JP2013045329A - 軌道系車両管理システムおよび対処決定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】退避時間取得部152が、障害発生車両を退避させるために必要な時間である退避時間を取得し、また、修理時間取得部154が、障害発生車両を修理するために必要な時間である修理時間を取得する。そして、対処決定部155は、修理時間と退避時間とを比較して、修理または退避のうち、予想される復旧時刻(車両の運行を再開できる時刻)の早い対処方法に決定する。このように、退避に要する時間と修理に要する時間とを定量的に評価するとで、適切な対処方法をより速やかに決定し得る。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1に記載の、鉄道管理の保守管理システムは、鉄道事業者が運行管理する鉄道車両についての保守管理を、複数の鉄道事業者から委託された保守管理業者が行うための保守管理システムであって、各鉄道事業者、保守管理業者、及び関連する製造会社もしくは保守会社を相互に接続する通信ネットワークと、各鉄道事業者が運行する鉄道車両の走行記録及び鉄道車両の搭載機器の動作情報を通信ネットワーク上にアップする手段と、保守管理業者の管理下にあって、動作情報を基に、鉄道車両の搭載機器の履歴を記録するとともに監視し、所定の保守基準に従って保守情報を生成して、通信ネットワーク上にアップするための保守管理装置とを備える。そして、保守管理装置は、各鉄道事業者別の点検スケジュール、部品交換スケジュール、部品発注スケジュール及び保守要員派遣スケジュールを含む保守スケジュールデータベースを保有している。また、保守管理装置は、各鉄道事業者別に部品交換スケジュールを算出するための、各線路条件に基づく部品の消耗率のデータを備えている。
これにより、通信ネットワークを介して接続された複数の鉄道事業者の鉄道車両の保守管理を保守管理業者が一括して行うため、小規模のローカル鉄道の運行管理者やモノレール運営会社の鉄道車両の保守に関して、鉄道事業者のみならず製造会社や保守会社にとってもスケールメリットがあるとされている。
このため、例えば現場作業者の経験が浅い場合など、適切な対処方法を選択できず対処に時間を要してしまう、あるいは、他者の判断を仰いで対処方法の決定に時間を要してしまうおそれがある。
しかしながら、特許文献1には、障害発生時の対処に関する技術は開示されていない。このため、特許文献1に記載の技術を用いても、車両に障害が発生して停止した場合に、適切な対処方法をより速やかに選択することはできない。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における軌道系車両管理システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、軌道系車両管理システム1は、サーバ装置100と、メンテナンス管理システム210と、通信ネットワーク220と、携帯端末装置300とを具備する。
サーバ装置100は、位置情報取得部110と、LAN通信部(作業情報取得部)120と、携帯端末通信部130と、制御部150と、退避情報データベース(Database;DB)161と、原因究明フロー図データベース162と、修理方法データベース163と、修理時間データベース164とを具備する。制御部150は、位置情報処理部151と、退避時間取得部152と、原因究明フロー図選択部153と、修理時間取得部154と、対処決定部155と、指示生成部156と、運行再開判定部157と、データベース更新部158とを具備する。
携帯端末装置300は、GPS機能部310と、通信部320と、表示部330と、操作入力部340と、制御部350とを具備する。制御部350は、通信制御部351と、表示制御部352と、入力処理部(障害情報取得部)353と、アプリケーション実行部354とを具備する。
また、ここでいう車両の障害は、車両の運行を妨げる障害である。この車両の障害には、車両の故障と、車両の位置する線路区間における架線切れなど車両の周囲の環境の異常とが含まれる。また、ここでいう、車両の障害に対する修理は、車両の障害を解決(解消)する処置である。車両の障害に対する修理には、車両に用いられている部品の調整や、部品の修理や、部品の交換や、車両に用いられているソフトウェアのエラーリセットや、ソフトウェアの修正などが含まれる。
また、位置情報取得部110は、車両に障害が発生すると障害の発生している車両(以下、「障害発生車両」と称する)を示す情報を取得する。
修理方法データベース163は、障害に対する対処方法としての修理方法を、障害の種類および障害原因と対応付けて予め記憶する。修理方法データベース163が記憶する修理方法の、より具体的な内容については後述する。
修理時間データベース164は、障害を解決するための修理方法と、当該修理方法を実行するのに必要な時間(修理時間)とを対応付けて予め記憶する。修理時間データベース164が記憶する修理時間の、より具体的な内容については後述する。
位置情報処理部151は、位置情報取得部110が取得する、各車両の位置情報や障害発生車両を示す情報に基づいて、障害発生車両の位置情報や、他の各車両の位置情報を取得して、携帯端末通信部130を介して携帯端末装置300に送信し、また、退避時間取得部152に出力する。
原因究明フロー図選択部153は、原因究明フロー図データベース162が記憶する原因究明フロー図のうち、携帯端末装置300から送信される障害の種類に応じた原因究明フロー図を選択して、携帯端末通信部130を介して携帯端末装置300に送信する。
だだし、携帯端末装置300が送信する障害情報は、障害の原因を示す情報に限らない。例えば、携帯端末装置300が、障害に対する修理方法を示す情報を、障害情報として送信するようにしてもよいし、あるいは、修理時間を示す情報を、障害情報として送信するようにしてもよい。
指示生成部156は、対処決定部155が決定した対象方法を示す指示を生成し、携帯端末通信部130を介して携帯端末装置300に送信する。
具体的には、障害に対する対処方法として車両の退避を行った場合、携帯端末装置300は、退避に要した時間(退避時間)を送信する。そして、データベース更新部158は、携帯端末装置300から送信された退避時間を、障害検出時における各列車の位置情報(障害発生車両およびその他の車両の位置のパターン)と、指示生成部156が携帯端末装置300に指示した退避方法とに対応付けて退避情報を生成し、生成した退避情報に基づいて、退避情報データベース161の記憶する退避情報を更新する(各列車の位置情報や退避方法が同一の退避情報を、退避情報データベース161が既に記憶している場合は、当該退避情報の退避時刻を更新する。一方、該当する退避情報を退避情報データベース161が記憶していない場合は、退避情報データベース161の記憶する退避情報を追加する)。
通信ネットワーク220は、指令所に設置されたLAN(Local Area Network)であり、メンテナンス管理システム210とLAN通信部120との通信を仲介する。
表示部330は、例えば液晶ディスプレイ等の表示画面を有し、各種情報を表示する。特に、表示部330は、サーバ装置100から送信される原因究明フロー図や、障害に対する対処の指示を表示する。
通信制御部351は、通信部320を制御して各種情報の送受信を行う。
入力処理部353は、操作入力部340が受け付けた操作入力を判定して、入力された情報を生成する。例えば、入力処理部353は、表示画面のタッチ操作が行われると、タッチ位置を判定し、当該タッチ位置に応じた情報を生成する。
特に、入力処理部353は、ユーザの操作入力に基づいて、障害が発生した車両の障害の状況を示す障害情報を取得する。
図2は、車両に障害が発生した際の、軌道系交通システムの状態の例を示す説明図である。同図に示す軌道系交通システムは、軌道系車両管理システム1の管理対象の軌道系交通システムである。また、同図に示す状態では、2号車に障害が発生して停止しており、2号車と車両基地との間に1号車が位置する。従って、車両基地に位置する牽引車が、2号車の停止位置に移動して当該2号車を車両基地まで牽引する(退避させる)ためには、まず、1号車が、対向可能となる駅Aまで移動した後に、牽引車が当該駅Aを通過する必要がある。
そこで、サーバ装置100は、予め(例えば車両運行前に)シミュレーションを行って、障害発生車両および他の車両の位置する線路区間や、稼動可能な牽引車の台数および位置や、障害発生車両を退避可能な位置の様々なパターンについて、退避時間を算出しておく。そして、退避情報データベース161は、車両の台数とその位置のパターンと、退避方法(例えば、出動させる牽引車の初期位置や、障害発生車両を退避させる位置や、他の各車両の退避位置や、各車両を移動および退避させる順序)と、得られた退避時間とを対応付けて、退避情報として予め記憶しておく。
同図に示す原因究明フロー図は、障害の種類が電源喪失の場合に用いられる原因究明フロー図である。原因究明フロー図データベース162は、電源喪失、信号受信異常、ドア開(ドア開信号検出)など、障害の種類毎に原因究明フロー図を具備する。そして、現場(障害発生車両の位置)にて作業員が特定した障害の種類の入力を、携帯端末装置300が受け付けてサーバ装置100に送信すると、原因究明フロー図選択部153が、当該障害の種類に応じた原因究明フロー図を選択する(原因究明フロー図データベース162から読み出す)。
一方、異常がパンタグラフの外れであるときは、作業員は、パンタグラフの位置の調整により対処可能か否かを判定する。そして、パンタグラフの位置の調整により対処可能であると判定した場合は、パンタグラフの比較的軽微な故障を示す「パンタ故障(調整)」を、障害原因として取得する。一方、パンタグラフの位置の調整では対処不能であると判定した場合は、「パンタ故障(交換)」を、障害原因として取得する。
一方、絶縁異常のある機器を検出しなかった場合、作業員は、静止型インバータ(Static Inverter;SIV)やVVVF(Variable Voltage Variable Frequency)インバータなどのインバータを含む制御器のソフトウェアをチェックし、ソフトウェアの異常の有無を判定する。ソフトウェアに異常があると判定した場合、作業員は、ソフトウェアのリセットないし制御器の再起動を試みて、エラーが解除されたか否かを判定する。エラーが解除されたと判定した場合、既に障害が存在しないことを示す「OK」を、障害原因として取得する。一方、エラーが解除されていないと判定した場合、ソフトウェアの修正(改造)が必要であることを示す「ソフトウェアエラー(修正)」を、障害原因として取得する。
一方、現地で調査可能な制御器に故障が見つからなかった場合(現地で調査可能な制御器が無い場合を含む)、障害原因と特定できなかったことを示す「原因不明」を、障害原因として取得する。
なお、原因究明フロー図データベース162が記憶する情報は、障害発生原因のチェックを行える情報であればよく、フロー図形式の情報に限らない。例えば、原因究明フロー図データベース162が障害発生原因を特定するためのチェックリストを記憶するようにしてもよい。
ここで、修理方法に対応付けられている障害の種類および障害原因は、原因究明フロー図データベース162が記憶する原因究明フロー図に示されるものである。従って、サーバ装置100(修理時間取得部154)は、原因究明フロー図を用いて得られた障害原因を取得すると、当該障害原因に対応付けられた修理方法を、修理方法データベース163から取得することが出来る。
ここで、修理時間に対応付けられている修理方法は、修理方法データベース163が記憶する修理方法に対応している。従って、サーバ装置100(修理時間取得部154)は、特定の部品等(部品やソフトウェアなど)について、修理方法データベース163から修理方法を取得すると、当該修理方法に対応付けられた修理時間を、修理時間データベース164から取得することが出来る。
図5では、牽引車が1台かつ運行用車両が5台の場合の例が示されており、退避情報データベース161は、同図(b)のように、各車両の位置のパターンと、故障車両の退避位置毎の退避時間とを対応付けて記憶している。退避情報データベース161は、各車両の位置の様々なパターンについて、故障車両の退避位置毎の退避時間を記憶している。
そして、退避時間取得部152は、選択した各車両の位置のパターンに基づいて、退避時間を取得する。具体的には、退避時間取得部152は、まず、選択した各車両の位置のパターンに対応付けられた故障車両の退避位置毎の退避時間を、退避情報データベース161から取得する。そして、故障車両が退避場所E1に退避可能であることが確認されると、退避時間取得部152は、得られた退避時間のうち最短である退避時間240分を選択(取得)する。なお、故障車両が退避場所E1に退避可能であることの確認は、例えば、軌道系車両管理システム1が、退避場所E1に位置する車両が無いことを検出することによって行われる。
例えば、図5に示す例において、修理時間取得部154が、部品Aの交換に要する修理時間「180分」を取得した場合、修理時間のほうが退避時間(240分)よりも短いため、修理を行うほうが、予想される復旧時刻が早い。そこで、対処決定部155は、対処方法として修理(部品Aの交換)を選択する。
一方、修理時間取得部154が、ソフトウェアBの大幅改修に要する修理時間「500分」を取得した場合、退避時間のほうが修理時間よりも短いため、退避を行うほうが、予想される復旧時刻が早い。そこで、対処決定部155は、対処方法として退避(退避情報データベース161が、当該退避時間と対応付けて記憶している車両の位置のパターンに従った退避)を選択する。
図6は、メンテナンス管理システム210が記憶する作業員−資格情報および資格−作業レベル情報の例を示す説明図である。同図(a)は、作業員−資格情報の例を示し、同図(b)は、資格−が作業レベル情報の例を示し、同図(c)は、作業員の作業レベルの例を示す。
例えば、作業員Aは、資格Xを高いレベルで取得し、資格Zを通常のレベルで取得し、一方、資格Zは取得していない。
一方、作業レベルが二重丸の作業員も作業レベルが丸の作業員もいない場合、修理時間取得部154は、修理時間データベース164から取得した修理時間を30パーセント増加させる。すなわち、修理時間取得部154は、修理時間データベース164から取得した修理時間に1.3を乗算する。
さらには、LAN通信部120が、作業情報として、作業員の情報に加えて、あるいは、作業員の情報に代えて、使用可能な機器と修理時間との関係を示す情報など他の情報を取得するようにしてもよい。
図7は、軌道系車両管理システム1およびユーザ(現場作業員と指令所オペレータ)が、車両に発生した障害に対処する手順を示す説明図である。
まず、位置情報取得部110は、サーバ装置100の動作中において、常時(例えば一定周期毎に)各車両の位置情報を取得して位置情報処理部151に出力する(ステップS101)。
なお、位置情報処理部151から出力された各車両の位置情報に適合する退避情報が複数ある場合(例えば、複数の退避方法のいずれも適用可能な場合)、退避時間取得部152は、これらの退避情報のうち退避時間の最も短い退避情報を選択して、退避時間と退避方法とを対処決定部155に出力する。
そして、通信部320は、携帯端末通信部130から送信された各車両の位置情報を、通信制御部351を介してアプリケーション実行部354に出力し、アプリケーション実行部354は、当該各車両の位置情報、特に、障害発生車両の位置情報を、表示部330に表示させる。そして、作業員は、携帯端末装置300を携帯して、表示部330に表示されている現場(障害発生車両の停車位置)に移動する(ステップS202)。
サーバ装置100では、携帯端末通信部130が、携帯端末装置300から送信される障害の種類を受信して原因究明フロー図選択部153に出力し、原因究明フロー図選択部153は、障害の種類に応じた原因究明フロー図を原因究明フロー図データベース162から取得(選択)する(ステップS121)。そして、原因究明フロー図選択部153は取得した原因究明フロー図を、携帯端末通信部130を介して、現場の作業員の携帯端末装置300に送信する。
原因究明作業を完了すると、作業員は、原因究明作業の結果を携帯端末装置300に入力し、携帯端末装置300は、当該原因究明作業結果をサーバ装置100に送信する(ステップS212)。
また、修理時間取得部154は、他の作業員の位置情報を、例えばメンテナンス管理システム210から取得して、他の作業員の投入可否を判定する(ステップS134)。例えば、メンテナンス管理システム210は、各作業員の状態情報として、各作業員が携帯する携帯端末装置300のGPS機能によって示される各作業員の位置情報を記憶している。そして、修理時間取得部154は、当該各作業員の位置情報を取得して、現場からの距離が所定の距離(例えば1キロメートル)以内である作業員を投入可能であると判定する。
具体的には、修理時間取得部154は、図3〜図5を用いて説明したように、ステップS212で携帯端末装置300から送信された原因究明作業結果の示す障害原因に対応する修理方法を、修理方法データベース163から取得し、当該修理方法のために必要な修理時間の標準時間(すなわち、作業員のレベルに基づく修正を行う前の時間)を、修理時間データベース164から取得する。
修理のほうが早いと判定した場合(ステップS141:修理)、対処決定部155は、ステップS135で修理時間取得部154から出力された修理方法を指示生成部156に出力する。また、対処決定部155は、他の作業員を示す情報が修理時間取得部154から出力されている場合は、当該他の作業員を示す情報を、修理方法と併せて指示生成部156に出力する。
そして、修理方法を受信した携帯端末装置300(現場の作業員および追加作業員の携帯端末装置300)は、当該修理方法を表示し、作業員は、当該修理方法に従って修理作業を開始する(ステップS222)。
そして、退避方法を受信した携帯端末装置300は、当該退避方法を表示し、作業員は、当該退避方法に従って退避作業を開始する(ステップS221)。
当該通知を受けたサーバ装置100では、運行再開判定部157が、携帯端末装置300の有するGPS機能を用いて、軌道内の人の有無を確認し(ステップS151)、軌道内に人がいないことを確認すると、車両の運行を再開する(ステップS152)。
図8は、サーバ装置100が障害に対する対処方法を決定する処理手順を示すフローチャートである。サーバ装置100は、いずれかの車両に障害が発生すると、同図の処理を開始する。
まず、位置情報取得部110は、各車両の位置情報を常時取得しており、障害発生時においても、各車両の位置情報を取得している(ステップS301)。当該ステップは、図7のステップS101と同様である。
その後、携帯端末通信部130は、携帯端末装置300から送信される、障害の種類を示す情報を受信して原因究明フロー図選択部153に出力する(ステップS312)。そして、原因究明フロー図選択部153は、当該障害の種類に応じた原因究明フロー図を原因究明フロー図データベース162から取得し、取得した原因究明フロー図を、携帯端末通信部130を介して携帯端末装置300に送信する(ステップS313)。このステップS312〜S313は、図7のステップS121と同様である。
障害原因が判明したと判定した場合(ステップS331:YES)、修理時間取得部154は、障害原因に対する修理が可能か否かを判定する(ステップS332)。当該ステップは、図7のステップS132と同様である。
これらステップS333〜S335は、図7のステップS133〜S135と同様である。
この場合、修理時間取得部154が、ステップS331〜S335を実行するのと並列して、退避時間取得部152が当該シミュレーションを行うようにしてもよい。特に、ステップS331〜S335の処理と、ステップS321におけるシミュレーションとを並行処理することで、より速く対処方法を決定し得る。
また、ステップS331〜S335の処理と、ステップS321におけるシミュレーションとを並列処理する場合、ステップS331またはステップS332でNOと判定して退避作業を選択したときは、当該時点で退避時間取得部152のシミュレーションを終了(中止)させるようにしてもよい。これによって、シミュレーションの完了を待たずに処理を進めることが出来る。
次に、操作入力部340が、障害発生車両の状態情報(障害の種類を示す情報)の入力を受け付け(ステップS403)、通信部320が、当該情報をサーバ装置100に送信する(ステップS404)。これらステップS403〜S404は、図7のステップS203と同様である。
そして、操作入力部340は、原因究明フロー図に基づく原因究明作業結果の入力を受け付け(ステップS407)、通信部320が、当該原因究明作業結果をサーバ装置100に送信する(ステップS408)。これらステップS407〜S408は、図7のステップS212と同様である。
また、操作入力部340は、修理時間の入力を受け付け(ステップS424)、通信部320が、当該修理時間をサーバ装置100に送信する(ステップS425)。
その後、同図の処理を終了する。
また、操作入力部340は、退避時間の入力を受け付け(ステップS434)、通信部320が、当該退避時間をサーバ装置100に送信する(ステップS435)。
その後、同図の処理を終了する。
これらステップS409〜S411とS421とS431とは、図7のステップS221およびS222と同様である。また、ステップS422〜S423とS432〜S433とは、図7のステップS223と同様である。また、ステップS424〜S425は、図7のステップS225と同様である。また、ステップS434〜S435は、図7のステップS224と同様である。
また、データベース更新部158が、障害への対処の結果としての退避時間ないし修理時間に基づいて、退避情報データベース161ないし修理時間データベース164のデータを更新するので、過去の情報を活用して、より適切な対処方法を選択し得る。
また、サーバ装置100が自動的に対処方法を選択して作業員に通知するので、経験の浅い作業員でも他者の判断を仰ぐ必要が無く、速やかに作業を行い得る。
例えば、軌道系車両管理システム1が、都市・空港間の軌道系交通システム、または、空港内の起動系交通システム(例えば、空港内においてターミナルビル間を連絡する軌道系交通システム、あるいは、空港内の鉄道駅とターミナルビルとを連絡する軌道系交通システム)を管理している場合、車両のトラブルによって遅延が生じると、航空機の出発に間に合わなくなるおそれがある。かかる場合、軌道系車両管理システム1(サーバ装置100)は、退避時間または修理時間に基づいて、車両の空港到着予定時刻またはターミナルビル到着予定時刻を算出する。そして、算出した到着予定時刻が、航空機の出発時刻を変更しなければならない閾値時刻を超えている場合は、航空管制棟に遅延時間(空港到着予定時刻またはターミナルビル到着予定時刻)を連絡して航空ダイヤを変更する。これにより、車両の空港到着またはターミナルビル到着が、航空機の出発時刻に間に合わない事態を回避して、混乱を軽減することができる。
第1の実施形態では、サーバ装置側で対処方法を決定する場合について説明したが、携帯端末装置側で対処方法を決定することで、現場において携帯端末装置がサーバ装置と通信できない場合にも本発明を適用し得る。本実施形態では、この点について説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態における軌道系車両管理システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、軌道系車両管理システム2は、サーバ装置500と、携帯端末装置600とを具備する。サーバ装置500は、位置情報取得部110と、携帯端末通信部130と、制御部550と、退避情報データベース161と、原因究明フロー図データベース162と、修理履歴データベース563とを具備する。制御部550は、位置情報処理部151と、退避時間取得部152と、情報管理部559とを具備する。携帯端末装置600は、GPS機能部310と、通信部320と、表示部330と、操作入力部340と、制御部650と、携帯端末内データベース661とを具備する。制御部650は、通信制御部351と、表示制御部352と、入力処理部(障害情報取得部)353と、アプリケーション実行部654とを具備する。アプリケーション実行部654は、原因究明フロー図選択部655と、修理時間取得部656と、対処決定部657と、指示生成部658とを具備する。
同図において、図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(110、130、151、152、161、162、310、320、330、340、351、352、353)を付して説明を省略する。
修理履歴データベース563は、車両に障害が発生した際の修理履歴として、障害の種類と、障害の原因と、修理対象の部品等を示す情報(例えば部品名)と、修理内容(例えば調整や修理や部品交換など)を示す情報とを対応付けて記憶する。
情報管理部559は、原因究明フロー図データベース162および修理履歴データベース563の管理を行う。具体的には、情報管理部559は、原因究明フロー図データベース162から原因究明フロー図を取得し、修理履歴データベース563から修理履歴を取得し、また、携帯端末装置600から送信される情報に基づいて修理履歴データベース563の記憶する修理履歴を更新する。
携帯端末内データベース661は、携帯端末装置600がサーバ装置500と通信可能な状態においてサーバ装置500から送信される情報を記憶する。具体的には、携帯端末内データベース661は、退避時間取得部152が取得する退避情報と、原因究明フロー図データベース162が記憶する原因究明フロー図と、修理履歴データベース563が記憶する修理履歴とを、作業員が現場へ向かう前に予め記憶しておく。
修理時間取得部656は、携帯端末内データベース661が記憶する修理履歴に基づいて、修理時間を取得する。
対処決定部657は、対処決定部155(図1)と同様、修理時間と退避時間とに基づいて、修理または退避いずれかの対処方法を決定する。
対処決定部657が決定した対処方法を示す指示を生成して、表示部330に表示させる。
図11は、軌道系車両管理システム2およびユーザ(現場作業員と指令所オペレータ)が、車両に発生した障害に対処する手順を示す説明図である。
同図のステップS501〜S511は、図7のステップS101〜S111と同様である。ステップS601では、携帯端末通信部130は、各車両の位置情報に加えて、退避時間取得部152が取得した退避情報や、原因究明フロー図データベース162が記憶する原因究明フロー図や、修理履歴データベース563が記憶する修理履歴を携帯端末装置600に送信する。携帯端末装置600(通信部320)は、これらの情報を受信する。そして、携帯端末内データベース661は、通信部320が受信した退避情報や、原因究明フロー図や、修理履歴を記憶する。
そして、現場に到着した作業員は、障害発生車両を調査して障害の種類を判定し、判定した障害の種類を示す情報を携帯端末装置300に入力する(ステップS603)。当該情報は、入力処理部353を介して原因究明フロー図選択部655に出力される。
そして、原因究明フロー図選択部655は、取得した障害の種類に応じた原因究明フロー図を携帯端末内データベース661から取得(選択)する(ステップS611)。そして、表示部330が、原因究明フロー図選択部655の取得した原因究明フロー図を表示し、作業員は、表示部330が表示する原因フロー図に基づいて障害原因を特定する作業(原因究明作業)を行う(ステップS612)。
そして、修理時間取得部656は、原因究明作業結果を参照して、障害原因が判明したか否かを判定する(ステップS621)。障害原因が判明したと判定した場合(ステップS621:判明)、修理時間取得部656は、障害原因に対する修理が可能か否かを判定する(ステップS622)。例えば、修理時間取得部656は、原因究明作業結果の障害原因に対応する修理方法が、携帯端末内データベース661の記憶する修理履歴に含まれている場合は、修理可能と判定し、含まれていない場合は、修理不可と判定する。
修理のほうが早いと判定した場合(ステップS624:修理)、対処決定部657は、ステップS623で修理時間取得部656から出力された修理方法を指示生成部658に出力する。
図12は、サーバ装置500が障害に対する対処方法を決定する処理手順を示すフローチャートである。サーバ装置500は、いずれかの車両に障害が発生すると、同図の処理を開始する。
同図において、ステップS701〜S702は、図8のステップS301〜S302と同様であり、ステップS703は、ステップS303と同様である。
また、退避時間取得部152は、各車両の位置情報に基づいて、退避情報データベース161から退避情報を取得して(ステップS706)、携帯端末通信部130を介して携帯端末装置600に送信する(ステップS707)。
その後、同図の処理を終了し、サーバ装置500は、携帯端末装置600からの信号に応じて、図11のステップS521〜S522に示す運行再開処理や、ステップS531〜S5322で説明した退避情報データベース161の更新処理や、ステップS541〜S542で説明した修理履歴データベース563の更新処理を行う。
次に、原因究明フロー図選択部655は、ステップS803で操作入力部340が受け付けた障害発生車両の状態情報の示す障害の種類に基づいて、携帯端末内データベース661の記憶するフロー図のいずれかを選択し(ステップS804)、表示制御部352に出力して表示部330に表示させる(ステップS805)。
次に、修理時間取得部656は、原因究明作業結果を参照して、障害原因が判明したか否かを判定する(ステップS811)。障害原因が判明したと判定した場合(ステップS811:YES)、修理時間取得部656は、障害原因に対する修理が可能か否かを判定する(ステップS812)。
次に、携帯端末装置600は、修理時間の入力操作を受け付ける(ステップS424)。そして、通信部320は、当該修理時間と、ステップS803で取得した障害の種類と、ステップS806で取得した障害の原因と、ステップS813で取得した修理方法とを対応付けて、通信部320を介してサーバ装置500に送信する(ステップS825)。その後、同図の処理を終了する。
また、指示生成部658は、退避を行う旨の通知を通信制御部351に出力し、通信制御部351は、当該通知を、通信部320を介してサーバ装置500に送信する。
次にステップS833〜S836は、ステップS432〜S435(図9)と同様である。その後同図の処理を終了する。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
100、500 サーバ装置
110 位置情報取得部110
120 LAN通信部
130 携帯端末通信部
150、550 制御部
151 位置情報処理部
152 退避時間取得部
153 原因究明フロー図選択部
154 修理時間取得部
155 対処決定部
156 指示生成部
157 運行再開判定部
158 データベース更新部
559 情報管理部
161 退避情報データベース
162 原因究明フロー図データベース
163 修理方法データベース
164 修理時間データベース
563 修理履歴データベース
210 メンテナンス管理システム
220 通信ネットワーク
300、600 携帯端末装置
310 GPS機能部
320 通信部
330 表示部
340 操作入力部
350、650 制御部
351 通信制御部
352 表示制御部
353 入力処理部
354、654 アプリケーション実行部
655 原因究明フロー図選択部
656 修理時間取得部
657 対処決定部
658 指示生成部
661 携帯端末内データベース
Claims (6)
- 軌道上を走行する車両の管理を行う軌道系車両管理システムであって、
車両の軌道上における位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
障害が発生した車両の障害の状況を示す障害情報を取得する障害情報取得部と、
取得した前記障害情報に基づいて、障害が発生した車両の修理時間を求める修理時間取得部と、
取得した前記位置情報に基づいて、障害が発生したままで所定の退避位置まで車両を退避させるのに必要な退避時間を求める退避時間取得部と、
求めた修理時間と退避時間とに基づいて、修理または退避いずれかの対処方法を決定する対処決定部と、
を具備することを特徴とする軌道系車両管理システム。 - 障害が発生した車両の修理を行うための作業条件を示す作業情報を取得する作業情報取得部を具備し、
修理時間取得部は、前記障害情報及び作業情報に基づいて、前記修理時間を求める
ことを特徴とする請求項1に記載の軌道系車両管理システム。 - 前記位置情報取得部を有するサーバ装置と、
前記障害情報取得部を有し、前記サーバ装置と通信可能な少なくとも一つの携帯端末装置と
を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の軌道系車両管理システム。 - 前記サーバ装置は、前記修理時間取得部と、前記退避時間取得部と、前記対処決定部とを具備して、決定した対処方法を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の軌道系車両管理システム。
- 前記サーバ装置は、前記退避時間取得部を具備して、求めた退避時間を前記携帯端末装置に送信し、
前記携帯端末装置は、前記修理時間取得部と、前記対処決定部とを具備し、
前記対処決定部は、前記修理時間取得部が求めた修理時間と、前記サーバ装置から送信された退避時間とに基づいて対処方法を決定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の軌道系車両管理システム。 - 軌道上を走行する車両の管理を行う軌道系車両管理システムの対処決定方法であって、
車両の軌道上における位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
障害が発生した車両の障害の状況を示す障害情報を取得する障害情報取得ステップと、
取得した前記障害情報に基づいて、障害が発生した車両の修理時間を求める修理時間取得ステップと、
取得した前記位置情報に基づいて、障害が発生したままで所定の退避位置まで車両を退避させるのに必要な退避時間を求める退避時間取得ステップと、
求めた修理時間と退避時間とに基づいて、修理または退避いずれかの対処方法を決定する対処決定ステップと、
を具備することを特徴とする対処決定方法。
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