JP2013060266A - 電動ウィンチの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一対の電動ウィンチの駆動状態にアンバランスが生じた場合に、操作者の意思に依らず各電動ウィンチを緊急停止する。
【解決手段】カウンタ部51は、各回転センサ96からのパルス信号の立ち上がり回数または立ち下がり回数をそれぞれカウントし、差分値比較部52は、各カウント値CtR,CtLから差分値δCtを算出しつつ、差分値δCtとしきい値Thとを比較する。差分値比較部52は、さらに差分値δCtがしきい値Th以上のときに、各電動ウィンチ30の制御を停止する停止信号Stpを出力する。したがって、差分値δCtがしきい値Thよりも大きくなると、各電動ウィンチ30の制御を停止させることができる。つまり、車椅子(被牽引物)の右側と左側とで重量配分にアンバランスが生じた場合に、介助者の意思に依らず各電動ウィンチ30の制御を停止(緊急停止)することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、車椅子等の被牽引物を牽引する電動ウィンチの制御装置に関する。
従来、福祉車両の後方側には、車椅子(被牽引物)を搭載可能な車椅子搭載スペースが形成されている。この車椅子搭載スペースからは、車外に向けてスロープが引き出されるようになっており、当該スロープによって車外にある車椅子を車椅子搭載スペースに誘導するようにしている。また、車椅子搭載スペースの車両前方側にはフック付きのベルトを備えた電動ウィンチが設置されている。電動ウィンチからベルトを引き出して車椅子の所定箇所にフックを引っ掛け、この状態のもとで電動ウィンチを駆動することで、車椅子を車椅子搭載スペースに容易に誘導できるようになっている。ここで、電動ウィンチは介助者(操作者)を補助するために設置され、当該電動ウィンチは介助者により操作されるようになっている。
車椅子をスロープの延在方向に沿わせて安定して牽引するために、車椅子搭載スペースの前方側でかつ左右側に一対の電動ウィンチを設置し、これらの各電動ウィンチをコントローラにより同期動作させるようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載されたウィンチ制御装置は、左右側の駆動モータ(モータ),左右側のエンコーダ(回転センサ)および制御部(コントローラ)を備え、制御部は、各エンコーダからのパルス(検出信号)に基づいて各駆動モータを駆動または停止させる制御を行っている。
特開2007−050965号公報(図1,図2)
しかしながら、上述の特許文献1に記載された技術によれば、以下に示すような問題点を生じ得る。つまり、車椅子の左右側で重量配分が異なる場合、例えば右側が30kg(F1)で左側が50kg(F2)のように重量配分が異なる場合においては、左側の電動ウィンチに掛かる負荷(F2)の方が右側の電動ウィンチに掛かる負荷(F1)よりも大きくなる(F2>F1)。すると、この左右側での負荷のアンバランスによって、右側の電動ウィンチはベルトを引き込み易くなり、左側の電動ウィンチはベルトを引き込み難くなる。この状態のもとで各電動ウィンチは継続して駆動され、ひいては車椅子がスロープ上で徐々に左側に移動してしまう。したがって、車椅子がスロープ上で左側または右側に移動するような場合においては、操作者の意思に依らず各電動ウィンチを緊急停止させる工夫が必要となる。
本発明の目的は、一対の電動ウィンチの駆動状態にアンバランスが生じた場合に、操作者の意思に依らず各電動ウィンチを緊急停止できる電動ウィンチの制御装置を提供することにある。
本発明の電動ウィンチの制御装置は、被牽引物を牽引するベルトが巻き掛けられるドラムと、当該ドラムを回転させるモータと、前記ドラムの回転を検出する回転センサとをそれぞれ有する一対の電動ウィンチ、および前記各電動ウィンチを制御するコントローラを備えた電動ウィンチの制御装置であって、前記コントローラは、前記各回転センサからの検出信号がそれぞれ入力され、当該検出信号の立ち上がり回数または立ち下がり回数をそれぞれカウントするカウンタ部と、前記カウンタ部で得た前記各回転センサのカウント値から差分値を算出するとともに、当該差分値と予め格納されたしきい値とを比較し、前記差分値が前記しきい値以上のときに、前記各電動ウィンチの制御を停止する停止信号を出力する差分値比較部と、前記停止信号が入力され、当該停止信号の入力に基づいて前記各電動ウィンチの駆動を停止する駆動制御部と、を有することを特徴とする。
本発明の電動ウィンチの制御装置は、前記カウンタ部は、操作者により操作される操作部材からの操作信号の入力に基づいて前記各カウント値をリセットした後、前記各検出信号のカウントを開始することを特徴とする。
本発明の電動ウィンチの制御装置は、前記コントローラは、操作者により操作される操作部材からの電源オフ信号の入力時に、当該時点での前記各カウント値を記憶する記憶部を有し、前記カウンタ部は、前記操作部材からの操作信号の入力に基づいて前記記憶部から前記各カウント値を読み込み、読み込んだ前記各カウント値を基準にカウントを開始することを特徴とする。
本発明の電動ウィンチの制御装置は、前記コントローラは、前記記憶部から読み込んだ前記各カウント値から前記差分値を算出するとともに、前記差分値比較部によって当該差分値と前記しきい値とを比較し、前記差分値が前記しきい値以上のときに、前記差分値を小さくする制御を行う差分値吸収部を有することを特徴とする。
本発明の電動ウィンチの制御装置によれば、カウンタ部は、各回転センサからの検出信号の立ち上がり回数または立ち下がり回数をそれぞれカウントし、差分値比較部は、カウンタ部で得た各回転センサのカウント値から差分値を算出しつつ、差分値としきい値とを比較する。差分値比較部は、差分値がしきい値以上のときに、各電動ウィンチの制御を停止する停止信号を出力する。これにより、一方の電動ウィンチのドラムと他方の電動ウィンチのドラムとの回転数差、つまり差分値がしきい値以上になると、各電動ウィンチの制御を停止させることができる。したがって、被牽引物の一方側と他方側とで重量配分にアンバランスが生じた場合に、操作者の意思に依らず各電動ウィンチの制御を停止(緊急停止)することができる。よって、被牽引物が一方側または他方側に逸れて移動することを抑制でき、ひいては信頼性を向上させることができる。
この場合、カウンタ部を、操作者により操作される操作部材からの操作信号の入力に基づいて各カウント値をリセットした後、各検出信号のカウントを開始するようにできる。よって、各電動ウィンチを停止した後に、操作者が一方の電動ウィンチのドラムと他方の電動ウィンチのドラムとの回転数差を修正し、再び操作部材によって操作する時には、各カウント値をリセットした状態から各検出信号のカウントを開始するようにでき、差分値の精度を向上させることができる。
また、コントローラに、操作者により操作される操作部材からの電源オフ信号の入力時に、当該時点での各カウント値を記憶する記憶部を設け、カウンタ部を、操作部材からの操作信号の入力に基づいて記憶部から各カウント値を読み込み、読み込んだ各カウント値を基準にカウントを開始するようにできる。よって、各カウント値の差分が大きく異なった状態で電源オフ信号が入力された場合に、次回の電源オン信号の入力時において各電動ウィンチが動作するのを禁止して車椅子被牽引物を移動させないので、被牽引物をより精度良く真っ直ぐに移動させることが可能となる。
さらに、コントローラは、記憶部から読み込んだ各カウント値から差分値を算出するとともに、差分値比較部によって当該差分値としきい値とを比較し、差分値がしきい値以上のときに、差分値を小さくする制御を行う差分値吸収部を有する。よって、各カウント値の差分値がしきい値以上の状態で電動ウィンチを駆動した場合、コントローラは差分値吸収部によって差分値を小さくする制御を各電動ウィンチに行わせるため、車椅子を精度良く真っ直ぐに移動させることが可能となる。
(a),(b)は、車両に搭載された電動ウィンチの基本動作を説明する説明図である。 図1の車両を上方から見た本発明のシステム構成を説明する説明図である。 (a)は車両に設置された操作パネルを示す平面図,(b)は介助者により車外から操作可能なリモコンを示す平面図である。 電動ウィンチの詳細構造を示す斜視図である。 図4の電動ウィンチの内部構造(一部)を示す斜視図である。 コントローラの内部構造を示すブロック図である。 第1実施の形態に係る制御内容を示すフローチャートである。 牽引途中でドラム回転量に差が生じた場合の車椅子の挙動を説明する説明図である。 時間とドラム回転量(カウント値)との関係を示すグラフである。 第2実施の形態に係る制御内容を示すフローチャートである。 牽引前の電源オフ時においてベルト引出量に差がある場合の電動ウィンチの動作を説明する説明図である。 時間とベルト引出量(カウント値)との関係を示すグラフである。
以下、本発明の第1実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1(a),(b)は車両に搭載された電動ウィンチの基本動作を説明する説明図を、図2は図1の車両を上方から見た本発明のシステム構成を説明する説明図を、図3(a)は車両に設置された操作パネルを示す平面図,(b)は介助者により車外から操作可能なリモコンを示す平面図を、図4は電動ウィンチの詳細構造を示す斜視図を、図5は図4の電動ウィンチの内部構造(一部)を示す斜視図を、図6はコントローラの内部構造を示すブロック図をそれぞれ表している。
図1および図2に示すように、車両10は福祉車両であり、当該車両10の後方側(図中右側)には、被牽引物としての車椅子20を搭載可能な車椅子搭載スペース11が形成されている。車椅子搭載スペース11の車両前方側(図中左側)には、車両10の車幅方向(図2における上下方向)に所定間隔を持って一対の電動ウィンチ30が設置されている。各電動ウィンチ30は、先端側にフック31が装着されたベルト32を備えており、ベルト32は車椅子20を牽引するようになっている。具体的には、各電動ウィンチ30から各ベルト32を引き出して、各フック31を車椅子20の左右側にある一対の前フレーム21にそれぞれ引っ掛け、その状態のもとで各電動ウィンチ30を同期動作させて各ベルト32を引き込むことにより、図中矢印M1に示す方向に車椅子20が移動する。
車椅子搭載スペース11の車両後方側には、地面Gと車両10の床面Fとを緩やかな傾斜角度で接続するスロープ12が設置されている。スロープ12は、車両10の走行時においては、床面Fに形成された格納部(図示せず)に格納されている。一方、車両10を停車させてかつバックドア13を開いた状態とし、図示しないスロープ操作スイッチをオン操作することにより、スロープ12は格納部から車外に向けて延出されるようになっている。
各電動ウィンチ30を同期動作させて各ベルト32を引き込むことで、図1(b)に示すように車椅子20はスロープ12上を移動していき、やがて車椅子20は、図中破線に示すように床面F上に到達して車椅子搭載スペース11内に搭載される。また、各電動ウィンチ30により各ベルト32を送り出すことで、図1(b)のように車椅子搭載スペース11内に搭載された車椅子20を床面Fから地面Gへ移動される。このようにスロープ12を設けることで、車椅子20の地面Gと床面Fとの間の移動を容易に誘導できるようにしている。ここで、各電動ウィンチ30は図示しない介助者(操作者)により操作され、各電動ウィンチ30の操作中においては、介助者は車椅子20の後方から当該車椅子20を支持するようにする。
各電動ウィンチ30を制御する制御装置40は、図2に示すように構成されている。つまり制御装置40は、各電動ウィンチ30,コントローラ50,操作パネル60およびリモコン70から構成されている。各電動ウィンチ30とコントローラ50との間、および操作パネル60とコントローラ50との間には、通信線および電源線よりなる配線14が電気的に接続して設けられている。なお、リモコン70はワイヤレス式で無線によりコントローラ50と通信可能であり、リモコン70を車外に持ち出すことで、各電動ウィンチ30を車外から操作できるようになっている。
ここで、図2に示すように、車両10の床面Fにはフック15を備えた一対の固定ベルト16が設置されており、各固定ベルト16の各フック15は、車椅子搭載スペース11に搭載された車椅子20の左右側にある一対の車輪22にそれぞれ引っ掛けられるようになっている。これにより、車椅子搭載スペース11に搭載された車椅子20は、各ベルト32の各フック31および各固定ベルト16の各フック15の合計4箇所で固定され、ひいては車両10内で車椅子20が移動したりがたついたりするのを抑制している。
操作部材としての操作パネル60は、図3(a)に示すようにパネル本体61を備えている。パネル本体61は車椅子搭載スペース11の中央から後方側に設けられ、操作パネル60は車両10の後方から操作可能となっている。パネル本体61には、主電源スイッチ62,ベルトフリースイッチ63,速度切替スイッチ64およびブザー(スピーカ)65が設けられている。
主電源スイッチ62は、制御装置40のシステム電源をオン状態とするために操作するもので、主電源スイッチ62をオン操作してシステム電源をオン状態にすると、主電源スイッチ62のインジケータ62aが点灯するようになっている。また、主電源スイッチ62は、制御装置40をシステムリセット(初期化)する際にも操作され、例えば、3秒以上の長押しをすることでシステムリセットされるよう設定されている。
ベルトフリースイッチ63は、各電動ウィンチ30のロック状態を解除するために操作するもので、ベルトフリースイッチ63をオン操作することで、各ベルト32を引き出したり収納したりできるようになっている。つまり、ベルトフリースイッチ63をオン操作し、各ベルト32を引き出して車外にある車椅子20に引っ掛けたり、各電動ウィンチ30からそれぞれ引き出した各ベルト32の長さを揃えたりできるようにしている。ここで、ベルトフリースイッチ63をオン操作すると、ベルトフリースイッチ63のインジケータ63aが点灯するようになっている。
速度切替スイッチ64は、車椅子20を車椅子搭載スペース11に搭載したり車椅子搭載スペース11から降ろしたりする際に、各ベルト32の移動速度、つまり引き込み速度や送り出し速度を、低速(LOW)または高速(HIGH)に切り替えるのに操作するものである。また、ブザー65は、各ベルト32の引き込み作動時や送り出し作動時,各電動ウィンチ30の動作不良時(故障発生時)等において、電子音等の警告音を発生するようになっている。ここで、警告音としては電子音に限らず、音声によるアナウンスであっても良い。
操作部材としてのリモコン70は、乾電池駆動のワイヤレスリモートコントロールユニットで、操作パネル60の主電源スイッチ62が操作され、制御装置40のシステム電源がオン状態のときに使用できるようになっている。リモコン70は、図3(b)に示すようにリモコン本体71を備えており、リモコン本体71は、リモコン電源スイッチ72,入スイッチ73および出スイッチ74を備えている。リモコン70は、さらにインジケータ75を備え、当該インジケータ75は、リモコン70の操作時等に点灯するようになっている。また、インジケータ75の点灯が暗くなったら乾電池(図示せず)を交換するようにする。
主電源スイッチ62がオン状態で、かつリモコン電源スイッチ72をオン操作することで、リモコン70を用いて各電動ウィンチ30を操作できるようになるが、この場合のリモコン70の操作は介助者によって行うようにする。介助者によりリモコン電源スイッチ72をオン操作し、その後、入スイッチ73を押すと、各電動ウィンチ30が各ベルト32を巻き取る動作を開始する。そして、入スイッチ73を押している間は、各電動ウィンチ30による各ベルト32の巻き取り動作が継続され、車椅子搭載スペース11への車椅子20の搭載が各電動ウィンチ30によってアシストされる。
一方、出スイッチ74を押すと、今度は各電動ウィンチ30が逆方向に作動し、各ベルト32を送り出す動作を開始する。そして、出スイッチ74を押している間は、車椅子搭載スペース11からの車椅子20の降ろし動作が各電動ウィンチ30によってアシストされる。ここで、介助者は、リモコン70の操作中においては、車椅子20のグリップGR(図1参照)を把持し、車椅子20を支持するとともに、その移動を誘導するようにする。このように、制御装置40は、各電動ウィンチ30を駆動制御することで、介助者による車椅子20の移動をアシストするようになっている。
車両10の右側(一方側)および左側(他方側)に設けられる各電動ウィンチ30は、何れも同じ形状かつ同じ構造のものを採用している。図4および図5においては、何れか一方の電動ウィンチ30のみを示しており、以下、何れか一方の電動ウィンチ30を代表して、その詳細構造について説明する。
電動ウィンチ30は、図4に示すように、電動モータ部80とドラム部90とを備えている。これらの電動モータ部80およびドラム部90は、図示しない複数の締結ネジにより一体化(ユニット化)されている。
モータとしての電動モータ部80は、モータ部81とギヤ部82とを備えている。モータ部81の内部には、回転軸(図示せず)が回転自在に設けられ、ギヤ部82の内部には、回転軸の回転を減速して高トルク化するためのウォームおよびウォームホイールよりなる減速機構(図示せず)が設けられている。ウォームホイールには出力軸(図示せず)が一体に設けられ、当該出力軸はドラム部90に向けて突出し、ドラム部90を形成するドラム92(図5参照)を回転させるようになっている。
ドラム部90は、ケーシング91を備えている。ケーシング91は略箱形状に形成され、その内部には、図5に示すドラム92,ラチェット機構93および弛み取り機構94が収納されている。ケーシング91の外部には、ドラム92に巻き掛けられるベルト32の弛みを取り除く弛み取りモータ95,ドラム92の回転を検出する回転センサ96,電動モータ部80や弛み取りモータ95等に駆動電流を供給するための外部コネクタ(図示せず)が接続されるコネクタ接続部97等が設けられている。
ケーシング91の側部には、開口部91aが形成されており、当該開口部91aからは、ベルト32が出入り自在となっている。ベルト32は、ケーシング91の開口部91aの近傍に設けられた案内部材98によって出入りが案内され、これによりベルト32の捻れを防止している。また、案内部材98はフック31の通過を許さず、これによりベルト32の全てがケーシング91内に引き込まれてしまうのを防止している。
ここで、図4の符号STは、電動ウィンチ30を車両10の床面F(図2参照)に固定するための一対の取付ステーであり、これらの各取付ステーSTは、図示しない複数の締結ボルトによって床面Fに強固に固定されている。これにより電動ウィンチ30は、車両10に対してがたつくこと無く強固に固定されている。
ケーシング91の内部には、図5に示すように、ドラム92,ラチェット機構93および弛み取り機構94が収納されている。ただし、図5に示す弛み取りモータ95,案内部材98およびフック31については、図4に示すようにケーシング91の外部に設けられている。
ドラム92にはベルト32が巻き掛けられ、当該ドラム92の回転中心には、ドラム軸92aが一体回転可能に取り付けられている。ドラム軸92aには、電動モータ部80(図4参照)の出力軸の回転が伝達されるようになっており、ドラム軸92aおよびドラム92は、電動モータ部80の正逆方向への回転駆動に伴って正逆方向に回転駆動される。これにより、ベルト32をケーシング91内に引き込んだり、ケーシング91外に送り出したりすることができる。また、ドラム92とドラム軸92aとの間には、ドラム軸92aに対してベルト巻き取り方向へは、ドラム92とドラム軸92aとが相対回転可能で、ドラム軸92aに対してベルト送り出し方向へは、ドラム92とドラム軸92aとが一体回転する図示しないワンウェイクラッチが設けられている。
ラチェット機構93は、ドラム軸92aに一体回転可能に設けられたラッチギヤ93aと、ラッチギヤ93aのベルト32を巻き取る方向(図示では反時計回り方向)への回転を許容し、ベルト32を送り出す方向(図示では時計回り方向)への回転を阻止する揺動自在な歯止め93bと、歯止め93bを揺動駆動するソレノイド駆動部材93cとを備えている。
ソレノイド駆動部材93cは駆動ピン93dを備えており、ソレノイド駆動部材93cへの駆動電流の供給を停止することで、図示しない内蔵バネのバネ力により駆動ピン93dは突出するようになっている。これにより、ラッチギヤ93aに歯止め93bが係合して、ベルト32を送り出す方向へのドラム92の回転が阻止され、スロープ12上での車椅子20の後退が防止される。一方、ソレノイド駆動部材93cに駆動電流を供給することで、内蔵バネのバネ力に抗して駆動ピン93dは引っ込むようになっている。これにより、ラッチギヤ93aへの歯止め93bの係合が解かれて、ベルト32を送り出す方向へのドラム92の回転が許容され、車椅子20を車椅子搭載スペース11から降ろせるようになる。
弛み取り機構94は、ドラム92に一体回転可能に設けられたスパーギヤ94aと、スパーギヤ94aと噛み合う小径ギヤ94bと、弛み取りモータ95により回転駆動される減速ギヤ機構94cとを備えている。弛み取りモータ95は、ドラム92がベルト32を巻き取る方向に回転する回転力を発生し、減速ギヤ機構94c,小径ギヤ94bおよびスパーギヤ94aを介して回転力をドラム92に伝達するようになっている。また、小径ギヤ94bと減速ギヤ機構94cとの間には、図示しないトルクリミッタが設けられ、当該トルクリミッタは一定以上のトルクの伝達をカットするようになっている。これにより弛み取りモータ95への過負荷を防止し、弛み取りモータ95を保護するようにしている。つまり、弛み取りモータ95としては、ベルト32の弛みを取ることができる程度のトルクを発生し得る小型モータを採用できるようになっている。
図6に示すように、コントローラ50は、カウンタ部51,差分値比較部52および駆動制御部53を備えている。コントローラ50には、操作パネル60およびリモコン70から、それぞれ有線または無線で操作情報が入力されるようになっており、コントローラ50は、当該操作情報に基づいて車両10の左右側に設けた一対の電動ウィンチ30を、同期して駆動制御するようになっている。
コントローラ50には、さらに、各電動ウィンチ30の駆動状態信号(フィードバック信号)である各ドラム92の回転を検出する各回転センサ96からの検出信号が入力されるようになっている。ここで、回転センサ96はホール素子よりなり、回転センサ96と対向するドラム92の部分には、当該ドラム92の回転に伴って回転するリングマグネット(図示せず)が設けられている。これにより、回転センサ96はドラム92とともにリングマグネットが回転するとリングマグネットの磁極の切り替わりに応じて「オン」または「オフ」を示す矩形波信号(パルス信号)を発生するようになっている。
カウンタ部51には、各回転センサ96からの検出信号(パルス信号)がそれぞれ入力されるようになっている。カウンタ部51は、入力された各パルス信号の立ち上がり回数または立ち下がり回数をそれぞれカウントし、各回転センサ96ごとのカウント値CtR,CtL(右側および左側)を生成するとともに、各カウント値CtR,CtLを差分値比較部52に出力するようになっている。
差分値比較部52には、カウンタ部51でカウントした各カウント値CtR,CtLがそれぞれ入力され、差分値比較部52は、入力された各カウント値CtR,CtLから差分値δCt(=|CtR−CtL|)を算出するようになっている。差分値比較部52には、さらに所定の大きさに設定されたしきい値Thが格納されており、差分値比較部52は、差分値δCtとしきい値Thとを比較する比較処理を実行するようになっている。そして、差分値比較部52は、差分値δCtがしきい値Thよりも大きいと判断した場合には、駆動制御部53に停止信号Stpを出力するようになっている。
駆動制御部53は、各電動ウィンチ30に対して駆動電流を供給したり停止したりする制御を実行するようになっている。駆動制御部53には、差分値比較部52から停止信号Stpが入力されるようになっており、駆動制御部53は、入力された停止信号Stpに基づいて、各電動ウィンチ30への駆動電流の供給を停止し、各電動ウィンチ30の駆動を停止するようになっている。なお、図6の破線で囲った差分値吸収部52aおよび記憶部54は、後述する第2実施の形態の構成要素を示している。
次に、以上のように形成した制御装置40の動作について、図面を用いて詳細に説明する。
図7は第1実施の形態に係る制御内容を示すフローチャートを、図8は牽引途中でドラム回転量に差が生じた場合の車椅子の挙動を説明する説明図を、図9は時間とドラム回転量(カウント値)との関係を示すグラフをそれぞれ表している。
図7に示すように、まず、ステップS1において、操作パネル60の主電源スイッチ62がオン操作されてシステム電源がオン状態となり、さらにリモコン70の入スイッチ73または出スイッチ74が操作されると、これらの操作状態が操作信号としてコントローラ50に入力される。すると、コントローラ50は、これらの操作信号の入力に基づき、続くステップS2でシステムの初期化、具体的にはカウンタ部51でカウントした各カウント値CtR,CtLをリセットする。
その後、ステップS3に進み、駆動制御部53から各電動ウィンチ30に駆動電流が供給されて、各電動ウィンチ30が同期して正方向または逆方向に回転駆動される。続くステップS4では、カウンタ部51が各電動ウィンチ30に設けた各回転センサ96からのパルス信号に基づき、当該パルス信号の立ち上がり回数または立ち下がり回数のカウントを開始する。つまり、各カウント値CtR,CtLを生成する。
ステップS5では、差分値比較部52に各カウント値CtR,CtLが入力され、差分値比較部52において、差分値δCtを算出するとともに、当該差分値δCtとしきい値Thとを比較する比較処理が実行される。そして、差分値δCtがしきい値Thよりも大きいと判断した場合(yes判定)にはステップS6に進み、差分値δCtがしきい値Th以下であると判断した場合(no判定)にはステップS7に進む。
ここで、図8に示すように、車椅子20の左右側で重量配分が異なり、例えば、車椅子20の左側重量が右側重量よりも重い場合(左側重量>右側重量)には、各電動ウィンチ30は何れも同じものであるため、右側の電動ウィンチ30のベルト32の引き込み量PR(実線矢印)と、左側の電動ウィンチ30のベルト32の引き込み量PL(破線矢印)とで差が生じる場合がある(PR>PL)。
引き込み量PR,PL(各ドラム92の回転量)の差が大きくなると、これらの引き込み量PR,PLと比例する各カウント値CtR,CtLの差も大きくなり、図9に示すように、差分値δCt>しきい値Thを満たすようになる。つまり、ステップS5においてyes判定となりステップS6に進み、ステップS6では差分値比較部52から駆動制御部53に向けて停止信号Stpが出力される。そして、駆動制御部53は、入力された停止信号Stpに基づき、各電動ウィンチ30への駆動電流の供給を停止し、ひいては各電動ウィンチ30の駆動を停止する。
これにより、図8に示すような車椅子20の挙動、つまり図中矢印M2方向に車椅子20が移動してしまい、スロープ12に対して車椅子20が左側に逸れていくような挙動を抑制することができる。また、ステップS6では、ステップS5でyes判定されたこと、つまり車椅子20が真っ直ぐに進まない緊急状態であることに基づき、操作パネル60のブザー65から警報音を発生させ、介助者に緊急停止したことを知らせるようになっている。そして、ブザー65からの警報音の発生により介助者は緊急停止したことを知り、各ドラム92の回転数差を修正(差分値をゼロに)したり、各ドラム92の回転数に差が生じたりする(差分値が大きくなる)問題を解消することができる。
一方、ステップS7では、ステップS5での差分値δCtがしきい値Th以下であるとの判断(no判定)に基づき、今度は、各電動ウィンチ30が過負荷状態であるか否か、さらには操作パネル60やリモコン70の操作がオフ操作であるか否かを判定する。このステップS7での判定処理は、駆動制御部53によって実行され、例えば、車椅子20の合計重量が所定値以上(例えば150kg以上)である場合には、各電動ウィンチ30が過負荷状態である(yes判定)としてステップS6に進む。また、例えば、リモコン70の操作が解除された場合には、介助者は各電動ウィンチ30の停止を要求している(yes判定)としてステップS6に進む。なお、ステップS7において、過負荷状態ではなくリモコン70が操作中であると判定(no判定)した場合には、上流のステップS3に戻る。
ここで、各電動ウィンチ30が過負荷状態(緊急状態)で、その動作を停止させる場合には、続くステップS6において操作パネル60のブザー65から警報音を発生させる。一方、リモコン70の操作解除(操作オフ)による停止処理等の場合(通常停止の場合)については、ブザー65からは警報音を発生させない。なお、各電動ウィンチ30の過負荷状態を判定するには、例えば、駆動制御部53からの駆動電流の大きさと、各回転センサ96からの検出信号(パルス信号)を監視すれば良い。つまり、駆動電流が大きい状態であるにも関わらず、各回転センサ96からの検出信号の発生頻度が少ない場合に、各電動ウィンチ30が動作し難い状態(過負荷状態)であると判定できる。
以上詳述したように、第1実施の形態に係る電動ウィンチ30の制御装置40によれば、カウンタ部51は、各回転センサ96からのパルス信号の立ち上がり回数または立ち下がり回数をそれぞれカウントし、差分値比較部52は、各カウント値CtR,CtLから差分値δCtを算出しつつ、差分値δCtとしきい値Thとを比較する。差分値比較部52は、さらに差分値δCtがしきい値Th以上のときに、各電動ウィンチ30の制御を停止する停止信号Stpを出力する。
これにより、右側のドラム92と左側のドラム92との回転数差、つまり差分値δCtがしきい値Thよりも大きくなると、各電動ウィンチ30の制御を停止させることができる。したがって、車椅子20の右側と左側とで重量配分にアンバランスが生じた場合に、介助者の意思に依らず各電動ウィンチ30の制御を停止(緊急停止)することができる。よって、車椅子20が右側または左側に逸れて移動することを抑制でき、ひいては信頼性を向上させることができる。
次に、本発明の第2実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図10は第2実施の形態に係る制御内容を示すフローチャートを、図11は牽引前の電源オフ時においてベルト引出量に差がある場合の電動ウィンチの動作を説明する説明図を、図12は時間とベルト引出量(カウント値)との関係を示すグラフをそれぞれ表している。
第2実施の形態においては、図6に示すようにコントローラ50に、さらに差分値吸収部52aおよび記憶部54を設けており、この点が第1実施の形態と異なっている。なお、差分値吸収部52aはコントローラ50の差分値比較部52に設けられている。差分値吸収部52aは、各カウント値CtR,CtLの差をゼロに近付ける(差分値を小さくする)よう各電動ウィンチ30をそれぞれ制御するようになっている。また、記憶部54では、操作パネル60およびリモコン70から入力される操作信号が「電源オフ信号」である場合、つまりリモコン70の操作がオフ操作状態である場合や、操作パネル60の主電源スイッチ62がオフ操作されてシステム電源がオフ状態となった場合に、当該時点、つまり電源オフ信号が入力された時の各カウント値CtR,CtLを記憶するようになっている。そして、システム電源が再度オン状態となり、リモコン70の入スイッチ73または出スイッチ74が操作されると、記憶部54から各カウント値CtR,CtLを読み込み、読み込んだ各カウント値CtR,CtLに加算するカウントを開始するようになっている。
図10に示すように、まず、ステップS10において、操作パネル60の主電源スイッチ62がオン操作されてシステム電源がオン状態となり、さらにリモコン70の入スイッチ73または出スイッチ74が操作されると、これらの操作状態が操作信号としてコントローラ50に入力される。すると、コントローラ50は、これらの操作信号の入力に基づき、続くステップS11において、記憶部54から前回の電源オフ時に記憶した各カウント値CtR,CtLを読み込む。そして、読み込んだ各カウント値CtR,CtLは差分値比較部52に入力される。
続くステップS12では、差分値比較部52において、読み込んだ各カウント値CtR,CtLに基づき差分値δCtを算出するとともに、当該差分値δCtとしきい値Thとを比較する比較処理が実行される。そして、差分値δCtがしきい値Thよりも大きいと判断した場合(yes判定)にはステップS13に進み、差分値δCtがしきい値Th以下であると判断した場合(no判定)にはステップS16に進む。
ステップS13では、ステップS11で読み込んだ各カウント値CtR,CtLの差を、ゼロに近付けるよう差分値吸収部52aを介して各電動ウィンチ30を制御(差分吸収制御)するようになっている。具体的には、図11に示すように各ベルト32の引き出し量L1,L2の差がそもそも大きい状態(L1>L2)においては、これらの引き出し量L1,L2と比例する各カウント値CtR,CtLの差も大きい状態となっている。これにより、図12の「駆動停止」の時間位置に示すように、各電動ウィンチ30を作動させる前から差分値δCt>しきい値Thを満たした状態となっている。つまり、ステップS13では、差分値吸収部52aから駆動制御部53に向けて差分値吸収信号Dasが出力される。
そして、駆動制御部53は、入力された差分値吸収信号Dasに基づき、ベルト32の引き出し量(カウント値)の大きいR側、つまり図11における引き出し量L1側の電動ウィンチ30をベルト32の巻き取り方向(カウント値を小さくする方向)へ駆動する。または、ベルト32の引き出し量(カウント値)の小さいL側、つまり図11における引き出し量L2側の電動ウィンチ30をベルト32の送り出し方向(カウント値を大きくする方向)へ駆動する。または、ベルト32の引き出し量の大きいR側の電動ウィンチ30をベルト32の巻き取り方向へ駆動しつつ、ベルト32の引き出し量の小さいL側の電動ウィンチ30をベルト32の送り出し方向へ駆動する。これにより、各カウント値CtR,CtLの差がゼロに近付いていく。
次に、ステップS14では、カウンタ部51が各電動ウィンチ30に設けた各回転センサ96からのパルス信号に基づき、当該パルス信号の立ち上がり回数または立ち下がり回数のカウントを開始する。つまり、カウンタ部51では、ステップS11で読み込んだ各カウント値CtR,CtLを基準として、これらの基準値に加算していくカウントを開始する。その後、ステップS15では、ステップS14で加算した各カウント値CtR,CtLが差分値比較部52に入力され、差分値比較部52において、差分値δCtを算出するとともに、当該差分値δCtとしきい値Thとを比較する比較処理が実行される。そして、差分値δCtがしきい値Thよりも大きいと判断した場合(yes判定)には上流側のステップS13に戻り、差分値δCtがしきい値Th以下であると判断した場合(no判定)にはステップS16に進む。
このステップS14およびステップS15の処理により、ステップS13による差分吸収制御が正しく実行されているか否かを確認している。
ステップS16では、駆動制御部53から各電動ウィンチ30に駆動電流が供給されて、各電動ウィンチ30が同期して正方向または逆方向に回転駆動される。続くステップS17では、カウンタ部51が各電動ウィンチ30に設けた各回転センサ96からのパルス信号に基づき、当該パルス信号の立ち上がり回数または立ち下がり回数のカウントを開始する。つまり、カウンタ部51では、ステップS11(差分吸収制御を実行した場合にはステップS14)で読み込んだ各カウント値CtR,CtLを基準として、これらの基準値に加算していくカウントを開始する。
ステップS18では、ステップS17で加算した各カウント値CtR,CtLが差分値比較部52に入力され、差分値比較部52において、差分値δCtを算出するとともに、当該差分値δCtとしきい値Thとを比較する比較処理が実行される。そして、差分値δCtがしきい値Thよりも大きいと判断した場合(yes判定)にはステップS19に進み、差分値δCtがしきい値Th以下であると判断した場合(no判定)にはステップS20に進む。
ここで、上述の第1実施の形態で説明したように、車椅子20の左右側で重量配分が異なる等して、加算した各カウント値CtR,CtLの差が大きくなると、図12の「駆動停止」の時間位置に示すように、ステップS18において差分値δCt>しきい値Thを満たすようになる。そして、ステップS19では、ステップS17で得た加算した各カウント値CtR,CtLを記憶部54に記憶し、続くステップS21において、差分値比較部52から駆動制御部53に向けて停止信号Stpが出力される。そして、駆動制御部53は、入力された停止信号Stpに基づき、各電動ウィンチ30への駆動電流の供給を停止し、ひいては各電動ウィンチ30の駆動を停止する。
これにより、上述の第1実施の形態と同様に、図8に示すような車椅子20の挙動を抑制することができる。また、ステップS21では、ステップS18でyes判定されたこと、つまり車椅子20が真っ直ぐに進まない緊急状態であることに基づき、操作パネル60のブザー65から警報音を発生させ、介助者に緊急停止したことを知らせるようにしている。
一方、ステップS20では、ステップS18での差分値δCtがしきい値Th以下であるとの判断(no判定)に基づき、第1実施の形態におけるステップS7(図7参照)と同様に、各電動ウィンチ30が過負荷状態であるか否か、さらには操作パネル60やリモコン70の操作がオフ操作であるか否かを判定する。各電動ウィンチ30が過負荷状態である場合やリモコン70の操作が解除された場合(yes判定)にはステップS19に進む。ここで、各電動ウィンチ30が過負荷状態(緊急状態)で、その動作を停止させる場合には、その後のステップS21で操作パネル60のブザー65から警報音を発生させ、リモコン70の操作解除(操作オフ)による停止処理等の場合(通常停止の場合)には、ブザー65からは警報音を発生させない。なお、ステップS20において、過負荷状態ではなくリモコン70が操作中であると判定(no判定)した場合には、上流のステップS16に戻る。
以上詳述したように、第2実施の形態に係る電動ウィンチ30の制御装置40においても、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第2実施の形態においては、第1実施の形態のように電動ウィンチ30を作動させるたびに、回転センサ96からのパルス信号を最初からカウントするのでは無く、前回の電源オフ時に記憶部54に記憶した各カウント値CtR,CtLを基準としてカウントを開始することができる。よって、図11に示すように各ベルト32の引き出し量L1,L2が大きく異なった状態で電源オフ信号が入力された場合に、次回の電源オン信号の入力時において各ベルト32の送り出し長さ(各カウント値CtR,CtL)が近付くような制御を行うので、車椅子20をより精度良く真っ直ぐに移動させることが可能となる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態においては、回転センサとして、ホール素子よりなる回転センサ96を採用したものを示したが、本発明はこれに限らず、ドラム92に一体回転する環状のスリット部材を設け、当該スリット部材を挟むようにして発光部および受光部を対向配置してなるフォトインタラプタを採用することもできる。また、レゾルバ等の絶対位置センサを用いて、ベルト32の巻き取り量を求めても良い。要は、ドラム92の回転またはベルト32の巻き取り量を検出し得るセンサであれば、本発明の回転センサとして採用することができる。
10 車両
11 車椅子搭載スペース
12 スロープ
13 バックドア
14 配線
15 フック
16 固定ベルト
20 車椅子(被牽引物)
21 前フレーム
22 車輪
30 電動ウィンチ
31 フック
32 ベルト
40 制御装置
50 コントローラ
51 カウンタ部
52 差分値比較部
52a 差分値吸収部
53 駆動制御部
54 記憶部
60 操作パネル(操作部材)
61 パネル本体
62 主電源スイッチ
62a インジケータ
63 ベルトフリースイッチ
63a インジケータ
64 速度切替スイッチ
65 ブザー
70 リモコン(操作部材)
71 リモコン本体
72 リモコン電源スイッチ
73 入スイッチ
74 出スイッチ
75 インジケータ
80 電動モータ部(モータ)
81 モータ部
82 ギヤ部
90 ドラム部
91 ケーシング
91a 開口部
92 ドラム
92a ドラム軸
93 ラチェット機構
93a ラッチギヤ
93b 歯止め
93c ソレノイド駆動部材
93d 駆動ピン
94 弛み取り機構
94a スパーギヤ
94b 小径ギヤ
94c 減速ギヤ機構
95 弛み取りモータ
96 回転センサ
97 コネクタ接続部
98 案内部材
GR グリップ
F 床面
G 地面
PR,PL 引き込み量
L1,L2 引き出し量
CtR,CtL カウント値
δCt 差分値
Th しきい値
Stp 停止信号
Das 差分値吸収信号

Claims (4)

  1. 被牽引物を牽引するベルトが巻き掛けられるドラムと、当該ドラムを回転させるモータと、前記ドラムの回転を検出する回転センサとをそれぞれ有する一対の電動ウィンチ、および前記各電動ウィンチを制御するコントローラを備えた電動ウィンチの制御装置であって、
    前記コントローラは、
    前記各回転センサからの検出信号がそれぞれ入力され、当該検出信号の立ち上がり回数または立ち下がり回数をそれぞれカウントするカウンタ部と、
    前記カウンタ部で得た前記各回転センサのカウント値から差分値を算出するとともに、当該差分値と予め格納されたしきい値とを比較し、前記差分値が前記しきい値以上のときに、前記各電動ウィンチの制御を停止する停止信号を出力する差分値比較部と、
    前記停止信号が入力され、当該停止信号の入力に基づいて前記各電動ウィンチの駆動を停止する駆動制御部と、
    を有することを特徴とする電動ウィンチの制御装置。
  2. 請求項1記載の電動ウィンチの制御装置において、前記カウンタ部は、操作者により操作される操作部材からの操作信号の入力に基づいて前記各カウント値をリセットした後、前記各検出信号のカウントを開始することを特徴とする電動ウィンチの制御装置。
  3. 請求項1記載の電動ウィンチの制御装置において、前記コントローラは、操作者により操作される操作部材からの電源オフ信号の入力時に、当該時点での前記各カウント値を記憶する記憶部を有し、前記カウンタ部は、前記操作部材からの操作信号の入力に基づいて前記記憶部から前記各カウント値を読み込み、読み込んだ前記各カウント値を基準にカウントを開始することを特徴とする電動ウィンチの制御装置。
  4. 請求項3記載の電動ウィンチの制御装置において、前記コントローラは、前記記憶部から読み込んだ前記各カウント値から前記差分値を算出するとともに、前記差分値比較部によって当該差分値と前記しきい値とを比較し、前記差分値が前記しきい値以上のときに、前記差分値を小さくする制御を行う差分値吸収部を有することを特徴とする電動ウィンチの制御装置。
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