JP2013062475A - 多孔質酸化マンガン薄膜の作製方法、並びに当該方法により作製した電気化学キャパシタ用電極及び電気化学キャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】高比表面積を持つ二酸化マンガンを、集電体上に薄膜状に析出させることにより、電極活物質とする方法を提供する。
【解決手段】(a)水溶性マンガン(II)の塩と、酸化剤と、界面活性剤と、を含む水溶液を調製する工程、(b)前記水溶液を集電体に接触させて、集電体1表面に界面活性剤を取り込んだ二酸化マンガンの薄膜2を形成させる工程、そして(c)前記集電体1表面に形成された薄膜2から界面活性剤を洗浄除去する工程、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学キャパシタの電極活物質の作製方法に関する。さらに詳細には、集電体表面上に、バインダーを用いずに高比表面積の二酸化マンガン薄膜からなる電極活物質を作製する方法、並びにこのような方法により作製された電気化学キャパシタ用電極及び当該電極を備えた電気化学キャパシタに関する。
電気化学キャパシタは、図1にその略図を示すように、酸化還元反応をすることが可能な電極活物質の固体を集電体に接着させることによって作られる2枚の電極で、電解質溶液を挟んだ構造をとっている。一般的に、電気化学キャパシタは、これらの構造を収容するためのケースのほか、2枚の電極を隔てるように配置されるセパレータ及び端子等が含まれる。
電気化学キャパシタの電極活物質としては、性能と資源の豊富さから、二酸化マンガンが最も有望とされている。電気化学キャパシタの電極活物質の二酸化マンガンは、式(1)のような化学反応によって電子の貯蔵と放出を行うことができる。ここでMは電解質溶液に溶解している陽イオンであり、通常はリチウムイオンまたはナトリウムイオンである。
MnO + e + M ⇔ MnOOM (1)
式(1)は、二酸化マンガンの表面でのみ進行する反応であるため、電気化学キャパシタの単位重量当たりの容量を大きくするためには、二酸化マンガンの比表面積を大きくすることが有利である。そこで、これまで比表面積の大きな二酸化マンガン粉末の合成に関する研究が数多く行われてきた。
例えば、特許文献1に開示された方法は、マンガンを含む金属及び/又はセラミックスを原料基体とし、この表面に二酸化マンガンを主成分とする導電性ウィスカーを形成させて電気化学キャパシタの電極として用いる方法である。
また、例えば特許文献2に記載の方法は、四酸化三マンガン(Mn)を含有する作用電極材料を電極として電解液中で電気分解することにより、当該四酸化三マンガン(Mn)の表面に二酸化マンガン(MnO)を析出させる方法である。
さらに、例えば特許文献3は、有機第4アンモニウムイオンの存在下で、2価のマンガン化合物を電気化学的に酸化することにより、該有機第4アンモニウムイオンをインターカレートした層状マンガン酸化物薄膜を製造する方法を開示する。
特開2007−182360号公報 特開2009−260289号公報 特開2006−76865号公報
ところが、上に記したような方法で作製された二酸化マンガン粉末を集電体に接着させる際には、通常バインダーと呼ばれる高分子の接着剤を二酸化マンガンの粉末に添加しなくてはならない。また、バインダーは電気絶縁性であるため、二酸化マンガンと集電体との電気的接触を確保するために、導電助剤と呼ばれる炭素粉末を添加しなくてはならない。バインダーと導電助剤の添加量は、二酸化マンガンに対して5〜20重量%にのぼる。もし、バインダーを添加する必要なしに、高比表面積、例えば多孔質の二酸化マンガンを集電体上に接着させることができれば、電極活物質の単位重量当たりの電気容量は、バインダーと導電助剤が不要になった分、向上することになる。そのため、バインダーを用いずに集電体上に高比表面積の二酸化マンガンを接着する技術の確立が求められている。
特許文献3に記載の方法は、2価のマンガン化合物を電気化学的に酸化することにより、電極表面に密着した薄膜を形成しうるが、電解酸化のために所定の範囲内の電圧を印加する装置が必要となり、薄膜を形成するための製造装置やコストの点で問題が残る。
したがって本発明の課題は、高比表面積を持つ多孔質二酸化マンガンを、簡便かつ効率的に集電体上に薄膜状に析出させることにより、電極活物質とする方法を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討したところ、界面活性剤を溶解した水溶液中で二酸化マンガンの形成反応の速度を適度に調節すれば、水溶液と固体との界面において二酸化マンガンが優先的に核形成をし、さらに引き続いて界面活性剤の分子集合体を取り込みながら薄膜状に成長すること、および薄膜形成後に界面活性剤を洗浄除去すれば、高比表面積の多孔質二酸化マンガン薄膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の二酸化マンガン薄膜の作製方法は、(a)水溶性マンガン(II)の塩と、酸化剤と、界面活性剤と、を含む水溶液を調製する工程、(b)前記水溶液を集電体に接触させて、集電体表面に界面活性剤を取り込んだ二酸化マンガンの薄膜を形成させる工程、そして(c)前記集電体表面に形成された薄膜から界面活性剤を洗浄除去する工程、を含むことを特徴とする。
前記工程(b)において、前記水溶液と集電体との接触は、前記集電体を前記水溶液中に浸漬することによって行われることが好ましい。また、前記集電体表面における二酸化マンガンの薄膜が、前記集電体と接触させた水溶液を50〜80℃の温度で加温することによって形成されることが好ましい。
したがって、1つの好適な実施形態に係る発明は、水溶性のマンガン(II)の塩と、酸化剤と、界面活性剤とを含む水溶液に集電体を浸し、これを50℃から80℃の温度に加温することによって、集電体表面に界面活性剤を取り込んだ二酸化マンガンを薄膜状に形成し、その後、界面活性剤を洗浄除去することを特徴とする二酸化マンガン薄膜の作製方法である。
また、本発明の異なる観点において、集電体と、当該集電体の少なくとも一部表面に形成された二酸化マンガン薄膜とを備え、当該二酸化マンガン薄膜が、上記方法により作製されることを特徴とする電気化学キャパシタ用電極及び当該電極を備えた電気化学キャパシタが提供される。
本発明の二酸化マンガン薄膜の作製方法によれば、高比表面積を有する二酸化マンガン薄膜をバインダーなしで集電体表面に作製させることが可能になり、電気化学キャパシタの電極活物質として良好な性能を有する多孔質二酸化マンガンの薄膜を作製することが可能になる。
典型的な電気化学キャパシタの模式図である。 実施例1で作製した多孔質二酸化マンガン薄膜および緻密質二酸化マンガン薄膜のX線回折図形である。図中、「CTACを使用して作製」したものが多孔質二酸化マンガン薄膜であり、「CTACを使用せずに作製」したものが緻密質二酸化マンガン薄膜である。 本発明に係る多孔質二酸化マンガン薄膜がラメラ状の構造をとっていることを示すために、X線回折図形を解析した図である。 本発明に係る多孔質二酸化マンガン薄膜がラメラ状構造をとっていることを示す透過型電子顕微鏡写真である。 本発明に係る多孔質二酸化マンガン薄膜と緻密質二酸化マンガン薄膜の電気化学応答を示す図である。図中、「CTAC使用」が多孔質二酸化マンガン薄膜、「CTAC使用せず」が緻密質二酸化マンガン薄膜を示す。
以下、本発明について、詳細に説明する。
水溶性のマンガン(II)の塩を水に溶かすと、電離してマンガン(II)イオンとなる。同じ水溶液に、適当な酸化剤が共存する場合には、マンガン(II)イオンは酸化を受けて二酸化マンガンとなる(式(2))。
Mn2+ + 2HO → MnO + 4H + 2e (2)
式(2)の反応が急激に進行した場合には、水溶液のいたるところに二酸化マンガンの核が発生し(均一核形成)、それらが個々に成長するために、二酸化マンガンが粉末状に容器の底に沈殿するだけであるが、適度な速度で進行した場合には、二酸化マンガンの核は水溶液と固体との界面に優先的に発生し(不均一核形成)、その核が成長するために、二酸化マンガンは固体表面に薄膜状に析出する。そのため、二酸化マンガンを薄膜状に析出させるためには、式(2)の速度に影響する要因、すなわち、マンガン(II)イオン濃度、酸化剤の種類と濃度、および反応温度を適切な範囲に設定する必要がある。これらの要因を適切に設定することにより、基板に対して強く密着した二酸化マンガン薄膜が得られ、バインダー等で接着する必要がなくなる。
また、式(2)の反応を進める際に、界面活性剤分子が共存している場合には、次のようになる。界面活性剤分子は、水中では、互いの疎水基を内側に向け、親水基を外側に向けたような分子集合体を作って存在する。分子集合体の形状は、界面活性剤の種類、濃度、温度などによって異なるが、球状、層状、棒状などさまざまな形をとる。この分子集合体は、二酸化マンガンが薄膜状に成長するときに、薄膜の中に取り込まれる。また、一般に界面活性剤は有機溶剤にも溶解するので、二酸化マンガン薄膜が完成した後に有機溶剤で洗浄すると、界面活性剤が溶出し、分子集合体の形状の微細な気孔が二酸化マンガン薄膜の中に形成され、多孔質かつ高比表面積の二酸化マンガン薄膜が得られる。
水溶性のマンガン(II)の塩としては、塩化マンガン(II)、酢酸マンガン(II)、硝酸マンガン(II)などがある。本発明の方法によって二酸化マンガン薄膜を作製する場合には、マンガン(II)の濃度が0.001〜0.030mol/L、好ましくは0.005〜0.020mol/Lの範囲になるように水に溶解する。この範囲より低い濃度の場合には二酸化マンガンの生成量が少なすぎ、もしくは遅すぎ、高い濃度の場合には二酸化マンガンは薄膜として析出するだけでなく、粉末として析出するようになるため、好ましくない。
酸化剤には臭素酸カリウムもしくは臭素酸ナトリウムを用いることが望ましいが、これに限定するものではない。その他の酸化剤としては、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、塩素酸ナトリウムなどの塩素酸塩、キノン、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜塩素酸塩、硝酸ナトリウムなどの硝酸塩、亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸塩等が挙げられる。酸化作用が激しすぎる場合には短時間で二酸化マンガンの粉末状沈殿が形成されて薄膜ができず、酸化作用が穏やか過ぎる場合には薄膜の生成が起こらない。臭素酸カリウムを用いる場合、その濃度は0.010〜0.5mol/Lの範囲、好ましくは0.05〜0.20mol/Lの範囲が望ましい。
界面活性剤としては、入手可能な界面活性剤はすべて利用することができ、種類は特に限定しない。ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩化物のような炭素数10〜30の直鎖アルキル鎖を有するアルキルトリメチルアンモニウム塩化物、アルキル硫酸ナトリウム塩、ポリアルキレングリコール、酸化エチレン・酸化プロピレンブロックコポリマー、ポリエチレンイミンなどを用いることが可能である。界面活性剤の最適濃度はその種類によって異なるが、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩化物の場合は、0.01〜0.50mol/Lの範囲、好ましくは0.05〜0.20mol/Lの範囲が望ましい。
反応温度は、式(2)の反応による二酸化マンガンの形成が、0.0001〜0.01mol/h、好ましくは0.0005〜0.002mol/hの速度で進行するように設定する。これに該当する温度は、マンガン(II)濃度や酸化剤の濃度に依存して変化する。例えば、生成する二酸化マンガンの質量を測定することにより、上記反応速度を算出することができるが、本発明の好ましい実施形態において、室温〜80℃の温度範囲で上述したマンガン(II)濃度や酸化剤濃度を適度に調節することにより、好ましい速度で二酸化マンガンの薄膜が形成されることが認められた。より好ましい温度範囲は、約50〜80℃である。さらに好ましくはおおよそ60℃付近である。
集電体とは、集電機能を有する電極基体である。材料としては、例えば、金属、炭素、導電性高分子などを用いることができ、好適には金属が用いられる。金属としては、通常、アルミニウム、白金、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、銅、その他の合金等が使用される。あるいはガラス等に金属酸化物(酸化スズ、酸化亜鉛等)がドープされた基板であってもよい。本発明の方法においては、集電体に用いられる金属の種類は特に限定するものではないが、一般的には二酸化マンガンは金属との化学的親和性が低く、反対に酸化スズなどの導電性酸化物との化学的親和性が高い。そのため、あらかじめ金属表面に酸化スズなどの導電性酸化物層を形成しておくことによって、次の工程における二酸化マンガン薄膜の析出が容易になる。したがって、本発明の好ましい実施形態において、集電体表面に任意の導電性酸化物被膜を形成する工程を含み、これによって、多孔質二酸化マンガンの薄膜を自発的に集電体上に析出させることができる。
二酸化マンガンの薄膜の中に取り込まれた界面活性剤を除去するための有機溶媒は特に制限されるものではなく、用いた界面活性剤を可溶化できる有機溶媒を用いることができる。例えば、アセトン、エタノール、メタノール、及びイソプロパノール等が挙げられるがこれらに制限されない。
このようにして得られた多孔質二酸化マンガンの薄膜は、水分子を多量に取り込んでいるため、そのままでは水分子によって電気が流れにくくなっている。そこで、多孔質二酸化マンガン薄膜を約100〜300℃の温度で熱処理することにより、水分子を除去することができ、これによって電気抵抗を低くすることができる。
本発明において使用される電解質としては、前記二酸化マンガンの薄膜からなる電極と電気化学反応することのできるものであれば、特に制限されない。具体例としては、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、過塩素酸リチウム、塩化カリウム、硫酸リチウム及び塩化ナトリウム等が挙げられる。
以下、実施例および比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
使用した原料は以下の通りである。塩化マンガン(II)四水和物(関東化学製)、臭素酸カリウム(関東化学製)、界面活性剤としてのヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩化物(CTACと略記、和光純薬製)、フッ素ドープ酸化スズをコートしたスライドガラス(透明導電性ガラスと略記)。
塩化マンガン(II)四水和物197.9mg、臭素酸カリウム1.67g、CTAC3.20gを100mLの水に溶解してビーカーに入れ、それに透明導電性ガラスを入れた。塩化マンガン(II)四水和物、臭素酸カリウム、CTACの濃度は、それぞれ0.010mol/L、0.100mol/L、0.100mol/Lである。室温では何の反応も進行せず、水溶液はほぼ透明であった。ビーカーの口をポリマーのラップで覆い、60℃の温水浴に浸した。3時間ほど経過したころから、ビーカーの内壁と透明導電性ガラスの表面が黒色を帯び始め、二酸化マンガンの不均一核形成と成長が目視で確認できるようになった。24時間経過後までには、ビーカーの内壁と透明導電性ガラスの表面は完全に黒色の薄膜で覆われた。またビーカーの底も同様に薄膜で覆われたが、粉末状の沈殿の堆積はさほど見られなかった。
24時間経過後の、二酸化マンガン薄膜のついた透明導電性ガラスを純水に1時間浸して未反応の原料や水溶性の副生物を溶解した後に、アセトンに12時間浸して薄膜内に取り込まれたCTACを溶解除去した。この薄膜のX線回折図を、CTACを用いずに作製した二酸化マンガン薄膜のX線回折図と併せて図2に示す。図2からは、両方の薄膜がγ−MnOからなっていることがわかるが、CTACを用いて作製した薄膜にはそれに加えて低角度に周期的なピークが現れている。この低角度側のピークを図3のように解析した。図3の上図は、図2における低角度領域を拡大したものである。また、図3の下図は、各ピークに対応する2θの値から計算した層間隔をd(001)に対する比をプロットしたものである。これらの結果より、CTACを用いて作製した薄膜は、30オングストロームを周期とするラメラ状(層状)の二次構造を有していることが分かる。すなわち、この薄膜は、薄いγ−MnOの層が30オングストロームおきに重なって並んだ構造を持っている。その様子は、図4に示した透過型電子顕微鏡写真からも知ることができる。
CTACを用いて作製した薄膜を100℃で30分加熱したものを作用極、白金線を対極、Ag/AgClを参照電極、0.5mol/L硫酸ナトリウム水溶液を電解質溶液として、200mV/secの掃印速度でサイクリックボルタンメトリーを測定した結果を図5に示す。比較のためにCTACを用いない薄膜のボルタモグラムも示す。CTACを用いて作製した薄膜は、理想的なキャパシタが示す四角形に近づいた形状であり、1〜2桁高い電流応答を示すことが分かる。これは、ラメラ構造に起因する高い比表面積が反映されているためであると考えられる。
本発明の方法で作製された多孔質二酸化マンガン薄膜は、電気化学キャパシタやリチウムイオン電池の電極材料として有用であり、自動車用電源、携帯電子機器電源等の種々のエレクトロニクス関連分野での利用が期待される。

Claims (6)

  1. (a)水溶性マンガン(II)の塩と、酸化剤と、界面活性剤と、を含む水溶液を調製する工程、
    (b)前記水溶液を集電体に接触させて、集電体表面に界面活性剤を取り込んだ二酸化マンガンの薄膜を形成させる工程、そして
    (c)前記集電体表面に形成された薄膜から界面活性剤を洗浄除去する工程、
    を含むことを特徴とする二酸化マンガン薄膜の作製方法。
  2. 前記工程(b)において、前記水溶液と集電体との接触が、前記集電体を前記水溶液中に浸漬することによって行われる請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程(b)において、前記二酸化マンガンの薄膜が、前記集電体と接触させた水溶液を50〜80℃の温度で加温することによって形成される請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記工程(c)が、二酸化マンガンの薄膜を形成させた集電体を有機溶媒で処理することからなる請求項1〜3何れか1項に記載の方法。
  5. 集電体と、
    前記集電体の少なくとも一部表面に形成された二酸化マンガン薄膜とを備え、
    前記二酸化マンガン薄膜が、請求項1〜4何れか1項に記載の方法により作製されることを特徴とする電気化学キャパシタ用電極。
  6. 請求項5に記載の電気化学キャパシタ用電極を備えることを特徴とする電気化学キャパシタ。
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