JP6067388B2 - パルスシャワー装置 - Google Patents
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Description
従来において、この種のパルスシャワー装置としては、内面から外面へ貫通した複数のシャワー孔を備えた散水板と、散水板の内面の上流側に設けられ、水流を羽根に当てることで軸周りに回転運動する羽根車とを含み、また羽根車には、散水板内面側の下流部位において散水板内面に沿って所定周長に亘り延びる形態で設けられ、シャワー孔を覆うシャワー孔遮断部と、散水板内面に向けて開放された形態のシャワー孔開放部とを周方向に交互に備え、羽根車の回転によりシャワー孔遮断部及びシャワー孔開放部を軸周りに回動運動させて、シャワー孔を断続的に遮断及び開放し、シャワー孔からパルス状に断続吐水する構造のものが一般的である。
このようにすることで、羽根車をボールのベアリング作用により円滑に回転させることが可能となる。
またたとえ各保持穴にボールを上手く入れたとしても、取扱い中に羽根車が傾いたり、或いは何かの拍子で引っ繰り返ったりしてしまうと、せっかく保持穴に入れたボールが保持穴から抜け出てしまう。このため保持穴にボールを入れる作業が煩雑な作業となって、パルスシャワー装置の組付性を悪くしてしまう。
尚ここでシャワー孔開放部は、同一円周上において全周長に対する周方向長の比率が0.04以上のものを意味し、それよりも比率の小さなものは含まない。
具体的には、例えば容器の中にボールを沢山入れておいて、そこに羽根車を、保持穴の開口が上向きとなる状態で差し込み、その後これを引き抜くことで保持穴の1つ1つにボールを入れ込むことができる。
このとき、シャワー孔開放部の羽根と羽根との間の空間にボールが嵌り込んで、羽根と羽根とによりボールが挟み込まれていたりすると、その後においてその空間からボールを取り出さなければならなくなるが、本発明ではシャワー孔開放部の羽根と羽根との間の空間の大きさが平面視でボールの外径よりも大きくしてあるため、容器内で羽根車によりすくい上げられたボールは、シャワー孔開放部の羽根と羽根との間の空間を通り抜けて下方に落下する。
即ち本発明によれば、ボールが羽根と羽根との間に挟まれて保持されてしまうのを防ぐことができる。そしてこれにより羽根車の各保持穴へのボールの装填の作業性を良好とすることができる。
またその連結部は羽根車の径方向において複数個所に設けておくことが望ましい。
このようにすることで、シャワー孔開放部が周方向に隣接した羽根と連結部とによって複数の小空間に区画された場合であっても、その空間にボールが挟まれる状態に嵌り込んで保持されてしまうのを防ぐことができる。
図1において、10はシャワーヘッド(パルスシャワー装置)で、12はその握り部、14は頭部、16は頭部14に設けられた散水板である。
散水板16には、その内面から外面(下面)へ貫通した多数のシャワー孔18が、4重の同心円をなすように設けられている。
図中18-1は最外周のシャワー孔を、18-2はその次の内周側のシャワー孔を、18-3は更にその次の内周側のシャワー孔を、18-4は最内周のシャワー孔をそれぞれ示している。
図2に示しているようにシャワーヘッド10の頭部14は、上ケース20と、上ケース20の図中下端の開口部を閉鎖する下ケースとしてのキャップ22とを有している。
上ケース20は円筒形状の周壁部24を有しており、そこに雌ねじ部が設けられている。
一方キャップ22は円筒形状の立上り部26を有しており、そこに雄ねじ部が設けられている。
キャップ22は、それら雄ねじ部と雌ねじ部とにより、上ケース20に対してねじ結合されている。
図2,図4及び図5に示しているように、頭部14の内部にはノズルシート28,リング状のパッキン30,羽根車ユニット32及び旋回流生成部材34が組み込まれている。
ここで羽根車ユニット32は、図2及び図3に示しているように羽根車36と、これを内部に収める羽根車ハウジング38とを有している。
また羽根車ハウジング38は、ノズルシート押えを兼ねたハウジング本体40と、蓋体42とから成っている。
これら複数のノズル部50は、内部にノズル孔18Aを有しており、それらノズル孔18Aによってシャワー孔18の下部を形成している。
ここでノズル孔18Aは孔径がφ0.8mmである。
これに対応して上記のノズル押えを兼ねたハウジング本体40は、その下面がノズルシート28におけるシート部46の凹曲面に対応した凸曲面を成している。
ハウジング本体40の底部48には、ノズル孔18Aと連通し、上記のシャワー孔18の上部を形成する多数の連通孔18Bが底部48を貫通して設けられている。
円筒部54にはまた、旋回流生成部材34の中央部において上向きに立上る円筒部58が挿入されており、それら水路形成部材56と円筒部58とによって、その内側に水路60からの水を流入させる流入室62が形成されている。
旋回流生成部材34は、水路60から流入室62内に流入し、更に流入室62を図中下向きに軸方向に流れた水を軸直角方向の流れに変えて、これを外周側へと流動させる。
周壁部66へと当接した水の流れは、その後、流れの向きが反転されて軸直角方向内方への流れとなり、羽根車ユニット32における羽根車ハウジング38の内部へと勢い良く流入する。
羽根車ハウジング38は、上記のようにハウジング本体40と蓋体42とに分かれている。ハウジング本体40は散水板16の内面構成部材であって、上記のようにノズル押えを兼ねて構成されている。
ハウジング本体40は、円筒状の周壁部74と底部48とを有し、上端が開放された形状の部材で、その上端の開放部が蓋体42にて閉鎖されている。
このハウジング本体40には、底部48の中心部にこれを貫通する結合部としての固定孔76が設けられている。
従って、羽根車ハウジング38の内部にボール108を保持した羽根車36を収容した状態の羽根車ユニット32を光に向けてかざすことで、保持穴106内にボール108が保持されていることを光の加減でハウジング外部から目視で確認することが可能である。
一方蓋体42には、外周部に図中下向きに曲り形状をなす曲り部84が設けられている。
この曲り部84の外周側の部分は環状の外嵌部86とされており、この外嵌部86がハウジング本体40における上記の内嵌部82に対して外嵌状態に嵌合せしめられている。
これら噴射口88を通過した水流は噴射水流となって水室72内の羽根車36、詳しくはその羽根102に勢い良く当って羽根車36を回転駆動する。
ここで噴射口88は曲り部84の外面で開口している。図7(B)中90はその開口を示している。
ここで噴射口88の傾斜の向きは、旋回流を生じながら旋回流生成部材34の周壁部66に当って流れの向きを内向きに反転させた水流を、その旋回流を維持させつつ水室72内の羽根車36に噴射するように定められている。
一方ハウジング本体40の周壁部74には、対応する位置に位置決凹部94が設けられている。
蓋体42とハウジング本体40とは、それら位置決凸部92と位置決凹部94との凹凸嵌合により、周方向に位置決めされている。
またこのとき、羽根車ユニット32における羽根車ハウジング38が旋回流生成部材34の固定の固定羽根70に当って、キャップ22の底部44とともに挟み込まれ、羽根車ハウジング38が固定される。
このときノズルシート28には、その挟み込みの力によってノズル押えを兼ねたハウジング本体40から下向きの力が加わり、ノズルシート28がキャップ22の底部44に対して下向きに押圧される。
図に示しているように羽根車36は、中心部に円筒状の嵌合部100を有しており、この嵌合部100が、羽根車ハウジング38における蓋体42の中心部の軸部78に嵌合せしめられている(図2,図3参照)。
羽根車36は、これら軸部78と嵌合部100との嵌合に基づいて、軸部78周りに回転運動せしめられる。
尚、嵌合部100は他部よりも僅かに図3中下向きに突出せしめられていて、その突出部においてハウジング本体40の内面に当接し、回転時における羽根車36の全体を、後述のボール108とともに支持するようになっている。
羽根車36はまた、周方向に120°ごと異なった3個所にボール保持部104を有している。
これらボール保持部104は、後述のシャワー孔遮断部110に、詳しくはシャワー孔遮断部110B-1,110B-2,110B-3に1つずつ設けられている。
このボール保持部104は、図2及び図3,図9(B)に示すように、散水板16内面(即ちハウジング本体40内面)に向けて開口した保持穴106を内側に有していて、そこにボール108を保持している。
ここで保持穴106の内面は略部分球面状をなしている。但しその内面及び図中下端の開口の大きさはボール108よりも僅かに大きい。
シャワー孔遮断部110は底部48の連通孔18B、即ちシャワー孔18を覆ってこれを遮断作用する。
羽根車36にはまた、シャワー孔遮断部110を除いた部分において、ハウジング本体40の底部48内面に向けて開放された(但し羽根102,後述の連結部109,111,113を除く)シャワー孔開放部112が設けられている。
ここでシャワー孔遮断部110に位置する羽根102は、シャワー孔遮断部110の図中上面に設けられている。
ここで連結部109,111,113は、何れも同心の円弧形状をなしている。
同様に内周側のシャワー孔開放部はシャワー孔開放部112Aの1つだけであるのに対して、外周側にはシャワー孔開放部112B-1,112B-2,112B-3の3つのシャワー孔開放部が設けられている。
シャワー孔開放部112に位置する羽根102の一部は、付根側の部分がアーム114とされており、かかるアーム114において中心部の円筒状の嵌合部100に繋がっている。
即ち各空間kは、ボール108が通過可能な大きさとされている。
本実施形態のパルスシャワー装置では、図2の水路60から流入室62内に流入した水は同図中下向きに軸方向に流れた後、旋回流生成部材34によって軸直角方向外向きの流れにその向きが変えられる。
即ち中心部の軸方向の水流は、旋回流生成部材34の水室68内で軸直角方向外向きの流れとなり、その際に旋回流生成部材34の固定羽根70による作用によって、その外向きの流れが旋回流とせしめられる。
その噴射水流は、図10のP方向の旋回流を維持しながら、羽根車36における部分螺旋形状の羽根102の凹曲面に向けて当り、羽根車36を回転駆動する。
そしてその回転運動によってシャワー孔遮断部110及びシャワー孔開放部112を軸部78周りに回動させ、これによってシャワー孔18を遮断及び開放し、シャワー水をパルス状に断続吐水させる。
先ずボール108,羽根車36を羽根車ハウジング38を構成するハウジング本体40及び蓋体42とともに組み付けて、それらを予め1つの組付体、即ち羽根車ユニット32とする。
その羽根車ユニット32の組付けは次のようにして行う。
即ち、図11に示しているように先ず羽根車36の保持穴106の1つ1つにボール108を入れてそこに保持させる。
このとき保持穴106にボール108を入れる作業は次のようにして行うことができる。
集合状態にある多量のボール108内部に羽根車36を差し込むと、3つの保持穴106内部にボール108が自動的に入り込む。
そこで羽根車36を容器外に引き抜くことで、保持穴106の1つ1つにボール108を装填状態とすることができる。
その後、保持穴106を上向きにしたまま、羽根車36を図11に示すように上向きとした蓋体42の内部に挿入する。このとき羽根車36の円筒状の嵌合部100を蓋体42の軸部78に嵌め合せる。
ここにおいて保持穴106にボール108を保持した羽根車36と羽根車ハウジング38、即ちハウジング本体40と蓋体42とが、ボール108をハウジング本体40の底部48内面に当接させる状態に結合されて組み付けられ、羽根車ユニット32が構成される。
尚このとき、ノズルシート28は予めキャップ22に組み付けておく。
例えば本発明は、羽根車の羽根をシャワー孔開放部で連結部により連結していない形態のパルスシャワー装置にも適用することが可能である。
また上記実施形態ではボール108を保持した状態の羽根車36と、散水板の内面構成部材であるハウジング本体40とを蓋体42とともに結合しユニット化しているが、場合によってハウジング本体40とボール108を保持した羽根車36とを1つの組付体としてのユニットに構成するといったことも可能であるし、更には散水板が単一の部材にて構成されている場合において、散水板全体と羽根車とを1つの組付体であるユニットとして構成するといったことも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
18 シャワー孔
32 羽根車ユニット
36 羽根車
40 ハウジング本体
76 固定孔(結合部)
102 羽根
106 保持穴
108 ボール
109,111,113 連結部
110 シャワー孔遮断部
112 シャワー孔開放部
k 空間
Claims (2)
- 内面から外面へ貫通した複数のシャワー孔を備えた散水板と、
該散水板の内面の上流側に設けられ、水流を羽根に当てることで軸周りに回転運動する羽根車と、
を含み、該羽根車には、散水板内面側の下流部位において該散水板内面に沿って所定周長に亘り延びる形態で設けられ、前記シャワー孔を覆うシャワー孔遮断部と、該散水板内面に向けて開放された形態のシャワー孔開放部と、を周方向に交互に備え、
前記羽根車の回転により該シャワー孔遮断部及びシャワー孔開放部を前記軸周りに回動運動させて、前記シャワー孔を断続的に遮断及び開放し、該シャワー孔からパルス状に断続吐水するパルスシャワー装置において、
前記羽根車には、前記散水板内面に向って開口した複数の保持穴を設けて該保持穴にボールを保持させ、該散水板内面に対し該ボールを転動させつつ該羽根車を回転させるようになし、
前記シャワー孔開放部は、前記羽根と羽根との間の空間の大きさが平面視で該ボールの外径よりも大きくしてあることを特徴とするパルスシャワー装置。 - 請求項1において、前記保持穴に前記ボールを保持した状態の前記羽根車と、前記散水板若しくは該散水板の内面構成部材とを結合部で結合して1つの組付体としてのユニットとなしてあることを特徴とするパルスシャワー装置。
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