JP2013073724A - リチウムイオン二次電池正極用合材ペースト - Google Patents

リチウムイオン二次電池正極用合材ペースト Download PDF

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Abstract

【課題】正極活物質の沈降を抑制した塗工性と経時安定性に優れたリチウムイオン二次電池正極用合材ペースト、およびこれを用いて得られる充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池用正極、およびリチウムイオン二次電池を提供すること。
【解決手段】 正極活物質と、バインダーと、導電助剤である炭素材料と、溶剤と、分散剤と、一般式(1)および/または一般式(2)および/または一般式(3)で表される塩とを含むリチウムイオン二次電池正極用合材ペースト。
一般式(1) AXa
(式中、AはLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Baから選ばれるa価の元素、Xはハロゲンである。aはAの価数である。)
一般式(2) NH4
(式中、Xはハロゲンである。)
一般式(3) D(HX)d
(式中、Dはアミノ基をd個有するアミン、Xはハロゲンである。dはD中のアミノ基の数に相当する整数である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、正極活物質の沈降を抑制したリチウムイオン二次電池正極用合材ペーストに関する。また、該合材ペーストを使用して合材層が形成されてなるリチウムイオン二次電池用正極、および該正極を構成要素とするリチウムイオン二次電池に関する。
近年、デジタルカメラや携帯電話のような小型携帯型電子機器が広く用いられるようになってきた。これらの電子機器には、容積を最小限にし、かつ重量を軽くすることが常に求められてきており、搭載される電池においても、小型、軽量かつ大容量の電池の実現が求められている。また、自動車搭載用などの大型二次電池においても、従来の鉛蓄電池に代えて、大型の非水電解質二次電池の実現が望まれている。
そのような要求に応えるため、リチウムイオン二次電池の開発が活発に行われている。リチウムイオン二次電池の電極としては、リチウムイオンを含む正極活物質と導電助剤と有機バインダーなどからなる電極合材を金属箔の集電体の表面に固着させた正極、及び、リチウムイオンの脱挿入可能な負極活物質と導電助剤と有機バインダーなどからなる電極合材を金属箔の集電体の表面に固着させた負極が使用されている。
一般的に、正極活物質としてはコバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム等のリチウム遷移金属複合酸化物が用いられているが、これらは比重の大きい粉末材料である。そのため、正極合材ペーストを調製した後、静置しておいた場合、活物質が時間の経過とともに徐々に沈降し、均一な状態を保ちにくい。沈降が顕著な合材ペーストは、配管途中での沈降、堆積による閉塞のリスクや、合材ペーストの組成が沈降に伴って変化することで、形成される合材層の組成や厚さが一定せず、均一な電極を得にくいという問題があった。
ここで、正極活物質の沈降を防止する方法の一つとして、合材ペーストの高粘度化が考えられる。例えば、バインダーの添加量を多くすることで、ペーストが増粘し、正極活物質の沈降を防止できる効果が得られる。しかし、この方法によると合材層中の活物質の比率が減少することで電池重量あたりの放電容量が減少する、バインダーの比率が増えることで合材層の導電性が低下するといった懸念がある。そのためバインダーの添加量には限界があり、充放電容量に優れた電池を得ることは困難である。
そこで、合材ペーストにチクソトロピー性を付与して活物質の沈降を防ぐ種々の沈降防止剤を用いることが提案されている。例えば、特許文献1には酸化ポリエチレン、脂肪酸アマイド、脂肪酸グリセリドを沈降防止剤として用いることの開示がある。しかしながらこの場合も、添加量を多くすると電池特性への影響が懸念されるため、添加量には限界があり、充放電容量に優れた電池を得ることは困難である。
一方で、特許文献2、特許文献3にあるように導電助剤である炭素材料を、分散剤を用いて分散することで、均一な導電ネットワークを形成し、電極の内部抵抗の低減を図る試みがなされてきた。しかしながら一般的に、単に分散剤を用いたペーストは、その粘度が低下し、チクソトロピー性が失われるという傾向がある。このため、単に分散剤を含有する合材ペーストは、かえって活物質が沈降しやすく、均一な分散状態を保ちにくいという問題があった。このように、合材ペーストを高粘度化したり、チクソトロピー性を付与することは、分散剤を含有しない合材ペーストよりも製造することが困難である。
特開2001−266855号公報 特開2003−157846号公報 特許第4240157号公報
以上のような問題に鑑み、本発明は、正極活物質の沈降を抑制した、塗工性に優れた粘度を有し、しかも経時安定性(保存安定性)に優れたリチウムイオン二次電池正極用合材ペーストを提供することを目的とする。また、本発明のリチウムイオン二次電池正極用合材ペーストを用いることで、充放電サイクルを繰り返しても放電容量維持率が低下しにくい、充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池用正極、およびリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、正極活物質と、バインダーと、導電助剤である炭素材料と、溶剤と、分散剤と、一般式(1)および/または一般式(2)および/または一般式(3)で表される塩とを含むことで、正極活物質の沈降を抑制したリチウムイオン二次電池正極用合材ペーストを調製できることを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は、正極活物質と、バインダーと、導電助剤である炭素材料と、溶剤と、分散剤と、一般式(1)および/または一般式(2)および/または一般式(3)で表される塩とを含む、リチウムイオン二次電池正極用合材ペーストに関する。
一般式(1) AXa
(式中、AはLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Baから選ばれるa価の元素である。Xはハロゲンである。aはAの価数であり1または2の整数である。)
一般式(2) NH4
(式中、Nは窒素、Hは水素、Xはハロゲンである。)
一般式(3) D(HX)d
(式中、Dは分子内にアミノ基をd個有するアミンである。Hは水素、Xはハロゲンである。dはDの分子内のアミノ基の数であり1以上の整数である。)
また本発明は、合材ペースト中の総固形分に占める塩の割合が0.2重量%未満である前記リチウムイオン二次電池正極用合材ペーストに関する。
また本発明は、前記リチウムイオン二次電池正極用合材ペーストを使用して合材層が形成されてなるリチウムイオン二次電池用正極に関する。
また本発明は、集電体上に正極合材層を有する正極と、集電体上に負極合材層を有する負極と、リチウムを含む電解質とを具備するリチウムイオン二次電池であって、正極が前記リチウムイオン二次電池用正極であるリチウムイオン二次電池に関する。
本発明により、正極活物質の沈降を抑制した、塗工性に優れた粘度を有し、しかも経時安定性(保存安定性)に優れたリチウムイオン二次電池正極用合材ペースト、およびこれを用いることで、充放電サイクルを繰り返しても放電容量維持率が低下しにくい、充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池が得られる。
本発明におけるリチウムイオン二次電池正極用合材ペーストは、正極活物質と、バインダーと、導電助剤である炭素材料と、溶剤と、分散剤と、一般式(1)および/または一般式(2)および/または一般式(3)で表される塩とを含むことを特徴とするが、以下にその詳細を説明する。
<正極活物質>
本発明で使用する正極活物質としては特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属酸化物、金属硫化物等の金属化合物、および導電性高分子等を使用することができる。
例えば、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn24またはLixMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LixCo2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLixNi1-yCoy2)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLixMnyCo1-y2)、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(例えばLixNi1/3Co1/3Mn1/32)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えばLixMn2-yNiy4)等のリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物粉末(例えばLixFePO4、LixFe1-yMnyPO4、LixCoPO4など)、酸化マンガン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、バナジウム酸化物(例えばV25、V613)、酸化チタン等の遷移金属酸化物粉末、硫酸鉄(Fe2(SO43)、TiS2、およびFeS等の遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。
これら正極活物質は、1種または複数を組み合わせて使用することも出来る。
<バインダー>
本発明で使用するバインダーとしては特に限定はされないが、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、スチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルピロリドン等を構成単位として含む重合体または共重合体;ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂;カルボキシメチルセルロースのようなセルロース樹脂;スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴムのようなゴム類;ポリアニリン、ポリアセチレンのような導電性樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂の変性体や混合物、および共重合体でも良い。特に、耐性面から分子内にフッ素原子を含む高分子化合物、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン等の使用が好ましい。
また、バインダーとしてのこれらの樹脂類の重量平均分子量は、10,000〜1,000,000が好ましい。分子量が小さいとバインダーの耐性が低下することがあるため好ましくない。分子量が大きくなるとバインダーの耐性は向上するものの、バインダー自体の粘度が高くなり作業性が低下するとともに、凝集剤として働き、合材成分が著しく凝集してしまうことがあるため好ましくない。
<導電助剤(炭素材料)>
本発明における導電助剤としては、炭素材料が最も好ましい。炭素材料としては、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されるものではないが、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、フラーレン等を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、およびコスト面から、カーボンブラックの使用が好ましい。
カーボンブラックとしては、気体もしくは液体の原料を反応炉中で連続的に熱分解し製造するファーネスブラック、特にエチレン重油を原料としたケッチェンブラック、原料ガスを燃焼させて、その炎をチャンネル鋼底面にあて急冷し析出させたチャンネルブラック、ガスを原料とし燃焼と熱分解を周期的に繰り返すことにより得られるサーマルブラック、特にアセチレンガスを原料とするアセチレンブラックなどの各種のものを単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。また、通常行われている酸化処理されたカーボンブラックや、中空カーボン等も使用できる。
カーボンの酸化処理は、カーボンを空気中で高温処理したり、硝酸や二酸化窒素、オゾン等で二次的に処理したりすることより、例えばフェノール基、キノン基、カルボキシル基、カルボニル基の様な酸素含有極性官能基をカーボン表面に直接導入(共有結合)する処理であり、カーボンの分散性を向上させるために一般的に行われている。しかしながら、官能基の導入量が多くなる程カーボンの導電性が低下することが一般的であるため、酸化処理をしていないカーボンの使用が好ましい。
用いるカーボンブラックの比表面積は、値が大きいほど、カーボンブラック粒子同士の接触点が増えるため、電極の内部抵抗を下げるのに有利となる。具体的には、窒素の吸着量から求められる比表面積(BET)で、20m2/g以上、1500m2/g以下、好ましくは50m2/g以上、1500m2/g以下、更に好ましくは100m2/g以上、1500m2/g以下のものを使用することが望ましい。比表面積が20m2/gを下回るカーボンブラックを用いると、十分な導電性を得ることが難しくなる場合があり、1500m2/gを超えるカーボンブラックは、市販材料での入手が困難となる場合がある。
また、用いるカーボンブラックの粒径は、一次粒子径で0.005〜1μmが好ましく、特に、0.01〜0.2μmが好ましい。ただし、ここでいう一次粒子径とは、電子顕微鏡などで測定された粒子径を平均したものである。
市販のカーボンブラックとしては、例えば、トーカブラック#4300、#4400、#4500、#5500等(東海カーボン社製、ファーネスブラック)、プリンテックスL等(デグサ社製、ファーネスブラック)、Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA等、Conductex SC ULTRA、Conductex 975 ULTRA等(コロンビヤン社製、ファーネスブラック)、#2350、#2400B、#30050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、#5400B等(三菱化学社製、ファーネスブラック)、MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、BlackPearls2000等(キャボット社製、ファーネスブラック)、Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、SuperP−Li(TIMCAL社製)、ケッチェンブラックEC−300J、EC−600JD(アクゾ社製)、デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35(電気化学工業社製、アセチレンブラック)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
カーボンナノチューブは、グラファイトを筒状に巻いた形状を有する炭素材料であり、その直径は数nmから100nm程度で、長さは数nmから1mm程度である。カーボンナノチューブには単層のものや多層構造になったものがあるが、いずれの構造であってもよい。また、カーボンナノファイバーとして分類される、繊維径が100nmから1μm程度のものも使用可能である。
<溶剤>
本発明に使用する溶剤としては、例えば、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、リン酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類、水等が挙げられる。
これらの中でも、比誘電率が15以上の極性溶剤を使用することが好ましい。比誘電率は、溶剤の極性の強さを表す指標のひとつであり、浅原ほか編「溶剤ハンドブック」((株)講談社サイエンティフィク、1990年)等に記載されている。例えば、メチルアルコール(比誘電率:33.1)、エチルアルコール(23.8)、2−プロパノール(18.3)、1,2−エタンジオール(38.66)、1,2−プロパンジオール(32.0)、ジエチレングリコール(31.69)、2−アミノエタノール(37.7)、アセトン(20.7)、メチルエチルケトン(18.51)、ホルムアミド(111.0)、N−メチルホルムアミド(182.4)、N,N−ジメチルホルムアミド(36.71)、N−メチルアセトアミド(191.3)、N,N−ジメチルアセトアミド(37.78)、N−メチルピロリドン(32.0)、ヘキサメチル燐酸トリアミド(29.6)、ジメチルスルホキシド(48.9)、スルホラン(43.3)、アセトニトリル(37.5)、水(80.1)等が挙げられるが、これらに限定されない。
とりわけ、比誘電率が15以上、200以下、好ましくは20以上、100以下、更に好ましくは、25以上、100以下の極性溶剤を使用することが、後述する塩類の良好な溶解性を得るのに好ましい。比誘電率が15を下回る溶剤では塩類の溶解性が著しく低下し、実用的な濃度まで溶解できない可能性があるため好ましくない。また、比誘電率が200を超える溶剤を使用しても、顕著な溶解性向上効果が得られないことが多いため好ましくない。
また、本発明における溶剤の選択は、正極活物質との反応性、バインダーの溶解性、炭素材料の分散安定性、分散剤の溶解性等を鑑みつつ行う。活物質との反応性が低く、バインダーの溶解性が高く、炭素材料の分散安定性が高く、分散剤の溶解性が高い溶剤を選択することが好ましい。
更に、環境負荷軽減や経済的有利性等から、電極製造工程において排出される溶剤を回収・再利用する場合は、混合溶剤ではなく、単一溶剤での使用が好ましい。
以上、後述する塩類の溶解性、正極活物質との反応性、バインダーの溶解性、炭素材料の分散安定性、分散剤の溶解性を満たし、単一使用での汎用性を有する溶剤としては、アミド系溶剤が好ましく、特に、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチル燐酸トリアミド等のアミド系非プロトン性溶剤の使用が好ましい。
<分散剤>
本発明に使用する分散剤としては特に限定はされないが、炭素材料および/または正極活物質の分散安定化に寄与し、調製される合材ペーストの粘度を低下させる効果のある分散剤を使用することができる。例えば、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等の界面活性剤;分散性能を有する樹脂;酸性官能基を有するトリアジン誘導体、酸性官能基を有する有機色素誘導体、塩基性官能基を有するトリアジン誘導体、塩基性官能基を有する有機色素誘導体等が挙げられる。これらを単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。
とりわけ、酸性官能基を有するトリアジン誘導体または酸性官能基を有する有機色素誘導体から選ばれる1種類以上のものを使用することが好ましい。詳しい理由は不明だが、上記の誘導体と後述する塩類とを併用する場合に、正極活物質の沈降抑制効果がより顕著に現れることを見出した。
酸性官能基を有するトリアジン誘導体または酸性官能基を有する有機色素誘導体としては、下記一般式(4)で示されるトリアジン誘導体または、一般式(7)で示される有機色素誘導体の使用が好ましい。
一般式(4)
Figure 2013073724
一般式(4)中、
101は、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−、または−T103−Y101−T104−であり、
102、およびT104は、それぞれ独立に、−NH−、又は−O−であり、
103は、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−、または−NHSO2−であり、
101は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、または置換基を有してもよいアリーレン基であり、
101は、−SO3101、−COOM101、または−P(O)(−OM1012であり、
101は、1〜3価のカチオンの一当量であり、
101は、−O−R102、−NH−R102、ハロゲン基、−T101−R101、または−T102−Y101−Z101であり、
102は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアルケニル基であり、
101は、1〜4の整数であり、
101は、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基、または下記一般式(5)で表される基である。
一般式(5)
Figure 2013073724
一般式(5)中、
201は、−NH−、または−O−であり、
202、およびT203は、それぞれ独立に、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、または−CH2NHCOCH2NH−であり、
201、およびR202は、それぞれ独立に、有機色素残基、置換基を有していてもよい複素環残基、置換基を有していてもよい芳香族環残基、または−Y201−Z201であり、
201は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、または置換基を有してもよいアリーレン基であり、
201は、−SO3201、−COOM201、または−P(O)(−OM2012であり、
201は、1〜3価のカチオンの一当量である。
一般式(4)のR101、一般式(5)のR201、およびR202で表される有機色素残基としては、例えばジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、または金属錯体系色素等の残基が挙げられる。中でもアゾ系色素、ジケトピロロピロール系色素、無金属フタロシアニン系色素、キナクリドン系色素、又はジオキサジン系色素の残基の使用が分散性に優れるため好ましい。
一般式(4)のR101、一般式(5)のR201、およびR202で表される複素環残基および芳香族環残基としては、例えば、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、ベンズトリアゾール、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、またはアントラキノン等の残基が挙げられる。とりわけ、少なくともS、N、Oのヘテロ原子のいずれかを含む複素環残基の使用が分散性に優れるため好ましい。
一般式(4)のY101および一般式(5)のY201は、炭素数20以下の置換基を有していてもよいアルキレン基、アルケニレン基、またはアリーレン基を表すが、好ましくは置換されていてもよいフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、または炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキレン基が挙げられる。
一般式(4)のQ101中に含まれるR102で表される置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基は、好ましくは炭素数20以下のものであり、更に好ましくは炭素数が10以下の側鎖を有していてもよいアルキル基が挙げられる。置換基を有しているアルキル基またはアルケニル基とは、アルキル基またはアルケニル基の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、若しくは臭素原子等のハロゲン基、水酸基、またはメルカプト基等に置換されたものである。
一般式(4)のM101および一般式(5)のM201は、1〜3価のカチオンの一当量を表し、例えば、水素原子(プロトン)、金属カチオン、または4級アンモニウムカチオンのいずれかを表す。また、分散剤構造中にMを2つ以上有する場合、Mはプロトン、金属カチオン、又は4級アンモニウムカチオンのいずれかひとつのみでも良いし、これらの組み合わせでも良い。金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル、又はコバルト等が挙げられる。4級アンモニウムカチオンとしては、一般式(6)で示される構造を有する4級アンモニウムカチオン、またはその混合物である。
一般式(6)
Figure 2013073724
一般式(6)中、R301、R302、R303、およびR304は、水素、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、または置換基を有してもよいアリール基のいずれかである。
一般式(6)のR301、R302、R303、およびR304は、それぞれ同一でもよいし、異なっていてもよい。また、R301、R302、R303、およびR304が、炭素原子を有する場合、炭素数は1〜40、好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20である。炭素数が40を超えると電極の導電性が低下する場合がある。
4級アンモニウムカチオンの具体例としては、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ヒドロキシエチルアンモニウム、ジヒドロキシエチルアンモニウム、2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルアミノプロピルアンモニウム、ラウリルアンモニウム、またはステアリルアンモニウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
一般式(7)
Figure 2013073724
一般式(7)中、
401は、直接結合、−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−CH2NHCOCH2NH−、−T402−Y401−、または−T402−Y401−T403−であり、
402は、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、−NHCO−、または−NHSO2−であり、
403は、−NH−、または−O−であり、
401は、炭素数1〜20で構成された、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、または置換基を有してもよいアリーレン基であり、
401は、−SO3401、−COOM401、又は−P(O)(−OM4012であり、
401は、1〜3価のカチオンの一当量であり、
401は、有機色素残基であり、
401は、1〜4の整数である。
一般式(7)のR401で表される有機色素残基としては、例えばジケトピロロピロール系色素、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系色素、フタロシアニン系色素、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系色素、キナクリドン系色素、ジオキサジン系色素、ぺリノン系色素、ぺリレン系色素、チオインジゴ系色素、イソインドリン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、スレン系色素、または金属錯体系色素等の残基が挙げられる。R401で表される有機色素残基には、一般的には色素と呼ばれていない淡黄色のアントラキノン残基を含む。中でもアゾ系色素、ジケトピロロピロール系色素、無金属フタロシアニン系色素、キナクリドン系色素、又はジオキサジン系色素の残基の使用が分散性に優れるため好ましい。
一般式(7)の式中のM401は、1〜3価のカチオンの一当量を表し、例えば、水素原子(プロトン)、金属カチオン、または4級アンモニウムカチオンのいずれかを表す。また、分散剤構造中にMを2つ以上有する場合、M401はプロトン、金属カチオン、または4級アンモニウムカチオンのいずれかひとつのみでも良いし、これらの組み合わせでも良い。金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル、又はコバルト等が挙げられる。4級アンモニウムカチオンとしては、一般式(6)で示される構造を有する4級アンモニウムカチオン、またはその混合物である。
上記の誘導体の合成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特公昭39−28884号公報、特公昭45−11026号公報、特公昭45−29755号公報、特公昭64−5070号公報、または特開2004−217842号公報等に記載されている方法で合成することができる。
上記の分散剤のうち、例えば酸性官能基としてスルホン酸もしくはその塩を有するものについては、発煙硫酸、濃硫酸、およびクロロスルホン酸などのスルホン化剤を用いてスルホン化するのが一般的である。この場合、酸性官能基の数は分布を有し、例えば、無置換体、一置換体、ニ置換体等の混合物となり得る。スルホン酸およびその塩に限らず、カルボン酸、リン酸についても合成方法により酸性官能基の数が異なるものの混合物となる可能性がある。本発明の分散剤としては、この様な酸性官能基数の異なるものの混合物を用いることも可能である。
<塩>
本発明は、塩を含むことを特徴とする。詳しい理由は不明だが、塩を用いることで、正極活物質の沈降を抑制したリチウムイオン二次電池正極用合材ペーストを調製できることを見出した。少量の塩を添加することで、リチウムイオン二次電池正極用合材ペーストの粘度は上がり、チクソトロピー性が付与される傾向が確認された。チクソトロピー性とは、静止状態ではゲル状であるが外部から応力がかかると軟化し流動性のゾル状となるゾル−ゲル転換が、応力の有無によって可逆的に起こるような性質であり、揺変性とも言う。
このとき用いる塩としては、一般式(1)および/または一般式(2)および/または一般式(3)で表される塩を使用することができる。
一般式(1) AXa
(式中、AはLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Baから選ばれるa価の元素である。Xはハロゲンである。aはAの価数であり1または2の整数である。)
一般式(2) NH4
(式中、Nは窒素、Hは水素、Xはハロゲンである。)
一般式(3) D(HX)d
(式中、Dは分子内にアミノ基をd個有するアミンである。Hは水素、Xはハロゲンである。dはDの分子内のアミノ基の数であり1以上の整数である。)
上記の塩は、溶剤に易溶であることが好ましい。合材ペースト中に未溶解の塩が残っていると、集電体上に形成した合材層の導電性を阻害したり、抵抗分布によって電池の劣化が促進される可能性があるため好ましくない。また、塩が溶剤に難溶で、溶解に長時間の攪拌や加熱が必要である場合、生産性やコスト面で問題となる可能性があるため好ましくない。溶剤100重量部に対し0.1重量部以上の溶解度の塩が好ましく、溶剤100重量部に対し1重量部以上の溶解度の塩がより好ましい。溶剤100重量部に対し0.1重量部未満の溶解度であると、実用的な濃度まで溶解できない可能性があるため好ましくない。
また、詳しい理由は不明だが、上記の塩の効果は、構成するハロゲンの物質量との相関が見出された。したがって、塩の分子量が小さい、ハロゲンの原子量が小さい、または塩の分子量に対するハロゲンの原子量の割合が大きいほど、少量の塩で効果を発揮することができると考えられる。
ところで、リチウムイオン二次電池においては、金属成分の負極上での還元、析出による電池性能劣化の問題や、短絡の発生による過剰発熱や発火といった安全性にかかわる問題もある。このため、塩の構成成分としてFeやCuのような遷移金属元素を含まないことが好ましいと考えた。リチウムイオン二次電池が必然的に含有するLiや、それと類似の性質を有するNa、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、あるいはアンモニアやアミンを構成要素とする塩を使用することができる。とりわけ、リチウムイオン二次電池が必然的に含有し、さらには原子量が小さいために塩の分子量に対するハロゲン原子量の割合が大きい、リチウムハロゲン化物が好ましい。
以上に挙げた観点から、LiF、LiCl、LiBrなどが最適の塩として選択されるが、これらに限定されるものではない。また、上記の塩は単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。
<リチウムイオン二次電池正極用合材ペーストの製造方法>
本発明のリチウムイオン二次電池正極用合材ペーストは、正極活物質と、バインダーと、導電助剤である炭素材料と、溶剤と、分散剤と、塩とを混合することにより製造することができる。各成分の添加順序等については限定されるものではなく、例えば、全成分を一括に混合する方法;炭素材料を分散剤によってあらかじめ溶剤に分散させ、そこに残りの成分を投入して混合する方法;分散剤を溶剤に溶解した後、炭素材料とバインダーを投入して、炭素材料の分散とバインダーの溶解を同時に行い、そこに残りの成分を投入して混合する方法等が挙げられる。
合材ペースト中の各成分の濃度は、使用する材料、合材ペーストの粘度、求めるリチウムイオン二次電池の性能等から任意に決定することができる。合材ペーストの適正粘度は、塗工方法によるが、一般には、100mPa・s以上、30,000mPa・s以下とするのが好ましい。
好ましい組成比としては、合材ペースト中の総固形分に占める正極活物質の割合は80重量%以上98.5重量%以下、バインダーの割合は0.5重量%以上10重量%以下、導電助剤である炭素材料の割合は0.5重量%以上10重量%以下、分散剤の割合は0.01重量%以上1重量%以下、塩の割合は0.001重量%以上0.2重量%以下、合材ペースト中に占める溶剤の割合は20重量%以上60重量%以下である。
合材ペースト中の総固形分に占める正極活物質の割合が80重量%を下回ると、十分な容量をもった電池を得ることができない可能性があり、98.5重量%を超えると他の成分の割合が低下するため、形成した合材層の導電性が不十分であったり、集電体への密着性が得られない可能性がある。
合材ペースト中の総固形分に占めるバインダーの割合が0.5重量%を下回ると、結着性が低下するため十分な集電体への密着性が得られない可能性があり、10重量%を超えると他の成分の割合が低下するため、十分な性能の電池が得られない可能性がある。
合材ペースト中の総固形分に占める導電助剤である炭素材料の割合が0.5重量%を下回ると、形成した合材層の導電性が不十分である可能性があり、10重量%を超えると他の成分の割合が低下するため、十分な性能の電池が得られない可能性がある。
合材ペースト中の総固形分に占める分散剤の割合が0.01重量%を下回ると、導電助剤である炭素材料および/または正極活物質の十分な分散安定化効果が得られない可能性があり、1重量%を超えても顕著な分散安定性の向上は期待できない可能性がある。
合材ペースト中の総固形分に占める塩の割合が0.001重量%を下回ると、正極活物質の沈降を抑制する効果が十分に得られない可能性があり、0.2重量%を超えると合材ペーストが非常に高粘度となり塗工が困難であったり、金属成分が電池性能に悪影響を与える可能性がある。
合材ペースト中に占める溶剤の割合が20重量%を下回ると、合材ペーストが非常に高粘度となり塗工が困難である可能性があり、60重量%を超えると本発明における塩の効果をもってしても正極活物質の沈降を抑制することができない可能性がある。
また、合材ペーストを製造するための装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機が使用できる。例えば、ディスパー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等のミキサー類、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」、PRIMIX社「フィルミックス」等)類、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル等のメディア型分散機、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。金属混入防止処理としては、例えばメディア型分散機を使用する場合は、アジテーター及びベッセルがセラミック製又は樹脂製の分散機を使用する方法や、金属製アジテーター及びベッセル表面をタングステンカーバイド溶射や樹脂コーティング等の処理をした分散機を用いることが好ましい。メディアとしては、ガラスビーズ、又は、ジルコニアビーズ、若しくはアルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましい。又、ロールミルを使用する場合についても、セラミック製ロールを用いることが好ましい。
分散機は、1種のみを使用しても良いし、複数種の装置を組み合わせて使用しても良い。
<リチウムイオン二次電池>
リチウムイオン二次電池は、集電体上に正極合材層を有する正極と、集電体上に負極合材層を有する負極と、リチウムを含む電解質とを具備する。
電極について、使用する集電体の材質や形状は特に限定されず、材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス等の金属や合金が用いられるが、特に正極材料としてはアルミニウムが、負極材料としては銅の使用が好ましい。また、形状としては、一般的には平板上の箔が用いられるが、表面を粗面化したものや、穴あき箔状のもの、およびメッシュ状のものも使用できる。
正極合材層は、本発明の合材ペーストを塗布、乾燥することで形成することができる。
負極合材層は、負極活物質、導電助剤、バインダー等からなる。負極活物質としては特に限定はされないが、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属Li、またはその合金、スズ合金、シリコン合金負極、LiXFe23、LiXFe34、LiXWO2等の金属酸化物系、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン等の導電性高分子、ソフトカーボンやハードカーボンといった、アモルファス系炭素質材料や、高黒鉛化炭素材料等の人造黒鉛、あるいは天然黒鉛等の炭素質粉末、カーボンブラック、メソフェーズカーボンブラック、樹脂焼成炭素材料、気層成長炭素繊維、炭素繊維などの炭素系材料が用いられる。導電助剤、バインダーとしては特に限定はされないが、正極用合材ペーストに使用できるものとして上述したもの等を用いる。
電極合材層の厚みとしては、一般的には1μm以上、500μm以下であり、好ましくは10μm以上、300μm以下である。塗布方法については、特に制限はなく公知の方法を用いることができる。具体的には、ダイコーティング法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、ドクターコーティング法、スプレーコティング法、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、静電塗装法等が挙げられる。また、塗布後に平版プレスやカレンダーロール等による圧延処理を行っても良い。
本発明のリチウム二次電池を構成する電解液としては、リチウムを含んだ電解質を非水系の溶剤に溶解したものを用いる。電解質としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、LiC49SO3、Li(CF3SO23C、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、LiBPh4等が挙げられるがこれらに限定されない。
非水系の溶剤としては特に限定はされないが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−オクタノイックラクトン等のラクトン類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−メトキシエタン、1,2−エトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のグライム類、メチルフォルメート、メチルアセテート、メチルプロピオネート等のエステル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド類、アセトニトリル等のニトリル類、が挙げられる。またこれらの溶剤は、それぞれ単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
更に上記電解液を、ポリマーマトリクスに保持しゲル状とした高分子電解質とすることもできる。ポリマーマトリクスとしては、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するアクリレート系樹脂、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリホスファゼン系樹脂、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリシロキサン等が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の合材ペーストを用いたリチウムイオン二次電池の構造については特に限定されないが、通常、正極および負極と、必要に応じて設けられるセパレーターとから構成され、ペーパー型、円筒型、ボタン型、積層型など、使用する目的に応じた種々の形状とすることができる。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。本実施例中、部は重量部を、%は重量%をそれぞれ表す。
実施例及び比較例で使用した正極活物質、バインダー、炭素材料、溶剤、分散剤、塩、および沈降防止剤を以下に示す。
<正極活物質>
コバルト酸リチウム(LiCoO2):平均粒径7.1μm、比表面積0.38m2/g、以下LCOと略記する。
マンガン酸リチウム(LiMn24):平均粒径11.9μm、比表面積0.63m2/g、以下LMOと略記する。
リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/32):平均粒径9.2μm、比表面積0.36m2/g、以下NMCと略記する。
リン酸鉄リチウム(LiFePO4):平均粒径3.6μm、比表面積12.6m2/g、以下LFPと略記する。
<バインダー>
ポリフッ化ビニリデン:KFポリマーW#7200(クレハ社製)、以下PVDFと略記する。
スチレン−ブタジエンゴム:TRD2001(JSR社製)、以下SBRと略記する。
カルボキシメチルセルロース:サンローズF100MC(日本製紙ケミカル社製)、以下CMCと略記する。
<炭素材料>
アセチレンブラック:デンカブラック粒状品(電気化学工業社製)、一次粒子径35nm、比表面積68m2/g、以下ABと略記する。
カーボンナノファイバー:VGCF(昭和電工社製)、繊維径150nm、繊維長10〜20μm。
<溶剤>
N−メチルピロリドン:比誘電率32.0、以下NMPと略記する。
精製水:比誘電率80.1。
<分散剤>
酸性官能基を有するトリアジン誘導体:TA−a、TA−b。
酸性官能基を有する有機色素誘導体:PA−a、PA−b。
塩基性官能基を有するトリアジン誘導体:TB。
塩基性官能基を有する有機色素誘導体:PB。
陰イオン系界面活性剤:デモールN(花王社製)、β−ナフタレンスルホン酸−ホルマリン縮合物のナトリウム塩、以下DemNと略記する。
分散性能を有する樹脂:ルビテックK30(BASF社製)、ビニルピロリドンホモポリマー、以下PVPと略記する。
表1に分散剤である各種誘導体の構造を示す。
Figure 2013073724


<塩>
塩化リチウム(LiCl):1g当たりの塩素の物質量は23.6mmol。
臭化リチウム(LiBr):1g当たりの臭素の物質量は11.5mmol。
塩化カルシウム(CaCl2):1g当たりの塩素の物質量は18.0mmol。
塩化アンモニウム(NH4Cl):1g当たりの塩素の物質量は18.7mmol。
トリエチルアンモニウムクロリド((C253NHCl):1g当たりの塩素の物質量は7.3mmol。
塩化ナトリウム(NaCl):1g当たりの塩素の物質量は17.1mmol。
塩化鉄(III)(FeCl3):1g当たりの塩素の物質量は18.5mmol。
酢酸リチウム(CH3COOLi)
<沈降防止剤>
酸化ポリエチレン:ディスパロン4200−20(楠木化成社製)、以下DisPと略記する。
<炭素材料分散液の調製>
分散剤TA−b1部をNMP349部に溶解し、その後、炭素材料AB25部とPVDF25部を添加し、ホモジナイザーによって1時間分散/溶解処理を行うことで、炭素材料分散液Aを得た。
<リチウムイオン二次電池正極用合材ペーストの調製>
実施例、比較例で得られた合材ペーストの評価は、粘度の測定(初期評価)、沈降物の有無(経時評価)により行った。粘度の測定にはB型粘度計(東機産業社製「BL」)を用いて、25℃、6rpmおよび60rpmで行った。沈降物の有無は、25℃で静置して保存し、1日後および7日後に、保存容器からスパチュラにて掬い上げ、ゲル状の沈降物が観察されるか否かで判断した。
[実施例1]
PVDF7部をNMP93部に溶解し、バインダー溶液を作製した。塩化リチウム1部をNMP99部に溶解し、塩溶液を作製した。次に、表2に示す組成に従い、活物質LCO、炭素材料AB、分散剤TA−a、バインダー溶液、および塩溶液をプラネタリーミキサーに投入し、1時間混合処理を行った。さらに、NMPを表2に掲げる実施例1の組成になるまで加えた後、引き続きプラネタリーミキサーにて30分間混合処理を行い、合材ペーストを調製した。
[実施例2]
表2に示す組成に従い、活物質をLMO、炭素材料をVGCF、分散剤をPA−aとし、これら各材料の含有量を変更した以外は実施例1と同様にして、合材ペーストを調製した。
[実施例3]
表2に示す組成に従い、活物質をNMC、分散剤をTA−bとした以外は実施例1と同様にして、合材ペーストを調製した。
[実施例4]
表2に示す組成に従い、活物質をLFP、分散剤をPA−bとし、これら各材料の含有量を変更した以外は実施例1と同様にして、合材ペーストを調製した。
[実施例5]
塩化リチウム1部をNMP99部に溶解し、塩溶液を作製した。次に、表2に示す組成に従い、活物質NMC、炭素材料分散液A、および塩溶液をプラネタリーミキサーに投入し、1時間混合処理を行った。さらに、NMPを表2に掲げる実施例5の組成になるまで加えた後、引き続きプラネタリーミキサーにて30分間混合処理を行い、合材ペーストを調製した。
[実施例6]
表2に示す組成に従い、活物質をNMC、分散剤をTA−b、塩化リチウム1部の代わりに臭化リチウム2部を用いた以外は実施例1と同様にして、合材ペーストを調製した。
[実施例7]
表2に示す組成に従い、活物質をNMC、分散剤をTA−b、塩化リチウムの代わりに塩化カルシウムを用いた以外は実施例1と同様にして、合材ペーストを調製した。
[実施例8]
PVDF8部をNMP92部に溶解し、バインダー溶液を作製した。塩化アンモニウム1部をNMP799部に溶解し、塩溶液を作製した。次に、表2に示す組成に従い、活物質NMC、炭素材料AB、分散剤TA−b、およびバインダー溶液をプラネタリーミキサーに投入し、1時間混合処理を行った。さらに、塩溶液とNMPとを表2に掲げる実施例8の組成になるまで加えた後、引き続きプラネタリーミキサーにて30分間混合処理を行い、合材ペーストを調製した。
[実施例9]
表2に示す組成に従い、活物質をNMC、分散剤をTA−b、塩化リチウム1部の代わりにトリエチルアンモニウムクロライド3部を用いた以外は実施例1と同様にして、合材ペーストを調製した。
[実施例10]
表2に示す組成に従い、分散剤をTBとした以外は実施例1と同様にして、合材ペーストを調製した。
[実施例11]
表2に示す組成に従い、活物質をLFP、分散剤をPBとし、これら各材料の含有量を変更した以外は実施例1と同様にして、合材ペーストを調製した。
[実施例12]
表2に示す組成に従い、活物質をLMO、分散剤をPVPとし、これら各材料の含有量を変更した以外は実施例1と同様にして、合材ペーストを調製した。
[実施例13]
SBR4部およびCMC1部を精製水95部に溶解し、バインダー溶液を作製した。塩化ナトリウム1部を精製水99部に溶解し、塩溶液を作製した。次に、表2に示す組成に従い、活物質LFP、炭素材料AB、分散剤DemN、バインダー溶液、および塩溶液をプラネタリーミキサーに投入し、1時間混合処理を行った。さらに、精製水を表2に掲げる実施例13の組成になるまで加えた後、引き続きプラネタリーミキサーにて30分間混合処理を行い、合材ペーストを調製した。
[比較例1]
表2に示す組成に従い、塩化リチウムを用いなかった以外は実施例1と同様にして、合材ペーストを調製した。
[比較例2]
表2に示す組成に従い、塩化リチウムを用いなかった以外は実施例2と同様にして、合材ペーストを調製した。
[比較例3]
表2に示す組成に従い、塩化リチウムを用いなかった以外は実施例3と同様にして、合材ペーストを調製した。
[比較例4]
表2に示す組成に従い、塩化リチウムを用いなかった以外は実施例4と同様にして、合材ペーストを調製した。
[比較例5]
表2に示す組成に従い、活物質をNMCとし、これら各材料の含有量を変更し、分散剤および塩化リチウムを用いなかった以外は実施例1と同様にして、合材ペーストを調製した。
[比較例6]
PVDF35部および沈降防止剤DisP7部をNMP465部に溶解し、混合溶液を作製した。次に、表2に示す組成に従い、活物質NMC、炭素材料AB、分散剤TA−b、および上記の混合溶液をプラネタリーミキサーに投入し、1時間混合処理を行った。さらに、NMPを表2に掲げる比較例6の組成になるまで加えた後、引き続きプラネタリーミキサーにて30分間混合処理を行い、合材ペーストを調製した。
[比較例7]
表2に示す組成に従い、活物質をNMC、分散剤をTA−b、塩化リチウムの代わりに塩化鉄(III)を用いた以外は実施例1と同様にして、合材ペーストを調整した。
[比較例8]
表2に示す組成に従い、塩化ナトリウムの代わりに酢酸リチウムを用いた以外は実施例13と同様にして、合材ペーストを調製した。

Figure 2013073724
表2より、実施例の合材ペーストはいずれも静置保存7日後においても沈降物が観察されず、正極活物質の沈降を抑制できていることが確認できた。実施例1〜実施例4と比較例1〜比較例4との比較より、塩の添加により沈降が抑制されたことが分かる。
比較例5の、分散剤が未添加である合材ペーストでは沈降物が観察されなかったが、非常に高粘度となり、塗工に適する粘度に調整するため、合材ペーストの固形分率を下げなければならなかった。
比較例6の、沈降防止剤を添加した合材ペーストでは、静置1日後には沈降物が観察されなかったが、7日後には観察された。比較例7の合材ペーストは、実施例と同様に正極活物質の沈降を抑制できていることが確認できた。比較例8の酢酸リチウムを添加した合材ペーストでは、静置1日後から沈降物が観察された。


<リチウムイオン二次電池正極評価用セルの組み立て>
先に調製したリチウム二次電池正極用合材ペースト(実施例1〜13、比較例1〜8)を、集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にドクターブレードを用いて塗布した。ここでは塗布速度(集電体の移動速度)を100mm/分とした。また、塗布装置の液だまり部には初期に充分量の合材ペーストを投入し、途中で追加することのないようにした。減圧下120℃で加熱乾燥した後、ローラープレス機にて圧延処理し、厚さ100μmの正極合材層を作製した。これを直径9mmに打ち抜く際、塗布中間部分(塗布開始端より5mの部分)と塗布終了部分(塗布終了端より20cmの部分)から打ち抜きいて作用極とし、金属リチウム箔(厚さ0.15mm)を対極として、作用極および対極の間に多孔質ポリプロピレンフィルムからなるセパレーター(セルガード社製#2400)を挿入積層し、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1に混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解させた非水電解液)を満たして二極密閉式金属セル(宝仙社製HSフラットセル)を組み立てた。セルの組み立てはアルゴンガス置換したグローブボックス内で行った。
<リチウムイオン二次電池正極特性評価>
作製した正極評価用セルを室温(25℃)で、充電レート1.0Cの定電流定電圧充電(上限電圧4.2V)で満充電とし、充電時と同じレートの定電流で放電下限電圧3.0Vまで放電を行う充放電を1サイクル(充放電間隔休止時間30分)とし、このサイクルを合計20サイクル行い、充放電サイクル特性(評価装置:北斗電工社製SM−8)を測定した。測定した充放電サイクル特性における1回目の放電容量(初期放電容量)、20サイクル目の放電容量(20サイクル放電容量)、20サイクル放電容量/初期放電容量より算出される20サイクル放電容量維持率(%)を表3に示した。

Figure 2013073724


表3より、実施例の合材ペーストを使用して正極合材層を形成した場合、放電容量、20サイクル放電容量維持率において良好な結果が得られた。また、作用極の打ち抜き箇所によらず放電容量は一定であり、均一な電極が得られたと考えられる。
比較例1〜比較例4、および比較例8では、作用極の打ち抜き箇所によって放電容量が変化した。これは時間の経過に伴い、液だまりの合材ペースト中で活物質の沈降が起こり、塗布中間部分では合材層における活物質含有量が増加し、逆に塗布終了部分では減少し、均一な電極が得られなかったためと考えられる。
比較例5では、放電容量、20サイクル放電維持率が実施例より劣る結果であった。これは導電助剤や活物質の分散不良が原因と考えられる。
比較例6では、実施例3等に比べて放電容量、20サイクル放電維持率が若干劣る結果であった。また、作用極の打ち抜き箇所による放電容量の差も比較的大きく、電極は若干不均一であったと考えられる。
比較例7では、20サイクル放電維持率が実施例より劣る結果であった。これは鉄を含有する塩であったため、電池性能に悪影響を与えたと考えられる。

Claims (4)

  1. 正極活物質と、バインダーと、導電助剤である炭素材料と、溶剤と、分散剤と、一般式(1)および/または一般式(2)および/または一般式(3)で表される塩とを含む、リチウムイオン二次電池正極用合材ペースト。
    一般式(1) AXa
    (式中、AはLi、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Baから選ばれるa価の元素である。Xはハロゲンである。aはAの価数であり1または2の整数である。)
    一般式(2) NH4
    (式中、Nは窒素、Hは水素、Xはハロゲンである。)
    一般式(3) D(HX)d
    (式中、Dは分子内にアミノ基をd個有するアミンである。Hは水素、Xはハロゲンである。dはDの分子内のアミノ基の数であり1以上の整数である。)
  2. 合材ペースト中の総固形分に占める塩の割合が0.2重量%未満である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池正極用合材ペースト。
  3. 請求項1または2記載のリチウムイオン二次電池正極用合材ペーストを使用して合材層が形成されてなるリチウムイオン二次電池用正極。
  4. 集電体上に正極合材層を有する正極と、集電体上に負極合材層を有する負極と、リチウムを含む電解質とを具備するリチウムイオン二次電池であって、正極が請求項3記載のリチウムイオン二次電池用正極であるリチウムイオン二次電池。
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