して張設し、ワイヤ6の移動する行路の途中に減衰器7を設ける構成を特徴とする。
この実施例5では、具体的には、地震の際に、建築物4の構造体82の下の梁83に対して上の梁84が左右に移動することに着目し、建築物4の中間階86に建築物の制振装置81を設けた。
図6(a)に示すように、ワイヤ6は、その両側の端部89、90は、それぞれ下の梁83の左右の部分に間隔をおいて固定され、左右対称に設けた左側の滑車群87と右側の滑車群88を介して、下の梁83と上の梁84との間に張設されている。
左右の滑車群87、88は、それぞれ上の梁84に設置された第1の滑車91と、下の梁83に設置された第2の滑車92と、上の梁84に設置された第3の滑車93とを備えている。
ワイヤ6は、その両端の固定端89、90から、左右の滑車群87、88を介して上の梁84に沿うように張設されている。減衰器7は、左右の滑車群87、88の間であって、ワイヤ6の移動する行路の途中において、上の梁84に設置されている。
地震に際して、図6(b)に示すように、下の梁83に対して上の梁84が右方に移動した場合、実施例1と同様に、左側の滑車87群及び右側の滑車群88を介して、上の梁84に沿ってワイヤ6は左方に移動する。
下の梁83と上の梁84の間に張設されたワイヤ6の本数N(滑車の連数でもある)は、この実施例5ではN=3である。地震により、建築物4が振動し、下の梁83に対する上の梁84が右方に移動し、その移動量をDとする。
そして、建築物4の移動前後において、上の梁のワイヤ支持箇所94と下の梁のワイヤ支持箇所95の間の長さがS変化すると、ワイヤ6の減衰器7における移動量D’は、S×3となり、この移動量D’に相当する分だけ、減衰器7により、ワイヤ6と建築物4との相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを大きく減衰させる。
図7(a)、(b)は、本発明に係る建築物4の制振装置の実施例6を説明する図である。この実施例6の制振装置96は、実施例5と同様に、建築物4の構造体82の中間階86に2組の滑車群97、98が左右対称に設けられ、この2組の滑車群97、98を介してワイヤ6が張設され、そのワイヤ6の途中に減衰器7が設けられている。
しかし、実施例5の制振装置81では、2組の滑車群87、88が、それぞれ互いに左右の位置に配置されている(左側の滑車群87を構成する複数の滑車は全て左側に配置され、右側の滑車群88を構成する複数の滑車は全て右側に配置されている)構成である。
これに対して、実施例6の制振装置96では、第1の滑車群97及び第2の滑車群98が、互いにX字状に交叉するように配置されている構成において相違する。
具体的には、実施例6の制振装置96では、ワイヤ6の両端は、それぞれ実施例5と同様に下の梁の左右に間隔をおいて固定されている。そして、第1の滑車群97及び第2の滑車群98は、それぞれ上の梁84に設置された第1の滑車101と、下の梁83に設置された第2の滑車102と、上の梁84に設置された第3の滑車103とを備えている。
そして、第1の滑車群97の上の梁84に設置された第1の滑車101及び第3の滑車103は右側に配置され、ワイヤ6の一端側の固定端106と下の梁83に設置された第2の滑車102は左側に配置されている。
また、第2の滑車群98の上の梁84に設置された第1の滑車101及び第3の滑車103は左側に配置され、ワイヤ6の他端側の固定端107と下の梁83に設置された第2の滑車102は右側に配置されている。
このような構成により、第1の滑車群97に蛇行して張設されたワイヤ6の部分と第2の滑車群98に蛇行して張設されたワイヤ6の部分は、互いに交叉して配設されている。上の梁84に沿うワイヤ6の移動する行路の途中に減衰器7が配置されている。
地震に際して、図7(b)に示すように、下の梁83に対して上の梁84が右方に移動した場合、第1の滑車群97側に第2の滑車群98側からワイヤ6が引き込まれるために、上の梁84に沿ってワイヤ6は右方に移動する。減衰器7によって、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを減衰させる。
この実施例6では、第1の滑車群97及び第2の滑車群98のそれぞれにおいて、下の梁83と上の梁84の間に張設されたワイヤ6の本数N(滑車の連数でもある)は、3である。
地震により、建築物4が振動し、下の梁83に対する上の梁84が右方に移動し、その移動量をDとし、その結果、建築物4の移動前後において、上の梁のワイヤ支持箇所111と下の梁のワイヤ6支持箇所112の間の距離の変化をSとする。
すると、ワイヤ6の減衰器7における移動量D’は、S×3となり、この移動量D’に相当する分だけ、減衰器7により、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを大きく減衰させる。
以上、本発明に係る建築物の制振装置を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る建築物の制振装置は上記のような構成であるから、低層、中層及び高層ビル、戸建て住宅、橋梁、塔、プラント等の各種の建築物、構築物等に適用可能である。
(原理)
1 従来の建築物の制振装置
2、3 建築物の制振装置
4 建築物
5 従来例の滑車
6 ワイヤ
7 減衰器
8 建築物に固定したワイヤの端部
11、12 滑車群
13 地盤
14 地盤に固定したワイヤの端部
15 第1の滑車
16 第2の滑車
17 第3の滑車
18 第4の滑車
19 建築物のワイヤ支持箇所
20 地盤のワイヤ支持箇所
21、22 滑車群
23 第1の滑車
24 第2の滑車
25 第3の滑車
(実施例1)
31 実施例1の建築物の制振装置
32、33 滑車群
35 第1の滑車
36 第2の滑車
37 第3の滑車
38 第4の滑車
41 建築物のワイヤ支持箇所
42 地盤のワイヤ支持箇所
43 建築物のワイヤの固定端部
(実施例2)
46 実施例2の建築物の制振装置
47、48 滑車群
51 第1の滑車
52 第2の滑車
53 第3の滑車
(実施例3)
56 制振装置
57 第1の滑車群
58 第2の滑車群
59 ワイヤの建築物の左側の固定端
60 ワイヤの建築物の右側の固定端
61 第1の滑車
62 第2の滑車
63 第3の滑車
64 第4の滑車
67 建築物の上のワイヤ支持箇所
68 建築物の左側の地盤の支持箇所
(実施例4)
70 制振装置
71 第1の滑車群
72 第2の滑車群
73 ワイヤの左側の固定端
74 ワイヤの右側の固定端
75 第1の滑車
76 第2の滑車
77 第3の滑車
78 建築物の上のワイヤ支持箇所
79 建築物の左側の地盤の支持箇所
(実施例5)
81 実施例5の制振装置
82 建築物の構造体
83 下の梁
84 上の梁
86 建築物の中間階
87 左側の滑車群
88 右側の滑車群
89、90 ワイヤの両端の固定端
91 第1の滑車
92 第2の滑車
93 第3の滑車
94 上の梁のワイヤ支持箇所
95 下の梁のワイヤ支持箇所
(実施例6)
96 実施例6の制振装置
97、98 滑車群
101 第1の滑車
102 第2の滑車
103 第3の滑車
106 ワイヤの一端側の固定端
107 ワイヤの他端側の固定端
111 上の梁のワイヤ支持箇所
112 下の梁のワイヤ支持箇所
本発明は、建築物の制振装置に関する。
従来、防振等の目的で、建築物と地盤間にワイヤを滑車を介して張設し、建築物が振動した際にワイヤが移動する行路の途中に、ワイヤの移動を減衰する減衰装置を設けた制振装置は、知られている(特許文献1〜3参照)。
特開平6−81516号公報 特開平6−58016号公報 特開平10−61248号公報
従来の制振装置は、建築物が振動した際にワイヤが移動する行路の途中に減衰装置を設ける構成であり、建築物の制振手段としては一定の効果が期待される。しかし、建築物が振動した際のワイヤの移動量は、振動幅と同じであり、その移動量に見合った量の減衰しかできないという限界があった。
本発明は、建築物の同じ振動幅でも、上記従来の制振装置に較べて減衰量を格段と大きくして、制振効果を増大する制振装置を実現することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するためにワイヤ、減衰器及び2組の滑車群を備え、ワイヤの途中にワイヤと建築物の相対的な移動量に応じた減衰力を生じる減衰器を介装し、該ワイヤの両端側を、それぞれ滑車群を介して張設し、両端部は、それぞれ制振すべき建築物に、左右に間隔をおいて固定した建築物の制振装置であって、前記2組の滑車群は、互いに同じ構成であり、それぞれ少なくとも2以上の滑車を備え、該2以上の滑車は、地震の際に互いに相対的に移動する2つの箇所に、それぞれ少なくとも1つ以上設置されており、前記地震の際に互いに相対的に移動する2つの箇所は、地盤と建築物の一部であり、前記2組の滑車群は、建築物に対して左右対称に配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は、該2つの箇所の一方である建築物の一部に固定されており、ワイヤの両端側は、それぞれ前記固定した端部から、前記滑車群を構成する複数の滑車間を蛇行するように往復して張設され、前記減衰器に向けて延びており、ワイヤの端部を固定して支持し又はワイヤを滑車で支持している建築物のワイヤ支持箇所と、ワイヤを滑車で支持している地盤のワイヤ支持箇所との間のワイヤの張設本数をNとし、地震により建築物が振動し地盤に対する建築物の移動量をDとすると、減衰器に対するワイヤのその軸線方向への移動量D’は、前記建築物の移動量D×前記ワイヤの張設本数Nとなる構成であることを特徴とする制振装置を提供する。
特に、前記震の際に互いに相対的に移動する2つの箇所は、地盤と建築物の一部であり、2組の滑車群は、建築物に対して左右対称に配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は、該2つの箇所の一方である建築物の一部に固定されており、ワイヤの両端側は、それぞれ前記固定した端部から、前記滑車群を構成する複数の滑車間を蛇行するように往復して張設された構成は、本願発明の特徴的構成である。
参考例として、前記2組の滑車群は、建築物に対して左右対称に配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は地盤に固定されている構成もある。
減衰器は、建築物の頂部に設けられている構成としてもよい。
前記2組の滑車群は、建築物の前面側及び後面側のそれぞれ又は左面側及び右面側のそれぞれにおいて、互いにX字状に交叉するように配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は建築物に固定されている構成としてもよい。
参考例として、前記2組の滑車群は、建築物の前面側及び後面側のそれぞれ又は左面側及び右面側のそれぞれにおいて、互いにX字状に交叉するように配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は地盤に固定されている構成もある。
参考例として、前記2組の滑車群は、建築物の構造体において、地震の際に相互に移動する部材間に互いに左右の位置で左右対称に配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は建築物の構造体の一部に固定されている構成もある。
参考例として、前記2組の滑車群は、建築物の構造体において、地震の際に相互に移動する部材間に互いにX字状に交叉するように配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は建築物の構造体の一部に固定されている構成もある。
減衰器は、摩擦ダンパー、粘性ダンパー又は回転慣性質量ダンパーである構成としてもよい。
建築物は、ビル、戸建て住宅、橋梁、塔又はプラントである構成としてもよい。
本発明に係る建築物の制振装置によれば、建築物の同じ振動幅でも、上記従来の制振装置に較べて減衰力を格段と大きくして、制振効果を増大できる。
本発明に係る建築物の制振装置の原理を模式的に説明する図である。 本発明に係る建築物の制振装置の実施例1を説明する図である。 建築物の制振装置の参考例1を説明する図である。 本発明に係る建築物の制振装置の実施例2を説明する図である。 建築物の制振装置の参考例2を説明する図である。 建築物の制振装置の参考例3を説明する図である。 建築物の制振装置の参考例4を説明する図である。 建築物の制振装置の従来例の原理を説明する図である。
本発明に係る建築物の制振装置を実施するための形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。
(基本原理)
本発明に係る建築物の制振装置の基本的な原理を、従来の建築物の制振装置と比較して、図1及び図8で説明する。図8(a)は、従来の建築物の制振装置1(以下、「従来例」という。)の原理を模式的に説明する図であり、図8(b)は建築物に適用した場合の正面から見た場合の概略図を示す。図1(a)、(b)は、それぞれ本発明に係る建築物の制振装置2、3の原理的な構成を模式的に示す図である。
図8に示す従来例は、ワイヤ6の端部を地盤13に固定し、建築物4に設けられる滑車5を介して建築物4を左右に横切るように張設されている。ワイヤ6の移動する行路の途中にワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じてエネルギーを消費する減衰器7が設けられている。
図1(a)に示す本発明に係る建築物の制振装置2では、建築物4に対して2組の滑車群11、12が左右対称に設置されている。ワイヤ6は、その両端がそれぞれ建築物4の左右に固定され、左右の滑車群11、12を介して建築物4を左右に横切るように張設されている。ワイヤ6の移動する行路の途中に、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じてエネルギーを消費する減衰器7が設けられている。
即ち、図1(a)に示す本発明に係る建築物の制振装置2では、ワイヤ6は、その両端がそれぞれ建築物4の左右に固定され、2組の滑車群11、12を介して、建築物4を左右に横切り減衰器7を介して張設されている。
2組の滑車群11、12は、図1(a)に示す例では、建築物4に対して左右に対称に設けられており、それぞれ地盤13に設置された第1の滑車15、建築物4に設置された第2の滑車16、地盤13に設置された第3の滑車17、建築物4に設置された第4の滑車18(後記する図2(a)に示す滑車38のようにワイヤを案内する滑車)を備えている。
そして、建築物4には、減衰器7(ダンパー)が設置されている。減衰器7は、2組の滑車群11、12の間において、ワイヤ6が建築物4を横切って移動する行路の途中に設けられおり、ワイヤ6がその軸線方向に移動する際に、ワイヤ6と建築物4との相対的な移動量に応じて揺れを減衰する。
本発明に係る建築物の制振装置2においては、ワイヤ6の両端側は、それぞれ建築物4に固定した端部8から、滑車群11、12をそれぞれ構成する第1、2、3の滑車16、17、18間を蛇行するようにして往復してから、減衰器7に向けて延びるように張設されている。
図8に示す従来例と本発明に係る制振装置2は、ワイヤを滑車を介して張設されている構成において共通するが、本発明に係る制振装置2のように、地盤13と建築物4に設置された複数の滑車16、17、18の間を蛇行するように往復して張設されていない点で異なる。
建築物4が地震等によって左右に加振され、地盤13に対して、建築物4が左右に振動した場合、左右の一方への移動量をDとすると、減衰器7によって建築物4に付与される減衰力は、従来例及び本発明に係る建築物の制振装置2では、それぞれ次のとおりである。
図8に示す従来例では、減衰器7に対するワイヤ6の移動量は、建築物4の移動量Dと同じである。従って、減衰器7によって、ワイヤ6の移動量Dに対するワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じて減衰力が生じ、建築物4の揺れを制振する。
一方、図1(a)に示す本発明に係る建築物の制振装置2では、建築物4が右方に移動すると、左側の滑車群11側にワイヤ6は引き込まれ、右側の滑車群12に張設されたワイヤ6は引き出され、ワイヤ6全体が、減衰器7に対して左側に向けて移動する。
このワイヤ6の移動量は、図1(a)のA部拡大図において、ワイヤ6のア、イ、ウ、エに示す部分の長さ(それぞれが建築物の移動量Dと同じ)の合計の長さだけ、減衰器7に対して移動されるので、建築物4の移動量Dの4倍の長さである。
従って、減衰器7によって、ワイヤ6の移動量であるD×4に対して、ワイヤ6と建築物4との相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の振動に対して、従来例より大きな減衰力が作用する。
図1(b)は、参考例に係る建築物の制振装置の別の原理図である。図1(b)に示す建築物の制振装置3は、図1(a)に示す建築物の制振装置2と較べて次の構成のみ相違し、他は全て同じである。
即ち、建築物の制振装置3においては、ワイヤ6の両側の端部14を、それぞれ地盤13に固定し、建築物4の左右に設けられる2組の滑車群21、22は、それぞれ建築物4に設置された第1の滑車23、地盤13に設置された第2の滑車24及び建築物4に設置された第3の滑車25の3つから構成されている。
この建築物の制振装置2の場合は、減衰器7に対して移動するワイヤ6の移動量は、建築物4の移動量Dの3倍の長さである。従って、減衰器7によって、ワイヤ6の移動量D×3に対応して、従来例より大きな減衰力が生じ、建築物4を制振する。
以上、要するに、本発明に係る建築物の制振装置は、複数の滑車から成る滑車群を介して、建築物4と地盤13との間に、ワイヤ6を蛇行するように往復して張設することで、地震による振動で、「建築物のワイヤ支持箇所」と「地盤のワイヤ支持箇所」が近づく又は遠のく際に、建築物4と地盤13との間に往復して張設されたワイヤ6を、より多く建築物4の減衰器7に対して相対的に移動させることにより、減衰器7によって生じる減衰力を増加させて、建築物4の制振効果を増大させる構成である。
従って、ワイヤを張設する左右の滑車群の滑車の数(「滑車の連数」という)を増加し、「建築物のワイヤ支持箇所」と「地盤のワイヤ支持箇所」の間のワイヤ6の張設本数を増やすことで、ワイヤ6が減衰器7に対して相対的に移動する移動量を増し、減衰器7による減衰力を増加させる。これによって、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力を増加させて、建築物4の制振効果を増大させることが可能となる。
ここで、「建築物のワイヤ支持箇所」及び「地盤のワイヤ支持箇所」の「ワイヤ支持箇所」とは、建築物4及び地盤13において、それぞれワイヤ6の端部を固定して支持し、或いはワイヤ6を滑車で支持している箇所である。ちなみに、図1において、建築物のワイヤ支持箇所は符号19で示し、地盤のワイヤ支持箇所は符号20で示す。
建築物のワイヤ支持箇所19と地盤のワイヤ支持箇所20の間のワイヤ6の張設本数は、図1(a)では4本であり図1(b)では、張設本数は3本である。このような張設本数は、ワイヤ6を張設して支持する滑車の数と一致する。
図8に示す従来例のように、1個の滑車を使用し、「建築物のワイヤ支持箇所」と「地盤のワイヤ支持箇所」の間のワイヤ6の張設本数が1本であって、建築物4の移動量をDとすると、減衰器7に対してワイヤが移動する移動量D’は、D×1である。従って、従来例では、ワイヤの移動量であるD×1に対応する減衰力しか発生しない。
これに対して、図1(a)に示す本発明に係る建築物の制振装置2の場合は、4個の滑車を使用し、建築物のワイヤ支持箇所19と地盤のワイヤ支持箇所20の間のワイヤ6の張設本数が4本であり、建築物4の移動量をDとすると、減衰器7に対してワイヤ6が移動する移動量D’は、D×4で、従来例より4倍の減衰力を建築物4に付与する。
また、図1(b)に示す参考例の建築物の制振装置の場合は、3個の滑車を使用し、建築物4のワイヤ6支持箇所19と地盤13のワイヤ6支持箇所20の間のワイヤ6の張設本数が3本の場合は、建築物4の移動量をDとすると、減衰器7に対してワイヤが移動する移動量D’は、D×3で、従来例より3倍の減衰力を建築物4に付与する。
以上整理すると、地震により、建築物4の振動による一方への移動量をDとし、ワイヤ6のその軸線方向への移動量をD’とした場合は、正確には、建築物4の移動方向に対する滑車群へのワイヤ6の張設方向によっても相違するが、図1(a)、(b)の場合は、次のとおりである。
「建築物のワイヤ支持箇所」と「地盤のワイヤ支持箇所」の間のワイヤ6の張設本数をN(滑車群においてワイヤ6を支持する滑車の連数でもある)とすると、ワイヤ6のその軸線方向への移動量D’は、「建築物4の移動量D×N」で示され、減衰器7により、ワイヤ6の軸線方向への移動量D’は、従来例に較べてN倍となる。
よって、ワイヤ6と建築物4との相対的な移動量に応じた減衰力を従来例のN倍増加させて、建築物4の制振効果を増大させることが可能となる。なお、減衰力を増大させるためには、「建築物のワイヤ支持箇所」と「地盤のワイヤ支持箇所」の間のワイヤ6の張設本数N(滑車の連数でもある)は少なくとも2以上であることが必要である。
図2(a)、(b)は、本発明に係る建築物の制振装置の実施例1を説明する図である。この実施例1の建築物の制振装置31は、1本のワイヤ6の両側の端部43がそれぞれ建築物4の左右に固定されている。そして、建築物4に対して2組の滑車群32、33が設けられている。この2組の滑車群32、33は、互いに建築物4に対して左右に対称に配置されている。
左右の滑車群32、33は、互いに同じ構成であり、それぞれ、地盤13に設置された第1の滑車35、建築物4に設置された第2の滑車36、地盤13に設置された第3の滑車37、建築物4に設置された第4の滑車38から構成されている。
ワイヤ6は、建築物4の上方で左右に横切るように設けられているが、その両側において、それぞれ建築物4に固定された端部43から、第1の滑車35、第2の滑車36、第3の滑車37、第4の滑車38に、蛇行するように張設されている。
そして、建築物4には、左右の滑車群32、33の間であって、ワイヤ6の移動行路に位置するように、減衰器7(ダンパー)が設置されている。減衰器7は、ワイヤ6がその軸線方向に移動する際に、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力を生じ、建築物の揺れを減衰させる。
減衰器7は、ワイヤ6の移動量に応じてエネルギーを消費する構成であれば、どのような構成の減衰器7であってもよい。例えば、減衰器7として、摩擦ダンパー、粘性ダンパー、回転慣性質量ダンパー等を使うことができる。
(作用)
建築物4が地震等によって左右に加振され、地盤13に対して、建築物4が左右に振動した場合、図2(b)の想像線(2点鎖線)に示すように、右方に揺れた状態に着目する。
ワイヤ6における左側の滑車群32に張設された部分について、建築物のワイヤ支持箇所41(建築物4のワイヤ6の固定端部43、第2の滑車36及び第4の滑車38が設けられた位置)と地盤のワイヤ支持箇所42(地盤13の第1の滑車35及び第3の滑車37の設けられた位置)の間が互いに離れる。
右側の滑車群33についてみると、建築物のワイヤ支持箇所41と地盤のワイヤ支持箇所42の間が、互いに近づき、それらの間に張設されたワイヤ6の長さが短くなり、その分、減衰器7及び左側の滑車群32側に移動する。
従って、ワイヤ6のうち右側の滑車群33を介して張設された部分は、左方に引き出され、左側の滑車群32側に向けて左方に引き込まれる。減衰器7は、ワイヤ6の移動する行路に沿って設けられており、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力を生じ、建築物4を制振する。
より詳細に解析すると、図2(b)において、建築物4の高さをh、建築物4の右方への移動量Dとし、「建築物のワイヤ支持箇所41」と「地盤のワイヤ支持箇所42」の間の長さについて、移動前はL1、移動後L2とし、地盤のワイヤ支持箇所42から建築物のワイヤ支持箇所41の迎角を移動前はθ1、移動後はθ2とする。
すると、建築物4の移動量Dによる、建築物4の移動前後において、建築物のワイヤ支持箇所41と「地盤のワイヤ支持箇所42の間の長さの差Sは、S=L1−L2=h/sinθ1−h/sinθ2である。
この実施例1では、左右の滑車群32、33は、それぞれ4つの滑車から構成し、建築物のワイヤ支持箇所41と地盤のワイヤ支持箇所42の間のワイヤ6の張設本数N(滑車の連数でもある)が4である。
従って、地震により、建築物4の振動による地盤13に対する左右の一方への移動量をDとし、その結果、建築物4の移動前後において、建築物のワイヤ支持箇所41と地盤のワイヤ支持箇所42の間の長さがS変化するので、ワイヤ6の減衰器7方向への移動量D’は、S×4となり、この移動量に相当する分だけ、減衰器7により、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを減衰させる。
(参考例1)
図3(a)、(b)は、建築物の制振装置の参考例1を説明する図である。この参考例1の建築物の制振装置46は、実施例1の建築物の制振装置31と略同様の構成である。
しかし、参考例1の建築物の制振装置46は、ワイヤ6の両側の端部をそれぞれ地盤13に固定した構成と、左右対称に設けられた2組の滑車群47、48をそれぞれ構成する滑車の連数が3個である点で、実施例1の建築物の制振装置31と異なる。参考例1において、実施例1と同じ構成については、同じ符号を使用する。
即ち、左右の滑車群47、48は、互いに同じ構成であり、それぞれ、建築物4に設置された第1の滑車51、地盤13に設置された第2の滑車52、建築物4に設置された第3の滑車53から構成されている。ワイヤ6は、左右の滑車群47、48に蛇行し、建築物4の上方を左右に横切るように張設されており、その両側の端部はそれぞれ地盤13に固定されている。
この参考例1では、滑車群47、48を3つの滑車から構成し、建築物のワイヤ支持箇所56と地盤13のワイヤ6支持箇所57の間のワイヤ6の張設本数N(滑車の連数でもある)は、3である。
従って、地震により建築物4が振動し、図4(b)の想像線に示すように、右方へ揺れた際の右方への移動量をDとし、その結果、実施例1で説明したように、建築物4の移動前後において、建築物のワイヤ支持箇所56と地盤のワイヤ支持箇所57の間の長さの変化をSとすると、ワイヤ6の減衰器7方向への移動量D’は、S×3となり、このワイヤの移動量D’に相当する分だけ、減衰器7により、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4を大きく減衰させる。
図4は、本発明に係る建築物の制振装置の実施例を説明する図である。この実施例の建築物の制振装置56は、実施例1の建築物の制振装置と基本的には同じ原理に基づく構成であり、実施例において、実施例1と同じ構成については、同じ符号を使用する。
しかし、この実施例の建築物の制震装置56は、ワイヤ6が互いにX字状になるように張設されている構成において、実施例1の建築物の制振装置31と異なる。実施例の建築物の制震装置56は、建築物4の前面側及び後面側(建築物の左面側及び右面側であってもよい)に、それぞれ同じ構成のものが対称的に設けられる。図4(a)において、建築物の後面側に設けた制振装置56は点線で示した。
この実施例の建築物の制震装置56では、1本のワイヤ6の左右の端部がそれぞれ建築物4の左右に固定されている。そして、建築物4に対して、第1の滑車群57と第2の滑車群58の2組の滑車群が設けられている。
ワイヤ6の建築物4の左側の固定端59及び右側の固定端60から、それぞれワイヤ6が第1の滑車群57と第2の滑車群58に複数の滑車間を蛇行するように往復して張設され、減衰器7に向けて延びるように構成されている。
第1の滑車群57と第2の滑車群58は、互いに同じ構成であるが、それぞれを構成する複数の滑車は、ワイヤ6の左右の固定端59、60から、それぞれ蛇行するように往復して張設されたワイヤ6が、互いにX字状に交叉するように配置されている。
そのために、第1の滑車群57は、建築物4の右側の地盤13に設置された第1の滑車と、61建築物4の左上側に設置された第2の滑車62と、右側の地盤13に設置された第3の滑車63と、建築物4に左上側に設置された第4の滑車64と、から構成されている。
第2の滑車群58は、建築物4の左側の地盤13に設置された第1の滑車61と、建築物4の右上側に設置された第2の滑車62と、左側の地盤13に設置された第3の滑車63と、建築物4に右上側に設置された第4の滑車64と、から構成されている。
そして、建築物4には、第1の滑車群57と第2の滑車群58のそれぞれの第4の滑車64の間であって、ワイヤ6の移動行路に位置するように、減衰器7(ダンパー)が設置されている。減衰器7は、ワイヤ6がその軸線方向に移動する際に、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力を生じ、建築物の揺れを減衰させる。
地震に際して、図4(b)に示すように、地盤13に対して建築物4が右方に移動した場合、第1の滑車群57側から第2の滑車群58側にワイヤ6が引き込まれるために、建築物の上部に沿ってワイヤ6は右方に移動する。減衰器7によって、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを減衰させる。
この実施例では、第1の滑車群57及び第2の滑車群58のそれぞれにおいて、建築物と地盤13の間に張設されたワイヤ6の本数N(滑車の連数でもある)は、4である。
地震により、建築物4が振動し、地盤13に対する建築物4が右方に移動し、その移動量をDとし、その結果、建築物4の移動前後において、建築物の上のワイヤ支持箇所67と建築物の左側の地盤の支持箇所68の間の距離の変化をSとする。
すると、ワイヤ6の減衰器7における移動量D’は、S×4となり、減衰器7により、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを大きく減衰させる。
(参考例2)
図5は、建築物の制振装置の参考例2を説明する図である。この参考例2の建築物の制振装置70は、参考例1の建築物の制振装置46と基本的には同じ原理に基づく構成であり、参考例2において、参考例1と同じ構成については、同じ符号を使用する。
しかし、この参考例2の建築物の制振装置70は、ワイヤ6が互いにX字状になるように張設されている構成において、参考例1の建築物の制振装置46と異なる。参考例2の建築物の制振装置70は、建築物4の前面側及び後面側(建築物の左面側及び右面側であってもよい)に、それぞれ同じ構成のものが対称的に設けられる。図5(a)において、建築物4の後面側に設けた制振装置70は点線で示した。
この参考例2の建築物の制振装置70は、1本のワイヤ6の左右の端部が、それぞれ建築物4に対して左側及び右側において地盤13に固定されている。そして、建築物4に対して、第1の滑車群71と第2の滑車群72の2組の滑車群が設けられている。
建築物4に対して左側及び右側において地盤13に固定されたワイヤ6の左側の固定端73及び右側の固定端74から、それぞれワイヤ6が第1の滑車群71と第2の滑車群72の複数の滑車間を蛇行するように往復して張設され、減衰器7に向けて延びるように構成されている。
第1の滑車群71と第2の滑車群72は、互いに同じ構成であるが、それぞれを構成する複数の滑車は、ワイヤ6の左右の端部から蛇行するように往復して張設されたワイヤ6が、互いにX字状に交叉するように配置されている。
そのために、第1の滑車群71は、建築物4の右上側に設置された第1の滑車75、建築物4の左側の地盤に設置された第2の滑車76、建築物4の右上側に設置された第3の滑車77から構成されている。
一方、第2の滑車群72は、建築物4の左側に設置された第1の滑車75と、建築物4の右側の地盤に設置された第2の滑車76と、建築物4の左上側に設置された第3の滑車77と、から構成されている。
そして、建築物4には、第1の滑車群71と第2の滑車群72のそれぞれの第3の滑車77の間であって、ワイヤ6の移動行路に位置するように、減衰器7(ダンパー)が設置されている。減衰器7は、ワイヤ6がその軸線方向に移動する際に、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力を生じ、建築物4の揺れを減衰させる。
地震に際して、図5(b)に示すように、地盤13に対して建築物4が右方に移動した場合、第2の滑車群72側から第1の滑車群71側にワイヤ6が引き込まれるために、建築物4の上部に沿ってワイヤ6は右方に移動する。減衰器7によって、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを減衰させる。
この参考例2では、第1の滑車群71及び第2の滑車群72のそれぞれにおいて、建築物と地盤13の間に張設されたワイヤ6の本数N(滑車の連数でもある)は、3である。
地震により、建築物4が振動し、地盤13に対する建築物4が右方に移動し、その移動量をDとし、その結果、建築物4の移動前後において、建築物4の上のワイヤ支持箇所78と建築物の左側の地盤の支持箇所79の間の距離の変化をSとする。
すると、ワイヤ6の減衰器7における移動量D’は、S×3となり、減衰器7により、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを大きく減衰させる。
(参考例3)
図6(a)、(b)は、建築物の制振装置の参考例3を説明する図である。この参考例3は、実施例1〜2と比較して、建築物の制振装置を建築物の内部に設置した構成において異なる。
即ち、実施例1では、地震に際して、地盤13に対して建築物4が相対的に振動する点に着目して、ワイヤ6を地盤13と建築物4との間に2組の滑車群21、22を介して張設し、ワイヤ6の移動する行路の途中に減衰器7を設ける構成とした。
しかしながら、参考例3の建築物の制振装置81は、地震に際して、建築物4の構造体82の一部に対して構造体82の他の部分が相対的に移動するという点に着目して、ワイヤ6を建築物4の構造体82の一部と他の部分との間に左右の滑車群87、88を介して張設し、ワイヤ6の移動する行路の途中に減衰器7を設ける構成を特徴とする。
この参考例3では、具体的には、地震の際に、建築物4の構造体82の下の梁83に対して上の梁84が左右に移動することに着目し、建築物4の中間階86に建築物の制振装置81を設けた。
図6(a)に示すように、ワイヤ6は、その両側の端部89、90は、それぞれ下の梁83の左右の部分に間隔をおいて固定され、左右対称に設けた左側の滑車群87と右側の滑車群88を介して、下の梁83と上の梁84との間に張設されている。
左右の滑車群87、88は、それぞれ上の梁84に設置された第1の滑車91と、下の梁83に設置された第2の滑車92と、上の梁84に設置された第3の滑車93とを備えている。
ワイヤ6は、その両端の固定端89、90から、左右の滑車群87、88を介して上の梁84に沿うように張設されている。減衰器7は、左右の滑車群87、88の間であって、ワイヤ6の移動する行路の途中において、上の梁84に設置されている。
地震に際して、図6(b)に示すように、下の梁83に対して上の梁84が右方に移動した場合、実施例1と同様に、左側の滑車87群及び右側の滑車群88を介して、上の梁84に沿ってワイヤ6は左方に移動する。
下の梁83と上の梁84の間に張設されたワイヤ6の本数N(滑車の連数でもある)は、この参考例3ではN=3である。地震により、建築物4が振動し、下の梁83に対する上の梁84が右方に移動し、その移動量をDとする。
そして、建築物4の移動前後において、上の梁のワイヤ支持箇所94と下の梁のワイヤ支持箇所95の間の長さがS変化すると、ワイヤ6の減衰器7における移動量D’は、S×3となり、この移動量D’に相当する分だけ、減衰器7により、ワイヤ6と建築物4との相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを大きく減衰させる。
(参考例4)
図7(a)、(b)は、建築物4の制振装置の参考例4を説明する図である。この参考例4の制振装置96は、参考例3と同様に、建築物4の構造体82の中間階86に2組の滑車群97、98が左右対称に設けられ、この2組の滑車群97、98を介してワイヤ6が張設され、そのワイヤ6の途中に減衰器7が設けられている。
しかし、参考例3の制振装置81では、2組の滑車群87、88が、それぞれ互いに左右の位置に配置されている(左側の滑車群87を構成する複数の滑車は全て左側に配置され、右側の滑車群88を構成する複数の滑車は全て右側に配置されている)構成である。
これに対して、参考例4の制振装置96では、第1の滑車群97及び第2の滑車群98が、互いにX字状に交叉するように配置されている構成において相違する。
具体的には、参考例4の制振装置96では、ワイヤ6の両端は、それぞれ参考例3と同様に下の梁の左右に間隔をおいて固定されている。そして、第1の滑車群97及び第2の滑車群98は、それぞれ上の梁84に設置された第1の滑車101と、下の梁83に設置された第2の滑車102と、上の梁84に設置された第3の滑車103とを備えている。
そして、第1の滑車群97の上の梁84に設置された第1の滑車101及び第3の滑車103は右側に配置され、ワイヤ6の一端側の固定端106と下の梁83に設置された第2の滑車102は左側に配置されている。
また、第2の滑車群98の上の梁84に設置された第1の滑車101及び第3の滑車103は左側に配置され、ワイヤ6の他端側の固定端107と下の梁83に設置された第2の滑車102は右側に配置されている。
このような構成により、第1の滑車群97に蛇行して張設されたワイヤ6の部分と第2の滑車群98に蛇行して張設されたワイヤ6の部分は、互いに交叉して配設されている。上の梁84に沿うワイヤ6の移動する行路の途中に減衰器7が配置されている。
地震に際して、図7(b)に示すように、下の梁83に対して上の梁84が右方に移動した場合、第1の滑車群97側に第2の滑車群98側からワイヤ6が引き込まれるために、上の梁84に沿ってワイヤ6は右方に移動する。減衰器7によって、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを減衰させる。
この参考例4では、第1の滑車群97及び第2の滑車群98のそれぞれにおいて、下の梁83と上の梁84の間に張設されたワイヤ6の本数N(滑車の連数でもある)は、3である。
地震により、建築物4が振動し、下の梁83に対する上の梁84が右方に移動し、その移動量をDとし、その結果、建築物4の移動前後において、上の梁のワイヤ支持箇所111と下の梁のワイヤ6支持箇所112の間の距離の変化をSとする。
すると、ワイヤ6の減衰器7における移動量D’は、S×3となり、この移動量D’に相当する分だけ、減衰器7により、ワイヤ6と建築物4の相対的な移動量に応じた減衰力が生じ、建築物4の揺れを大きく減衰させる。
以上、本発明に係る建築物の制振装置を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る建築物の制振装置は上記のような構成であるから、低層、中層及び高層ビル、戸建て住宅、橋梁、塔、プラント等の各種の建築物、構築物等に適用可能である。
(原理)
1 従来の建築物の制振装置
2、3 建築物の制振装置
4 建築物
5 従来例の滑車
6 ワイヤ
7 減衰器
8 建築物に固定したワイヤの端部
11、12 滑車群
13 地盤
14 地盤に固定したワイヤの端部
15 第1の滑車
16 第2の滑車
17 第3の滑車
18 第4の滑車
19 建築物のワイヤ支持箇所
20 地盤のワイヤ支持箇所
21、22 滑車群
23 第1の滑車
24 第2の滑車
25 第3の滑車
(実施例1)
31 実施例1の建築物の制振装置
32、33 滑車群
35 第1の滑車
36 第2の滑車
37 第3の滑車
38 第4の滑車
41 建築物のワイヤ支持箇所
42 地盤のワイヤ支持箇所
43 建築物のワイヤの固定端部
(参考例1)
46 参考例1の建築物の制振装置
47、48 滑車群
51 第1の滑車
52 第2の滑車
53 第3の滑車
(実施例
56 制振装置
57 第1の滑車群
58 第2の滑車群
59 ワイヤの建築物の左側の固定端
60 ワイヤの建築物の右側の固定端
61 第1の滑車
62 第2の滑車
63 第3の滑車
64 第4の滑車
67 建築物の上のワイヤ支持箇所
68 建築物の左側の地盤の支持箇所
(参考例2)
70 参考例2の制振装置
71 第1の滑車群
72 第2の滑車群
73 ワイヤの左側の固定端
74 ワイヤの右側の固定端
75 第1の滑車
76 第2の滑車
77 第3の滑車
78 建築物の上のワイヤ支持箇所
79 建築物の左側の地盤の支持箇所
(参考例3)
81 参考例3の制振装置
82 建築物の構造体
83 下の梁
84 上の梁
86 建築物の中間階
87 左側の滑車群
88 右側の滑車群
89、90 ワイヤの両端の固定端
91 第1の滑車
92 第2の滑車
93 第3の滑車
94 上の梁のワイヤ支持箇所
95 下の梁のワイヤ支持箇所
(参考例4)
96 参考例4の制振装置
97、98 滑車群
101 第1の滑車
102 第2の滑車
103 第3の滑車
106 ワイヤの一端側の固定端
107 ワイヤの他端側の固定端
111 上の梁のワイヤ支持箇所
112 下の梁のワイヤ支持箇所

Claims (10)

  1. ワイヤ、減衰器及び2組の滑車群を備え、ワイヤの途中にワイヤと建築物の相対的な移動量に応じた減衰力を生じる減衰器を介装し、該ワイヤの両端側を、それぞれ滑車群を介して張設し、両端部は、それぞれ地盤又は制振すべき建築物に、左右に間隔をおいて固定した建築物の制振装置であって、
    前記2組の滑車群は、互いに同じ構成であり、それぞれ少なくとも2以上の滑車を備え、該2以上の滑車は、地震の際に互いに相対的に移動する2つの箇所に、それぞれ少なくとも1つ以上設置されており、
    前記地震の際に互いに相対的に移動する2つの箇所は、地盤と建築物の一部である、又は建築物の一部と他部であり、該2つの箇所の一方にワイヤの端部が固定されており、
    ワイヤの両端側は、それぞれ前記固定した端部から、前記滑車群を構成する複数の滑車間を蛇行するように往復して張設され、前記減衰器に向けて延びている構成を特徴とする制振装置。
  2. 前記2組の滑車群は、建築物に対して左右対称に配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は建築物に固定されている構成であることを特徴とする請求項1記載の制振装置。
  3. 前記2組の滑車群は、建築物に対して左右対称に配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は地盤に固定されている構成であることを特徴とする請求項1記載の制振装置。
  4. 減衰器は、建築物の頂部に設けられている構成であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制振装置。
  5. 前記2組の滑車群は、建築物の前面側及び後面側のそれぞれ又は左面側及び右面側のそれぞれにおいて、互いにX字状に交叉するように配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は建築物に固定されている構成であることを特徴とする請求項1記載の制振装置。
  6. 前記2組の滑車群は、建築物の前面側及び後面側のそれぞれ又は左面側及び右面側のそれぞれにおいて、互いにX字状に交叉するように配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は地盤に固定されている構成であることを特徴とする請求項1記載の制振装置。
  7. 前記2組の滑車群は、建築物の構造体において、地震の際に相互に移動する部材間に互いに左右の位置で左右対称に配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は建築物の構造体の一部に固定されている構成であることを特徴とする請求項1記載の制振装置。
  8. 前記2組の滑車群は、建築物の構造体において、地震の際に相互に移動する部材間に互いにX字状に交叉するように配置されており、ワイヤの両端側のそれぞれの端部は建築物の構造体の一部に固定されている構成であることを特徴とする請求項1記載の制振装置。
  9. 減衰器は、摩擦ダンパー、粘性ダンパー又は回転慣性質量ダンパーであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の制振装置。
  10. 建築物は、ビル、戸建て住宅、橋梁、塔、プラントであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の制振装置。
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