JP2017092132A - 表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体の製造方法 - Google Patents

表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、容量が大きく急速充放電が可能であり、機械的な柔軟性と強度に優れる電極材料、電極及び電気化学キャパシタ並びにこれらの製造方法を提供することにある。【解決手段】炭素繊維集合体を賦活処理する第1の工程、賦活処理した前記炭素繊維集合体を2価の鉄イオンを含む溶液中に浸漬し、前記溶液中の2価の鉄イオンを電気化学的に酸化することにより、前記炭素繊維集合体の表面にオキシ水酸化鉄を析出させる第2の工程、及び表面にオキシ水酸化鉄を析出させた前記炭素繊維集合体を熱処理してオキシ水酸化鉄を酸化鉄にする第3の工程を含むことを特徴とする表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体の製造方法。【選択図】図1

Description

表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体の製造方法、前記炭素繊維集合体を備える電極及び電気化学キャパシタの製造方法、並びに前記炭素繊維集合体を備える電気化学キャパシタに関する。
近年、二次電池の代替、ハイブリッド自動車等の補助電源、太陽光発電のエネルギーバッファ等に用いるデバイスとして、大容量でありながらパワー密度が高く急速充放電が可能で、サイクル安定性が高いとの特徴を有する電気化学キャパシタが注目され開発されている。また、最近の電子機器等に対するフレキシブル化、ウェアラブル化の要求から、これらの電子機器に用いる電池についてもフレキシブル化が求められ、フレキシブルな電極の必要性が高まっている。
電気化学キャパシタは、その蓄電メカニズムによって大きく2つに分けられる。一つは、イオンを物理的に吸脱着させることにより電荷を蓄える電気二重層キャパシタ、もう一つは速く可逆なレドックス反応により電荷を蓄える擬似キャパシタ(レドックスキャパシタ)である。電気二重層キャパシタでは、活性炭、カーボンナノチューブ、グラフェン等の炭素材料が電極活物質として使用されている。そして電極は、これらの電極活物質に導電材とバインダーを混合し、この混合物からなるシートを集電体に接着する方法や、この混合物を含むペーストや分散液を金属箔等の集電体に塗布する方法により作製されている(特許文献1)。しかし、このようにして作製された電極は、絶縁性物質であるバインダーを含むことによる内部抵抗の増加、電極活物質と集電体の界面抵抗等により速度特性が著しく妨げられ、内部抵抗を下げるためにカーボンブラック等の導電材を含有することにより、電極活物質の配合割合が低くなりキャパシタ容量の減少を招くなどの問題点があった。さらに、上記の方法では、フレキシブルな電極を作製することは難しかった。
また、電気二重層キャパシタの電極活物質としては使用されていないが、従来から様々な分野で用いられている炭素材料として炭素繊維がある。炭素繊維とは、有機繊維のプレカーサーを加熱炭素化処理して得られる、質量比で90%以上が炭素で構成される繊維のことである(JIS L0204-2:2010)。炭素繊維は、比キャパシタンスが、活性炭、カーボンナノチューブ、グラフェン等に比べて著しく小さいため、電気二重層キャパシタの電極活物質として使用することはできなかった
もう一つの電気化学キャパシタの方式である擬似キャパシタでは、酸化ルテニウム、酸化マンガン、酸化ニッケル等の金属酸化物、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子などの炭素材料とは異なる材料が電極活物質として検討されている。その他にも、鉄酸化物、とりわけヘマタイト(α−Fe)が、大きな理論容量を有し、低コストで無毒であるため有望視されている。鉄酸化物は、卑側の電位で動作するため、特に負極用の電極活物質として期待されており、鉄酸化物を用いた電極として、水熱処理によりカーボンクロスにα−Feを担持させたもの(非特許文献1)や、電解法によりニッケル板状にα−Feを担持させたもの(非特許文献2)が開発されている。しかしながら、水熱処理を行う非特許文献1の方法では、析出量のコントロールが難しく、カーボンクロスの表面にβ−FeOOHが析出するので、α−Feに転換するのに窒素雰囲気下で400℃の熱処理が必要となる。また、得られたものの単位面積あたりのキャパシタンスや単位質量あたりのキャパシタンス(比キャパシタンス)が小さい。非特許文献2の方法では、ニッケルの平板にα−Feを担持させているため、α−Feの担持量が増加するとα−Feの使用効率が低下する。また、α−Feの電気伝導度(10−14Ωcm)が低いため、単位面積当たりのキャパシタンスを増大させるのは困難である。さらに、フレキシブル性を有さないとの問題があった。このように、鉄酸化物を電極活物質として用いた電極の開発は進められているが、容量が大きくフレキシブルなものは得られていなかった。
特開2000−124079号公報
Xihong Lu,Yinxiang Zeng,Minghao Yu,Teng Zhai,Chaolun Liang,Shilei Xie,Muhammad-Sadeeq Balogun,Yexiang Tong,"Oxygen-deficient hematitenanorods as high-performance and novel negative electrodes for flexible asymmetric supercapacitors",Adv. Mater.26 (2014) 3148. Mao-Sung Wu,Rung-Hau Lee,"Electrochemical Growth of Iron Oxide Thin Films with Nanorods and Nanosheets for Capacitors",J.Electrochem.Soc.156(9) (2009) A737-A743.
本発明の課題は、容量が大きく急速充放電が可能であり、機械的な柔軟性と強度に優れる電極材料、電極及び電気化学キャパシタ並びにこれらの製造方法を提供することにあり、特に単位面積あたりのキャパシタンスの大きな電極材料及び電極、並びに前記電極材料及び電極を用いた電気化学キャパシタを提供することにある。
本発明者らは、電気化学キャパシタ等に使用できる容量が大きな電極材料及び電極を作製することを目指して開発を開始した。また、開発を進めるにあたり、電気化学キャパシタの性能は、電極活物質の性能だけではなくセルとしての性能を考える必要がある点に注目した。電極活物質の電極へのローディング量が多くなると使用効率が低下するため、電極活物質の単位質量あたりの指標である比キャパシタンスは、ローディング量が少ない方が大きな値を示す傾向にある。このため、比キャパシタンスはセルとしての性能を判断するには適切でない面があることから、電極の単位面積あたりのキャパシタンスを重視して開発を進めた。開発を進めるなかで、本発明者らは、負極材料として期待されている鉄酸化物に着目し、その担持体として、従来は電気化学キャパシタの電極材料として用いられてこなかった炭素繊維を適用することを試みた。まず、炭素繊維の集合体であるカーボンクロスを用いて、水熱処理法によりカーボンクロスの表面に酸化鉄を担持させる従来法を検討したが、容量の大きな電極を得ることはできなかった。そこで、更に検討を重ねたところ、カーボンクロスを賦活処理し、その後電気化学的方法を用いてカーボンクロスの表面にオキシ水酸化鉄を析出させ、これを加熱して酸化鉄に転換することにより、容量の大きな、特に単位面積あたりのキャパシタンスの大きな、酸化鉄とカーボンクロスの複合体を得ることができ、さらにカーボンクロスへの酸化鉄の担持量の調整も容易であることを見いだした。このようにして製造された炭素繊維と酸化鉄の複合体は、単位面積あたりのキャパシタンスが大きいだけでなく、導電性及び機械的な柔軟性と強度に優れるため、複合体単独あるいは集電体と組み合わせてフレキシブルな電極として使用することも可能である。
すなわち、本発明は以下に示す事項により特定されるものである。
(1)炭素繊維集合体を賦活処理する第1の工程、賦活処理した前記炭素繊維集合体を2価の鉄イオンを含む溶液中に浸漬し、前記溶液中の2価の鉄イオンを電気化学的に酸化することにより、前記炭素繊維集合体の表面にオキシ水酸化鉄を析出させる第2の工程、及び表面にオキシ水酸化鉄を析出させた前記炭素繊維集合体を熱処理してオキシ水酸化鉄を酸化鉄にする第3の工程を含むことを特徴とする表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体の製造方法。
(2)賦活処理が、炭素繊維集合体を酸化処理し、その後還元処理することを特徴とする上記(1)記載の炭素繊維集合体の製造方法。
(3)炭素繊維集合体が、束状、織布状又は不織布状の炭素繊維集合体であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の炭素繊維集合体の製造方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法により表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体を製造し、製造した前記炭素繊維集合体を集電体に固定することを特徴とする電極の製造方法。
(5)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法により表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体を製造し、製造した前記炭素繊維集合体と対極との間に電解質層を形成することを特徴とする電気化学キャパシタの製造方法。
(6)対極が、表面に層状マンガン酸化物が担持されている炭素繊維集合体を備えることを特徴とする電気化学キャパシタの製造方法。
(7)賦活処理されている炭素繊維集合体の表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体。
(8)表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体、電解質層、及び表面に層状マンガン酸化物が担持されている炭素繊維集合体を備えることを特徴とする電気化学キャパシタ。
本発明の製造方法によると、単位面積あたりのキャパシタンスが大きな電極材料及び電極、並びにこれらを備えた電気化学キャパシタを製造することができる。また、本発明の製造方法は、急速充放電が可能であり、機械的な柔軟性と強度に優れる電極材料及び電極、並びにこれらを備えた電気化学キャパシタを製造することができる。
図1は、実施例1で得られたα型酸化鉄担持カーボンクロス(α−Fe/A−CC)及び比較例4で得られたカーボンクロス(A−CC)のサイクリックボルタモグラムである。 図2は、比較例1で得られたカーボンクロス(α−Fe/U−CC)及び洗浄を行っただけのカーボンクロス(U−CC)のサイクリックボルタモグラムである。 図3は、実施例1で得られたα型酸化鉄担持カーボンクロス(α−Fe/A−CC)、比較例1で得られたカーボンクロス(α−Fe/U−CC)及び比較例4で得られたカーボンクロス(A−CC)の掃引速度に対する単位面積あたりのキャパシタンスを示すグラフである。 図4は、α型酸化鉄担持カーボンクロス(α−Fe/A−CC)のα−Feの担持量と単位面積あたりのキャパシタンスとの関係を示すグラフである。 図5は、比較例2で得られたニッケル板(α−Fe/Ni)及びα−Feを担持しないニッケル板のサイクリックボルタモグラムである。 図6は、比較例3で異なる温度で加熱処理した後の析出物についてのX線回折測定の結果である。 図7(a)は、比較例3で得られたニッケル板(α−Fe/Ni)のサイクリックボルタモグラムである。図7(b)は、比較例3で得られたニッケル板(α−Fe/Ni)の加熱温度と単位面積あたりのキャパシタンスとの関係を示すグラフである。 図8(a)は、実施例3で得られた非対称キャパシタセルの動作電圧を変えた場合の充放電サイクルを示すグラフである。図8(b)は、実施例3で得られた非対称キャパシタセルの各電極の電位(vs 銀/塩化銀)と電流の関係を示すグラフである。 図9は、実施例3で得られた非対称キャパシタセルの動作電圧が異なる場合のエネルギー密度及びパワー密度を示すグラフである。
本発明の表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体の製造方法は、炭素繊維集合体を賦活処理する第1の工程、賦活処理した前記炭素繊維集合体を2価の鉄イオンを含む溶液中に浸漬し、前記溶液中の2価の鉄イオンを電気化学的に酸化することにより、前記炭素繊維集合体の表面にオキシ水酸化鉄を析出させる第2の工程、及び表面にオキシ水酸化鉄を析出させた前記炭素繊維集合体を熱処理してオキシ水酸化鉄を酸化鉄にする第3の工程を含むことを特徴とする。本発明における炭素繊維は、炭素繊維であれば特に限定されるものではないが、例えば、PAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等を挙げることができる。本発明における炭素繊維集合体は、炭素繊維を集合させたものであれば特に限定されるものではないが、例えば、炭素繊維を束状、織布状又は不織布状の形態にしたものを挙げることができる。本発明における束状の炭素繊維集合体は、炭素繊維を集合させて束状の形態にしたものであれば特に限定されるものではないが、例えば、炭素繊維の長繊維の原糸(単繊維)の束、炭素繊維の短繊維の原糸をステープル紡績により糸としたもの等を挙げることができ、一般にフィラメント、トウ、ステープルなどと呼ばれるものを使用することができる。本発明における織布状の炭素繊維集合体は、炭素繊維を集合させて織布状の形態にしたものであれば特に限定されるものではないが、例えば、炭素繊維の長繊維の束を織ったもの、炭素繊維の短繊維をステープル紡績により糸としたものを織ったもの等を挙げることができ、一般にカーボンクロスと呼ばれるものを使用することができる。また、本発明における不織布状の炭素繊維集合体は、炭素繊維を集合させて不織布状の形態にしたものであれば特に限定されるものではないが、例えば、炭素繊維を積層したもの、ニードルパンチ加工をしたもの等を挙げることができ、フェルト状、マット状及びペーパー状のものも含まれる。
炭素材料における賦活処理とは、炭素材料に細孔又は凹凸を付与する処理をいう。本発明における賦活処理は、特に限定されるものではないが、例えば、ガス賦活法、薬品賦活法等を挙げることができる。ガス賦活法とは、水蒸気、二酸化炭素、空気、酸素、燃焼ガス等を用いて高温で炭素材料と反応させ、炭素材料中の揮発成分や炭素原子をガス化する方法であり、薬品賦活法とは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等のアルカリ金属化合物、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛等の脱水性の塩、リン酸、硫酸、硝酸等の酸などの薬品を用いて賦活処理する方法である。本発明における賦活処理は、これら一般的に行われる賦活方法によることができる。また、薬品を用いて賦活処理する方法として、炭素繊維を酸化処理し、その後還元処理する方法を挙げることができる。使用する酸化剤や還元剤は、特に限定されるものではないが、酸化剤としては、例えば、硫酸、硝酸、硫酸と硝酸の混合物、過マンガン酸カリウム等を挙げることができ、還元剤としては、例えば、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、アンモニア等を挙げることができる。具体的には、炭素繊維を、硫酸、硝酸及び過マンガン酸カリウムを含む溶液中で酸化処理し、その後、ヒドラジンガス、続いてアンモニアガスを用いて2段階で還元処理する方法や、炭素繊維を、硫酸、硝酸及び過マンガン酸カリウムを含む溶液中で酸化処理し、その後、水素化ホウ素ナトリウムを溶解した溶液中で還元処理する方法を挙げることができる。水素化ホウ素ナトリウムはヒドラジンよりも還元力が強く、1段階で炭素繊維の還元処理ができるため、炭素繊維を、硫酸、硝酸及び過マンガン酸カリウムを含む溶液中で酸化処理し、その後、水素化ホウ素ナトリウム溶液中で還元処理する方法が好ましい。また、水素化ホウ素ナトリウム溶液中で還元処理する前に過酸化水素を加えてもよい。本発明においては、炭素繊維を束状、織布状又は不織布状の集合体にした後に賦活処理を行ってもよく、賦活処理した炭素繊維を束状、織布状又は不織布状の形態にしてもよい。
本発明の製造方法では、賦活処理した炭素繊維集合体を2価の鉄イオンを含む溶液中に浸漬し、前記溶液中の2価の鉄イオンを電気化学的に酸化することにより、炭素繊維集合体の表面にオキシ水酸化鉄を析出させる。賦活処理した炭素繊維集合体を浸漬する溶液は、2価の鉄イオンを含むものであれば特に限定されるものではないが、例えば、2価の鉄の塩を溶解した溶液を使用することができ、具体的には、硫酸アンモニウム鉄(II)、硫酸鉄(II)、硝酸鉄(II)、塩化鉄(II)等を溶解した水溶液を使用することができる。なかでも電気分解によるオキシ水酸化鉄の析出のしやすさから、硫酸アンモニウム鉄(II)を用いることが好ましい。また、前記溶液には、溶液中のイオン伝導度を十分高く保つため支持電解質を加えることが好ましい。支持電解質としては、溶液中の他の成分との相互作用や電極表面での副反応を起こさないものであれば特に限定されるものではないが、例えば、硫酸ナトリウム等の塩を挙げることができる。さらに、前記溶液のpHを調整するために、例えば、酢酸ナトリウム等を添加することができる。前記溶液のpHは、5.5〜7.5であることが好ましい。本発明の製造方法では、上記鉄化合物が溶解した溶液中に炭素繊維集合体を浸漬し、炭素繊維集合体をアノード電極として用い、対極に白金電極等を用いて電気分解(以下、アノード電解ともいう。)を行うことにより、炭素繊維集合体の表面にオキシ水酸化鉄を析出させる。また、電気分解は、酸素と電解液中の鉄イオンが反応するのを避けるため窒素雰囲気下で行うことが好ましい。本発明の製造方法では、電気分解法を使用しているため、電解時の通過電気量を調整することにより、オキシ水酸化鉄の析出量の調整が容易である。一方、水熱処理によりオキシ水酸化鉄を析出させる方法では、鉄イオンと炭素間の酸化還元反応により反応が進行するため、本発明のようにオキシ水酸化鉄を炭素繊維集合体の表面に定量的にコントロールして担持させることはできない。また、水熱処理法の場合、炭素表面での反応のため、表面が完全に被覆されると反応が自己停止し、オキシ水酸化鉄層上にオキシ水酸化鉄層を形成することはできず、オキシ水酸化鉄の析出量を増やすことはできない。したがって、本発明の製造方法と水熱処理法とでは、得られる炭素繊維集合体におけるオキシ水酸化鉄の担持状態、及びオキシ水酸化鉄から得られる酸化鉄の担持状態が異なる。本発明の製造方法では、炭素繊維集合体を賦活処理した後、炭素繊維集合体の表面にオキシ水酸化鉄を電気化学的方法により析出させるため、炭素繊維集合体を構成する炭素繊維表面の細孔や凹凸により、オキシ水酸化鉄が、三次元的にランダムに配向して担持されるため、キャパシタ応答性を大きくでき、単位面積当たりのキャパシタンスを増加させることができるものと考えられる。本発明の製造方法では、オキシ水酸化鉄の電気化学析出時の電位は特に制限されず適宜調整することができるが、−0.1〜+0.1Vが好ましく、0Vがより好ましい。また、電気化学析出時の通過電気量は特に制限されず適宜調整することができるが、十分な密着性と十分なキャパシタンスを得る観点から、1000〜10000mC/cmが好ましい。
本発明の製造方法では、上記工程で表面にオキシ水酸化鉄を析出させた炭素繊維集合体を熱処理することにより、オキシ水酸化鉄を酸化鉄に転換する。熱処理温度は、析出したオキシ水酸化鉄が酸化鉄に転換できる温度であれば特に制限されないが、電解により析出したα−FeOOHは、300℃前後でほぼ全てα−Feに転換されるので、250〜350℃で熱処理することが好ましい。また、熱処理時間は、オキシ水酸化鉄を酸化鉄に転換するのに充分な時間であれば特に制限されないが、効率性の観点から1〜5時間が好ましい。熱処理するときの雰囲気は適宜調整することができるが、α−FeOOHからα−Feへの転換は、空気中で行うことができるので、熱処理雰囲気を特に制御しなくてもよい。
本発明の製造方法で製造された表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体は、導電性及び機械的な柔軟性と強度に優れるため、導電材やバインダーを用いずに、また集電体と組み合わせることなく、それ自体をフレキシブルな電極として使用することができる。また、本発明の製造方法で製造された炭素繊維集合体を、集電体に固定することにより前記炭素繊維集合体を備えた電極を製造することもできる。集電体としては、例えば、導電性シート、導電板、導電膜付基板等を挙げることができ、フレキシブルなものを使用することができる。集電体に固定するとは、前記炭素繊維集合体と集電体とが導通した状態で維持されるようにすることをいい、例えば、バインダーにより前記炭素繊維集合体と集電体を接着する、前記炭素繊維集合体と集電体を密着させた状態で積層する等の方法を挙げることができる。
本発明では、本発明の製造方法で製造された表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体と対極との間に電解質層を形成することにより、電気化学キャパシタを製造することができる。本発明における電解質は、特に限定されないが、例えば、硫酸水溶液等の水系の電解質、TEABF(ホウフッ化テトラエチルアンモニウム)/PC(プロピレンカーボネート)、LiPF/EC(エチレンカーボネート)+DEC(ジエチルカーボネート)等の有機系の電解質、イオン液体などを挙げることができる。また、本発明における対極は、特に限定されず、アルミニウム、ステンレス、導電性樹脂等の一般的に電極として用いられるものを用いることができる。対極としてフレキシブルなものを使用すれば、フレキシブルな電気化学キャパシタを得ることができる。
本発明の電気化学キャパシタにおける対極としては、表面に層状マンガン酸化物が担持されている炭素繊維集合体を用いることができる。かかる炭素繊維集合体は、それ自体をフレキシブルな電極として使用することもでき、集電体に固定して前記炭素繊維集合体を備えた電極として使用することもできる。表面に層状マンガン酸化物が担持されている炭素繊維集合体の製造方法は特に制限されるのもではないが、例えば、マンガンを含む化合物の電気分解により炭素繊維集合体の表面に層状マンガン酸化物を析出させて担持させる電気化学的方法により製造できる。前記電気化学的方法としては、例えば、2価のマンガンイオンを電気化学的に酸化することにより、層状マンガン酸化物をアノード側に析出させる方法(以下、アノード電解法ともいう。)、過マンガン酸イオンを電気化学的に還元することにより、層状マンガン酸化物をカソード側に析出させる方法(以下、カソード電解法ともいう。)等が挙げられる。また、2価のマンガンイオン又は過マンガン酸イオンの存在する溶液中には、アルカリ金属イオンを共存させることが好ましい。アノード電解法において使用されるマンガン化合物は、電解液に可溶な2価のマンガン化合物であれば特に限定されず、例えば、硫酸マンガン、塩化マンガン、硝酸マンガン、炭酸マンガン等の無機酸の塩、蓚酸マンガンアンモニウム、蓚酸マンガンカリウム等の有機マンガン化合物などを挙げることができる。なかでも電気分解による層状マンガン酸化物の析出のしやすさや、入手の容易性等から硫酸マンガンを好適に例示できる。カソード電解法において使用されるマンガン化合物は、特に限定されず、例えば、過マンガン酸塩を挙げることができ、過マンガン酸塩としては、過マンガン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を挙げることができる。なかでも、ナトリウム塩又はカリウム塩を好適に例示できる。表面に層状マンガン酸化物が担持されている炭素繊維集合体は、上記マンガン化合物が溶解した溶液中に炭素繊維集合体を浸漬し、アノード電解法の場合は、炭素繊維集合体をアノード電極として用い、カソード電解法の場合は、炭素繊維集合体をカソード電極として用い、対極に白金電極等を用いて電気分解を行うことにより、炭素繊維集合体上に層状マンガン酸化物を析出させることにより製造することができる。使用するマンガン酸化物の取扱いの容易さ、電気分解による析出のコントロールの容易さの観点からアノード電解法が好ましい。本発明では、正極に表面に層状マンガン酸化物が担持されている炭素繊維集合体を備え、負極に本発明の製造方法により製造された表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体を備え、両極間に電解質層を備えることにより、単位面積あたりの容量が大きく、エネルギー密度やパワー密度の大きい電気化学キャパシタを得ることができる。
[カーボンクロスの処理(Activated−CCの作製)]
硫酸20mlに硝酸10mlをゆっくりと加え、室温になるまで放冷し、放冷後の混酸に過マンガン酸カリウム3gを溶解させた。カーボンクロス(商品名カーボンクロス・テフロン(登録商標)処理なし(EC-CC1-060)、東陽テクニカ(Electrochem社in USA)社製)を、得られた溶液に浸漬し、溶液を撹拌しながら35℃で3時間保持した。その後、蒸留水100mlを加え、さらに3時間保持した。さらに、過酸化水素を、溶液が透明になり、泡が発生しなくなるまで加えた。その後、浸漬したカーボンクロスを溶液から取り出し、蒸留水で洗浄した。次に、洗浄したカーボンクロスを、水酸化ホウ素ナトリウム0.5gを溶かした0.1M水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、90℃で3時間還流した。その後、浸漬したカーボンクロスを溶液から取り出し、蒸留水で洗浄して賦活処理したカーボンクロス(Activated−CC又はA−CCともいう。)を得た。
[鉄酸化物担持A−CCの作製]
上記で得られた賦活処理したカーボンクロス(A−CC)を、0.1M硫酸ナトリウム及び0.2M酢酸ナトリウムを含む0.1M硫酸アンモニウム鉄(II)水溶液に浸漬し、窒素雰囲気下、対極として白金メッシュを用いて、0.0V (対銀/塩化銀電極)で定電位アノード電解することにより、カーボンクロス(A−CC)上にα型オキシ水酸化鉄(α−FeOOH)を析出させ担持させた。電析時の通過電気量は1000mC/cm(計算上Fe基準で担持量0.8274mg/cmに相当)とした。α−FeOOHを担持したカーボンクロス(A−CC)をマッフル炉に入れ、300℃で2時間加熱することにより、α型酸化鉄(α−Fe)が担持されたカーボンクロス(α−Fe/A−CC)を得た。
電析時の通過電気量を、100mC/cm、500mC/cm、2000mC/cm、5000mC/cm(それぞれ計算上Fe基準で担持量0.0827mg/cm、0.4137mg/cm、1.6548mg/cm、4.137mg/cmに相当)とした以外は、実施例1と同じ条件で、鉄酸化物の担持量の異なるカーボンクロス(α−Fe/A−CC)を得た。
[比較例1]
実施例1で用いたものと同種のカーボンクロスをアセトンに浸漬し、15分間超音波洗浄した。洗浄後のカーボンクロスをエタノールに浸漬し、さらに15分間超音波洗浄した後、カーボンクロスを蒸留水で洗浄した。このような洗浄を行っただけのカーボンクロス(Untreated−CC又はU−CCともいう。)を用いて、実施例1と同じ方法で、カーボンクロス(U−CC)上に酸化鉄を担持させ酸化鉄(α−Fe)担持カーボンクロス(α−Fe/U−CC)を得た。
[比較例2]
賦活処理したカーボンクロス(A−CC)ではなくニッケル板を用いる点、電析時の通過電気量を300mC/cm(計算上Fe基準で0.2482mg/cmに相当)とする点以外は、実施例1と同じ操作を行い、ニッケル板上に酸化鉄を析出させ担持させて、酸化鉄(α−Fe)を担持したニッケル板(α−Fe/Ni)を得た。なお、ニッケル板を使用する際には、これ以上電析量を増やすと酸化鉄(α−Fe)膜が剥がれてしまう。
[比較例3]
マッフル炉中で加熱する温度を、それぞれ100℃、200℃、400℃、500℃とした以外は、比較例2と同じ条件でニッケル板上に酸化鉄(α−Fe)を担持させて、酸化鉄(α−Fe)を担持したニッケル板(α−Fe/Ni)を得た。
[比較例4]
実施例1と同様にカーボンクロスを処理して、賦活処理したカーボンクロス(A−CC)を得た。
[カーボンクロスの処理(Activated−CCの作製)]
実施例1と同様に、硫酸20mlに硝酸10mlをゆっくりと加え、室温になるまで放冷し、放冷後の混酸に過マンガン酸カリウム3gを溶解させた。カーボンクロス(商品名カーボンクロス・テフロン(登録商標)処理なし(EC-CC1-060)、東陽テクニカ(Electrochem社in USA)社製)を、得られた溶液に浸漬し、溶液を撹拌しながら35℃で3時間保持した。その後、蒸留水100mlを加え、さらに3時間保持した。さらに、過酸化水素を、溶液が透明になり、泡が発生しなくなるまで加えた。その後、浸漬したカーボンクロスを溶液から取り出し、蒸留水で洗浄した。次に、洗浄したカーボンクロスを、水酸化ホウ素ナトリウム0.5gを溶かした0.1M水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、90℃で3時間還流した。その後、浸漬したカーボンクロスを溶液から取り出し、蒸留水で洗浄して賦活処理したカーボンクロス(Activated−CC又はA−CCともいう。)を得た。
[マンガン酸化物担持A−CCの作製]
上記で得られた賦活処理したカーボンクロス(A−CC)を、50mM塩化カリウムを含む2mM硫酸マンガン水溶液に浸漬し、対極として白金板メッシュを用いて、+1.0V vs Ag/AgCl sat.KClでアノード電解して、カーボンクロス上に層状マンガン酸化物を析出させ担持させ、マンガン酸化物を担持したカーボンクロス(MnO2/A−CC)を得た。電析時の通過電気量は2500mC/cm(MnO析出量:0.82mg/cm)とした。
[キャパシタセルの作製]
ビーカーセルを使用して、0.5M硫酸ナトリウム水溶液中に、上記で得られたMnO2/A−CCと実施例1で得られたα−Fe/A−CCを設置し、正極にMnO2/A−CC、負極にα−Fe/A−CCを組み込んだ非対称キャパシタセルを作製した。
実施例1で得られたα型酸化鉄(α−Fe)が担持されたカーボンクロス(α−Fe/A−CC)(担持量:0.8274mg/cm)と、比較例4で得られた賦活処理を行っただけのカーボンクロス(A−CC)を、それぞれ電極としてそのまま用いて、0.5M硫酸ナトリウム水溶液中でサイクリックボルタンメトリーを行った(掃引速度20mV/s)。その結果を図1に示す。図1からわかるとおり、α型酸化鉄(α−Fe)を担持したカーボンクロスは、担持しないカーボンクロスに比べてはるかに大きな電流応答を示した。
比較例1で得られたカーボンクロス(α−Fe/U−CC)と、洗浄を行っただけのカーボンクロス(U−CC)を、それぞれ電極としてそのまま用いて、0.5M硫酸ナトリウム水溶液中でサイクリックボルタンメトリーを行った(掃引速度20mV/s)。その結果を図2に示す。図2からわかるとおり、賦活処理を行わないカーボンクロスにα型酸化鉄(α−Fe)を担持させたもの(α−Fe/U−CC)は、折り返し電位付近での応答が、実施例1で得られたα型酸化鉄担持カーボンクロス(α−Fe/A−CC)に比べて明らかに悪い。
実施例1で得られたα型酸化鉄担持カーボンクロス(α−Fe/A−CC)、比較例1で得られたカーボンクロス(α−Fe/U−CC)及び比較例4で得られたカーボンクロス(A−CC)について、掃引速度を2〜200mV/sの間で変えて測定し、掃引速度に対する単位面積あたりのキャパシタンスをプロットしたものを図3に示す。図3からわかるとおり、実施例1で得られたα型酸化鉄担持カーボンクロス(α−Fe/A−CC)は、比較例1で得られたカーボンクロス(α−Fe/U−CC)や比較例4で得られたカーボンクロス(A−CC)に比べて、いずれの掃引速度においても単位面積あたりのキャパシタンスが大きく増加している。また、実施例1で得られたα型酸化鉄担持カーボンクロス(α−Fe/A−CC)は、掃引速度200mV/sでの掃引速度2mV/sに対する容量保持率は39%であった。
実施例1及び2で得られたカーボンクロス(電析時の通過電気量:100mC/cm、500mC/cm、1000mC/cm、2000mC/cm、5000mC/cm)をそれぞれ用いて、α−Feの担持量の違いによる単位面積あたりのキャパシタンスを測定した結果(掃引速度20mV/s)を図4に示す。図4からわかるように、本発明の製造方法で製造された炭素繊維集合体は、担持量(ローディング量)の増加に伴い単位面積あたりのキャパシタンスは増加した。そして、325mF/cmの単位面積あたりのキャパシタンスが得られた(電析時の通過電気量5000mC/cm:Fe基準の担持量4.137mg/cm)。
比較例2で得られたニッケル板(α−Fe/Ni)と、α−Feを担持しないニッケル板を、それぞれ電極としてそのまま用いて、0.5M硫酸ナトリウム水溶液中でサイクリックボルタンメトリーを行った(掃引速度20mV/s)。その結果を図5に示す。比較例2で得られたニッケル板(α−Fe/Ni)は、実施例1で得られたα型酸化鉄担持カーボンクロス(α−Fe/A−CC)に比べて電流応答が非常に小さい。
比較例3で異なる温度で加熱処理した後の析出物についてX線回折測定を行った。その結果を図6に示す。図6から、ニッケル板上に析出したα−FeOOHは、300℃でα−Feに転換されることがわかる。
比較例3で得られたニッケル板(α−Fe/Ni)を、それぞれ電極としてそのまま用いて、0.5M硫酸ナトリウム水溶液中でサイクリックボルタンメトリーを行った(掃引速度20mV/s)。その結果を図7(a)に示す。また、図7(b)は、前記結果を加熱温度と単位面積あたりのキャパシタンスの関係で示したものである。図7(a)及び図7(b)からわかるように、300℃で加熱処理したものが、電流応答及び単位面積あたりのキャパシタンス共に最大であった。
実施例3で得られた非対称キャパシタセルにおいて、0.5M硫酸ナトリウム水溶液中で充放電サイクルを繰り返した。動作電圧は0(開回路)から0.8、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0Vとし、電圧掃引速度は0.02V/sとした。その結果を図8(a)に示す。また、前記充放電サイクルにおいて、両電極間の電圧を制御すると同時に各電極の電位(vs 銀/塩化銀)と電流を記録した。セルの動作電圧を1.8Vとしたときの、各電極の電位(vs 銀/塩化銀)と電流の測定結果を図8(b)に示す。また、図8(a)の電流−電圧曲線から比キャパシタンス(CSP=Q/(m*ΔV),in F/g) を算出した。ここで活物質の質量mは、α−Fe(0.85mg/cm)とMnO(0.80mg/cm)の総和とした。次に、エネルギー密度(E=0.5CSP/(ΔV),in Wh/kg)を算出し、エネルギー密度からパワー密度(P=E/Δt,in W/kg)を算出した。図9に、図8の結果から算出した動作電圧0.8〜2.0Vにおけるエネルギー密度とパワー密度との関係(ラゴンプロット)を示す。図8(a)からわかるように、本発明の非対称キャパシタセルは、動作電圧0.8〜2.0Vの範囲でキャパシタに特有の矩形の応答がみられた。図8(b)から、動作電圧1.8Vのとき、負極の下限電位は−0.7V、正極の上限電位は+1.1Vであった。また、図9から本発明の非対称キャパシタセルは、動作電圧を大きくするとエネルギー密度及びパワー密度が増大することがわかる。
本発明の炭素繊維集合体の製造方法は、単位面積あたりのキャパシタンスが大きく、キャパシタ応答性に優れ、高い導電性と優れた機械的な柔軟性と強度を有するため、フレキシブルな電極の材料として好適な炭素繊維集合体を製造することができる。また、本発明の製造方法で得られる炭素繊維集合体を用いると、容量が大きく、急速充放電可能で、フレキシブルな電極及び電気化学キャパシタを作製することができる。

Claims (8)

  1. 炭素繊維集合体を賦活処理する第1の工程、
    賦活処理した前記炭素繊維集合体を2価の鉄イオンを含む溶液中に浸漬し、前記溶液中の2価の鉄イオンを電気化学的に酸化することにより、前記炭素繊維集合体の表面にオキシ水酸化鉄を析出させる第2の工程、及び
    表面にオキシ水酸化鉄を析出させた前記炭素繊維集合体を熱処理してオキシ水酸化鉄を酸化鉄にする第3の工程
    を含むことを特徴とする表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体の製造方法。
  2. 賦活処理が、炭素繊維集合体を酸化処理し、その後還元処理することを特徴とする請求項1記載の炭素繊維集合体の製造方法。
  3. 炭素繊維集合体が、束状、織布状又は不織布状の炭素繊維集合体であることを特徴とする請求項1又は2記載の炭素繊維集合体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体を製造し、製造した前記炭素繊維集合体を集電体に固定することを特徴とする電極の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体を製造し、製造した前記炭素繊維集合体と対極との間に電解質層を形成することを特徴とする電気化学キャパシタの製造方法。
  6. 対極が、表面に層状マンガン酸化物が担持されている炭素繊維集合体を備えることを特徴とする電気化学キャパシタの製造方法。
  7. 賦活処理されている炭素繊維集合体の表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体。
  8. 表面に酸化鉄が担持されている炭素繊維集合体、電解質層、及び表面に層状マンガン酸化物が担持されている炭素繊維集合体を備えることを特徴とする電気化学キャパシタ。
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