JPH10219304A - 無機物粉末射出成形用組成物および焼結体 - Google Patents

無機物粉末射出成形用組成物および焼結体

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JPH10219304A
JPH10219304A JP9025071A JP2507197A JPH10219304A JP H10219304 A JPH10219304 A JP H10219304A JP 9025071 A JP9025071 A JP 9025071A JP 2507197 A JP2507197 A JP 2507197A JP H10219304 A JPH10219304 A JP H10219304A
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JP
Japan
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weight
parts
powder
composition
inorganic powder
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JP9025071A
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English (en)
Inventor
Kenji Muraoka
健二 村岡
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Publication date
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 欠陥が少なく、製品化率の高い新規な無機物
粉末射出成形用組成物および焼結体を提供する。 【解決手段】 無機物粉末と、該無機物粉末100重量
部に対してそれぞれ1〜30重量部のエチレン酢酸ビニ
ル共重合体と、1〜30重量部の低密度ポリエチレン樹
脂と、1〜30重量部のプロピレングリコール系ワック
スとからなる無機物粉末射出成形用組成物である。ま
た、無機物粉末と、該無機物粉末と、該無機物粉末10
0重量部に対してそれぞれ1〜30重量部のエチレン酢
酸ビニル共重合体と、1〜30重量部の低密度ポリエチ
レン樹脂と、1〜30重量部のプロピレングリコール系
ワックスとからなる無機物粉末射出成形用組成物を射出
成形によって成形した後、該成形体を脱バインダー処理
後、焼結して得られる焼結体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機物粉末射出成
形用組成物および焼結体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、粉末冶金法によって得られていた
焼結製品は、成形用組成物としての金属粉末またはセラ
ミックス粉末を加圧成形した後、焼結する製造方法に基
づいて生産されていた。しかしながら、この成形方法で
は、三次元的に複雑な形状を有する製品やナイフエッジ
部などの薄肉部を有する製品の製造は困難であった。
【0003】そこで、前記のような粉末冶金法の短所を
解決する目的で、無機物粉末と有機バインダーとからな
る射出成形用組成物を、所望形状の金型に射出成形し
て、得られた成形体を予備加熱脱脂処理後、焼結工程を
経て、最終焼結製品を入手する方法が提示され、例え
ば、一般工業機械部品、電機製品、工具類、精密機械部
品、医療機器類などに至る幅広い分野で有用な方法とし
て採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして、前記射出成
形用組成物から最終焼結製品を得るに際しては、(1)
射出成形体の寸法精度、(2)射出成形体の重量バラツ
キ、(3)射出成形体の脱脂性、(4)スプルー(供給
樋)やランナーなどの再利用性などの各特性が良好であ
ることなどが要求されるものである。
【0005】しかしながら、従来の射出成形用組成物
は、特に大型厚肉異形品を製造する場合、寸法精度や重
量バラツキが大きいのみならず、成形体中のヒケやワレ
などの成形欠陥が多いという問題があり、また脱脂時に
有機バインダーのガス化によるフクレや陥没が起こりや
すいといった問題もある。さらに、これらによって焼結
体の密度不足などが起こりやすく製品化率の低下の原因
となるといった問題もある方法である。本発明は、前記
の問題を解決し、欠陥が少なく、製品化率の高い新規な
無機物粉末射出成形用組成物および焼結体を提供するこ
とを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
を解決し、前記目的を達成するために研究を重ねた結
果、無機物粉末と、有機バインダーとしての特定量のエ
チレン酢酸ビニル共重合体と特定量の低密度ポリエチレ
ン樹脂と特定量のプロピレングリコール系ワックスとか
らなる組成物とすることによって目的を達し得ることを
見出して本発明を完成するに至った。即ち本発明の第1
の実施態様は、無機物粉末と、該無機物粉末100重量
部に対してそれぞれ1〜30重量部のエチレン酢酸ビニ
ル共重合体と、1〜30重量部の低密度ポリエチレン樹
脂と、1〜30重量部のプロピレングリコール系ワック
スとからなる無機物粉末射出成形用組成物を特徴とし、
無機物粉末が金属粉末である場合には、金属粉末と、該
金属粉末100重量部に対してそれぞれ1〜15重量部
のエチレン酢酸ビニル共重合体と、1〜30重量部の低
密度ポリエチレン樹脂と、1〜15重量部のプロピレン
グリコール系ワックスとからなることが好ましく、ま
た、無機物粉末がセラミック粉末である場合には、セラ
ミック粉末と、該セラミック粉末100重量部に対して
それぞれ10〜25重量部のエチレン酢酸ビニル共重合
体と、1〜30重量部の低密度ポリエチレン樹脂と、8
〜25重量部のプロピレングリコール系ワックスとから
なることがさらに好ましい。
【0007】さらに、本発明の第2の実施態様は無機物
粉末と、該無機物粉末と、該無機物粉末100重量部に
対してそれぞれ1〜30重量部のエチレン酢酸ビニル共
重合体と、1〜30重量部の低密度ポリエチレン樹脂
と、1〜30重量部のプロピレングリコール系ワックス
とからなる無機物粉末射出成形用組成物を射出成形によ
って成形した後、該成形体を脱バインダー処理後、焼結
して得られる焼結体を特徴とするものである。
【0008】このような組成物や焼結体の製造に適用さ
れる方法や機器類は、特定なものではなく従来からこの
種の製造に適用されている方法や機器類を適用すること
ができるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の射出成形用組成物は、無
機物粉末に対してエチレン酢酸ビニル共重合体と低密度
ポリエチレン樹脂とプロピレングリコール系ワックスの
混合有機バインダーを用いる特徴とするものである。
【0010】しかして、本発明において使用する焼結可
能な無機物粉末としては、金属粉末またはセラミック粉
末があるが、金属粉末としては、例えばチタン、チタン
−コバルト合金、チタン−鉄合金などのようなチタン系
微粉末、鉄−シリコン、カーボニル鉄などのような鉄系
微粉末、モリブデン、モリブデン−シリコン系などのよ
うなモリブデン系微粉末、銅、銅−ニッケルなどのよう
な銅系微粉末、SUS316L、SUS440、SUS
630などのようなステンレス鋼微粉末、タングステ
ン、タングステン−銅系などのようなタングステン系微
粉末、アルミニウム−リチウム系微粉末などのような各
種金属微粉末が挙げられ、またセラミック粉末として
は、アルミナ微粉末、ジルコニア微粉末、炭化珪素微粉
末、窒化珪素微粉末、チタン酸バリウム微粉末などのよ
うな各種セラミックス微粉末が挙げられる。
【0011】これら金属微粉末やセラミックス微粉末の
好ましい粒径は、平均50μm以下であり、特に好まし
くは平均20μm以下である。平均粒径が50μmを越
えると焼結後の強度、寸法安定性等が悪くなるため本発
明の効果を得ることができない。しかし、0.1μm未
満では高価となるため、下限は0.1μmである。
【0012】また、エチレン酢酸ビニル共重合体として
は、一般に市販されている種々の分子量、酢酸ビニル共
重合率のものを使用することができる。しかしながら、
これらの樹脂の溶融粘度は、JIS K6760のメル
トフローレート値で10g/10分以上の特性を持つも
のが好ましく、さらに好ましくは当該値50g/10分
以上、最も好ましくは100g/10分以上の特性を持
つものがより良い効果が得られるものである。しかしな
がら、当該値が10g/10分未満のものを使用した場
合には、射出成形が困難になるばかりでなく、脱脂後の
重量バラツキや寸法バラツキが著しく増加するために、
本発明の効果を得ることができないものである。
【0013】本発明において使用するエチレン酢酸ビニ
ル共重合体の酢酸ビニル共重合率としては、30%以下
が好ましい。これは、共重合率が30%を越えると成形
温度の著しい低下やゴム状弾性の発現があることなどか
ら本発明の効果を得にくくなるからである。なお、共重
合率は少ない方がよいが、5%以下では成形時の欠陥が
出現しやすく、その下限は5%である。
【0014】エチレン酢酸ビニル共重合体の添加量は、
無機物粉末100重量部に対して1〜30重量部の範囲
が好ましく、無機物粉末が金属粉末の場合には、1〜1
5重量部、セラミックス粉末の場合には、10〜25重
量部以下の範囲であることがそれぞれさらに好ましい範
囲である。これは、添加量が1重量部未満では、著しい
溶融粘度の低下を招くために本発明の効果を得ることが
でず、30重量部を超えて添加した場合には、焼結後の
変形や寸法変化が顕著となり所望の製品を安定して得ら
れないからである。
【0015】これらの樹脂は、組成物成形後に前記所望
の溶融粘度を有すればよく、例えば当該メルトフローレ
ート値適正範囲を逸脱する高粘度品や低粘度品、あるい
は適正品などの2種類以上の混合によって当該メルトフ
ローレート値を適正範囲に調整して用いてもよいもので
ある。
【0016】また、本発明において使用する低密度ポリ
エチレン樹脂としては、一般に市販されている種々の分
子量のものを使用することができる。しかしながら、こ
れらの樹脂の溶融粘度は、JIS K6760のメルト
フローレート値で10g/10分以上の特性を持つもの
が好ましく、さらに好ましくは当該値50g/10分以
上、最も好ましくは100g/10分以上の特性を持つ
ものがより良い効果が得られるものである。しかしなが
ら、当該値が10g/10分未満のものを使用した場合
には、射出成形が困難になるばかりでなく、脱脂後の重
量バラツキや寸法バラツキが著しく増加するために、本
発明の効果を得ることができないものである。
【0017】低密度ポリエチレン樹脂の添加量は、無機
物粉末100重量部に対して1〜30重量部の範囲が好
ましく、無機物粉末が金属粉末の場合には、1〜15重
量部、セラミックス粉末の場合には、10〜25重量部
以下の範囲であることがそれぞれさらに好ましい範囲で
ある。これは、添加量が1重量部未満では、著しい溶融
粘度の低下を招くために本発明の効果を得ることがで
ず、30重量部を超えて添加した場合には、焼結後の変
形や寸法変化が顕著となり所望の製品を安定して得られ
ないからである。
【0018】これらの樹脂は、組成物成形後に前記所望
の溶融粘度を有すればよく、例えば当該メルトフローレ
ート値適正範囲を逸脱する高粘度品や低粘度品、あるい
は適正品などの2種類以上の混合によって当該メルトフ
ローレート値を適正範囲に調整して用いてもよいもので
ある。
【0019】これらの2つの樹脂、すなわちエチレン酢
酸ビニル共重合体と低密度ポリエチレン樹脂との混合比
率は、両樹脂の総量に対してエチレン酢酸ビニル共重合
体を5〜50重量%含むことが望ましい。エチレン酢酸
ビニル共重合体の比率を50重量%より多く混合すると
脱脂時の欠陥が顕著となり、また、5重量%より少なく
混合すると、成形時の欠陥がでやすくなり好ましくな
い。より好ましくは、両樹脂の総量に対してエチレン酢
酸ビニル共重合体を10〜30重量%含む比率である。
【0020】さらに、本発明において使用するプロピレ
ングリコール系ワックスとしては、一般に市販されてい
るものを用いることができ、例えばプロピレングリコー
ルモノラウレート、プロピレングリコールモノパルミレ
ート、プロピレングリコールモノパルミテート、プロピ
レングリコールモノステアレート、プロピレングリコー
ルモノオレート、プロピレングリコールモノオレエー
ト、プロピレングリコールモノベヘネート、プロピレン
グリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモ
ノカプレート、プロピレングリコールモノリノレート、
プロピレングリコールモノリシノレート、プロピレング
リコールモノアジペート、プロピレングリコールモノセ
バシネート、プロピレングリコールジラウレート、プロ
ピレングリコールジパルミレート、プロピレングリコー
ルジパルミテート、プロピレングリコールジステアレー
ト、プロピレングリコールジオレート、プロピレングリ
コールジオレエート、プロピレングリコールジベヘネー
ト、プロピレングリコールジカプリレート、プロピレン
グリコールジカプレート、プロピレングリコールジリノ
レート、プロピレングリコールジリシノレート、プロピ
レングリコールジアジペート、プロピレングリコールジ
セバシネートなどが挙げられ、これら以外にも各種飽和
脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖型脂肪酸、分岐型脂肪酸な
どとプロピレングリコールとのエステル結合体であれ
ば、特に限定されることなく、単独または2種以上を混
合して使用することができる。
【0021】これらのプロピレングリコール系ワックス
の添加量は、無機物粉末100重量部に対して1〜30
重量部の範囲が好ましく、無機物粉末が金属粉末の場合
には、1〜15重量部、セラミックス粉末の場合には、
8〜25重量部の範囲であることがそれぞれさらに好ま
しい範囲である。これは、添加量が1重量部未満では、
著しい溶融粘度の低下、成形体の金型離型性低下、成形
体の密度バラツキ、脱脂後の成形体強度低下を招くため
に本発明の効果を得ることができず、30重量部を超え
て添加した場合には、著しく成形性が低下し、射出成形
時の成形安定性、グリーン成形体の強度が損なわれ、本
発明の効果を得ることができないからである。
【0022】なお、本発明の組成物において、前記エチ
レン酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン樹脂およ
びプロピレングリコール系ワックスの他に、この種類の
組成物において常用されている可塑剤、ワックスなどを
さらに添加することができる。しかして、可塑剤として
は、例えばジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフ
タレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、
ジ−(2−エチルヘキシル)フタレ−ト(DOP)、ジ
−n−オクチルフタレート(DnOP)、ジイソオクチ
ルフタレート(DIOP)、ジイソブチルフタレート
(DIDB)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジフ
ェニルフタレート(DPP)、ジイソデシルフタレート
(DIDP)、ジトリデシルフタレート(DTDP)、
ジウンデシルフタレート(DUP)、ジ(ヘプチル,ノ
リル,ウンデシル)フタレート、ベンジルフタレート、
ブチルベンジルフタレート(BBP)、ジイソノニルフ
タレート(DINP)、その他各種ジノルマルアルキル
フタレート、アルキルベンジルフタレート(ABP)、
ジメトキシエチルフタレート、ジブトキシエチルフタレ
ート、ジメチルシクロヘキシルフタレート、ジメチルイ
ソフタレート(DMIP)、ジ−(2−エチルヘキシ
ル)テトラヒドロフタレート(DOTP)、などような
フタル酸系可塑剤、エチルフタリルエチルグリコレート
(EPEG)、ブチルフタリルブチルグリコレート(B
PBG)などようなグリコール酸系可塑剤、ジブチルア
ジペート(DBA)、ジメチルアジペート(DMA)、
ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート(DOA)、ジ
イソデシルアジペート(DIDA)、ジイソブチルアジ
ペート(DIBA)、ジ(n−オクチル,n−デシル)
アジペート、ジイソノリツアジペート(DINA)、ベ
ンジルオクチルアジペート、ジブチルジグリコールアジ
ペート、ジ−n−アルキルアジペート(DSA)、ジ−
n−アルキル(C6、C8、C10)アジペート、ジ−
(ブトキシエトキシエチル)アジペート、ジ(n−ヘキ
シルn−オクチルn−デシル)アジペートなどようなア
ジピン酸系可塑剤、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレ
ート(DOZ)、ジ−n−ヘキシルアゼレート(DNH
Z)、ジメチルアゼレート、ジベンジルアゼレート、ジ
ブトキシエチルアゼレート(DBEZ)などようなアゼ
ライン酸系可塑剤、ジ−n−ブチルセバケート(DB
S)、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート(DO
S)、ジメチルセバケート(DMS)セバシン酸系可塑
剤、ジ−2−エチルヘキシルドデカネジオエート(DO
DN)、2−酸ジメチルドデカネートなどようなドデカ
ン酸系可塑剤、ジ−n−ブチルマレート(DBM)、ジ
メチルマレート(DMM)、ジエチルマレート(DE
M)、ジ−(2−エチルヘキシル)マレート(DO
M)、ジ−n−ブチルフマレート(DBF)などような
マレイン酸系可塑剤、ジ−(2−エチルヘキシル)フマ
レート(DOF)、ジ−n−ブチルフマレートなどよう
なフマル酸系可塑剤、トリ−(2−エチルヘキシル)ト
リメリテート(TOTM)、トリ−n−オクチルトリメ
リテート、トリイソデシルトリメリテート、トリイソオ
クチルトリメリテート(TIOTM)、高級アルコール
トリメリテート、リニアートリメリテート等のトリメリ
ット酸系可塑剤、トリエチルシトレート(TEC)、ト
リ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレ
ート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート(ATB
C)、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シトレー
ト等のクエン酸系可塑剤、モノメチルイタコネート(M
MI)、モノブチルイタコネート(MBI)、ジメチル
イタコネート(DMI)、ジブチルイタコネート(DB
I)、ジ−(2−エチルヘキシル)イタコネートなどよ
うなイタコン酸系可塑剤、ブチルオレート、グリセリル
モノオレート(GMO)、ポリエチレングリコール20
0モノオレートなどようなオレイン酸系可塑剤、メチル
アセチルリシノレート(MAR)、ブチルアセチルリシ
ノレート(BAR)などようなリシノール酸系可塑剤な
どが挙げられる。
【0023】また、ワックスとしては、パラフィンワッ
クス、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン
等のパラフィン系ワックス、種々の分子量のポリエチレ
ン系ワックス、モンタン酸系ワックス、ステアリン酸、
ヒドロキシステアリン酸、複合型ステアリン酸等の脂肪
酸系ワックス、硬化油、ステアロアミド、オキシステア
ロアミド、オレイルアミド、エルシルアミド、ラウリル
アミド、パルチミンアミド、ベヘンアミド、メチロール
アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスス
テアロアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレン
ビスラウリルアミド、ステアリルオレイルアミド、N−
ステアリルエルクアミド、N−オレイルパルミトアミド
等の脂肪酸アミド系ワックス、脂肪族または芳香族系ア
ルコール脂肪酸エステル系ワックス、複合エステル系ワ
ックス、高級アルコール系ワックス、高級アルコール系
複合型ワックス、グリセリン脂肪酸エステル系ワック
ス、長鎖脂肪族化合物、非イオンエステル系活性剤、低
分子量ポリプロピレン、酸化エチレンと酸化プロピレン
のブロック共重合体、パーフルオロアルキルベタイン、
パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、合成有
機酸エステル誘導体、ノニオン系活性剤、脂肪酸ジエタ
ノールアミドなどが挙げられる。
【0024】これらの添加量は、この種の組成物におい
て常用される範囲として、可塑剤については、0.5〜
20重量部、ワックスについては、1〜20重量部の範
囲で添加すればよいものである。
【0025】本発明の組成物は、前記各成分を適宜選択
して、それらをそれぞれ所定配合割合になるように配合
して、均一に加熱混練することによって製造することが
できる。しかして、混練方法は特に制限することはな
く、例えば、万能混合攪拌機、バンバリーミキサーや加
圧ニーダー、一軸や二軸押出機、混練用ロールなどの適
宜の装置を用いて、120〜180℃で30〜120分
混練することによって、無機物粉末と前記有機バインダ
ーとが均一に混合された造粒状組成物を得ることができ
るものである。
【0026】さらに、得られた射出成形用組成物を成形
温度65〜120℃、金型温度20〜40℃の条件で所
定の形状に射出成形することによってグリーン成形体を
得、これを通常行われているようにまず脱脂炉中に挿入
後、還元雰囲気中で5〜20℃/hで昇温し、最高温度
300〜450℃で60〜120分間維持した後、自然
冷却して一次脱脂体を得、次に得られた一次脱脂体を焼
結炉中に挿入後、真空雰囲気中で2.5〜20℃/hで
昇温し、500〜700℃で30〜60分間維持した
後、最高温度1200〜1800℃で60〜120分間
維持した後、自然冷却して最終焼結体を得ることができ
る。
【0027】なお、この際に使用する方法や装置は、通
常採用されている方法や装置を使用することができる。
【0028】
【実施例】次に、本発明の実施例を述べる。
【0029】実施例、比較例において使用した材料の種
類は次の示す通りである。
【0030】A:無機物粉末 ・金属粉(1) ステンレス合金、SUS316L(商
品名:MHTSUS316LH、三菱製鋼株式会社製) ・金属粉(2) カーボニル鉄(商品名:カーボニル
鉄、ISP社製) ・セラミックス粉末 ジルコニア(商品名:TZ−3
Y、東ソ−株式会社製) B:エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂 ・EVA樹脂(1) エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
(商品名:ウルトラセン681 東ソー株式会社製、酢
酸ビニル共重合率20%、MFR=350) ・EVA樹脂(2) エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
(商品名:ウルトラセン530 東ソー株式会社製、酢
酸ビニル共重合率6%、MFR=75) C:ポリエチレン樹脂 ・PE樹脂 低密度ポリエチレン樹脂(商品名:スミ
カセンG808、住友化学工業株式会社製) D:プロピレングリコール系ワックス ・WAX(1) プロピレングリコールモノステアレー
ト(商品名:リケマールPS-100 、理研ビタミン株式会
社製) ・WAX(2) プロピレングリコールモノパルミテー
ト(商品名:リケマールPP-100 、理研ビタミン株式会
社製) E:その他のワックス(パラフィンワックス) ・PWAX(商品名:パラフィンワックス125、日本
精蝋株式会社製) (実施例1) 1)組成物の混合および作製 表1に示すように金属粉末(1)100重量部に、EV
A樹脂(1)1重量部と、低密度ポリエチレン樹脂3重
量部と、WAX(1)4重量部とを添加し、愛工舎製万
能混合攪拌機を使用して150℃で40分間加熱混合し
た後、徐冷しながらさらに1時間混合攪拌を続けること
によって粒状組成物を得た。
【0031】2)射出成形方法 得られた組成物を(株)日本製鋼所製射出成形機(型
式:JSW25SS2)を使用して、直径20mm×20
mmHの円柱状試験用成形品を、成形温度65〜120
℃、金型温度20〜40℃の条件で整形してグリーン成
形体を得た。
【0032】3)一次脱脂方法 得られたグリーン成形体をSUS製容器中に整列し、平
均粒径約25μmアルミナ粉で埋没せしめ、脱脂炉中に
挿入後、窒素流雰囲気中で20℃/hで昇温し、最高温
度450℃で60分間維持した後、自然冷却して一次脱
脂体を得た。
【0033】4)二次脱脂および焼結 得られた一次脱脂体をアルミナ粉を除去した後、再度ア
ルミナ製板上に整列して、焼結炉中に挿入後、真空雰囲
気中で10℃/分で昇温し、700℃で60分間維持し
た後、最高温度1350℃で120分間維持した後、自
然冷却して最終焼結体を得た。
【0034】5)評価方法 (1)成形性評価 前記のようにして得られた20個のグリーン成形体につ
いて、外観(ヒケ、陥没、表面荒れ、ワレの4点)を目
視によって評価し、欠陥発現率によって次のように分類
した。
【0035】 0/20 〜 2/20 ○ 3/20 〜 10/20 △ 11/20〜 20/20 × (2)脱脂性評価 得られた20個のグリーン成形体について、脱脂率%
{=(成形体−脱脂体)/(成形体中のバインダー含有
量)×100}の平均値を求め、かつ、外観(フクレ、
変形の2点)を目視によって評価し、欠陥発現率によっ
て前記「成形性評価」と同様に分類した。
【0036】(3)焼結性評価 得られた20個の焼結体について、平均密度を寸法重量
法で算出した。また、外観(フクレ、変形の2点)を目
視によって評価し、欠陥発現率によって前記「成形性評
価法」と同様に分類した。
【0037】得られた評価結果を表2に示す。
【0038】(実施例2〜11、18〜19)金属粉
(1)に、エチレン酢酸ビニル共重合体とプロピレング
リコール系ワックスの種類と添加量、低密度ポリエチレ
ン樹脂の添加量を表1に示すような割合で添加して、表
1に示したそれぞれの条件に従って実施例1と同様に処
理してそれぞれの組成物、焼結体を製造し、実施例1と
同様にして各種の評価を行った。
【0039】得られた結果を表2に示す。
【0040】(実施例12〜14)金属粉末(2)10
0重量部を使用し表1に示す各種条件とした以外は、実
施例1と同様に処理して組成物、焼結体を製造し、実施
例1と同様にして各種の評価を行った。得られた結果を
表2に示す。
【0041】(実施例15〜17)セラミック粉末10
0重量部を使用し表1に示す各種条件とした以外は、実
施例1と同様に処理して組成物、焼結体を製造し、実施
例1と同様にして各種の評価を行った。得られた結果を
表2に示す。
【0042】(比較例1)金属粉末(1)100重量部
に、PE樹脂4重量部とPWAX4重量部を添加し、表
1に示す各種条件で実施例1同様に処理して、組成物、
焼結体を製造し、実施例1と同様にして各種の評価を得
た。得られた結果を表2に示す。
【0043】(比較例2〜5)表1に示すような割合で
添加して、表1に示す各種条件で実施例1と同様に処理
してそれぞれの組成物、焼結体を製造し、実施例1と同
様にして各種の評価を行った。得られた結果を表2に示
す。
【0044】これらの結果から、本発明の組成物は、従
来のものに較べて大型厚肉異形製品においても欠陥の発
現が少なく、良好な最終焼結製品が得られていることが
認められる。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明は、無機物粉末に樹脂とワックス
とを特定割合で組み合わせたものであるから、成形性、
脱脂性、および焼結性に優れており、製品化率の高い最
終焼結体を提供し得るものであって顕著な効果が認めら
れる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機物粉末と、該無機物粉末100重量
    部に対して1〜30重量部のエチレン酢酸ビニル共重合
    体と、1〜30重量部の低密度ポリエチレン樹脂と、1
    〜30重量部のプロピレングリコール系ワックスとから
    なることを特徴とする無機物粉末射出成形用組成物。
  2. 【請求項2】 無機物粉末が金属粉末である場合には、
    金属粉末と、該金属粉末100重量部に対して1〜30
    重量部のエチレン酢酸ビニル共重合体と、1〜30重量
    部の低密度ポリエチレン樹脂と、1〜15重量部のプロ
    ピレングリコール系ワックスとからなることを特徴とす
    る請求項1記載の無機物粉末射出成形用組成物。
  3. 【請求項3】 無機物粉末がセラミック粉末である場合
    には、金属粉末と、該金属粉末100重量部に対して1
    0〜25重量部のエチレン酢酸ビニル共重合体と、1〜
    30重量部の低密度ポリエチレン樹脂と、8〜25重量
    部のプロピレングリコール系ワックスとからなることを
    特徴とする請求項1記載の無機物粉末射出成形用組成
    物。
  4. 【請求項4】 無機物粉末と、該無機物粉末100重量
    部に対して1〜30重量部のエチレン酢酸ビニル共重合
    体と、1〜30重量部の低密度ポリエチレン樹脂と、1
    〜30重量部のプロピレングリコール系ワックスとから
    なることを特徴とする無機物粉末射出成形用組成物を射
    出成形によって成形した後、該成形体を脱バインダー処
    理し、焼結して得られることを特徴とする焼結体。
JP9025071A 1997-02-07 1997-02-07 無機物粉末射出成形用組成物および焼結体 Pending JPH10219304A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN112404419A (zh) * 2020-11-09 2021-02-26 山东金珠材料科技有限公司 Y型易碎钨基mim专用喂料
CN113290246A (zh) * 2021-04-14 2021-08-24 济南大学 易碎钨镍铁合金材料金属粉末注射成型mim生产工艺
CN114749682A (zh) * 2022-04-07 2022-07-15 中国第一汽车股份有限公司 一种隔离材料、金属3d打印零件及其制备方法

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