JP2013051944A - 乳含有コーヒー - Google Patents

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Abstract

【課題】沈殿物の発生が抑制された乳含有コーヒーの提供。
【解決手段】乳含有コーヒーを製造するために用いられる生豆量と、乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量との関係が、一定の関係を満たすUHT殺菌された乳含有コーヒーを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、UHT殺菌された乳含有コーヒーに関し、より詳細には乳含有コーヒーを製造するために用いられる生豆量と、乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質および/または乳脂肪の量が一定の関係を有するUHT殺菌された乳含有コーヒーに関する。
従来から、缶やPETボトルなどの密封容器に充填されて流通される乳含有コーヒーは、製造工程における加熱殺菌後や長期保存した場合、特にホットベンダーや自動販売機等により高温状態で保存した際に、しばしば多量のゲル状沈殿が発生する場合があることが知られている。多量のゲル状沈殿が発生すると、外観上はもちろん、飲用時には異物と感じる場合もあり問題となっていた。
これを解決する方法として、これまでに、カゼインナトリウムを含有させる方法(特許文献1および2参照)、有機酸や無機酸を添加する方法(特許文献3参照)、カゼインナトリウムの添加あるいは低温長時間(LTLT)殺菌乳を用いる方法(特許文献4参照)など、様々な方法(特許文献1〜5参照)が検討されている。
しかしながら、これらの方法はレトルト殺菌を行う密封容器詰め形態には適するものの、PETボトル飲料の製造等、UHT殺菌を行う場合において発生するゲル状沈澱の発生防止には効果が十分でなかった。また、ゲル状沈殿の発生は、100gの乳含有コーヒー当たり生豆量を5%以上の高い割合で用いることにより、顕著に起こる現象であるが、UHT殺菌においてこのようなゲル状沈殿の発生が十分に抑制された乳含有コーヒーはこれまでに知られていない。
また、レトルト殺菌により生じるゲル状沈澱にはα−カゼイン、β‐カゼインとカルシウムが多く含まれること、ゲル状沈澱はβ−ラクトグロブリンとκ‐カゼインの結合によりカゼインミセルが不安定化することにより生じるとの報告(非特許文献1および2参照)があるが、UHT殺菌によって生じるゲル状沈澱の組成やその発生要因については明らかでない。
特開2001−204387号公報 特開2004−194680号公報 特開2005−192402号公報 特開2001−269119号公報 特開平9−271323号公報
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書 24. 167-174 (2002) 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書 24. 175-185 (2002)
本発明は、乳含有コーヒー中でゲル状の沈殿の発生が抑制されたUHT殺菌された乳含有コーヒーを提供することを目的とする。
本発明者らは、乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量と、乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量とが特定の関係にある乳含有コーヒーとすることにより、UHT殺菌(Ultra-High Temperature pasteurization)を行った場合でも、乳含有コーヒー中にゲル状の沈殿の発生が抑制されることを見いだした。また、本発明者らは、乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量と、乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量とが特定の関係にある乳含有コーヒーとすることにより、UHT殺菌を行った場合でも、乳含有コーヒー中にゲル状の沈殿の発生が抑制されることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦−0.0538×X+0.882であり、6.5≦X≦8のとき、Y≦−0.0662×X+0.962である、UHT殺菌された乳含有コーヒー。
(2)100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(Z)との関係が、5≦X<6.5のとき、Z≧0.1604×X−0.8799であり、6.5≦X≦8のとき、Z≧0.5454×X−3.382である(但し、Z≧0)、UHT殺菌された乳含有コーヒー。
(3)PET容器、ボトル缶、または紙パックに充填された、(1)または(2)に記載の乳含有コーヒー。
(4)乳脂肪が2.7質量%以下含まれる、(2)または(3)に記載の乳含有コーヒー。
(5)乳含有コーヒーの製造方法であって、コーヒー抽出液と、乳原料とを混合する工程、およびUHT殺菌を行う工程を含み、かつコーヒー抽出液と混合する乳原料には、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦−0.0538×X+0.882を満たし、6.5≦X≦8のとき、Y≦−0.0662×X+0.962を満たす乳タンパク質が含まれる、製造方法。
(6)コーヒー抽出液と、乳タンパク質の量を低減させ、および/または乳脂肪の量を増加させた乳原料とを混合する、UHT殺菌された乳含有コーヒーの沈殿物低減方法。
本発明によれば、乳含有コーヒーにUHT殺菌を行った場合でもゲル状沈殿の発生が抑制された乳含有コーヒーを提供できる点で有利である。
図1は、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(縦軸)と、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(横軸)との関係を表すグラフである。グラフ中、(a)はY=−0.0538×X+0.882であり、(b)はY=−0.0662×X+0.962であり、(c)はY=0.522であり、(d)はY=−0.0894×X+1.1032である。 図2は、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(縦軸)と、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(横軸)との関係を表すグラフである。グラフ中、(a)はZ=0.1604×X−0.8799であり、(b)はZ=0.5454×X−3.382であり、(c)はZ=0.311であり、(d)はZ=0.66×X−3.979である。
発明の具体的説明
乳含有コーヒー
本発明の乳含有コーヒーは、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦−0.0538×X+0.882であり、6.5≦X≦8のとき、Y≦−0.0662×X+0.962であり、UHT殺菌されたものである。
また、本発明の別の態様によれば、本発明における乳含有コーヒーは、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(Z)との関係が、5≦X<6.5のとき、Z≧0.1604×X−0.8799であり、6.5≦X≦8のとき、Z≧0.5454×X−3.382であり、但し、Z≧0であり、UHT殺菌されたものである。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の乳含有コーヒーは、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦0.522であり、6.5≦X≦7.5のとき、Y≦−0.0894×X+1.1032であり、UHT殺菌されたものである。このような乳含有コーヒーとすることにより、ゲル状の沈殿がよく抑制された乳含有コーヒーが実現できる。
本発明の別の好ましい態様によれば、本発明の乳含有コーヒーは、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(Z)との関係が、5≦X<6.5のとき、Z≧0.311であり、6.5≦X≦7.5のとき、Z≧0.66×X−3.979であり、但し、Z≧0であり、UHT殺菌されたものである。このような乳含有コーヒーとすることにより、ゲル状の沈殿がよく抑制された乳含有コーヒーが実現できる。
本発明のさらに好ましい態様によれば、本発明の乳含有コーヒーは、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦0.522であり、6.5≦X≦7.5のとき、Y≦−0.0894×X+1.1032であり、かつ100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(Z)との関係が、5≦X<6.5のとき、Z≧0.311であり、6.5≦X≦7.5のとき、Z≧0.66×X−3.979であり、UHT殺菌されたものである。但し、Z≧0である。
本発明の乳含有コーヒーは、「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」の2条(定義)に記載されたコーヒー、すなわち「内容量100グラム中にコーヒー生豆換算で5グラム以上のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むもの」に該当する。本発明の乳含有コーヒーは、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量が5〜8gであり、より好ましくは5.5〜7.5gである。100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量を5.5〜8gとすることにより、コーヒー感がほどよく感じられる乳含有コーヒーを提供することができる。さらに好ましい態様によれば、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量を6.5〜7.5gとすることより、コーヒー感が強く、心地よい苦みを感じる乳含有コーヒーを提供することができる。また、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量を5〜7.5gとすることより、沈殿物がより低減された乳含有コーヒーを提供することができる。
コーヒー固形分の量から換算した生豆量は、コーヒーの生豆量から以下の式(I)を用いて計算される(コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約参照)。100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量とは、コーヒー固形分の量から換算した生豆量であってもよい。
コーヒーの生豆量=100gの乳含有コーヒーに含まれるコーヒー固形分の量×1.3/抽出効率(%)(I)
※抽出効率(%)は、抽出方法や抽出条件により変化するが、例えば20%〜40%である。
また、コーヒー固形分の量から換算した生豆量は、インスタントコーヒーの量から以下の式(II)を用いて計算される(コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約参照)。100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量とは、インスタントコーヒー量から換算した生豆量であってもよい。
コーヒーの生豆量=インスタントコーヒー量×3.0/抽出効率(%)(II)
※抽出効率(%)は、抽出方法や抽出条件により変化するが、例えば20%〜40%である。
本発明の乳含有コーヒーの殺菌方法は、UHT殺菌である。UHT殺菌の条件は、高温で短時間の加熱であって、細菌(芽胞)、カビ、酵母等が死滅すればどのような条件でもよいが、通常は120〜150℃で1〜120秒間、好ましくは130〜145℃で2〜120秒間の加熱によって殺菌することにより行う。
本発明の乳含有コーヒーを充填する容器は、特に限定されるものではないが、UHT殺菌を行う際に一般的に用いられる容器が好ましく、より好ましくはPET容器、ボトル缶(アルミ製キャップ付きアルミボトル)、または紙パックである。本発明の乳含有コーヒーを用いることにより、UHT殺菌後に、PET容器、アルミ製キャップ付きアルミボトル、または紙パックに充填した場合であっても、ゲル状の沈殿の発生を顕著に低減することができる点で有利である。
本発明の乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質は、乳に含まれているタンパク質であれば特に限定されるものではないが、例えば、α-カゼイン、β-カゼイン、κ-カゼインに分類されるカゼイン、あるいは、α-ラクトグロブリン、β-ラクトグロブリン、血清アルブミン、免疫グロブリン、およびラクトフェリンなどが含まれる乳清タンパク質が挙げられる。本発明の乳含有コーヒーに利用される乳タンパク質としては、例えば、牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、粉乳と称される脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳、および加糖練乳、無糖練乳、発酵乳、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム、ホエーパウダーからなる群から選択される一または二以上の由来のものが挙げられ、好ましくは牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳からなる群から選択される一または二以上の由来のものが挙げられる。その乳含有コーヒーにおいて一般的に利用される牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳の中に含まれる乳タンパク質のほとんどはカゼインである。乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質は、一般的な方法により定量することが可能であり、具体的にはケルダール法、コフラニー法、色素結合法、紫外分光法、赤外分光法、近赤外分光法、フーリエ変換型中間赤外分光法(FT−IR)法などがある。上記いずれの方法によっても乳タンパク質の量を求めることができるが、ケルダール法に基づいて測定することにより、測定された乳タンパク質の量が本発明の乳含有コーヒーの範囲に含まれるか否かを判断することができる。さらにFT−IR法、酵素結合免疫吸着(ELISA)法を併用することによって、カゼインやラクトグロブリンを測定することにより、より高い精度で乳タンパク質を定量できる。乳タンパク質の一般的な測定法に関しては、「乳製品試験法・注解(金原出版株式会社)」などに記載されている通りである。また、乳タンパク質の詳細な測定に用いられる機器・試薬は、特に限定されるものではないが、例えば、FT−IR法においては、国際酪農連盟基準に則っているFOSS社製やDelta Instrument社の乳分析機器や日本電子株式会社製のFT−IR機器などを使用することができ、ELISA法としては、森永乳業株式会社製のモリナガFASPEK牛乳測定キットなどを用いて定量することができる。
本発明の乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量は、沈殿の発生を抑制できる範囲であれば特に限定されない。
本発明の乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪は、特に限定されないが、例えば、牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、粉乳と称される脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳、および加糖練乳、無糖練乳、発酵乳、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム、ホエーパウダーからなる群から選択される一または二以上の由来のものが挙げられ、好ましくは牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳からなる群から選択される一または二以上の由来のものが挙げられる。
本発明の乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪は、沈殿を抑制できる範囲であれば特に限定されないが、好ましくは2.7質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下である。
本発明の乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の含有量は、一般的な方法により定量することが可能であり、具体的には、ゲルベル法、レーゼゴッドリーブ法、石油エーテル法、バブコック法、クロロホルム・メタノール混合液抽出法、比色法、赤外分光法、近赤外分光法、ソックスレー法、酸分解法などがある。上記いずれの方法によっても乳脂肪の量を求めることができるが、レーゼ・ゴットリーブ法に基づいて測定することにより、測定された乳脂肪の量が本発明の乳含有コーヒーの範囲に含まれるか否かを判断することができる。この乳脂肪の一般的な測定法に関しては、「乳製品試験法・注解(金原出版株式会社)」などに記載されている通りである。また、乳脂肪に含まれる成分の大半はトリアシルグリセロールであるため(シリーズ《食品の科学》「乳の科学」 朝倉書店)、トリアシルグリセロールを測定することにより、高い精度で乳脂肪の全量を定量することができる。この高精度な測定に用いられる試薬は、例えば、トリグリセライドE−テストワコー(和光純薬工業株式会社製)などにより測定することができる。
本発明の乳含有コーヒーは、上述したコーヒー固形分、乳タンパク質、乳脂肪に加えて、乳化剤、砂糖などの糖類、食物繊維、pH調整剤、香料、甘味料、保存料、着色料、酸味料、酸化防止剤、増粘安定剤、強化剤などの食品素材および食品添加物を加えても良い。乳化剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
本発明の乳含有コーヒーのより好ましい態様によれば、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦0.522であり、6.5≦X≦7.5のとき、Y≦−0.0894×X+1.1032であり、かつ100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(Z)との関係が、5≦X<6.5のとき、Z≧0.311であり、6.5≦X≦7.5のとき、Z≧0.66×X−3.979であり(但し、Z≧0)、かつ乳脂肪を2.7質量%以下含むUHT殺菌された乳含有コーヒーが提供される。
乳含有コーヒーの製造方法
本発明の乳含有コーヒーの製造方法は、コーヒー抽出液と、乳原料とを混合する工程およびUHT殺菌を行う工程を含み、かつコーヒー抽出液と混合する乳原料には、乳含有コーヒーを100g製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦−0.0538×X+0.882を満たし、6.5≦X≦8のとき、Y≦−0.0662×X+0.962を満たす乳タンパク質が含まれる製造方法が提供される。
本発明の乳含有コーヒーの製造方法の別の態様によれば、コーヒー抽出液と、乳原料とを混合する工程およびUHT殺菌を行う工程を含み、かつコーヒー抽出液と混合する乳原料には、乳含有コーヒーを100g製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Z≧0.1604×X−0.8799を満たし、6.5≦X≦8のとき、Z≧0.5454×X−3.382を満たす乳脂肪が含まれる製造方法が提供される。但し、Z≧0である。
本発明の乳含有コーヒーの製造方法の好ましい態様によれば、コーヒー抽出液と、乳原料とを混合する工程およびUHT殺菌を行う工程を含み、かつコーヒー抽出液と混合する乳原料には、乳含有コーヒーを100g製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦0.522を満たし、6.5≦X≦7.5のとき、Y≦−0.0894×X+1.1032を満たす乳タンパク質が含まれ、かつコーヒー抽出液と混合する乳原料には、乳含有コーヒーを100g製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(Z)との関係が、5≦X<6.5のとき、Z≧0.311を満たし、6.5≦X≦7.5のとき、Z≧0.66×X−3.979を満たす乳脂肪が含まれる製造方法が提供される。但し、Z≧0である。
本発明の好ましい態様によれば、乳原料に含まれる乳タンパク質および乳脂肪の種類およびそれらの含有量は上記の乳含有コーヒーと同様である。
本発明において、コーヒー抽出液は、一般的な方法(例えば、「最新・ソフトドリンクス」(光琳)を参照)により抽出することができる。コーヒー、例えば焙煎したコーヒー豆から各種方法により得られる抽出液(いわゆるレギュラーコーヒー)のほか、コーヒーから抽出した成分を含有する液体がすべて包含され、例えば、コーヒー焙煎豆の冷水、温水、熱水、加圧熱水による抽出液や、プロピレングリコール水溶液、ショ糖脂肪酸エステル等の食品添加物として許容されている界面活性剤の水溶液による抽出液、炭酸ガス等の臨界抽出により得られた抽出液、インスタントコーヒーの溶解液等も包含される。コーヒー抽出液は上述したいずれであってもよいが、コーヒー抽出液は、好ましい態様によれば、焙煎したコーヒー豆を熱水(例えば、コーヒー豆の10倍量)で抽出した後、冷却してコーヒー抽出液とすることが好ましい。また、コーヒー豆からの抽出方法については、特に限定されず、例えば、ボイリング式、エスプレッソ式、サイフォン式、ドリップ式(例えば、ペーパー、ネル)が挙げられる。
本発明において、コーヒー抽出液を得るのに用いられるコーヒー豆の種類は特に限定されないが、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテンが挙げられ、これらの1種または2種以上をブレンドして用いても良い。コーヒー豆種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種があり、好ましくは、香味の観点から、アラビカ種である。コーヒー豆は1種でもよいし、複数種をブレンドして用いても良い。コーヒー豆を焙煎により焙煎コーヒーとする方法については、特に限定されるものではなく、焙煎温度、焙煎環境についても限定されない。焙煎方法としては直火式、熱風式、半熱風式などが挙げられる。焙煎コーヒーの焙煎度としては特に限定されるものではなく、例えばライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンいずれを用いても良い。焙煎コーヒーの焙煎度は、L値を用いて表現してもよく、当業者は適宜、豆のL値を選択することができる。L値は、例えば日本電色工業社製の色差計により測定してもよい。なお、焙煎度の異なるコーヒー豆を複数種混合しても良い。
本発明において、乳原料とは、上述した乳タンパク質および乳脂肪酸を含むものであれば特に限定されるものではなく、例えば、牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、粉乳と称される脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳、および加糖練乳、無糖練乳、発酵乳、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム、ホエーパウダーからなる群から選択される一または二以上を含むものが挙げられ、好ましくは牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳からなる群から選択される一または二以上を含むものが挙げられる。なお、牛乳、脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳、およびクリームからなる群から選択される一または二以上を用いる場合の乳タンパク質および乳脂質の量の調整は、下記表1に記載された成分値を参考に調整することができる。
本発明の好ましい態様によれば、PET容器、ボトル缶、または紙パックに充填するさらに工程を追加した乳含有コーヒーの製造方法が提供できる。PET容器、ボトル缶、または紙パックに充填する工程は、無菌状態で行うことが好ましい。また、PET容器、ボトル缶、または紙パックに充填する工程は、UHT殺菌後に行うことが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、アラビカ種の焙煎豆(L値が15〜25)を生豆量で5.5〜7.5gから得られたコーヒー抽出液と、乳原料とを混合する工程およびUHT殺菌を行う工程を含み、かつコーヒー抽出液と混合する乳原料には、乳含有コーヒーを100g製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦0.522を満たし、6.5≦X≦7.5のとき、Y≦−0.0894×X+1.1032を満たす乳タンパク質が含まれ、かつコーヒー抽出液と混合する乳原料には、乳含有コーヒーを100g製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(Z)との関係が、5≦X<6.5のとき、Z≧0.311を満たし、6.5≦X≦7.5のとき、Z≧0.66×X−3.979を満たす乳脂肪が含まれ、かつ乳脂肪が2.7質量%以下含まれる乳含有コーヒーの製造方法が提供される。
沈殿物低減方法
本発明の乳含有コーヒーの沈殿物低減方法は、コーヒー抽出液と、乳タンパク質の量を減少させ、および/または乳脂肪の量を増加させた乳原料とを混合するUHT殺菌された乳含有コーヒーの沈殿物低減方法である。本発明の好ましい態様によれば、乳タンパク質の量の低減または乳脂肪の量の増加は、牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、粉乳と称される脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳、および加糖練乳、無糖練乳、発酵乳、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム、ホエーパウダーからなる群から選択される一または二以上を用いて調整することが好ましく、さらに好ましくは牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳からなる群から選択される一または二以上のものを用いて調整することがより好ましい。
乳含有コーヒーの沈殿物の発生の程度は、乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆の量により異なることから、沈殿物の発生を抑制するために、乳原料に含まれる乳タンパク質の量をどの程度低減させるか、乳脂肪の量をどの程度させるかについても異なる。ある一定量の乳タンパク質および/または乳脂肪の量を乳含有コーヒーに含ませることによりゲル状の沈殿が生じた場合には、乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量をさらに減少させ、乳脂肪の量をさらに増加させる方向に調製して、ゲル状の沈殿物を低減させる。
本発明の乳含有コーヒーの沈殿物低減方法の好ましい態様によれば、乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量は、乳含有コーヒーの沈殿物が低減されれば特に限定されないが、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦−0.0538×X+0.882となり、6.5≦X≦8のとき、Y≦−0.0662×X+0.962となるように調整されることが好ましい。
本発明の乳含有コーヒーの沈殿物低減方法の好ましい別の態様によれば、乳脂肪の量は、乳含有コーヒーの沈殿物が低減されれば特に限定されないが、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(Z)との関係が、5≦X<6.5のとき、Z≧0.1604×X−0.8799となり、6.5≦X≦8のとき、Z≧0.5454×X−3.382となるように調整されることが好ましい。但し、Z≧0である。
本発明の乳含有コーヒーの沈殿物低減方法のより好ましい態様によれば、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦0.522となり、6.5≦X≦7.5のとき、Y≦−0.0894×X+1.1032となり、かつ100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(Z)との関係が、5≦X<6.5のとき、Z≧0.311となり、6.5≦X≦7.5のとき、Z≧0.66×X−3.979となるように調整されることが好ましい。但し、Z≧0である。
本発明の方法に用いられるコーヒー抽出液は、コーヒーの生豆を焙煎して用いて抽出されることに限定されず、インスタントコーヒーを用いてもよいが、好ましくは、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆を5〜8g、より好ましくは5.5〜7.5gを用いて抽出されたコーヒー抽出液を用いる。コーヒー抽出液について、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量を5〜7.5gとすることにより、沈殿物がより低減された乳含有コーヒーの沈殿物低減方法を提供することができる。
ここで、沈殿物の低減とは、乳含有コーヒーの沈殿物がまったく生じない場合、沈殿物が少量の場合、沈殿を生じ、軽く振っても消失しないが、外観上および飲用時に問題とならない場合、沈殿を生じ、軽く振っても消失せず、透明容器においては外観上問題となるが、飲用時には問題とならない場合のいずれの場合であってもよく、少量とはPETボトルにおいては、軽く振った際に沈殿を目視確認できなくなる程度、ボトル缶および紙パックにおいては、軽く容器を振った後に別容器に移した際に沈殿を目視確認できない程度の沈殿量のことを意味する。
また、本発明の沈殿物低減方法の好ましい態様によれば、コーヒー抽出液と、乳タンパク質の量を低減させ、および/または乳脂肪の量を増加させた乳原料を混合するUHT殺菌された乳含有コーヒーの沈殿物防止方法が提供される。沈殿物の防止とは、乳含有コーヒーに沈殿物が生じない場合もしくは少量であり、沈殿が軽く振れば消失する程度である場合の両方の場合を意味する。少量であり、沈殿が軽く振れば消失する程度である場合とは、PETボトル容器であればラベルをはがした状態で、目視確認できない程度、アルミキャップ付ボトルおよび紙パックであれば、中味を別容器に移した際に固形物を目視確認できない程度の沈殿であることを意味する。
本発明の乳含有コーヒーの沈殿物低減方法のより好ましい別の態様によれば、コーヒー抽出液と、乳含有コーヒー中に乳脂肪が2.7質量%以下となるように調整された乳原料とを混合して、UHT殺菌された乳含有コーヒーの沈殿物低減方法が提供される。
本発明のより一層好ましい別の態様によれば、100gの乳含有コーヒー製造するために用いられるコーヒーの生豆を5.5〜7.5gと、乳含有コーヒー中に乳脂肪が2.7質量%以下となるように調整された乳原料とを混合するUHT殺菌された乳含有コーヒーの沈殿物低減方法であって、乳タンパク質の量が100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦−0.0538×X+0.882となり、6.5≦X≦8のとき、Y≦−0.0662×X+0.962となるように調整され、かつ乳脂肪の量が100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(Z)との関係が、5≦X<6.5のとき、Z≧0.1604×X−0.8799となり、6.5≦X≦8のとき、Z≧0.5454×X−3.382(但し、Z≧0)となるように調製された、乳含有コーヒーの沈殿物低減方法が提供される。但し、Z≧0である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。なお、下記の実施例において特に言及しない限り、「%」は質量%を意味するものとする。
乳含有コーヒーの調製
下記表2に示された処方に従って、PET容器詰めコーヒーを調製した。すなわち、コーヒー豆(L値18、アラビカ種、中細挽き)の10倍量の熱水(98℃)で抽出した後に、冷却してコーヒー抽出液を得た(L値は、18(日本電色工業社製)を用いて測定した)。また、100gの乳含有コーヒー中に下記表2に記載の乳脂肪量および乳タンパク質量が含まれるように調製した乳原料と、その他の原料とを混合し、さらに先に得られたコーヒー抽出液と混合して調合液を調製した。この場合の乳原料は、牛乳、脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳、クリームを一または二以上を組み合わせて調製した(乳脂肪の量および乳タンパク質の量を下記表1の成分値に基づいて、乳固形分が1.72%となるように調製した)。さらに砂糖を4.2%、乳化剤、水、および炭酸水素ナトリウムを適量加え、調合液のpHを7.0に調製した。
この調合液を60℃〜70℃に昇温後、ホモジナイズ処理に供してから、実施例1〜11および比較例2〜6については142℃で30秒間の条件でUHT殺菌を行い、無菌環境下でPETボトルに充填した。一方、比較例1については、缶容器に充填後、125℃で25分間、レトルト殺菌を行った。
Figure 2013051944
乳含有コーヒーの沈殿物の評価
実施例1〜11および比較例1〜6に関して、上記調合液の沈殿について下記の評価基準に基づいて判断した。評価結果は下記表2に示す。
評価基準
◎:沈殿を生じない、または少量であり、軽く振れば消失する程度の沈殿
○:沈殿を生じ、軽く振っても消失しないが、外観上および飲用時に問題とならないもの。
△:沈殿を生じ、軽く振っても消失せず、透明容器においては外観上問題となるが、飲用時には問題とならない。
×:多量の沈殿を生じ、振ってもまったく消失せず、外観上および飲用時に問題となるもの。
Figure 2013051944
図1は乳含有コーヒー製造するために用いたコーヒーの生豆量(g)(X)と、乳タンパク質の量(g)(Y)との関係を表すグラフである。100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦−0.0538×X+0.882の範囲で、6.5≦X≦8のとき、Y≦−0.0662×X+0.962の範囲で沈殿を生じない、または少量であり、軽く振れば消失する程度の沈殿であるか、沈殿を生じ、軽く振っても消失しないが、外観上及び飲用時に問題とならないものであるか、若しくは沈殿を生じ、軽く振っても消失せず、透明容器においては外観上問題となるが、飲用時には問題とならないものであることが分かった。100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦0.522であり、6.5≦X≦7.5のとき、Y≦−0.0894×X+1.1032の範囲で沈殿を生じない、または少量であり、軽く振れば消失する程度の沈殿であることが分かった。
図2は乳含有コーヒー製造するために用いたコーヒーの生豆量(g)(X)と、乳脂肪量(g)(Z)との関係を表すグラフである。100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(Z)との関係が、5≦X<6.5のとき、Z≧0.1604×X−0.8799の範囲で、6.5≦X≦8のとき、Z≧0.5454×X−3.382(但し、Z≧0)の範囲で沈殿を生じない、または少量であり、軽く振れば消失する程度の沈殿であるか、沈殿を生じ、軽く振っても消失しないが、外観上及び飲用時に問題とならないものであるか、若しくは沈殿を生じ、軽く振っても消失せず、透明容器においては外観上問題となるが、飲用時には問題とならないものであることが分かった。100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(Z)との関係が、5≦X<6.5のとき、Z≧0.311であり、6.5≦X≦7.5のとき、Z≧0.66×X−3.979(但し、Z≧0)の範囲で沈殿を生じない、または少量であり、軽く振れば消失する程度の沈殿であることが分かった。
少なくとも実施例1〜7に関しては、沈殿を生じないか、または少量であり、軽く振れば消失する程度であり、少なくとも実施例8〜11に関しては沈殿を生じ、軽く振っても消失しないが、外観上および飲用時に問題とならないもの、または沈殿を生じ、軽く振っても消失せず、透明容器においては外観上問題となるが、飲用時には問題とならないものであり、比較例2〜6に関しては多量の沈殿を生じ、振ってもまったく消失せず、外観上および飲用時に問題となるものであった。
香味評価
上記実施例1、5、6、および7の乳含有コーヒーについて、専門パネラー6名により、下記基準に基づいて香味評価を実施した。評価結果を下記表3に示す。
評価基準
A:コーヒー感が十分強く、飲み応えがある。
B:コーヒー感がやや強く、飲み応えがある。
C:コーヒー感がやや弱く、飲み応えがやや物足りない。
Figure 2013051944

Claims (6)

  1. 100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦−0.0538×X+0.882であり、6.5≦X≦8のとき、Y≦−0.0662×X+0.962である、UHT殺菌された乳含有コーヒー。
  2. 100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳脂肪の量(g)(Z)との関係が、5≦X<6.5のとき、Z≧0.1604×X−0.8799であり、6.5≦X≦8のとき、Z≧0.5454×X−3.382である(但し、Z≧0)、UHT殺菌された乳含有コーヒー。
  3. PET容器、ボトル缶、または紙パックに充填された、請求項1または2に記載の乳含有コーヒー。
  4. 乳脂肪が2.7質量%以下含まれる、請求項2または3に記載の乳含有コーヒー。
  5. 乳含有コーヒーの製造方法であって、
    コーヒー抽出液と、乳原料とを混合する工程、および
    UHT殺菌を行う工程
    を含み、かつコーヒー抽出液と混合する乳原料には、100gの乳含有コーヒーを製造するために用いられるコーヒーの生豆量(g)(X)と、100gの乳含有コーヒーに含まれる乳タンパク質の量(g)(Y)との関係が、5≦X<6.5のとき、Y≦−0.0538×X+0.882を満たし、6.5≦X≦8のとき、Y≦−0.0662×X+0.962を満たす乳タンパク質が含まれる、製造方法。
  6. コーヒー抽出液と、乳タンパク質の量を低減させ、および/または乳脂肪の量を増加させた乳原料とを混合する、UHT殺菌された乳含有コーヒーの沈殿物低減方法。
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