JP2013066618A - シャワー吐水装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シャワー孔と、羽根車124と、散水板の内面に沿って延びる形態で羽根車124に設けられたシャワー孔遮断部とを含み、シャワー孔遮断部の回動によってシャワー孔を断続的に遮断及び開放することでシャワー水をパルス状に吐水するシャワー吐水装置において、シャワー孔の上部を構成する連通孔118Bの上端の開口を円周上に並べて配置するとともに、その上端の開口を散水板の内面に設けた円周状の溝160-1,160-2,160-3の底面で開口させ、溝160-1〜160-3にてシャワー孔118の上端の開口と羽根車124の羽根129Aと129Aとの間に形成される空間Kとを円周方向に連絡する部分的な拡大隙間S-1,S-2,S-3を形成する。
【選択図】 図13
Description
従来において、この種のシャワー装置では、散水板に設けられた複数のシャワー孔と、軸と軸に回転可能に嵌合する筒状部との嵌合に基づいて軸周りに回転運動する羽根車と、上流部からの水を通過させ、通過水を噴射水流として羽根車の羽根に衝突させ、羽根車を回転駆動する水流噴射部材と、散水板の内面に沿って延びる形態で所定周長に亘り羽根車に設けられ、羽根車の回転により上記の軸周りに回動運動し、回動に伴ってシャワー孔を断続的に遮断及び開放するシャワー孔遮断部とを含み、そのシャワー孔遮断部によるシャワー孔の断続的な遮断及び開放に基づいてシャワー水をパルス状に吐水するようにしている。
この場合、羽根と羽根との間の空間内の水は、その空間内に上端の開口が位置しているシャワー孔を通じて外部に円滑に排出され得るが、上端の開口が羽根の下側の隠れた位置にあるシャワー孔を通じては外部に円滑に排出され難く、そのことによって同空間内の水がそこに籠った状態となり易い。
この場合同空間内の水の籠り圧が羽根車に対する回転の抵抗となり、そのことによって羽根車が円滑に安定して回転しなくなり、シャワー水をスムーズにパルス状吐水することが難しくなる問題が生ずる。
図16はその具体例を示している。
図16(A)中、200はシャワーヘッドで、202はシャワー水を断続的にパルス状吐水するシャワー吐水部である。
この特許文献1に開示のものでは、図16(B)に示す流路切替機構204に設けた螺旋状の通水路206を湯水が通過して、羽根車208の羽根210に当ることで羽根車208を回転させ、そして羽根車208の底板(シャワー孔遮断部)212が、散水部214の底部に周方向にスポット的に設けた通水路216を断続的に遮断及び開放することで、シャワー吐水部202からシャワー水をパルス状吐水する。
またこのシャワー吐水装置の場合、シャワー水をパルス状吐水するシャワー吐水部202が、シャワー孔を円周上に並べて配置したものでもない。
これにより羽根車を円滑且つ安定して回転させることができ、シャワー水を良好にパルス状吐水させることが可能となる。
しかしながらこの場合、羽根の下端と散水板内面との間の隙間が大きくなるとともに、シャワー孔遮断部と散水板内面との間の隙間も大きくなり、この場合、羽根の下端と散水板内面との間の隙間を通じて羽根と羽根との間の空間から周方向に漏れた水が、シャワー孔遮断部と散水板内面との間の隙間に多量に流れ込んで、シャワー孔遮断部の下側に位置するシャワー孔を通じても外部に排出されてしまう。
そのようになるとシャワー孔遮断部により、シャワー孔が良好に遮断されなくなり、シャワー水のパルス状吐水機能が損なわれてしまう。
図1において、10はシャワーヘッドで、12はその握り部、14は頭部である。
図2に、シャワーヘッド10の内部構造が具体的に示してある。
図2に示しているようにシャワーヘッド10は、上部ケース16と、仕切部材18と、下部ケース20とを有している。
仕切部材18は、樹脂製の第1部材22と第2部材24とから成っていて、それらが樹脂同士の溶着により接合一体化されており、上流側の水路26に連通した主水室28をそれらの内側に形成している。
ここで仕切部材18は、固定部30においてボルト32により上部ケース16に固定されている。
上記の仕切部材18は、このねじ固定具36によって外周部が上向きに押圧され、固定されている。
尚、このねじ固定具36は場合によって省略しても良い。
下部ケース20は、中心部の固定部42においてボルト44により段付形状のスリーブ46を介して上記の仕切部材18のボス部47に固定され、支持されている。
キャップ48は、外周壁部50と内周壁部51との2重壁構造をなしており、その外周壁部50と内周壁部51との間に、つまりキャップ48の底部60を含んで構成された散水板58の外周側に第1水室54が形成され、また内周壁部51の内側に、つまり散水板58の内周側に第2水室56が形成されている。
尚この複数の第3水室68にはミスト機構70が設けられており、これら第3水室68に導かれた水は、このミスト機構70によりミストとされて、下部ケース20の環状の底部に形成されたミスト孔72から外部に噴射される。
ここでミスト孔72は、孔径(最小径部)がφ1.0mmの大きさとされている。
尚この実施形態では、後述の第1パルスシャワー機構91の散水板58-1がキャップ48の底部60自体にて構成され、また第2パルスシャワー機構92の散水板58-2が、底部60と後述のノズルシート140のシート部142、及びノズルシート押え148の底部152にて3層積層構造で構成されている。
尚切替操作部64には、図1に示しているように突出形状の摘み66が設けられている。
一方上記仕切部材18には、図4(ア)に示しているように主水室28に連通した流出開口80が設けられている。
また下部ケース20には、第1水路74に連通した第1流入開口82,第2水路76に連通した第2流入開口84、及び第3水路78に連通した第3流入開口86が同一円周上に設けられている。
一方第2流入開口84を流出開口80に合致させると、上流部からの水が主水室28から流出開口80,第2流入開口84を経て第2水路76へと流入し、次いで図4(ウ)に示す連通開口90を経て第2水室56へと流入する。
また第3流入開口86を流出開口80に合致させると、上流部からの水が主水室28から流出開口80,第3流入開口86を経て第3水路78に流入し、次いで第3水室68へと流入して、そこでミスト化されてミスト孔72から外部にミスト噴射される。
また第2水室56に流入した水は、第2パルスシャワー機構92により断続的にシャワー吐水、即ちパルスシャワー吐水される。
これらの図において、切替操作部64の摘み66が中立位置にあるとき、第2流入開口84が流出開口80に合致した状態にあり、従ってこのときには主水室28内の水が第2水室56に流入して、第2パルスシャワー機構92によりパルスシャワー吐水される。
逆に切替操作部64を図4において時計方向に回転させると、第3流入開口86が流出開口80に合致して、主水室28内の水が第3水室68内に流入し、ミスト孔72から外部にミスト噴射される。
図6,図7,図8及び図2に示しているように、第1パルスシャワー機構91は、キャップ48の上面即ち散水板58-1の内面(上面)に設けられた環状且つ円形のガイド溝93を有している。
そしてこのガイド溝93の底部に且つ底部に沿って周方向に一定間隔ごとに第1シャワー孔94が設けられている。
ここで第1シャワー孔94は内径がφ1.8mmの大径のものである。
本実施形態では、この第1シャワー孔94が周方向に一定間隔ごとに合計8個設けられている。
回転体96は円形のリング状をなす部材であって、図7(B)にも示しているように底部100と周壁部102とを有しており、周方向に120°ごと離れた3個所にボール保持部104を有している。
またそれらボール保持部104と104との間において、平面視略L字形状をなす複数の壁106を互いに等間隔で複数有している。
ここで壁106は、図5に示すように円環状をなす周壁部102からその中心方向、即ち求心方向に延びる主部106Aと、主部106Aの先端で折れ曲った曲げ部106Cとを有している。
壁106における主部106Aの凹面側の、周壁部102への付根部106Bは曲面形状とされており、また主部106Aから曲げ部106Cにかけての移行部106Dが、同じく湾曲した曲り形状とされている。
回転体96における上記のボール保持部104は、図中下面で開口した球面状、厳密には部分球面状をなす保持穴112(図7(B)参照)を有しており、各保持穴112においてボール114(ボール114もまた樹脂製)を、それらの下部を僅かに下向きに突出させる状態に回転可能に保持している。
即ちガイド溝93とボール114との凹凸嵌合にて画定される回転軌跡に沿って回転運動させられる。
即ち各ボール114は、ガイド溝93に沿って周回運動する際、断続的に各シャワー孔94を遮断及び開放する。
各噴射孔116は斜孔をなしており、上流側から流れて来た水をこれら噴射孔116を通じて下流側に通過させ、その際に通過水を噴射水流として回転体96に備えた上記の壁106に衝突させ、回転体96を回転駆動する。
リング状の切替操作部64の回転操作で、図4(イ)に示す第1流入開口82を主水室28の流出開口80に合致させることにより第1水路74に流入した水は、連通開口88を経由して水流噴射部材98の上面に図中下向きに到達する。
水流噴射部材98は、このようにして到達した水を、自身の噴射孔116を通じて図中下向き且つ回転方向に斜め向きに水流として噴射する。
その噴射水流は回転体96の壁106に当ってこれを回転運動させる。
その際、ボール114は回転体96に保持されながらこれと一体にガイド溝93を転動運動(回動運動)し、その回転運動に伴って即ち第1シャワー孔94を通過するごとにこれを遮断及び開放し、以て第1シャワー孔94からシャワー水を断続してパルスシャワー吐水せしめる。
この第2パルスシャワー機構92の散水板58-2は、上記のようにキャップ48の底部60と、これに重ねられたノズルシート140のシート部142と、更にこれに重ねられたノズルシート押え148の底部152との3層積層構造で構成されている。
ノズルシート140はゴム製(他のエラストマー材料から成るものであっても良い)であり、このノズルシート140は、図3及び図9に示しているようにシート部142と、このシート部142から下向きに突き出した多数のノズル部144とを有しており、各ノズル部144が、樹脂製のキャップ48の底部60に形成された挿通孔146を挿通して、それぞれの先端部が下向きに突き出している。
ノズル部144は、4重の同心円状に配置されており、そしてそれらノズル部144のノズル孔118Aによって、図1に示す4重の同心円状のシャワー孔118(詳しくはシャワー孔118の下部)を形成している。
ここで第2シャワー孔118は、それぞれの大きさが第1シャワー孔94よりも小孔径とされている。具体的にはここでは第2シャワー孔118は、その何れもが下端の開口の孔径がφ0.8mmとされている。
尚最内周のシャワー孔118-4は、周方向に120°ごと隔たった3個所に形成されている。
このノズルシート押え148は、円形の周壁部150と、底部152とを有している。底部152の下面は、ノズルシート140におけるシート部142の凹曲面に対応した凸曲面をなしている。
その際のキャップ48のねじ込み力により、自身の底部152によってノズルシート140のシート部142を、キャップ48の底部60に対して下向きに押圧し、ノズルシート140をキャップ48に対して固定状態とする。
図12(A)は、ノズルシート押え148の底部152の平面視を、また図15(B)は底面視をそれぞれ表しており、これらの図に示しているように連通孔118Bは、上端の開口及び下端の開口が何れも3重の同心円状に配置されている。
またその内側の連通孔118Bは、同じく最外周の次の内側のノズル部144のノズル孔118Aと合致してこれと連通しており、そのノズル孔118Aとともに図1のシャワー孔118-2を形成している。
更にその内側の連通孔118Bは、同じく最外周から3番目の内周側のノズル部144のノズル孔118Aと合致してこれと連通し、そのノズル孔118Aとともに図1のシャワー孔118-3を形成している。
従って第2水室56から図12(A)中最内周の連通孔118Bに流入した水は、その最内周の連通孔118Bを通じて、最外周から3番目のノズル孔118Aと最内周のノズル孔118Aとの両方に給水される。
この水流噴射部材127は、図4(イ)の流入開口84及び図4(ウ)の連通開口90を通じて流れ込んで来た水を噴射孔128に導入してこれを通過させる。そしてそこで噴射水流を発生させて、これを図中下側の羽根車124の羽根129に当て、羽根車124を回転駆動する。
ここで噴射孔128は、図9に示しているようにここから噴射した水流が、羽根車124の湾曲した羽根129の凹面側に当るように、その向きが定められている。
ここで羽根129A及び129Bは同一形状をなしている。
これらの羽根129A,129Bは、部分螺旋形状を描くようにして中心部の円筒部122から外周に向け延出せしめられている。
一方羽根129Aと129Aとの間の空間は下面が開放されており、またそれら羽根129Aは、略半円の円弧状をなす連結部131にてそれらの外周端が互いに連結されている。
尚、円筒部122と羽根129Bとの間及び羽根129Aの上部との間には環状の隙間が形成されている。
またシャワー孔遮断部130には、周方向に離隔した2個所に羽根129Bと129Bとの間の空間に連通したスリット孔133が形成されている。
切替操作部64の回転操作で、図4の流入開口84を流出開口80に合致させることにより図2の第2水路76に流入した水は、図3の連通開口90を経て水流噴射部材127へと到る。
水流噴射部材127は、流れて来た水を自身の噴射孔128を通過させ、その際に通過水を噴射水流となして、これを下側の羽根車124の各羽根129に衝突させる。
ここにおいて羽根車124は、その噴射水流の勢いで軸126周りに回転運動する。
このとき、羽根車124の下面の略半分を覆った状態のシャワー孔遮断部130は、回動とともに第2シャワー孔118を断続的に遮断及び開放し、第2シャワー孔118からシャワー水を断続的にパルス吐水せしめる。
そしてそのシャワー水が断続的に吐水及び吐水停止することで、即ち間欠シャワー吐水されることで節水を果たすことができる。
即ち、第2パルスシャワー機構92におけるシャワー孔118の上端の開口は、散水板58-2の内面において3重の同心円をなす円周上に並べて配置してある。
この散水板58-2の内面、詳しくはノズルシート押え148の底部152の内面には、3重の同心円をなす3つの円周状の溝160が設けてある。溝160は溝深さの浅いもので、ここでは溝深さが0.2mmとされている。
そして溝160-1,160-2,160-3のそれぞれの底面で連通孔118Bの上端がそれぞれ開口せしめられている。
更に最内周の溝160-3の底面で開口する連通孔118Bの上端の開口と上記の空間Kとを周方向に連絡する部分的な拡大隙間S-3が、羽根129Aと散水板58-2の内面との間に生ぜしめられている。
そうすると、その籠り圧による抵抗で羽根車124が安定して円滑に回転できず、シャワー水が良好にパルス状吐水されなくなってしまう。
従ってシャワー孔遮断部130にて遮断されていない連通孔118Bのそれぞれを通じて、シャワー水が均等に排出(吐水)されるのみならず、空間K内に籠り圧が生じることで羽根車124の回転が阻害されるのを防止し得て、羽根車124を安定して円滑に回転させることができる。
或いは円周状の溝160-1,160-2,160-3と切欠部164-1,164-2,164-3とを併せて設けることで、部分的な拡大隙間S-1,S-2,S-3を生ぜしめるようになしても良い。
これらの場合においても基本的に上記と同様の効果を得ることが可能である。
例えば、本発明では上記の第1パルスシャワー機構91を省略することも可能であるし、またキャップ48の底部60に設けた孔を第2パルスシャワー機構92の散水孔118となし、第2パウスシャワー機構92の散水板58-2を、上記のノズルシート140のシート部142,ノズルシート押え148の底部152を省いて、キャップ48の底部60自体で構成することも可能である。
その他本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
118 第2シャワー孔(シャワー孔)
126 軸
122 円筒部
124 羽根車
129A,129B 羽根
130 シャワー孔遮断部
160,160-1,160-2,160-3 溝
164-1〜164-3 切欠部
K 空間
S 拡大隙間
Claims (1)
- (a)散水板に設けられた複数のシャワー孔と、(b)軸と該軸に回転可能に嵌合する筒状部との嵌合に基づいて該軸周りに回転運動する羽根車と、(c)上流部からの水を通過させ、通過水を噴射水流として該羽根車の羽根に衝突させ、該羽根車を回転駆動する水流噴射部材と、(d)前記散水板の内面に沿って延びる形態で所定周長に亘り前記羽根車に設けられ、該羽根車の回転により前記軸周りに回動運動し、回動に伴って前記シャワー孔を断続的に遮断及び開放するシャワー孔遮断部と、を含み、該シャワー孔からシャワー水を吐水するシャワー吐水装置であって、
前記散水板の内面で開口する前記シャワー孔の上端の開口を前記軸の軸心を中心とした円周上に並べて配置するとともに、該シャワー孔の上端の開口と同じ径方向位置において該散水板の内面に円周状の溝を設けて、該溝の底面に前記上端の開口を位置させるか、又は/及び、前記羽根車における前記散水板の内面側の下側部位であって前記シャワー孔の上端の開口と同じ径方向位置に位置する部分を円周状に切り欠くことで、
該上端の開口と前記羽根車との間に、周方向に隣接した該羽根と羽根との間に形成される各空間と該上端の開口とを前記円周方向に連絡する、前記円周状の溝又は/及び前記切り欠きを設けた径方向位置とは異なる径方向位置での前記散水板の内面と前記羽根車の下側部位との間の隙間に対して大きな隙間の部分的な拡大隙間を形成したことを特徴とするシャワー吐水装置。
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