JP2013076486A - 混合水栓 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】給水路18上に設けられた水温センサ30,水流量計28及び水側流調弁26と、給湯路20上に設けられた湯温センサ42,湯流量計40及び湯側流調弁38とを有する混合水栓10において、吐水温度を変えずに吐水流量を変更するに際し、流量変更前の湯水の当初総流量から流量変更後の最終総流量までの流量変化を複数段階に分けて各段階ごとに目標総流量を設定して流量変更を逐次実行するようにし、各段階ごとの流量変更では目標総流量から目標水量,目標湯量を算出し、水流量計及び湯流量計による検出流量が算出した流量に到達した時点を目標流量到達時として、次の段階の流量変更に移行し、以後同様の流量変更を各段階ごとに行って最終総流量まで流量変化させるようにする。
【選択図】 図2
Description
例えば下記特許文献1,特許文献2にこの種の混合水栓が開示されている。
その際、湯水の総水量を速やかに流量変更後の最終総流量に到達させるためには、水側流調弁及び湯側流調弁のそれぞれを全開状態として水流量,湯流量を増大変化させることが望ましいが、そのようにした場合、流量変更前の当初総流量と変更後の最終総流量とでは水流量と湯流量の比率が同じ比率となるものの、最終総流量に到る途中では水流量と湯流量の比率が当初総流量及び最終総流量における比率とは異なったものとなり、これに起因して混合水温度が、つまり吐水口からの吐水温度が流量変化の過程で一時的に大きく変化してしまうといったことが起り得る。
この例は、流量変更前の湯水の当初総流量が2L(リットル),水流量が1.5L,湯流量が0.5L,混合水温度が40℃の下で、水側流調弁,湯側流調弁をそれぞれ全開状態として流量変更し、湯水の総流量(最終総流量)を8L,水流量を6L,湯流量を2Lまで増大したときの、経時的な湯水の総流量変化,水流量及び湯流量の変化,混合水温度の変化を示したものである。
尚図4(B)において横軸は時間を、左縦軸は温度を、右縦軸は流量をそれぞれ表している。
また図4(A)は経時的な湯流量の変化,水流量の変化,湯水総流量の変化,混合水温度の変化を時間の経過に対応して具体的な数値として示している。
尚ここでは給水路上に水温センサと水流量計を、また給湯路上に湯温センサと湯流量計とを設け、そして水流量計,湯流量計による水流量,湯流量の検出流量が目標とする最終総流量から算出される水流量,湯流量となったところで水側流調弁,湯側流調弁を閉弁させている。
特に流量変化の前半での水流量と湯流量との比率の変化が大きく(水流量に対する湯流量の比率の増大変化が大きい)、これに応じて混合水温度も流量変化の前半で大きく高温側に変化している。
この場合、吐水口からの吐水流量が目標とする流量変更後の最終流量となるまでの途中で高温の混合水が吐水されてしまうこととなる。このようなことは望ましくない。
更にここでは流量を増大側に変更する場合について述べたが、流量を減少側に変更する場合においても、混合水温度が一時的に大きく低下してしまうなど同様の問題を生じ得る。
但しこの特許文献3に開示のものは流量を変化させるための技術に関するものではなく、従ってそこには流量変化に伴う混合水温度の変化を改善する点についても開示されていない。
かかる本発明によれば、各段階ごとに、その段階の目標総流量到達時点で、水流量と湯流量との比率が混合水温度を一定に保つために必要な適正比率に比率調整され、また段階内で目標総流量に到達するまでの間も水流量と湯流量との比率が適正に近い比率に保たれることとなるため、流量変更を終了するまでの途中の過程で混合水温度が一時的に大きく変化してしまう問題を改善することができ、水栓使用者が混合水栓を快適に使用できるようになる。
図1において10は混合水栓(以下単に水栓とする)で、12は水栓10における吐水部としての吐水管である。
吐水管12は、カウンタ上面等横設された取付面14から起立する形態で設けられている。
吐水管12は、全体として逆U字状のグースネック形状をなしており、その先端に吐水口16が備えられている。
ここで水側流調弁26は、弁部32とその駆動部としてのステッピングモータ34とを有している。
この水側流調弁26では、ステッピングモータ34にパルス供給するとステッピングモータ34がステップ動作して、弁部32の弁開度をステップ動作分だけ変化させる。
水側流調弁26は、弁部32の弁開度を変化させることで、給水路18を通じて送られる給水の流量を調節する。
尚この制御部36には、図示を省略する温調(温度調節)操作部,流調(流量調節)操作部が電気的に接続され、温調操作部による操作信号及び流調操作部による操作信号がそれぞれ制御部36に入力される。
湯側流調弁38もまた、弁部32とその駆動部としてのステッピングモータ34とを有しており、ステッピングモータ34にパルス供給するとステッピングモータ34がステップ動作し、弁部32の弁開度をステップ動作分だけ変化させる。
湯側流調弁38は、その弁部32の弁開度を変化させることで、給湯路20を通じて吐水管12に送られる湯の流量を調節する。
このとき給水路18,給湯路20を通じて吐水口16に送られる水と湯との流量は、水側流調弁26,湯側流調弁38によって調節され、それら水側流調弁26,湯側流調弁38による水,湯の流量調節によって、吐水口16からの吐水流量及び吐水温度がともに調節される。
図2(B)中、Sは湯水の総流量の変化を、Hは湯流量の変化を、Cは水流量の変化を、Tは混合水温度の変化をそれぞれ示している。
また図2(A)は、経時的な湯水の総流量の変化,湯流量の変化,水流量の変化,混合水温度の変化を時間の経過に対応して具体的な数値として示している。
ここでは当初総流量から目的とする変更後の最終総流量までの流量変化を段階1〜段階6までの6段階に分け、各段階ごとに目標総流量を設定して流量変更を小幅で小刻みに行い、最終総流量まで流量変化させている。
ここでは目標流量到達時における混合水温度が、流量変更前の当初の混合水温度40℃と同じ温度となるように、つまり水流量と湯流量との比率が3:1となるように水流量を2.25L,湯流量を0.75Lと算出し、水側流調弁26,湯側流調弁38を全開状態として水流量,湯流量を増大させている。
そして水流量計,湯流量計により水流量,湯流量を検出し、検出流量が算出した流量に到達するのを待って、即ち検出流量が算出した流量に到達した時点を目標流量到達時として次の段階の流量変更に移行するようにしている。
そして水流量が算出流量2.25Lに到達するのを待って、次の第2段階目の流量変更が実行される。
尚湯流量が0.75Lに達したとき、湯流量計40からの検出信号に基づいて、制御部36により湯側流調弁38が湯流量を0.75Lに維持するように弁開度が制御される。
その結果、図2(B)に示しているように混合水温度は、第1段階目の目標総流量に到達するまでの間で、当初の40℃よりも高温側に若干変化する。
但しその温度変化は図4(B)に示す場合の温度変化に比べて小さい。
この第2段階目の流量変更では、目標総流量到達時における水流量が3L,湯流量が1Lと算出される。
そしてこの第2段階目の流量変更においても、第1段階目の流量変更と同様に水側流調弁26,湯側流調弁38を全開状態として水流量,湯流量を増大させる。
そのためこの第2段階目の流量変更においても、湯流量が算出流量である1Lに到達したところで、制御部36による湯側流調弁38の動作制御によって湯流量が1Lに固定され、維持される。
その間水流量は2.5L→2.75L→3Lと上昇し、算出流量に一致する。
そして水流量がこの算出流量3Lに到達するのを待って、次の第3段階目の流量変更が実行される。
但しその変化の程度は、図2(B)に示しているように第1段階目の温度変化に比べて小さい。
またこのとき水流量が6L,湯流量が2Lでその比率が3:1となり、流量変更後の混合水温度が変更前の混合水温度と同じ温度となる。
ここでは水栓使用者による流量変更の操作が行われると、変更後の最終総流量から変更前の当初総流量を差し引いた総変化流量が求められ(ステップS10,S12)、そして総変化流量を段階数で除した段階変化総流量(1段で変化する湯水の総流量)が求められる(ステップS14)。
具体的には、段階変化総流量に段階カウント数1を掛け合せたものを、変更前の当初総流量に加えた流量が求められ、一時目標総流量として設定される(ステップS20)。
そして水流量計28,湯流量計40による水,湯の検出流量が設定流量となったところで(ステップS26)、次のステップS28において段階数が最終段階数に達したか否か判定される。
そして最終段階(図2の例では第6段階)の流量変更が終了した時点で、ステップS28において流量変更の段階数が最終の段階数に達したと判断されて、そこで流量変更のための動作が終了する。
尚、図3の例では一段階ごとの流量変更を終了した後に、次の段階の一時的な目標総流量を設定しているが、場合によって予め各段階の一時的な目標総流量を設定しておくといったことも可能である。
但しこの場合においても、目標総流量到達時における混合水温度が、流量変更前の混合水温度と同じ温度となるように水流量,湯流量を算出することとなる。
例えば本発明は、変更前の流量よりも変更後の流量を減少させる方向に流量変更する場合や、湯の流量が水の流量よりも多い場合においても適用可能である。
また上記実施形態では、変更前の当初総流量から変更後の最終総流量までの流量変化を6段階に分割しているが、その分割数をこれよりも大きく或いは小さくすることも可能である。
また湯水の総流量の変化量が大きくなっても、また小さくなっても同じ分割数で総流量変化を分割し、各段階の流量変更を実行して行くといったことも可能であるが、流量変更前の当初総流量から変更後の最終総流量までの流量変化を等分割するのではなく、例えば1段階ごとに目標総流量を予め定めた一定の流量で、例えば0.5Lごと変化させるようになすことも可能である。
また本発明は、図1に示した混合水栓以外の他の様々な形態の混合水栓に適用可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
16 吐水口
18 給水路
20 給湯路
26 水側流調弁
28 水流量計
30 水温センサ
36 制御部
38 湯側流調弁
40 湯流量計
42 湯温センサ
Claims (2)
- 吐水部に向けて給水を行う給水路上に設けられた水温センサ,水流量計及び水流量を調節する水側流調弁と、該吐水部に向けて給湯を行う給湯路上に設けられた湯温センサ,湯流量計及び湯流量を調節する湯側流調弁と、を有し、制御部による制御の下でそれら水側流調弁及び湯側流調弁により水流量及び湯流量を調節することで、吐水口からの吐水温度及び吐水流量を調節する混合水栓であって、
流量変更前と流量変更終了後とで吐水温度を変えずに吐水流量を変更するに際し、該流量変更前の湯水の当初総流量から流量変更終了後の最終総流量までの流量変化を複数段階に分けて、各段階ごとに目標総流量を設定して流量変更を逐次実行するようにし、
該各段階ごとの流量変更では、該各段階ごとに設定した前記目標総流量から、該目標総流量到達時における混合水温度を前記流量変更前の当初の混合水温度と同じとするのに必要な水流量と湯流量とを算出して該水流量,湯流量を変化せしめ、
前記水流量計及び湯流量計による該水流量,湯流量のそれぞれの検出流量が該算出した流量に到達した時点を目標流量到達時として、次の段階の流量変更に移行し、以後同様の流量変更を各段階ごとに行って前記最終総流量まで流量変化させるようになしてあることを特徴とする混合水栓。 - 請求項1において、前記各段階ごとの流量変更における前記水流量と湯流量との算出を、該水流量と湯流量との比率が前記流量変更前の当初総流量における比率と同じとなるように行うことを特徴とする混合水栓。
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