JP6320703B2 - Uht分別殺菌された飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、UHT分別殺菌された飲料に関し、より詳細には飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量と、飲料に含まれる乳タンパク質の量とが一定量以上であるUHT分別殺菌された飲料に関する。
飲料を常温で市場に流通させるためには、一定の過酷な条件下で飲料を殺菌し、飲料中の微生物の繁殖を抑え、無菌的な状態にする必要がある。
しかしながら、コーヒーを用いて製造した飲料において、該飲料の製造のためにコーヒー生豆量を多く用い、UHT殺菌(Ultra-High Temperature pasteurization)を行った場合には、特にさらに該飲料をホットベンダーや自動販売機等により高温状態で保存した場合には、多量のゲル状沈殿が発生する場合があることが知られている。多量のゲル状沈殿が発生すると、外観上はもちろん、飲用時には異物と感じる場合もあり問題となっていた。
これを解決する方法として、これまでに、乳含有コーヒー飲料中の乳タンパク質の量を低減させることで、該乳含有コーヒー飲料における沈殿の発生を低下させることができる技術(特許文献1)など、様々な方法が検討されている。
また、これまでに、特許文献2〜5には、飲料の風味や香りなどの改善を目的として、乳成分と、コーヒーとを別々に殺菌する技術が開示されている。
特開2013−51944号公報 特開2000−139342号公報 特開2005−21051号公報 特開平10−304823号公報 特開2013−128482号公報
しかしながら、100gの飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量が5g以上であり、かつ乳タンパク量に制限されずに、飲料の香味設計の自由度が高い、沈殿の発生が抑制された飲料は未だ求められている。
本発明は、飲料の製造のためにコーヒーの生豆量を多く用い、飲料中の乳タンパク量を一定量以上含有させて、飲料の香味設計の自由度を高めつつ、沈殿の発生が抑制された飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、飲料の製造に用いられるコーヒーの生豆量が多く、飲料の含まれる乳タンパク質の量が一定量以上であっても、飲料に含まれるコーヒー抽出液と乳タンパク質含有液とをUHT分別殺菌することにより、飲料中の沈殿の発生を抑制することができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)コーヒー抽出液および乳タンパク質含有液を含んでなる飲料であって、該コーヒー抽出液と該乳タンパク質含有液とがUHT分別殺菌されたものであり、かつ100gの該飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量が5g以上であり、100gの該飲料中に含まれる乳タンパク質が1g以上である、飲料。
(2)100gの飲料中に含まれる乳タンパク質が1.4g以上である、(1)に記載の飲料。
(3)PET容器、ボトル缶、または紙パックに充填された、(1)または(2)に記載の飲料。
(4)UHT分別殺菌の殺菌条件が、常温流通に適する殺菌条件である、(1)〜(3)のいずれかに記載の飲料。
(5)UHT殺菌されたコーヒー抽出液と、UHT殺菌された乳タンパク質含有液との混合工程を含み、かつ100gの該飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量が5g以上であり、100gの該飲料中に含まれる乳タンパク質が1g以上である、製造方法。
(6)混合工程が、無菌環境下で行われる、(5)に記載の製造方法。
(7)飲料の沈殿物低減方法であって、UHT分別殺菌されたコーヒー抽出液と乳タンパク質含有液とを、該飲料中に乳タンパク質を増加させるように混合する、方法。
本発明によれば、飲料の製造に用いられるコーヒーの生豆量が多く、飲料の含まれる乳タンパク質の量が一定量以上であっても、飲料に含まれるコーヒー抽出液と乳タンパク質含有液とをUHT分別殺菌することにより、飲料中の沈殿の発生を抑制することができ、また飲料の香味設計の自由度を高めることができる点で有利である。
図1は、試験1の飲料中の沈殿物の評価における、60℃で3週間保存後の実施例6(左側)、比較例6(右側)のPETボトル底部を表す。実施例6のPETボトル底部にはほとんど沈殿がみられないが、比較例6のPETボトル底部には、実施例6のPETボトル底部に比べ多量の沈殿が生じていることがわかる。
発明の具体的説明
本発明の飲料は、コーヒー抽出液および乳タンパク質含有液を含んでなる飲料であって、該コーヒー抽出液と該乳タンパク質含有液とがUHT分別殺菌されたものであり、かつ100gの該飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量が5g以上であり、100gの該飲料中に含まれる乳タンパク質が1g以上である。
本発明の飲料において、コーヒー抽出液とは、一般的な方法(例えば、「最新・ソフトドリンクス」(光琳)を参照)により抽出することができる。コーヒー、例えば焙煎したコーヒー豆から各種方法により得られる抽出液(いわゆるレギュラーコーヒー)のほか、コーヒーから抽出した成分を含有する液体がすべて包含され、例えば、コーヒー焙煎豆の冷水、温水、熱水、加圧熱水による抽出液や、プロピレングリコール水溶液、ショ糖脂肪酸エステル等の食品添加物として許容されている界面活性剤の水溶液による抽出液、炭酸ガス等の臨界抽出により得られた抽出液、インスタントコーヒーの溶解液等も包含される。コーヒー抽出液は上述したいずれであってもよいが、コーヒー抽出液は、好ましい態様によれば、焙煎したコーヒー豆を熱水(例えば、コーヒー豆の10倍量)で抽出した後、冷却してコーヒー抽出液とすることが好ましい。また、コーヒー豆からの抽出方法については、特に限定されず、例えば、ボイリング式、エスプレッソ式、サイフォン式、ドリップ式(例えば、ペーパー、ネル)が挙げられる。
本発明の飲料において、コーヒー抽出液を得るのに用いられるコーヒー豆の種類は特に限定されないが、例えば、ブラジル、コロンビア、タンザニア、モカ、キリマンジェロ、マンデリン、ブルーマウンテン、ベトナムが挙げられ、これらの1種または2種以上をブレンドして用いても良い。コーヒー豆種としては、例えば、アラビカ種、ロブスタ種があり、好ましくは、香味の観点から、アラビカ種である。コーヒー豆は1種でもよいし、複数種をブレンドして用いても良い。コーヒー豆を焙煎により焙煎コーヒーとする方法については、特に限定されるものではなく、焙煎温度、焙煎環境についても限定されない。焙煎方法としては直火式、熱風式、半熱風式などが挙げられる。焙煎コーヒーの焙煎度としては特に限定されるものではなく、例えばライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンいずれを用いても良い。焙煎コーヒーの焙煎度は、L値を用いて表現してもよく、当業者は適宜、豆のL値を選択することができる。L値は、例えば日本電色工業社製の色差計により測定してもよい。なお、焙煎度の異なるコーヒー豆を複数種混合しても良い。
また、本発明の飲料に加えられるコーヒー抽出液は、該コーヒー抽出液に酵素(例えば、プロテアーゼを主原料とする)を溶解して、1秒以上、該酵素と反応させ、その後にその反応物にコーヒーエキスまたはインスタントコーヒーを添加して、本発明の飲料に用いても良い。
100gの本発明の飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量は、5g以上であり、好ましくは5〜12gであり、より好ましくは5〜7.7gである。100gの本発明の飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量を5〜7.7gとすることにより、コーヒー感がほどよく感じられる飲料を提供することができる。
コーヒー固形分の量から換算した生豆量は、コーヒーの生豆量から以下の式(I)を用いて計算される(コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約参照)。100gの飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量とは、コーヒー固形分の量から換算した生豆量であってもよい。
コーヒーの生豆量(g)=100gの飲料に含まれるコーヒー固形分の量(g)×1.3/抽出効率(%)・・・(I)
※抽出効率(%)は、抽出方法や抽出条件により変化するが、例えば20%〜40%である。
また、コーヒーの生豆量は、インスタントコーヒーの量から以下の式(II)を用いて計算される(コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約参照)。100gの飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量とは、インスタントコーヒー量から換算した生豆量であってもよい。
コーヒーの生豆量(g)=インスタントコーヒー量(g)×3.0/抽出効率(%)・・・(II)
※抽出効率(%)は、抽出方法や抽出条件により変化するが、例えば20%〜40%である。
さらに、コーヒーの生豆量は、コーヒーエキスを使用する場合は、コーヒーエキスを製造するにあたり使用したコーヒー生豆量から換算すればよい(コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約参照)。100gの飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量とは、コーヒーエキス量から換算した生豆量であってもよい。例えば、コーヒーエキスを1kgに用いられたコーヒーの生豆量が0.69kgの場合、下記式(III) のように計算することができる。
コーヒーの生豆量(g)=コーヒーエキス量(g)×0.69・・・(III)
また、本発明の飲料において、乳タンパク質含有液とは、乳タンパク質を含有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、粉乳と称される脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳、および加糖練乳、無糖練乳、発酵乳、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム、ホエーパウダーからなる群から選択される一または二以上を含むものが挙げられ、好ましくは牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳からなる群から選択される一または二以上を含むものが挙げられる。なお、牛乳、脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳、およびクリームからなる群から選択される一または二以上を用いる場合の乳タンパク質の量の調整は、下記表1に記載された成分値を参考に調整することができる。
飲料に含まれるタンパク質の量は、下記の成分値に基づいて算出されてもよい。
本発明の飲料に用いられる乳タンパク質含有液は、好ましくは、乳原料、乳化剤、pH調整剤を溶解混合し、50〜80℃に昇温後、ホモジナイズ処理(例えば、10〜20MPa)に供したものを用いても良い。
本発明の飲料に含まれる乳タンパク質は、乳に含まれているタンパク質であれば特に限定されるものではないが、例えば、α-カゼイン、β-カゼイン、κ-カゼインに分類されるカゼイン、あるいは、α-ラクトグロブリン、β-ラクトグロブリン、血清アルブミン、免疫グロブリン、およびラクトフェリンなどが含まれる乳清タンパク質が挙げられる。本発明の飲料に含まれる乳タンパク質としては、例えば、牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、粉乳と称される脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳、および加糖練乳、無糖練乳、発酵乳、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム、ホエーパウダーからなる群から選択される一または二以上の由来のものが挙げられ、好ましくは牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳からなる群から選択される一または二以上の由来のものが挙げられる。その飲料において一般的に利用される牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳の中に含まれる乳タンパク質のほとんどはカゼインである。飲料に含まれる乳タンパク質は、一般的な方法により定量することが可能であり、具体的にはケルダール法、コフラニー法、色素結合法、紫外分光法、赤外分光法、近赤外分光法、フーリエ変換型中間赤外分光法(FT−IR)法などがある。上記いずれの方法によっても乳タンパク質の量を求めることができるが、ケルダール法に基づいて測定することにより、測定された乳タンパク質の量が本発明の飲料の範囲に含まれるか否かを判断することができる。さらにFT−IR法、酵素結合免疫吸着(ELISA)法を併用することによって、カゼインやラクトグロブリンを測定することにより、より高い精度で乳タンパク質を定量できる。乳タンパク質の一般的な測定法に関しては、「乳製品試験法・注解(金原出版株式会社)」などに記載されている通りである。また、乳タンパク質の詳細な測定に用いられる機器および試薬は、特に限定されるものではないが、例えば、FT−IR法においては、国際酪農連盟基準に則っているFOSS社製や、Delta Instrument社製の乳分析機器や、日本電子株式会社製のFT−IR機器などを使用することができ、ELISA法としては、森永乳業株式会社製のモリナガFASPEK牛乳測定キットなどを用いて定量することができる。
飲料中に含まれる乳タンパク質の含有量の算出方法は、飲料中に含まれるタンパク質の量に無脂乳固形分換算係数である2.74をかけて、飲料中に含まれる乳タンパク質の値を算出できる。
本発明の飲料に含まれる乳タンパク質の量は、100gの本発明の飲料中に1g以上含まれていれば特に限定されるものではないが、好ましくは1.4g以上であり、より好ましくは2.2〜7.0gであり、さらに好ましくは2.2〜6.5gである。
本発明の飲料において、100gの本発明の飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量が5〜12g以上であり、かつ本発明の飲料に含まれる乳タンパク質の量が1.4g以上であることが好ましく、100gの本発明の飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量が5〜7.7gであり、かつ本発明の飲料に含まれる乳タンパク質の量が2.2〜7.0gであることがより好ましく、100gの本発明の飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量が5〜7.7gであり、かつ本発明の飲料に含まれる乳タンパク質の量が2.2〜6.5gであることがより一層好ましい。
本発明の飲料は、UHT殺菌されたコーヒー抽出液と、UHT殺菌された乳タンパク質含有液とを混合することにより調製することができる。この混合工程は、無菌環境下で行うことが好ましい。ここで、「無菌環境下で行う」とは、UV殺菌されたクリーンベンチ内もしくは、過酸化水素、過酢酸などを噴霧した充填機内で、UHT殺菌された液を過酸化水素もしくはエタノールで滅菌処理したボトルに充填すること等が挙げられる。
本発明の飲料は、上述したコーヒー抽出液および乳タンパク質含有液に加えて、乳脂肪、乳化剤、砂糖などの糖類、食物繊維、pH調整剤、香料、甘味料、保存料、着色料、酸味料、酸化防止剤、増粘安定剤、強化剤などの食品素材および食品添加物を加えても良い。乳化剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
本発明の飲料の殺菌方法は、UHT分別殺菌である。UHT分別殺菌とは、本発明の飲料に加えるコーヒー抽出液と、乳タンパク質含有液とを別々にUHT殺菌する殺菌方法をいう。UHT殺菌の条件は、高温で短時間の加熱であって、細菌(芽胞)、カビ、酵母等が死滅すればどのような条件でもよいが、通常は120〜150℃で1〜120秒間、好ましくは130〜145℃で2〜120秒間の加熱によって殺菌することにより行う。また、このUHT分別殺菌の殺菌条件は、常温流通に適する殺菌条件であることが好ましい。常温流通に適する殺菌条件とは、好ましくは、130〜145℃で30〜120秒間の加熱殺菌である。ここで、常温流通とは、常温管理で飲料を流通させる形態をいう。また、コーヒー抽出液のUHT殺菌条件と、乳タンパク質含有液のUHT殺菌条件とは、同じでも異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。
また、pH調整剤は、単独でUHT殺菌に供してもよく、本発明の飲料に加えるコーヒー抽出液および乳タンパク質含有液のいずれか、または両方に混合した後、UHT殺菌に供してもよい。
本発明の飲料を充填する容器は、特に限定されるものではないが、UHT殺菌を行う際に一般的に用いられる容器が好ましく、好ましくはPET容器、ボトル缶(アルミ製キャップ付きアルミボトル)、または紙パックであり、より好ましくは透明なPET容器である。本発明の飲料を用いることにより、UHT殺菌後に、PET容器、アルミ製キャップ付きアルミボトル、または紙パックに充填した場合であっても、沈殿の発生を顕著に低減することができる点で有利である。また、本発明の飲料は、沈殿の発生が顕著に低減されたものであることから、透明容器(好ましくは、透明なPET容器)に充填した場合に特に外観上好ましい。
本発明の飲料の好ましい態様によれば、コーヒー抽出液および乳タンパク質含有液を含んでなる飲料であって、該コーヒー抽出液と該乳タンパク質含有液とがUHT分別殺菌されたものであり、かつ100gの該飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量が5g以上であり、100gの該飲料中に含まれる乳タンパク質が1.4g以上である飲料が提供される。
本発明の別の面によれば、UHT殺菌されたコーヒー抽出液と、UHT殺菌された乳タンパク質含有液との混合工程を含み、かつ100gの該飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量が5g以上であり、100gの該飲料中に含まれる乳タンパク質が1g以上(好ましくは1.4g以上、より好ましくは2.2g〜7.0g)である、製造方法が提供される。この製造方法において、混合工程に用いられるコーヒー抽出液と、乳タンパク質含有液とは、UHT分別殺菌されたものである。また、この製造方法の混合工程は、無菌環境下で行うことができる。
本発明の別の面によれば、UHT殺菌されたコーヒー抽出液と、乳タンパク質の量を増加させたUHT殺菌された乳タンパク質含有液とを混合することを特徴とする、沈殿物低減方法が提供される。この沈殿物低減方法において、この方法に用いられるコーヒー抽出液と、乳タンパク質含有液とはUHT分別殺菌されたものである。
本発明の飲料の沈殿物低減方法において、乳タンパク質含有液中の乳タンパク質の量の増加は、牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、粉乳と称される脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、調製脱脂粉乳、加糖練乳、無糖練乳、発酵乳、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム、およびホエーパウダーからなる群から選択される一または二以上を用いて調整することが好ましく、牛乳、加工乳、クリーム、濃縮乳、脱脂粉乳、全粉乳、調製粉乳、および調製脱脂粉乳からなる群から選択される一または二以上のものを用いて調整することがより好ましい。
飲料の沈殿物の発生の程度は、飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆の量により異なることから、沈殿物の発生を抑制するために、乳原料に含まれる乳タンパク質の量をどの程度増加させるかについても異なる。ある一定量の乳タンパク質の量を飲料に含ませることにより沈殿が生じた場合には、飲料に含まれる乳タンパク質の量をさらに増加させる方向に調製して、沈殿物を低減させる。従って、飲料に含まれる乳タンパク質の量は限定されるものではないが、1g以上であることが好ましく、1.4g以上であることがより好ましく、2.2g〜7.0gであることがさらに好ましい。
ここで、沈殿物の低減とは、飲料の沈殿物がまったく生じない場合、または1mm未満の少量であり、軽く振れば消失する程度の沈殿である場合、1mm以上〜3mm未満の沈殿を生じ、軽く振っても消失しないが、外観上および飲用時に問題とならない場合、ならびに3mm以上〜7mm未満の沈殿を生じ、軽く振っても消失せず、透明容器においては外観上問題となるが、飲用時には問題とならない場合のいずれの場合であってもよく、少量とはPETボトルにおいては、軽く振った際に沈殿を目視確認できなくなる程度、ボトル缶および紙パックにおいては、軽く容器を振った後に別容器に移した際に沈殿を目視確認できない程度の沈殿量のことを意味し、飲料中の沈殿物が低減したか否かは、下記試験1の評価基準により判断してもよい。
これらの本発明の方法で使用するコーヒー抽出液、乳タンパク質含有液、コーヒーの生豆量、乳タンパク質の量や、分別UHT殺菌方法、および混合方法については、本発明の飲料に関する記載事項を参照することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。なお、下記の実施例において特に言及しない限り、「%」は質量%を意味するものとする。
<試験1>(乳タンパク量とコーヒー生豆量の沈殿発生の関係)
分別UHT殺菌品
1)コーヒー抽出液の調製
コーヒー豆を粉砕後、98℃の湯を用いて抽出し、コーヒー豆の約10倍量の抽出液を採取した。抽出液を0〜70℃に冷却し、コーヒー抽出液1を得た。このコーヒー抽出液1から必要分採取し、採取したコーヒー抽出液に酵素を溶解した液体を1秒以上反応させ、次いでコーヒーエキスまたはインスタントコーヒーを添加してUHT殺菌後(殺菌強度:130℃30秒相当以上)、PETボトルに充填しコーヒー抽出液2を得た。
2)乳タンパク質含有液の調製
乳原料、乳化剤、pH調整剤を溶解混合し、50〜80℃に昇温後、ホモジナイズ処理(10〜20MPa)に供してUHT殺菌後(殺菌強度:130℃30秒相当以上)、PETボトルに充填し乳タンパク質含有液を得た。この場合の乳原料とは、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームを一または二以上を組み合わせて調整したものである。
3)コーヒー抽出液および乳タンパク質含有液の混合および充填
上記1)と2)で得たコーヒー抽出液2と乳タンパク質含有液を無菌環境下で混合し、実施例1〜6を得た。実施例1〜6の飲料の組成および沈殿発生量等を下記表2に示す。コーヒーの生豆量は、用いたコーヒー豆の量に、上記式(III)に基づいて算出したコーヒーの生豆量を加えて算出した。
通常のUHT殺菌品
コーヒー豆を粉砕後98℃℃の湯を用いて抽出し、コーヒー豆の約10倍量の抽出液を採取した。抽出液を0〜70℃に冷却し、コーヒー抽出液を得た。このコーヒー抽出液から必要分採取し、採取したコーヒー抽出液に酵素を溶解した液体を1秒以上反応させた後、pH調整剤添加し、コーヒーエキスまたはインスタントコーヒーを加えコーヒーAを得た。コーヒーの生豆量は、用いたコーヒー豆の量に、上記式(III)に基づいて算出したコーヒーの生豆量を加えて算出した。
乳原料、乳化剤を溶解したものを50〜80℃に昇温後、ホモジナイズ処理(10〜20MPa)に供してからコーヒーAと混合し、UHT殺菌後(殺菌強度:130℃30秒相当以上)280mlPETボトルに充填し比較例1〜6を得た。この場合の乳原料とは、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリーム、加工乳、濃縮乳、調整粉乳を一または二以上を組み合わせて調整したものである。
飲料中の沈殿物の評価
得られた分別UHT殺菌品および通常のUHT殺菌品の沈殿について、下記の評価基準に基づいて評価した。評価結果は下記表2に示す。また、得られた分別UHT殺菌品および通常のUHT殺菌品の沈殿発生量を下記表2に示す。表2に記載の沈殿発生量は、各温度帯(5℃および60℃)にサンプルを3週間保存し、3週間保存後の沈殿の量を280mlPETボトル底部から定規で測定し、数値化した。
評価基準
◎:沈殿を生じない、または1mm未満の少量であり、軽く振れば消失する程度の沈殿
○:1mm以上〜3mm未満の沈殿を生じ、軽く振っても消失しないが、外観上および飲用時に問題とならないもの
△:3mm以上〜7mm未満の沈殿を生じ、軽く振っても消失せず、透明容器においては外観上問題となるが、飲用時には問題とならない
×:7mm以上の多量の沈殿を生じ、振ってもまったく消失せず、外観上および飲用時に問題となるもの
なお、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3、実施例4と比較例4、実施例5と比較例5、および実施例6と比較例6の飲料は、それぞれ飲料の製造に用いられるコーヒー生豆量(g)および飲料に含まれる乳タンパク量(g)は同量であった。
上記表2のとおり、通常のUHT殺菌の飲料については、全てのサンプルで沈殿が観察されたが分別殺菌を行った場合は、沈殿量が減少および/または改善された。今回、保存3週間での評価を行ったが、保存1日、3日、および1週間でも上記と同様に実施して評価したが、沈殿発生量は保存3週間の場合と実質的に変わらなかった。よって、保存期間による差はなく、通常のUHT殺菌と分別UHT殺菌で沈殿量に差が確認できた。
<試験2>(殺菌値の違いによる沈殿の関係)
上記の比較例1の飲料の殺菌強度を130℃で2〜3秒程度に変更し、比較例7を得た。比較例1、比較例7、および実施例1の成分組成、殺菌方法、殺菌強度、および沈殿発生量を下記表3に示す。下記表3の沈殿量は上記試験1と同様に数値化したものであり、評価結果は上記試験1に記載の評価基準に基づいて評価した結果である。
比較例7は、比較例1と比べ、沈殿の発生が少ないことが確認された。比較例7はチルド流通を行う場合の殺菌条件であり、常温流通を目的とする殺菌強度を実施しなくて済むため、「沈殿」による外観上および飲用時の問題は少ないと推測された。そのため、これらの技術は常温流通に適した殺菌条件で殺菌を行った場合に特有の課題であるともいえる。

Claims (7)

  1. コーヒー抽出液および乳タンパク質含有液を含んでなる飲料であって、該乳タンパク質含有液は乳化剤を含有するものであり、さらに該コーヒー抽出液と該乳タンパク質含有液とがUHT分別殺菌されたものであり、かつ100gの該飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量が5g以上であり、100gの該飲料中に含まれる乳タンパク質が1〜6.5gである、飲料。
  2. 100gの飲料中に含まれる乳タンパク質が1.4g以上である、請求項1に記載の飲料。
  3. PET容器、ボトル缶、または紙パックに充填された、請求項1または2に記載の飲料。
  4. UHT分別殺菌の殺菌条件が、常温流通に適する殺菌条件である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料。
  5. UHT殺菌されたコーヒー抽出液と、UHT殺菌された乳化剤を含有する乳タンパク質含有液との混合工程を含み、かつ100gの該飲料を製造するために用いられるコーヒーの生豆量が5g以上であり、100gの該飲料中に含まれる乳タンパク質が1〜6.5gである、製造方法。
  6. 混合工程が、無菌環境下で行われる、請求項5に記載の製造方法。
  7. UHT殺菌されたコーヒー抽出液と、乳タンパク質の量を増加させたUHT殺菌された乳化剤を含有する乳タンパク質含有液とを混合することを特徴とする、沈殿物低減方法。
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