JP5736865B2 - リチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法、及びそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
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Description
特に、資源的に豊富でかつ安価な鉄を含んだリチウム鉄リン複合酸化物は注目されている。リチウム鉄リン複合酸化物の中でもLiFePO4で表される、オリビン構造を持ったリン酸鉄リチウムは、金属リチウムに対して3.5V程度の電位を有することから実用性の高い材料として期待されている。
上記のような課題を解決させるために、これまでに様々な対策が取られてきた。具体的には、オリビン構造を持ったリン酸鉄リチウムの一次粒子を微粒子化する(特許文献1、2、3、4)、オリビン構造を持ったリン酸鉄リチウム粒子表面を導電性成分で被覆する(特許文献5、6、7、8、9、10)、オリビン構造を持ったリン酸鉄リチウム結晶内に異種金属をドープする(特許文献11)などの対策が報告されている。いずれの方法も、オリビン構造を持ったリン酸鉄リチウムの電子伝導性の向上、及び/又はリチウムイオンの伝導性の向上を行い、電池で理論値に近い良好な放電容量や、高負荷時の良好な充放電特性が得られるものである。
導電性成分として具体的には、導電性微粒子であるカーボンブラック(特許文献5)、加熱分解することで導電性炭素被膜を形成可能な有機化合物(特許文献6、7、8、9)、及び導電性金属酸化物(特許文献10)などが報告されている。その中でも、正極活物質の一次粒子表面を少量の安価な導電性成分で均一に被覆する方法として、導電性成分に、有機化合物である糖類が加熱分解した導電性炭素被膜を使用した例が多く報告されている。
又、本発明は、前記製造方法において、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン複合酸化物に含まれる遷移金属が、Fe及び/またはMnであることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法に関する。
又、本発明は、導電性炭素の含有率がリチウム二次電池用正極活物質全体に対して、0.1重量%以上かつ20重量%以下であることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法に関する。
又、本発明は、リチウム含有化合物と、遷移金属含有化合物のリン酸塩と、天然アスファルトの精製画分とを混合して混合物とする工程と、前記混合物を300〜1000℃で加熱する工程とを含むことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法に関する。
又、本発明は、前記製造方法において、遷移金属含有化合物のリン酸塩が、リン酸鉄(III)であることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法に関する。
又、本発明は、リチウム含有化合物と、遷移金属含有化合物と、リン含有化合物と、天然アスファルトの精製画分とを混合して混合物とする工程と、前記混合物を300〜1000℃で加熱する工程とを含むことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法に関する。
又、本発明は、リチウム遷移金属リン複合酸化物と、天然アスファルトの精製画分とを混合して混合物とする工程と、前記混合物を300〜1000℃で加熱する工程とを含むことを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法に関する。
又、本発明は、前記製造方法において、天然アスファルトが、ギルソナイトであることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法に関する。
又、本発明は、前記製造方法を用いてなることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質材料に関する。
又、本発明は、前記リチウム二次電池用正極活物質材料を用いてなる電極に関する。
又、本発明は、前記電極を正極として備えてなるリチウム二次電池に関する。
本発明のオリビン構造を有するリチウム遷移金属リン複合酸化物としては特に限定はされないが、少なくともリチウムとリンと遷移金属とを含有したオリビン構造を有する金属酸化物である。例えば、遷移金属としては、Fe、Co、Ni、及びMn等が挙げられ、1つのリチウム遷移金属リン複合酸化物中に2種類以上の遷移金属を含有してもよい。特に、コストや資源の豊富さの観点から、Fe及びMnがより好ましい。
特に、オリビン構造を有するリン酸鉄リチウムは、コストや安全性、資源の豊富さの観点から好ましい材料である。
本発明における製造方法では、導電性炭素を加熱分解により生成する材料として、天然アスファルトの精製画分が好ましい。天然アスファルトの精製画分は、溶剤、水等の媒体中に溶解または分散させて用いることもできる。また、天然アスファルトの精製画分は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における製造方法において用いられる天然アスファルトとは、天然に産出する炭化水素鉱物であって、天然において原油中の軽質分が揮発または変質することにより生じるものである。天然アスファルトとしては、具体的には、ギルソナイト、グランスピッチ、及びグラハマイト等のアスファルタイト、レーキアスファルト、ロックアスファルト、サンドアスファルト等が挙げられる。又、天然アスファルトの精製過程において得られる精製画分も使用できる。
市販の天然アスファルトの精製画分としては、例えば、ER−125等のAMERICAN GILSONITE COMPANY製の天然アスファルトの精製画分;トリニダッド・エピュレ等のCARL UNGEWITTER TRINIDAD LAKE ASPHALT製の天然アスファルトの精製画分が挙げられる。
本発明における製造方法において用いられる天然アスファルトの精製画分は、非常に安価な炭素含有化合物であり、化合物中の炭素含有量も高い。又、以下に述べる様に、不活性ガス雰囲気下、または還元性ガス雰囲気下での加熱分解により高い収率で炭化して効率的に電子伝導性をもった炭素を生成しやすく、無秩序な結晶成長を抑制し、粒子同士の融着を防ぐ効果が高いという特性を持つ。
一般に、長い炭素鎖を有する化合物ほど、昇華性が低く、加熱分解時に生成する中間体の揮発性も低いため、高い収率で炭化する傾向がある。さらに、広い温度範囲で溶融状態となるため、加熱工程において原料粒子表面均一に広がり、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン複合酸化物の粒子表面に均一な導電性炭素の被膜を生成しやすく、高い結晶成長抑制効果を持つ。具体的には、炭素数10以上の炭素鎖を有する場合、生成する導電性炭素量が多く、結晶成長抑制効果が高く、優れた電池特性が得られる。ここで、天然アスファルトの精製画分は、主に炭素数が10以上の炭化水素からなる混合物であるから、導電性炭素を生成する材料として好適である。
加熱工程において、目的のオリビン構造を有するリチウム遷移金属リン複合酸化物が生成される反応には時間を要するため、導電性炭素を生成する材料が狭い温度範囲、すなわち短時間で加熱分解して揮発する場合、上記反応に寄与することなく揮発してしまい、充分な導電性炭素の生成や粒子成長抑制効果が得られないことがある。ここで、天然アスファルトの精製画分は、様々な融点、軟化点、分解点を有する化合物を含む混合物であるため、純物質と比較して広い温度範囲で融解または軟化し、広い温度範囲で熱分解反応を起こす。そのため、天然アスファルトの精製画分は、導電性炭素を生成する材料として好適である。
本発明における製造方法により得られるリチウム二次電池用正極活物質材料中の導電性炭素の含有率としては、具体的には0.1重量%以上、20重量%以下、好ましくは0.5重量%以上、15重量%以下、更に好ましくは1重量%以上、10重量%以下のものを使用することが望ましい。
導電性炭素の含有率が0.1重量%を下回るリチウム二次電池用正極活物質材料を用いると、十分な導電性を得ることが難しくなる場合があり、正極の内部抵抗が向上し、高い電池性能が得られにくいことがある。一方、導電性炭素の含有率が20重量%を上回るリチウム二次電池用正極活物質材料を用いると、十分な導電性は得られるが正極合剤中のリチウム遷移金属リン複合酸化物の含有量が少なくなると同時に、リチウムイオンの含有量も少なくなるため、重量当たりの放電容量が少なくなる可能性がある。
本発明におけるリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法において、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン複合酸化物に、天然アスファルトの精製画分の加熱分解により生成する導電性炭素を被覆する方法としては、一つの方法に限定されるものではない。
該製造方法では、加熱時にリチウム遷移金属リン複合酸化物の生成反応と、天然アスファルトの精製画分の熱分解による導電性炭素の生成反応が同時に進行し、最終的に導電性炭素が表面に処理されたオリビン構造を有するリチウム遷移金属リン系複合酸化物が得られる。
該製造方法では、加熱時に天然アスファルトの精製画分の熱分解による導電性炭素の生成反応が主な反応として進行するが、本発明における天然アスファルトの精製画分は、250℃以下の比較的低い温度領域において融解または軟化し、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン複合酸化物の粒子表面を被覆するため、天然アスファルトの精製画分が導電性炭素を生成しやすい300℃以上の温度範囲でも、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン複合酸化物の粒子間の融着、及び粒子成長を抑制することができ、均一に導電性炭素が表面に処理されたオリビン構造を有するリチウム遷移金属リン系複合酸化物が得られやすい。
2本ロールや3本ロール等のロールミル、ヘンシェルミキサーやスーパーミキサー等の高速攪拌機、マイクロナイザーやジェットミル等の流体エネルギー粉砕機、アトライター、ホソカワミクロン社製粒子複合化装置「ナウタミキサ」、「サイクロミックス」、「ナノキュア」、「ノビルタ」、「メカノフュージョン」、奈良機械製作所社製粉体表面改質装置「ハイブリダイゼーションシステム」、「メカノマイクロス」、「ミラーロ」等が挙げられる。
ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;
エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社製「フィルミックス」等のホモジナイザー類;
ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;
湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械社製「マイクロス」等のメディアレス分散機;
又は、その他ロールミル、ニーダー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、湿式処理機としては、装置からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
本発明における製造方法では、使用するリチウム含有化合物、遷移金属含有化合物、リン含有化合物、リチウム遷移金属リン複合酸化物、天然アスファルトの精製画分等に応じて、最適な混合装置又は分散装置を選択することにより、電池性能の優れたリチウム二次電池用正極活物質材料を得ることができる。
本発明におけるリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法において、加熱工程における加熱温度に関しては、リチウム含有化合物、遷移金属含有化合物、リン含有化合物、リチウム遷移金属リン複合酸化物、天然アスファルトの精製画分等によって異なるものであるが、300〜1000℃、好ましくは450〜800℃であることが望ましい。
本発明における製造方法において用いられる遷移金属含有化合物としては、遷移金属であるコバルト、ニッケル、マンガン、鉄等を含有するものであればいずれの化合物でも使用可能である。特に、遷移金属のなかでも、鉄、マンガンは安価な金属であり、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン複合酸化物を製造しやすいため好ましい。また、遷移金属含有化合物として、保存安定性や取扱い易さ等の観点から、酸化物、水酸化物、塩化物、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩などの有機酸塩などが好ましく、特に、鉄含有化合物としては、安価で保存安定性の良いリン酸鉄(III)がより好ましい。リン酸鉄(III)としては、FePO4・2H2O、FePO4・4H2O、FePO4・nH2Oなどの水和物や、結晶性α‐FePO4などの無水和物が挙げられる。
次に、本発明におけるリチウム二次電池用正極活物質材料を用いてなる電極について説明する。
電極に関しては、集電体上に、少なくとも本発明におけるリチウム二次電池用正極活物質材料と、バインダーで構成される電極合剤が塗工されたものである。更に、電極の導電性を向上させるために、電極合剤中に導電助剤を添加することもできる。ちなみに、集電体としては、正極にアルミニウム箔を用いることが好ましい。
本発明における電極を構成する電極合剤に使用されるバインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、カルボキシルメチルセルロース等のセルロース樹脂、スチレン−ブタジエンゴムやフッ素ゴム等の合成ゴム、ポリアニリンやポリアセチレン等の導電性樹脂等が挙げられる。又、これらの樹脂の変性体、混合物、又は共重合体でも良い。
ン等を構成単位として含む共重合体が挙げられる。
特に、耐性面から分子内にフッ素原子を有する高分子化合物、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、及びポリテトラフルオロエチレン等の使用が好ましい。
本発明における電極を構成する電極合剤に使用される導電助剤としては、炭素材料が最も好ましい。炭素材料としては、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されるものではないが、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、及びフラーレン等を単独で、若しくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、及びコスト面から、カーボンブラックの使用が好ましい。
1500m2/g以下のものを使用することが望ましい。BET比表面積が20m2/gを下回るカーボンブラックを用いると、十分な導電性を得ることが難しくなる場合があり、1500m2/gを超えるカーボンブラックは、市販材料での入手が困難となる場合がある。
トーカブラック#4300、#4400、#4500、及び#5500等の東海カーボン社製ファーネスブラック;
プリンテックスL等のデグサ社製ファーネスブラック;
Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULT
RA、Conductex SC ULTRA、975 ULTRA、PUER BLACK100、115、及び205等のコロンビヤン社製ファーネスブラック;
#2350、#2400B、#2600B、#30050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、及び#5400B等の三菱化学社製ファーネスブラック;
MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、及びBlackPearls2000等のキャボット社製ファーネスブラック;
Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、及びSuperP−Li等のTIMCAL社製ファーネスブラック;
ケッチェンブラックEC−300J、及びEC−600JD等のアクゾ社製ケッチェンブラック; 並びに、
デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35等の電気化学工業社製アセチレンブラック等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電極の作成方法に関しては、何かに限定されるものではないが、例えば、本発明におけるリチウム二次電池用正極活物質材料と、導電助剤と、バインダーを溶媒中に分散混合させ合剤ペーストを調整したあと、アルミニウム箔などの集電体に塗工し、乾燥することにより作成される。
ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;
エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社「フィルミックス」等のホモジナイザー類;
ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;
湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械社製「マイクロス」等のメディアレス分散機;
又は、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
合剤ペーストを作成する際に使用する溶剤としては、例えば、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、リン酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類、及び水等が挙げられる。
バインダー樹脂の溶解性や、導電助剤である炭素材料の分散安定性を得るためには、極性の高い溶媒を使用することが好ましい。
次に、本発明におけるリチウム二次電池用正極活物質材料を用いた電極を、正極として備えてなるリチウム二次電池について説明する。
本発明のリチウム二次電池を構成する電解液としては、リチウムを含んだ電解質を非水系の溶剤に溶解したものを用いる。電解質としては、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、LiC4F9SO3、Li(CF3SO2)3C、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、又はLiBPh4等が挙げられるがこれらに限定されない。
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネート等のカーボネート類;
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びγ−オクタノイックラクトン等のラクトン類;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−メトキシエタン、1,2−エトキシエタン、及び1,2−ジブトキシエタン等のグライム類;
メチルフォルメート、メチルアセテート、及びメチルプロピオネート等のエステル類;ジメチルスルホキシド、及びスルホラン等のスルホキシド類;並びに、
アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。又、これらの溶剤は、それぞれ単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。実施例中、%は重量%をそれぞれ表す。
・SEM(走査型電子顕微鏡);日立製作所社製 SEM S−4300
・TEM(透過型電子顕微鏡);日立ハイテクノロジー製 HF2000
[製造例1;結晶性α−FePO4(a)]
リンと鉄の元素比率が1:1になるようにリン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と、塩化鉄(FeCl3)を秤量し、両者の水溶液を作成した。リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)水溶液を撹拌しながら、塩化鉄(FeCl3)水溶液及びアンモニア水をそれぞれ同時に滴下し、黄白色の析出物を得たあと、ろ過、水洗浄、乾燥、粉砕を行い、非晶性のFePO4・nH2Oを得た。
次に、非晶性のFePO4・nH2Oをアルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、500℃で10時間焼成、冷却を行い、結晶性α−FePO4を得た。
得られた結晶性α−FePO4を、ジェットミルを用い粉砕を行い、結晶性α−FePO4(a)を得た。
リンと鉄の元素比率が1:1になるようにリン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)と、硝酸鉄(Fe(NO3)3)を秤量し、両者の水溶液を作成した。リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)水溶液を撹拌しながら、硝酸鉄(Fe(NO3)3)水溶液及びアンモニア水をそれぞれ同時に滴下し、黄白色の析出物を得たあと、ろ過、水洗浄、乾燥、粉砕を行い、非晶性のFePO4・nH2Oを得た。
次に、非晶性のFePO4・nH2Oをアルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、520℃で5時間焼成、冷却を行い、結晶性α−FePO4を得た。
得られた結晶性α−FePO4を、ジェットミルを用い粉砕を行い、結晶性α−FePO4(b)を得た。
製造例1で得られた結晶性α−FePO4(a)、炭酸リチウム(Li2CO3)、及びギルソナイトから抽出された軟化点120〜125度の脂肪族系炭化水素樹脂(AMERICAN GILSONITE COMPANY製ER−125)とを、鉄とリチウムの元素比率が1:1で、原料混合物中の上記脂肪族系炭化水素樹脂の含有率が4.0%となるように秤量し、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、700℃で5時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、炭素被覆されたオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム化合物であるリチウム二次電池用正極活物質材料(1)を得た。
製造例1で得られた結晶性α−FePO4(a)、酢酸リチウム(CH3COOLi)、及びギルソナイト(AMERICAN GILSONITE COMPANY製ギルソナイトセレクト300)とを、鉄とリチウムの元素比率が1:1で、原料混合物中のギルソナイトの含有率が8.0%となるように秤量し、メタノール中、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと乾燥粉砕し、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、750℃で5時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、炭素被覆されたオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム化合物であるリチウム二次電池用正極活物質材料(2)を得た。
得られたリチウム二次電池用正極活物質材料(2)は、CHN元素分析より、炭素含有率は4.2%であり、SEM(走査型電子顕微鏡)観察より、平均一次粒子径は78nmであった。
製造例2で得られた結晶性α−FePO4(b)、炭酸リチウム(Li2CO3)、及びギルソナイトから抽出された軟化点120〜125度の脂肪族系炭化水素樹脂(AMERICAN GILSONITE COMPANY製ER−125)とを、鉄とリチウムの元素比率が1:1で、原料混合物中の上記脂肪族系炭化水素樹脂の含有率が7.0%となるように秤量し、メタノール中、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと乾燥粉砕し、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、680℃で10時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、炭素被覆されたオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム化合物であるリチウム二次電池用正極活物質材料(3)を得た。
得られたリチウム二次電池用正極活物質材料(3)は、CHN元素分析より、炭素含有率は3.1%であり、SEM(走査型電子顕微鏡)観察より、平均一次粒子径は77nmであった。
リン酸第一鉄八水和物(Fe3(PO4)2・8H2O)、リン酸リチウム(Li3PO4)、及びギルソナイトから抽出された軟化点120〜125度の脂肪族系炭化水素樹脂(AMERICAN GILSONITE COMPANY製ER−125)とを、鉄とリチウムの元素比率が1:1で、原料混合物中の上記脂肪族系炭化水素樹脂の含有率が5.0%となるように秤量し、メタノール中、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと乾燥粉砕し、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、300℃で10時間焼成、冷却を行ったあと、乳鉢にて混合を行い、700℃で15時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、炭素被覆されたオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム化合物であるリチウム二次電池用正極活物質材料(4)を得た。
得られたリチウム二次電池用正極活物質材料(4)は、CHN元素分析より、炭素含有率は3.0%であり、SEM(走査型電子顕微鏡)観察より、平均一次粒子径は210nmであった。
シュウ酸鉄二水和物(FeC2O4・2H2O)、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)、酢酸リチウム(CH3COOLi)、及びギルソナイト(AMERICAN GILSONITE COMPANY製ギルソナイトセレクト300)とを、鉄とリンとリチウムの元素比率が1:1:1で、原料混合物中のギルソナイトの含有率が10.0%となるように秤量し、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、300℃で10時間焼成、冷却を行ったあと、乳鉢にて混合を行い、700℃で15時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、炭素被覆されたオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム化合物であるリチウム二次電池用正極活物質材料(5)を得た。
得られたリチウム二次電池用正極活物質材料(5)は、CHN元素分析より、炭素含有率は4.3%であり、SEM(走査型電子顕微鏡)観察より、平均一次粒子径は160nmであった。
リチウムと鉄の元素比率が1:1となるようにリン酸第一鉄八水和物(Fe3(PO4)2・8H2O)とリン酸リチウム(Li3PO4)とを秤量し、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、600℃で10時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、オリビン構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO4)(c)を得た。
次に、得られたオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO4)(c)とギルソナイトから抽出された軟化点120〜125度の脂肪族系炭化水素樹脂(AMERICAN GILSONITE COMPANY製ER−125)とを、混合物中の上記脂肪族系炭化水素樹脂の含有率が10.0%となるように秤量し、メタノール中、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと乾燥粉砕し、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、700℃で15時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、炭素被覆されたオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム化合物であるリチウム二次電池用正極活物質材料(6)を得た。
得られたリチウム二次電池用正極活物質材料(6)は、CHN元素分析より、炭素含有率は3.5%であり、SEM(走査型電子顕微鏡)観察より、平均一次粒子径は100nmであった。
酸化マンガン(Mn3O4)、五酸化二リン(P2O5)、炭酸リチウム(Li2CO3)、及びギルソナイトから抽出された軟化点120〜125度の脂肪族系炭化水素樹脂(AMERICAN GILSONITE COMPANY製ER−125)とを、マンガンとリンとリチウムの元素比率が1:1:1で、原料混合物中の上記脂肪族系炭化水素樹脂の含有率が30.0%となるように秤量し、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、400℃で15時間焼成、冷却を行ったあと、乳鉢にて混合を行い、800℃で20時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、炭素被覆されたオリビン構造を有するリン酸マンガンリチウム化合物であるリチウム二次電池用正極活物質材料(7)を得た。
得られたリチウム二次電池用正極活物質材料(7)は、CHN元素分析より、炭素含有率は6.2%であり、SEM(走査型電子顕微鏡)観察より、平均一次粒子径は420nmであった。
マンガンとリンとリチウムの元素比率が1:1:1となるようにマンガン(Mn)と五酸化二リン(P2O5)と炭酸リチウム(Li2CO3)とを秤量し、純水中で攪拌し、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、350℃で24時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、オリビン構造を有するリン酸マンガンリチウム(LiMnPO4)(d)を得た。
次に、得られたオリビン構造を有するリン酸マンガンリチウム(LiMnPO4)(d)とギルソナイト(AMERICAN GILSONITE COMPANY製ギルソナイトセレクト300)とを、混合物中の上記ギルソナイトの含有率が30.0%となるように秤量し、メタノール中、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと乾燥粉砕し、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で20時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、炭素被覆されたオリビン構造を有するリン酸マンガンリチウム化合物であるリチウム二次電池用正極活物質材料(8)を得た。
得られたリチウム二次電池用正極活物質材料(8)は、CHN元素分析より、炭素含有率は4.2%であり、SEM(走査型電子顕微鏡)観察より、平均一次粒子径は510nmであった。
製造例1で得られた結晶性α−FePO4(a)、炭酸リチウム(Li2CO3)、及び導電性を有する炭素材料であるデンカブラックFX35とを、鉄とリチウムの元素比率が1:1で、原料混合物中のデンカブラックFX35の含有率が4.0%となるように秤量し、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、700℃で5時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、炭素被覆されたオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム化合物であるリチウム二次電池用正極活物質材料(9)を得た。
得られたリチウム二次電池用正極活物質材料(9)は、CHN元素分析より、炭素含有率は3.5%であり、SEM(走査型電子顕微鏡)観察より、平均一次粒子径は620nmであった。
製造例1で得られた結晶性α−FePO4(a)、炭酸リチウム(Li2CO3)、及び糖類であるスクロースとを、鉄とリチウムの元素比率が1:1で、原料混合物中のスクロースの含有率が4.0%となるように秤量し、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、700℃で5時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、炭素被覆されたオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム化合物であるリチウム二次電池用正極活物質材料(10)を得た。
得られたリチウム二次電池用正極活物質材料(10)は、CHN元素分析より、炭素含有率は0.7%であり、SEM(走査型電子顕微鏡)観察より、平均一次粒子径は240nmであった。得られたSEM像を図3に示す。
製造例1で得られた結晶性α−FePO4(a)、炭酸リチウム(Li2CO3)、及びポリエチレングリコールとを、鉄とリチウムの元素比率が1:1で、原料混合物中のポリエチレングリコールの含有率が4.0%となるように秤量し、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、700℃で5時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、炭素被覆されたオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム化合物であるリチウム二次電池用正極活物質材料(11)を得た。
得られたリチウム二次電池用正極活物質材料(11)は、CHN元素分析より、炭素含有率は0.3%であり、SEM(走査型電子顕微鏡)観察より、平均一次粒子径は310nmであった。
製造例1で得られた結晶性α−FePO4(a)、炭酸リチウム(Li2CO3)、及びテレフタル酸とを、鉄とリチウムの元素比率が1:1で、原料混合物中のテレフタル酸の含有率が4.0%となるように秤量し、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、700℃で5時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、炭素被覆されたオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム化合物であるリチウム二次電池用正極活物質材料(12)を得た。
得られたリチウム二次電池用正極活物質材料(12)は、CHN元素分析より、炭素含有率は0.04%であり、SEM(走査型電子顕微鏡)観察より、平均一次粒子径は540nmであった。
製造例1で得られた結晶性α−FePO4(a)、炭酸リチウム(Li2CO3)、及びステアリルアルコールとを、鉄とリチウムの元素比率が1:1で、原料混合物中のステアリルアルコールの含有率が4.0%となるように秤量し、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、700℃で5時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、炭素被覆されたオリビン構造を有するリン酸鉄リチウム化合物であるリチウム二次電池用正極活物質材料(13)を得た。
得られたリチウム二次電池用正極活物質材料(13)は、CHN元素分析より、炭素含有率は1.2%であり、SEM(走査型電子顕微鏡)観察より、平均一次粒子径は150nmであった。
実施例8の中間体として得られたオリビン構造を有するリン酸マンガンリチウム(LiMnPO4)(d)とスクロースとを、混合物中のスクロースの含有率が30.0%となるように秤量し、メタノール中、遊星ボールミルで粉砕混合を行ったあと乾燥粉砕し、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で20時間焼成を行い、得られた焼成物を乳鉢にて粉砕し、炭素被覆されたオリビン構造を有するリン酸マンガンリチウム化合物であるリチウム二次電池用正極活物質材料(14)を得た。
得られたリチウム二次電池用正極活物質材料(14)は、CHN元素分析より、炭素含有率は1.2%であり、SEM(走査型電子顕微鏡)観察より、平均一次粒子径は2000nmであった。
リチウム二次電池用正極活物質材料(1)〜(14)36部に対して、カーボンブラック(デンカブラックHS−100;電気化学工業社製)2部、ポリフッ化ビニリデンPVDF(KFポリマーW#1100;クレハ社製)2部、N−メチル−2−ピロリドン60部を加え、プラネタリーミキサーで混練し、正極合剤ペースト(1)〜(14)を調整した。
<リチウム二次電池用正極の作製>
[実施例1〜8、比較例1〜6]
先に調製した正極合剤ペースト(1)〜(14)を、集電体となる厚さ20μmのアルミ箔上にアプリケーターを用いて塗布した後、減圧加熱乾燥し、ロールプレス等による圧延処理を行い、厚さ50μmの正極合剤層を作製した。
先に作製した正極を、直径9mmに打ち抜き作用極とし、金属リチウム箔(厚さ0.15mm)を対極として、作用極及び対極の間に多孔質ポリプロピレンフィルムからなるセパレーター(セルガード社製 #2400)を挿入積層し、電解液(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを1:1に混合した混合溶媒にLiPF6を1Mの濃度で溶解させた非水電解液)を満たして二極密閉式金属セル(宝仙社製 HSフラットセル)を組み立てた。セルの組み立てはアルゴンガス置換したグロ−ボックス内で行い、セル組み立て後、所定の電池特性評価を行った。
[充放電サイクル特性 実施例1〜8、比較例1〜6]
作製した電池評価用セルを室温(25℃)で、充電レート0.2C、2.0Cの定電流定電圧充電(上限電圧4.5V)で満充電とし、充電時と同じレートの定電流で放電下限電圧2.0Vまで放電を行う充放電を1サイクル(充放電間隔休止時間30分)とし、このサイクルを合計20サイクル行い、充放電サイクル特性評価(評価装置:北斗電工社製SM−8)を行った。充電レート0.2Cでの初期容量に対する充電レート2.0Cでの初期容量の割合を高レート放電容量維持率とした。評価結果を表2に示した。
Claims (11)
- リチウム二次電池用正極活物質材料が、オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン複合酸化物の粒子表面の一部または全部が導電性炭素で被覆されてなるものであり、前記導電性炭素が、天然アスファルトの精製画分の加熱分解物であって、天然アスファルトの精製画分が、天然アスファルトの溶剤抽出により製造される樹脂であることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法。
- オリビン構造を有するリチウム遷移金属リン複合酸化物に含まれる遷移金属が、Fe及び/またはMnであることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法。
- 導電性炭素の含有率は、リチウム二次電池用正極活物質全体に対して、0.1重量%以上かつ20重量%以下であることを特徴とする請求項1または2記載のリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法。
- リチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法であって、リチウム含有化合物と、遷移金属含有化合物のリン酸塩と、天然アスファルトの精製画分とを混合して混合物とする工程と、前記混合物を300〜1000℃で加熱する工程とを含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法。
- リチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法であって、リチウム含有化合物と、遷移金属含有化合物と、リン含有化合物と、天然アスファルトの精製画分とを混合して混合物とする工程と、前記混合物を300〜1000℃で加熱する工程とを含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法。
- リチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法であって、リチウム遷移金属リン複合酸化物と、天然アスファルトの精製画分とを混合して混合物とする工程と、前記混合物を300〜1000℃で加熱する工程とを含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法。
- 遷移金属含有化合物のリン酸塩が、リン酸鉄(III)であることを特徴とする請求項4記載のリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法。
- 天然アスファルトが、ギルソナイトであることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載のリチウム二次電池用正極活物質材料の製造方法。
- 請求項1〜8いずれか記載の製造方法を用いてなることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質材料。
- 請求項9記載のリチウム二次電池用正極活物質材料を用いてなることを特徴とする電極。
- 請求項10記載の電極を正極として備えてなることを特徴とするリチウム二次電池。
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