JP2013040144A - エポキシ化合物、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】重合することにより、優れた耐熱性を有する硬化物を形成することができる新規のエポキシ化合物、その製造方法、前記新規のエポキシ化合物を得る上で有用な新規のケトン化合物、その製造方法、前記新規のエポキシ化合物を含む樹脂組成物、及び前記樹脂組成物を硬化して得られる優れた耐熱性を有する硬化物を提供する。
【解決手段】本発明の脂環式エポキシ化合物は、下記式(1)で表される。式(1)中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこれらが組み合わされてなる基から選択される基を示す。R1、R2は、隣接する炭素原子と共に結合して5員環又は6員環を形成していてもよい。
【化1】
Figure 2013040144

【選択図】なし

Description

本発明は、重合することにより速やかに硬化して、優れた耐熱性を有する硬化物を形成することができるエポキシ化合物、及びその製造方法に関する。
エポキシ樹脂は電気特性、耐湿性、耐熱性等に優れる樹脂として知られており、光学部品材料、機械部品材料、電気・電子部品材料、自動車部品材料、土木建築材料、成形材料、コーティング材料、接着剤、封止材等に用いられている。特にレンズ等の光学部品の材料としては、比較的複雑な形状の部品も容易に成形でき、ガラスに比べ軽量であり、靱性を有し割れにくい等の点でエポキシ樹脂が好適に使用される。
また、カメラ付き携帯電話等はリフロー方式によるハンダ付け工程(実装工程)を経て製造されるため、カメラ付き携帯電話等に使用される光学部品にはリフロー耐熱性を具備することが求められている。
エポキシ樹脂としては、従来、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が多用されてきた(特許文献1等)。前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂の硬化物は、ある程度の耐熱性を有するが、更に優れた耐熱性を有する硬化物を形成することができるエポキシ化合物が求められていた。
特開平6−56969号公報
従って、本発明の目的は、重合することにより、優れた耐熱性を有する硬化物を形成することができる新規のエポキシ化合物、及びその製造方法、前記エポキシ化合物を得る上で有用な新規のケトン化合物、及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記新規のエポキシ化合物を含む樹脂組成物、及び前記樹脂組成物を硬化して得られる優れた耐熱性を有する硬化物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、シクロアルカノンとテトラヒドロベンズアルデヒドとを縮合して得られる化合物を酸化することにより、新規の脂環式エポキシ化合物が得られること、前記新規の脂環式エポキシ化合物を重合すると優れた耐熱性を有する硬化物を形成することができることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記式(1)
Figure 2013040144
(式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこれらが組み合わされてなる基から選択される基を示す。R1、R2は、隣接する炭素原子と共に結合して5員環又は6員環を形成していてもよい)
で表される脂環式エポキシ化合物を提供する。
本発明は、また、下記式(2)
Figure 2013040144
(式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこれらが組み合わされてなる基から選択される基を示す。R1、R2は、隣接する炭素原子と共に結合して5員環又は6員環を形成していてもよい)
で表されるケトン化合物を提供する。
本発明は、更に、下記式(2)
Figure 2013040144
(式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこれらが組み合わされてなる基から選択される基を示す。R1、R2は、隣接する炭素原子と共に結合して5員環又は6員環を形成していてもよい)
で表されるケトン化合物を酸化剤を用いて酸化することにより、下記式(1)
Figure 2013040144
(式中、R1、R2は、上記に同じ)
で表される脂環式エポキシ化合物を得る、脂環式エポキシ化合物の製造方法を提供する。
本発明は、更にまた、下記式(3)
Figure 2013040144
(式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこれらが組み合わされてなる基から選択される基を示す。R1、R2は、隣接する炭素原子と共に結合して5員環又は6員環を形成していてもよい)
で表されるケトン化合物と、1,2,5,6−テトラヒドロベンズアルデヒドとを縮合させることにより、下記式(2)
Figure 2013040144
(式中、R1、R2は、上記に同じ)
で表されるケトン化合物を得るケトン化合物の製造方法を提供する。
前記反応は無機塩基性物質の存在下、又は第2級アミンとアルカリ金属塩の存在下で行うことが好ましい。
本発明は、また、下記式(1)
Figure 2013040144
(式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこれらが組み合わされてなる基から選択される基を示す。R1、R2は、隣接する炭素原子と共に結合して5員環又は6員環を形成していてもよい)
で表される脂環式エポキシ化合物を含む樹脂組成物、及び前記樹脂組成物を硬化して得られる硬化物を提供する。
本発明に係る、上記式(1)で表される新規の脂環式エポキシ化合物は、重合することにより極めて優れた耐熱性を有する硬化物を形成することができるため、光学部品材料、機械部品材料、電気・電子部品材料、自動車部品材料、土木建築材料、成形材料、コーティング材料、接着剤、封止材、繊維強化プラスチック(FRP:fiber reinforced plastics、例えばGFRP(glass fiber reinforced plastics)、CFRP(carbon fiber reinforced plastics)等)材料、プラスチック形成材料等、特に光学部品材料の分野で特に有用である。
[脂環式エポキシ化合物]
本発明に係る脂環式エポキシ化合物は、上記式(1)で表される。式(1)中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこれらが組み合わされてなる基から選択される基を示す。R1、R2は、隣接する炭素原子と共に結合して5員環又は6員環を形成していてもよい。
1、R2における鎖状脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、i−プロピル、t−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1、2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルペンチル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル基等の炭素数1〜12(好ましくは1〜8)程度の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;ビニル、アリル、1−ブテニル基等の炭素数2〜12(好ましくは2〜8)程度の直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基;エチニル、プロピニル基等の炭素数2〜12(好ましくは2〜8)程度のアルキニル基等を挙げることができる。
1、R2における環状脂肪族炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基等の3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは5〜8員)程度のシクロアルキル基;シクロペンテニル、シクロへキセニル基等の3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは5〜8員)程度のシクロアルケニル基;パーヒドロナフタレン−1−イル基、ノルボルニル、アダマンチル、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル基等の橋かけ環式炭化水素基等を挙げることができる。
鎖状脂肪族炭化水素基と環状脂肪族炭化水素基が組み合わされてなる基としては、例えば、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル基等のシクロアルキル−アルキル基(例えば、C3-20シクロアルキル−C1-4アルキル基)等を挙げることができる。
1、R2が隣接する炭素原子と共に結合して形成する5員環としてはシクロペンタン環が好ましく、6員環としてはシクロヘキサン環が好ましい。
本発明に係る式(1)で表される脂環式エポキシ化合物としては、例えば、下記式で表される化合物等を挙げることができる。
Figure 2013040144
[脂環式エポキシ化合物の製造方法]
本発明に係る上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物は、例えば、上記式(2)で表されるケトン化合物を酸化剤を用いて酸化することにより製造することができる。
上記式(2)中のR1、R2は、同一又は異なって、水素原子、鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこれらが組み合わされてなる基から選択される基を示す。R1、R2は、隣接する炭素原子と共に結合して5員環又は6員環を形成していてもよい。上記式(2)中のR1、R2は、上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物におけるR1、R2に対応する。上記式(2)で表されるケトン化合物としては、例えば、下記式で表される化合物等を挙げることができる。
Figure 2013040144
上記式(2)で表されるケトン化合物を酸化する反応(以後、「酸化反応」と称する場合がある)に使用する酸化剤としては、例えば、有機過酸(例えば、過ギ酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸、メタクロロ過安息香酸、モノペルオキシフタル酸等)、無機過酸(例えば、過マンガン酸等)等の過酸;過酸化水素、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ペルオキソ酸、ペルオキソ酸塩等の過酸化物等を挙げることができる。
酸化剤の使用量としては、上記式(2)で表されるケトン化合物1モルに対して、例えば2.0〜10.0モル程度、好ましくは2.1〜5.0モル程度、特に好ましくは2.2〜3.0モル程度である。酸化剤の使用量が上記範囲を上回ると、共役二重結合のエポキシ化が進行する傾向がある。一方、酸化剤の使用量が上記範囲を下回ると、モノエポキシドの生成が増加する傾向がある。
上記酸化反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。前記溶媒としては、例えば、t−ブチルアルコール等のアルコール;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;エチルエーテル、テトラヒドロフラン等の鎖状又は環状エーテル;酢酸エチル等のエステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル;酢酸等の有機酸等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で又は2種以上を混合して用いられる。
溶媒の使用量としては、例えば、上記式(2)で表されるケトン化合物の10〜50重量倍程度、好ましくは10〜35重量倍程度である。
反応温度は、例えば0〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度である。反応時間は、例えば1〜10時間程度、好ましくは、2〜4時間程度である。反応は常圧で行ってもよく、減圧又は加圧下で行ってもよい。反応の雰囲気は反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法で行うこともできる。
酸化反応は、例えば、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等を添加することにより反応を終了させることができる。
反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
また、上記式(2)で表されるケトン化合物は、下記式(3)で表されるケトン化合物と、1,2,5,6−テトラヒドロベンズアルデヒドとを縮合させることにより合成することができる。
Figure 2013040144
上記式(3)中のR1、R2は、同一又は異なって、水素原子、鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこれらが組み合わされてなる基から選択される基を示す。R1、R2は、隣接する炭素原子と共に結合して5員環又は6員環を形成していてもよい。上記式(3)中のR1、R2は、上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物におけるR1、R2に対応する。上記式(3)で表されるケトン化合物としては、例えば、下記式で表される化合物等を挙げることができる。
Figure 2013040144
1,2,5,6−テトラヒドロベンズアルデヒドの使用量としては、例えば、上記式(3)で表されるケトン化合物1モルに対して、例えば2〜6モル程度、好ましくは2〜4モル程度、特に好ましくは2〜3モル程度である。1,2,5,6−テトラヒドロベンズアルデヒドの使用量が上記範囲を上回ると、アルデヒド同士の縮合が進行する傾向がある。一方、1,2,5,6−テトラヒドロベンズアルデヒドの使用量が上記範囲を下回ると、縮合反応がアルデヒド1分子との反応で停止する傾向がある。
上記縮合反応は塩基性物質の存在下で行うことが好ましい。前記塩基性物質としては、無機塩基性物質及び有機塩基性物質を挙げることができる。
無機塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;水素化ナトリウム、水素化マグネシウム、水素化カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物等を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
塩基性物質として無機塩基性物質を使用する場合、その使用量としては、上記式(3)で表されるケトン化合物1モルに対して、例えば0.1〜10モル程度、好ましくは1.0〜8.0モル程度、特に好ましくは3.0〜7.0モル程度である。塩基性物質の使用量が上記範囲を上回ると、アルデヒド同士の縮合が進行する傾向がある。一方、塩基性物質の使用量が上記範囲を下回ると、縮合反応が進行し難くなる傾向がある。
有機塩基性物質としては、例えば、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−5(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)等の第2級又は第3級アミン;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩;有機リチウム試薬(例えば、リチウムジイソプロピルアミド、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、ter−ブチルリチウム等)、有機マグネシウム試薬(グリニャール試薬:例えば、CH3MgBr、C25MgBr等)等を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
塩基性物質として有機塩基性物質を使用する場合、その使用量としては、上記式(3)で表されるケトン化合物1モルに対して、例えば0.01〜2モル程度、好ましくは0.02〜1.5モル程度、特に好ましくは0.05〜1.0モル程度である。塩基性物質の使用量が上記範囲を上回ると、アルデヒド同士の縮合が進行する傾向がある。一方、塩基性物質の使用量が上記範囲を下回ると、縮合反応が進行し難くなる傾向がある。
尚、塩基性物質として前記第2級アミンを使用する場合は、第2級アミンと共にアルカリ金属塩(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩等の無機化合物;酢酸塩、ステアリン酸塩等の有機化合物;アセチルアセトナト等の錯塩等、特にハロゲン化リチウム、過塩素酸リチウム等のリチウム塩)を使用することが好ましい。アルカリ金属塩の使用量としては、例えば、塩基性物質1重量部に対して1〜30重量部程度、好ましくは5〜20重量部程度である。
本発明における縮合反応は、なかでも、無機塩基性物質(特に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物)の存在下、又は第2級アミンとアルカリ金属塩の存在下で行うことが、高収率で目的物を得ることができ、且つ副生物の生成を抑制することができる点で好ましい。
上記縮合反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。前記溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド;ジメチルスルホキシド(DMSO)等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で又は2種以上を混合して用いられる。
反応温度は、例えば0〜100℃程度、好ましくは20〜50℃程度である。反応時間は、例えば1〜10時間程度、好ましくは、2〜4時間程度である。反応は常圧で行ってもよく、減圧又は加圧下で行ってもよい。反応の雰囲気は反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法で行うこともできる。
反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
本発明に係る脂環式エポキシ化合物の製造方法によれば、式(1)で表される脂環式エポキシ化合物を効率よく合成することができる。
[樹脂組成物]
本発明に係る樹脂組成物は、モノマー成分(カチオン重合性モノマー成分)として上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物を含むことを特徴とし、その含有量としては、例えば、樹脂組成物に含有する全モノマー成分の10重量%以上程度(好ましくは10〜100重量%程度、特に好ましくは15〜90重量%程度)である。上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物の含有量が上記範囲を下回ると、ガラス転移点が低下して、耐熱性が低下する傾向がある。
本発明に係る樹脂組成物は、上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物以外に、硬化剤及び/又は硬化触媒を含有することが好ましい。
前記硬化剤としては、エポキシ化合物の硬化剤として使用される周知慣用の化合物を挙げることができ、例えば、3又は4−メチル−1,2,3,6−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3又は4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、5−ノルボルネン−2,3−カルボン酸無水物等の酸無水物;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の鎖状脂肪族ポリアミン、N−アミノメチルピペラジン等の環状脂肪族ポリアミン、メタキシレンジアミン、メタフェニレンジアミン等の芳香族アミン等のアミン類;ポリアミド樹脂;2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;アミンのBF3錯体化合物;脂肪族スルホニウム塩、芳香族スルホニウム塩、ヨードニウム塩、及びホスホニウム塩等のブレンステッド酸塩類;アジピン酸;セバシン酸;テレフタル酸;トリメリット酸;カルボキシル基含有ポリエステル等のポリカルボン酸類等である。
本発明における硬化剤としては、なかでも酸無水物を使用することが、樹脂組成物の粘度が低く作業性に優れ、耐熱性、及び透明性に優れた硬化物を得ることができる点で好ましい。酸無水物としては、例えば、商品名「リカシッド MH−700」、「リカシッド MH」、「リカシッド HH」、「リカシッド TH」、「リカシッド MT−500」、「リカシッド HNA−100」(以上、新日本理化(株)製)、商品名「HN−2200」、「HN−2000」、「HN−5000」、「MHAC−P」、「無水ハイミック酸」(以上、日立化成工業(株)製)、商品名「クインハード200」(日本ゼオン(株)製)等の市販品を使用することができる。
硬化剤の使用量としては、例えば、樹脂組成物に含有する全モノマー成分の50〜130重量%程度、好ましくは60〜120重量%程度である。
硬化剤は、硬化促進剤と共に使用することが好ましい。前記硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン等のリン系化合物やその誘導体;ベンジルジメチルアミン等のアミン系化合物やその誘導体;テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラベンジルアンモニウムブロミド等の第4級アンモニウム化合物やその誘導体;2−エチル−4−メチル−イミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2a]ベンズイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチル−イミダゾール等のイミダゾール系化合物やその誘導体;1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7やその誘導体等を挙げることができる。本発明においては、例えば、商品名「U−CAT SA1」、「U−CAT SA−102」、「U−CAT SA−5003」、「U−CAT SA−5002」、「U−CAT SA−603」、「U−CAT 18X」(以上、サンアプロ(株)製)等の市販品を使用することができる。
硬化促進剤の使用量としては、上記硬化剤100重量部に対して0.05〜5.0重量部程度、好ましくは0.1〜4.0重量部程度である。
前記硬化触媒としては、光カチオン重合開始剤、熱カチオン重合開始剤等の重合開始剤を挙げることができる。
光カチオン重合開始剤としては、例えば、トリアリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のスルホニウム塩;ジアリールヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ヨードニウム[4−(4−メチルフェニル−2−メチルプロピル)フェニル]ヘキサフルオロホスフェート等のヨードニウム塩;テトラフルオロホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等のホスホニウム塩;ピリジウム塩等を挙げることができる。本発明においては、例えば、商品名「CYRACURE UVI−6994」、「CYRACURE UVI−6974」(以上、ダウケミカル社製)、商品名「フォトイニシエーター PI−2074」(ローディアジャパン(株)製)、商品名「イルガキュア 250」(チバ・ジャパン製)等の市販品を使用することができる。
熱カチオン重合開始剤としては、例えば、アリールジアゾニウム塩、アリールヨードニウム塩、アリールスルホニウム塩、アレン−イオン錯体等を挙げることができる。本発明においては、例えば、商品名「PP−33」、「CP−66」、「CP−77」(以上、(株)ADEKA製)、商品名「FC−509」(スリーエム(株)製)、商品名「UVE1014」(G.E.(株)製)、商品名「サンエイド SI−60L」、「サンエイド SI−80L」、「サンエイド SI−100L」、「サンエイド SI−110L」(以上、三新化学工業(株)製)、商品名「CG−24−61」(チバ・ジャパン(株)製)等の市販品を使用することができる。
硬化触媒の使用量としては、例えば、樹脂組成物に含有する全モノマー成分の0.5〜10重量%程度、好ましくは1〜8重量%程度である。
本発明に係る樹脂組成物は、モノマー成分として上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物以外にも、上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物と共重合可能な他のエポキシ化合物を含有していてもよい。他のエポキシ化合物としては、脂環式エポキシ化合物、芳香族グリシジルエーテル型エポキシ化合物、脂肪族多価アルコールポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
さらに、本発明に係る樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて他の添加物を添加してもよい。他の添加物としては、例えば、オルガノシロキサン化合物、金属酸化物粒子、ゴム粒子、シリコーン系やフッ素系の消泡剤、シランカップリング剤、充填剤、可塑剤、レベリング剤、帯電防止剤、離型剤、難燃剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、イオン吸着体、顔料、溶剤等を挙げることができる。これら各種の添加剤の配合量は樹脂組成物全体に対して、例えば5重量%以下程度である。
本発明の樹脂組成物は、例えば、上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物、必要に応じて共重合可能な他のモノマー成分、硬化促進剤、その他の添加剤等を配合して、必要に応じて真空下で気泡を排除しつつ、撹拌・混合することにより調製される。撹拌・混合する際の温度は、例えば、10〜60℃程度である。撹拌・混合には、公知の装置、例えば、自転公転型ミキサー、1軸又は多軸エクストルーダー、プラネタリーミキサー、ニーダー、ディソルバー等を使用できる。
上記方法により調製された樹脂組成物は、例えば、周知慣用の成形方法により成形し、その後、加熱することによって重合反応を促進し、硬化物を得ることができる。加熱温度としては、例えば50〜200℃程度、好ましくは60〜180℃程度である。加熱時間は、例えば0.5〜12時間程度、好ましくは、1〜10時間程度である。加熱手段としては、オーブン等が挙げられる。
上記重合反応は常圧下で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行ってもよい。反応の雰囲気は反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。
こうして得られる硬化物は耐熱性に優れ、ガラス転移点は、例えば120℃以上、好ましくは130〜180℃、特に好ましくは165〜180℃である。尚、ガラス転移点は、動的粘弾性測定等により貯蔵弾性率(E')と損失弾性率(E'')を測定して得られる損失正接(tanδ=E''/E')のピークトップ温度(変曲点温度)(℃)に相当する。
本発明に係る樹脂組成物は、上記のように優れた耐熱性を有する硬化物を形成することができるため、光学部品材料、機械部品材料、電気・電子部品材料、自動車部品材料、土木建築材料、成形材料、コーティング材料、接着剤、封止材、繊維強化プラスチック(FRP:fiber reinforced plastics、例えばGFRP(glass fiber reinforced plastics)、CFRP(carbon fiber reinforced plastics)等)材料、プラスチック形成材料等、特に光学部品材料として好適に用いられる。
前記光学部品としては、例えば、カメラ(車載カメラ、デジタルカメラ、PC用カメラ、携帯電話用カメラ、監視カメラ等)の撮像用レンズ、メガネレンズ、フィルター、回折格子、プリズム、光案内子、光ビーム集光レンズ、光拡散用レンズ、表示装置用カバーガラス、フォトセンサー、フォトスイッチ、LED、発光素子、光導波路、光分割器、光ファイバー接着剤、表示素子用基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、ディスプレイ保護膜、ディスプレイバックライト、導光板、反射防止フィルム等を挙げることができる。
更にまた、本発明の硬化物は上記のように優れた耐熱性を有するため、回路基板に実装する場合、リフローによって半田付け実装が可能である。そのため、本発明の樹脂組成物からなる撮像用レンズを使用するカメラモジュールはPCB(Printed Circuit Board)基盤上に、他の電子部品の表面実装と同一の半田リフロープロセスにて、直接、非常に効率良く実装することができ、極めて効率的な製品製造が可能となる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
2,5−ビス(1,2,5,6-テトラヒドロベンジリデン)−シクロペンタノンの合成
水酸化ナトリウム 18.24g(0.454mol、シクロペンタノンに対して5モル倍)を含むエタノールと水の混合溶液(混合割合 3:1)240mLに、シクロペンタノン 0.764g(0.0908mol)とテトラヒドロベンズアルデヒド 20.0g(0.181mol、シクロペンタノンに対して2モル倍)の混合液を25℃で滴下した。
反応液を25℃で3時間撹拌後、生じた沈殿をろ取した。得られた沈殿を水で洗浄した後、減圧下40℃で乾燥させて下記化合物(I)23.4gを黄色固体として得た。シクロペンタノン基準の収率は96%だった。
1H-NMR(CDCl3):6.60(d、2H、J=9.9Hz), 5.74-5.68(m、4H), 2.66(s、4H), 2.53-2.51(m、2H), 2.13-2.09(m、6H)、1.96-1.90(m、2H), 1.76-1.73(m、2H), 1.56-1.48(m、2H)
Figure 2013040144
実施例2
2,6−ビス(1,2,5,6-テトラヒドロベンジリデン)−シクロヘキサノンの合成
シクロペンタノンの代わりにシクロヘキサノンを用いる以外は実施例1と同様の方法で反応を行い、下記化合物(II)23.2gを黄色固体として得た。シクロヘキサノン基準の収率は91%だった。
1H-NMR(CDCl3):6.50(d、2H、J=9.9Hz), 5.73-5.67(m、4H), 2.56-2.53(m、6H), 2.10-1.46(m、14H)
Figure 2013040144
実施例3
1,3−ビス(1,2,5,6−テトラヒドロベンジリデン)アセトンの合成
アセトン 3.16g(0.0545mmol)、過塩素酸リチウム 11.6g(0.109mol、アセトンに対して2モル倍)、ジイソプロピルアミン 1.10g(10.9mmol、アセトンに対して0.1モル倍)を含むトルエン溶液 24.0gに、テトラヒドロベンズアルデヒド 15.0g(0.136mol、アセトンに対して2.5モル倍)を含むトルエン(24.0g)溶液を30℃で30分かけて滴下した。
反応液を30℃で30分撹拌後、塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層をチオ硫酸ナトリウム水溶液、及び水で洗浄し、溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して下記化合物(III)10.0gを淡黄色固体として得た。アセトン基準の収率は74%だった。
1H-NMR(CDCl3):6.94(dd、2H、J=15.3、6.9Hz), 6.37(d、2H、J=16.1Hz), 5.75-5.67(m、4H), 2.54-2.46(m、2H), 2.22-2.1.86(m、10H), 1.56-1.48(m、2H)
Figure 2013040144
実施例4
2,5−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)−シクロペンタノンの合成
2,5−ビス(1,2,5,6−テトラヒドロベンジリデン)シクロペンタノン(下記化合物(I))10.23g(0.0373mol)を含むトルエン(152g)溶液に30℃で含水のメタクロロ過安息香酸(mCPBA)21.82g(純度:70重量%、0.0857mol、化合物(I)の2.3mol倍)を3回に分けて添加した。反応液を30℃で2時間撹拌後、酢酸エチルで希釈し、さらにチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え30分撹拌した。水層を酢酸エチルで抽出して、得られた有機層は炭酸水素ナトリウム水溶液で2回、水で1回洗浄した後濃縮した。濃縮後の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して下記化合物(IV)3.57gを黄色個体として得た。化合物(I)基準の収率は32%だった。
1H-NMR(CDCl3):6.49-6.39(m、2H), 3.21-3.15(m、4H), 2.59(s、4H), 2.16-1.16(m、14H)
オキシラン酸素濃度:9.84%(計算値:10.65%)
Figure 2013040144
実施例5
2,6−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)−シクロヘキサノンの合成
2,5−ビス(1,2,5,6−テトラヒドロベンジリデン)シクロペンタノンに代えて、2,6−ビス(1,2,5,6−テトラヒドロベンジリデン)シクロヘキサノン(下記化合物(II))を用いた以外は実施例4と同様にして、下記化合物(V)3.38gを黄色固体として得た。化合物(II)基準の収率は30%だった。
1H-NMR(CDCl3):6.59-6.52(m、2H), 3.19-3.14(m、4H), 2.21-1.15(m、20H)
オキシラン酸素濃度:8.54%(計算値:10.18%)
Figure 2013040144
実施例6
1,3−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチレン)−アセトンの合成
2,5−ビス(1,2,5,6−テトラヒドロベンジリデン)シクロペンタノンに代えて1,3−ビス(1,2,5,6−テトラヒドロベンジリデン)アセトン(下記化合物(III))を用いた以外は実施例4と同様にして、下記化合物(VI)6.41gを淡黄色固体として得た。化合物(III)基準の収率は94%だった。
1H-NMR(CDCl3):6.84-6.74(m、2H), 6.33-6.25(m、2H), 3.26-3.18(m、4H), 2.47-2.38(m、1H), 2.25-1.62(m、10H), 1.46-1.43(m、2H), 1.21-1.17(m、1H)
オキシラン酸素濃度:10.32%(計算値:11.70%)
Figure 2013040144
実施例7、比較例1
下記表1に記載の組成(数値の単位は重量部)で樹脂組成物を作成した。
<耐熱性評価>
実施例7、及び比較例1で得られた樹脂組成物を110℃で3時間加熱し、続いて150℃で2時間加熱して硬化物を得た。得られた硬化物の動的粘弾性を下記条件で測定した。耐熱性評価の指標として損失正接(tanδ)のピークトップ温度(℃)を用いた。尚、損失正接(tanδ)は、貯蔵弾性率(E')と損失弾性率(E'')を測定し、下記式によって算出した。
tanδ=E''/E'
(測定条件)
測定装置:固体粘弾性測定装置(RSA−III/TA Instruments社製)
測定モード:引っ張りモード
強制振動周波数:10Hz
雰囲気:窒素
温度範囲:30℃〜300℃
昇温速度:5℃/min
Figure 2013040144
表1中の化合物の説明
モノマー成分
化合物(III):実施例3で得られた式(III)で表される化合物
エポキシ樹脂(A):商品名「jER828」、三菱化学(株)製、下記式で表される
Figure 2013040144
HN2200:3or4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、商品名「HN2200」、日立化成工業(株)製
溶剤
エチレングリコール:和光純薬工業株式会社製試薬
硬化促進剤
U−CAT 18X:第4級アンモニウム化合物、商品名「U−CAT 18X」、サンアプロ(株)製

Claims (8)

  1. 下記式(1)
    Figure 2013040144
    (式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこれらが組み合わされてなる基から選択される基を示す。R1、R2は、隣接する炭素原子と共に結合して5員環又は6員環を形成していてもよい)
    で表される脂環式エポキシ化合物。
  2. 下記式(2)
    Figure 2013040144
    (式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこれらが組み合わされてなる基から選択される基を示す。R1、R2は、隣接する炭素原子と共に結合して5員環又は6員環を形成していてもよい)
    で表されるケトン化合物。
  3. 下記式(2)
    Figure 2013040144
    (式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこれらが組み合わされてなる基から選択される基を示す。R1、R2は、隣接する炭素原子と共に結合して5員環又は6員環を形成していてもよい)
    で表されるケトン化合物を酸化剤を用いて酸化することにより、下記式(1)
    Figure 2013040144
    (式中、R1、R2は、上記に同じ)
    で表される脂環式エポキシ化合物を得る、脂環式エポキシ化合物の製造方法。
  4. 下記式(3)
    Figure 2013040144
    (式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこれらが組み合わされてなる基から選択される基を示す。R1、R2は、隣接する炭素原子と共に結合して5員環又は6員環を形成していてもよい)
    で表されるケトン化合物と、1,2,5,6−テトラヒドロベンズアルデヒドとを縮合させることにより、下記式(2)
    Figure 2013040144
    (式中、R1、R2は、上記に同じ)
    で表されるケトン化合物を得るケトン化合物の製造方法。
  5. 反応を無機塩基性物質の存在下で行う請求項4に記載のケトン化合物の製造方法。
  6. 反応を第2級アミンとアルカリ金属塩の存在下で行う請求項4に記載のケトン化合物の製造方法。
  7. 下記式(1)
    Figure 2013040144
    (式中、R1、R2は、同一又は異なって、水素原子、鎖状脂肪族炭化水素基、環状脂肪族炭化水素基、及びこれらが組み合わされてなる基から選択される基を示す。R1、R2は、隣接する炭素原子と共に結合して5員環又は6員環を形成していてもよい)
    で表される脂環式エポキシ化合物を含む樹脂組成物。
  8. 請求項7に記載の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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