JP2013073952A - チップ型電子部品及びチップ型電子部品の実装構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】端子電極における内部応力の低減と、はんだ食われの防止及び接触抵抗の低減とを両立できるチップ型電子部品及びこれを用いた実装構造を提供する。
【解決手段】積層コンデンサ1において端子電極3は、CuコートされたNi粉を含有する第1の樹脂電極層3aが、最外層であるSnめっき層3bの内側に隣接している。この第1の樹脂電極層3aに含まれるNi粉はCuによってコートされている。第1の樹脂電極層はCu粉を含有しても良い。最外層はSnコートされたNi粉を含有する第2の樹脂電極層としても良い。そして、端子電極はNiめっき層を有していない。
【選択図】図1
【解決手段】積層コンデンサ1において端子電極3は、CuコートされたNi粉を含有する第1の樹脂電極層3aが、最外層であるSnめっき層3bの内側に隣接している。この第1の樹脂電極層3aに含まれるNi粉はCuによってコートされている。第1の樹脂電極層はCu粉を含有しても良い。最外層はSnコートされたNi粉を含有する第2の樹脂電極層としても良い。そして、端子電極はNiめっき層を有していない。
【選択図】図1
Description
本発明は、チップ型電子部品及びこれを用いた実装構造に関する。
従来のチップ型電子部品として、例えば特許文献1に記載の積層コンデンサがある。この従来の積層コンデンサは、誘電体層の間に内部電極を配置してなる略直方体形状の素体と、素体の表面に形成されて内部電極と接続される端子電極とを備えている。素体の表面には、内部電極の端部とつながる金属製の凸部が設けられており、端子電極は、凸部を覆うように形成された導電性樹脂と、導電性樹脂を覆うめっき層とによって構成されている。
上述した従来のチップ型電子部品では、端子電極のめっき層として、導電性樹脂を覆うNiめっき層と、Niめっき層をさらに覆うSnめっき層とが形成されている。Niめっき層を形成する場合、内部電極或いは内側の層との間の接触抵抗を良好に低減できるほか、チップ型電子部品をはんだ等で回路基板に実装する際に、端子電極にはんだ食われが発生することを抑制できる。しかしながら、Niめっき層は、比較的高い内部応力を有するため、素体の割れや端子電極の他の層との剥離などを生じさせる要因ともなり得る。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、端子電極における内部応力の低減と、はんだ食われの防止及び接触抵抗の低減とを両立できるチップ型電子部品及びこれを用いた実装構造を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係るチップ型電子部品は、内部電極を有する素体と、素体の表面に形成され、内部電極に接続される端子電極と、を備えたチップ型電子部品であって、端子電極は、はんだ成分を含有する最外層と、最外層の内側に隣接し、CuコートされたNi粉を含有する第1の樹脂電極層と、を有していることを特徴としている。
このチップ型電子部品では、CuコートされたNi粉を含有する第1の樹脂電極層が、はんだ成分を含有する最外層の内側に隣接している。この第1の樹脂電極層に含まれるNi粉によって、チップ型電子部品を回路基板に実装する際のはんだ食われを防止できると共に、Ni粉をコートするCuによって内部電極との間の接触抵抗の低減が図られる。また、この第1の樹脂電極層は、従来のNiめっき層と比べて内部応力が小さいため、素体の割れや端子電極の他の層の剥離といった不具合の発生を抑えることも可能となる。さらに、第1の樹脂電極層は樹脂成分を含むため、チップ型電子部品を回路基板等に実装する際の応力の緩和にも寄与する。
また、第1の樹脂電極層は、Cu粉を更に含有していることが好ましい。この場合、接触抵抗の一層の低減が図られる。
また、最外層は、Snめっき層であることが好ましい。この場合、リフロー時のはんだ濡れ性を十分に確保でき、回路基板等へのチップ型電子部品の実装を容易に行うことが可能となる。
また、最外層は、SnコートされたNi粉を含有する第2の樹脂電極層であることが好ましい。この場合、めっき層が不要となる。また、Ni粉によって第2の樹脂電極層の保形性を確保できると共に、樹脂電極層が複数となることにより、チップ型電子部品を回路基板等に実装する際の応力を一層緩和できる。
また、内部電極は、卑金属によって形成され、素体の外側に隣接して第1の樹脂電極層が形成されていることが好ましい。この場合、内部電極と第1の樹脂電極層との親和性が保たれ、接触抵抗を良好に低減できる。
また、端子電極は、導電ペーストを焼き付けてなる焼付電極層を有し、素体の外側に隣接して焼付電極層が形成され、焼付電極層の外側に隣接して第1の樹脂電極層が形成されていることが好ましい。このような構成によれば、内部電極と焼付電極層との間の接触抵抗と、焼付電極層と第1の樹脂電極層との間の接触抵抗とを低減できる。
また、端子電極は、Cu粉を含有した第3の樹脂電極層を有し、素体の外側に隣接して第3の樹脂電極層が形成され、第3の樹脂電極層の外側に隣接して第1の樹脂電極層が形成されていることが好ましい。このような構成によれば、内部電極と第3の樹脂電極層との間の接触抵抗と、第3の樹脂電極層と第1の樹脂電極層との間の接触抵抗とを低減できる。また、樹脂電極層が複数となることにより、チップ型電子部品を回路基板等に実装する際の応力を一層緩和できる。
また、端子電極は、Niめっき層を有していないことが好ましい。応力の比較的大きいNiめっき層を有していないことで、素体の割れや端子電極の他の層の剥離といった不具合の発生をより確実に抑えられる。
また、本発明に係るチップ型電子部品の実装構造は、上記チップ型電子部品をはんだによって回路基板に接続してなることを特徴としている。
このチップ型電子部品の実装構造では、チップ型電子部品において、CuコートされたNi粉を含有する第1の樹脂電極層が、はんだ成分を含有する最外層の内側に隣接している。この第1の樹脂電極層に含まれるNi粉によって、チップ型電子部品を回路基板に実装する際のはんだ食われを防止できると共に、Ni粉をコートするCuによって内部電極との間の接触抵抗の低減が図られる。また、この第1の樹脂電極層は、従来のNiめっき層と比べて内部応力が小さいため、素体の割れや端子電極の他の層の剥離といった不具合の発生を抑えることも可能となる。さらに、第1の樹脂電極層は樹脂成分を含むため、チップ型電子部品を回路基板等に実装する際の応力の緩和にも寄与する。
本発明に係るチップ型電子部品及び実装構造によれば、端子電極における内部応力の低減と、はんだ食われの防止及び接触抵抗の低減とを両立できる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るチップ型電子部品及びチップ型電子部品の実装構造の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係るチップ型電子部品の第1実施形態を示す断面図である。同図では、チップ型電子部品の一例として回路基板11に実装された積層コンデンサ1の実装構造W1を示している。積層コンデンサ1は、誘電体層4を介在させて第1の内部電極5と第2の内部電極6とが交互に積層されてなる略直方体形状の素体2と、素体2の長手方向の両端部を覆うようにそれぞれ形成された一対の端子電極3,3とを備えている。
図1は、本発明に係るチップ型電子部品の第1実施形態を示す断面図である。同図では、チップ型電子部品の一例として回路基板11に実装された積層コンデンサ1の実装構造W1を示している。積層コンデンサ1は、誘電体層4を介在させて第1の内部電極5と第2の内部電極6とが交互に積層されてなる略直方体形状の素体2と、素体2の長手方向の両端部を覆うようにそれぞれ形成された一対の端子電極3,3とを備えている。
回路基板11は、図1に示すように、積層コンデンサ1の端子電極3,3に対応するランド電極12を有している。ランド電極12は、例えば銅箔によって形成されており、例えばSn−Ag−Cuを含むはんだペーストが付与されている。このはんだペーストの融点は例えば220℃となっており、積層コンデンサ1の端子電極3,3に含まれるはんだ成分の融点よりもわずかに低い融点となっている。
積層コンデンサ1と回路基板11とは、加熱によるはんだフィレットPの形成により、積層コンデンサ1側のはんだ成分とランド電極12側の第2のはんだ成分とが一体化することによって互いに電気的に接続されている。
素体2の誘電体層4は、例えばBaTiO3系、Ba(Ti,Zr)O3系、(Ba,Ca)TiO3系といった電歪特性を有する誘電体材料を含むセラミックグリーンシートの積層体を焼結することによって形成されている。
第1の内部電極5と第2の内部電極6とは、例えば粒径0.1μm〜5.0μm程度のNi、Cu、Pd、Agといった導電性材料を含む導電ペーストを印刷等によってセラミックグリーンシート上にパターン形成し、これを焼結することによって形成されている。第1の内部電極5と第2の内部電極6とは、少なくともグリーンシート1層分に相当する誘電体層4を挟むようにして積層方向に交互に配置されている。
第1の内部電極5の端部は、素体2の長手方向の一端面に延びており、当該一端面に露出している。第2の内部電極6の端部は、素体における長手方向の他端面に延びており、当該他端面に露出している。第1の内部電極5と第2の内部電極6とによって挟まれる素体領域は、積層コンデンサ1の静電容量を実質的に発生させる部分となっている。
端子電極3は、より具体的には、素体2の外側に隣接して形成される第1の樹脂電極層3aと、第1の樹脂電極層3aの外側に隣接して形成されるSnめっき層3bとによって2層構成となっている。第1の樹脂電極層3aは、樹脂成分と、Ni粉と、Cu粉とを含む樹脂ペーストを100℃〜200℃程度の温度で熱硬化することによって厚さ10μm〜50μm程度に形成されている。樹脂ペーストは、図2(a)に示すように、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリミアン類などの樹脂成分中に、粒径1μm〜10μm程度のNi粉と、粒径0.5μm以下程度のCu粉とを含有させたものであり、金属含有率は例えば70wt%〜90wt%となっている。
この樹脂ペーストを上記温度で熱硬化させると、Cu粉の一部が溶融し、Ni粉の表面がCuによってコートされた状態となる。したがって、樹脂ペーストを熱硬化して得られた第1の樹脂電極層3aでは、図2(b)に示すように、樹脂成分中に、CuコートされたNi粉と、溶融せずに残存したCu粉とが混在した状態となっている。
Snめっき層3bは、例えば無電解めっき法等を用いて厚さ1μm〜5μm程度に形成されている。このSnめっき層3bは、端子電極3の最外層となっており、リフロー時のはんだ濡れ性を向上させる層として機能する。
以上のような積層コンデンサ1では、CuコートされたNi粉を含有する第1の樹脂電極層3aが、最外層であるSnめっき層3bの内側に隣接している。この第1の樹脂電極層3aに含まれるNi粉によって、積層コンデンサ1を回路基板11に実装する際のはんだ食われを防止できると共に、Ni粉をコートするCuによって第1の樹脂電極層3aと内部電極5,6との間の接触抵抗の低減が図られる。また、CuコートされたNi粉により、第1の樹脂電極層3aとSnめっき層3bとの接触抵抗を低減できるほか、第1の樹脂電極層3aと素体2と密着強度を向上させることができる。また、図2(b)に示したように、第1の樹脂電極層3aにCu粉の一部を残存させておくことで、残存した微小なCu粉が内部電極5,6の引き出し部分とNi粉のCuコート部分とに接合されるので、第1の樹脂電極層3aと内部電極5,6との間の導通性を確実なものとすることができる。
また、この第1の樹脂電極層3aは、従来のNiめっき層と比べて内部応力が小さいため、素体2の割れや端子電極3の他の層の剥離といった不具合の発生を抑えることも可能となる。さらに、第1の樹脂電極層3aは、樹脂成分を含むため、積層コンデンサ1を回路基板11に実装する際の応力の緩和にも寄与させることができる。
なお、積層コンデンサ1においては、Ni等の卑金属によって第1の内部電極5及び第2の内部電極6を形成することが特に好ましい。この場合、内部電極5,6中のNiと第1の樹脂電極層3a中のCuとの親和性により、内部電極5,6と第1の樹脂電極層3aとの間の導通性を更に確実なものとすることができる。
[第2実施形態]
図3は、本発明に係るチップ型電子部品の第2実施形態を示す断面図である。同図に示すように、第2実施形態の積層コンデンサ21及び実装構造W2は、端子電極3の最外層が第2の樹脂電極層3cとなっている点で、端子電極3の最外層がSnめっき層3bである第1実施形態と異なっている。
図3は、本発明に係るチップ型電子部品の第2実施形態を示す断面図である。同図に示すように、第2実施形態の積層コンデンサ21及び実装構造W2は、端子電極3の最外層が第2の樹脂電極層3cとなっている点で、端子電極3の最外層がSnめっき層3bである第1実施形態と異なっている。
第2の樹脂電極層3cは、樹脂成分と、Ni粉と、Sn粉とを含む樹脂ペーストを100℃〜200℃程度の温度で熱硬化することによって厚さ10μm〜50μm程度に形成されている。樹脂ペーストは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリミアン類などの樹脂成分中に、粒径10μm以下程度のSn粉と、粒径1μm〜10μm程度のNi粉とを含有させたものであり、金属含有率は、例えば70wt%〜90wt%となっている。
この樹脂ペーストを上記温度で熱硬化させると、Sn粉が溶融し、Ni粉の表面がSnによってコートされた状態となる。したがって、樹脂ペーストを熱硬化して得られた第2の樹脂電極層3cでは、図4に示すように、樹脂成分中に、SnコートされたNi粉が存在した状態となっている。
このような積層コンデンサ21においても、第1実施形態と同様に、第1の樹脂電極層3aに含まれるNi粉によって、積層コンデンサ21を回路基板11に実装する際のはんだ食われを防止できると共に、Ni粉をコートするCuによって内部電極5,6と第1の樹脂電極層3aとの間の導通性を確実なものとすることができる。
また、この積層コンデンサ21では、第2の樹脂電極層3cにより、めっき層が不要となる。このため、めっき層を形成する工程が不要となるので、端子電極3にめっき液が浸入することによる初期絶縁抵抗不良や耐圧不良の発生を回避できる。第2の樹脂電極層3cの保形性は、SnコートされたNi粉によって確保され、端子電極3を構成する樹脂電極層が複数となることにより、積層コンデンサ21を回路基板11に実装する際の応力を一層緩和できる。
なお、第2の樹脂電極層3cを形成する樹脂ペーストにCu粉を更に含有させてもよい。この場合、樹脂ペーストを熱硬化して得られた第2の樹脂電極層3cでは、図5に示すように、SnコートされたNi粉がCuによって更にコートされた状態となる。これにより、第1の樹脂電極層3a及び第2の樹脂電極層3cの双方にNi粉をコートするCuが含まれることとなるので、第1の樹脂電極層3aと第2の樹脂電極層3cとの間の接触抵抗の低減が図られる。
[第3実施形態]
図6は、本発明に係るチップ型電子部品の第3実施形態を示す断面図である。同図に示すように、第3実施形態の積層コンデンサ31及び実装構造W3は、第1の樹脂電極層3aの内側に焼付電極層3dが更に設けられており、端子電極3が3層構成となっている点で第1実施形態と異なっている。すなわち、積層コンデンサ31の端子電極3では、素体2の外側に隣接して焼付電極層3dが形成され、焼付電極層3dの外側に隣接して第1の樹脂電極層3aが形成され、さらに、第1の樹脂電極層3aの外側に隣接してSnめっき層3bが形成されている。
図6は、本発明に係るチップ型電子部品の第3実施形態を示す断面図である。同図に示すように、第3実施形態の積層コンデンサ31及び実装構造W3は、第1の樹脂電極層3aの内側に焼付電極層3dが更に設けられており、端子電極3が3層構成となっている点で第1実施形態と異なっている。すなわち、積層コンデンサ31の端子電極3では、素体2の外側に隣接して焼付電極層3dが形成され、焼付電極層3dの外側に隣接して第1の樹脂電極層3aが形成され、さらに、第1の樹脂電極層3aの外側に隣接してSnめっき層3bが形成されている。
焼付電極層3dは、例えば粒径0.5μm〜30μm程度のCu粉末及びガラスフリットを含む導電ペーストを浸漬法などによって素体2の長手方向の端部に付与し、これを焼結することによって形成されている。
このような積層コンデンサ31においても、第1実施形態と同様に、第1の樹脂電極層3aに含まれるNi粉によって、積層コンデンサ31を回路基板11に実装する際のはんだ食われを防止できる。また、焼付電極層3dにCuが含まれ、第1の樹脂電極層3aにNi粉をコートするCuが含まれているので、内部電極5,6と焼付電極層3dとの間の接触抵抗と、焼付電極層3dと第1の樹脂電極層3aとの間の接触抵抗とをいずれも良好に低減できる。
なお、第1の内部電極5及び第2の内部電極6にNiを用いる場合には、Ni粉末を含む導電ペーストを素体2の長手方向の端部に付与することで焼付電極層3dを構成できるが、内部電極5,6と焼付電極層3dとを同時に焼結させて作製することも可能である。
[第4実施形態]
図7は、本発明に係るチップ型電子部品の第4実施形態を示す断面図である。同図に示すように、第4実施形態の積層コンデンサ41及び実装構造W4は、第1の樹脂電極層3aの内側に第3の樹脂電極層3eが更に設けられており、端子電極3が3層構成となっている点で第1実施形態と異なっている。すなわち、積層コンデンサ41の端子電極3では、素体2の外側に隣接して第3の樹脂電極層3eが形成され、第3の樹脂電極層3eの外側に隣接して第1の樹脂電極層3aが形成され、さらに、第1の樹脂電極層3aの外側に隣接してSnめっき層3bが形成されている。
図7は、本発明に係るチップ型電子部品の第4実施形態を示す断面図である。同図に示すように、第4実施形態の積層コンデンサ41及び実装構造W4は、第1の樹脂電極層3aの内側に第3の樹脂電極層3eが更に設けられており、端子電極3が3層構成となっている点で第1実施形態と異なっている。すなわち、積層コンデンサ41の端子電極3では、素体2の外側に隣接して第3の樹脂電極層3eが形成され、第3の樹脂電極層3eの外側に隣接して第1の樹脂電極層3aが形成され、さらに、第1の樹脂電極層3aの外側に隣接してSnめっき層3bが形成されている。
第3の樹脂電極層3eは、樹脂成分と、Cu粉とを含む樹脂ペーストを100℃〜200℃程度の温度で熱硬化することによって厚さ10μm〜50μm程度に形成されている。樹脂ペーストは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリミアン類などの樹脂成分中に、粒径0.1μm〜10μm程度のCu粉を含有させたものであり、金属含有率は例えば70wt%〜90wt%となっている。樹脂ペーストを上記温度で熱硬化して得られた第3の樹脂電極層3eでは、図8に示すように、樹脂成分中のCu粉が互いに接触した状態となっている。
このような積層コンデンサ41においても、第1実施形態と同様に、第1の樹脂電極層3aに含まれるNi粉によって、積層コンデンサ1を回路基板11に実装する際のはんだ食われを防止できる。また、第1の樹脂電極層3aにNi粉をコートするCuが含まれ、第3の樹脂電極層3eにもCu粉が含まれるので、内部電極5,6と第3の樹脂電極層3eとの間の導通性を確実なものとすることができ、さらに、第3の樹脂電極層3eと第1の樹脂電極層3aとの間の接触抵抗を良好に低減できる。さらに、端子電極3を構成する樹脂電極層が複数となることにより、積層コンデンサ1を回路基板11に実装する際の応力を一層緩和できる。
1,21,31,41…積層コンデンサ(チップ型電子部品)、2…素体、3…端子電極、3a…第1の樹脂電極層、3b…Snめっき層、3c…第2の樹脂電極層、3d…焼付電極層、3e…第3の樹脂電極層、5…第1の内部電極(内部電極)、6…第2の内部電極(内部電極)、W1〜W4…実装構造。
Claims (9)
- 内部電極を有する素体と、
前記素体の表面に形成され、前記内部電極に接続される端子電極と、を備えたチップ型電子部品であって、
前記端子電極は、
はんだ成分を含有する最外層と、
前記最外層の内側に隣接し、CuコートされたNi粉を含有する第1の樹脂電極層と、を有していることを特徴とするチップ型電子部品。 - 前記第1の樹脂電極層は、Cu粉を更に含有していることを特徴とする請求項1記載のチップ型電子部品。
- 前記最外層は、Snめっき層であることを特徴とする請求項1又は2記載のチップ型電子部品。
- 前記最外層は、SnコートされたNi粉を含有する第2の樹脂電極層であることを特徴とする請求項1又は2記載のチップ型電子部品。
- 前記内部電極は、卑金属によって形成され、
前記素体の外側に隣接して前記第1の樹脂電極層が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のチップ型電子部品。 - 前記端子電極は、導電ペーストを焼き付けてなる焼付電極層を有し、
前記素体の外側に隣接して前記焼付電極層が形成され、
前記焼付電極層の外側に隣接して前記第1の樹脂電極層が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のチップ型電子部品。 - 前記端子電極は、Cu粉を含有した第3の樹脂電極層を有し、
前記素体の外側に隣接して前記第3の樹脂電極層が形成され、
前記第3の樹脂電極層の外側に隣接して前記第1の樹脂電極層が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のチップ型電子部品。 - 前記端子電極は、Niめっき層を有していないことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載のチップ型電子部品。
- 請求項1〜8のいずれか一項記載のチップ型電子部品をはんだによって回路基板に接続してなるチップ型電子部品の実装構造。
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