JP2013075057A - 風呂蓋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】浴槽の上に載せられる平板状の風呂蓋であって、前記浴槽に面する下面側部材と、前記下面側部材と対向する上面側部材と、前記上面側部材と、前記下面側部材と、のあいだに、前記上面側部材及び前記下面側部材よりも大きな曲げ強さを有する骨材と、を備え、前記浴槽の湯で前記風呂蓋が加熱されたときの前記下面側部材の熱膨張は、前記上面側部材の熱膨張よりも小さいことを特徴とする風呂蓋が提供される。
【選択図】図1
Description
断熱性の高い風呂蓋は、特に冬場など寒い環境での浴槽保温などを行う実使用上において、必然的に蓋の上面と下面とに温度差が生じる。この温度差によって、蓋の上面及び下面の材料の熱膨張量が異なってしまい、蓋がバイメタル状に反るという事象が発生する。
しかしながら、いずれの手段においても、重量の増加を招くとともにコストの上昇を招くという問題がある。
図1(a)〜(b)は、実施形態にかかる風呂蓋を例示する模式図である。
図1(a)は、風呂蓋110が浴槽300に置かれた状態を例示する模式的斜視図、図1(b)は、図1(a)に示すA−A線の模式的断面図である。
図1(a)に表したように、実施形態に係る風呂蓋110は、浴槽300のリム部310における上面311に載せられる平板状の蓋である。
実施形態に係る風呂蓋110では、浴槽300の湯Wで風呂蓋本体100が加熱されたときの下面側部材10の熱膨張量が、上面側部材20の熱膨張量よりも小さくなるよう構成されている。
ここで、曲げ強さとは、部材が曲げ変形を受けたときに破壊に至るまでの最大応力のことをいう。
上記の構成では、線膨張係数の異なる材料を用いることで、風呂蓋110の反りを抑制することができるようになる。
上記の構成では、下面側部材10及び上面側部材20の厚さを調整することにより、風呂蓋110の反りを抑制することができるようになる。
また、骨材40は、上面側部材10や下面側部材20よりも曲げ強さが大きいから、風呂蓋110にかかる荷重による変形を骨材40によって抑制することができる。
例えば、風呂蓋110を浴槽300の上に置いた場合、浴槽内302の湯Wの熱が風呂蓋本体100に加わる。この熱によって生じる骨材40の変形量は、下面側部材10の変形量よりも小さい。
例えば、湯Wの熱が下面側部材10に加わると、下面側部材10の内部には熱応力が生じる。この熱応力の一部または全部が歪みとなって骨材40に曲げ変形を与えた場合でも、下面側部材10の変形量より骨材40の変形量のほうが小さいため、風呂蓋110に大きな反りは発生しないことになる。
なお、以下の説明において、各具体例に係る風呂蓋及び風呂蓋本体を示す場合には各具体例の説明でそれぞれ付した符号を用い、区別しないで総称する場合には風呂蓋110及び風呂蓋本体100ということにする。
図2の一部には、図1(a)に表したA−A線に沿った断面が表されている。
第1の具体例に係る風呂蓋120は、下面側部材10と、上面側部材20と、を含む風呂蓋本体100を備える。風呂蓋本体100Aは、下面側部材10と、上面側部材20と、のあいだに設けられた骨材40をさらに含む。
例えば、下面側部材10の材料の線膨張係数が、上面側部材20の材料の線膨張係数よりも小さくなっている。
風呂蓋120では、上面側部材20の材料としてPPが用いられた場合、上面側部材20の厚さは、例えば0.5ミリメートル(mm)以上、1.0mm以下である。
風呂蓋120では、下面側部材10の材料として低強度発泡材が用いられた場合、下面側部材10の断熱性としては、熱抵抗値(R値)で0.2(m2K/W)以上のものが望ましい。
熱抵抗値(R値)は、部材の厚さを、部材の熱伝導率で除した値である。
骨材40の厚さは、例えば5mm以上、10mm以下である。
このような構成により、特殊な素材を用いることなく、上下面の温度差による風呂蓋120の熱反りが十分に抑制されるとともに、風呂蓋120の軽量性及び低コスト性が達成される。
図3の一部には、図1(a)に表したA−A線に沿った断面が表されている。
第2の具体例に係る風呂蓋130は、下面側部材10と、上面側部材20と、を含む風呂蓋本体100Aを備える。風呂蓋本体100Aは、下面側部材10と、上面側部材20と、のあいだに設けられた骨材40及び断熱部材30をさらに含む。
すなわち、風呂蓋本体100Aは、下面側部材10と、上面側部材20と、のあいだに骨材40及び断熱部材30を挟んだ構造を有する。骨材40は、上面側部材20と、断熱部材30と、のあいだに配置される。
例えば、下面側部材10の材料の線膨張係数が、上面側部材20の材料の線膨張係数よりも小さくなっている。
風呂蓋130では、上面側部材20の材料としてPPが用いられた場合、上面側部材20の厚さは、例えば0.5mm以上、1.0mm以下である。
風呂蓋130では、下面側部材10の材料としてPSが用いられた場合、下面側部材10の厚さは、例えば0.5mm以上、1.0mm以下である。
骨材40の厚さは、例えば5mm以上、10mm以下である。
風呂蓋130では、断熱部材30の材料として低強度発泡材が用いられた場合、断熱部材30の断熱性としては、熱抵抗値(R値)で0.2(m2K/W)以上のものが望ましい。
したがって、骨材40自体の曲げ応力及び熱変形を小さく抑えることができ、風呂蓋130の全体の大きな熱反りを抑制することができる。
上面側部材20には、厚さ約1mmのPPを用いる。PPの線膨張係数は、11×10−5/℃である。上面側部材20には複数の溝20aを設けたリブ構造を適用し、平面曲げ剛性をできるだけ高める。
断熱部材30には、熱抵抗値(R値)が0.2(m2K/W)以上の低強度発泡材を用いる。
下面側部材10には、厚さ約0.5mmのPSまたはPCを用いる。PSの線膨張係数は、5×10−5/℃である。PCの線膨張係数は、6×10−5/℃である。
このような構成により、特殊な素材を用いることなく、上下面の温度差による風呂蓋130の熱反りが十分に抑制されるとともに、風呂蓋130の軽量性及び低コスト性が達成される。
例えば、図1(b)に表したように、風呂蓋110の断面形状を上下で非対称にする。下面側部材10の一部に下向き(浴槽300側)に凸となる凸部10aを設ける。凸部10aの側面には、例えば湾曲部10rが設けられる。この湾曲部10rは、浴槽300のリム部310と側壁320との間に設けられた曲面311rに倣う形状になっている。
実施形態において、風呂蓋110の断熱性は熱抵抗値(R値)によって表される。
熱抵抗値であるR値(m2K/W)は、部材(風呂蓋)の厚さ(t)を、部材の熱伝導率(λ)で除した値である。
実施形態に係る風呂蓋110のR値は、0.22(m2K/W)以上、好ましくは0.25(m2K/W)以上である。
ここで、R値の一例を示す。
アルミ複合材(樹脂の心材をアルミニウム板で挟んだ複合材)のR値は、厚さ6mmで0.15(m2K/W)である。
合板(木材)のR値は、厚さ9mmで0.16(m2K/W)である。
中空層を持つ樹脂製シャッター風呂蓋のR値は、厚さ20mmで0.17(m2K/W)である。
樹脂中空ブロー成形による風呂蓋のR値は、上限で0.22(m2K/W)である。
したがって、十分な断熱性を得るためには、実施形態に係る風呂蓋110のR値として、0.22(m2K/W)以上、好ましくは0.25(m2K/W)以上にするとよい。
例えば、実施形態では、平面外形が略四角形の風呂蓋110を例示したが、風呂蓋110の外形は略四角形にかぎらず、略円形、略楕円形など、浴槽300の開口形状に対応して各種の形状にすることができる。
また、風呂蓋110においては、風呂蓋本体100を外側を覆う外装(フィルム、塗装、防汚・防かび等のコーティングなど)が設けられていてもよい。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (6)
- 浴槽の上に載せられる平板状の風呂蓋であって、
前記浴槽に面する下面側部材と、
前記下面側部材と対向する上面側部材と、
前記上面側部材と、前記下面側部材と、のあいだに、前記上面側部材及び前記下面側部材よりも大きな曲げ強さを有する骨材と、を備え、
前記浴槽の湯で前記風呂蓋が加熱されたときの前記下面側部材の熱膨張は、前記上面側部材の熱膨張よりも小さいことを特徴とする風呂蓋。 - 前記下面側部材の材料の線膨張係数は、前記上面側部材の材料の線膨張係数よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の風呂蓋。
- 前記湯から前記風呂蓋に熱が加わった際、前記骨材の変形量は、前記下面側部材の変形量よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の風呂蓋。
- 前記下面側部材及び前記上面側部材は、前記風呂蓋の表面を水密状に覆う表皮材であることを特徴とする請求項3記載の風呂蓋。
- 前記下面側部材の線膨張係数は、前記上面側部材の線膨張係数の半分以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の風呂蓋。
- 前記風呂蓋は、上下を反転させた使用を制限する形状を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の風呂蓋。
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