JP2015041572A - 無機マグネシウム固体電解質、マグネシウム電池、電気化学デバイス及び無機マグネシウム固体電解質の製造方法 - Google Patents
無機マグネシウム固体電解質、マグネシウム電池、電気化学デバイス及び無機マグネシウム固体電解質の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】マグネシウムイオンを伝導する新規な無機マグネシウム固体電解質を提供する。【解決手段】本発明のマグネシウム電池10は、正極12と、マグネシウムを含む負極活物質を有する負極14と、正極12と負極14との間に介在しMg、B、N、H、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素及び17族元素のうち1以上の第2元素を含む結晶性化合物を含みマグネシウムイオンを伝導する無機マグネシウム固体電解質16と、を備えたものである。無機マグネシウム固体電解質16は、X線回折測定において、少なくとも2θ=32.5?〜33.5?及び38.5?〜39.5?に結晶ピークを有するものとしてもよい。あるいは、2θ=30.0?〜31.0?及び31.5?〜32.5?に結晶ピークを有するものとしてもよい。【選択図】図1
Description
本発明は、無機マグネシウム固体電解質、マグネシウム電池、電気化学デバイス及び無機マグネシウム固体電解質の製造方法に関する。
従来、無機マグネシウム固体電解質としては、マグネシウムイオンよりも価数の高い陽イオンを含有する第2成分を分散させ、コンポジット化したMgZr4(PO4)6により、マグネシウムイオンの伝導性を高めたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
マグネシウムイオンは、2価であり、固体中のマグネシウムは、結晶を構成する陰イオンと静電的に強く結びつくため、そのイオン伝導率は、例えば1価のイオンと比較して小さくなることが予想される。上述の特許文献1のマグネシウム固体電解質では、より価数の高い陽イオンを添加することにより、陰イオンに束縛されることをより抑制するなどして、マグネシウムイオンの伝導性を高めてはいるが、その伝導率は、800℃程度で10-3S/cmオーダーであり、高い作動温度を必要とし、その伝導率は、まだ十分ではなかった。また、マグネシウムイオンを伝導する新規な材料が求められていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、マグネシウムイオンを伝導する新規な無機マグネシウム固体電解質、マグネシウム電池、電気化学デバイス及び無機マグネシウム固体電解質の製造方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、水素化ホウ素及び水素化窒素を含むマグネシウム化合物と、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素及び17族元素のうち1以上の第2元素を含む所定の化合物としてのヨウ化インジウム(InI3)、あるいはヨウ化スズ(SnI2)とを混合して加熱処理すると、マグネシウムイオンを伝導し、マグネシウムイオンの伝導率をより高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の無機マグネシウム固体電解質は、Mg、B、N、H、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素及び17族元素のうち1以上の第2元素を含む結晶性化合物を含み、マグネシウムイオンを伝導するものである。
本発明のマグネシウム電池は、正極と、マグネシウムを含む負極活物質を有する負極と、前記正極と前記負極との間に介在し、マグネシウムイオンを伝導する上述の無機マグネシウム固体電解質と、を備えたものである。
本発明の電気化学デバイスは、マグネシウムイオンを伝導する上述の無機マグネシウム固体電解質、を備えたものである。
本発明の無機マグネシウム固体電解質の製造方法は、
マグネシウムイオンを伝導する無機マグネシウム固体電解質の製造方法であって、
水素化ホウ素及び水素化窒素を含んでいるマグネシウム化合物と、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素及び17族元素のうち1以上の第2元素を含む所定の化合物とを混合して加熱する熱処理工程、を含むものである。
マグネシウムイオンを伝導する無機マグネシウム固体電解質の製造方法であって、
水素化ホウ素及び水素化窒素を含んでいるマグネシウム化合物と、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素及び17族元素のうち1以上の第2元素を含む所定の化合物とを混合して加熱する熱処理工程、を含むものである。
本発明では、マグネシウムイオンを伝導し、マグネシウムイオンの伝導率をより高めることができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推測される。例えば、水素化ホウ素及び水素化窒素を含むマグネシウム化合物と、ヨウ化インジウムあるいはヨウ化スズなどの所定の化合物とにより作製した結晶性化合物とする場合、マグネシウム化合物と所定の化合物との反応により、新規な相が生成し、この相によりマグネシウムの伝導率が高まるものと推察される。あるいは、Mgよりも価数の大きいInが含まれることにより、Mgサイトに空孔が生じ、これによりMgの移動が起きやすくなる。また、分極率が比較的大きいIが存在することにより、Mgイオンの移動中の電荷ポテンシャルを軽減し、その結果、伝導率が向上するものと推察される。
本発明の無機マグネシウム固体電解質は、Mg、B、N、H、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素(A)及び17族元素のうち1以上の第2元素(X)を含む結晶性化合物を含み、マグネシウムイオンを伝導するものである。第1元素としては、2価以上でありMg、B及びN以外の元素であればよく、例えば、2族元素、遷移金属、12族元素、13族元素、14族元素、15族元素及び16族元素などが挙げられ、このうち13族元素及び14族元素が好ましい。第1元素としては、例えば、Al、Ga、In及びTlなどのほか、GeやSn、Pbなどが挙げられ、このうちIn、Sn、Pbが好ましい。また、第2元素としては、F、Cl、Br及びI等が挙げられ、このうちIが好ましい。この結晶性化合物は、Mgに対する第1元素Aのモル比A/Mgが0.005以上であることが好ましく、0.025以上であることがより好ましく、0.05以上であることが更に好ましい。このモル比A/Mgが0.005以上では、より高い電気伝導率を得ることができる。また、このモル比A/Mgは1.0以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。このモル比A/Mgが1.0以下では、電気伝導率をより高めることができる。
無機マグネシウム固体電解質に含まれる結晶性化合物は、第1元素AとしてInを含み、第2元素としてIを含むことが好ましい。この無機マグネシウム固体電解質に含まれる結晶性化合物は、X線回折測定において、少なくとも2θ=32.5°〜33.5°(第1ピーク)及び38.5°〜39.5°(第2ピーク)に結晶ピークを有するものとしてもよい。このとき、2θ=54.0°〜55.0°に結晶ピーク、56.0°〜57.0°に結晶ピーク及び62.5°〜63.5°に結晶ピークを有するものとしてもよい。また、結晶性化合物は、X線回折測定において、2θ=25.5°〜26.5°(第3ピーク)及び30.0°〜31.0°(第4ピーク)に結晶ピークを有するものとしてもよい。このような、結晶性化合物は、より高い電気伝導率を示すものとすることができる。この結晶性化合物では、少なくとも第1及び第2ピークを含むものとし、更に第3ピーク及び第4ピークを含むものとしてもよいし、あるいは、少なくとも第3及び第4ピークを含むものとしてもよい。
無機マグネシウム固体電解質に含まれる結晶性化合物は、第1元素AとしてSnを含み、第2元素としてIを含むことが好ましい。この無機マグネシウム固体電解質に含まれる結晶性化合物は、X線回折測定において、少なくとも2θ=30.0°〜31.0°(第5ピーク)及び31.5°〜32.5°(第6ピーク)に結晶ピークを有するものとしてもよい。このとき、2θ=43.5°〜44.5°に結晶ピーク、44.5°〜45.5°に結晶ピーク及び55.0°〜56.0°に結晶ピークを有するものとしてもよい。また、結晶性化合物は、X線回折測定において、2θ=62.0°〜63.0°に結晶ピーク、64.0°〜65.0°に結晶ピークを有するものとしてもよい。このような、結晶性化合物は、より高い電気伝導率を示すものとすることができる。
本発明の無機マグネシウム固体電解質において、結晶性化合物は、水素化ホウ素及び水素化窒素を含んでいるマグネシウム化合物と、第1元素及び第2元素を含む所定の化合物とを混合して加熱する熱処理工程を経て作製されているものとしてもよい。こうすれば、本発明の結晶性化合物を生成することができる。マグネシウム化合物は、Mg、B、N及びHを含む化合物であるものとしてもよく、例えば、1又は2以上の化合物を含むものとしてもよい。このマグネシウム化合物は、Mg(BH4)2、Mg(NH2)2及びMg(BH4)(NH2)のうち1以上の構造を含むものとしてもよい。また、所定の化合物は、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素及び17族元素のうち1以上の第2元素を含むものとしてもよい。例えば、所定の化合物は、第1元素をInとし、第2元素をIとする、InI3であるものとしてもよい。あるいは、所定の化合物は、第1元素をSnとし、第2元素をIとする、SnI2であるものとしてもよい。また、所定の化合物は、第1元素をPbとし、第2元素をIとする、PbI2であるものとしてもよい。このマグネシウム化合物に対する所定の化合物の質量割合は、例えば、5質量%以上とすることが好ましく、15質量%以上とすることがより好ましく、30質量%以上とすることが更に好ましい。また、このマグネシウム化合物に対する所定の化合物の質量割合は、例えば、100質量%以下とすることが好ましく、85質量%以下とすることがより好ましい。このような範囲では、電気伝導率をより高めることができる。なお、この熱処理工程については、無機マグネシウム固体電解質の製造方法にて詳細に説明する。
本発明の無機マグネシウム固体電解質は、気孔率が15体積%以下であることが好ましく、10体積%以下であることがより好ましく、5体積%以下であることが更に好ましい。気孔率をより小さいものとするとマグネシウムイオンの伝導率をより高めることができ、好ましい。
本発明の無機マグネシウム固体電解質は、マグネシウムイオンを伝導する作動温度を200℃以下とすることができる。作動温度が200℃以下では、結晶性化合物の熱分解又は融解をより抑制することができる。この作動温度は、マグネシウムイオンの伝導率を考慮すると、80℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることが更に好ましい。
本発明の無機マグネシウム固体電解質は、120℃での電気伝導率が1×10-8S/cm以上であることが好ましく、1×10-6S/cm以上であることがより好ましく、1×10-5S/cm以上であることが更に好ましい。あるいは、100℃での電気伝導率が1×10-8S/cm以上であることが好ましく、1×10-7S/cm以上であることがより好ましく、1×10-6S/cm以上であることが更に好ましい。電気伝導率をより高いものとすると、マグネシウムイオンがより伝導し易く、好ましい。
次に、本発明の無機マグネシウム固体電解質の製造方法について説明する。この製造方法は、例えば、Mg、B、N、H、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素及び17族元素のうち1以上の第2元素のいずれかを含む1以上の原料を加熱処理する熱処理工程を含むものとし、得られた結晶性化合物を成形する成形工程を更に含むものとしてもよい。
熱処理工程では、1以上の原料を混合して加熱する処理を行う。例えば、この熱処理工程では、Mg、B、N及びHを含むマグネシウム化合物と、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素と17族元素のうち1以上の第2元素とを含む所定の化合物とを混合して加熱する処理を行うものとしてもよい。マグネシウム化合物は、Mg、B、N及びHを含む化合物であるものとしてもよく、例えば、1又は2以上の化合物を含むものとしてもよい。このマグネシウム化合物は、Mg(BH4)2、Mg(NH2)2及びMg(BH4)(NH2)のうち1以上の構造を含むものとしてもよい。このとき、マグネシウム化合物は、Mg(BH4)2及びMg(NH2)2の構造、又はMg(BH4)(NH2)の構造を有しているものとしてもよい。ここで、Mg(BH4)2とMg(NH2)2とを混合して200℃以下で加熱を行うと、Mg(BH4)(NH2)の構造を有するマグネシウム化合物が得られる。したがって、この熱処理工程では、予め作製したMg(BH4)(NH2)と所定の化合物とを混合して加熱するものとしてもよいし、Mg(BH4)2とMg(NH2)2と所定の化合物とを混合して加熱するものとしてもよい。このとき、熱処理時間や作業工程を考慮すると、後者がより好ましい。所定の化合物は、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素及び17族元素のうち1以上の第2元素を含むものとしてもよい。例えば、所定の化合物は、第1元素として、2価以上でありMg、B及びN以外の元素を含むものとすればよく、例えば、2族元素、遷移金属、12族元素、13族元素、14族元素、15族元素及び16族元素などを含むものとしてもよい。このうち、所定の化合物は、第1元素として、13族元素及び14族元素のうち1以上の元素を含むことが好ましい。例えば、第1元素としては、Al、Ga、In及びTlなどのほか、SnやPbなどが挙げられ、このうちInが好ましい。また、所定の化合物は、第2元素として、F、Cl、Br及びIのうち1以上の元素を含むことが好ましい。例えば、第2元素としては、Iが好ましい。例えば、所定の化合物は、第1元素をInとし、第2元素をIとする、InI3であるものとしてもよい。
熱処理工程において、原料の配合は、Mgに対する第1元素Aのモル比A/Mgが0.005以上、より好ましくは0.025以上、更に好ましくは0.05以上とすることができる。このモル比A/Mgが0.005以上では、より高い電気伝導率を得ることができる。また、原料の配合は、モル比A/Mgが1.0以下、より好ましくは0.5以下とすることができる。このモル比A/Mgが1.0以下では、電気伝導率をより高めることができる。また、熱処理工程において、所定の化合物の配合量は、マグネシウム化合物に対して5質量%以上100質量%以下含まれていることが好ましい。また、所定の化合物の配合量は、マグネシウム化合物に対して5質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。なお、所定の化合物をInI3とし、マグネシウム化合物をMg(BH4)(NH2)としたとき、この配合量が18質量%のときのIn/Mgのモル比は0.025であり、82質量%のときのIn/Mgのモル比は0.5である。この熱処理工程では、例えば、Mg(BH4)2及びMg(NH2)2を1:1のモル比で混合することが好ましい。なお、このモル比は、例えば、3:7〜7:3の範囲としてもよい。
熱処理工程において、熱処理を行う雰囲気は、特に限定されず、大気中であってもよいが、Arなどの希ガス又は窒素ガスなどの不活性雰囲気であることが好ましい。また、熱処理温度は、例えば、無機マグネシウム固体電解質として使用する際の作動温度よりも高い温度とすることが好ましく、原料であるMg(BH4)2及びMg(NH2)2の熱分解温度又は融解温度よりも低い温度であることが好ましい。この熱処理温度は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、170℃以上であることがより好ましい。また、この熱処理温度は、200℃以下であることが好ましい。処理時間は、熱処理温度などの条件に応じて適宜設定すればよく、例えば、1時間以上としてもよく、12時間以下の範囲としてもよい。また、原料であるマグネシウム化合物と所定の化合物とを混合した混合粉体を冷間プレスなどにより成形した成形体に対してこの熱処理工程を実行するものとしてもよい。この無機マグネシウム固体電解質では、原料を所定の割合で混合して成形したのちに加熱してもよいし、所定の割合で混合した状態の原料粉末を熱処理したあとに成形するものとしてもよい。また、この無機マグネシウム固体電解質では、原料を所定の割合で混合して成形して加熱したのちに、得られた成形体を解砕して更に所望の形状に成形するものとしてもよい。上記加熱処理工程を経ると、結晶性化合物を得ることができる。
成形工程では、例えば、上述した結晶性化合物を用いて成形体を形成する処理を行う。この成形処理では、結晶構造を維持しつつ、気孔率をより低減した成形体とすることが、マグネシウムイオン伝導率を高める観点から、好ましい。この成形処理では、例えば、気孔率が15体積%以下、より好ましくは10体積%以下とする成形条件で行うことが好ましい。成形処理としては、例えば、冷間プレスなどが挙げられる。成形圧は例えば、5MPa以上50MPa以下の範囲が好ましく、15MPa以上25MPa以下の範囲が更に好ましい。成形形状は、円板状、矩形板状などの形状とすることができ、用途に応じて厚さや大きさを選択すればよい。この成形工程では、例えば、電極と共に、結晶性化合物を同時にプレス成形することにより、電極と無機マグネシウム固体電解質との複合積層体を形成するものとしてもよい。このとき、無機マグネシウム固体電解質の片面に電極が形成されるように成形処理を実行してもよいし、無機マグネシウム固体電解質の両面に電極が形成されるように成形処理を実行してもよい。以上説明したように、本発明の無機マグネシウム固体電解質を得ることができる。
続いて、本発明のマグネシウム電池について説明する。本発明のマグネシウム電池は、正極と、マグネシウムを含む負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在しマグネシウムイオンを伝導する、上述したいずれかの無機マグネシウム固体電解質とを備えたものである。このマグネシウム電池は、例えば、ハロゲンを正極活物質として用いるマグネシウム−ハロゲン電池としてもよいし、酸素を正極活物質として用いるマグネシウム−空気電池ともよいし、マグネシウムを電荷キャリアとするマグネシウム電池としてもよいし、マグネシウムのインターカレーション反応を利用するマグネシウムイオン電池としてもよい。ここでは、マグネシウムを電荷キャリアとするマグネシウム電池について主として説明する。
本発明のマグネシウム電池の正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極活物質としては、一般的なマグネシウム電池に用いられるものを用いることができる。具体的には、硫黄や、遷移金属の硫化物、モリブデンのカルコゲナイド系化合物、V2O5などの遷移金属酸化物、マグネシウム複合酸化物などを用いることができる。モリブデンのカルコゲナイド系化合物としては、例えば、一般式MnMo6X8(但し、MはLi,Sn,Pb,Fe,Cu及びAgから選ばれる1以上、XはS,Se及びTeから選ばれる1以上、nは任意の整数)としてもよい。これらのうち、硫黄や、モリブデンのカルコゲナイド系化合物などが好ましい。導電材は、正極の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。このうち、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。正極活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
本発明のマグネシウム電池において、負極は、マグネシウムを含むものである。このような負極としては、例えば金属マグネシウムやマグネシウム合金などが挙げられる。マグネシウム合金としては、例えば、アルミニウムやシリコン、ガリウム、亜鉛、マンガンなどとマグネシウムとの合金が挙げられる。また、負極活物質としては、マグネシウムイオンを吸蔵・放出可能な材料を利用するものとしてもよい。このような材料を用いた場合には、本発明のマグネシウム電池の負極は、例えば負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極合材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。この導電材、結着材、溶剤及び集電体は、正極で説明したものを適宜利用することができる。
本発明のマグネシウム電池において、無機マグネシウム固体電解質は、Mg、B、N、H、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素及び17族元素のうち1以上の第2元素を含む結晶性化合物を含み、マグネシウムイオンを伝導するものであり、上述したいずれかの構成を採用してもよい。
本発明のマグネシウム電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図1は、本発明のマグネシウム電池10の一例を模式的に示す説明図である。このマグネシウム電池10は、集電体11上に正極活物質を形成した正極12と、集電体13上に負極活物質を形成した負極14と、正極12と負極14との間に介在しマグネシウムイオンを伝導する上述した無機マグネシウム固体電解質16と、正極12と負極14と無機マグネシウム固体電解質16とを収容する絶縁体のケーシング18と、を備えたものである。
以上詳述した本発明の無機マグネシウム固体電解質やマグネシウム電池では、Mg、B、N、H、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素及び17族元素のうち1以上の第2元素を含む結晶性化合物を含むことにより、マグネシウムイオンを伝導する新規な材料を提供することができる。また、本発明では、250℃以下という比較的、低温領域で、マグネシウムイオンのより高い伝導性を有するものとすることができる。この無機マグネシウム固体電解質では、例えば、水素化ホウ素及び水素化窒素を含むマグネシウム化合物と、13族元素、14族元素及び17族元素を含む所定の化合物との反応により、新規な相が生成し、この相によりマグネシウムの伝導率が高まるものと推察される。あるいは、Mgよりも価数の大きい13族元素が含まれることにより、Mgサイトに空孔が生じ、これによりMgの移動が起きやすくなる。また、分極率が比較的大きい17族元素が存在することにより、Mgイオンの移動中の電荷ポテンシャルを軽減し、その結果、伝導率が向上するものと推察される。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、マグネシウムを電荷キャリアとするマグネシウム電池10としたが、特にこれに限定されず、図2に示すように、マグネシウム空気電池としてもよい。図2は、本発明のマグネシウム空気電池20の一例を模式的に示す説明図である。このマグネシウム空気電池20は、集電体21を有し酸素を正極活物質とする正極22と、集電体23を有しマグネシウムを含む負極活物質を有する負極24と、正極22と負極24との間に介在しマグネシウムイオンを伝導する上述した無機マグネシウム固体電解質26と、正極22と負極24と無機マグネシウム固体電解質26とを収容する絶縁体のケーシング28とを備えている。正極22上には、酸素ガスを収容したガス溜め29が、多孔質体27を介して配設されており、多孔質体27を介してガス溜め29から正極22に酸素が供給される。このマグネシウム空気電池20の正極22は、例えば、導電材と結着材とを含むものとすることができ、更に酸素を分解する酸化還元触媒を含むものとしてもよい。酸化還元触媒としては、例えば、電解二酸化マンガンなどが挙げられる。こうしても、本発明のマグネシウムイオンを伝導する無機マグネシウム固体電解質を用いた蓄電デバイスとすることができる。
上述した実施形態では、無機マグネシウム固体電解質の製造方法で、成形工程を含むものとして説明したが、この工程を省略してもよい。また、成形工程に代えて、電極に結晶性化合物を形成する形成工程を含むものとしてもよい。この形成工程では、例えば、結晶性化合物を溶媒に加えたペースト又はスラリーを作製し、このペースト又はスラリーを電極上に形成したのち、乾燥する処理を行うものとしてもよい。溶媒としては、例えば、有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、エタノールなどのアルコール類や、アセトンなどのケトン類、クロロホルムなどが挙げられる。
上述した実施形態では、本発明をマグネシウム電池として利用するものとしたが、特にこれに限定されず、例えば、マグネシウムイオンを伝導する、上述したいずれかの無機マグネシウム固体電解質を備えた電気化学デバイスとして利用するものとしてもよい。この電気化学デバイスとしては、例えば、イオン濃度センサーなどが挙げられる。
上述した実施形態では、本発明を無機マグネシウム固体電解質や、その製造方法、マグネシウム電池として説明したが、特にこれに限定されず、Mg、B、N、H、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素及び17族元素のうち1以上の第2元素を含む結晶性化合物をマグネシウムイオンを伝導するイオン伝導媒体として使用する方法としてもよい。この使用方法では、上述した実施形態での使用条件を適宜利用することができる。
以下には、本発明の無機マグネシウム固体電解質を具体的に作製した例を実施例として説明する。
[実施例1]
粉体のMg(BH4)2 とMg(NH2)2とを1:1のモル比で混合し、さらにこれらの全体に対してInI3を9質量%添加混合した。この混合物を170℃で2時間加熱し、Mg(BH4)(NH2)+9質量%InI3を得た。得られた材料を15MPaの圧力で冷間プレスして成形体とし、これを実施例1の無機マグネシウム固体電解質とした。この無機マグネシウム固体電解質の成形体の両端面に白金電極を配設したものを実施例1の評価セルとした。
粉体のMg(BH4)2 とMg(NH2)2とを1:1のモル比で混合し、さらにこれらの全体に対してInI3を9質量%添加混合した。この混合物を170℃で2時間加熱し、Mg(BH4)(NH2)+9質量%InI3を得た。得られた材料を15MPaの圧力で冷間プレスして成形体とし、これを実施例1の無機マグネシウム固体電解質とした。この無機マグネシウム固体電解質の成形体の両端面に白金電極を配設したものを実施例1の評価セルとした。
[実施例2〜5]
InI3の添加量を18質量%とした以外は実施例1と同様の処理を行い、得られたものを実施例2の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。InI3の添加量を31質量%とした以外は実施例1と同様の処理を行い、得られたものを実施例3の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。InI3の添加量を73質量%とし熱処理温度を150℃とした以外は実施例1と同様の処理を行い、得られたものを実施例4の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。InI3の添加量を82質量%とし熱処理温度を150℃とした以外は実施例1と同様の処理を行い、得られたものを実施例5の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。なお、実施例1〜5において、Mg(BH4)(NH2):InI3のモル比は、それぞれ、1:0.01、1:0.025、1:0.05、1:0.3、1:0.5である。
InI3の添加量を18質量%とした以外は実施例1と同様の処理を行い、得られたものを実施例2の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。InI3の添加量を31質量%とした以外は実施例1と同様の処理を行い、得られたものを実施例3の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。InI3の添加量を73質量%とし熱処理温度を150℃とした以外は実施例1と同様の処理を行い、得られたものを実施例4の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。InI3の添加量を82質量%とし熱処理温度を150℃とした以外は実施例1と同様の処理を行い、得られたものを実施例5の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。なお、実施例1〜5において、Mg(BH4)(NH2):InI3のモル比は、それぞれ、1:0.01、1:0.025、1:0.05、1:0.3、1:0.5である。
[参考例1]
InI3を添加しない以外は実施例1と同様の処理を行い得られたものを参考例1の評価セルとした。
InI3を添加しない以外は実施例1と同様の処理を行い得られたものを参考例1の評価セルとした。
[参考例2]
粉体のMg(BH4)2(アルドリッチ社製)を20MPaの圧力で冷間プレスし、固体状態の成形体とし、これを参考例2の無機マグネシウム固体電解質とした。
粉体のMg(BH4)2(アルドリッチ社製)を20MPaの圧力で冷間プレスし、固体状態の成形体とし、これを参考例2の無機マグネシウム固体電解質とした。
(X線回折測定)
実施例2〜5及び参考例1の無機マグネシウム固体電解質に対し、X線回折測定を行った。X線回折測定は、X線回折装置(リガク製RINT−2200)によりCuKα線を用いて2θ=10°〜90°の範囲で行った。このX線回折測定は、無機マグネシウム固体電解質の原料混合後に測定し、また、熱処理したあとに測定した。図3は、実施例3〜5及び参考例1の熱処理前の無機マグネシウム固体電解質のX線回折の測定結果である。図4は、実施例3〜5及び参考例1の熱処理後の無機マグネシウム固体電解質のX線回折の測定結果である。図3、4に示すように、参考例1では、Mg(BH4)(NH2)に由来する回折ピークが得られた。即ち、参考例1は、Mg(BH4)2とMg(NH2)2との混合体ではなく、熱処理工程によりMg(BH4)(NH2)という錯イオン構造を有する化合物となっていることがわかった。また、図3に示すように、InI3を添加して混合した実施例3〜5においては、上記錯イオン構造に基づく回折ピークが消失した。即ち、InI3を添加して混合すると、構造が変化することがわかった。更に、図4に示すように、InI3を添加して熱処理工程を行った実施例3〜5においては、具体的な結晶構造は不明であるが、少なくとも2θ=32.5°〜33.5°(第1)及び38.5°〜39.5°(第2)に結晶ピークを示す結晶構造を有することがわかった。また、実施例5においては、更に2θ=25.5°〜26.5°(第3)及び30.0°〜31.0°(第4)に結晶ピークを示す結晶構造を有することがわかった。
実施例2〜5及び参考例1の無機マグネシウム固体電解質に対し、X線回折測定を行った。X線回折測定は、X線回折装置(リガク製RINT−2200)によりCuKα線を用いて2θ=10°〜90°の範囲で行った。このX線回折測定は、無機マグネシウム固体電解質の原料混合後に測定し、また、熱処理したあとに測定した。図3は、実施例3〜5及び参考例1の熱処理前の無機マグネシウム固体電解質のX線回折の測定結果である。図4は、実施例3〜5及び参考例1の熱処理後の無機マグネシウム固体電解質のX線回折の測定結果である。図3、4に示すように、参考例1では、Mg(BH4)(NH2)に由来する回折ピークが得られた。即ち、参考例1は、Mg(BH4)2とMg(NH2)2との混合体ではなく、熱処理工程によりMg(BH4)(NH2)という錯イオン構造を有する化合物となっていることがわかった。また、図3に示すように、InI3を添加して混合した実施例3〜5においては、上記錯イオン構造に基づく回折ピークが消失した。即ち、InI3を添加して混合すると、構造が変化することがわかった。更に、図4に示すように、InI3を添加して熱処理工程を行った実施例3〜5においては、具体的な結晶構造は不明であるが、少なくとも2θ=32.5°〜33.5°(第1)及び38.5°〜39.5°(第2)に結晶ピークを示す結晶構造を有することがわかった。また、実施例5においては、更に2θ=25.5°〜26.5°(第3)及び30.0°〜31.0°(第4)に結晶ピークを示す結晶構造を有することがわかった。
(示差走査熱分析測定)
作製した無機マグネシウム固体電解質の示差走査熱分析(DSC)を行った。DSC測定は、リガク社製ThermoPlusにより行った。上記作製した無機マグネシウム固体電解質(未熱処理工程品)をDSCパンに入れて密封し、昇温速度5℃/分で200℃まで測定した。図5は、実施例2〜5及び参考例1の無機マグネシウム固体電解質のDSC測定結果である。図5に示すように、実施例2〜5では120℃あたりから発熱が起き、相変化が起きていることが予想された。また、実施例4,5では、180℃〜200℃で吸熱ピークが得られた。この測定結果より、熱処理温度は150℃以上であることが好ましいことがわかった。
作製した無機マグネシウム固体電解質の示差走査熱分析(DSC)を行った。DSC測定は、リガク社製ThermoPlusにより行った。上記作製した無機マグネシウム固体電解質(未熱処理工程品)をDSCパンに入れて密封し、昇温速度5℃/分で200℃まで測定した。図5は、実施例2〜5及び参考例1の無機マグネシウム固体電解質のDSC測定結果である。図5に示すように、実施例2〜5では120℃あたりから発熱が起き、相変化が起きていることが予想された。また、実施例4,5では、180℃〜200℃で吸熱ピークが得られた。この測定結果より、熱処理温度は150℃以上であることが好ましいことがわかった。
(電気伝導率測定)
実施例1〜5及び参考例1、2の評価セルに対し、ACインピーダンスアナライザー(Agilent4294A)を用い、120℃(又は140℃)、周波数4Hz〜1MHz、振幅電圧10mVの条件で、交流インピーダンス測定を行い、ナイキストプロットの円弧より抵抗値を求め、この抵抗値から電気伝導率を算出した。図6は、InI3の添加量と電気伝導率との関係図である。参考例1では、120℃において電気伝導率は1.1×10-8S/cmであった。また、参考例2では、140℃において電気伝導率は1.1×10-9S/cmであった。これに対し、InI3を添加し熱処理工程を行った実施例1〜5において、120℃の電気伝導率は、実施例1では2.5×10-7S/cm、実施例2では2.1×10-8S/cm、実施例3では2.0×10-6S/cm、実施例4では7.4×10-5S/cm、実施例5では3.1×10-6S/cmであった。このように、実施例1〜5では、参考例1、2に比して高い電気伝導率が得られた。
実施例1〜5及び参考例1、2の評価セルに対し、ACインピーダンスアナライザー(Agilent4294A)を用い、120℃(又は140℃)、周波数4Hz〜1MHz、振幅電圧10mVの条件で、交流インピーダンス測定を行い、ナイキストプロットの円弧より抵抗値を求め、この抵抗値から電気伝導率を算出した。図6は、InI3の添加量と電気伝導率との関係図である。参考例1では、120℃において電気伝導率は1.1×10-8S/cmであった。また、参考例2では、140℃において電気伝導率は1.1×10-9S/cmであった。これに対し、InI3を添加し熱処理工程を行った実施例1〜5において、120℃の電気伝導率は、実施例1では2.5×10-7S/cm、実施例2では2.1×10-8S/cm、実施例3では2.0×10-6S/cm、実施例4では7.4×10-5S/cm、実施例5では3.1×10-6S/cmであった。このように、実施例1〜5では、参考例1、2に比して高い電気伝導率が得られた。
[実施例6]
粉体のMg(BH4)2 とMg(NH2)2とを1:1のモル比で混合し、さらにこれらの全体に対してSnI2をMg(BH4)(NH2):SnI2のモル比で1:0.05となるように添加混合した。この混合物を155℃で2時間加熱し、Mg(BH4)(NH2)+0.05SnI2を得た。得られた材料を15MPaの圧力で冷間プレスして成形体とし、これを実施例6の無機マグネシウム固体電解質とした。この無機マグネシウム固体電解質の成形体の両端面に白金電極を配設したものを実施例6の評価セルとした。
粉体のMg(BH4)2 とMg(NH2)2とを1:1のモル比で混合し、さらにこれらの全体に対してSnI2をMg(BH4)(NH2):SnI2のモル比で1:0.05となるように添加混合した。この混合物を155℃で2時間加熱し、Mg(BH4)(NH2)+0.05SnI2を得た。得られた材料を15MPaの圧力で冷間プレスして成形体とし、これを実施例6の無機マグネシウム固体電解質とした。この無機マグネシウム固体電解質の成形体の両端面に白金電極を配設したものを実施例6の評価セルとした。
[実施例7〜10]
SnI2の添加量をMg(BH4)(NH2):SnI2のモル比で1:0.10とした以外は実施例6と同様の処理を行い、得られたものを実施例7の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。SnI2の添加量をMg(BH4)(NH2):SnI2のモル比で1:0.20とした以外は実施例6と同様の処理を行い、得られたものを実施例8の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。SnI2の添加量をMg(BH4)(NH2):SnI2のモル比で1:0.50とした以外は実施例6と同様の処理を行い、得られたものを実施例9の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。SnI2の添加量をMg(BH4)(NH2):SnI2のモル比で1:0.75とした以外は実施例6と同様の処理を行い、得られたものを実施例10の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。
SnI2の添加量をMg(BH4)(NH2):SnI2のモル比で1:0.10とした以外は実施例6と同様の処理を行い、得られたものを実施例7の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。SnI2の添加量をMg(BH4)(NH2):SnI2のモル比で1:0.20とした以外は実施例6と同様の処理を行い、得られたものを実施例8の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。SnI2の添加量をMg(BH4)(NH2):SnI2のモル比で1:0.50とした以外は実施例6と同様の処理を行い、得られたものを実施例9の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。SnI2の添加量をMg(BH4)(NH2):SnI2のモル比で1:0.75とした以外は実施例6と同様の処理を行い、得られたものを実施例10の無機マグネシウム固体電解質及び評価セルとした。
(X線回折測定)
実施例6〜10及び参考例1の無機マグネシウム固体電解質に対し、上記と同様に、X線回折測定を行った。図7は、実施例6、7、9及び参考例1の熱処理前の無機マグネシウム固体電解質のX線回折の測定結果である。図8は、実施例6、7、9及び参考例1の熱処理後の無機マグネシウム固体電解質のX線回折の測定結果である。図7に示すように、SnI2を添加して混合した実施例6、7、9においては、上記錯イオン構造に基づく回折ピークが消失した。即ち、SnI2を添加して混合すると、構造が変化することがわかった。更に、図8に示すように、SnI2を添加して熱処理工程を行った実施例6、7、9においては、具体的な結晶構造は不明であるが、少なくとも2θ=30.0°〜31.0°(第5)及び31.5°〜32.5°(第6)に結晶ピークを示す結晶構造を有することがわかった。
実施例6〜10及び参考例1の無機マグネシウム固体電解質に対し、上記と同様に、X線回折測定を行った。図7は、実施例6、7、9及び参考例1の熱処理前の無機マグネシウム固体電解質のX線回折の測定結果である。図8は、実施例6、7、9及び参考例1の熱処理後の無機マグネシウム固体電解質のX線回折の測定結果である。図7に示すように、SnI2を添加して混合した実施例6、7、9においては、上記錯イオン構造に基づく回折ピークが消失した。即ち、SnI2を添加して混合すると、構造が変化することがわかった。更に、図8に示すように、SnI2を添加して熱処理工程を行った実施例6、7、9においては、具体的な結晶構造は不明であるが、少なくとも2θ=30.0°〜31.0°(第5)及び31.5°〜32.5°(第6)に結晶ピークを示す結晶構造を有することがわかった。
(示差走査熱分析測定)
実施例6〜10及び参考例1の無機マグネシウム固体電解質に対し、上記と同様に、示差走査熱分析(DSC)を行った。図9は、実施例6、7、9及び参考例1の無機マグネシウム固体電解質のDSC測定結果である。図9に示すように、実施例6、7、9では120℃あたりから発熱が起き、相変化が起きていることが予想された。この測定結果より、熱処理温度は155℃以上であることが好ましいことがわかった。
実施例6〜10及び参考例1の無機マグネシウム固体電解質に対し、上記と同様に、示差走査熱分析(DSC)を行った。図9は、実施例6、7、9及び参考例1の無機マグネシウム固体電解質のDSC測定結果である。図9に示すように、実施例6、7、9では120℃あたりから発熱が起き、相変化が起きていることが予想された。この測定結果より、熱処理温度は155℃以上であることが好ましいことがわかった。
(電気伝導率測定)
実施例6〜10の評価セルに対し、上記と同様に、電気伝導率を算出した。図10は、SnI2の添加量と電気伝導率との関係図である。SnI2を添加し熱処理工程を行った実施例6〜10において、100℃の電気伝導率は、実施例6では4.1×10-7S/cm、実施例7では6.1×10-6S/cm、実施例8では6.3×10-6S/cm、実施例9では3.3×10-6S/cm、実施例10では1.0×10-6S/cmであった。SnI2を添加し熱処理工程を行った実施例6〜10では、電気伝導率は、参考例1、2に比して高い電気伝導率が得られた。
実施例6〜10の評価セルに対し、上記と同様に、電気伝導率を算出した。図10は、SnI2の添加量と電気伝導率との関係図である。SnI2を添加し熱処理工程を行った実施例6〜10において、100℃の電気伝導率は、実施例6では4.1×10-7S/cm、実施例7では6.1×10-6S/cm、実施例8では6.3×10-6S/cm、実施例9では3.3×10-6S/cm、実施例10では1.0×10-6S/cmであった。SnI2を添加し熱処理工程を行った実施例6〜10では、電気伝導率は、参考例1、2に比して高い電気伝導率が得られた。
(結果と考察)
実施例1〜10、参考例1、2の添加化合物及び添加率(mol%)、の電気伝導率(S/cm)をまとめて表1に示す。上述したように、参考例1、2、実施例1〜10において、電気伝導率が得られ、マグネシウムを伝導することがわかった。このうち、InI3を添加し加熱処理を行った無機マグネシウム固体電解質及びSnI2を添加し加熱処理を行った無機マグネシウム固体電解質では、これを添加しない参考例1に比して、マグネシウムイオンの伝導率をより高めることができることがわかった。このような効果が得られる理由は、例えば、水素化ホウ素及び水素化窒素を含むマグネシウム化合物と、ヨウ化インジウム又はヨウ化スズとの反応により、新規な相が生成し、この相によりマグネシウムの伝導率が高まるものと推察された。あるいは、Mgよりも価数の大きいInが含まれることにより、Mgサイトに空孔が生じ、これによりMgの移動が起きやすくなるものと推察された。また、分極率が比較的大きいIが存在することにより、Mgイオンの移動中の電荷ポテンシャルを軽減し、その結果、伝導率が向上するものと推察された。
実施例1〜10、参考例1、2の添加化合物及び添加率(mol%)、の電気伝導率(S/cm)をまとめて表1に示す。上述したように、参考例1、2、実施例1〜10において、電気伝導率が得られ、マグネシウムを伝導することがわかった。このうち、InI3を添加し加熱処理を行った無機マグネシウム固体電解質及びSnI2を添加し加熱処理を行った無機マグネシウム固体電解質では、これを添加しない参考例1に比して、マグネシウムイオンの伝導率をより高めることができることがわかった。このような効果が得られる理由は、例えば、水素化ホウ素及び水素化窒素を含むマグネシウム化合物と、ヨウ化インジウム又はヨウ化スズとの反応により、新規な相が生成し、この相によりマグネシウムの伝導率が高まるものと推察された。あるいは、Mgよりも価数の大きいInが含まれることにより、Mgサイトに空孔が生じ、これによりMgの移動が起きやすくなるものと推察された。また、分極率が比較的大きいIが存在することにより、Mgイオンの移動中の電荷ポテンシャルを軽減し、その結果、伝導率が向上するものと推察された。
本発明は、電池産業に利用可能である。
10 マグネシウム電池、11 集電体、12 正極、13 集電体、14 負極、16 無機マグネシウム固体電解質、18 ケーシング、20 マグネシウム空気電池、21 集電体、22 正極、23 集電体、24 負極、26 無機マグネシウム固体電解質、27 多孔質体、28 ケーシング、29 ガス溜め。
Claims (14)
- Mg、B、N、H、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素及び17族元素のうち1以上の第2元素を含む結晶性化合物を含み、マグネシウムイオンを伝導する、無機マグネシウム固体電解質。
- 前記第1元素はInであり、前記第2元素はIである、請求項1に記載の無機マグネシウム固体電解質。
- 前記結晶性化合物は、X線回折測定において、少なくとも2θ=32.5°〜33.5°及び38.5°〜39.5°に結晶ピークを有する、請求項1又は2に記載の無機マグネシウム固体電解質。
- 前記結晶性化合物は、X線回折測定において、2θ=25.5°〜26.5°及び30.0°〜31.0°に結晶ピークを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無機マグネシウム固体電解質。
- 前記第1元素はSnであり、前記第2元素はIである、請求項1に記載の無機マグネシウム固体電解質。
- 前記結晶性化合物は、X線回折測定において、少なくとも2θ=30.0°〜31.0°及び31.5°〜32.5°に結晶ピークを有する、請求項1又は5に記載の無機マグネシウム固体電解質。
- 前記結晶性化合物は、水素化ホウ素及び水素化窒素を含んでいるマグネシウム化合物と、前記第1元素及び前記第2元素を含む所定の化合物とを混合して加熱する熱処理工程を経て作製されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の無機マグネシウム固体電解質。
- 前記マグネシウム化合物は、Mg(BH4)2、Mg(NH2)2及びMg(BH4)(NH2)のうち1以上の構造を含んでいる、請求項7に記載の無機マグネシウム固体電解質。
- 前記結晶性化合物は、Mgに対する第1元素Aのモル比A/Mgが0.005以上であある、請求項1〜8のいずれか1項に記載の無機マグネシウム固体電解質。
- 正極と、
マグネシウムを含む負極活物質を有する負極と、
前記正極と前記負極との間に介在し、マグネシウムイオンを伝導する請求項1〜9のいずれか1項に記載の無機マグネシウム固体電解質と、
を備えたマグネシウム電池。 - マグネシウムイオンを伝導する請求項1〜9のいずれか1項に記載の無機マグネシウム固体電解質、を備えた電気化学デバイス。
- マグネシウムイオンを伝導する無機マグネシウム固体電解質の製造方法であって、
水素化ホウ素及び水素化窒素を含んでいるマグネシウム化合物と、2価以上でありMg、B及びNとは異なる1以上の第1元素及び17族元素のうち1以上の第2元素を含む所定の化合物とを混合して加熱する熱処理工程、
を含む無機マグネシウム固体電解質の製造方法。 - 前記熱処理工程では、Mg(BH4)2、Mg(NH2)2及びMg(BH4)(NH2)のうち1以上の構造を含む前記マグネシウム化合物を用いる、請求項12に記載の無機マグネシウム固体電解質の製造方法。
- 前記熱処理工程では、前記所定の化合物の配合量は、Mgに対する第1元素Aのモル比A/Mgが0.005以上の範囲である、請求項12又は13に記載の無機マグネシウム固体電解質の製造方法。
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