JP2013060653A - 方向性電磁鋼板の製造方法および方向性電磁鋼板の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インヒビターレスの成分系で、Caを3質量ppm以上 15質量ppm以下で含有するスラブを素材として方向性電磁鋼板を製造するに際し、
スラブ成分中のS量を、Ca量に応じて、次式(1)
8+Ca(ppm)×0.7<S(ppm)≦50 (ppm) --- (1)
の関係を満足する範囲に調整する。
【選択図】図3
Description
また、本発明は、得られる方向性電磁鋼板の磁気特性の良否をスラブ段階または熱延板段階で判定する方向性電磁鋼板の評価方法に関するものである。
この方法は、インヒビターの鋼中微細分散が必要でないため、それまで必須とされた高温スラブ加熱を必要としないことから、コスト面でもメンテナンス面でも大きなメリットを有する方法である。
しかしながら、インヒビター成分の添加を抑制した素材いわゆるインヒビターレスの素材を用いた場合、粒成長を抑制する析出物が少ないことから、焼鈍時の粒成長が焼鈍温度によって大きく変動する、すなわち焼鈍温度依存性が高いため、工程条件の若干の変動とくに熱延板焼鈍時や再結晶焼鈍時における焼鈍温度のばらつきによって結晶粒径が変動し、結果的に製品コイルの磁気特性がコイルの全長全幅で変動するという問題があった。
しかしながら、鋼中に適量のAlNを形成させるに足る量のAlおよびNを含有させた場合であっても、所望する磁気特性が得られない場合があった。
また、本発明は、上記の方向性電磁鋼板を製造するに際し、スラブ段階または熱延板段階で磁気特性の良否を判定することができる方向性電磁鋼板の評価方法を提案することを目的とする。
そこで、発明者らは、その原因を探るべく、磁気特性のバラツキが生じた鋼板およびバラツキが生じなかった鋼板の一次再結晶焼鈍前における析出物の分布状態について調査した。なお、この実験は、各供試コイルについて、その一部を一次再結晶焼鈍前に採取しておくことにより行った。
しかしながら、比較的多量のCaSが析出している場合であっても、良好な磁気特性が得られた鋼板も存在した。
その結果、磁気特性が不良であった鋼板では、Sは、その多くがCaSとして存在し、MnSとしての析出量は極めて少ないことが判明した。
これに対し、磁気特性が良好であった鋼板では、CaSの析出量の如何にかかわらず、比較的多量のMnSが析出していたことが判明した。
従って、所望量のAlNを得るには、適量のMnSが必要なのであるが、鋼中にCaが混入した場合には、Sは優先的にCaと結合してCaSを形成し、その分MnSの形成量は減少する。
すなわち、所望量のAlNを得るには、それに見合った量のMnSが必要なのであるが、従来は硫化物生成能の高いCaに起因したMnS量の減少について何ら考慮が払われていなかったために、所望量のAlNが得られず、その結果、磁気特性の劣化を招いていたことが突き止められた。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
1.質量%または質量ppmで、C:0.002〜0.10%、Si:2.0〜8.0%およびMn:0.005〜1.0%を含有し、かつAlを100ppm以下、N,S,Seを50ppm以下に低減し、さらにCaを3ppm以上 15ppm以下で含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、ついで脱炭を兼ねた再結晶焼鈍を施したのち、仕上げ焼鈍を施すことからなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
スラブ成分中、S量を、Ca量に応じて、次式(1)
8+Ca(ppm)×0.7<S(ppm)≦50 (ppm) --- (1)
の関係を満足する範囲に調整することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
スラブ段階または熱延板段階における、鋼中S量およびCa量を分析し、分析したS量およびCa量が、次式(1)′
8+Ca(ppm)×0.7<S(ppm) --- (1)′
の関係を満足するか否かをもって磁気特性の良否を判定することを特徴とする方向性電磁鋼板の評価方法。
熱延板段階において、微量の熱延板を溶解した残渣をフィルター上にろ過し、フィルター上の所定面積をSCE観察して、粒径が250nmφ以下で10質量%以上のMnを含有する粒子をMnS粒子として計測し、このMnS粒子の個数と全析出物の個数が、次式(2)
(MnS粒子の析出個数/全析出物の個数)×100 ≧10% ---(2)
の関係を満足するか否かをもって磁気特性をの良否を判定することを特徴とする方向性電磁鋼板の評価方法。
本発明で対象とする方向性電磁鋼板では、インヒビターレス素材を用いるとはいえ、一次再結晶焼鈍時における結晶粒径の変動を抑制するために、一次再結晶焼鈍前の段階で鋼中に45〜150質量ppm程度のAlNを含有させる必要がある。そのためには、25〜75質量ppm程度のMnSが必要であり、かかる量のMnSを形成するには、少なくとも10質量ppm程度のSを必要とする。
その原因は、鋼中に何らかの理由でCaが混入した場合に、Sが優先的にCaと結合してCaSが形成され、その分MnSの形成量が減少していたためであることは、前述したとおりである。
同図に示したとおり、MnSは1000℃強の温度から析出を開始し、900℃程度の焼鈍温度では十分な量のMnSが存在することが分かる。またAlNについても、十分な量のAlNが存在することが分かる。
同図から明らかなように、Caが混入することによって硫化物の析出形態が変動し、Caが優先的に硫化物を生成する結果、MnSの析出量が減少し、900℃程度の焼鈍温度ではMnSがほとんど存在しないことが分かる。また、これに伴って、AlNの析出量も減少することが分かる。
その結果、通常操業の場合におけるCaの混入量は2質量ppm前後で、混入量が2質量ppm前後の場合には、Caに起因した悪影響は生じなかった。
しかしながら、Caの混入量が3質量ppm以上になると磁気特性にバラツキが生じる場合があった。
具体的には、製品板の任意の場所よりサンプル(n=10)を採取して、測定した場合の鉄損W17/50(W/kg)の最大値と最小値の差が0.6W/kg以下であり、かつ、磁束密度B8(T)の最大値と最小値の差が0.1T以下である場合を○印、それ以外、つまり特性の変動幅が大きいものを×印とした。
図3に示したとおり、S量とCa量が、次式(1)′
8+Ca(ppm)×0.7<S(ppm) --- (1)′
の関係を満足していれば、Caに起因した弊害は生じないことが判明した。
上記(1)′からも明らかなように、Caの混入量が通常の2質量ppm程度の場合には、鋼中に10質量ppm程度のSが含有されていれば問題は生じない。
そこで、さらに、発明者らは、Caの混入経路について調査を行った。
その結果、Caの混入は、製鋼段階とくに脱酸工程において炉内壁の耐火物中からCaが溶出してくることに、その原因があること、そして、何らかの要因(例えば耐火物の剥落等)で溶鋼中へのCaの混入量が増大すると、それに起因して磁気特性が劣化することが究明されたのである。
8+Ca(ppm)×0.7<S(ppm)≦50 (ppm) --- (1)
の関係を満足する範囲に調整することにより、方向性電磁鋼板における品質安定性の向上を図ることにしたのである。
C:0.002〜0.10%
Cは、磁気特性の向上に有用な元素であるが、含有量が0.10%を超えると、脱炭焼鈍を施しても磁気時効の起こらない0.005%以下に低減することが困難になる。一方、0.002%に満たないと集合組織制御が困難になり、磁気特性の劣化を引き起こす。従って、C量は0.002〜0.10%の範囲に限定する。
Siは、鋼の比抵抗を高め、鉄損を低減させるために必要な元素である。そのためには少なくとも2.0%を必要とするが、8.0%を超えると鋼の加工性が劣化し、圧延が困難になるので、Siは2.0〜8.0%の範囲に限定する。
本発明においてMnは、AlNの析出核となるMnSを確保するのに重要な元素である。また、熱間加工性を良好にするためにも必要な元素である。しかしながら、含有量が0.005%未満ではその添加効果に乏しく、一方1.0%を超えると製品板の磁束密度が低下するので、Mn量は0.005〜1.0%の範囲とする。
Alは100ppm以下、N,S,Seはそれぞれ50ppm以下に低減することが、本発明において鋼板を良好に二次再結晶させる上で基本的な条件である。従来、かかる成分は極力低減することが磁気特性の観点からは望ましいとされてきたが、本発明では、粒径変動抑制剤としてAlNを活用し、またかかるAlNの析出核としてMnSを利用するので、後述するとおり、Sについては必要量を含有させる必要がある。
Caは、製鋼段階とくに脱酸工程において炉壁耐火物等から溶出し、鋼中に不可避に混入する元素である。通常操業におけるCaの混入量は2ppm程度であり、この程度の混入量ではとくに問題は生じない。しかしながら、Ca混入量が3ppm以上になると、磁気特性に悪影響を及ぼす場合があるので、本発明では、Ca量の下限は3ppmとする。一方、Ca混入量が15ppmを超えると鋼中介在物が増加し,製造時にヘゲと呼ばれる表面欠陥を生じるおそれがあるので、Ca量の上限は15ppmとする。
そこで、本発明では、S量は、Ca量に応じて、次式(1)
8+Ca(ppm)×0.7<S(ppm)≦50 (ppm) --- (1)
の関係を満足する範囲に調整することとした。
ここに、必要量のAlNを確保するには、Alの下限は30ppm、またNの下限は20ppmとすることが好ましい。
すなわち、鉄損を低減させる目的で、Cr,CuおよびPをそれぞれ、Cr:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、P:0.005〜0.50%の範囲で単独または複合して添加することができる。
また、磁束密度を向上させる目的で、Nb,Ni,Sb,Sn,Bi,Mo,B,VおよびTaをそれぞれ、Nb:0.001〜0.015%、Ni:0.001〜0.015%、Sb:0.005〜0.50%、Sn:0.005〜0.50%、Bi:0.005〜0.50%、Mo:0.005〜0.100%、B:2〜25ppm、V:0.001〜0.010%、Ta:0.001〜0.010%の範囲で単独または複合して添加することができる。
それぞれ添加量が下限より少ないと磁気特性の向上効果に乏しく、一方上限を超えると二次再結晶粒の発達が抑制され磁気特性の劣化を招く。
本発明では、鋼中S量を、混入Ca量に応じて調整すること以外については、特に制限はなく、従来から公知のいわゆるインヒビターレス鋼の製造工程を適用することができる。
すなわち、上記のような成分を有する溶鋼を、造塊法や連続鋳造法によってスラブとしてもよいし、100mm以下の厚さの薄鋳片を直接鋳造法で製造してもよい。
スラブは、通常の方法で加熱して熱間圧延するが、鋳造後加熱せずに直ちに熱延に供してもよい。薄鋳片の場合には、熱間圧延してもよいし、熱間圧延を省略してそのまま以後の工程に進めてもよい。熱間圧延前のスラブ加熱温度は、インヒビターレスの成分系であるため、従来必須とされたインヒビターを固溶させるための1300℃以上の高温まで加熱する必要がなく、従ってコストの面で望ましい。
ついで、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、その後脱炭を兼ねた再結晶焼鈍を施したのち、必要に応じてMgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布してから、仕上げ焼鈍を施す。
仕上げ焼鈍後には、余分な焼鈍分離剤を除去するため、水洗やブラッシング、酸洗を行うことが有利であり、またその後、平坦化焼鈍を行って形状を矯正することが鉄損の低減に有効である。
従って、スラブ段階または熱延板段階において、鋼中S量およびCa量を分析し、分析したS量およびCa量が、次式(1)′
8+Ca(ppm)×0.7<S(ppm) --- (1)′
の関係を満足するか否かを判断することによって、製品板における磁気特性の良否を判定することが可能となる。
前述したように、粒径変動抑制剤として作用するAlNはMnSを核として生成するが、熱延板の段階で電解抽出した残渣をSEMを用いて計測し、計測された全析出物に対する250nmφ以下のMnS粒子の析出割合を計測することによって、スラブの位置によらず磁気特性の良否を判定することができる。
得られた各粒子のうち,円相当粒子径で250nmφ以下で、EDS定量によりMn≧10%のものをMnS粒子と定義し、該当する粒子の個数を数える。また、上記2値化により粒子と認識されたものを析出物総数とする。
そして、全析出物個数(析出物総数)に対するMnS粒子の析出個数を求め、これらが次式(2)
(MnS粒子の析出個数/全析出物の個数)×100 ≧10(%) ---(2)
の関係を満足する場合は、AlNの析出核として十分な量のMnSが析出していることになるので、良好な磁気特性を得ることができる。
従って、上記の方法によって、(MnS粒子の析出個数/全析出物の個数)比を求め、この個数比が上記(2)式の関係を満足するか否かによって、スラブの位置によらず磁気特性の良否を判定することができるのである。
表1に示す成分組成になる鋼スラブを、連続鋳造によりスラブとし、1240℃のスラブ加熱後、熱間圧延により2.7mm厚の熱延板とした。ついで、1025℃で30秒間加熱後、900℃から600℃まで45℃/sで冷却する熱延板焼鈍を施したのち、冷間圧延により0.30mm(圧下率:88.9%)の最終板厚に仕上げた。その後、40%N2-60%H2湿潤雰囲気中にて830℃,60秒の再結晶焼鈍を行った。このとき、鋼板が800℃以上の温度に保持される時間は約150秒とした。ついで、MgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布してから、1200℃,6時間の純化焼鈍を施した。その後、リン酸マグネシウムとほう酸を主体とする張力付与コーティング形成を兼ねた平坦化焼鈍を870℃,15秒の条件で行った。
かくして得られた製品板の磁気特性をJIS C 2550に記載の方法に準拠して測定した。なお、磁気特性(W17/50,B8)は、製品板の任意の場所よりサンプル(n=10)を採取し、その平均値で示す。また、W17/50およびB8(T)の最大値と最小値の差ΔW17/50およびΔB8についても測定した。
得られた結果を表2に示す。
これに対し、Cが過多のNo.4、Siが過少のNo.5、Mnが過多のNo.6、Sが過多のNo.7、Alが過多のNo.8、Nが過多のNo.9、Seが過多のNo.10、Caが過多のNo.11、さらにCa量に見合うSが含有されていないNo.12はいずれも、磁束密度および鉄損のいずれの特性にも劣っていた。
表1の鋼塊のうちS量の異なるNo.1,2,3,11,12の5鋼種について、熱延板段階における微細なMnSの析出量をSEMの粒子解析手法で計測した。熱延板の先頭部(TE)と最後尾(LE)より試料を採取し、両面研削してスケールを除去したものを1g電解抽出し、得られた残渣から磁石にてセメンタイトを除去した溶液をアルミナフィルターにろ過した。得られたろ紙をSEM測定するためにホルダーにセットし伝導性確保のためにC蒸着を施し、100μm×100μmの面積を8000倍で80視野反射電子像にて観察し、2値化にて粒子と認識されたものをEDS分析した。
得られた各粒子のうち、円相当粒子径で250nmφ以下のもののEDS定量値より、Mn≧10%のものをMnSと定義し、該当する粒子の個数を数えた。また、上記2値化にて粒子と認識されたものを析出物総数とした。
以上の方法で250nmφ以下のMnS粒子の析出個数および析出物総数を計測した結果を表3に示す。また、表3には、当該部位の磁気特性(B8)について調べた結果も併記する。
さらに、(MnS粒子の析出個数/全析出物の個数)×100をMnS析出比率(%)として、磁束密度B8(T)との相関について調べた結果を、図4に示す。
また、図4から明らかなように、MnS析出比率の値が10%以上になると、磁気特性(B8)が大幅に向上することが分かる。
Claims (5)
- 質量%または質量ppmで、C:0.002〜0.10%、Si:2.0〜8.0%およびMn:0.005〜1.0%を含有し、かつAlを100ppm以下、N,S,Seを50ppm以下に低減し、さらにCaを3ppm以上 15ppm以下で含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、ついで脱炭を兼ねた再結晶焼鈍を施したのち、仕上げ焼鈍を施すことからなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
スラブ成分中、S量を、Ca量に応じて、次式(1)
8+Ca(ppm)×0.7<S(ppm)≦50 (ppm) --- (1)
の関係を満足する範囲に調整することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。 - スラブ成分中、AlおよびNをそれぞれ、質量ppmで、Al:30〜100ppm、N:20〜50ppmの範囲に調整することを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
- スラブ成分が、質量%または質量ppmでさらに、Nb:0.001〜0.015%、Ni:0.010〜1.50%、Cr:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、P:0.005〜0.50%、Sb:0.005〜0.50%、Sn:0.005〜0.50%、Bi:0.005〜0.50%、Mo:0.005〜0.100%、B:2〜25ppm、V:0.001〜0.010%およびTa:0.001〜0.010%のうちから選んだ少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
- 質量%または質量ppmで、C:0.002〜0.10%、Si:2.0〜8.0%およびMn:0.005〜1.0%を含有し、かつAlを100ppm以下、N,S,Seを50ppm以下に低減し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、ついで脱炭を兼ねた再結晶焼鈍を施したのち、仕上げ焼鈍を施すことにより方向性電磁鋼板を製造するに際し、
スラブ段階または熱延板段階における、鋼中S量およびCa量を分析し、分析したS量およびCa量が、次式(1)′
8+Ca(ppm)×0.7<S(ppm) --- (1)′
の関係を満足するか否かをもって磁気特性の良否を判定することを特徴とする方向性電磁鋼板の評価方法。 - 質量%または質量ppmで、C:0.002〜0.10%、Si:2.0〜8.0%およびMn:0.005〜1.0%を含有し、かつAlを100ppm以下、N,S,Seを50ppm以下に低減し、残部Feおよび不可避的不純物からなるスラブを、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を施したのち、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げ、ついで脱炭を兼ねた再結晶焼鈍を施したのち、仕上げ焼鈍を施すことにより方向性電磁鋼板を製造するに際し、
熱延板段階において、微量の熱延板を溶解した残渣をフィルター上にろ過し、フィルター上の所定面積をSCE観察して、粒径が250nmφ以下で10質量%以上のMnを含有する粒子をMnS粒子として計測し、このMnS粒子の個数と全析出物の個数が、次式(2)
(MnS粒子の析出個数/全析出物の個数)×100 ≧10% ---(2)
の関係を満足するか否かをもって磁気特性の良否を判定することを特徴とする方向性電磁鋼板の評価方法。
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