JP2013043790A - 焼成用バインダー - Google Patents

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Abstract

【解決手段】熱可塑性樹脂と、カルボン酸含有オレフィン系樹脂および/または脂肪酸からなる粉体樹脂を含有する焼成用バインダー。
【効果】本発明の焼成用バインダーをセラミックス部品製造もしくは、焼結金属部品製造(粉末冶金)に用いると原料粉体(金属粉末、黒鉛粉末、無機原料粉末)を十分に分散させ、且つ、原料粉同士を結着させることができ、更に、後加工において必要な、成形性を保持し、焼成後の特性を保持する低残炭性を有することから、従来に比べて良好なセラミックス部品や焼結金属部品を製造できる。また、グリーンテープにした際、高い強度と伸びを保持することが可能で、成形性に優れている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粉末冶金やセラミックス製造工程に用いる焼成用バインダーに関する。特に、セラミックスのテープ成形や粉末冶金に好適な焼成用バインダーに関する。
本発明は、粉末冶金やセラミックス製造工程に用いる焼成用バインダーに関する。特に、セラミックスのテープ成形や粉末冶金に好適な焼成用バインダーに関する。
セラミックスや焼結金属からなる部品は、原料粉(金属粉末、黒鉛粉末、無機原料粉末)と粘結助剤及び溶剤等を混合し、所望の性状にした後、求められる部品形状に成形し、焼成することによって得られる。
セラミックスからなる電子部品の場合をあげると、セラミックスの無機原料を有機溶剤に溶解した焼成用バインダーと混合し、ドクターブレード法によりシート状に離型可能な基材に塗布し、乾燥後グリーンテープを作り、所望の形状に切断、打ち抜き、または積層を行ってきた。このセラミック成形品は電子機器等に多用され、寸法安定性の向上が重視され、焼成工程における収縮率を小さくすることが重要であり、グリーンテープの密度を向上し、焼成時の収縮率を低下させることが望まれている。(非特許文献1)。
セラミックス部品製造工程では、先に挙げた様に、グリーンシートを形成する為にセラミックスの原料である無機粉体を溶剤と一緒に分散し、塗工可能なスラリーを形成する必要がある為、無機粉体の分散性が必要である。次いで、得られたグリーンシートを切断加工や打ち抜き加工にて、部品形状を成形し所望の部品を得る。この時、グリーンシートが十分に高い剛性を保持してないと、切断及び打ち抜き加工時の切断端面が大きく変形したり、所望の形状を維持することをできなく。このグリーンシートの剛性を発現する為にはグリーンシート成形に用いる焼成用バインダーを形成するポリマーの性能が重要になってくる。このポリマー単身には高い伸びと強度が要求される。
この様にして得られたグリーンシートは、更に積層加工、切断加工、打ち抜き加工等の工程を経た後、焼成工程に入る。この際、焼成用バインダーは熱分解し、最終的に無機物質のみからなるセラミックスになる。その際、セラミックス特性を左右する物が焼成用バインダーとして用いたポリマーがセラミックス中に残存しない、即ち、残炭が少ないことが求められる。
一方、粉末冶金では、鉄粉や鋼粉等を主原料として、銅、ニッケル、クロム、モリブデン等の合金元素、黒鉛、燐、硫黄等の粉末成分、ステアリン酸亜鉛等の潤滑剤を配合してから成形、焼結する。成分中の粒子の大きさ、比重等が異なるために混合後成形までの取扱い過程で発塵や偏析を抑制するため、トール油等の液体添加剤を原料粉末に配合する方法(特許文献1)や、固体結合剤を溶剤で溶解して均一に混合した後、溶剤を蒸発させる方法(特許文献2、3)や、熱硬化性樹脂を原料粉末に配合する方法(特許文献4)や、原料の鉄粉表面に有機結合剤を処理する方法(特許文献5)等が提案されてきた。
しかしながら、粉末冶金では流動性を維持しながら、発塵や偏析をさらに抑制させたいというニーズがあった。
特開昭60−502158号公報 特開昭63−103001号公報 特開平2−217403号公報 特開2006−124777号公報 特開2010−106296号公報 ファインセラミックス・金属粉体成形用バインダー類の 基礎と応用技術・斉藤勝義著・アイピーシー(1988年)
本発明の課題は、セラミックス製造もしくは、焼結金属製造(粉末冶金)において原料粉体を十分に分散させ、原料粉同士を結着させることができ、更には、後加工において必要な、成形性を保持し、焼成後の特性を保持する低残炭性を有する焼成用バインダーを提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究および検討を重ねてきた結果、熱
可塑性樹脂と、カルボン酸含有オレフィン系樹脂および/または脂肪酸からなる粉体樹脂
を含有する焼成用バインダーを見出した。即ち、本発明は、[1]〜[7]である。
[1] 粉体樹脂(A)を含む焼成用バインダー。
ここで、粉体樹脂(A)は熱可塑性樹脂(a−1)と、重合体鎖に結合したカルボン酸またはその塩の基を樹脂1グラム当り
式(1) −C−O−
‖ ・・・(1)

で表される基換算で0.05〜5ミリモル当量の濃度で含むオレフィン系樹脂(a−2)
および/または脂肪酸(a−3)を含み、平均の一次粒子径が50nm〜50μmである。
[2] 前記粉体樹脂(A)が、更にアニオン型および/またはノニオン型界面活性剤(a−4)を含む焼成用バインダー。
[3] 前記粉体樹脂(A)が、熱可塑性樹脂(a−1)100重量部に対し、オレフィン系樹脂(a−2)および/または脂肪酸(a−3)が0.5〜60重量部、界面活性剤(a−4)が0〜40重量部含有する焼成用バインダー。
[4] 前記熱可塑性樹脂(a−1)の重量平均分子量が50,000以上1,000,000以下で、前記オレフィン系樹脂(a−2)および/または脂肪酸(a−3)の重量平均分子量が220以上50,000未満である焼成用バインダー。
[5] 前記熱可塑性樹脂(a−1)が、水酸基で変性されたオレフィン系樹脂であることを特徴とする焼成用バインダー。
[6] 前記熱可塑性樹脂(a−1)が、カルボン酸またはその塩の基を含有するオレフィン系樹脂であることを特徴とする焼成用バインダー。
[7] 本願発明の焼成用バインダーを用いて得られたセラミックス部品、焼結金属部品。
本発明の焼成用バインダーをセラミックス部品製造もしくは、焼結金属部品製造(粉末冶金)に用いると原料粉体(金属粉末、黒鉛粉末、無機原料粉末)を十分に分散させ、且つ、原料粉同士を結着させることができ、更に、後加工において必要な、成形性を保持し、焼成後の特性を保持する低残炭性を有することから、従来に比べて良好なセラミックス部品や焼結金属部品を製造できる。また、グリーンテープにした際、高い強度と伸びを保持することが可能で、成形性に優れている。更に、本発明の焼成用バインダーを用いて成形物を得る粉末冶金、窯業物にも有用である。
本発明の焼成用バインダーは、粉体樹脂(A)を含むものである。
更に、他添加樹脂を含んでいても良い。以下、これ等について詳細に述べる。
[粉体樹脂(A)]
熱可塑性樹脂(a−1)
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(a−1)は、オレフィン系樹脂としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士
のランダムあるいはブロック共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテ
ン共重合体、エチレン・オクテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレ
ン・オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピ
レン・ターポリマー、環状ポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル、エチレン・不飽和カ
ルボン酸の共重合体、エチレン・ビニルアルコール、アイオノマー樹脂等が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニ
トリル・ブタジエン樹脂、α−メチルスチレン・スチレン樹脂、スチレン・共役ジエンブ
ロック樹脂(共役ジエンとしてはブタジエン、イソプレン等)、スチレン・共役ジエンブ
ロック樹脂の水素添加物(共役ジエンとしてはブタジエン、イソプレン等)、スチレン・
共役ジエン・スチレンのトリブロック樹脂(共役ジエンとしてはブタジエン、イソプレン
等)、スチレン・共役ジエン・スチレンのトリブロック樹脂の水素添加物(共役ジエンと
してはブタジエン、イソプレン等)等が挙げられる。
エンジニアリングプラスチックとしては、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ナイロン
等のポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリエー
テルエーテルケトン、結晶性ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリアミノビスマレイミド、セルロースアセテート等が挙げられる。
その他ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリエステル、ウレタン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリ乳酸等の生分解性樹脂等も使用できる。これ等の中で、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、エンジニアリングプラスチックが好ましい。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(a−1)の重量平均分子量(以下、Mwと略記する
。重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によ
り、ポリスチレンを標準として測定可能である。)は通常、50,000以上1,000
,000以下の範囲、好ましくは50,000以上800,000以下である。
オレフィン系樹脂(a−2)
本発明に用いられるオレフィン系樹脂(a−2)は、重合体鎖に結合したカルボン酸また
はその塩の基を樹脂1グラム当り
式(1) −C−O−
‖ ・・・(1)

で表される基換算で0.05〜5ミリモル当量の濃度で含むオレフィン系樹脂であり、ポ
リオレフィンの重合体鎖に結合したカルボン酸の塩の基(部分中和物ないし部分ケン化物
の時はカルボン酸基を含む)を、樹脂1グラム当たり、−COO−基として0.05〜5
ミリモル、好ましくは0.1〜4ミリモルの濃度で含むオレフィン系樹脂である。
上記オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテ
ン、ポリ4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、エチレン、プロピレン、1−ブテン、
4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体
、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、エチレン・オクテン共重
合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・オクテン共重合体、エチレン・プ
ロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・ターポリマー、環状ポリオレフ
ィン、エチレン・酢酸ビニル、エチレン・ビニルアルコール等のポリオレフィンの変性物
が挙げられ、また、エチレン・不飽和カルボン酸の共重合体、アイオノマー樹脂等も挙げ
られ、これら単独または2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(a−1)は、熱可塑性樹脂(a−1)は未変性であっても構わないが、変性する場合、重合体鎖に結合したカルボン酸塩を少なくとも含み、樹脂1グラム当り、1グラム当り、上記式(1)で表される基を総量0.05〜5ミリモル当量の濃度で含んでもよく、さらに水酸基を含有する不飽和ビニル基を熱可塑性樹脂(a−1)100重量部に対して、0.1〜10重量部で変性された重合体(重合体鎖に結合したものも含む)を含有してもよい。
前記の変性樹脂は、種々の方法で得ることできるが、例えば、有機溶剤中で熱可塑性樹脂と不飽和ビニル基を有するエチレン系不飽和カルボン酸或いは水酸基を有するモノマーと重合開始剤の存在下で反応させた後に脱溶剤する方法や、熱可塑性樹脂と不飽和ビニル基を有するカルボン酸あるいは水酸基を有するモノマーと重合開始剤とを混合したものを押出機に供給して加熱混練しながら反応させる方法等公知の方法が用いられる。
不飽和ビニル基を有するカルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸などが例示され、その無水物としては、ナジック酸TM(エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸などが例示できる。これらの単量体は単独で用いることもできるし、また2種類以上のものを用いることもできる。また、これらの中でも、酸無水物類が好ましく、さらには無水マレイン酸が好ましい。
本発明に用いる水酸基を含有するモノマーとして、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の水酸基含有ビニル類が例示できる。これらの単量体は単独で用いることもできるし、また2種類以上のものを用いることもできる。
ここで有機溶剤としては、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、イソオクタン、イソデカン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、n−酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3メトキシブチルアセテート等のエステル系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等の有機溶剤を用いることができ、またこれらの2種以上からなる混合物であっても構わない。これらの中でも、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、及び脂環式炭化水素が好ましく、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素がより好適に用いられる。
本発明に用いる重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
また、重合体鎖に結合したカルボン酸またはその塩を含むオレフィン系樹脂は、たとえばα−オレフィンなどからなるポリオレフィンに、中和されているか中和されていないカ
ルボン酸基を有する単量体、および/又はケン化されているかケン化されていないカルボ
ン酸エステルを有する単量体を、グラフト共重合することにより得ることができる。
カルボキシル基を有する単量体としては、カルボキシル基含有ビニル類、無水カルボン酸
類等が挙げられ、具体的には、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、
ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル
アクリレート、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等が挙げられ、これらは単独でも、2
種以上でも使用できる。
本発明に用いられるカルボン酸含有オレフィン系樹脂は、種々の方法で得ることできる
が、例えば、有機溶剤中で未変性オレフィン系樹脂と前記単量体を重合開始剤の存在下反
応する方法や、オレフィン系樹脂を加熱溶融し得られた溶融物に前記単量体を重合開始剤
を攪拌下で反応させる方法や、オレフィン系樹脂と前記単量体と重合開始剤を混合したも
のを押出機に供給して加熱混練しながら反応させる方法等挙げることができる。
ここで使用できる有機溶剤としては、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭
化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、イソオクタン、イソデカン等の脂肪族
炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキ
サン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、n−酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、3メトキシブチルアセテート等のエステル系、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール
、イソブチルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、セロソルブ(エチルセロ
ソルブ)、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビ
トール等のエーテル系等の有機溶剤を用いることができ、またこれらの2種以上からなる
混合物であっても構わない。これらの中でも、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、及び脂
環式炭化水素が好ましく、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素がより好適に用いられる。
本発明に用いる重合開始剤としては、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロル
ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、te
rt−ブチルパーオキシベンゾエイト、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシベン
ゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(tert−ブチルパーオキシド)ヘキサン、tert−ブチルベンゾエート、t
ert−ブチルペルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレート、ter
t−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピベレート、クメンハイ
ドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビ
ス(4−シアノペンタ酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエ
チル)プロピオアミド)等のアゾ化合物が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上
を混合して用いることができる。
脂肪酸(a−3)
本発明に用いる脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリ
ン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等
の飽和脂肪酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸
、ネルボン酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられ、これらは単独でも、2種以上でも使用でき
る。また、これらはオレフィン系樹脂(a−2)と併用することもできる。
(a−2)、(a−3)の重量平均分子量(以下、Mwと略記する。重量平均分子量は、
例えば、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを標
準として測定可能である。)は、220以上50,000未満の範囲、好ましくは220
以上45,000未満、さらに好ましくは220〜40,000が好ましい。
アニオン型および/またはノニオン型界面活性剤(a−4)
本発明に用いられる、アニオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤は、限定なく公知
のものが用いられる。
アニオン型界面活性剤としては、公知のものを用いることができるが、例えば、第一級高
級脂肪酸塩、第二級高級脂肪酸塩、第一級高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級ア
ルコール硫酸エステル塩、第一級高級アルキルスルホン酸塩、第二級高級アルキルスルホ
ン酸塩、高級アルキルジスルホン酸塩、スルホン化高級脂肪酸塩、高級脂肪酸硫酸エステ
ル塩、高級脂肪酸硫酸エステルスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸スルホン酸
塩、高級アルコールエーテルのスルホン酸塩、高級脂肪酸アミドのアルキロール化硫酸エ
ステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェノールスルホン酸塩、アルキル
ナフタリンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩等が挙げられる。
これらのアニオン型界面活性剤の中で特に好適なものとしては、高級脂肪酸塩、特に炭
素原子数が10〜20の飽和または不飽和の高級脂肪酸のアルカリ金属、アミン塩を挙げ
ることができ、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽和脂肪酸、リンデン酸、ツズ酸、ペトロ
セリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸、或い
はこれらの混合物のアルカリ金属、アミン塩を挙げることができる。
ノニオン型界面活性剤としては、公知のものを用いることができるが、例えば、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル、多価アルコー
ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸ショ糖エ
ステル、アルキロールアミド、ポリオキシアルキレンブロックコポリマー等を挙げること
ができる。
界面活性剤としては、アニオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤をそれぞれ単独で使
用することができるし、複数を併用することもできる。
[粉体樹脂(A)の製造方法]
本発明の粉体樹脂(A)の製造方法としては、例えば、熱可塑性樹脂(a−1)と、重
合体鎖に結合したカルボン酸またはその塩の基を樹脂1グラム当り
式(1) −C−O−
‖ ・・・(1)

で表される基換算で0.05〜5ミリモル当量の濃度で含むオレフィン系樹脂(a−2)
および/または脂肪酸(a−3)を溶融混練して混合した後に、塩基性物質と水を添加し
た後、さらに溶融混練して中和及び/又はケン化(転相)を行い、これを冷却、乾燥して
粉砕する方法や、熱可塑性樹脂(a−1)と、オレフィン系樹脂(a−2)および/また
は脂肪酸(a−3)、アニオン型および/またはノニオン型界面活性剤(a−4)を溶融
混練して混合した後に、塩基性物質と水を添加した後、さらに溶融混練して中和及び/又
はケン化(転相)を行い、これを冷却、乾燥して粉砕する方法等が挙げられる。
ここで粉体樹脂組成物は水を15%以下で含有しても良く、好ましくは10%以下、さら
には5%以下が好ましい。
本発明に使用される塩基性物質としては、特に制限されるものではないが、例えば、ナ
トリウム、カリウム、アルミニウム、マグネシウム、リチウム等のアルカリ金属及びアル
カリ土類金属の酸化物、水酸化物、ヒドロキシルアミン、水酸化アンモニウム等の無機ア
ミン、メチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジメチ
ルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパ
ノール、3−アミノ−1−プロパノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
イソプロパノールアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、アンモニア、
ピリジン、N−メチルイミダゾール等の有機アミン等を挙げられ、これらの化合物は1種
、または2種以上の混合物として使用することができる。
熱可塑性樹脂(a−1)と、オレフィン系樹脂(a−2)および/または脂肪酸(a−
3)、アニオン型および/またはノニオン型界面活性剤(a−4)の含有量は、前記(a
−1)100重量部に対し、粒子を形成する点で、(a−2)および/又は(a−3)が
0.5〜60重量部、(a−4)が0〜40重量部である。
樹脂(A)のTEM観察による平均の一次粒子径は、成形材に均一に、小さく分散させ
る点で、50nm〜50μm、好ましくは、50nm〜20μm、より好ましくは50n
m〜5μm、更に好ましくは50nm〜1μm、特に好ましくは50nm〜600nmで
ある。
また、本発明の焼成用バインダーは必要に応じて、揺変剤、増粘剤、消泡剤、表面調整剤、沈降防止剤、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、光安定剤、顔料分散剤、帯電防止剤などの添加剤を添加しても良い。
また、粉体樹脂(A)は粉体そのままで使用しても良く、これが有機溶媒に分散および/または溶解していても良い。
[粉体樹脂(A)のバインダーとしての用途]
次に本発明の焼成用バインダーを用いたセラミックス部品成形工程について具体的に説明する。セラミックス成形用の焼成用バインダーに用いる際は、主成分の原料セラミックス粉末と、必要に応じて水又は溶剤に溶解もしくは分散した本発明の焼成用バインダーを添加混合し、スラリー状にし、所望の形状に成形し、十分な温度と時間をかけて焼結し、セラミックス部品を得る。
本発明の焼成用バインダーは、例えばアルミナ、シリカ、ジルコニア、ベリリア、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、炭化珪素等のセラミックス原料の無機粉末に、添加し、先に挙げた有機溶剤等にて適当な粘度に希釈し、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル等の混練機により混練を行い、スラリー状とする。このとき可塑剤、消泡剤、粘結助剤、レベリング剤等の助剤を適宜混合使用してもよい。
本発明の焼成用バインダーの添加量は、上記粉末100重量部に対して、通常固形分として1〜20重量部、好ましくは3〜15重量部、添加量が1重量部未満では、原料粉末同士の密着性が充分でなく、発塵が発生しやすくなり、20重量部を超えると密着は良好となるが、流動性の低下や、圧粉体の強度が低下しやすくなる。
でき上がったスラリーを離型可能なプラスチックシート、金属シート、離型紙等の基体に膜厚制御可能な、例えばブレードコーター、ロールコーター、フローコーター等の塗布機で塗布し、溶剤を揮発除去した後、基体より離型してグリーンシートを得ることができる。得られたグリーンシートは、更に切断、打ち抜き、積層し、また必要に応じ導体回路や部品、端子等を挿入した後印刷、加熱炉によって1000〜2000℃に焼成し、セラミックス部品を製造することができる。
次に本発明の焼成用バインダーを用いた焼結金属の製造、すなわち、粉末冶金の工程に関して説明する。粉末冶金の焼成用バインダー(バインダー)に用いる際は、主成分のベース金属粉末と副成分の粉末に、必要に応じて水又は溶剤に溶解もしくは分散した本発明の焼成用バインダーを添加混合し、スラリー状にし、加熱又は真空により溶媒を蒸発させる。得られた組成物は、従来の冶金方法により、金型内で圧縮され成形し、十分な温度と時間をかけて焼結し、焼結金属部品を得る。
主成分のベース金属粉末としては、主に鉄粉或いは鉄ベースの粉末が用いられる。これら鉄ベースの粉末は、水噴霧鉄粉末、還元鉄粉末、予め合金化した鉄ベース粉末、又は拡散合金化鉄ベース粉末などのような種類のものからなっていてもよい。
副成分の粉末としては、黒鉛、Ni、Cu、Cr、Mn、Si、Mo、P、S、Nb等の合金用元素が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
主成分のベース金属粉末と副成分の粉末の混合比は、90〜99.8%/0.2〜10%がよく、93〜99.5%/0.5〜7%がさらに好ましい。
本発明の焼成用バインダーの添加量は、上記粉末100重量部に対して、通常固形分として0.05〜5重量部、好ましくは0.06〜1重量部、更に好ましくは0.08〜0.5重量部である。添加量が0.05重量部未満では、原料粉末同士の密着性が充分でなく、発塵が発生しやすくなり、5重量部を超えると密着は良好となるが、流動性の低下や、圧粉体の強度が低下しやすくなる。
さらに、必要に応じて滑性付与剤として、脂肪酸、エチレンビスステアルアミド(EBS)のようなアミドワックス、又は金属ステアリン酸塩のような他の脂肪酸誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、4−メチル−1−ペンテンからなる樹脂のようなポリアルキレン、ポリグリコール、アミド重合体、又はアミドオリゴマーを併用することができる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
粉末冶金の原料の調製方法は、各種粉末に、溶解もしくは、分散した本発明の焼成用バインダーが全体に行きわたるよう混合すればよく、具体的には、各種粉末を混合攪拌しながら溶解もしくは、分散した本発明の焼成用バインダーを噴霧して混合する方法や、主成分を攪拌しながら溶解もしくは、分散した本発明の焼成用バインダーを噴霧して添加し、さらに副成分の粉末を添加して混合する方法等がある。また、さらに滑性付与剤を混合する場合は、各種粉末を混合攪拌する際に添加しても、溶解もしくは、分散した本発明の焼成用バインダーを噴霧混合した後に添加しても、溶解もしくは、分散した本発明の焼成用バインダーに混合してから添加してもよい。
金型での圧縮成形は、金属の金型に本発明の焼成用バインダーを混合した粉末組成物を投入し、490〜980MPaの圧力で行なう。これを一般的な焼結方法によって、焼結金属部品を得る。
以下、本発明の水分散体の製法および各種試験例を挙げ、更に説明する。以下において
、部および%は特記していない限り重量基準である。
<製造例1>
充分に窒素置換した2リットルのオートクレーブに、ヘキサンを900cm3、1−ブ
テンを60g仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加え、70℃に昇温した
後、プロピレンで0.7MPaに加圧した。次いで、ジメチルメチレン(3−tert−
ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリド0.0
02mmolとアルミニウム換算で0.6mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・フ
ァインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温70℃、系内圧力
を0.7MPaにプロピレンで保ちながら30分間重合し、20mlのメタノールを添加
し重合を停止した。脱圧後、大量のメタノール中でポリマーを回収し、130℃で12時
間減圧乾燥し、プロピレン系樹脂を9.2g得た。
尚、得られた樹脂は、ブテン含量は19モル%からなるPBRであり、GPCにより測定
した分子量分布(Mw/Mn)は2.0であった。また、DSC測定によるポリマーの融
点は80℃であった。
[実施例1](a−1)として製造例1で得られたプロピレン系樹脂100重量部、(
a−2)として酸変性ポリプロピレンワックス(三井化学株式会社製、ハイワックスNP
0555A)10重量部および(a−4)として高級脂肪酸であるオレイン酸カリウム3
重量部とを混合したものを、2軸スクリュー押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM−30
,L/D=40)のホッパーより3000g/時間の速度で供給し、同押出機のベント部
に設けた供給口より、アンモニアの7%水溶液を120g/時間の割合で連続的に供給し
、加熱温度230℃で連続的に押出した。押出された樹脂混合物は、同押出機口に設置し
た40mmΦ1軸押出機(L/D=27)で冷却されて押出された固形物を、さらに室温
まで冷却した。得られた固形物を冷凍粉砕し、乾燥を行い、平均粒径:0.3μm(TE
M観察)の粉体樹脂組成物を得た。
[実施例2](a−1)をプロピレン系樹脂(酸変性ポリプロピレン、酸価:1、Mw
:7万)100重量部、(a−2)を酸変性ポリプロピレンワックス(三井化学株式会社
製、ハイワックスNP0555A)30重量部、(a−4)を高級脂肪酸であるオレイン
酸カリウム10重量部に、アンモニアの7%水溶液の供給量を550g/時間に変更した
以外は、実施例1と同様の方法で、平均粒径:0.1μm(TEM観察)の粉体樹脂組成
物を得た。
[実施例3](a−1)をプロピレン系樹脂(エボニックデグサ社製、ベストプラスト
792)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、平均粒径:0.3μm(TEM観
察)の粉体樹脂組成物を得た。
[実施例4]
(a−1)をスチレン系エラストマー(旭化成ケミカルズ株式会社製、タフテックH10
62)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、平均粒径:0.3μm(TEM観察
)の粉体樹脂組成物を得た。
[実施例5](a−1)をエチレン系樹脂(三井・デュポン・ポリケミカル株式会社、
エバフレックス420)に、(a−2)を酸変性エチレンワックス(三井化学株式会社製
、ハイワックスHW2203A)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、平均粒径
:0.2μm(TEM観察)の粉体樹脂組成物を得た。
粉末冶金のバインダーとしての評価
[実施例6]
主成分のベース金属粉末として鉄粉97.2重量部、副成分の粉末として銅粉末2.0重量部、黒鉛粉末0.8重量部を50℃に加熱しながら混合した後、ここに実施例1で得られた粉末樹脂組成物を0.45重量部添加して10分間混合した。ここにエチレンビスステアリン酸アミドを0.03重量部添加して、30分混合後、冶金用粉体を得た。さらに、得られた冶金用粉末を金型(直径11mm×厚さ10mm)に充填し、圧力686MPaにて圧粉体を得た。尚、圧粉体は10点作成した。
[実施例7]
実施例2で得られた粉末樹脂組成物を実施例6と同様の方法で冶金用粉体を得、評価を行った。
[比較例1]
粉末樹脂組成物(A)を用いず、実施例6と同様の方法で試験を行った。
[評価と結果]
(1)黒鉛の飛散量測定
それぞれ得られた冶金用粉体を用いて、黒鉛の飛散量を測定した。試験装置は一方が閉塞した円筒管(内径3cm×長さ15cm)の閉塞側から0.5cmの側面に窒素ガスを吹き込む口が付いており、閉塞側から1cmのところに795メッシュの金網を設け、冶金用粉末を金網上に20g置き、毎分2リットルの窒素ガスを15分吹き込み、黒鉛の減量を測定し、飛散量が10%未満のものを◎、10%以上30%未満のものを○、30%以上のものを×として評価し、結果を表2に記載した。
(2)流動性の測定
得られた冶金用粉体を用いて、その流動性をJIS規格Z2502に準拠して測定し、流動性が27(g/50g)以上のものを◎、20(g/50g)以上27(g/50g)未満のものを○、20(g/50g)未満のものを×として評価し、結果を表2に記載した。
(3)圧粉体の密度とバラツキの測定
それぞれ10点作成した圧粉体は、それぞれ密度を測定し、平均値を表2に記載した。表には、7.30(Mg/m3)以上のものを◎、7.20(Mg/m3)以上7.30(Mg/m3)未満のものを○、7.20(Mg/m3)未満のものを×として記載した。また、測定した最低の数値と最高の数値の差をバラツキとして表2に記載した。表には、値の差が0.05(Mg/m3)以下のものを◎、0.05(Mg/m3)以上0.2(Mg/m3)未満のものを○、0.2(Mg/m3)以上のものを×として記載した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2013043790
セラミックバインダーとしての評価
[実施例8]
実施例1で得られた粉末樹脂組成物40重量部をトルエン160重量部に投入して100℃で加熱溶解した後、80℃までは20℃/時間、80℃から50℃までは5℃/時間、50℃から40℃までは10℃/時間で降温して、樹脂液を得た。
アルミナ粉末(商品名AL−45−A(粒径0.79μm)、昭和電工社)60重量部に得られた樹脂液30.2重量部を加え、更に、トルエン22重量部を加え、磁気製ボールミルで48時間分散を行い、アルミナ粉/バインダー比が10/1であるアルミナスラリーを得た。さらに、得られたアルミナスラリーを乾燥後の厚みが180μになるようにドクターブレードでポリエステルシート上に塗布し、80℃で1時間乾燥して溶媒を除去し、ポリエステルシートから剥離し、アルミナグリーンテープを作成した。
[比較例2]
アクリル樹脂(DSCによる融点:80℃、重量平均分子量:27万)とトルエンからなる固形分37.5%のセラミックスバインダーを用いた以外は実施例19と同様にアルミナスラリーを得、アルミナグリーンテープを製造し、評価を行った。
[評価と結果]
<セラミックバインダーの評価>
[グリーンテープの評価]アルミナグリーンテープに関し、グリーン密度、グリーンテープの伸び強度および、熱分解性(熱分解温度域および残炭量)を測定した。
(1)グリーン密度:成形体寸法と重量より求めた。
(2)グリーンテープの強度:引っ張り試験機によりJIS K6848に準じて計測した。
(3)熱分解性:セラミックスバインダーを直径6cmのアルミ製シャーレに1g入れ、150℃30分乾燥して得られた樹脂片10mgアルミカップに入れ、示差熱・熱重量分析装置(TG/DTA同時測定装置 DTG-60/60H 島津製作所社製)にて、昇温速度20℃/分、昇温温度域20〜500℃にて測定を行い、分解温度域(分解開始温度:元重量から2%減少した温度、分解到達温度:重量変化がなくなった温度)および重量変化を測定した。以上の結果を表2に記載した。
Figure 2013043790

Claims (8)

  1. 粉体樹脂(A)を含む焼成用バインダー。
    ここで、粉体樹脂(A)は熱可塑性樹脂(a−1)と、重合体鎖に結合したカルボン酸またはその塩の基を樹脂1グラム当り
    式(1) −C−O−
    ‖ ・・・(1)

    で表される基換算で0.05〜5ミリモル当量の濃度で含むオレフィン系樹脂(a−2)
    および/または脂肪酸(a−3)を含み、平均の一次粒子径が50nm〜50μmである。
  2. 前記粉体樹脂(A)が、更にアニオン型および/またはノニオン型界面活性剤(a−4)を含む請求項1に記載の焼成用バインダー。
  3. 前記粉体樹脂(A)が、熱可塑性樹脂(a−1)100重量部に対し、オレフィン系樹脂(a−2)および/または脂肪酸(a−3)が0.5〜60重量部、界面活性剤(a−4)が0〜40重量部含有する請求項2に記載の焼成用バインダー。
  4. 前記熱可塑性樹脂(a−1)の重量平均分子量が50,000以上1,000,000以下で、前記オレフィン系樹脂(a−2)および/または脂肪酸(a−3)の重量平均分子量が220以上50,000未満である請求項1に記載の焼成用バインダー。
  5. 前記熱可塑性樹脂(a−1)が、水酸基で変性されたオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の焼成用バインダー。
  6. 前記熱可塑性樹脂(a−1)が、カルボン酸またはその塩の基を含有するオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の焼成用バインダー。
  7. 請求項1記載の焼成用バインダーを用いて得られたセラミックス部品。
  8. 請求項1記載の焼成用バインダー用いて得られた焼結金属部品。
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