JP2013045737A - 異方導電性フィルム、接続構造体、及び接続構造体の製造方法 - Google Patents

異方導電性フィルム、接続構造体、及び接続構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】相対する電極間の優れた接続信頼性と、隣接する電極間の優れた絶縁信頼性とを与える異方導電性フィルム、並びにこれを用いた接続構造体の製造方法、及び該方法によって製造される接続構造体の提供。
【解決手段】導電性粒子層と、該導電性粒子層に積層された絶縁性接着剤層とを有し、該導電性粒子層は、絶縁性樹脂を含むバインダーと、導電性粒子とからなり、該絶縁性接着剤層の100℃における粘度に対する、該バインダーの100℃における粘度の比が、10〜1000である、異方導電性フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、異方導電性フィルム、並びにこれを用いて、相対するICチップ電極と回路基板電極とを電気的に接続する接続構造体の製造方法、及び該方法によって製造される接続構造体に関する。
異方導電性フィルムは、一般に、絶縁性接着剤中に導電性粒子を分散させたフィルムであり、相対するICチップ電極と回路基板電極とを接続するために用いられる接続部材である。異方導電性フィルムは、例えば、有機基板とICチップとの間、又はガラス基板とICチップとの間の接続用として、主としてフラットパネルディスプレイ分野で広範に用いられている。
一方、ICチップにおいては、高集積化及び高周波数化が進んでいる。よって、有機基板上にICチップを実装するために、従来の方法に加え、配線長を短くすることが可能な異方導電性フィルム用いたICチップ積層化接続、及びインターポーザーへの接続に対する要求が高まっている。
これまで、ICチップ電極のような微細回路を接続するための異方導電性フィルムに関して、短絡防止のため、導電性粒子と同等の線膨張係数をもつ絶縁性粒子を配合する方法(特許文献1参照)、導電性粒子の表面を電気絶縁樹脂で被覆する方法(特許文献2参照)、及び、導電性粒子を含む層と導電性粒子を含まない層とを積層することによって、隣接する回路間の短絡を防止する方法(特許文献3及び4参照)、等が公知である。また、導電性粒子を単層に配列し、異方導電性フィルム中の導電性粒子を低減し、接続−絶縁のバランス化を図る方法が公知である(特許文献5参照)。
特開平6−349339号公報 特許第2895872号公報 特公平7−99644号公報 特開平6−45024号公報 国際公開第2005/054388号パンフレット
しかしながら、これら公知の方法を用いた場合でも、接続性を確保するために導電性粒子の配合量を多くした場合、短絡が発生してしまうという課題があった。
さらに、接続したICチップ下から流れ出した導電性粒子が多い場合、ICチップ周辺の異方導電性フィルムの液だまり部分、いわゆるフィレット部分で導電性粒子の滞留箇所が生じる場合がある。この場合、回路基板上の端子間、ICチップ内の回路と接続電極との間、ICチップの電極間、ICチップの電極と回路基板上の電極との間等で短絡が発生し、又は絶縁抵抗の低下が生じるという課題があった。
本発明が解決しようとする課題は、相対する電極間の優れた接続信頼性と、隣接する電極間の優れた絶縁信頼性とを与える異方導電性フィルム、並びに、このような異方導電性フィルムを用いて、相対するICチップ電極と回路基板電極との間の電気的に接続する際に、ICチップの隣接する電極間、及びICチップと相対する回路基板における隣接する電極間の優れた絶縁信頼性と共に、接続された相対する電極間の優れた接続信頼性を実現する、接続構造体の製造方法、及び該方法によって製造される接続構造体を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の異方導電性接着フィルムを用いることで上記課題の解決が得られることを見出し、本発明をなすに至った。即ち、本発明は、下記の通りである。
[1] 導電性粒子層と、該導電性粒子層に積層された絶縁性接着剤層とを有し、
該導電性粒子層は、絶縁性樹脂を含むバインダーと、導電性粒子とからなり、
該絶縁性接着剤層の100℃における粘度に対する、該バインダーの100℃における粘度の比が、10〜1000である、異方導電性フィルム。
[2] 上記導電性粒子層において、上記導電性粒子の平均粒径に対する上記導電性粒子の平均粒子間隔の比が、0.5〜10である、上記[1]に記載の異方導電性フィルム。
[3] 上記バインダーの100℃における粘度が3000Pa.s〜500000Pa.sであり、かつ上記絶縁性接着剤層の100℃における粘度が100Pa.s〜10000Pa.sである、[1]又は[2]に記載の異方導電性フィルム。
[4] 上記絶縁性接着剤層の100℃における粘度に対する、上記バインダーの100℃における粘度の比が、100〜300である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の異方導電性フィルム。
[5] 上記絶縁性接着剤層が、カチオン硬化性樹脂及びカチオン硬化剤を含む、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の異方導電性フィルム。
[6] 回路基板と、ICチップと、該回路基板及び該ICチップを接続する異方導電性フィルムとを有する接続構造体の製造方法であって、
上記[1]〜[5]のいずれかに記載の異方導電性フィルムを用いて、ICチップの電極と、回路基板とを熱圧着によって接続する工程を含む、接続構造体の製造方法。
[7] 上記回路基板の線膨張係数が、2.5×10-6-1〜8×10-6-1である、上記[6]に記載の接続構造体の製造方法。
[8] 上記回路基板が、シリコン又は酸化アルミニウムで構成されている、上記[6]又は[7]に記載の接続構造体の製造方法。
[9] 上記熱圧着によって上記ICチップの外周に異方導電性フィルムのフィレット部が形成され、
異方導電性フィルムの単位面積当たりの導電性粒子数に対する、該フィレット部の単位面積当たりの導電性粒子数の比が、1〜3である、上記[6]〜[8]のいずれかに記載の接続構造体の製造方法。
[10] 上記導電性粒子の平均粒径に対する、上記ICチップの外周部から最外周電極までの距離の比が、5〜300である、上記[6]〜[9]のいずれかに記載の接続構造体の製造方法。
[11] 上記[6]〜[10]のいずれかに記載の方法により製造される、接続構造体。
本発明によれば、相対する電極間の優れた接続信頼性と、隣接する電極間の優れた絶縁信頼性とを与える異方導電性フィルムが提供される。更に、本発明によれば、このような異方導電性フィルムを用いて、相対するICチップ電極と回路基板電極との間を電気的に接続する際に、優れた絶縁信頼性と共に優れた接続信頼性を実現する、接続構造体の製造方法及び該方法によって製造される接続構造体が提供される。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<異方導電性フィルム>
本発明の一態様は、導電性粒子層と、該導電性粒子層に積層された絶縁性接着剤層とを有し、該導電性粒子層は、絶縁性樹脂を含むバインダーと、導電性粒子とからなり、該絶縁性接着剤層の100℃における粘度に対する、該バインダーの100℃における粘度の比が、10〜1000である、異方導電性フィルムを提供する。
[導電性粒子層]
導電性粒子層は、導電性粒子と絶縁性樹脂とを含み、より典型的には導電性粒子及び絶縁性樹脂とからなる。絶縁性樹脂として後述の硬化性樹脂を用いる態様においては、導電性粒子層が硬化剤を更に含有する。
(導電性粒子)
本実施の形態に用いられる導電性粒子としては、金属粒子、高分子核材に金属薄膜を形成した粒子、等を用いることができる。金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、錫、鉛、インジウム、パラジウム等の単体の粒子、これらの金属の2種以上が層状又はグラデーション状に組み合わされている粒子、及び、これらの金属の2種以上の組み合わせによる合金、半田等が例示される。2種以上の金属が層状に組み合わされている粒子としては、銅にニッケルめっきした粒子、銅に半田めっきした粒子、ニッケルに金めっきした粒子等が例示される。2種以上の金属がグラデーション状に組み合わされている粒子としては、中心部が銅、表層部が銀であり、そして中間部は、中心部に近い側から遠い側に向かって銅リッチから銀リッチに連続的に組成が変化している粒子等が例示される。融点が150℃以上500℃以下の合金粒子又は半田粒子を用いる場合は、予め粒子表面をいわゆるフラックスで被覆しておくことが好ましい。フラックスを用いることは、例えば粒子表面の酸化物を取り除くという効果が得られる点で好ましい。フラックスとしては、アビエチン酸等の脂肪酸を用いることができる。
高分子核材を金属薄膜で被覆した粒子としては、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン樹脂、NBR、SBR等のポリマーから選ばれる1種又は2種以上の組み合わせで形成された高分子核材を、めっき等により金属被覆した粒子が例示される。金属薄膜の厚みは、接続安定性と粒子の凝集性の観点から、0.005μm以上1μm以下であることが好ましい。
導電性粒子は、球状であることが好ましく、その場合、真球に近いものがより好ましい。導電性粒子の長径(最大径)に対する短径(最小径)の比としては0.5以上が好ましく、0.7以上が更に好ましく、0.9以上が一層好ましい。長軸に対する短軸の比の最大値は1である。
導電性粒子は、表面が絶縁樹脂、絶縁樹脂粒子、又は無機粒子等で絶縁被覆された粒子であってもよく、また、微小突起を表面に有する金平糖型の粒子であってもよい。
導電性粒子の平均粒径は、接続しようとする電極の、隣接電極間距離よりも小さい必要がある。加えて、該平均粒径は、接続しようとする電子部品の電極高さのバラツキよりも大きいことが好ましい。そのため、導電性粒子の平均粒径は0.5μm以上300μm以下であることが好ましく、より好ましくは1.0μm以上200μm以下、更に好ましくは、2.0μm以上100μm以下、特に好ましくは3.0μm以上50μm以下である。導電性粒子の粒径分布の標準偏差は平均粒径の50%以下であることが好ましい。また、接続する電極高さに対する該平均粒径の比は、0.1〜1の範囲であることが好ましく、0.3〜0.7の範囲であることがより好ましい。上記比が0.1以上であれば、電極傾き及び電極高さバラツキを緩和でき、接続性が良好であり、好ましい。また上記比が1以下であれば、接続部以外のICチップの内部回路を損傷することが無く好ましい。上記の平均粒径は、レーザー式粒度分布計による測定、又は、マイクロスコープ等による拡大画像を画像処理ソフトウェア(例えば「A像君」(旭化成株式会社製))で処理する方法で測定される値である。
(バインダー)
本実施の形態に用いられるバインダーは絶縁性樹脂を含む。絶縁性樹脂は、典型的には、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、及び電子線硬化性樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を含有する。これら樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、SBR、SBS、NBR、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、スチレンブタジエン樹脂、及びカルボキシル変性ニトリル樹脂が挙げられる。これらの樹脂は変性樹脂であってもよい。特に、密着性の観点から、絶縁性樹脂は、エポキシ樹脂又はオキセタン樹脂を含有することが好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラメチレンビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エーテル型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂はハロゲン化又は水素添加されていてもよく、またウレタン変性、ゴム変性、シリコーン変性等の変性エポキシ樹脂でもよい。
また、フィルム形成性、接着性、及び硬化時の応力緩和を付与する目的で、絶縁性樹脂は高分子樹脂を含有することが好ましい。高分子樹脂としては前記した熱可塑性樹脂のうち、数平均分子量が10000〜1000000のものが好ましい。数平均分子量が10000〜1000000の成分の含有量は、絶縁性樹脂全体の2〜80質量%であることが好ましい。上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いてポリスチレン換算にて測定したときの値を意味する。
絶縁性樹脂のガラス転移温度は、好ましくは80〜250℃、より好ましくは100〜200℃である。ガラス転移温度が80℃以上である場合、接着性の点で有利であり、250℃以下である場合、応力緩和の点で有利である。
絶縁性樹脂は硬化性樹脂であることができる。この場合、導電性粒子層は硬化剤を更に含有する。例えばカチオン硬化性樹脂とカチオン硬化剤との組合せを用いることができる。カチオン硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂及びオキセタン樹脂が挙げられる。硬化剤としては、潜在性硬化剤が好ましい。潜在性硬化剤としては、マイクロカプセル型潜在性硬化剤、熱カチオン硬化剤等が挙げられる。
マイクロカプセル型潜在性硬化剤としては、硬化剤の表面を樹脂皮膜等で安定化したものが好ましい。このような硬化剤によれば、接続時の熱及び/又は荷重で樹脂皮膜が破壊され、硬化剤がマイクロカプセル外に拡散し、硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂又はオキセタン樹脂)と反応する。エポキシ樹脂との組合せで用いる場合のマイクロカプセル型潜在性硬化剤としては、アミンアダクト、イミダゾールアダクト等のアダクト型硬化剤をマイクロカプセル化した潜在性硬化剤が、安定性と硬化性とのバランスの観点から好ましい。上記のマイクロカプセル型潜在性硬化剤は、好ましくは、エポキシ樹脂100質量部に対して2〜100質量部の量で用いられる。
熱カチオン硬化剤としては、芳香族スルホニウム塩型硬化剤が好ましい。熱カチオン硬化剤は、硬化性樹脂中に均一配合でき、触媒型で硬化できるため、低温、短時間での硬化が可能であり、溶剤安定性も良好であるという観点から好ましい。芳香族スルホニウム塩型硬化剤における陰イオンとしては、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、テトラキスペンタハロゲン化フェニルボレート等を用いることができる。中でも、不純物イオンを低減できるという観点から、テトラキスペンタハロゲン化フェニルボレートが好ましく、テトラキスペンタフルオロフェニルボレートが特に好ましい。
好ましい態様において、導電性粒子層中の導電性粒子は、1層で(すなわち層厚み方向において互いに重ならないように)分散配列されている。このような1層での分散配列は、相対する電極間の良好な接続信頼性と、隣接する電極間の良好な絶縁信頼性との両立のために有利である。
導電性粒子の平均粒径に対する導電性粒子層の厚みの比は、0.5〜3の範囲であることが好ましく、0.6〜2の範囲であることがより好ましく、0.8〜1.5の範囲であることが更に好ましく、0.9〜1.2の範囲であることが更に好ましい。上記比が0.5〜3の範囲である場合、接続性と導電粒子の流動抑制とがともに良好であり好ましい。
導電性粒子層においては、導電性粒子の平均粒径に対する導電性粒子の平均粒子間隔の比が、0.5〜10の範囲であることが好ましく、1.0〜5の範囲であることがより好ましい。平均粒子間隔とは、マイクロスコープ等による拡大画像について画像処理ソフトウェア(例えば「A像君」(旭化成株式会社製))により計測する方法で測定される粒子間距離の数平均である。上記比が0.5以上であれば、導電性粒子の凝集による短絡が起こり難い点で好ましく、10以下であれば接続安定性の実現に必要な導電性粒子数を確保しやすい点で好ましい。
導電性粒子層中での導電性粒子の分散配列状態としては、略正三角形状の分散配列が好ましい。略正三角形状の分散配列においては、近接する導電性粒子の間隔が等間隔に近いため、接続される電極上に位置する導電性粒子の数が、電極間でほぼ一定であり、接続部の導電性粒子数のバラツキが少なく、接続抵抗が均一化するため、好ましい。
導電性粒子層中の導電性粒子は、接続安定性の観点から、全粒子数の90%以上が単独で(すなわち凝集せずに)存在していることが好ましい。
導電性粒子層中の導電性粒子が凝集している場合、接続安定性の観点から、凝集体を構成する導電性粒子の個数は3個以下であることが好ましい。
導電性粒子層におけるバインダーの100℃における粘度は3000Pa.s〜500000Pa.sの範囲であることが好ましく、5000Pa.s〜300000Pa.sの範囲であることがより好ましく、10000Pa.s〜200000Pa.sの範囲であることが更に好ましい。上記粘度が3000Pa.s以上であれば、接続時の導電性粒子の流動を抑制しやすく、好ましい。また、上記粘度が500000Pa.s以下であれば、接続抵抗値が良好であり好ましい。
本実施の形態において、バインダーの粘度は、導電性粒子層の構成成分のうち導電性粒子以外の成分の粘度である。バインダーの100℃における粘度は、レオメータにより測定することができる。具体的には、バインダーのシートを作製し、60℃/分の昇温条件で測定することが好ましい。
[絶縁性接着剤層]
絶縁性接着剤層は、導電性粒子を本質的に含まない。絶縁性接着剤層は、導電性粒子を含まない他は上述した導電性粒子層と同様の材料で構成できる。但し、絶縁性接着剤層の100℃における粘度に対する、導電性粒子層におけるバインダーの100℃における粘度の比が、10〜1000の範囲であるように、両層の構成材料を選択する。異方導電性フィルムにおいて絶縁性接着剤層が導電性粒子層と積層されていることによって、異方導電性フィルムを介して相対する電極間を電気的に接続する際に、相対する電極間での良好な接続信頼性と、隣接する電極間での良好な絶縁信頼性とを実現できる。例えば、相対するICチップ電極と回路基板電極とを接続する際、接続部(すなわち電極部分)においては、異方導電性フィルムが圧着された状態となるため、導電性粒子は比較的高粘度である導電性粒子層の内部に留まっている。一方、接続部以外の部分では、異方導電性フィルムにかかる圧力が低く、比較的低粘度である絶縁性接着剤層に向かって導電性粒子が流動できるため、導電性粒子層内の導電性粒子の存在密度が接続部と比べて低くなる。これにより、相対する電極間での良好な接続信頼性と、隣接する電極間での良好な絶縁信頼性との両立という効果が良好に得られる。
好ましい態様において、絶縁性接着剤層は、カチオン硬化性樹脂及びカチオン硬化剤を含む。カチオン硬化性樹脂及びカチオン硬化剤の好ましい組合せとしては、エポキシ樹脂及び/又はオキセタン樹脂と、スルホニウム塩型カチオン硬化剤、好ましくは陰イオンがテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートであるスルホニウム塩型カチオン硬化剤との組合せが挙げられる。
接続される電極の高さの和(すなわち、相対する電極の高さの和)に対する、絶縁性接着剤層の膜厚の比は、0.7〜1.2の範囲であることが好ましく、0.8〜1.1の範囲であることがより好ましい。上記比は、接着強度の観点から、0.7以上が好ましく、接続抵抗の観点から、1.2以下が好ましい。絶縁性接着剤層は、硬化性樹脂及び硬化剤に加えて、各種添加剤を含んでもよい。
絶縁性接着剤層の100℃における粘度は、100Pa.s〜10000Pa.sの範囲であることが好ましく、200Pa.s〜5000Pa.sの範囲であることがより好ましく、300Pa.s〜1000Pa.sの範囲であることが更に好ましい。ハンドリング性の観点から100Pa.s以上が好ましく、接続安定性の観点から10000Pa.s以下が好ましい。100℃における粘度の測定方法は、導電性粒子層におけるバインダーの粘度測定と同様である。
異方導電性フィルムにおいて、絶縁性接着剤層の100℃における粘度に対する、導電性粒子層におけるバインダーの100℃における粘度の比は、10〜1000の範囲であり、好ましくは50〜500の範囲であり、より好ましくは80〜400の範囲であり、更に好ましくは100〜300の範囲である。上記比が10以上であれば、接続時に導電性粒子の流れ出しを抑制でき、1000以下であれば、接続抵抗安定化が可能である。
異方導電性フィルムの好ましい態様においては、導電性粒子層におけるバインダーの100℃における粘度が3000Pa.s〜500000Pa.sであり、かつ絶縁性接着剤層の100℃における粘度が100Pa.s〜10000Pa.sである。このような導電性粒子層と絶縁性接着剤層との組合せによれば、導電性粒子の流れ出しの防止効果、及び接続抵抗安定化の効果が特に良好に実現される。
異方導電性フィルムの、導電性粒子層におけるバインダー、及び絶縁性接着剤層は、それぞれ、各種添加剤,例えば絶縁粒子、充填剤、軟化剤、硬化促進剤、安定剤、着色剤、難燃剤、流動調整剤、カップリング剤等を含有することもできる。
絶縁性粒子、充填剤等の固形物を配合する場合、これらの最大粒径は、導電性粒子の平均粒径未満であることが好ましい。またカップリング剤としては、エポキシ基、ケチミン基、ビニル基、アクリル基、アミノ基、イソシアネート基等のうち1種以上を有するシランカップリング剤が、密着性の観点から好ましい。
[異方導電性フィルムの製造]
次に異方導電性フィルムの製造方法について例示する。異方導電性フィルムの製造方法としては、以下の方法を例示できる。
(1)予め分散配列させた導電性粒子を、前述のバインダーからなる層(以下、バインダー層ともいう)に転写して導電性粒子層を形成し、更に該導電性粒子層(好ましくは導電性粒子が転写されている面)を絶縁性接着剤層にラミネートする方法。
(2)予めバインダー層と絶縁性接着剤層とを積層し、バインダー層側に、予め分散配列させた導電性粒子を転写する方法。
(3)予め分散配列させた導電性粒子上にバインダー層をコーティングし、更にバインダー層(好ましくは導電性粒子が転写されている面)を絶縁性接着剤層にラミネートする方法。
導電性粒子を分散配列させる方法としては、予め所定の位置に窪みを形成し、その窪みに導電性粒子を充填する方法、及び、2軸延伸可能なフィルム上に粘着剤層を形成し、その上に導電性粒子を単層充填し、導電性粒子が分散配列するようにフィルムを延伸し、導電性粒子が分散配列されているとともに延伸されている状態を保ったまま固定する方法、を用いることができる。導電性粒子の転写性、及び導電性粒子の凝集抑制の観点から、上記のうち後者の方法、すなわち、導電性粒子を充填したフィルムを延伸する方法が好ましい。
<接続構造体の製造方法及び接続構造体>
本発明の別の態様は、回路基板と、ICチップと、該回路基板及び該ICチップを接続する異方導電性フィルムとを有する接続構造体の製造方法であって、
上述の異方導電性フィルムを用いて、ICチップの電極と、回路基板とを熱圧着によって接続する工程を含む、接続構造体の製造方法を提供する。
本実施の形態に用いる回路基板としては、シリコン、酸化アルミニウム(アルミナ)、ガリウム砒素、ガラス等を材料とする無機基板が好ましい。より典型的な態様において、回路基板は、シリコン又は酸化アルミニウムで構成されている。また、回路基板がICチップであり、接続構造体がICチップ積層の構造をとることも好適である。複数のICチップを積層する場合、ICチップ内に貫通回路を設け、上面側に回路電極を設け、裏面側に電極を形成することが好ましい。また、回路電極面に別途ワイヤーボンディング用の電極を設け、ワイヤーボンディングにより他の回路基板との電気的接続を形成することもできる。
ICチップの電極配置としては、チップ下面のほぼ全面に電極が配置されている全面配置、チップ下面の中心部を除く部分に電極が配置されている周辺面配置、チップ下面端部の2辺又は4辺に電極が配置されている2辺配置又は4辺配置等が挙げられる。更に、2辺配置又は4辺配置としては、電極の一部又は全部が2列以上に配置されている千鳥配置等も挙げられる。
本実施の形態に用いる回路基板の線膨張係数は2.5×10-6-1〜8×10-6-1の範囲であることが好ましい。ICチップと回路基板とが接続されてなる接続構造体の反りによる特性変化を制御する観点から、上記範囲の線膨張係数が好ましい。
チップ形状は、正方形、長方形等の形状であることができる。長方形の場合、応力緩和の観点から長辺と短辺との比が1〜30の範囲であることが好ましい。
本実施の形態においては、異方導電性フィルム中の導電性粒子の平均粒径に対する、ICチップの外周部からICチップの最外周電極までの距離の比は、5〜300の範囲であることが好ましく、10〜100の範囲であることがより好ましい。最外周電極とは、ICチップに形成されている複数の電極のうち最外周に位置するものを意味する。
上記比が5以上の場合、ICチップの接続部(すなわち電極部分)から流れ出た導電性粒子が非接続部(すなわち電極以外の部分)に滞留する場合でも、電極端子間での短絡が起こり難く好ましい。上記比が300以下の場合、ICチップの接続部から流れ出る導電性粒子の量が少ないため、回路基板における回路部分での短絡防止の観点から好ましい。
本実施の形態において、典型的には、熱圧着によってICチップの外周に異方導電性フィルムのフィレット部が形成される。この場合、電極端子間での短絡防止の観点から、異方導電性フィルムの単位面積当たりの(すなわち異方導電性フィルム全体の平均としての単位面積当たりの)導電性粒子数に対する、フィレット部の単位面積当たりの導電性粒子数の比が、1〜3の範囲であることが好ましい。フィレット部とは、熱圧着によってチップ外周に流れ出た異方導電性フィルムがチップ外周部に沿って盛り上がった部分である。フィレット部の厚みは、異方導電性フィルムの種類及び熱圧着条件に応じて変わるが、一例では、熱圧着部(すなわち接続部)における異方導電性フィルム厚みの5〜40倍程度である。一般に、フィレット部は電極端子間の短絡を招来しやすい。本実施の形態によれば、導電性粒子層と絶縁性接着剤層とを有する異方導電性フィルムによって、このようなフィレット部における導電性粒子の存在密度を低減でき、これにより電極端子間の短絡を防止できる。特に、上記比が1〜3の範囲であれば、フィレット部における導電性粒子の存在密度が低いことによる短絡防止効果が一層良好に実現される。
フィレット部の単位面積当たりの導電性粒子数は、異方導電性フィルムが熱圧着前よりも厚く盛り上がった部分について、導電性粒子数をこの部分の面積(具体的には回路基板との接触面の面積)で除することで算出することができる。フィレット部の導電性粒子数は、具体的にはレーザー顕微鏡を用いて計測可能である。フィレット部のみを取り出して導電性粒子数を計測することも可能である。一方、異方導電性フィルムの単位面積当たりの導電性粒子数は、光学顕微鏡等で異方導電性フィルム表面全体の拡大画像を撮影し、画像中の導電性粒子数を計測してフィルム面積で除することにより算出することができる。
ICチップの接続電極は、アルミニウム、銅、ニッケル、タングステン、チタン、及び銀から選ばれる1種又は2種以上の金属からなる単層又は複層の電極であることが好ましい。また、それら電極上に金、半田、又は銅からなる凸電極を形成したものを用いることが好ましい。接続電極の接続部以外の部分は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、ポリイミド等の絶縁膜で覆われていることが好ましい。
各接続電極の面積は、500μm2〜10000μm2の範囲であることが好ましく、1000μm2〜5000μm2の範囲であることがより好ましい。
一方、回路基板の回路電極は、アルミニウム、ニッケル、銅、タングステン、チタン、タンタル、モリブデン、インジウムスズ酸化物、及びインジウム亜鉛酸化物から選ばれる1種又は2種以上からなる単層又は複層の電極であることが好ましい。回路電極の接続部以外の部分は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、ポリイミド等の絶縁膜で覆われていることが好ましい。
本発明の別の態様は、上述したような方法で製造される接続構造体を提供する。得られる接続構造体の具体例は、メモリ用IC、ロジック用IC、メモリ及びロジック混載パッケージ等である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
バインダー層A
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度:84℃、数平均分子量:9500)90g,ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量:190、25℃における粘度:14000mPa.s)10g、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン1.5g、酢酸エチル250gを混合しバインダー層A用ワニスを得た。このワニスを厚さ38μmの剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、60℃で15分間乾燥し、膜厚2.2μmのバインダー層Aを得た。同様の方法で粘度測定用のシートを作製し、レオメータ(60℃/分で昇温)で100℃における粘度を測定したところ、35000Pa.sであった。
絶縁性接着剤層B
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度:91℃、数平均分子量:11300)40g,ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量:190、25℃における粘度:14000mPa.s)10g、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン1.0gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合質量比1:1)に溶解し、固形分50質量%の溶液を得た。マイクロカプセル型潜在性イミダゾール硬化剤を含有する液状エポキシ樹脂(マイクロカプセルの平均粒径:5μm、活性温度:123℃、液状エポキシ樹脂)50g(液状エポキシ樹脂33.5g含有)を前記固形分50質量%溶液に混合分散させた。得られた分散液を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ベースフィルム)上に塗布し、60℃で15分間送風乾燥し、厚さ16μmの絶縁性接着剤層Bを得た。同様の方法で粘度測定用のシートを作製し、レオメータ(60℃/分で昇温)で100℃における粘度を測定したところ、450Pa.sであった。
導電性粒子分散配列シートC
厚さ100μmの無延伸共重合ポリプロピレンフィルム上に、粘着層としてニトリルゴムラテックス−メチルメタアクリレートのグラフト共重合体接着剤を4μmの厚みで塗布したものに平均粒径3.8μmの金めっきプラスチック粒子(アクリル樹脂に金めっきがされた粒子)(導電性粒子)をほぼ隙間無く単層充填した。すなわち、該粘着層表面に導電性粒子が重なるように敷き詰め、その後、過剰な導電性粒子を軟質ゴムからなるスクレバーで掻き落とした。500倍拡大表面画像を画像処理ソフトウェア(A像君、旭化成株式会社製)で計測する方法で算出した充填率は80%であった。
このフィルムを2軸延伸装置(東洋精機製X6H−S、パンタグラフ方式のコーナーストレッチ型の2軸延伸装置)を用いて縦横にそれぞれ10個のチャックを用いて固定し、135℃で120秒予熱し、その後、10%/秒の速度で2.4倍延伸して固定し、導電性粒子分散配列シートCを得た。マイクロスコープを用いて、導電性粒子数を測定したところ、シート表面の100μm×100μmの範囲内の導電性粒子数は132個であった。導電性粒子の平均粒子間隔を計測したところ12.1μmであり、導電性粒子は略正三角形に分散配列しており、凝集粒子は0個であった。
異方導電性フィルムD
上記導電性粒子分散配列シートCの導電性粒子分散配列面にバインダー層Aを積層し、80℃及び0.4MPaの条件でラミネートし、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、その剥離面に絶縁性接着剤層Bを積層し、55℃、0.6MPaの条件でラミネートし、その後粘着剤付きのポリプロピレンフィルムを剥がし、異方導電性フィルムDを得た。
[実施例2]
バインダー層E
4−メトキシフェニル−β−ナフチルメチルメチルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.5gを加え、乾燥温度を50℃とし、膜厚を2.8μmとした以外は実施例1と同様にしてバインダー層Eを得た。100℃における粘度は35500Pa.sであった。
絶縁性接着剤層F
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度:91℃、数平均分子量:11300)60g、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量:190、25℃における粘度:14000mPa.s)40g、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン1.0gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合質量比1:1)に溶解し、固形分50質量%溶液を得た。4−メトキシフェニル−β−ナフチルメチルメチルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート2.0gを前記固形分50質量%溶液に混合分散させた。得られた分散液を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ベースフィルム)上に塗布し、50℃で15分間送風乾燥し、厚さ16μmの絶縁性接着剤層Fを得た。同様の方法で粘度測定用のシートを作製し、レオメータ(60℃/分で昇温)で100℃における粘度を測定したところ、800Pa.sであった。
異方導電性フィルムG
導電性粒子分散配列シートCの導電性粒子分散配列面にバインダー層Eを積層し、55℃及び0.8MPaの条件でラミネートし、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、その剥離面に絶縁性接着剤層Fを積層し、55℃、0.6MPaの条件でラミネートし、その後、粘着剤付きのポリプロピレンフィルムを剥がし、異方導電性フィルムGを得た。
[実施例3]
バインダー層H
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度:84℃、数平均分子量:9500)95g,ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量:190、25℃における粘度:14000mPa.s)5g、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン1.2g、酢酸エチル250gを混合しバインダー層H用ワニスを得た。このワニスを厚さ38μmの剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、60℃で15分間乾燥し、膜厚2.2μmのバインダー層Hを得た。同様の方法で粘度測定用のシートを作製し、レオメータ(60℃/分で昇温)で100℃における粘度を測定したところ、113000Pa.sであった。
バインダー層Aに代えてバインダー層Hを使用する以外は、実施例1と同様にして異方導電性フィルムIを得た。
[比較例1]
異方導電性フィルムJ
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度:91℃、数平均分子量:11300)60g、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量:190、25℃における粘度:14000mPa.s)40g、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン1.0gを酢酸エチル−トルエンの混合溶剤(混合質量比1:1)に溶解し、固形分50質量%溶液を得た。4−メトキシフェニル−β−ナフチルメチルメチルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート2.0g、平均粒径3.8μmの金めっきプラスチック粒子(アクリル樹脂に金メッキがされた粒子)(導電性粒子)を前記の固形分50質量%溶液に混合分散させた。導電性粒子の添加量は、乾燥後の単位面積当たりの導電性粒子数が50000個/mm2となるようにした。得られた分散液を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ベースフィルム)上に塗布し、50℃で15分間送風乾燥し、膜厚18μmの異方導電性フィルムJを得た。
[比較例2]
バインダー層K
フェノキシ樹脂(ガラス転移温度:84℃、数平均分子量:9500)50g,ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量:190、25℃における粘度:14000mPa.s)50g、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン0.5g、酢酸エチル250gを混合しバインダー層K用ワニスを得た。このワニスを厚さ38μmの剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、60℃で15分間乾燥し、膜厚3.5μmのバインダー層Kを得た。同様の方法で粘度測定用のシートを作製し、レオメータ(60℃/分、昇温)で100℃粘度を測定したところ、820Pa.sであった。
異方導電性フィルムL
絶縁性接着剤層Bにバインダー層Kを積層し、55℃及び0.6MPaの条件でラミネートし、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、その剥離面に導電性粒子分散配列シートCを積層し、55℃及び0.6MPaの条件でラミネートし、その後、粘着剤付きのポリプロピレンフィルムを剥がし、異方導電性フィルムLを得た。
(測定用ICチップ)
縦横各7.3mm、厚み725μmのシリコンチップ上に、アルミニウム99.5%及び銅0.5%(各々、原子%)、厚み0.5μm、50μm角の接続電極を、接続パッドピッチ60μmで4辺端部(端部からの距離120μm)に形成した(電極バッド数448バッド)。電極パッドのうち100パッドは、デイジーチェインで抵抗測定できるよう2パッドずつ接続し、別の辺の100パッドは櫛形電極で絶縁抵抗測定できるように独立電極パッドとした。接続パッドの接続部には52μm角及び0.1μm厚でチタン薄膜を形成した。次いで50μm角の接続パッド部開口部以外にはプラズマ−窒化ケイ素の絶縁膜を0.3μm厚みで形成した。その後接続パッド開口部に15μm厚みで金バンプを形成した。
(測定用回路基板)
縦横各30mm、厚み725μmのシリコンチップ上に、アルミニウム99.5%銅及び0.5%(各々、原子%)、厚み0.5μmの接続電極を、上記ICチップと相対する位置に形成した。上記チップのデイジーチェインに対応する箇所の回路電極はデイジーチェインが形成されるよう2パッドずつ接続し、4端子抵抗測定できるよう引き出し配線及び測定電極を形成した。また、ICチップの櫛形電極に対応する箇所の回路電極は1電極毎に櫛形電極となるように接続し、抵抗測定できるよう引き出し配線及び測定電極を形成した。回路電極パッドの接続部には52μm角及び0.2μm厚みでインジウム錫酸化物薄膜を形成し、ついで50μm角の接続パッド開口部、及び測定電極部以外の全面に0.3μm厚みの酸化ケイ素の絶縁膜を形成した。
(測定用接続構造体)
測定用回路基板上に、接続パッドが覆われるように8mm角の異方導電性フィルムを載せ、80℃で3秒間加熱し、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がした。その後、接続パッドの位置を合わせて、測定用ICチップを載せ、その上から40MPa(総電極面積に対して)、190℃、10秒(180℃までの到達時間1秒)の条件で熱圧着し、測定用接続構造体を得た。
(接続抵抗値評価)
測定用接続構造体の抵抗測定用電極について、デジタルハイテスター(3239、日置電機株式会社製)を用い、4端子法で接続抵抗値を測定した。
(絶縁抵抗評価)
イオンマイグレーション測定装置(AVI−140−S−50、エスペック株式会社製)を用い、測定用接続構造体を85℃、85%相対湿度中に保持しながら、定電圧定電流電源を用いて、対になる引き出し配線間に50Vの直流電圧を印加した。この配線間の絶縁抵抗を5分間毎に測定し、絶縁抵抗値が10MΩ以下になるまでの時間を測定し、その値を絶縁低下時間とした。この絶縁低下時間が500時間未満の場合を×、500時間以上の場合を○とした。
(単位面積当たりの導電性粒子数)
フィレット部、及び異方導電性フィルム全体について、マイクロスコープ(VHX−100、株式会社キーエンス製)によって撮影した表面画像から、単位面積当たりの導電性粒子数を計測した。具体的には、500倍の拡大画像を10箇所ずつ撮影し、それぞれの画像を画像処理ソフトウェア(A像君、旭化成株式会社製)で計測し、10箇所の平均値を算出し、単位面積当たりの導電性粒子数とした。得られた値から、異方導電性フィルム全体の単位面積当たりの導電性粒子数に対する、フィレット部の単位面積当たりの導電性粒子数の比を算出した。
以上の結果を表1に示す。表1から明らかなように、各実施例に示したICチップの接続方法によって、絶縁信頼性に優れた接続構造体が形成された。
Figure 2013045737
本発明は、ICチップ電極のような微細回路を良好に接続でき、例えばメモリ用IC、ロジック用IC、メモリ及びロジック混載パッケージ等の製造に好適に適用される。

Claims (11)

  1. 導電性粒子層と、該導電性粒子層に積層された絶縁性接着剤層とを有し、
    該導電性粒子層は、絶縁性樹脂を含むバインダーと、導電性粒子とからなり、
    該絶縁性接着剤層の100℃における粘度に対する、該バインダーの100℃における粘度の比が、10〜1000である、異方導電性フィルム。
  2. 前記導電性粒子層において、前記導電性粒子の平均粒径に対する前記導電性粒子の平均粒子間隔の比が、0.5〜10である、請求項1に記載の異方導電性フィルム。
  3. 前記バインダーの100℃における粘度が3000Pa.s〜500000Pa.sであり、かつ前記絶縁性接着剤層の100℃における粘度が100Pa.s〜10000Pa.sである、請求項1又は2に記載の異方導電性フィルム。
  4. 前記絶縁性接着剤層の100℃における粘度に対する、前記バインダーの100℃における粘度の比が、100〜300である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方導電性フィルム。
  5. 前記絶縁性接着剤層が、カチオン硬化性樹脂及びカチオン硬化剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の異方導電性フィルム。
  6. 回路基板と、ICチップと、該回路基板及び該ICチップを接続する異方導電性フィルムとを有する接続構造体の製造方法であって、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の異方導電性フィルムを用いて、ICチップの電極と、回路基板とを熱圧着によって接続する工程を含む、接続構造体の製造方法。
  7. 前記回路基板の線膨張係数が、2.5×10-6-1〜8×10-6-1である、請求項6に記載の接続構造体の製造方法。
  8. 前記回路基板が、シリコン又は酸化アルミニウムで構成されている、請求項6又は7に記載の接続構造体の製造方法。
  9. 前記熱圧着によって前記ICチップの外周に異方導電性フィルムのフィレット部が形成され、
    異方導電性フィルムの単位面積当たりの導電性粒子数に対する、該フィレット部の単位面積当たりの導電性粒子数の比が、1〜3である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
  10. 前記導電性粒子の平均粒径に対する、前記ICチップの外周部から最外周電極までの距離の比が、5〜300である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
  11. 請求項6〜10のいずれか1項に記載の方法により製造される、接続構造体。
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