JP5712038B2 - 賦形成形方法 - Google Patents
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Description
本発明は以上の従来技術における問題に鑑み、成形原反材を用い強度の強い成形品を形状自由度高くかつ効率よく3次元形状に賦形することができる賦形成形方法及び繊維強化樹脂成形品を提供することを目的とする。
この本発明の賦形成形方法によって、成形型を熱可塑性樹脂材の溶融温度に加熱することによって熱可塑性樹脂を炭素繊維に完全に含侵させて繊維積層によって強化して十分な成形品強度の熱可塑性樹脂材を成形することが可能となる。しかも長い昇温時間によってサイクルタイムが過長になることを予熱することによって防止することができる。
本発明の賦形成形方法でも、対策しない場合には、炭素繊維と熱可塑性樹脂成形材料の積層品を溶融温度で圧縮成形すると、型分割面より熱可塑性樹脂のみ流出し、肉厚が薄くなる問題が生じ得る。
このはみ出し抑制部材によって上述したはみ出しは抑制される。またはみ出し抑制部材自体が積層成形材に用いたと同様に炭素繊維を用いてなるので、このはみ出し抑制部材を載置した部分は得られる成型品と一体化し、はみ出しのない均質な成型品が成型される。 すなわち型分割縁に炭素繊維束を分割線に並行に配置して型締成形すると、樹脂流出をせず、残留炭素繊維に樹脂が含侵し同材質として成形される。特に成形材料を含む炭素繊維束とすると、型に配置し易く、分割面における流出樹脂が炭素繊維束に含侵して、型開き時に炭素繊維単体の繊維屑の発生が少なくなる。
炭素繊維間への熱可塑性樹脂の含浸には通常約5〜30分の時間を要する。
しかし、本発明の賦形成形方法によって、事前に平板形状の積層成形材を準備することによって、その時間を削減して賦形成形の成形サイクルタイムを短縮することができる。
また成形型が製品部型と、製品部型の背面に蓄熱盤を備え、製品部型のヒ−タ−と、蓄熱盤からの熱伝導で製品部型の型温を昇温させることによって、蓄熱盤の存在により、製品部型の昇温が早くなり、製品部型のヒ−タ−の容量を低減することができる。
度を調整し所定の温度に昇温させる工程とすることによって、近赤外線で、予熱対象の分
子を加熱し中芯まで加熱でき、また遠赤外線センサ−によって非接触で正確な温度を検知
することができる。
近赤外線強度を、電圧の連続降下で調整し所定の温度に昇温させることによって近赤外
線で、予熱対象の分子を加熱し、予熱対象を効率よく中芯まで加熱することができる。
炭素繊維束2を用いることにより、最終製品である繊維強化樹脂成形品の力学特性を高いものとすることができる。
先ず成形原反材1を積層し、予備積層成形型(図示せず)で予備圧縮成形した積層成形材5を予備加熱型6で予備加熱する。
予備加熱にあたっては上部より近赤外線放射装置7によって近赤外線で予備加熱型6内の熱盤8上に載置された積層成形材5を加熱し、遠赤外線温度センサ−(図示せず)で積層成形材5の温度を検知し、近赤外線放射装置7による近赤外線の強度を調整し所定の温度に積層成形材5を昇温させる。
一方3次元形状を有する賦形型である成形型9を予熱して成形原反材1の溶融温度に昇温する。次に積層成形材5を予熱された成形型9に収納し、成形型9によって積層成形材5を圧縮する。これによって織物基材3に付着している樹脂材料4を軟化して積層成形材5の層間を接着し、形状を保持させる。
その後成形型9を固化温度に急冷して型を開き離型する。以上の各工程によって成形原反材1を積層して3次元形状に賦形する。
このはみ出し抑制部材CFは炭素繊維束2を織物基材3を用いてなり、したがって積層成形材5の素材である炭素繊維をその素材とする。
第二の実施の形態の賦形成形方法では正方形若しくは直方形の成形原反材1を複数用い、この各成形原反材1を、最上面の成形原反材1のみ織物基材3を上側として樹脂材料4が付着した面を下側にし、それ以外は織物基材3を下側として樹脂材料4が付着した面を上側にして積層し、その積層された積層成形材14を第一の実施の形態と同様に圧縮成形して平板状の平板積層成形品15とする。
この第二の実施の形態は成形型9が正方形平板状若しくは直方形平板状の平板積層成形品15を成形する点で第一の実施の形態の賦形成形方法と異なる。
なお図4(b)、(c)に示すようにこの第二の実施の形態でも積層成形材14を予熱して成形型9へ投入配置する予熱工程の後に、下部型10bに載置した積層成形材14の上部型10aと向き合う側面に炭素繊維によって形成したはみ出し抑制部材CFを載置する工程を行う。
第三の実施の形態の賦形成形方法では、積層成形材14又は平板積層成形品15の投入
配置部分の成形型9内側形状に沿う形状に積層成形材14又は平板積層成形品15を予熱
すると共に予成型として絞り加工を行う点で第一の実施の形態及び第二の実施の形態と異なる。第三の実施の形態の賦形成形方法では、積層成形材14又は平板積層成形品15を
成形型9へ簡易に効率よく投入配置することが可能となる。
この第四の実施の形態の賦形成形方法では、平板積層成形品15を用いて最終製品の成形を行う点で第一の実施の形態の賦形成形方法と異なる。
先ず平板積層成形品15を成形型9に収納する前に予備加熱型6で予熱する。
予備加熱にあたっては上部より近赤外線放射装置7から放射される近赤外線によって平板積層成形品15を加熱し、遠赤外線温度センサ−で平板積層成形品15の温度を検知し、近赤外線放射装置7による近赤外線の強度を調整し所定の温度に平板積層成形品15を昇温させる。
なおこの第四の実施の形態でも平板積層成形品15を予熱して成形型9へ投入配置する予熱工程の後に、下部型10bに載置した平板積層成形品15の上部型10aと向き合う側面に炭素繊維によって形成したはみ出し抑制部材CFを載置する工程を行う。
成分とする樹脂材料4が表面に付着した100mm×100mmの大きさの正方形の成形
原反材1を複数用意した。この各成形原反材1は正方形の辺の方向をそれぞれ0°、90
°方向としたときに、繊維軸方向が概ね0°、90°方向となるものとした。
この各成形原反材1を、最上面の炭素繊維織物のみ樹脂材料4が付着した面を下側に
し、それ以外は樹脂材料4が付着した面を上側にして積層した積層成形材14を得た。
線で積層成形材14を加熱した。遠赤外線温度センサ−で積層成形材14の温度を検知し、
近赤外線放射装置7による近赤外線の強度を調整し積層成形材14を昇温させ予熱した。
近赤外線の強度は、近赤外線放射装置7への通電圧の連続降下で調整した。
蓄熱盤11よりの熱伝導で成形型9の型温を昇温させて予熱した。この予熱された成形型9に予熱した積層成形材14を収納し、下部型10bに載置した積層成形材14の上部型10aと向き合う側面に炭素繊維によって形成したはみ出し抑制部材CFを載置した。次に加圧しながら成形型9の提供する平板状の平板積層成形品形状に変形させた。その後、成形型9を冷却通水経路13に通水することによって急冷し、さらに冷却通水経路13にエア−を印加することによって効率的に水を抜き取り降下させ、冷却によって固化した平板積層成形品15を得た。
表1に以上の各工程における温度、圧力、所要時間を示す。
表2にその各工程における温度、圧力、所要時間を示す。
線で平板積層成形品15を加熱した。遠赤外線温度センサ−で平板積層成形品15の温度を検知し、近赤外線放射装置7による近赤外線の強度を調整し所定の温度に平板積層成形品15を昇温させ予熱した。近赤外線の強度は、近赤外線放射装置7への通電圧の連続降下で調整した。
また上部型16と下部型17とからなる製品部型10内側形状に沿う形状に平板積層成
形品15の絞り加工を行なった。
各製品は図6、図7に示す様に何れの場合も表面性状が良好な3次元形状の皿状製品が得られた。
図8に実施例3の各工程及び使用/設備及び使用/型と、各工程における所要時間を示す。
図に示されるようにアクリル樹脂を主成分とする樹脂材料4を用いた場合で11.5分、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を主成分とする樹脂材料4を用いた場合で13.5分のサイクルタイムでの製造が可能となった。
Claims (3)
- 複数本の炭素繊維束を含む織物基材の少なくとも一方の表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料が付着された成形原反材を裁断し積層した積層成形材を成形型に投入配置し、加圧、加熱して複数本の炭素繊維束を含む織物基材に付着している樹脂材料を溶融して繊維間及び成形原反材の層間を接着する賦形成形方法において、賦形をする上部型と下部型とからなる成形型を溶融温度に昇温する工程と、積層成形材を予熱して成形型へ投入配置する予熱工程と、その予熱工程を行った後に、上下型の分割線に沿って積層成形材が型と向き合う面に炭素繊維を束にしたはみ出し抑制部材を載置する工程と、成形型を型締し加圧する工程と、成形型を固化温度に冷却して型を開き離型する工程とを有することを特徴とする賦形成形方法。
- 複数本の炭素繊維束を含む織物基材の少なくとも一方の表面に熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料が付着された成形原反材を裁断し積層した積層成形材を成形型に投入配置し、加圧、加熱して複数本の炭素繊維束を含む織物基材に付着している樹脂材料を溶融して繊維間及び成形原反材の層間を接着する賦形成形方法において、賦形をする上部型と下部型とからなる成形型を溶融温度に昇温する工程と、積層成形材を予熱して成形型へ投入配置する予熱工程と、その予熱工程を行った後に、上下型の分割線に沿って積層成形材が型と向き合う面に炭素繊維を束にしたはみ出し抑制部材を載置する工程と、成形型を型締し加圧する工程と、成形型を固化温度に冷却して型を開き離型する工程と、を行い平板形状の平板積層成形品を成形する工程と、前記平板積層成形品を所定の形状に裁断する工程と、賦形をする成形型を溶融温度に昇温する工程と、前記平板積層成形品を予熱して成形型へ投入配置する予熱工程と、その予熱工程を行った後に、平板積層成形品の上部型と向き合う側面に炭素繊維によって形成したはみ出し抑制部材を載置する工程と、成形型を型締し加圧する工程と、成形型を固化温度に冷却して型を開き離型する工程とを有することを特徴とする賦形成形方法。
- はみ出し抑制部材を予熱することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の賦形成形方法。
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