JP2013075388A - 立体造形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】立体造形物が載置されるステージの傾きの発生および昇降精度の悪化を防止しつつ、ステージを効率よく十分に振動させることができる立体造形装置を提供する。
【解決手段】立体造形装置は、ステージ11に載置された立体造形粉体に造形液を吐出して固化することで立体造形物を造形する。立体造形装置は、回収口65と、加振モータ46と、振動板60とを備える。回収口65はステージ11の下方に配置される。ステージ11から落下した立体造形粉体は、回収口65に回収される。加振モータ46は、筐体9に固定されて振動を発生させる。振動板60は、ステージ11の昇降範囲の下端に配置され、加振モータ46に装着されて加振モータ46の動力で振動する。振動板60は、昇降範囲の下端に移動したステージ11の底面に、弾性体63を介して接触する。
【選択図】図5

Description

本発明は、立体造形粉体に造形液を吐出して固化することで立体造形物を造形する立体造形装置に関する。
従来、立体造形粉体(以下、単に「粉体」という場合がある。)と造形液とを混合して固化することで立体造形物を造形する立体造形装置が知られている。例えば、立体造形装置は、平坦に配置した粉体に対し、インクジェットヘッドを用いて造形液を吐出する。粉体と造形液とが混合すると、粉体に含まれる接着剤が溶解し、溶解した接着剤同士が結合して層を形成する。以上の工程が繰り返されて層が重ねられることで、作業者が所望する形状の立体造形物が造形される。立体造形装置は、固化せずに残存した立体造形物周辺の未硬化の粉体(以下、「未硬化粉体」という。)を回収する。
未硬化粉体を円滑に回収する等の目的で、立体造形物が載置されるステージを振動させる場合がある。例えば、特許文献1が開示している立体造形装置は、ステージの底面にモータを装着する。モータは、偏心盤を回転させることで振動を発生させる。モータが発生させた振動は、ステージに直接伝わる。
特開2000−336403号公報
立体造形装置は、層を重ねることで立体造形物を造形するため、立体造形物が載置されるステージを昇降させる必要がある。特許文献1が開示している立体造形装置は、モータをステージの底面に直接装着するため、ステージをモータと共に昇降させなければならない。従って、モータの重さによって、ステージを昇降させる際の精度の悪化、ステージの傾き等が生じ、立体造形物の品質が低下する場合がある。また、ステージを取り囲む壁面にモータを設けると、昇降精度の悪化等の問題は生じないが、ステージを効率よく十分に振動させることはできない。
本発明は、立体造形物が載置されるステージの傾きの発生および昇降精度の悪化を防止しつつ、ステージを効率よく十分に振動させることができる立体造形装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る立体造形装置は、立体造形粉体が載置されるステージと、前記ステージを昇降させる昇降手段とを備え、前記ステージに載置された立体造形粉体に造形液を吐出して固化することで立体造形物を造形する立体造形装置であって、前記ステージの下方に配置され、前記ステージから落下した前記立体造形粉体が回収される回収口と、筐体に固定され、振動を発生させる加振手段と、前記ステージの昇降範囲の下端に設置され、前記加振手段に装着されて前記加振手段の動力で振動し、前記昇降範囲の下端に移動した前記ステージの底面に弾性体を介して接触する振動板とを備えている。
本発明に係る立体造形装置では、ステージが昇降範囲の下端に移動すると、振動板が弾性体を介してステージの底面に接触し、加振手段の振動が効率よくステージに伝わる。さらに、加振手段はステージには装着されていないため、ステージの昇降精度の悪化、ステージの傾き等が加振手段の重さによって引き起こされることはない。従って、立体造形装置は、ステージの傾きの発生および昇降精度の悪化を防止しつつ、ステージを効率よく十分に振動させることができる。
また、前記立体造形装置は、前記加振手段が前記ステージに加える振動よりも周波数が低い低周波振動を前記ステージに加える低周波加振手段をさらに備えていてもよい。一定の周波数を加えるだけでは、未硬化粉体を回収する際に、未硬化粉体を十分にステージから落下させることができず、粉詰まりが生じる可能性も高くなる。立体造形装置は、加振手段と低周波加振手段とによって、周波数が異なる複数の振動をステージに加えることで、円滑に未硬化粉体を回収することができる。
また、前記低周波加振手段は、前記昇降手段を制御し、前記ステージを前記昇降範囲の下端部分で往復昇降させることで低周波振動を加える昇降制御手段を含んでいてもよい。ステージは、弾性体を介して振動板に接触するため、振動板に接触した状態のまま微小距離を往復昇降することができる。従って、立体造形装置は、昇降範囲の下端部分でステージを往復昇降させることで、往復昇降による低周波振動と、加振手段による高周波振動とをステージに加えることができる。立体造形に必要な昇降手段を利用して低周波振動を加えることができるため、低周波振動を加えるための別の機構を備える必要がない。
また、前記低周波加振手段は、前記ステージの昇降経路に固定され、昇降する前記ステージに接触する接触部を含み、前記低周波加振手段は、前記昇降制御手段によって前記ステージを往復昇降させて前記接触部に接触させることで低周波振動を加えてもよい。この場合、立体造形装置は、ステージを往復昇降させるだけで、接触部によって容易且つ効果的に低周波振動をステージに加えることができる。従って、簡易な構成で確実に低周波振動と高周波振動とをステージに加えることができ、未硬化粉体を円滑に回収することができる。
また、前記接触部は、前記昇降経路の下端を遮断する形状に形成してあり、前記低周波加振手段は、前記昇降制御手段によって前記ステージを前記接触部に断続して衝突させることで、前記ステージにパルス振動を加えてもよい。この場合、立体造形装置は、加振手段による高周波振動に加え、大きな振動を断続的にステージに加えることができる。よって、簡易な構成で、より効率よく未硬化粉体を回収することができる。
また、前記立体造形装置は、前記ステージに振動を加える間に、前記加振手段に対し、振動と停止を交互に繰り返し実行させる間欠駆動手段をさらに備えていてもよい。立体造形装置は、加振手段を間欠駆動して振動と停止を交互に繰り返すことで、一定の振動によって粉詰まり等が生じる可能性を低下させることができる。
また、前記立体造形装置は、固化せずに残存した前記立体造形粉体を吸引する吸引手段と、前記吸引手段の動作を制御する吸引制御手段とをさらに備え、前記吸引制御手段は、前記ステージに振動が加えられるタイミングで前記吸引手段による吸引を開始してもよい。未硬化粉体が載置されているステージを振動させずに吸引手段のみを駆動すると、吸引手段には未硬化粉体の粉詰まりが生じやすい。また、ステージのみを振動させて、未硬化粉体が集積される回収口に大量の未硬化粉体が集積されると、その後に吸引を開始しても十分に吸引できない可能性がある。立体造形装置は、ステージに振動が加えられるタイミングで吸引を開始することで、粉詰まりが生じる可能性を低下させて円滑に未硬化粉体を吸引することができる。
また、前記回収口は前記加振手段に接続してもよい。回収口では未硬化粉体の粉詰まりが生じやすい。立体造形装置は、回収口を加振手段に接続させて、加振手段が発生させた振動を回収口にも伝えることで、回収口で粉詰まりが生じる可能性を効率よく低下させることができる。
また、前記加振手段は、振動の伝播を減衰させる除振部材を介して前記筐体に固定されてもよい。この場合、立体造形装置は、振動を加える必要の無い部分に振動が伝わることを抑制しつつ、加振手段の振動を効果的にステージに伝えることができる。
立体造形装置1の外観斜視図である。 造形台6の斜視図である。 立体造形装置1の内部構成を右側面から見た図である。 粉体供給部15および平坦化ローラ16の近傍の拡大斜視図である。 図2におけるA−A線矢視方向断面図(ステージ11が弾性体63に接触していない状態)である。 図2におけるA−A線矢視方向断面図(ステージ11と弾性体63とが接触している状態)である。 立体造形装置1の電気的構成を示すブロック図である。 立体造形装置1が実行する立体造形処理のフローチャートである。 立体造形処理中に実行される未硬化粉体回収処理のフローチャートである。 ステージ11に加えられる各種振動の時間と振幅を模式的に示すグラフである。 変形例における筐体9およびステージ11の一部を示す部分拡大図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図1および図2の左下側および右上側は、それぞれ、立体造形装置1の正面側および背面側である。図1および図2の左右方向および上下方向は、それぞれ、立体造形装置1の左右方向および上下方向である。図3の左側、右側、上側、下側、紙面手前側、紙面奥側は、それぞれ、立体造形装置1の正面側、背面側、上側、下側、右側、左側である。図4の左側、右側、上側、下側、紙面右手前側、紙面左奥側は、それぞれ、立体造形装置1の正面側、背面側、上側、下側、右側、左側である。立体造形装置1の右方をX座標の正方向、後方をY座標の正方向、上方をZ座標の正方向とする。
図1を参照して、立体造形装置1の概略構成について説明する。立体造形装置1は、座標データおよび色データを含む立体造形データに従ってヘッド20等を駆動することで、立体造形物を造形することができる。パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)100は、物体の三次元形状を示す立体データに基づいて立体造形データを作成し、ネットワーク等を介して立体造形装置1に送信する。立体造形装置1は、PC100から受信した立体造形データに従って立体造形物を造形する。なお、立体造形装置1は、立体データを他のデバイスから取得し、取得した立体データに基づいて自ら立体造形データを作成することもできる。
立体造形装置1は、土台2と、造形台6と、粉体供給部15と、平坦化ローラ16と、ヘッド20と、ヘッドクリーニング機構22と、粉体回収部23とを主に備える。土台2は、左右方向(X軸方向)を長手方向とする矩形板状に形成されており、立体造形装置1の全体を支持する。造形台6はステージ11を備え、ステージ11上で立体造形物が造形される。粉体供給部15は、造形台6のステージ11上に立体造形粉体を供給する。平坦化ローラ16は、ステージ11上に載置された立体造形粉体の上面を平坦化し、立体造形粉体の層(以下、「粉体層」という。)を形成する。ヘッド20は、ステージ11上に形成された粉体層に造形液を吐出する。ヘッドクリーニング機構22は、ヘッド20の吐出口をワイプし、また、密着して造形液を吸引する。粉体回収部23は、ステージ11上で固化せずに残存した余分な立体造形粉体(以下、「未硬化粉体」という。)を回収する。以下、各構成について説明する。
造形台6について説明する。図2に示すように、造形台6は、造形台6を支持する基部7と、基部7の上部に支持される筐体9とを備える。基部7の左右の各々には、前後方向(Y軸方向)に貫通する貫通孔8が形成されている。図1に示すように、土台2の略中央には、前後方向に平行に延びる2本のレール3が設けられている。2本のレール3は、土台2の正面側端部に設けられた支持部4と、背面側端部に設けられた支持部(図示せず)とによって、土台2の上面から所定の高さで支持されている。2本のレール3の各々は、造形台6の基部7に形成された2つの貫通孔8の各々を貫通する。さらに、土台2の背面側端部には、造形台6を前後動させるための造形台前後動モータ41(図7参照)が設けられる。造形台前後動モータ41が駆動すると、キャリッジベルト(図示せず)を介して動力が造形台6に伝わり、造形台6は2本のレール3に沿って前後方向(Y軸方向)に移動する。つまり、造形台前後動モータ41が駆動すると、粉体供給部15、平坦化ローラ16、およびヘッド20は、造形台6のステージ11に対して前後方向(ステージ面と平行な方向)に相対移動する。
図2に示すように、筐体9は、略立方体の箱型形状を成す。筐体9は、上面が開放された平面視矩形状の凹部であるステージ保持部10を有している。ステージ保持部10の内側には、立体造形物が造形されるステージ11が昇降可能に保持される。ステージ11は、ステージ保持部10の内周面に接するように平面視矩形状に形成されており、且つ、ステージ11の上面は水平に保たれている。筐体9の右側面には、未硬化粉体をステージ保持部10内から粉体回収部23(図1参照)に導くための回収路12が接続している。
ステージ保持部10の背面側には、上面が開放された平面視矩形の凹部である粉体落下口13が設けられている。粉体落下口13には、粉体層を形成する際に、平坦化ローラ16によって集積された余剰粉体が落下する。粉体落下口13に落下した余剰粉体は、作業者によって、造形台6の上方に位置する粉体供給部15(図1、図3、および図4参照)内に戻される。しかし、立体造形装置1は、粉体落下口13に落下した余剰粉体を吸引等によって回収し、粉体供給部15に自動的に戻してもよい。造形台6の内部構造の詳細については後述する。
粉体供給部15について説明する。図3および図4に示すように、粉体供給部15は、上方へ向けて徐々に前後方向の幅が広がる箱状に形成されており、内部に立体造形粉体を収容する。粉体供給部15は、造形台6の上方に位置するように、粉体回収部23(図1参照)の左側面に固定されている。粉体供給部15の下面には、左右方向を長手方向とする開口である供給口(図示せず)が形成されている。供給口は、ステージ11上の左右方向に線状に延びる全領域に立体造形粉体を供給できるように、ステージ11の左右方向の幅以上の幅に形成されている。供給口には、供給口を開閉するシャッター(図示せず)が設けられている。立体造形装置1は、粉体供給モータ44(図7参照)によってシャッターの開閉を制御することで、ステージ11上に立体造形粉体を供給する。
平坦化ローラ16について説明する。平坦化ローラ16は、ステージ11上に供給された立体造形粉体の上面を平坦化して粉体層を形成するために設けられる。図3および図4に示すように、平坦化ローラ16の回転軸17は、ステージ11の上面と平行な状態で、造形台6の移動方向と交差する方向(左右方向)に延びる。回転軸17は、粉体回収部23(図1参照)に配置されたローラ回転モータ43(図7参照)に接続している。ローラ回転モータ43が駆動すると、平坦化ローラ16は、図4に示す矢印方向(右側面視反時計回りの方向)に回転する。立体造形装置1は、粉体層を形成する場合、粉体供給部15のシャッターを開放させた状態で、平坦化ローラ16を回転させながら造形台6を後方から前方へ(Y軸の負の方向へ)移動させる。その結果、ステージ11(図2参照)に載置された立体造形粉体の上面は、平坦化ローラ16によって平坦化される。平坦化ローラ16の背面側に集積した余剰粉体は、造形台6の背面側に形成された粉体落下口13に落下する。
図3および図4に示すように、粉体供給部15の正面には板状のブレード18が固定されている。ブレード18は、平坦化ローラ16に付着した立体造形粉体を除去するために設けられる。ブレード18は、粉体供給部15の正面の壁面から前方斜め下方へ延び、平坦化ローラ16の背面側に隙間無く接触している。図4に示すように、平坦化ローラ16のうち、ブレード18が接触する位置Pは、回転軸17の高さH以下の高さに調整されている。従って、立体造形粉体は、ブレード18と平坦化ローラ16との間に堆積することなく、平坦化ローラ16の表面から容易に剥がれ落ちる。さらに、ブレード18の板面は、平坦化ローラ16の正面側の空間と背面側の空間との間を遮断する。従って、ブレード18は、平坦化ローラ16の背面側の立体造形粉体が正面側に飛散することを防止することができる。よって、平坦化ローラ16によって形成された粉体層の上面は平坦に保たれる。飛散した立体造形粉体がヘッド20に付着する可能性も低下する。
ヘッド20について説明する。図示しないが、ヘッド20は、シアンヘッド、マゼンタヘッド、イエローヘッド、ブラックヘッド、およびクリアヘッドを備える。立体造形装置1の左胴部25(図1参照)の内部には、シアン造形液、マゼンタ造形液、イエロー造形液、ブラック造形液、およびクリア造形液の各々を収容した複数のタンクが装着されている。ヘッド20が備える各色のヘッドの各々は、可撓性を有するチューブ(図示せず)によって、対応する色の造形液を収容したタンクに接続されている。ヘッド20は、CPU30(図7参照)の制御によって、各色の造形液を粉体層に吐出する。なお、吐出する造形液の種類は変更できる。例えば、シアンヘッド、マゼンタヘッド、イエローヘッド、およびクリアヘッドによって、4種類の造形液を吐出してもよい。この場合、シアン、マゼンタ、およびイエローを混色させて黒色を再現する。4種類の液体を吐出するヘッドは、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックのインクを吐出する通常の印刷装置で一般に用いられている。通常の印刷装置のヘッドのうち、ブラックのインクを吐出するヘッドをクリア造形液用に用いれば、印刷装置のヘッドを立体造形装置1にそのまま転用することができる。
図1に示すように、造形台6の上方、且つ粉体供給部15の前方には、ヘッド20の左右方向の移動を案内するためのガイドレール21が設けられている。ガイドレール21は、立体造形装置1の左胴部25の右側面から右方へ真っ直ぐに水平に延び、粉体回収部23の左側面に接続する。ガイドレール21は、ヘッド20を左右方向に貫通しており、ヘッド20はガイドレール21に沿って左右に移動できる。立体造形装置1の左胴部25には、ヘッド20を移動させるためのヘッド移動モータ45(図7参照)が設けられている。ヘッド移動モータ45が駆動すると、キャリッジベルト(図示せず)を介して動力がヘッド20に伝わり、ヘッド20が左右方向(X軸方向)に移動する。
ヘッドクリーニング機構22は、ヘッド20の下方のノズル面をワイプ(拭き取り)し、また、密着し、ノズルに各色の造形液が達するまで吸引を行う。また、ヘッドクリーニング機構22は、造形液の吐出が行われない場合にヘッド20のノズル面を覆い、造形液が乾燥することを防止する。
粉体回収部23は、図1に示すように、造形台6と右胴部26との間に配置される。粉体回収部23は、造形台6のステージ保持部10(図2参照)内の未硬化粉体を吸引するための粉体吸引ポンプ48(図7参照)を備える。粉体吸引ポンプ48が吸引を開始すると、ステージ保持部10内の未硬化粉体は、回収路12(図2および図4参照)および粉体回収部23を通じて、粉体供給部15に戻される。
なお、立体造形装置1の右胴部26の正面には操作パネル27が設けられている。操作パネル27は、各種操作キーと表示部とを有する。作業者は、表示部を見ながら操作キーを操作することで、立体造形装置1に対する操作指示を入力する。
図5および図6を参照して、造形台6の内部構造について説明する。まず、ステージ11の詳細な構造について説明する。ステージ11は、上部ステージ51、下部ステージ52、および受け皿53を備える。上部ステージ51は矩形板状の部材である。上部ステージ51には、厚み方向に貫通する孔54(図2参照)が複数設けられている。下部ステージ52は、上部ステージ51と略同一形状の部材である。図示しないが、下部ステージ52にも、上部ステージ51と同様に複数の孔が設けられている。しかし、平面視において、上部ステージ51に設けられた孔54の位置と、下部ステージ52に設けられた孔の位置とが重複しないように、上部ステージ51および下部ステージ52が形成されている。従って、上部ステージ51に立体造形粉体が載置されると、孔54が設けられていない位置では、上部ステージ51の上面に立体造形粉体が堆積する。孔54が設けられている位置では、立体造形粉体は孔54から下部ステージ52に落下する。しかし、落下地点には下部ステージ52の孔は形成されていないため、立体造形粉体は下部ステージ52の上面に堆積する。その結果、ステージ11上に立体造形粉体が堆積する。
詳細は後述するが、立体造形物の造形が完了すると、立体造形装置1はステージ11を振動させる。ステージ11が振動すると、下部ステージ52と上部ステージ51との間に位置する未硬化粉体は、下部ステージ52の孔から受け皿53に落下する。これに伴い、上部ステージ51上に堆積していた未硬化粉体は、孔54から下部ステージ52に落下し、さらに下部ステージ52の孔から受け皿53に落下する。
受け皿53は、下部ステージ52の全体の下部を覆うように、平面視略矩形状に形成されている。受け皿53の右端部近傍における前後方向略中心には、下部ステージ52から落下した未硬化粉体を回収路12に導く誘導口55が形成されている。受け皿53は、誘導口55に近づく程高さが低くなるように傾斜している。従って、受け皿53が振動すると、未硬化粉体は誘導口55に向かって移動する。
受け皿53の中心下部にはボールねじ57が接続している。ボールねじ57は、受け皿53から鉛直下方へ延び、ナット(図示せず)に装着されている。造形台6の下部には、ボールねじ57を回転させるためのステップモータであるステージ昇降モータ42(図7参照)が設けられている。ステージ昇降モータ42が駆動すると、ボールねじ57が回転して昇降し、ボールねじ57に接続しているステージ11が昇降する。
ステージ11を振動させるための機構について詳細に説明する。筐体9の内側におけるステージ11の下方には、振動を発生させる加振モータ46が固定されている。加振モータ46は、伝播する振動を減衰させるための除振シート58(例えば、ゴムシート)を介して筐体9に固定されている。従って、加振モータ46が発生させた振動は、振動させる必要が無い筐体9には伝わり難い。
加振モータ46の上面には振動板60が接続(固定)されている。振動板60の材質には、加振モータ46の振動が容易に伝播するように、硬度が高い金属等を用いることが望ましい。しかし、樹脂等を用いて振動板60を形成することも可能である。本実施形態の振動板60は、ステージ11よりもやや小さい平面視矩形の板状部材である。しかし、振動板の大きさ、形状を変更できることは言うまでも無い。振動板60の中心には、ボールねじ57を挿通するための挿通孔61が形成されている。
振動板60の上面には弾性体63が設けられている。弾性体63は、ゴム等の弾性を有する部材によって形成すればよい。本実施形態の弾性体63は、振動板60よりもやや小さい平面視矩形に形成されている。弾性体63の中心には、ボールねじ57を挿通するための挿通孔64が形成されている。弾性体63の上面は、傾斜している受け皿53の下面の形状に一致するように成形されている。従って、ステージ11が下降すると、ステージ11の受け皿53の下面は弾性体63に密着し、振動板60の振動が効率よく受け皿53に伝わる。
受け皿53の誘導口55の鉛直下方には、回収路12の入口である回収口65が配置されている。回収口65は、未硬化粉体が振動によって集積される部位である。回収口65には、振動板60の右端が接続されている。つまり、回収口65は、振動板60を介して加振モータ46に接続している。よって、加振モータ46が振動すると、振動は振動板60を介して回収口65に伝播する。
筐体9の内周面のうち、振動板60の高さとほぼ同一の高さに、内側に突出する接触部67が設けられている。本実施形態の接触部67は、下降したステージ11の下部に接触してステージ11の昇降経路の下端を遮断するように、矩形環状に形成されている。接触部67の左部の内側には、ステージ11が昇降範囲の下端に位置しているか否かを検出するためのステージ位置検出センサ36が設置されている。本実施形態のステージ位置検出センサ36は周知の光学センサであるが、ステージ11の下降による押圧によって機械的に近接を検知したりする近接スイッチ等の他のセンサやスイッチを用いることも可能である。
ステージ11の昇降動作、および、加振モータ46が発生する振動の伝播について説明する。図5に示すように、ステージ11は加振モータ46を装着していないため、加振モータ46とは別個に独立して昇降する。従って、ステージ11の昇降精度の悪化、ステージ11の傾き等、加振モータ46の重さによるステージ11の不具合が生じることはない。ステージ11は円滑にステージ保持部10内を昇降する。立体造形装置1は、昇降範囲の上端からステージ11を徐々に下降させながら立体造形物を造形する。
立体造形装置1は、立体造形物の造形が完了すると、ステージ11を昇降範囲の下端まで下降させる。ステージ11が昇降範囲の下端に達すると、ステージ11の外周縁部が、筐体9に形成された接触部67に接触(衝突)する。その結果、ステージ11に衝撃が加えられて、ステージ11は振動する。
立体造形装置1は、ステージ11が昇降範囲の下端に到達すると、加振モータ46を駆動する。ステージ11が昇降範囲の下端部分に位置すると、ステージ11の受け皿53の底面は、振動板60の上面に設けられた弾性体63に接触する。弾性体63は、受け皿53の底面に密着し、加振モータ46から振動板60を介して伝わった振動をステージ11に伝播させる。従って、ステージ11は、加振モータ46の動力によって振動する。
弾性体63は、ゴム等の弾性部材によって形成される。従って、ステージ11は、弾性体63との間の接触状態を維持した状態で所定量の昇降を行うことができる。立体造形装置1は、ステージ11と弾性体63とを接触させたまま、ステージ11を昇降範囲の下端部分の所定範囲で往復昇降させる。その結果、ステージ11には、昇降を行うことによる振動と、接触部67に衝突することによる振動と、弾性体63を介して伝わる加振モータ46の振動とがいずれも加わる。よって、複数の周波数および振幅の振動がステージ11に加わり、未硬化粉体が円滑に回収される。
図7を参照して、立体造形装置1の電気的構成について説明する。立体造形装置1は、立体造形装置1の制御を司るCPU30を備える。CPU30には、RAM31、ROM32、モータ駆動部33、ヘッド駆動部35、ヘッドクリーニング機構22、粉体吸引ポンプ48、ステージ位置検出センサ36、操作パネル27、および外部通信I/F37が、バス39を介して接続されている。
RAM31には、PC100から受信した立体造形データ等の各種データが一時的に記憶される。ROM32には、立体造形装置1の動作を制御するための制御プログラム、初期値等が記憶されている。モータ駆動部33は、造形台前後動モータ41、ステージ昇降モータ42、ローラ回転モータ43、粉体供給モータ44、ヘッド移動モータ45、および加振モータ46の各々の動作を制御する。ヘッド駆動部35はヘッド20に接続しており、ヘッド20の各吐出チャンネルに設けられた圧電素子を駆動する。外部通信I/F37は、立体造形装置1をPC100等の外部機器に接続する。なお、立体造形装置1は、USBインタフェース、インターネット等を介して、他のデバイス(例えば、USBメモリ、サーバ等)からデータを取得することも可能である。
図8および図9を参照して、立体造形装置1が実行する立体造形処理について説明する。前述したように、立体造形装置1のROM32には、立体造形装置1の動作を制御するための制御プログラムが記憶されている。立体造形装置1のCPU30は、造形の開始指示を入力すると、制御プログラムに従って、図8に示す立体造形処理を実行する。
まず、初期化処理が実行される(S1)。初期化処理では、ヘッドクリーニング機構22によって、ヘッド20の下面がワイプされ、また、ノズルに造形液が達するまで吸引が行われる。吸引によって、ヘッド20が造形液を吐出できる状態となる。また、RAM31に記憶されているデータが一旦消去される。
立体造形物を造形するための立体造形データがRAM31に記憶されているか否かが判断される(S2)。PC100から立体造形データを受信しておらず、RAM31に立体造形データが記憶されていない場合には(S2:NO)、S2の判断が繰り返される。立体造形データが存在する場合(S2:YES)、立体造形データのうち最小のZ座標の値が、Z座標の座標位置に設定される。設定された座標位置Zにおける立体造形データが読み出される(S4)。
次いで、粉末供給・平坦化処理が行われる(S5)。詳細には、ステージ11の上面の高さが、形成する粉体層の厚み分だけ造形台6の上端よりも低い位置に調整される。粉体供給モータ44が駆動されて、ステージ11上への立体造形粉体の供給が開始される。ローラ回転モータ43による平坦化ローラ16の回転が開始される。造形台前後動モータ41が駆動されて、造形台6が後方から前方へ移動される。その結果、立体造形粉体の上面が平坦化されて、粉体層が形成される。粉体層の厚み(積層ピッチ)は、造形台6の上端とステージ11の上面との間の距離に等しくなる。
粉体層が形成されると、造形台前後動モータ41およびヘッド移動モータ45が駆動されて、ヘッド20が成形領域の初期位置に相対移動される(S6)。設定された座標位置Zにおける立体造形データに応じて、ヘッド20の相対移動および吐出制御が実行され、立体造形データに応じた位置に各色の造形液が吐出される(S7)。造形液が吐出された部位では、立体造形粉体に含まれる接着剤が溶解し、溶解した接着剤同士が結合する。その結果、立体造形物の層(以下、「造形層」という。)が形成される。
造形が完了したか否かが判断される(S9)。完了していなければ(S9:NO)、次の層(前回処理した層の1つ上の層)のZ座標の値に座標位置が変更される(S11)。処理はS4へ戻り、次の層の立体造形データが読み出される(S4)。次の層の厚み分だけステージ11が下降され、粉体層が積層される(S5)。造形液が吐出されて、造形層が積層される(S6、S7)。造形が完了すると(S9:YES)、未硬化粉体回収処理が行われて(S12)、立体造形処理は終了する。
図9を参照して、未硬化粉体回収処理について説明する。まず、ステージ昇降モータ42が駆動され、ステージ11の下降が開始される(S21)。ステージ位置検出センサ36(図5〜図7参照)の検出結果から、ステージ11が昇降範囲の下端に到達したか否かが判断される(S22)。下端に到達していなければ(S22:NO)、S22の判断が繰り返される。ステージ11が昇降範囲の下端に到達したと判断されると(S22:YES)、粉体吸引ポンプ48(図7参照)による未硬化粉体の吸引が開始される(S23)。加振モータ46(図5〜図7参照)の振動が開始される(S24)。ここで、本実施形態では、加振モータ46の駆動と停止とが交互に繰り返される。つまり、加振モータ46は間欠駆動される。さらに、ステージ昇降モータ42が駆動され、昇降範囲の下端部分の所定範囲(ステージ11と弾性体63との接触状態が維持される範囲)でステージ11の昇降が繰り返される(S25)。ステージ11に振動が所定時間加えられると、未硬化粉体回収処理は終了する。
本実施形態の立体造形装置1における効果について説明する。立体造形装置1では、ステージ11が昇降範囲の下端に移動すると、振動板60が弾性体63を介してステージ11の底面(詳細には、ステージ11の受け皿53の底面)に接触し、加振モータ46の振動が効率よくステージ11に伝わる。さらに、加振モータ46はステージ11には装着されていないため、ステージ11の昇降精度の悪化、ステージ11の傾き等が加振モータ46の重さによって引き起こされることはない。従って、立体造形装置1は、ステージ11の傾きの発生および昇降精度の悪化を防止しつつ、ステージ11を効率よく十分に振動させることができる。
図10は、本実施形態においてステージ11に加えられる各種振動を説明するためのグラフであり、各種振動における時間と振幅とを模式的に示している。図10に示すように、立体造形装置1は、加振モータ46によって高周波振動をステージ11に加えることができる。さらに、立体造形装置は、加振モータ46による高周波振動よりも周波数が低い低周波振動をステージ11に加えることができる。一定の周波数の振動を加えるだけでは、未硬化粉体を回収する際に、未硬化粉体を十分にステージ11から落下させることができず、粉詰まりが生じる可能性も高くなる。立体造形装置1は、高周波振動に加えて低周波振動を加えることで、円滑に未硬化粉体を回収することができる。
詳細には、立体造形装置1は、ステージ11と弾性体63とを接触させたまま、ステージ11を往復昇降させることで、ステージ11に低周波振動を加えることができる。立体造形装置1は、立体造形に必要なステージ11の昇降手段(ステージ昇降モータ42)を利用して低周波振動を加えることができ、低周波振動を加えるための別の機構を備える必要が無い。ステージ11が往復昇降すると、ステージ11と弾性体63との間の押圧力が変化して、ステージ11に加わる振動の振幅が変化する。よって、振動が不規則になり、粉詰まり等が生じる可能性はさらに低下する。
さらに、立体造形装置1は、ステージ11を下降させて接触部67(図5および図6参照)に接触させることで、ステージ11に低周波振動を加えることができる。よって、立体造形装置1は、簡易な構成で確実に低周波振動と高周波振動とをステージ11に加えることができ、未硬化粉体を円滑に回収することができる。
本実施形態における接触部67は、ステージ11の昇降経路の下端を遮断する形状に形成してある。さらに、CPU30は、ステージ11を昇降範囲の下端部分で往復昇降させて、ステージ11を接触部67に断続して衝突させる。従って、図10に示すように、ステージ11が接触部67に接触することで生じる振動はパルス振動となる。断続的に加わるパルス振動が、加振モータ46による振動と共にステージ11に加わるため、未硬化粉体は円滑に回収される。
図10に示すように、CPU30は、加振モータ46を間欠駆動する。従って、ステージ11に加わる振動は不規則となる。よって、立体造形装置1は、一定の振動によって粉詰まり等が生じる可能性を低下させることができる。
CPU30は、ステージ11が昇降範囲の下端に到達した際に、粉体吸引ポンプ48の駆動を開始する。つまり、CPU30は、ステージ11に振動が加えられるタイミングで、粉体吸引ポンプ48による吸引を開始する。ステージ11を振動させずに粉体吸引ポンプ48のみを駆動すると、回収路12等に粉詰まりが生じやすい。また、ステージ11のみを振動させて、回収路12の回収口65(図5および図6参照)に大量の未硬化粉体が集積されると、その後に吸引を開始しても十分に吸引できない可能性がある。立体造形装置1は、ステージ11に振動が加えられるタイミングで吸引を開始することで、粉詰まりが生じる可能性を低下させて円滑に未硬化粉体を回収することができる。
回収路12の回収口65は、加振モータ46に接続している。その結果、加振モータ46が発生させた振動は、回収口65にも伝わる。よって、立体造形装置1は、未硬化粉体が集積されて粉詰まりが生じやすい回収口65においても、粉詰まりが生じる可能性を低下させることができる。
加振モータ46は、振動の伝播を減衰させる除振シート58を介して筐体9に固定される。従って、立体造形装置1は、振動を加える必要の無い部分に振動が伝わることを抑制しつつ、加振モータ46の振動を効果的にステージ11に伝えることができる。
上記実施形態において、ステージ昇降モータ42が本発明の「昇降手段」に相当する。加振モータ46が本発明の「加振手段」に相当する。図9のS25でステージ11を往復昇降させるCPU30が、本発明の「昇降制御手段」として機能する。図9のS24で加振モータ46を間欠駆動するCPU30が「間欠駆動手段」として機能する。粉体吸引ポンプ48が「吸引手段」に相当する。図9のS23で粉体吸引ポンプ48の動作を制御するCPU30が「吸引制御手段」として機能する。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、様々な変形が可能であることは言うまでもない。図11を参照し、上記実施形態の変形例について説明する。上記実施形態では、ステージ11の昇降経路に固定された接触部67は、昇降経路の下端を遮断する形状に形成されている。一方で、図11に示す変形例では、造形台6(図2参照)の筐体9の内側面に、内側へ突出する複数の接触部70が設けられている。ステージ11の上部ステージ51の外周縁部には、外側へ突出する凸部56が形成されている。ステージ11が昇降すると、変形例の接触部70はステージ11の凸部56に接触するが、ステージ11の昇降経路を遮断することはない。従って、ステージ11が昇降すると、ステージ11の凸部56は複数の接触部70に連続して接触する。その結果、ステージ11には、加振モータ46による振動よりも周波数が低い低周波振動が加えられる。以上のように、接触部の形状、個数、位置は適宜変更することができる。接触部の形状、個数、位置を変更することで、ステージ11に加える振動の態様を調整し、効率よく未硬化粉体を回収することができる。
上記実施形態はその他の変更も可能である。例えば、上記実施形態では、振動板60を振動させる加振手段として加振モータ46が用いられている。しかし、ピエゾ素子等の他の加振手段を用いることも可能である。上記実施形態では、加振モータ46による高周波振動に加え、往復昇降および接触部67による低周波振動が、ステージ11に加えられる。しかし、加振モータ46の振動のみを用いて未硬化粉体を回収することも可能である。この場合にも、上記実施形態と同様に、ステージ11の昇降精度の悪化等を防止しつつ、ステージ11を効率よく振動させることができる。
上記実施形態の立体造形装置1は、加振モータ46を間欠駆動することで、ステージ11に加える振動を不規則にし、粉詰まり等が生じる可能性を低下させる。しかし、立体造形装置1は、加振モータ46を間欠駆動せずに連続して駆動してもよい。また、加振モータ46による振動と、ステージ11の往復昇降による振動とを別々にステージ11に加えてもよい。例えば、立体造形装置1は、ステージ11を弾性体63に接触させたまま所定時間待機し、高周波振動を加える。その後、ステージ11を弾性体63から離間させて往復昇降させることで、低周波振動を加える。この場合、立体造形装置1は、高周波振動と低周波振動とを別々にステージ11に加えて未硬化粉体を回収することができる。また、立体造形装置1は、加振モータ46を間欠駆動せずに連続して駆動した状態で、ステージ11を往復昇降させて、ステージ11と弾性体63の間の接触および離間を交互に繰り返してもよい。この場合、加振モータ46を間欠駆動させる場合と同様に、ステージ11に加える振動を変化させることができる。
振動板60は、加振モータ46の振動をステージ11に効率よく伝播できる形状であればよく、振動板60の形状は上記実施形態の形状に限られない。例えば、上記実施形態における振動板60の代わりに、下方が開放されて上方が閉塞された箱状の部材を使用してもよい。この場合、上方を閉塞する板面が本発明の「振動板」に相当する。また、湾曲した板、凹凸を有する板等を振動板60として使用することも可能である。振動板60を加振モータ46に直接固定せずに、板、棒等を介して固定してもよい。
同様に、弾性体63の形状も変更することができる。より具体的には、上方に突出する突起を複数備えた弾性体を用いても良い。この場合、弾性体のうち、振動を強く伝播させたい部分(回収口65に近い部分等)に多数の突起を設けることで、ステージ11に伝わる振動の強さを部位によって変化させることができる。
上記実施形態の接触部67は、ステージ11の昇降範囲の下端を遮断する形状であればよい。つまり、ステージ11に接触または係止することでステージ11の下方への移動を規制する形状であればよい。よって、接触部67の形状は矩形環状に限られず、凸状の部材、棒状に形成してもよい。同様に、変形例に係る接触部70(図11参照)の形状も凸状に限られず、環状、棒状等であってもよい。
上記実施形態の振動板60は、加振モータ46の上部に直接固定されて接続されている。しかし、振動板60は、棒・板等を介して加振モータ46に接続してもよい。棒・板等を介することで、加振モータ46を設置する位置と振動板60の位置とが離間していても、加振モータ46の振動を振動板60に伝えることができる。
上記実施形態では、回収路12の回収口65は、振動板60を介して加振モータ46に接続している。しかし、回収口65を加振モータ46に直接接続してもよいことは言うまでもない。加振モータ46を複数用いても良い。加振モータ46を固定する位置も適宜変更可能である。
上記実施形態では、ステージ11が昇降範囲の下端に到達すると、ステージ11の振動が開始する。従って、立体造形装置1は、ステージ11が昇降範囲の下端に到達したタイミングで、粉体吸引ポンプ48による吸引を開始し、粉詰まり等を防止する。しかし、吸引を開始するタイミングは変更することができる。例えば、粉体吸引ポンプ48に駆動開始の信号を出力してから、実際に吸引が開始されるまでに、所定の遅延時間が生じる場合がある。この場合、立体造形装置1は、ステージ11の振動が開始するタイミングを予測し、予測したタイミングよりも所定の遅延時間だけ前に駆動開始の信号を出力するとよい。また、図11に示す変形例の接触部70が、振動板60および弾性体63よりも上方に位置する場合には、ステージ11が昇降範囲の下端に到達する前にステージ11が振動する。この場合、立体造形装置1は、ステージ11が接触部70に接触するタイミングで吸引を開始してもよい。また、ステージ11の振動開始のタイミングと吸引開始のタイミングは全く同時でなくてもよく、多少ずれていてもよい。
立体造形装置1の他の構成も適宜変更できる。例えば、ステージ11上の立体造形粉体を平坦化して粉体層を形成する場合、平坦化ローラ16とステージ11が相対的に移動すればよい。従って、立体造形装置1は、造形台6を固定した状態で平坦化ローラ16を移動させてもよい。同様に、ヘッド20から造形液を吐出する場合、立体造形装置1は、ヘッド20を固定したまま造形台6を左右方向(X軸方向)に移動させてもよい。また、スキージ棒、板等を平坦化ローラ16の代わりに用いても、立体造形粉体を平坦化することができる。また、本発明は、未硬化粉体の回収以外の目的でステージ11を振動させる場合にも適用できる。例えば、粉体層における粉同士の隙間を埋めるためにステージ11を振動させる場合でも、本発明は適用できる。
1 立体造形装置
9 筐体
11 ステージ
12 回収路
20 ヘッド
23 粉体回収部
30 CPU
32 ROM
42 ステージ昇降モータ
46 加振モータ
48 粉体吸引ポンプ
51 上部ステージ
52 下部ステージ
53 受け皿
55 誘導口
58 除振シート
60 振動板
63 弾性体
65 回収口
67,70 接触部

Claims (9)

  1. 立体造形粉体が載置されるステージと、
    前記ステージを昇降させる昇降手段と
    を備え、前記ステージに載置された立体造形粉体に造形液を吐出して固化することで立体造形物を造形する立体造形装置であって、
    前記ステージの下方に配置され、前記ステージから落下した前記立体造形粉体が回収される回収口と、
    筐体に固定され、振動を発生させる加振手段と、
    前記ステージの昇降範囲の下端に設置され、前記加振手段に装着されて前記加振手段の動力で振動し、前記昇降範囲の下端に移動した前記ステージの底面に弾性体を介して接触する振動板と
    を備えたことを特徴とする立体造形装置。
  2. 前記加振手段が前記ステージに加える振動よりも周波数が低い低周波振動を前記ステージに加える低周波加振手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の立体造形装置。
  3. 前記低周波加振手段は、
    前記昇降手段を制御し、前記ステージを前記昇降範囲の下端部分で往復昇降させることで低周波振動を加える昇降制御手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の立体造形装置。
  4. 前記低周波加振手段は、
    前記ステージの昇降経路に固定され、昇降する前記ステージに接触する接触部を含み、
    前記昇降制御手段によって前記ステージを往復昇降させて前記接触部に接触させることで低周波振動を加えることを特徴とする請求項3に記載の立体造形装置。
  5. 前記接触部は、前記昇降経路の下端を遮断する形状に形成してあり、
    前記低周波加振手段は、前記昇降制御手段によって前記ステージを前記接触部に断続して衝突させることで、前記ステージにパルス振動を加えることを特徴とする請求項4に記載の立体造形装置。
  6. 前記ステージに振動を加える間に、前記加振手段に対し、振動と停止を交互に繰り返し実行させる間欠駆動手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の立体造形装置。
  7. 固化せずに残存した前記立体造形粉体を吸引する吸引手段と、
    前記吸引手段の動作を制御する吸引制御手段とをさらに備え、
    前記吸引制御手段は、前記ステージに振動が加えられるタイミングで前記吸引手段による吸引を開始することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の立体造形装置。
  8. 前記回収口は前記加振手段に接続することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の立体造形装置。
  9. 前記加振手段は、振動の伝播を減衰させる除振部材を介して前記筐体に固定されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の立体造形装置。
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