JP2013039543A - ロジウム及び金を含む担持触媒 - Google Patents

ロジウム及び金を含む担持触媒 Download PDF

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Abstract

【課題】例えば、還元剤として軽油を用いてリーンバーン排ガスに含まれる酸化窒素を300℃付近の温度領域で効率的に浄化する。
【解決手段】少なくともケイ素を含有する酸化物を含んでなる担体に、金とロジウムを含んでなる金属触媒成分を担持した担持触媒であり、金属触媒成分中の全金属に対する金とロジウムの合計が60質量%以上である担持触媒を用い、還元剤として例えば軽油を用いてリーンバーン排ガスに含まれる酸化窒素の浄化処理を行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、排ガス浄化用触媒に関し、特に金(Au)にロジウム(Rh)を添加することによって触媒活性が向上し、リーンバーン排ガスの300℃付近での窒素酸化物浄化(除去)特性に優れたロジウムを含む金触媒系担持触媒、及びその触媒を用いた排ガス浄化方法に関する。
従来、自動車等の排ガス中浄化用触媒の触媒成分としては、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が単独又は組み合わせて用いられており、通常、触媒担体に担持された構成とされている。最近では、ディーゼルエンジン排気における酸素が過剰な雰囲気(リーンバーン排ガスという)での窒素酸化物除去特性が重要となっている。しかし、既存の排気ガス浄化触媒では、その浄化に限界があり、この酸素過剰雰囲気における窒素酸化物の除去触媒の一つとして、超微粒子金触媒が挙げられる。例えば特許文献1及び特許文献2には、アルカリ土類金属化合物に超微粒子金の固定化、及び鉄の複合金属酸化物に微粒子金を固定化した触媒が共沈法によって製造されることが、それぞれ開示されている。また、特許文献3には、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムの1種以上からなる金属酸化物に微粒子金を固定した触媒が開示されている。更に特許文献4には、金と白金、パラジウム、銀、ニッケルから選ばれる1種又は2種以上の元素で構成される金合金触媒が開示されている。
前記金触媒を用いたディーゼルエンジン排気ガス中の窒素酸化物の除去は還元剤としてプロピレンを用いて行われているが、実用的にはディーゼルエンジンの燃料である軽油を還元剤に用いることが好ましい。しかしながら軽油とプロピレンでは還元剤としての作用が異なり、従来の金触媒では軽油を還元剤として用いると十分な窒素酸化物の除去活性が得られないことがあった。
また、軽油を還元剤として用いる排ガス中窒素酸化物除去触媒としては、白金も知られているが、白金は、比較的低温での除去活性に優れるものの300℃付近での除去活性は、なお不十分なものであった。
このため軽油を還元剤とし、300℃付近のリーンバーン排ガス中に含まれる窒素酸化物を高い浄化率で除去できる触媒の開発が望まれていた。
特開昭64−83513号公報 特開平4−281846号公報 特開平7−96187号公報 特開平10−216518号公報
本発明の目的は、上記の事情に鑑み、例えばリーンバーン排ガス中に含まれる窒素酸化物の除去のための新規な触媒を提供し、その触媒を用いた排ガス浄化方法を提供することである。
具体的には、従来困難であったリーンバーン排ガス中に含まれる窒素酸化物を例えば300℃付近で例えば軽油を還元剤として効果的に除去する触媒を提供し、その触媒を用いた排ガス中窒素酸化物の浄化(除去)方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに金を担持した触媒において金にロジウムを添加し、ケイ素を含む酸化物からなる担体に担持すると軽油を還元剤とした窒素酸化物の浄化(除去)活性が飛躍的に高まることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1)少なくともケイ素を含有する酸化物を含んでなる担体に、金及びロジウムを含んでなる金属触媒成分を担持した担持触媒であって、該金属触媒成分中の全金属に対して、金及びロジウムの合計が60質量%以上であることを特徴とする上記担持触媒、
(2)金に対するロジウムの原子比(Rh/Au)が0.1以上2未満であることを特徴とする上記(1)に記載の担持触媒、
(3)前記少なくともケイ素を含有する酸化物がシリカであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の担持触媒。
(4)前記少なくともケイ素を含有する酸化物がメソポーラスシリカであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の担持触媒、
(5)酸素濃度が3%以上の排ガス中の窒素酸化物を除去する方法であって、還元剤として炭化水素を用い、上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の担持触媒を浄化触媒として用いることを特徴とする、上記排ガス中の窒素酸化物を除去する方法、
(6)前記炭化水素が炭素数6以上の炭化水素を含むことを特徴とする、上記(5)に記載の排ガス中の窒素酸化物を除去する方法、並びに
(7)前記炭化水素が軽油又はガソリンを含むことを特徴とする上記(5)又は(6)に記載の排ガス中の窒素酸化物を除去する方法に関する。
本発明のロジウムを含む金触媒を用いた担持触媒は、従来達成できなかった軽油を還元剤とした300℃付近のリーンバーン排ガス中の窒素酸化物の浄化(除去)を極めて効率よく行うことができる等の優れた技術的効果を実現する。
以下、本発明を詳細に説明する。
金属触媒成分
本発明中の金属触媒成分を構成するロジウムを含む金触媒の金に対するロジウムの原子比(Rh/Au)は、下限は0.1以上であり、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上であることが望ましい。原子比が0.1以上であると窒素酸化物の浄化(除去)活性が顕著に向上する。一方、原子比の上限は、通常2.0未満であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下である。原子比が2.0未満であると浄化活性の最大値を示す温度が300℃以下に抑えることができ、かつ、浄化活性も高い状態を維持できる。
金とロジウムは、少なくとも一部が固溶した合金であることが好ましい。金単独粒子と金とロジウムの固溶した合金粒子の混合物であってもよいし、ロジウム単独粒子と金とロジウムの固溶した合金粒子の混合物であってもよい。
本発明のロジウムを含む金触媒は、CuKα線をX線源として用いたXRDにおいて、回折角(2θ)が39°付近にブロードなピークが現れることが好ましい。このピークは金の38.0°のピークと重なって現れることがある。ピーク位置はロジウムの量によって僅かに異なるが、例えば金に対するロジウムの原子比が1の時は、39.2°である。このピークは、金とロジウムの固溶した合金によるものであると考えられる。
なお、本発明で例示する触媒の調製法を用いると金とロジウムの固溶した合金粒子の粒子径が5nm未満となり、XRD(X線回折)により格子定数を測定することができない場合があり、Au固容量を計算することが困難な場合がある。
金とロジウムの固溶した合金粒子の結晶子径は、5nm以下であることが好ましい。更に好ましくは3nm以下である。金とロジウムの固溶した合金粒子の結晶子径は、CuKα線をX線源として用いたXRDにおいて、回折角(2θ)が39°付近に現れるブロードなピークの回折線幅の広がりからScherrerの式を用いて算出することができる。
本発明では長期間使用時の金とロジウムの合金粒子の安定性を高める目的などから金とロジウムに銅、銀、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、白金からなる群より選ばれる1種以上の金属を加えて用いてもよい。これら1種を単独で用いてもよく、これらのうちの2種以上の金属の合金、又は物理的混合物を用いてもよい。これらの群から選ばれる1種以上の貴金属は、通常、金の0.001質量倍から0.5質量倍以下の範囲で用いる。好ましくは、0.002質量倍から0.25質量倍であり、更に好ましくは、0.01質量倍から0.1質量倍である。0.001質量倍以上であればこれらの貴金属の効果が好適に得られる。また、0.5質量倍以下で用いると金−ロジウム合金により窒素酸化物の浄化活性がかえって低下する現象が抑制でき、好ましい。
本発明で用いられる金属触媒成分の主金属である金とロジウムに異なる機能をもつ助触媒的成分を添加することによってシナジー効果による触媒性能の向上をはかることもできる。このような成分として、例えば、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、バリウム、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、ランタン、セリウム、バリウム、及びこれらの化合物を挙げることができる。
これらの中で、不動態化膜になるクロム、鉄、コバルト、ニッケル、還元剤の吸着力が比較的高い銅、中程度の酸化力をもつ酸化セリウムと三二酸化マンガン、SOx被毒防止に有効な銅−亜鉛、鉄−クロム、酸化モリブデン、などは好ましい。この成分の添加量は、通常、金質量の0.01質量倍から0.5質量倍程度である。
金とロジウムに加えて上記の貴金属や助触媒的成分として金属を添加する場合において金属触媒成分中に含有される全金属に対する金とロジウムの合計が60質量%以上であることが必要である。好ましくは80質量%以上である。更に好ましくは90質量%以上である。なお、上限は100質量%である。
本発明で用いられる金属触媒成分を構成するロジウムを含む金触媒は、担体に担持されている。金とロジウムの担体に対する担持濃度は、特に限定されないが、0.01質量%以上30質量%以下が好ましい。更に好ましくは、0.1質量%以上20質量%以下である。30質量%以上を担持することも可能であるが、担持濃度が過剰になると反応にほとんど寄与しない金とロジウムが増えるので30質量%以下が好ましい。また、十分な触媒活性を得るには0.01質量%以上が好ましい。
担体
担体は、特に限定されないが金とロジウムを高分散で担持するために50m/g以上の比表面積を持つことが好ましい。比表面積が50m/g以上であると金とロジウムの分散性が良好になり、結晶子径が小さくなり十分な窒素酸化物浄化活性が得られることから好ましい。また、好ましくは比表面積が2000m/g以下である。比表面積が2000m/g以下であると担体の構造上の強度が十分保たれることにより触媒調製時に担体が破壊されることがないので好ましい。
担体は、少なくともケイ素を含有する酸化物である。少なくともケイ素を含有する酸化物としては、シリカ、メソポーラスシリカ、シリカ−アルミナ、ゼオライトや、シリカとチタニア、ジルコニア、酸化ランタン、イットリア、セリア等との複合酸化物を用いることができる。この中でもシリカ、メソポーラスシリカが特に好ましく、更にメソポーラスシリカが高い浄化活性を得ることができる点から好ましい。
これらの少なくともケイ素を含有する酸化物の平均粒子径は、0.05μm〜5mmであると好ましく、より好ましくは0.05μm〜30μmである。さらに好ましくは0.05〜10μmである。
なお、ここでの平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分析計(例えば、Microtrac社製、製品名「MT3000」)により粒度分布(一定粒度区間内にある粒子の割合)を測定し、その全体積を100%として粒度分布の累積を求め、累積が50%になる点の粒径、すなわち、累積平均径(中心径、Median径)をいう。
担体として直径2nm以上50nm以下の細孔を持つメソポーラスシリカを用いることにより、メソポーラスシリカの細孔に金とロジウムを担持し、その細孔径を制御することで金とロジウムの好ましい粒径範囲を選択することができること、また、金とロジウムを細孔内に担持することによって金とロジウムの凝集を抑制し、金とロジウムの金属粒子の均一高分散を図れること、などの優れた効果がある。細孔の直径が50nm以下であれば、金とロジウムの凝集を有効に抑制することができるため好ましい。
メソポーラスシリカの細孔の大部分は、通常、直径が2nm以上50nm以下の範囲にあり、好ましくは2nm以上20nm以下の範囲にあり、より好ましくは2nm以上10nm以下の範囲にある。ここでいう細孔の大部分とは、2nm以上50nm以下の細孔が占める細孔容積が全細孔容積の60%以上であることをいう。細孔径が2nm未満であっても触媒金属の担持は可能であるが不純物等による汚染の影響を考えると2nm以上が好ましい。50nmを越えると分散担持された触媒が水熱高温条件などによる熱凝集によって巨大粒子に成長し、窒素酸化物の浄化活性が低下しやすくなるおそれがあるので50nm以下が好ましい。
なお、ここでの細孔径は、吸脱着の気体として窒素を用いた窒素吸着法によって測定される値であり、BJH法によって求められる1nm以上200nm以下の範囲の細孔分布(微分分布表示)で示される。
また、メソポーラスシリカの比表面積は、100m/g以上であることが好ましい。より好ましくは200m/g以上2000m/g以下、さらに好ましくは、300m/g以上1600m/g以下である。比表面積が100m/gより小さいと金とロジウムを均一高分散に担持することが困難になる。また、2000m/gを超えるとメソポーラスシリカの強度が十分保てなくなり好ましくない。なお、ここでの比表面積は、吸脱着の気体として窒素を用いたBET窒素吸着法によって測定される値である。
このようなメソポーラスシリカとしては、MCM−41、SBA−15、SBA−2、SBA−11、AMS−9、KSW−2、MCM−50、HMS、MSU−1、MSU−2、MSU−3などを用いることができるが、これらには限定されない。
これらのメソポーラスシリカの中でも非晶質メソポーラスシリカが好ましい。
一般に、多孔性材料に存在する空孔は小角X線回折法によって観測することができ、また、TEMによって直接観察することができる。メソ領域の大きさ(2nm〜50nm)の空孔は、横軸に回折角2θ、縦軸にX線回折強度をとったとき、通常、回折角2θが数度以内の領域でブロードな回折ピークを示す。空孔が多孔性材料の細孔であり、それがある程度の長距離範囲において規則正しく配列している場合には、上記回折角の領域において、一般に、結晶性物質に観測されるような複数本の回折ピークが観測され、そのパターンから、細孔配列の帰属が特定できる。また、この材料をTEM(透過型電子顕微鏡)観察すると細孔が秩序よく配列している像を観測することができる。このような規則配列した細孔を有する結晶性メソポーラス材料の例が二次元六方構造を持つMCM−41である。
本発明における非晶質メソポーラスシリカとは、細孔に起因する1本の小角X線回折ピークを持ち、TEM観察によって細孔配列の秩序性がまったく観測されないメソポーラスシリカのことである。
非晶質メソポーラスシリカとしては、細孔構造として虫食い様(ワームホール状)構造を持つHMS、MSU−1、MSU−2、MSU−3などがあり、これらの構造を持つメソポーラスシリカを用いることができる。これらの中でもHMS構造のメソポーラスシリカが比表面積が大きく、熱的安定性にも優れることから好ましい。
なお、本発明で好ましく用いる非晶質のメソポーラスシリカは、金とロジウムの高温における熱安定性を高めることができることから必要に応じて、構成元素の一部としてランタノイド族を含む3族元素、13族元素、5族元素、及び6族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種類の元素を導入してもよい。
3族元素では、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、サマリウム、ガドリニウムが好ましく、13族元素ではホウ素が好ましく、5族ではニオブ、及びタンタルが好ましく、6族ではクロム、モリブデン、及びタングステンが好ましい。中でも、ホウ素、タングステン、ニオブ、及びセリウムが更に好ましく、これらの元素を導入する効果の持続性の面からはタングステン、及びセリウムが特に好ましい。
これらの元素の導入量は非晶質メソポーラスシリカを構成する酸化ケイ素に対して1〜20モル%が好ましく、より好ましくは1〜10モル%である。
本発明において好ましい担体として用いるメソポーラスシリカの製造法は特に限定するものでなく、従来の方法である界面活性剤のミセルをテンプレートとして用いるゾル−ゲル法を応用することによって製造することができる。メソポーラスシリカの前駆物質には、通常、金属アルコキシドを用いる。例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン等のアルコキシドを用いることができる。また、水ガラス、コロイド状シリカ、煙状シリカ(フュームドシリカ)を原料としてもよい。
ミセル形成の界面活性剤の種類と塩基性、酸性、中性の合成条件がメソポーラスシリカの構造を決定する上で重要である。例えば、炭素数8〜22の長鎖の4級アンモニウム塩(例:セチルトリメチルアンモニウムブロマイドCTAB)を塩基性又は酸性条件で用いることにより種々の結晶性メソポーラスシリカが得られ、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤を酸性条件で用いることによっても結晶性のメソポーラスシリカを得ることができる。また、炭素数8〜22の長鎖のアルキルアミン(例:ドデシルアミン)やアルキルジアミンを中性〜弱塩基性条件で用いると非晶性のメソポーラスシリカを得ることができる。長鎖のアルキルアミンN−オキシド、長鎖のスルホン酸塩等も界面活性剤として用いることができる。
溶媒としては、通常、水、アルコール類、ジオールの1種以上が用いられるが、水を含んだ溶媒を用いることが好ましい。
メソポーラスシリカの合成反応系に金属への配位能を有する化合物を少量添加すると合成反応系の安定性を著しく高めることができる。このような安定剤としては、アセチルアセトン、テトラメチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、ピリジン、ピコリンなどの金属配位能を有する化合物が好ましい。
前駆物質、界面活性剤、溶媒及び安定剤からなる合成反応系の組成は、前駆物質/溶媒のモル比が、通常0.01〜0.60、好ましくは0.02〜0.50、前駆物質/界面活性剤のモル比が、通常1〜30、好ましくは1〜10、溶媒/界面活性剤のモル比が、通常1〜1000、好ましくは5〜500、安定化剤/前駆物質のモル比が、通常0.01〜1.0、好ましくは0.2〜0.6である。反応温度は、通常20〜180℃、好ましくは20〜100℃の範囲である。反応時間は、通常5〜100時間、好ましくは10〜50時間の範囲である。
合成反応生成物は通常、濾過により分離し、十分に水洗、乾燥後、500〜1000℃の焼成によってテンプレートを熱分解除去し、メソポーラスシリカを得ることができる。必要に応じて、焼成前に界面活性剤をアルコールなどで抽出してもよい。
なお、3族元素、5族元素、6族元素、及び/又は13族元素を非晶質メソポーラスシリカのケイ素に変えて導入する場合は、メソポーラスシリカの前駆物質にこれらの元素のアルコキシド、アセチルアセトナート等を適当量加えて、上記メソポーラスシリカの製造法と同様の方法によって製造することができる。
担持触媒の製造
上記担体に金とロジウムを担持する方法は、公知のものであってもよく、特に制限されるものではないが、例えば、吸着法、イオン交換法、浸せき法、共沈法、乾固法、プラズマ法などが例示される。
例えば、酸化物を触媒原料の水などの溶媒に溶解した溶液に浸漬した後、濾過、乾燥し、必要に応じて溶媒により洗浄を行い、還元剤で還元処理することによって製造することができる。
金の触媒原料としては、例えば、HAuCl・4HO、AuCl・xHO、AuBr・xHO、AuI・xHO、AuNaCl・2HO、NHAuCl、[μ-ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン]ジクロロ二金(III),クロロトリエチルホスフィン金(I)、クロロトリメチルホスフィン金(I)、クロロトリフェニルホスフィン金(I)、ブロモ(トリフェニルホスフィン)金(I)、Au(CO)Clクロロカルボニル金(I)、ジメチル(アセチルアセトナート)金(III)、酢酸金(III)、シアン化金(I)、シアン化金(I)ナトリウム、水酸化金(III)、テトラブロモ金酸(III)水素水和物、メチル(トリフェニルホスフィン)金(I)、ジシアノ金(I)酸カリウム、テトラブロモ金(III)酸カリウム、テトラクロロ金(III)酸カリウム水和物、テトラブロモ金酸(III)ナトリウム水和物、テトラクロロ金(III)酸ナトリウム二水和物、トリクロロピリジン金(III)等を用いることができる。
また、ロジウムの触媒原料としては、例えば、RhCl、Rh(NO・xHO、アセチルアセトナトビス(シクロオクテン)ロジウム(I)、アセチルアセトナトビス(エチレン)ロジウム(I)、(アセチルアセトナト)カルボニル(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、(アセチルアセトナト)(η-シクロオクタ-1,5-ジエン)ロジウム(I)、アセチルアセトナト(1,5-シクロオクタジエン)ロジウム(I)、(アセチルアセトナト)ジカルボニルロジウム(I)、(アセチルアセトナト)(ノルボルナジエン)ロジウム(I)、アクアペンタクロロロジウム(III)酸アンモニウム、ヘキサクロロロジウム(III)酸アンモニウムn水和物、ブロモトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、ジカルボニルアセチルアセトナトロジウム(I)、ヘキサクロロロジウム(III)酸カリウム、ヘキサニトリトロジウム(III)酸カリウム、酢酸ロジウム水和物、酢酸ロジウム(II)二量体、アセチルアセトナトロジウム(III)、臭化ロジウム(III)二水和物、塩化ロジウム(III)無水、塩化ロジウム(III)水和物、よう化ロジウム(III)、硝酸ロジウム(III)溶液、オクタン酸ロジウムダイマー、2,4-ペンタンジオン酸ロジウム(III)、硫酸ロジウム(III)、ヘキサクロロロジウム酸(III)ナトリウム水和物等を用いることができる。
金に必要に応じて更に添加する、イリジウム、レニウム、白金といった金属の原料としては、例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物などのハロゲン化物、又は硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、あるいは、上記金属を含む各種の錯体(例えば、カルボニル錯体、アセチルアセトナート錯体、アンミン錯体、ヒドリド錯体)、及びかかる錯体から誘導される化合物が挙げられる。これらの金属の化合物は1種を単独で又は2種以上を混合して用いられる。金とロジウム原料に上記添加する金属の原料を混合して同様にして担体上に担持することができる。
本発明の担持触媒は、上記金とロジウムの化合物を担体に担持した後に還元処理を行うことにより得られる金属金と金属ロジウムを含むことが好ましい。金とロジウムの化合物の還元法としては、一般的な還元法、例えば、水素や一酸化炭素などによる接触還元法、又は、ホルマリン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、ヒドラジン、アスコルビン酸、ギ酸、アルコールなどによる化学還元法が挙げられる。還元は、それぞれの還元剤について知られている通常の条件で行なえばよい。例えば、水素還元は、ヘリウムなどの不活性ガスで希釈した水素ガス気流下にサンプルを置き、通常、50〜600℃、好ましくは100〜500℃で数時間処理することによって行なうことができる。その還元温度が50℃以上であると還元に時間がかかり過ぎず、600℃以下であると金とロジウムの凝集が抑制でき、触媒の活性に悪影響を及ぼしにくくなる傾向にある。なお、還元は気相で行っても液相で行ってもよいが、好ましくは気相還元である。また、水素化ホウ素ナトリウムによる化学還元法の場合、還元温度は100℃以下であることが好ましく、10℃〜60℃であることがより好ましい。これらの還元処理後、必要に応じて、不活性ガス気流下500〜1000℃で数時間熱処理を行ってもよい。
窒素酸化物の除去(排ガスの浄化)
本発明のロジウムを含む金触媒を担持した担持触媒は、リーンバーン排ガス中の窒素酸化物を除去するに際し、特に還元剤として軽油を用いる場合に顕著な効果を奏するが、還元剤として軽油以外の炭化水素を用いても効果を奏するので、軽油以外の還元剤として使用可能な炭化水素について説明する。
好ましくは、炭素数6以上の炭化水素を用いることが好ましい。炭素数6以上の炭化水素の例としては、ガソリン、重油等がある。還元剤を用いる量は、排ガス中の窒素酸化物の濃度に対して還元剤の炭素の量に換算した濃度で1当量から100倍量が好ましい。より好ましくは2倍量から50倍量である。ここで還元剤の炭素の量に換算するとは、例えば還元剤に軽油を200ppm用いた場合、軽油の平均炭素数は16であるので炭素の量に換算した濃度としては、3200ppmである。濃度が1当量以上であると窒素酸化物を十分除去することが容易である。また、100倍量以下であると窒素酸化物の還元に用いられない還元剤の量が少なく、酸素によって燃焼して触媒層の温度上昇を引き起こすことが抑制されるので好ましい。
本発明において還元剤として用い得る軽油は、ディーゼルエンジンの燃料としても使用されることから還元剤としての専用のタンクを設ける必要がない点においても好ましい。
本発明のロジウムを含む金触媒を担持した担持触媒を用いてリーンバーン排ガス中の窒素酸化物を除去するに際し、本発明の担持触媒をハニカム形状の支持体上に保持して用いることもできる。ハニカム形状の支持体としては、例えば、断面が網目状で、軸方向に平行に互いに薄い壁によって仕切られたガス流路を設けている成形体を用いることができる。成形体の外形は、特に限定するものではないが、通常は、円柱形である。材質としては、コージェライト(2MgO・2Al・5SiO)などのセラミックでもよいし、例えば金属組成がFe75%、Cr20%、Al5%である金属製のものを用いることもできる。
本発明のロジウムを含む金触媒を担持した担持触媒をハニカム形状の支持体上に保持する保持量は、3質量%以上30質量%以下が好ましい。30質量%以下ではモノリス成形体表面に保持された触媒の厚みが過大ではなく、内部に存在する触媒へのガス拡散が十分であることから30質量%以下が好ましい。また、十分なNOx浄化(除去)性能を引き出す上で3質量%以上が好ましい。金とロジウムの合計の支持体上への保持濃度は、0.03質量%以上4質量%以下が好ましい。触媒をハニカム形状の支持体上に保持する方法としては、通常の方法に準じて行えばよい。例えば、触媒とバインダーとしてのコロイダルシリカを、通常、1:(0.01〜0.2)の質量割合で混合した混合物をつくり、これを水分散することによって通常5〜50質量%のスラリーを調整した後、該スラリーに支持体を浸漬してハニカム形状の支持体のガス流路の内壁にスラリーを付着させ、乾燥後、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性雰囲気下500〜1000℃で数時間熱処理することによって製造することがきる。
コロイダルシリカ以外のバインダーとしては、メチルセルロース、アクリル樹脂、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、クレゾール樹脂などを適宜用いることもできる。
本発明について、以下の実施例を参照しながら、より具体的に説明する。
(評価方法)
実施例中の小角X線回折パターン及び粉末X線回折パターンは理学電機社製RINT2000型X線回折装置によって測定した。
担体の細孔は日立製作所製H−9000UHR型透過型電子顕微鏡を用いて直接観察した。金とロジウムの固溶体の結晶子径は、粉末X線回折パターンの39°付近のピークの半値幅をScherrerの式に代入して算出した。
比表面積及び細孔分布は、脱吸着の気体として窒素を用い、カルロエルバ社製ソープトマチック1800型装置を用いて測定した。比表面積はBET法によって求めた。細孔分布は1〜200nmの範囲を測定した。製造したメソポーラスシリカは指数関数的に左肩上がりの分布における特定の細孔直径の位置にピークを示した。このピークを与える細孔直径を細孔径とした。
自動車排NOxのモデルガスとして、ヘリウム希釈一酸化窒素、酸素、及び還元性ガス(軽油又はプロピレン)を用いた。
一酸化窒素の処理率は、減圧式化学発光法NOx分析計(日本サーモ株式会社製造:モデル42i−HL及び46C−H)によって処理後のガスに含まれる一酸化窒素を測定し、以下の式(1)によって算出した。
処理率 = [1−(反応後のガスの吸光度/反応前のガスの吸光度)]×100 (%) − (1)
(担体の合成)
[参考例1]結晶性メソポーラスシリカの合成
結晶性メソポーラスシリカMCM−41は、米国特許第5,143,707号明細書における実施例21の方法に従って合成した。得られたMCM−41の比表面積は1450m/g、細孔径は2.5nmであった。平均粒子径は、8μmであった。小角X線回折パターンは4本の回折ピークを示し、それぞれの面間隔(d値)は3.2nm(strong)、1.8nm(weak)、1.6nm(weak)、及び、1.2nm(very weak)であった。
[参考例2]非晶性メソポーラスシリカの合成
蒸留水300g、エタノール240g、及びドデシルアミン30gを均一溶液とした。この溶液に撹拌下でテトラエチルオルトシリケート125g加えて25℃で22時間撹拌した。生成物を濾過、水洗、風乾した後、空気下550℃で5時間焼成した。
得られたメソポーラスシリカの小角X線回折は、2θ角が2.72度(d=3.25nm)の所に1本のブロードな回折ピークを示した。
また、透過型電気顕微鏡観察の結果、細孔の配列に規則性は観測されず、無秩序に分散している状態であることが確認された。
これらの結果から、製造したメソポーラスシリカは非晶性であることが確認された。また、細孔分布及び比表面積測定の結果、約3.2nmの位置に細孔ピークがあり、比表面積が933m/g、細孔容積が1.35cm/g、2〜50nmの細孔が占める容積は1.34cm/gであった。また、平均粒子径は、5μmであった。
(担持触媒の合成)
[実施例1]2質量%Au−Rh(Rh/Au=0.3(原子比、以下同じ))/シリカ触媒の合成
比表面積290m/g(日揮触媒化成株式会社製)のシリカ10gに0.418gの塩化金(III)酸四水和物[HAuCl・4HO]と0.313gの10質量%のロジウムを含む硝酸ロジウム[Rh(NO]の硝酸水溶液を20gの蒸留水に溶解した水溶液を加え、撹拌混合した後に蒸発乾固し、120℃で3時間真空乾燥を行った。この試料を石英管に入れヘリウム希釈水素ガス(10%v/v)気流下400℃で3時間還元し、金の含有量が約2質量%のAu−Rh(Rh/Au=0.3)/シリカ触媒を合成した。担持された金−ロジウム合金の平均結晶子径は、約2.5nmであった。
[実施例2]2質量%Au−Rh(Rh/Au=0.3)/MCM−41触媒の合成
実施例1のシリカに代えて参考例1で合成した比表面積1450m/gの結晶質メソポーラスシリカMCM−41の10gを用いた以外は、実施例1と同様にして金含有量が約2質量%のAu−Rh(Rh/Au=0.3)/MCM−41触媒を合成した。担持された金−ロジウム合金の平均結晶子径は、約2.6nmであった。
[実施例3]2質量%Au−Rh(Rh/Au=0.3)/非晶質メソポーラスシリカ触媒の合成
実施例1のシリカに代えて参考例2で合成した非晶質メソポーラスシリカ10gを用いた以外は、実施例1と同様にして金含有量が約2質量%のAu−Rh(Rh/Au=0.3)/非晶質メソポーラスシリカ触媒を合成した。担持された金−ロジウム合金の平均結晶子径は、約2.7nmであった。
[比較例1]2質量%Au−Rh(Rh/Au=0.3)/アルミナ触媒の合成
実施例1のシリカに代えて比表面積170m/g(日揮触媒化成株式会社製)のアルミナ10gを用いた以外は、実施例1と同様にして金含有量が約2質量%のAu−Rh(Rh/Au=0.3)/アルミナ触媒を合成した。担持された金−ロジウム合金の平均結晶子径は、約3.0nmであった。
[実施例4]10質量%Au−Rh(Rh/Au=0.05)/非晶質メソポーラスシリカ触媒の合成
参考例2の非晶質メソポーラスシリカ10gに2.091gの塩化金(III)酸四水和物[HAuCl・4HO]と0.261gの10質量%のロジウムを含む硝酸ロジウム[Rh(NO]の硝酸水溶液を20gの蒸留水に溶解した水溶液を加え、撹拌混合した後に蒸発乾固し、120℃で3時間真空乾燥を行った。この試料を石英管に入れヘリウム希釈水素ガス(10%v/v)気流下400℃で3時間還元し、金の含有量が約10質量%のAu−Rh(Rh/Au=0.05)/非晶質メソポーラスシリカ触媒を合成した。担持された金−ロジウム合金の平均結晶子径は、約6.3nmであった。
[実施例5]10質量%Au−Rh(Rh/Au=0.1)/非晶質メソポーラスシリカ触媒の合成
実施例4において10質量%のロジウムを含む硝酸ロジウム[Rh(NO]の硝酸水溶液の量を0.522gに変えた以外は、実施例4と同様にして約10質量%のAu−Rh(Rh/Au=0.1)/非晶質メソポーラスシリカ触媒を合成した。担持された金−ロジウム合金の平均結晶子径は、約5.4nmであった。
[実施例6]10質量%Au−Rh(Rh/Au=0.3)/非晶質メソポーラスシリカ触媒の合成
実施例4において10質量%のロジウムを含む硝酸ロジウム[Rh(NO]の硝酸水溶液の量を1.567gに変えた以外は、実施例4と同様にして約10質量%のAu−Rh(Rh/Au=0.3)/非晶質メソポーラスシリカ触媒を合成した。担持された金−ロジウム合金の平均結晶子径は、約2.5nmであった。
[実施例7]10質量%Au−Rh(Rh/Au=0.5)/非晶質メソポーラスシリカ触媒の合成
実施例4において10質量%のロジウムを含む硝酸ロジウム[Rh(NO]の硝酸水溶液の量を2.612gに変えた以外は、実施例4と同様にして約10質量%のAu−Rh(Rh/Au=0.5)/非晶質メソポーラスシリカ触媒を合成した。担持された金−ロジウム合金の平均結晶子径は、約2.3nmであった。
[実施例8]10質量%Au−Rh(Rh/Au=1.0)/非晶質メソポーラスシリカ触媒の合成
実施例4において10質量%のロジウムを含む硝酸ロジウム[Rh(NO]の硝酸水溶液の量を5.225gに変えた以外は、実施例4と同様にして約10質量%のAu−Rh(Rh/Au=1.0)/非晶質メソポーラスシリカ触媒を合成した。担持された金−ロジウム合金の平均結晶子径は、約2.1nmであった。
[実施例9]10質量%Au−Rh(Rh/Au=1.8)/非晶質メソポーラスシリカ触媒の合成
実施例4において10質量%のロジウムを含む硝酸ロジウム[Rh(NO]の硝酸水溶液の量を9.405gに変えた以外は、実施例4と同様にして約10質量%のAu−Rh(Rh/Au=1.8)/非晶質メソポーラスシリカ触媒を合成した。担持された金−ロジウム合金の平均結晶子径は、約3.5nmであった。
[実施例10]10質量%Au−Rh(Rh/Au=2.0)/非晶質メソポーラスシリカ触媒の合成
実施例4において10質量%のロジウムを含む硝酸ロジウム[Rh(NO]の硝酸水溶液の量を10.449gに変えた以外は、実施例4と同様にして約10質量%のAu−Rh(Rh/Au=2.0)/非晶質メソポーラスシリカ触媒を合成した。担持された金−ロジウム合金の平均結晶子径は、約6.0nmであった。
なお、実施例1から実施例10及び比較例1で合成した触媒は、金属触媒成分中に含有される金属は金とロジウムのみであり、全金属触媒成分中の金とロジウムの合計は100質量%である。
[比較例2]10質量%Au/非晶質メソポーラスシリカ触媒の合成
実施例4において10質量%のロジウムを含む硝酸ロジウム[Rh(NO]の硝酸水溶液を全く用いなかった以外は、実施例4と同様にして約10質量%のAu/非晶質メソポーラスシリカ触媒を合成した。
[比較例3]10質量%Rh/非晶質メソポーラスシリカ触媒の合成
参考例1の非晶質メソポーラスシリカ10gに10質量%のロジウムを含む硝酸ロジウム[Rh(NO]の硝酸水溶液の10gを20gの蒸留水に溶解した水溶液を加え、実施例4と同様にして10質量%Rh/非晶質メソポーラスシリカ触媒を合成した。
[比較例4]10質量%Au−Pd(Pd/Au=0.3)/非晶質メソポーラスシリカ触媒の合成
実施例4の10質量%のロジウムを含む硝酸ロジウム[Rh(NO]の硝酸水溶液に代えて、硝酸パラジウム[Pd(NO]0.351gを用いた以外は、実施例4と同様にして10質量%Au−Pd(Pd/Au=0.3)/非晶質メソポーラスシリカ触媒を合成した。
[比較例5]10質量%Au−Fe(Fe/Au=0.3)/非晶質メソポーラスシリカ触媒の合成
実施例4の10質量%のロジウムを含む硝酸ロジウム[Rh(NO]の硝酸水溶液に代えて、硝酸鉄(III)九水和物[Fe(NO・9HO]0.615gを用いた以外は、実施例4と同様にして10質量%Au−Fe(Fe/Au=0.3)/非晶質メソポーラスシリカ触媒を合成した。
[比較例6]10質量%Au−Sn(Sn/Au=0.3)/非晶質メソポーラスシリカ触媒の合成
実施例4の10質量%のロジウムを含む硝酸ロジウム[Rh(NO]の硝酸水溶液に代えて、塩化錫(II)二水和物[SnCl・2HO]0.344gを用いた以外は、実施例4と同様にして10質量%Au−Sn(Sn/Au=0.3)/非晶質メソポーラスシリカ触媒を合成した。
(担持触媒の評価)
[実施例11〜20、比較例7〜12]
還元剤として軽油を用いたリーンバーンNOx処理
それぞれ、実施例1〜10、及び比較例1〜6で合成した触媒を用いて、還元剤として軽油を用い、リーンバーン排ガスを模した模擬ガス中の一酸化窒素の浄化(除去)処理を行った。
触媒は、用いる触媒中の金の質量が8mgとなる量の触媒を秤量し、2mlの海砂に分散して反応管に充填した。被処理ガスの成分モル濃度は、ヘリウムで濃度調整した一酸化窒素250ppm、酸素10%、水蒸気10%、及び軽油200ppmとした。反応管へ導入した混合ガスの流量を毎分1L、処理温度を200℃〜400℃とした。排ガス中のNOxの濃度をオンラインで測定しNOx処理率を求めた。
結果を表1に示した。
表1から、本発明のRhを含む金触媒は、270℃から300℃付近において窒素酸化物の高い浄化(除去)活性を持つことが明らかである。
Figure 2013039543
[実施例21]
還元剤としてプロピレンを用いたリーンバーンNOx処理
実施例8で合成した触媒を用いて、還元剤としてプロピレンを用い、リーンバーン排ガスを模した模擬ガス中の一酸化窒素の浄化(除去)処理を行った。
触媒は、用いる金の質量が8mgとなる量の触媒を秤量し、2mlの海砂に分散して反応管に充填した。被処理ガスの成分モル濃度は、ヘリウムで濃度調整した一酸化窒素250ppm、酸素10%、水蒸気10%、及びプロピレン800ppmとした。反応管へ導入した混合ガスの流量を毎分1L、処理温度を200℃〜400℃とした。排ガス中のNOxの濃度をオンラインで測定しNOx処理率を求めた。
結果を表2に示した。
表2から、還元剤として軽油を用いた時の方が270℃から300℃付近において窒素酸化物のより高い浄化(除去)活性が得られることが明らかである。
Figure 2013039543
本発明のロジウムを含む金触媒を担持した担持触媒は、ディーゼル車、リーンバーンガソリンエンジン車などの排ガス中のNOxを除去する浄化用触媒として有用である。

Claims (7)

  1. 少なくともケイ素を含有する酸化物を含んでなる担体に、金及びロジウムを含んでなる金属触媒成分を担持した担持触媒であって、該金属触媒成分中の全金属に対して、金及びロジウムの合計が60質量%以上であることを特徴とする、上記担持触媒。
  2. 金に対するロジウムの原子比(Rh/Au)が0.1以上2未満であることを特徴とする請求項1に記載の担持触媒。
  3. 前記少なくともケイ素を含有する酸化物がシリカであることを特徴とする請求項1又は2に記載の担持触媒。
  4. 前記少なくともケイ素を含有する酸化物がメソポーラスシリカであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の担持触媒。
  5. 酸素濃度が3%以上の排ガス中の窒素酸化物を除去する方法であって、還元剤として炭化水素を用い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の担持触媒を浄化触媒として用いることを特徴とする、上記排ガス中の窒素酸化物を除去する方法。
  6. 前記炭化水素が、炭素数6以上の炭化水素を含むことを特徴とする、請求項5に記載の排ガス中の窒素酸化物を除去する方法。
  7. 前記炭化水素が軽油又はガソリンを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の排ガス中の窒素酸化物を除去する方法。
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