JP2013043944A - 防錆塗料 - Google Patents
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Abstract
【課題】
安全性及び防錆性能に優れた防錆塗料を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の防錆塗料は、合成樹脂結合材及び防錆剤(鉛またはクロムを含有する防錆剤を除く)を含有し、合成樹脂結合材の全量中にポリビニルアルコール及び/又はその誘導体を1〜20質量%含有する。なお、防錆剤は、亜硝酸金属塩、リン酸金属塩、縮合リン酸金属塩(リン酸が2個以上縮合したものの塩)、亜リン酸金属塩、リン珪酸金属塩、ケイ酸金属塩、硝酸金属塩、ホウ珪酸金属塩、ホウ酸金属塩、メタホウ酸金属塩、モリブデン酸金属塩、並びにリンモリブデン酸金属塩から選ばれる少なくとも一種類以上の化合物、及び/又は有機酸類(その塩も含む)であることが好ましい。
【選択図】なし
安全性及び防錆性能に優れた防錆塗料を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の防錆塗料は、合成樹脂結合材及び防錆剤(鉛またはクロムを含有する防錆剤を除く)を含有し、合成樹脂結合材の全量中にポリビニルアルコール及び/又はその誘導体を1〜20質量%含有する。なお、防錆剤は、亜硝酸金属塩、リン酸金属塩、縮合リン酸金属塩(リン酸が2個以上縮合したものの塩)、亜リン酸金属塩、リン珪酸金属塩、ケイ酸金属塩、硝酸金属塩、ホウ珪酸金属塩、ホウ酸金属塩、メタホウ酸金属塩、モリブデン酸金属塩、並びにリンモリブデン酸金属塩から選ばれる少なくとも一種類以上の化合物、及び/又は有機酸類(その塩も含む)であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、合成樹脂結合材としてポリビニルアルコール及び/又はその誘導体を含有する防錆塗料に関するものである。
従来、金属の防錆処理に、合成樹脂エマルションなどを結合材として使用した水系の防錆塗料が用いられることがある。
例えば、特許文献1には、(A)アルコキシシリル基を含有し、エチレン性二重結合を有する単量体を含んで成る重合性単量体を乳化重合して得られるエマルジョンと、(B)ケイ酸塩を含んで成るコーティング剤であって、(A)エマルジョンから形成される皮膜の吸水率が35%以下であるコーティング剤が記載されている。また、このコーティング剤が防錆剤として使用できることが記載されている。
また、ポリビニルアルコール及び/又はその誘導体を含有する防錆塗料としては、特許文献2等がある。
特許文献2には、塗装鋼板用プライマー塗料であって、この塗料中に、Cr系防錆顔料と、樹脂成分の全量に対して親水性樹脂としてポリアミド系、ポバール系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルアセタール系およびポリオキシメチレン系の樹脂の中の1種以上を合計で0.5〜20重量%含有することを特徴とする端面耐食性に優れた塗装鋼板用プライマー塗料が記載されている。
防錆塗料に使用される防錆顔料として、以前は、鉛丹、亜酸化鉛、シアナミド鉛、鉛酸カルシウム、塩基性硫酸鉛などの鉛塩系、塩基性クロム酸亜鉛カリウム、四塩基性クロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸カルシウム、クロム酸ストロンチウムなどのクロム酸塩系のものが主に用いられていたが、これらの防錆顔料は防錆性能に優れている半面、人体や自然環境に対して有害であるため使用が規制されており、Cr系防錆顔料を含有する特許文献2のプライマー塗料は安全性に問題があった。
本発明者は、合成樹脂結合材と、鉛及びクロムを含まない安全性に優れた防錆顔料とを含有する防錆塗料の防錆性能を向上させることを目的として検討を重ねる上で、合成樹脂結合材としてポリビニルアルコール及び/又はその誘導体をある割合で用いることによって、防錆性能を向上させることができることを見出し、本発明に至った。
本発明は、安全性及び防錆性能に優れた防錆塗料を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、合成樹脂結合材及び防錆剤(鉛またはクロムを含有する防錆剤を除く)を含有し、合成樹脂結合材の全量中にポリビニルアルコール及び/又はその誘導体を1〜20質量%含有することを特徴とする防錆塗料である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の防錆塗料において、前記防錆剤が、亜硝酸塩、リン酸塩、縮合リン酸塩(リン酸が2個以上縮合したものの塩)、亜リン酸塩、リン珪酸塩、ケイ酸塩、硝酸塩、ホウ珪酸塩、ホウ酸塩、メタホウ酸塩、モリブデン酸塩、並びにリンモリブデン酸塩から選ばれる少なくとも一種類以上の化合物、及び/又は有機酸類(その塩も含む)であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の防錆塗料において、前記合成樹脂結合材として合成樹脂エマルションを含有し、合成樹脂結合材の全量中に合成樹脂エマルションの不揮発分を70質量%以上含有することを特徴とする。
請求項1に記載の防錆塗料は、安全性及び防錆性能に優れる。
請求項2及び請求項3に記載の防錆塗料は、より安全性及び防錆性能に優れる。
本発明の防錆塗料は、合成樹脂結合材及び防錆剤(鉛またはクロムを含有する防錆剤を除く)を含有し、合成樹脂結合材の全量中にポリビニルアルコール及び/又はその誘導体を1〜20質量%含有することを特徴とする。
前記合成樹脂結合材とは、乾燥や反応硬化することによって皮膜を形成できる合成樹脂成分であって、コーティング剤組成物によって形成される皮膜に残存して、皮膜のバインダーとなる成分である。合成樹脂製の充填材など、皮膜を形成できない固形成分は合成樹脂結合材には含まれない。
合成樹脂結合材としては、具体的には、合成樹脂エマルションや水溶性高分子などが挙げられる。
合成樹脂結合材としては、具体的には、合成樹脂エマルションや水溶性高分子などが挙げられる。
前記合成樹脂エマルションは、一般的に防錆塗料や水系塗料に用いられるもののなかから適宜選択して用いることができる。例えば、酢酸ビニル,エチレン酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バーサティック酸ビニル等のビニル樹脂;(メタ)アクリル酸メチル樹脂、(メタ)アクリル酸エチル樹脂、(メタ)アクリル酸メチル樹脂、(メタ)アクリル酸エチル樹脂、(メタ)アクリル酸ブチル樹脂、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリロニトリル樹脂等のアクリル樹脂;ポリエステル樹脂;フッ素樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリエーテル樹脂;酢酸ビニル樹脂;シリコーン樹脂等の合成樹脂を水に分散させたもの、或いは2種類以上の合成樹脂を共重合したものを水に分散させたものを用いることができる。また、2種類以上の合成樹脂エマルションを混合して用いてもよい。
前記合成樹脂結合材はエマルションの形態のものを用いることにより、ポリビニルアルコール又はその誘導体との親和性に優れる。また、より防錆性能に優れた防錆塗料を得ることができる。
前記水溶性高分子とは、水に可溶な高分子をいい、一般には、分子量が10,000以上で、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸基等の水溶性基を有する高分子化合物をいう。例えば、ポリビニルアルコール、澱粉類、水溶性アクリル樹脂、水溶性アポリエステル樹脂、水溶性アポリアミド樹脂、水溶性アポリウレタン樹脂、セルロース誘導体(メチルセルロース 、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)などが挙げられる。
前記ポリビニルアルコールは以下の化学式で表わされる。
なお、化1におけるOAcは酢酸基を示す。また、mは1以上の整数であり、nは0以上の整数である。
前記ポリビニルアルコールの誘導体とは、エチレン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシル変成ポリビニルアルコール、カチオン変成ポリビニルアルコール等の変成ポリビニルアルコールや、カルボニル基、カルボキシル基、アルキル基等の水酸基と酢酸基以外の官能基を有するポリビニルアルコールをいう。
前記ポリビニルアルコールの誘導体とは、エチレン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシル変成ポリビニルアルコール、カチオン変成ポリビニルアルコール等の変成ポリビニルアルコールや、カルボニル基、カルボキシル基、アルキル基等の水酸基と酢酸基以外の官能基を有するポリビニルアルコールをいう。
また、化1における「m+n」の値を重合度といい、「(m/(m+n))×100」の値をけん化度という。
前記ポリビニルアルコール又はその誘導体の重合度は好ましくは300〜3500、より好ましくは400〜2000、最も好ましくは450〜1000である。この範囲にあるとき、防錆塗料が防錆性能に優れる。前記ポリビニルアルコール又はその誘導体の重合度が小さすぎる場合には、防錆性能が十分でない。逆に重合度が大きすぎる場合には、合成樹脂エマルションとの親和性が十分でない。
前記ポリビニルアルコール又はその誘導体のけん化度は好ましくは70.0mol%以上、より好ましくは80.0〜99.0mol%、最も好ましくは90.0〜99.0mol%である。この範囲にあるとき、防錆塗料が防錆性能に優れる。前記ポリビニルアルコール又はその誘導体のけん化度が小さすぎる場合には、防錆塗料の防錆性能が十分でない。また、塗膜の耐水性が低下するので、多湿環境や水のある環境下において防錆性能が発揮できない恐れがある。逆に、けん化度が大きすぎる場合には、合成樹脂エマルジョンとの混和性が十分でないため、防錆塗料の貯蔵安定性(JIS A6909)などが低下する。
前記ポリビニルアルコール又はその誘導体のけん化度は好ましくは70.0mol%以上、より好ましくは80.0〜99.0mol%、最も好ましくは90.0〜99.0mol%である。この範囲にあるとき、防錆塗料が防錆性能に優れる。前記ポリビニルアルコール又はその誘導体のけん化度が小さすぎる場合には、防錆塗料の防錆性能が十分でない。また、塗膜の耐水性が低下するので、多湿環境や水のある環境下において防錆性能が発揮できない恐れがある。逆に、けん化度が大きすぎる場合には、合成樹脂エマルジョンとの混和性が十分でないため、防錆塗料の貯蔵安定性(JIS A6909)などが低下する。
前記合成樹脂結合材の全量中におけるポリビニルアルコール又はその誘導体の含有率は好ましくは1〜20質量%であり、より好ましくは2〜18質量%であり、特に好ましくは8〜15質量%である。この範囲にあるとき、防錆塗料が防錆性能に優る。前記ポリビニルアルコール又はその誘導体の含有率が少なすぎると防錆性能が十分でない。逆に、含有率が多すぎると塗膜の耐水性が低下するため、多湿環境や水のある環境下において防錆性能が発揮できない恐れがある。
また、前記合成樹脂結合材は、合成樹脂エマルションの不揮発分を含んだもので構成されていることが好ましく、更に、合成樹脂結合材の全量中における合成樹脂エマルションの不揮発分の含有率は好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。なお、前記防錆塗料は、合成樹脂結合材の全量中にポリビニルアルコール又はその誘導体を必ず含むので、合成樹脂エマルションの不揮発分の含有率は、実質的には、合成樹脂結合材の全量からポリビニルアルコール又はその誘導体の含有率を差し引いた量が上限となる。合成樹脂エマルションの不揮発分の含有率がこの範囲にあるとき特に防錆性能に優れた防錆塗料が得られる。
前記防錆剤としては、鉛またはクロムを含有しないものを用いることが好ましい。鉛を含有する鉛塩系防錆顔料やクロムを含有するクロム酸塩系防錆顔料は、人体や自然環境に対して有害であり、これら含まないことによって安全性の高い防錆塗料が得られる。
防錆剤としては、無機酸系防錆剤や有機酸系防錆剤などを適宜選択して用いることができる。
前記無機酸系防錆剤としては、好ましくは、亜硝酸、リン酸、縮合リン酸(リン酸が2個以上縮合したものの塩)、亜リン酸、リン珪酸、ケイ酸、硝酸、ホウ珪酸、ホウ酸、メタホウ酸、モリブデン酸、並びにリンモリブデン酸等の無機酸の塩(金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など)を用いることができる。これらの中でも前記無機酸の金属塩を用いることが好ましい。前記金属としては、カドミウム、鉛、水銀、6価クロム等の有害な重金属を含まないものが好ましく、具体的には、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、チタン、アルミニウム、及びマグネシウム等の中から選択することができる。これらの無機酸系防錆剤は単独で用いてもよく2種類以上を併用して用いてもよい。
なお、前記無機酸系防錆剤は合成樹脂結合材の含有量100質量部に対して2〜100質量部(より好ましくは3〜50質量部、特に好ましくは5〜30質量部)で用いることが好ましい。含有量がこの範囲にあることで防錆性能に優れた防錆塗料をえることができる。
前記有機酸系防錆剤としては、有機酸類およびその塩(以下、有機酸塩ともいう。)からなる防錆剤等を用いることができる。
前期有機酸類およびその塩としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、アルケニルコハク酸、ザルコシン酸、アルキルカルボン酸、二塩基酸等のカルボン酸;芳香族石油スルホン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸等のスルホン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、カプリル酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、リノール酸、オレイン酸等のモノカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ドデカジエン二酸等のジカルボン酸;乳酸、ヒドロキシピバリン酸、ジメチロールプロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、グリセリン酸等のヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
有機酸塩としては、前記した有機酸類とアミン化合物との塩(以下、有機酸アミン塩ともいう。)、或いは、有機酸の金属塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、希土類金属塩等。特に好ましくは、アルカリ金属塩とアルカリ土類金属塩。)、金属水酸化物塩、金属炭酸塩、或いはアンモニウム塩などが挙げられる。
なお、アミン化合物としては、特に限定されず、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン;メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン;アニリン、メチルアニリン、エチルアニリン、ドデシルアニリン、メチルベンジルアミン、アルキルジフェニルアミン、アルキルナフチルアミン等の芳香族アミン;トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ポリアミン;環式アミンなどが挙げられる。これらの中でも、防錆性能に優れている点で、アルカノールアミン又は脂肪族アミンを用いることが好ましく、アルカノールアミンを用いることが特に好ましい。
有機酸塩としては、防錆性に優れている点で、有機酸アミン塩を用いることが好ましい。有機酸アミン塩の中でも特に好ましくは、有機酸としてカルボン酸(特に好ましくは、脂肪族カルボン酸)又はスルホン酸を用い、且つアミン化合物としてアルカノールアミン又は脂肪族アミン(特に好ましくは、アルカノールアミン)を用いたものである。
これらの有機酸類及び有機酸塩は単独で用いてもよく2種類以上を併用して用いてもよい。
なお、前記有機酸系防錆剤は合成樹脂結合材の含有量100質量部に対して1〜10質量部(より好ましくは1.5〜8質量部、特に好ましくは2〜6質量部)で用いることが好ましい。含有量がこの範囲にあることで防錆性能に優れた防錆塗料をえることができる。
また、前記無機酸系防錆剤と有機酸系防錆剤とを併用して用いることが特に好ましい。無機酸系防錆剤と有機酸系防錆剤とを併用することで特に防錆性能に優れた防錆塗料を得ることができる。これらを併用する際には、合成樹脂結合材の含有量100質量部に対して前記無機酸系防錆剤を2〜50質量部(より好ましくは3〜30質量部)、前記有機酸系防錆剤を1〜8質量部(より好ましくは1.5〜6質量部)で用いることが好ましい。
前記防錆塗料は、本発明の効果を損なわない範囲において、合成樹脂結合材及び防錆剤以外の顔料、充填材、添加剤等を含有させてもよい。これらは、合成樹脂結合材をバインダーとする塗料に通常用いられるものの中から適宜選択して用いればよい。
例えば、顔料としては、カドニウム赤、べんがら、トルイジンレッド、黄鉛、鉄黄、チタン黄、ファストイエロー、アントラキノンイエロー、ベンジジンイエロー、酸化クロム、フタロシアニングリーン、紺青、群青、フタロンシアニンブルー、カーボンブラック、鉄墨、黒鉛等の無機顔料や有機顔料を用いることができる。
また、充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、カオリンクレー、酸化カルシウム、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、珪砂、寒水砂、金属粉などを用いることができる。
また、添加剤としては、例えば、増粘剤等の粘性調整剤、湿潤剤や分散剤等の界面活性剤、消泡剤、造膜助剤、凍結防止剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、レベリング剤、シランカップリング剤、防腐剤、防藻剤等を用いることができる。
防錆塗料を被塗装物となる金属下地に塗装する方法は特に限定されず、例えば、一般的な塗料の塗装方法によって塗装することができる。例えば、刷毛、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、フローコーター、ロールコーター、カーテンコーター等の塗装器具や塗装機を用いて塗装できる。また、塗装器具や塗装機を用いないでディッピング等によって塗装してもよい。
表1及び表2に示す配合の防錆塗料を調製し、これらの防錆塗料の防錆性能を以下の方法で確認した。表1及び表2に示す配合は、各材料の添加量を質量部で示している。
なお、ポリビニルアルコール(表1では、「PVA」と表記する。)は、以下のものを用いた。
PVA 1:重合度600、けん化度98mol%
PVA 2:重合度1800、けん化度98mol%
PVA 3:重合度600、けん化度87mol%
PVA 1:重合度600、けん化度98mol%
PVA 2:重合度1800、けん化度98mol%
PVA 3:重合度600、けん化度87mol%
また、ポリビニルアルコールの誘導体として、重合度600、けん化度98mol%のシラノール変性ポリビニルアルコールを用いた。
なお、上記のポリビニルアルコール及びポリビニルアルコールの誘導体は、合成樹脂エマルションと混合する前に、予め配合中の水に溶解させておいた。
また、合成樹脂エマルションとして、不揮発分45質量%のアクリル樹脂エマルションを用いた。
また、無機酸系防錆剤としてリン酸アルミニウム、有機酸系防錆剤として脂肪族カルボン酸のアミン塩を用いた。
また、添加剤として、界面活性剤、造膜助剤、消泡剤、増粘剤を用いた。
表1及び表2には、「合成樹脂結合材」の含有量を「A」、「ポリビニルアルコール及びその誘導体」の含有量を「B」として表示し、また「Aの全量中におけるBの含有率(少数点以下2桁で四捨五入)」を「(B/A)×100」として表示している。
(防錆性能試験)
これらの防錆塗料の防錆性能の確認する方法として、JIS K5621(2008)のサイクル腐食性試験を採用した。なお、サイクルの回数は28サイクルとした。
これらの防錆塗料の防錆性能の確認する方法として、JIS K5621(2008)のサイクル腐食性試験を採用した。なお、サイクルの回数は28サイクルとした。
サイクル腐食性試験のサイクルが終了した後、試験体の状態を観察した。
まず、JIS K5621と同様に、試験体の周辺約10mm以内および塗膜につけた傷の両側それぞれ2mm以内の塗膜は観察の対象から外し、錆汁による汚れも評価の対象外として試験体を観察して、錆の発生状況を目視によって確認した。
まず、JIS K5621と同様に、試験体の周辺約10mm以内および塗膜につけた傷の両側それぞれ2mm以内の塗膜は観察の対象から外し、錆汁による汚れも評価の対象外として試験体を観察して、錆の発生状況を目視によって確認した。
前記の手順で試験体を観察した結果は以下のように評価した。評価の結果は表1及び表2に示す。
○:錆の発生なし
△:僅かに錆が発生(試験体に10箇所未満の点錆)
×:試験体全体に点錆が発生
○:錆の発生なし
△:僅かに錆が発生(試験体に10箇所未満の点錆)
×:試験体全体に点錆が発生
更に、前記の評価では観察の対象から外した塗膜につけた傷の両側の周辺を観察したところ、実施例3の試験体より、実施例7の試験体の方に錆が多くみられ、重合度が小さいポリビニルアルコールを用いた方が防錆性能に優れている傾向がみられた。
また、実施例3の試験体より、実施例8の試験体の方に錆が多くみられ、けん化度が高いポリビニルアルコールを用いた方が防錆性能に優れている傾向がみられた。
また、実施例3の試験体と実施例9の試験体では錆の発生状況に大きな違いは見られず、ポリビニルアルコール誘導体でもポリビニルアルコールと同様に防錆性能を向上させる効果が得られる傾向が見られた。
Claims (3)
- 合成樹脂結合材及び防錆剤(鉛またはクロムを含有する防錆剤を除く)を含有し、合成樹脂結合材の全量中にポリビニルアルコール及び/又はその誘導体を1〜20質量%含有することを特徴とする防錆塗料。
- 前記防錆剤が、亜硝酸塩、リン酸塩、縮合リン酸塩(リン酸が2個以上縮合したものの塩)、亜リン酸塩、リン珪酸塩、ケイ酸塩、硝酸塩、ホウ珪酸塩、ホウ酸塩、メタホウ酸塩、モリブデン酸塩、並びにリンモリブデン酸塩から選ばれる少なくとも一種類以上の化合物、及び/又は有機酸類(その塩も含む)であることを特徴とする請求項1に記載の防錆塗料。
- 前記合成樹脂結合材として合成樹脂エマルションを含有し、合成樹脂結合材の全量中に合成樹脂エマルションの不揮発分を70質量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のコーティング剤組成物。
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