JPH11310803A - 金属粉末射出成形体用組成物、金属粉末射出成形体用バインダ、金属粉末射出成形体の脱脂方法及び金属粉末焼結成形体の製造方法 - Google Patents

金属粉末射出成形体用組成物、金属粉末射出成形体用バインダ、金属粉末射出成形体の脱脂方法及び金属粉末焼結成形体の製造方法

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JPH11310803A
JPH11310803A JP13439698A JP13439698A JPH11310803A JP H11310803 A JPH11310803 A JP H11310803A JP 13439698 A JP13439698 A JP 13439698A JP 13439698 A JP13439698 A JP 13439698A JP H11310803 A JPH11310803 A JP H11310803A
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JP
Japan
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metal powder
molded body
injection molded
binder
injection
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Application number
JP13439698A
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English (en)
Inventor
Yoshimitsu Sagawa
喜光 寒川
Michio Kada
教夫 嘉田
Seiji Takamori
清次 高森
Mamoru Koga
守 古賀
Ippei Yamauchi
一平 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Kogyo KK
Shimadzu Mectem Inc
Original Assignee
Taisei Kogyo KK
Shimadzu Mectem Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱脂工程における不良品の発生が少なく、ま
た、エネルギ効率、生産効率のよい、金属粉末射出成形
体用組成物、金属粉末射出成形体用バインダ、金属粉末
射出成形体の脱脂方法及び金属粉末焼結成形体の製造方
法を提供する。 【解決手段】 金属粉(A)100重量部に対して、ビ
カット軟化点150℃以上かつメルトフローレートが1
5g/10min以下であるポリオキシメチレン樹脂
(b1)5〜30vol %および融点30℃〜70℃のパ
ラフィンワックス30〜70vol %(b2)を含有する
バインダ(B)5〜15重量部を配合して形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属粉末を射出成形
し、その成形体を脱脂・焼結して焼結成形体を得るため
の金属粉末射出成形体用組成物、金属粉末射出成形体用
バインダ、金属粉末射出成形体の脱脂方法及び金属粉末
焼結成形体の製造方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】複雑形状の金属製品を製造する方法とし
て、金属粉末を有機化合物を主成分とするバインダとと
もに射出成形し、この射出成形体から上記バインダを除
去して焼結することにより焼結成形体を形成する金属粉
末射出成形法が知られている。
【0003】この金属粉末射出成形法においては、金属
粉末に射出成形時の流動性及び脱脂工程における保形性
を持たせるために熱可塑性樹脂等の種々の有機化合物が
添加される。金属粉末とこれら有機化合を加熱混練して
射出成形体用組成物を製造し、この射出成形体用組成物
を射出成形し、得られた成形体を脱脂・焼結することに
より、金属粉末焼結成形体が得られる。
【0004】金属粉末を射出成形するために配合される
有機化合物として、たとえば、特開昭59─22940
3号公報に記載されているもののように、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、メタクリル酸エステル共重合体お
よびエチレン−酢酸ビニル共重合体等の高分子化合物
と、パラフィンワックス、カルナバワックス等の低分子
量化合物とを採用したものが知られている。
【0005】また、特公平成7─68567号公報に記
載されているもののように、ポリスチレン、ポリブチル
メタクリレート及びエチレン酢酸ビニル共重合体を必須
成分としたものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの有機
化合物をバインダとして用いた場合、バインダを除去す
るための脱脂工程において昇温速度が速いと、バインダ
が溶融、加熱分解するときに、成形体の膨れ、割れおよ
び変形が発生しやすい。このため、不良品が発生しやす
く、歩留りが悪い。
【0007】また、昇温速度を高めることができないた
め、バインダを完全に除去するために長時間を要する。
このため、エネルギ効率や生産効率が悪く、製造コスト
も増加する。
【0008】本発明は、上記課題を解決するために考え
出されたものであって、脱脂工程における不良品の発生
が少なく、また、エネルギ効率、生産効率のよい、金属
粉末射出成形体用組成物、金属粉末射出成形体の脱脂方
法及び金属粉末焼結成形体の製造方法を提供するもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載し
た発明に係る金属粉末射出成形体用組成物は、金属粉
(A)100重量部に対して、ビカット軟化点150℃
以上かつメルトフローレートが15g/10min以下
であるポリオキシメチレン樹脂(b1)5〜30vol %
および融点30℃〜70℃のパラフィンワックス30〜
70vol %(b2)を含有するバインダ(B)5〜15
重量部を配合して形成される。
【0010】バインダに含有されるポリオキシメチレン
樹脂は、射出成形体の強度を高め、脱脂工程の際の変形
を防止する。また、脱脂工程において完全に除去できる
ため、焼結工程まで残留することがない。
【0011】ポリオキシメチレン樹脂の配合量が5vol%
未満の場合には、射出成形体の強度が低くなり、脱脂工
程における変形も大きくなる。
【0012】ポリオキシメチレン樹脂の添加量が30vo
l %を越えた場合には、射出成形温度が高くなり、射出
成形体に欠陥が生じやすくなる。また、脱脂工程におい
て、多量のポリオキシメチレン樹脂が急激に熱分解する
ため、成形体に割れ、膨れが生じやすい。
【0013】ポリオキシメチレン樹脂のビカット軟化点
が150℃未満のばあいには脱脂工程において成形体が
変形しやすい。なお、ビカット軟化点とは、加熱浴槽中
においた試験片に垂直に建てた針状圧子に、所定の荷重
を加えて、一定速度だ昇温したときに、圧子が試験片に
1mm浸入したときの温度を示す。(JIS−K720
6、ISO−306)
【0014】ポリオキシメチレン樹脂のメルトフローレ
ート(メルトフローインデックス)が15g/10mi
n以上の場合には脱脂時の変形が大きくなる。なお、メ
ルトフローレートとは、特定の試験条件のもとで、一定
の時間内に押し出される熱可塑性材料の量を示す。(J
IS7120、ISO−1133)。
【0015】パラフィンワックスの融点が30℃未満で
ある場合には射出成形時に金型内にパラフィンワックス
がにじみ出しやすい。このため、焼結成形体の外観不良
につながり、射出成形体の強度も低下する。
【0016】一方、パラフィンワックスの融点が70℃
よりも高い場合には、脱脂工程において、成形体からの
パラフィンワックスのにじみ出し、気化が生じにくいた
めに、ポリオキシメチレン樹脂の熱分解時に成形体に割
れ、膨れが生じる。
【0017】パラフィンワックスの添加量が30vol %
未満の場合には、添加量が少ないためにパラフィンワッ
クスのにじみ出し、気化量も少なくなり、ポリオキシメ
チレン樹脂の熱分解時に成形体に割れ、膨れが生じる。
【0018】一方、パラフィンワックスの添加量が70
vol %よりも多い場合には、パラフィンワックスのにじ
み出し、気化量が多過ぎるために、脱脂工程途中で成形
体に割れ、膨れ等の欠陥が生じやすくなる。
【0019】本発明においては、金属粉末100重量部
に対して、上述したバインダを5〜15重量部配合す
る。
【0020】バインダの配合量が5重量部よりも少ない
場合には、金属粉末に対して添加されるバインダ量が少
なすぎて、射出成形するときの流動性が低くなり、射出
成形するのが困難になる。
【0021】一方、バインダの配合量が15重量部より
も多い場合には、添加されるバインダ量が多すぎるた
め、射出成形体にひけや内部気泡が生じやすい。また脱
脂工程において、バインダが分解する際に生じるガスに
より、割れ、膨れ等の欠陥が生じる。
【0022】本願の請求項2に記載した発明は、ビカッ
ト軟化点150℃以上かつメルトフローレートが15g
/10min以下であるポリオキシメチレン樹脂(b
1)5〜30vol %(b1)および融点30℃〜70℃のパ
ラフィンワックス30〜70vol %(b2)を含む金属
射出成形体用バインダに関するものである。
【0023】本願発明に係る金属射出成形体用バインダ
を、種々の金属粉末と加熱混練して射出成形体用組成物
を製造することができる。また、金属射出成形体用バイ
ンダを、粉体あるいはペレット状態で供給し、種々の金
属粉末に添加して射出成形することができる。
【0024】本願の請求項3に記載した発明は、請求項
1に記載した金属粉末射出成形体用組成物を射出成形し
て形成される金属粉末射出成形体に関する。
【0025】本願の請求項4に記載した発明は、請求項
3に記載した射出成形体に含有されるバインダの一部又
は全部を除去した金属粉末脱脂成形体に関する。たとえ
ば、パラフィン成分のみを除去した脱脂成形体は、高い
保形性を備えるとともにポリオキシメチレン樹脂を効率
よく脱脂できる。また、保形性が高いため、射出成形後
に機械加工等の中間加工を行うこともできる。
【0026】本願の請求項5に記載した発明は、請求項
4に記載した金属粉末脱脂成形体を所定温度で焼結した
金属粉末焼結成形体に関する。
【0027】本願の請求項6に記載した発明は、上記射
出成形体を50℃〜400℃の間において昇温速度を5
〜100℃/hr とし、少なくとも50℃〜250℃の間
における圧力を1×10-4〜500tor に設定するとと
もに、その間不活性ガス又は空気をキャリヤガスとして
流すことにより上記有機バンイダを除去することを特徴
とする、金属粉末射出成形体の脱脂方法に関する。
【0028】本願の請求項7に記載した発明は、 金属
粉末(A)100重量部に対して、ビカット軟化点15
0°C以上かつメルトフローレートが15g/10mi
n以下であるポリオキシメチレン樹脂(b1)5〜30
vol %および融点30℃〜70℃のパラフィンワックス
(b2)30〜70vol %を必須成分として含有するバ
インダ(B)5〜15重量部を配合した金属粉末射出成
形体用組成物を用いて金属粉末焼結成形体を製造する方
法であって、上記金属粉末射出成形体用組成物を射出成
形して金属粉末射出生成体を形成する射出成形工程と、
上記射出成形体を50℃〜400℃ 間において昇温速
度を5〜100℃/hr とし、少なくとも50℃〜250
℃の間における圧力を1×10-4〜500tor に設定す
るとともに、その間不活性ガス又は空気をキャリヤガス
として流すことにより上記有機バンイダを除去する脱脂
工程と、脱脂された成形体を焼結して金属粉末焼結成形
体を形成する焼結工程とを含むものである。
【0029】50℃から400℃の間における昇温速度
が5℃/hr 以下の場合には、バインダを脱脂するのにに
時間がかかる。このため、製造工程が長時間になり、製
造効率が低下する。
【0030】一方、昇温速度が100℃/hr 以上の場合
には、脱脂工程において成形品に割れ、膨れ等の欠陥が
生じやすい。
【0031】射出成形体を脱脂する際に、少なくとも5
0℃から250℃の間における圧力を1×10-4〜50
0torrとすると、添加されたパラフィンワックスが成形
体表面ににじみ出した後に気化する。このため、これに
続くポリオキシメチレンの分解過程において、これをス
ムーズに分解できる。したがって、厚肉の成形体におい
ても、脱脂工程時に割れ、膨れ等の欠陥が生じにくい。
【0032】圧力を1×10-4〜500torrに設定する
温度範囲は、少なくとも50℃から250℃の間であれ
ばよい。上記温度範囲内で、上記パラフィンワックスが
除去されるからである。なお、圧力調節する温度範囲は
上記値に限定されることはなく、脱脂工程の全温度範囲
で圧力を減圧することもできる。
【0033】圧力が1×10-4torr未満の場合には、パ
ラフィンワックスの気化が成形体内部においても急激に
生じるため、成形体に割れ、膨れが生じやすい。特に、
射出成形体の厚みが増加すると、割れ、膨れ等の欠陥が
生じる。
【0034】一方、圧力が500torrを越える場合に
は、パラフィンワックスが成形体の表面ににじみ出しに
くく、気化も生じにくい。このため、パラフィンワック
スの成形体からの除去が不十分となり、ポリオキシメチ
レン樹脂の熱分解がスムーズに行われなくなり、成形体
に割れ、膨れが生じる。
【0035】上記脱脂工程においては、不活性ガス又は
空気をキャリヤガスとして流すことにより上記有機バン
イダを除去する。上記不活性ガスの種類は限定されるこ
とはなく、たとえば、窒素を含む不活性ガスを採用する
ことができる。
【0036】本発明においては、上記の有機化合物の
他、必要に応じて、他の熱可塑性樹脂、可塑剤、滑剤、
変性ワックス等の添加剤を加えることができる。
【0037】熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリビニルブチラール、ポリブチルメタク
リレート等が挙げられる。これらを配合することによ
り、射出成形体の強度、射出成形時の流動性を高めるこ
とができる。
【0038】可塑剤として、ジブチルフタレート、ジオ
クチルフタレート等のフタル酸系化合物が挙げられる。
これらを配合することにより、射出成形温度を下げるこ
とができる。
【0039】滑剤として、ステアリン酸、ミリスチン
酸、オレイン酸等の脂肪酸エステルが挙げられる。これ
らを添加することにより、射出成形時の流動性を高める
ことができる。
【0040】変成ワックスとして、カルナバワックス、
ウレタン化ワックス、アクリルワックス等の化合物が挙
げられる。これらを配合することにより、射出成形時の
安定性および射出成形体の強度を高めることができる。
【0041】本発明に用いられる金属粉末として、ステ
ンレス、鉄系材料、チタン、銅、ニッケル等の粉末を採
用することができる。
【0042】これら金属粉末の平均粒径は1〜30μm
が好ましい。粉末の粒径が1μm 以下になると、射出成
形に必要なバインダ量が多くなるために、脱脂工程時に
変形、割れ、膨れ等の欠陥が生じやすい。
【0043】一方、粉末の平均粒径が30μm以上にな
ると、射出成形時に金属粉末とバインダが分離しやす
く、また焼結後の密度が低くなる。このため、得られた
焼結成形体の強度も低下する。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。まず、本発明に係る金属粉末焼結成形体
の製造方法の概要を以下に示す。
【0045】金属粉末にバインダが均一に分散するまで
加圧ニーダを用いて加熱混練を行う。混練後、この混練
物を粉砕するか、もしくは押出機を用いて、数ミリ径の
金属粉末射出成形体用組成物を製造する。
【0046】上記金属粉末射出成形体用組成物を、イン
ラインスクリュータイプもしくはプランジャタイプの射
出成形装置に投入して射出成形を行い、金属粉末射出成
形体を形成する。
【0047】上記金属粉末射出成形体を処理炉に入れ、
50℃から400℃の間において昇温速度を5〜100
℃/hr に設定するとともに、50℃から250℃の間に
おける圧力を1×10-4〜500torrに設定して脱脂工
程を行う。
【0048】また、上記脱脂工程中、窒素ガスを含む不
活性ガスをキャリヤガスとして流すことにより上記有機
バンイダを除去した。
【0049】上記脱脂工程に引き続き、炉の温度を90
0℃〜1400℃まで上昇させて焼結を行うことにより
金属粉末焼結成形体を得る。
【0050】脱脂および焼結の工程は脱脂炉および焼結
炉を用いて各々個別に行うことができる。また、脱脂・
焼結一体炉およびコンベア等による連続炉を用いて行う
こともできる。
【0051】
【実施例】以下、本願発明の実施例及び比較例を説明す
る。
【0052】実施例 1
【0053】まず、160℃に設定した加圧ニーダー
に、熱可塑性樹脂であるポリオキシメチレン樹脂を投入
する。このポリオキシメチレン樹脂を溶融させた後、S
US316L粉末(平均粒径:10μm)、パラフィン
ワックス(融点63℃)、ポリブチルメタクリレート及
びポリビニルプチラールを投入して40分間混練する。
【0054】上記混練物を加圧ニーダーから取り出し、
これを粉砕し、金属粉末射出成形体用組成物を得た。
【0055】上記金属粉末射出成形体用組成物を射出成
形機に投入して、成形温度150℃の条件で射出成形
し、厚さ4mm、幅10mm、長さ60mmの射出成形
体を得た。
【0056】上記金属粉末射出成形体用組成物の配合成
分及び配合割合を以下に示す。
【0057】 SUS316L粉末 100 重量部 全バインダ量 7.8 重量部
【0058】バインダの配合成分及び配合割合
【0059】 ポリオキシメチレン樹脂 20.0 vol%
(ビカット軟化点162℃、メルトフローレート2.5
g/10min) パラフィンワックス(融点63℃) 53.0 vol% ポリプチルメタクリレート 7.0 vol% ポリビニルプチラール 20.0 vol%
【0060】実施例 2
【0061】160℃に設定した加圧ニーダーに、熱可
塑性樹脂であるポリオキシメチレン樹脂を投入する。こ
のこのポリオキシメチレン樹脂を溶融させた後、SUS
304粉末(平均粒径:12μm)、ポリプロピレン、パ
ラフィンワックス(融点46℃)、ポリブチルメタクリ
レートを投入して40分間混練する。
【0062】上記混練物を加圧ニーダーから取り出し、
これを粉砕し、金属粉末射出成形体用組成物を得た。
【0063】上記金属粉末射出成形体用組成物を射出成
形機に投入して、成形温度170℃の条件で射出成形
し、厚さ4mm、幅10mm、長さ60mmの射出成形
体を得た。
【0064】上記金属粉末射出成形体用組成物の配合成
分及び配合割合を以下に示す。
【0065】 SUS304粉末 100 重量部 全バインダ量 7.8 重量部
【0066】バインダの配合成分及び配合割合
【0067】 ポリオキシメチレン樹脂 10.0 vol%
(ビカット軟化点162℃、メルトフローレート2.5
g/10min) パラフィンワックス(融点46℃) 30.0 vol% ポリブチルメタクリレート 10.0 vol% ポリプロピレン 35.0 vol% カルナバワックス 15.0 vol%
【0068】実施例 3
【0069】160℃に設定した加圧ニーダーに、熱可
塑性樹脂であるポリオキシメチレン樹脂を投入する。こ
のこのポリオキシメチレン樹脂を溶融させた後、鉄−ニ
ッケル2%粉末(平均粒径8μm)、ポリブチルメタク
リレート、エチレングリシジルメタクリレート、パラフ
ィンワックス(融点63℃)及びカルナバワックスを投
入して40分間混練する。
【0070】上記混練物を加圧ニーダーから取り出して
粉砕し、金属粉末射出成形体用組成物を得た。
【0071】次に、上記金属粉末射出成形体用組成物を
射出成形機に投入して、成形温度160℃の条件で射出
成形し、厚さ4mm、幅10mm、長さ60mmの射出
成形体を得た。
【0072】上記金属粉末射出成形体用組成物の配合成
分及び割合を以下に示す。
【0073】 鉄−ニッケル2%粉末 100 重量部 全バインダ量 7.8 重量部
【0074】バインダの配合成分及び配合割合
【0075】 ポリオキシメチレン樹脂 20.0 vol%
(ビカット軟化点162℃、メルトフローレート2.5
g/10min) エチレングリシジルメタクリレート 20.0 vol% パラフィンワックス(融点63℃) 45.0 vol% カルナバワックス 15.0 vol%
【0076】比較例 1
【0077】160℃に設定した加圧ニーダーに、熱可
塑性樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリス
チレン及びポリブチルメタクリレートを投入する。これ
ら樹脂を溶融させた後、SUS316L粉末(平均粒
径:10μm)、パラフィンワックス(融点46℃)を
投入して40分間混練する。
【0078】上記混練物を加圧ニーダーから取り出して
粉砕し、金属粉末射出成形体用組成物を得た。
【0079】次に、上記金属粉末射出成形体用組成物を
射出成形機に投入して、成形温度140℃の条件で射出
成形し、厚さ4mm、幅10mm、長さ60mmの射出
成形体を得た。
【0080】比較例に係る金属粉末射出成形体用組成物
の配合成分及び配合割合を以下に示す。
【0081】 SUS316L粉末 100 重量部 全バインダ量 7.8 重量部
【0082】バインダの配合成分及び配合割合
【0083】 エチレン−酢酸ビニル共重合体 20.0 vol% ポリスチレン 15.0 vol% ポリブチルメタクリレート 15.0 vol% パラフィンワックス(融点46℃) 50.0 vol%
【0084】実施例1から実施例3の射出成形体及び比
較例1の射出成形体1を、図1に示すように、30mm
の間隔をあけて配置された一対の設置台2,2の上に掛
け渡し状に支持させた状態で炉内に設置し、窒素雰囲気
下5torrの圧力まで減圧するとともに、50℃から26
0℃までを昇温速度30℃/hrで加熱し、260℃から
400℃までを昇温速度50℃/hrで加熱して脱脂工程
を行った。また、上記工程中、窒素ガスを含む不活性ガ
スをバインダを除去するキャリヤガスとして炉内に流し
た。
【0085】上記脱脂工程で得られた脱脂成形体の欠陥
の有無及び変形量を表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】表1から明らかなように、比較例1では良
好な射出成形体が得られなかった。
【0088】次に、実施例1〜3の脱脂成形体を焼結し
た結果を表2に示す。
【0089】
【表2】
【0090】表2に示すように、実施例1〜3の脱脂成
形体を焼結して得られた金属粉末焼結成形体には、問題
がなかった。
【0091】
【発明の効果】本発明により、脱脂工程においてほとん
ど変形が生じず、また、割れ、膨れ等が生じない脱脂成
形体を短時間で得ることができる。また、金属粉末焼結
成形体の寸法精度が向上するとともに、不良品の発生率
が下がり歩留りも向上する。
【0092】金属粉末射出成形体に含まれるバインダを
短時間で脱脂することができるため、エネルギ効率及び
生産効率も向上する。
【0093】本願発明は上述の実施の形態に限定される
ことはない。実施例においては、SUS304粉末、鉄
−ニッケル2%粉末を用いた場合に本発明を適用した
が、他の金属粉末を採用することもできる。
【0094】また、実施例においては、窒素を含む不活
性キャリヤガスの雰囲気下で脱脂工程を行ったが、空気
あるいは他の不活性キャリヤガスの存在下、空気雰囲気
下でも行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱脂工程を行う炉内での射出成形体の支持状態
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嘉田 教夫 大阪府寝屋川市池田北町26番1号 太盛工 業株式会社内 (72)発明者 高森 清次 大阪府寝屋川市池田北町26番1号 太盛工 業株式会社内 (72)発明者 古賀 守 滋賀県大津市月輪1丁目8番1号 島津メ クテム株式会社内 (72)発明者 山内 一平 滋賀県大津市月輪1丁目8番1号 島津メ クテム株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粉末(A)100重量部に対して、 ビカット軟化点150℃以上かつメルトフローレートが
    15g/10min以下であるポリオキシメチレン樹脂
    (b1)5〜30vol %および融点30℃〜70℃のパ
    ラフィンワックス30〜70vol %(b2)を含有する
    バインダ(B)5〜15重量部を配合した金属粉末射出
    成形体用組成物。
  2. 【請求項2】 ビカット軟化点150℃以上かつメルト
    フローレートが15g/10min以下であるポリオキ
    シメチレン樹脂(b1)5〜30vol %および融点30
    ℃〜70℃のパラフィンワックス30〜70vol %(b
    2)を含む、金属粉末射出成形体用バインダ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した金属粉末射出成形体
    用組成物を射出成形して形成される金属粉末射出成形
    体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載した射出成形体に含有さ
    れるバインダの一部又は全部を除去した、金属粉末脱脂
    成形体。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載した金属粉末脱脂成形体
    を焼結した、金属粉末焼結成形体。
  6. 【請求項6】金属粉末(A)100重量部に対して、ビ
    カット軟化点150°C以上かつメルトフローレートが
    15g/10min以下であるポリオキシメチレン樹脂
    (b1)5〜30vol %および融点30℃〜70℃のパ
    ラフィンワックス(b2)30〜70vol %を必須成分
    として含有するバインダ(B)5〜15重量部を配合し
    た金属粉末射出成形体用組成物を用いて射出成形した金
    属粉末射出成形体から上記バインダを除去する脱脂方法
    であって、 上記射出成形体を50℃〜400℃の間において昇温速
    度を5〜100℃/hrとし、少なくとも50℃〜250
    ℃の間における圧力を1×10-4〜500torに設定す
    るとともに、その間不活性ガス又は空気をキャリヤガス
    として流すことにより上記有機バンイダを除去すること
    を特徴とする、金属粉末射出成形体の脱脂方法。
  7. 【請求項7】金属粉末(A)100重量部に対して、ビ
    カット軟化点150°C以上かつメルトフローレートが
    15g/10min以下であるポリオキシメチレン樹脂
    (b1)5〜30vol %および融点30℃〜70℃のパ
    ラフィンワックス(b2)30〜70vol %を必須成分
    として含有するバインダ(B)5〜15重量部を配合し
    た金属粉末射出成形体用組成物を用いて金属粉末焼結成
    形体を製造する方法であって、 上記金属粉末射出成形体用組成物を射出成形して金属粉
    末射出生成体を形成する射出成形工程と、 上記射出成形体を50℃〜400℃の間において昇温速
    度を5〜100℃/hrとし、少なくとも50℃〜250
    ℃の間における圧力を1×10-4〜500torに設定す
    るとともに、その間不活性ガス又は空気をキャリヤガス
    として流すことにより上記有機バンイダを除去する脱脂
    工程と、 脱脂された成形体を焼結して、金属粉末焼結成形体を形
    成する焼結工程とを含む、金属粉末焼結成形体の製造方
    法。
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