JP2013046977A - 賦形成形方法及び繊維強化樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成形原反材1を積層し、予備積層成形型で予備圧縮成形した積層成形材5を予備加熱型6で近赤外線放射装置7によって近赤外線で予備加熱型6内の熱盤8上に載置された積層成形材5を予熱し、一方3次元形状を有する賦形型である成形型9を予熱して成形原反材1の溶融温度に昇温する。次に積層成形材5を予熱された成形型9に収納し、成形型9によって積層成形材5を圧縮する。これによって織物基材3に付着している樹脂材料4を軟化して積層成形材5の層間を接着し、形状を保持させる。その後成形型9を固化温度に急冷して型を開き離型する各工程によって成形原反材1を積層して3次元形状に賦形する。
【選択図】 図1
Description
本発明は以上の従来技術における問題に鑑み、成形原反材を用い強度の強い成形品を形状自由度高くかつ効率よく3次元形状に賦形することができる賦形成形方法及び繊維強化樹脂成形品を提供することを目的とする。
この本発明の賦形成形方法によって、成形型を熱可塑性樹脂材の溶融温度に加熱することによって熱可塑性樹脂を強化繊維に完全に含侵させて繊維積層によって強化して十分な成形品強度の熱可塑性樹脂材を成形することが可能となる。しかも長い昇温時間によってサイクルタイムが過長になることを予熱することによって防止することができる。
本発明の賦形成形方法でも、対策しない場合には、強化繊維と熱可塑性樹脂成形材料の積層品を溶融温度で圧縮成形すると、型分割面より熱可塑性樹脂のみ流出し、肉厚が薄くなる問題が生じ得る。
この上下型のうち少なくとも1方を前記熱可塑性樹脂の固化温度に冷却する工程によって冷却した部分のはみ出した熱可塑性樹脂が固化されることによって、はみ出しが阻止され、樹脂流出をふせぐことができる。
強化繊維間への熱可塑性樹脂の含浸には通常約5〜30分の時間を要する。
しかし、本発明の賦形成形方法によって、事前に平板形状の積層成形材を準備することによって、その時間を削減して賦形成形の成形サイクルタイムを短縮することができる。
強化繊維束2を用いることにより、最終製品である繊維強化樹脂成形品の力学特性を高いものとすることができる。
強化繊維束2は、炭素繊維束、黒鉛繊維束、ガラス繊維束、または、アラミド繊維束などを用いることができ、炭素繊維束であることが好ましい。炭素繊維束を用いることにより、最終製品である繊維強化樹脂成形品の力学特性を高いものとすることができる。
先ず成形原反材1を積層し、予備積層成形型(図示せず)で予備圧縮成形した積層成形材5を予備加熱型6で予備加熱する。
予備加熱にあたっては上部より近赤外線放射装置7によって近赤外線で予備加熱型6内の熱盤8上に載置された積層成形材5を加熱する。遠赤外線温度センサ−(図示せず)で積層成形材5の温度を検知し、近赤外線放射装置7による近赤外線の強度を調整し所定の温度に積層成形材5を昇温させる。
一方3次元形状を有する賦形型である成形型9を予熱して成形原反材1の溶融温度に昇温する。次に積層成形材5を予熱された成形型9に収納し、成形型9によって積層成形材5を圧縮する。これによって織物基材3に付着している樹脂材料4を軟化して積層成形材5の層間を接着し、形状を保持させる。
その後成形型9を固化温度に急冷して型を開き離型する。以上の各工程によって成形原反材1を積層して3次元形状に賦形する。
以上のように予熱工程が、溶融温度に昇温過程の積層成形材5を昇温した成形型9へ投入配置して近赤外線放射装置7によって近赤外線で加熱し、遠赤外線温度センサ−で温度を検知し、近赤外線の強度を調整し所定の温度に昇温させる工程とすることによって、近赤外線で、予熱対象の分子を加熱し中芯まで加熱できる。また遠赤外線センサ−によって非接触で正確な温度を検知することができる。しかも溶融温度に昇温過程の積層成形材5を昇温した成形型9へ投入配置することによって効率よく時間短縮して予熱することができる。
その結果、積層成形材5の予熱温度に保持される上部型10a及び下部型10bと入れ駒型PMとの間の熱伝導は最小限とされる。入れ駒型PMによる冷却領域は専ら上部型10aと下部型10bとの型合わせ時における積層成形材5を収納するキャビテイ周囲の、上部型10aと下部型10bの分割線近傍領域の上部型10aとなる。
第二の実施の形態の賦形成形方法では正方形若しくは直方形の成形原反材1を複数用い、この各成形原反材1を、最上面の成形原反材1のみ織物基材3を上側として樹脂材料4が付着した面を下側にし、それ以外は織物基材3を下側として樹脂材料4が付着した面を上側にして積層し、その積層された積層成形材14を第一の実施の形態と同様に圧縮成形して平板状の平板積層成形品15とする。
この第二の実施の形態は成形型9が正方形平板状若しくは直方形平板状の平板積層成形品15を成形する点で第一の実施の形態の賦形成形方法と異なる。
図5(b)、(c)に示すようにこの第二の実施の形態でも積層成形材14を予熱して成形型9へ投入配置する予熱工程の後に、上部型10aと下部型10bとが型合わせされることによって製品の成型が行われる。その成形型を型締し加圧する過程で上部型10aと下部型10bとの型合わせによる圧縮成型と同時に上部型10aと下部型10bの分割線近傍領域の上部型10aと下部型10bを熱可塑性樹脂の固化温度に冷却する冷却工程が入れ駒型PMを用いて行われる。
第三の実施の形態の賦形成形方法では、図6に示すように積層成形材14又は平板積層成形品15の投入配置部分の成形型9内側形状に沿う形状に積層成形材14又は平板積層成形品15を予熱すると共に予成型として絞り加工を行う点で第一の実施の形態及び第二の実施の形態と異なる。第三の実施の形態の賦形成形方法では、積層成形材14又は平板積層成形品15を成形型9へ簡易に効率よく投入配置することが可能となる。
この第四の実施の形態の賦形成形方法では、平板積層成形品15を用いて最終製品の成形を行う点で第一の実施の形態の賦形成形方法と異なる。
先ず平板積層成形品15を成形型9に収納する前に予備加熱型6で予熱する。
予備加熱にあたっては上部より近赤外線放射装置7から放射される近赤外線によって平板積層成形品15を加熱し、遠赤外線温度センサ−で平板積層成形品15の温度を検知し、近赤外線放射装置7による近赤外線の強度を調整し所定の温度に平板積層成形品15を昇温させる。
この第四の実施の形態でも平板積層成形品15を予熱して成形型9へ投入配置する予熱工程の後に、上部型10aと下部型10bとが型合わせされることによって製品の成型が行われる。その成形型を型締し加圧する過程で上部型10aと下部型10bとの型合わせによる圧縮成型と同時に上部型10aと下部型10bの分割線近傍領域の上部型10aと下部型10bを熱可塑性樹脂の固化温度に冷却する冷却工程が入れ駒型PMを用いて行われる。
この各成形原反材1を、最上面の強化繊維織物のみ樹脂材料4が付着した面を下側にし、それ以外は樹脂材料4が付着した面を上側にして積層した積層成形材14を得た。
近赤外線の強度は、近赤外線放射装置7への通電圧の連続降下で調整した。
表1に以上の各工程における温度、圧力、所要時間を示す。
表2にその各工程における温度、圧力、所要時間を示す。
また上部型16と下部型17とからなる製品部型10内側形状に沿う形状に平板積層成形品15の絞り加工を行なった。
各製品は図7、図8に示す様に何れの場合も表面性状が良好な3次元形状の皿状製品が得られた。
図9に実施例3の各工程及び使用/設備及び使用/型と、各工程における所要時間を示す。
図に示されるようにアクリル樹脂を主成分とする樹脂材料4を用いた場合で11.5分、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を主成分とする樹脂材料4を用いた場合で13.5分のサイクルタイムでの製造が可能となった。
Claims (10)
- 複数本の強化繊維束を含む織物基材の少なくとも一方の表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料が付着された成形原反材を裁断し積層した積層成形材を成形型に投入配置し、加圧、加熱して複数本の強化繊維束を含む織物基材に付着している樹脂材料を溶融して繊維間及び成形原反材の層間を接着する賦形成形方法において、賦形をする上部型と下部型とからなる成形型を溶融温度に昇温する工程と、積層成形材を予熱して成形型へ投入配置する予熱工程と、成形型を型締し加圧する工程と、上下型の分割線近傍領域の上下型のうち少なくとも1方を前記熱可塑性樹脂の固化温度に冷却する工程と、成形型を固化温度に冷却して型を開き離型する工程とを有することを特徴とする賦形成形方法。
- 複数本の強化繊維束を含む織物基材の少なくとも一方の表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料が付着された成形原反材を裁断し積層した積層成形材を成形型に投入配置し、加圧、加熱して複数本の強化繊維束を含む織物基材に付着している樹脂材料を溶融して繊維間及び成形原反材の層間を接着する賦形成形方法において、賦形をする上部型と下部型とからなる成形型を溶融温度に昇温する工程と、積層成形材を予熱して成形型へ投入配置する予熱工程と、成形型を型締し加圧する工程と、上下型の分割線近傍領域の上下型のうち少なくとも1方を前記熱可塑性樹脂の固化温度に冷却する工程と、成形型を固化温度に冷却して型を開き離型する工程と、を行い平板形状の平板積層成形品を成形する工程と、前記平板積層成形品を所定の形状に裁断する工程と、賦形をする成形型を溶融温度に昇温する工程と、前記平板積層成形品を予熱して成形型へ投入配置する予熱工程と、成形型を型締し加圧する工程と、上下型の分割線近傍領域の上下型のうち少なくとも1方を前記熱可塑性樹脂の固化温度に冷却する工程と、成形型を固化温度に冷却して型を開き離型する工程とを有することを特徴とする賦形成形方法。
- 成形型が製品部型と、製品部型の背面に蓄熱盤を備え、製品部型のヒ−タ−と、蓄熱盤からの熱伝導で製品部型の型温を昇温させることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一に記載の賦形成形方法。
- 成形型の冷却がエア−と蒸気を含む水冷であり、成形型の冷却後にエア−で水を抜き取り、成形型の昇温を開始することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一に記載の賦形成形方法。
- 積層成形材及び/又は平板積層成形品を予熱すると共に予成型した後に成形型へ投入配置することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の賦形成形方法。
- 予熱工程が、近赤外線で加熱し、遠赤外線温度センサ−で温度を検知し、近赤外線の強度を調整し所定の温度に昇温させる工程であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一に記載の賦形成形方法。
- 予熱工程が、溶融温度に昇温過程の成形型へ積層成形材を投入配置して近赤外線で加熱し、遠赤外線温度センサ−で温度を検知し、近赤外線の強度を調整し所定の温度に昇温させる工程であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一に記載の賦形成形方法。
- 請求項1〜請求項7のいずれか一に記載の賦形成形方法に用いられる賦形成形型であって、賦形をする上部型と下部型とからなる成形型と、上下型の分割線近傍領域の上下型のうち少なくとも1方を前記熱可塑性樹脂の固化温度に冷却する冷却手段と、成形型を型締し加圧する手段と、成形型を固化温度に冷却して型を開き離型する手段とを有することを特徴とする賦形成形型。
- 前記冷却手段が入れ駒であることを特徴とする請求項8記載の賦形成形型。
- 請求項1〜請求項7のいずれか一記載の賦形成形方法によって製造されたことを特徴とする繊維強化樹脂成形品。
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