JP6003634B2 - 二次電池電極形成用組成物、二次電池電極、及び二次電池 - Google Patents
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Description
これは合材インキ中の活物質や導電助剤の分散状態や、下地層形成用組成物中の導電助剤の分散状態が、合材層中の活物質や導電助剤の分布状態や粒子間の結着状態、下地層中の導電助剤の分布状態や粒子間の結着状態に関連しており、電極物性に影響し、ひいては電池性能に影響するためである。
そして、導電助剤である炭素材料の分散性や粒度の制御が不十分な場合、均一な導電ネットワークが形成されないために電極の内部抵抗の低減が図れず、その結果、電極材料の性能を十分に引き出せないという問題が生じている。
これは、酸性基または塩基性基を有する有機色素誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体、トリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体を用いることで、活物質や導電助剤の凝集をほぐし均一に分散させ、このような状態でシランカップリング剤を作用させる。このときシランカップリング剤が作用した微細な粒子同士は、より多数の粒子間接触を形成することができ、その結果、非常に強固な粒子間接触を有する電極層が形成できたためであると考えられる。これは、粒子の分散が不十分な状態で作用させた場合に比べ、非常に顕著な効果であり、また、より少量のシランカップリング剤でも効果を得ることができる。このような正極形成用組成物から形成された電極層は電解液耐性も向上したため、長期のサイクル試験において電池性能の向上に寄与したと考えている。
例えば、金属箔等の集電体の表面に、
(1)活物質と液状媒体とを含有するインキ状組成物(以下、合材インキという)や、
(2)活物質と導電助剤と液状媒体とを含有する合材インキや、
(3)活物質とバインダーと液状媒体とを含有する合材インキや、
(4)活物質と導電助剤とバインダーと液状媒体とを含有する合材インキを、
用いて合材層を形成し、電極を得ることができる。
構造中にM1を2つ以上有する場合、M1はプロトン、金属カチオン、4級アンモニウムカチオンのいずれかひとつのみでも良いし、これらの組み合わせでも良い。
金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、ニッケル、コバルト等が挙げられる。
4級アンモニウムカチオンとしては、下記一般式(2)で示される構造を有する単一化合物または、混合物である。
また、R6およびR7はそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基を表す。
X6は、−SO2NH−R9−NR10R11、−CONH−R12−NR13R14、−SO2NH−R15−SO3M2、−CONH−R16−SO3M2、−SO2NH−R17−COOM2、−CONH−R18−COOM2、及び下記一般式(7)で表される基のいずれかを表す。ただし、R9、R12、R15〜R18は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、及び置換基を有していてもよいアリーレン基のいずれかを表す。また、R10、R11、R13及びR14はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、及び置換基を有していてもよいアリール基のいずれかを表す。
X10は、−NR26R27、−SO3M4、−COOM4および一般式(7)で表される基のいずれかを表す。また、R26及びR27はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、及び置換基を有していてもよいアリール基のいずれかを表す。
Z5は−O−R30、−X15−R30または−X15−Y4−A2を表し、R30は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアルケニル基を表す。X15は−NH−、−O−、−CONH−、−SO2NH−、−CH2NH−、または−CH2NHCOCH2NH−を表す。Y4は置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基または置換基を有してもよいアリーレン基を表し、A2は−SO3M5または−COOM5、または−P(O )(−OM5)2 を表し、M5は1〜3価のカチオンの1当量を表す。
例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属の酸化物、リチウムとの複合酸化物、遷移金属硫化物等の無機化合物等が挙げられる。具体的には、MnO、V2O5、V6O13、TiO2等の遷移金属酸化物粉末、層状構造のニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、スピネル構造のマンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、オリビン構造のリン酸化合物であるリン酸鉄リチウム系材料、TiS2、FeSなどの遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。
また、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子を使用することもできる。また、上記の無機化合物や有機化合物を混合して用いてもよい。
本発明における導電助剤である炭素材料(B)としては、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されるものではないが、グラファイト、カーボンブラック、導電性炭素繊維(カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー)、フラーレン等を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、およびコスト面から、カーボンブラックの使用が好ましい。
ここでいう分散粒径とは、体積粒度分布において、粒子径の細かいものからその粒子の体積割合を積算していったときに、50%となるところの粒子径(D50)であり、一般的な粒度分布計、例えば、動的光散乱方式の粒度分布計(日機装社製「マイクロトラックUPA」)等で測定される。
例えば、メチルアルコール(比誘電率:33.1)、エチルアルコール(23.8)、2−プロパノール(18.3)、1−ブタノール(17.1)、1,2−エタンジオール(38.66)、1,2−プロパンジオール(32.0)、1,3−プロパンジオール(35.0)、1,4−ブタンジオール(31.1)、ジエチレングリコール(31.69)、2−メトキシエタノール(16.93)、2−エトキシエタノール(29.6)、2−アミノエタノール(37.7)、アセトン(20.7)、メチルエチルケトン(18.51)、ホルムアミド(111.0)、N−メチルホルムアミド(182.4)、N,N−ジメチルホルムアミド(36.71)、N−メチルアセトアミド(191.3)、N,N−ジメチルアセトアミド(37.78)、N−メチルプロピオンアミド(172.2)、N−メチルピロリドン(32.0)、ヘキサメチル燐酸トリアミド(29.6)、ジメチルスルホキシド(48.9)、スルホラン(43.3)、アセトニトリル(37.5)、プロピオニトリル(29.7)等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の二次電池正極形成用組成物の好適な態様の1つである活物質を必須とする合材インキについて説明する。合材インキは、正極合材インキまたは負極合材インキがあり、既に説明したように、それぞれ下記(1)〜(4)に示すような種々の態様がある。
(1)活物質(A)と誘導体(C)とシランカップリング剤(D)と液状媒体とを含有する合材インキ。
(2)前記(1)に導電助剤(B)をさらに含有する合材インキ。
(3)前記(1)にバインダーをさらに含有する合材インキ。
(4)前記(1)に導電助剤(B)とバインダーとをさらに含有する合材インキ。
塗工可能な粘度範囲内において、活物質(A)はできるだけ多く含まれることが好ましく、例えば、合材インキ固形分に占める活物質(A)の割合は、80重量%以上、99重量%以下が好ましい。
導電助剤(B)とシランカップリング剤(D)とバインダーは、いずれの順で添加してもよい。また、予め2つ以上の材料を混合してから、前記の活物質分散体に添加してもよい。
活物質(A)とシランカップリング剤(D)とバインダーは、いずれの順で添加してもよい。また、予め2つ以上の材料を混合してから、前記の導電助剤分散体に添加してもよい。
合材インキを得る際に用いられる装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機、混合機が使用できる。
例えば、ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社「フィルミックス」等のホモジナイザー類;ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機;または、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
前述の通り、本発明の二次電池正極形成用組成物は、電極下地層形成用組成物(以降、本明細書では電極下地層インキと称する場合がある)としても使用できる。
下地層形成用組成物は、導電助剤(B)と誘導体(C)とシランカップリング剤(D)
と液状媒体とを含有する。さらにバインダーを含有することもできる。
本発明の二次電池電極形成用組成物のうち合材インキを、集電体上に塗工・乾燥し、合材層を形成し、二次電池用電極を得ることができる。あるいは、本発明の二次電池電極形成用組成物のうち下地層形成用組成物を、集電体上に下地層を形成し、該下地層上に、合材層を設け、二次電池用電極を得ることもできる。下地層上に設ける合材層は、前述した本発明の合材インキ(1)〜(4)を用いて形成してもよいし、他の合材インキを用いて形成することもできる。
電極に使用する集電体の材質や形状は特に限定されず、各種二次電池にあったものを適宜選択することができる。例えば、集電体の材質としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、又はステンレス等の金属や合金が挙げられる。また、形状としては、一般的には平板上の箔が用いられるが、表面を粗面化したものや、穴あき箔状のもの、及びメッシュ状の集電体も使用できる。
正極に上記の電極を用い、二次電池を得ることができる。二次電池としては、リチウムイオン二次電池の他、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウ二次電池、アルカリ二次電池、鉛蓄電池、ナトリウム硫黄二次電池、リチウム空気二次電池等が挙げられ、それぞれの二次電池で従来から知られている、電解液やセパレーター等を適宜用いることができる。
リチウムイオン二次電池の場合を例にとって説明する。電解液としては、リチウムを含んだ電解質を非水系の溶剤に溶解したものを用いる。電解質としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)3C、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、又はLiBPh4等が挙げられるがこれらに限定されない。
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリアミド不織布及びそれらに親水性処理を施したものが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明の組成物を用いたリチウムイオン二次電池の構造については特に限定されないが、通常、正極及び負極と、必要に応じて設けられるセパレーターとから構成され、ペーパー型、円筒型、ボタン型、積層型等、使用する目的に応じた種々の形状とすることができる。
[実施例1]
導電助剤としてアセチレンブラック(デンカブラックHS−100)10部、表1に記載の誘導体D−01 0.5部、表4記載のシランカップリング剤S−01 0.1部 N−メチル−2−ピロリドン89.4部をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散を行い、分散体1を得た。
導電助剤としてアセチレンブラック(デンカブラックHS−100)10部、表1に記載の誘導体D−03 0.4部、粘度調整剤としてヒドロキシエチルセルロース0.1部、表4記載のシランカップリング剤S−03 0.1部 N−メチル−2−ピロリドン89.4部をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散を行い、分散体3を得た。
表5に示す導電助剤、表1および2の誘導体、表4のシランカップリング剤をそれぞれ使用して、カーボン分散体1と同様の方法で、実施例2、4、5、7の分散体2、4、5、7をそれぞれ得た。
誘導体D−03を表2記載の誘導体D−06、ヒドロキシエチルセルロースをポリビニルブチラール樹脂(モビタールB20H)、シランカップリング剤S−03を表4記載のシランカップリング剤S−06に変更した以外は実施例3と同様の方法で、分散体6を得た。
デンカブラックHS−100をSuper−P Liに、誘導体D−03を表1記載の誘導体D−02に、ヒドロキシエチルセルロースをポリビニルブチラール樹脂(モビタールB20H)に、N−メチル−2−ピロリドン89.4部を89.5部にそれぞれ変更し、シランカップリング剤S−03添加しなかった以外は実施例3と同様の方法で、分散体8を得た。
シランカップリング剤S−01を、表4記載のシランカップリング剤S−06に、N−メチル−2−ピロリドン89.4部を89.9部にそれぞれ変更し、誘導体D−01を添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法で分散体9を得た。
誘導体D−01を表2記載の誘導体D−08に、N−メチル−2−ピロリドン89.4部を89.5部に変更し、シランカップリング剤S−01を添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法で分散体10を得た。
分散体における導電助剤の分散度判定には、動的光散乱方式の粒度分布計(日機装社製「マイクロトラックUPA」)を用い、体積粒度分布において、粒子径の細かいものからその粒子の体積割合を積算していったときに、50%となるところの粒子径(D50)を求めた。
カーボン分散体の評価結果を表5に示す。表中の数字は粗大粒子の大きさを示し、数値が小さいほど分散性に優れ、均一な分散体であることを示している。
D−01:酸性官能基を有するアゾ系色素誘導体
D−02:酸性官能基を有するキナクリドン系色素誘導体
D−03:酸性官能基を有するアントラキノン誘導体
D−04:塩基性官能基を有するアントラキノン誘導体
D−05:塩基官能基を有するアクリドン誘導体
[実施例8]
実施例1で調製した分散体1 50部(導電助剤固形分量として5部)に対して、正極活物質としてLiFePO4 90部、バインダー(KFポリマーW1100:クレハ社製、ポリフッ化ビニリデン)4.7部を混合し、合材インキの固形分が60%となるようにN−メチル−2−ピロリドンを加えてさらに混合し、正極合材インキ1を調製した。
表6に示した材料を使用した以外は実施例8と同様にして、正極合材インキ9〜12、14、15、17および18をそれぞれ得た。
正極活物質としてLiFePO4 90部、アセチレンブラック(デンカブラックHS−100)5部、表2記載の誘導体D−09を0.25部、表4記載のシランカップリング剤S−08を0.05部、バインダー(KFポリマーW1100:クレハ社製、ポリフッ化ビニリデン)4.70部を混合し、合材インキの固形分が60%となるようにN−メチル−2−ピロリドンを加えてさらに混合し、正極合材インキ2を調製した。
シランカップリング剤S−08 0.05部を0.10部に、バインダー4.70部を4.65部に変更した以外は、実施例9と同様にして正極合材インキ3を得た。
シランカップリング剤S−08 0.05部を0.08部に、バインダー4.70部を4.67部に変更した以外は、実施例9と同様にして正極合材インキ4を得た。
シランカップリング剤S−08 0.05部を0.06部に、バインダー4.70部を4.69部に変更した以外は、実施例9と同様にして正極合材インキ5を得た。
シランカップリング剤S−08 0.05部を0.03部に、バインダー4.70部を4.72部に変更した以外は、実施例9と同様にして正極合材インキ6を得た。
シランカップリング剤S−08 0.05部を0.01部に、バインダー4.70部を4.74部に変更した以外は、実施例9と同様にして正極合材インキ7を得た。
シランカップリング剤S−08 0.05部を0.005部に、バインダー4.70部を4.745部に変更した以外は、実施例9と同様にして正極合材インキ8を得た。
表6に示した材料を使用した以外は実施例9と同様にして、正極合材インキ13、および16をそれぞれ得た。
LiFePO4をLiCoO2に、誘導体D−09を表3記載の誘導体D−11に、バインダー4.70部を4.75部に変更し、シランカップリング剤S−08を添加しなかった以外は実施例9と同様にして、正極合材インキ19を得た。
シランカップリング剤S−08をシランカップリング剤S−01に、バインダー4.70部を4.95部に変更し、誘導体D−09を添加しなかった以外は実施例9と同様にして、正極合材インキ20を得た。
LiFePO4をLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2に、シランカップリング剤S−08をシランカップリング剤S−04に、バインダー4.70部を4.95部に変更し、誘導体D−09を添加しなかった以外は実施例9と同様にして、正極合材インキ21を得た。
正極合材インキの分散度は、グラインドゲージによる判定(JISK5600−2−5に準ず)より求めた。
そして、この正極合材インキを、集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にドクターブレードを用いて塗布した後、減圧加熱乾燥して電極の厚みが100μmとなるよう調整した。さらに、ロールプレスによる圧延処理を行い、厚みが85μmとなる正極を作製した
。
次に、得られた正極を、直径16mmに打ち抜き作用極とし、金属リチウム箔を対極とした。作用極、対極、作用極と対極の間に挿入されるセパレーター(多孔質ポリプロピレンフィルム)、および電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1(体積比)の割合で混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解させた非水系電解液)とからなるコイン型電池を作製した。コイン型電池はアルゴンガス置換したグロ−ブボックス内で行い、コイン型電池作製後、所定の電池特性評価を行った。
得られた正極を、直径16mmに打ち抜き、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1(体積比)の割合で混合した混合溶媒に浸漬させ、60℃で1週間保管した。その後、電極を取り出し、浸漬前後の合材層の重量変化から、合材層崩壊の程度を判定した。重量変化が小さいほど、合材層の電解液耐性が高い。
◎:「浸漬前後の重量変化が4%未満。」
○:「浸漬前後の重量変化が4%以上、8%未満。」
△:「浸漬前後の重量変化が8%以上、15%未満。」
×:「浸漬前後の重量変化が15%以上。」
得られたコイン型電池について、充放電装置(北斗電工社製SM−8)を用い、充放電測定を行った。
使用する活物質がLiFePO4の場合は、充電電流1.0mAにて充電終止電圧4.2Vまで定電流充電を続けた。電池の電圧が4.2Vに達した後、放電電流1.0mAで放電終止電圧2.0Vに達するまで定電流放電を行った。これらの充電・放電サイクルを1サイクルとして50サイクルの充電・放電を繰り返し、「放電容量維持率=50サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量」とし、放電容量維持率によって以下のように判定した。
◎:「放電容量維持率が95%以上。特に優れている。」
○:「放電容量維持率が90%以上、95%未満。問題なし。」
△:「放電容量維持率が80%以上、90%未満。使用可能。」
×:「放電容量維持率が80%未満。実用上問題あり、使用不可。」
[実施例26]
実施例1で調製した分散体1 20部と、バインダー(KFポリマーW1100:クレハ社製、ポリフッ化ビニリデン)のN−メチル−2−ピロリドン溶液(固形分10%)20部を混合し、電極下地層インキを得た。
導電助剤としてアセチレンブラック(デンカブラックHS−100)100部、表1に記載の誘導体D−01 5.0部、表4記載のシランカップリング剤S−01 0.05部 N−メチル−2−ピロリドン895部をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散を行い、分散体11を得た。分散体と同様にして分散度を測定したところ、粒度は0.328μmであった。
分散体1を分散体11に変更した以外は実施例26と同様にして電極下地層インキを得、所定の電池特性評価を行った。
表7に示したカーボン分散体および合材インキを用いて、実施例26と同様にして、下地層を有する二次電池用正極を得、前述の正極と同様にしてコイン型電池を作成し、所定の電池特性評価を行った。
Claims (4)
- 活物質(A)または導電助剤(B)の少なくとも一方と、酸性基または塩基性基を有する、有機色素誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体、トリアジン誘導体からなる群から選ばれる1種以上の誘導体(C)と、シランカップリング剤(D)と、液状媒体とを含む二次電池正極形成用組成物。
- シランカップリング剤(D)が、反応性官能基を有する請求項1記載の二次電池正極形成用組成物。
- 集電体と、合材層もしくは電極下地層の少なくとも一層とを具備する正極であって、前記合材層もしくは前記電極下地層が請求項1または2記載の二次電池正極形成用組成物から形成されたものである二次電池用正極。
- 正極と負極と電解液とを具備する電池であって、前記正極が請求項3記載の二次電池用正極である二次電池。
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