JP2013032281A - 表面改質ナノフィラー及び高分子複合材料 - Google Patents

表面改質ナノフィラー及び高分子複合材料 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、優れた耐熱性、機械的物性、物質透過遮断性、難燃性、導電性等を備える高分子複合材料を提供することにある。また、本発明の別の課題は、そのような高分子複合材料に有用となる新規な表面改質ナノフィラーを提供することにある。
【解決手段】高分子複合材料は、ナノフィラー、フッ素化合物、およびポリマーを含有する。フッ素化合物は、ナノフィラーの表面に結合する。フッ素化合物が表面に結合されたナノフィラーは、ポリマー中に混合・分散される。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面改質ナノフィラー及び表面改質ナノフィラーを利用した高分子複合材料に関する。
従来より、高分子材料の種々の物性を改良する目的で、高分子材料に粘土鉱物等のナノフィラーを添加する等の手法が検討されている(例えば、特許文献1〜13参照)。しかし、特に高分子材料の物質透過遮断性、機械的物性、耐熱性、難燃性、導電性については、更なる改良が望まれている。
一方、粘土鉱物等のナノフィラーの表面改質についても様々な検討が行われており、例えば、分子内にフッ化炭素を有するフッ素化界面活性剤との複合化について報告されている(例えば非特許文献1および2ならびに特許文献14参照)。
由井樹人、外2名、第43回日本油化学会年会(JOCS−MPO Bジョイントシンポジウム併催)講演要旨集、平成16年11月1日、p.156) TetsuYonezawa,外2名 Langmuir 20 01,17,229―2293
特許第3284552号明細書 特開平9−87432号公報 特表2001−523278号公報 特開平10−81785号公報 米国特許第5840796号明細書 国際公開第99/50340号パンフレット 特開2000−204214号公報 米国特許第6414069号明細書 米国特許第6734229号明細書 特開2004−10891号公報 特開2005−146081号公報 特表2005−500409号公報 特開2005−146081号公報 特開2005−200272号公報
本発明の課題は、優れた耐熱性、機械的物性、物質透過遮断性、難燃性、導電性等を備える高分子複合材料に有用となる新規な表面改質ナノフィラーを提供することにある。
本発明に係る表面改質ナノフィラーは、ナノフィラー及びフッ素化合物を含有する。フッ素化合物は、ナノフィラーの表面に結合する。なお、ここにいう「結合」には、例えば、イオン結合、共有結合、配位結合、分子間力(双極子相互作用、分散力、水素結合)等が含まれる。
また、本発明に係る別の表面改質ナノフィラーは、粘土鉱物と、粘土鉱物の表面に結合する、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜50の含フッ素アルキル基を有する有機イオン(但し、有機アンモニウムイオンと、
下記一般式(I)
Rf1−(CH2CR31m−(CH2CR42)n−Rf2 ・・・(I)
(一般式(I)において、Rf1およびRf2は、それぞれ独立に炭素数3以上のポリフルオロアルキル基または炭素数3以上のポリフルオロオキサアルキル基である。R3およびR4は水素原子又はメチル基である。Z1はそれぞれ独立に水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子である。Z2は−CONR56であり、ここでR5およびR6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜18のスルホン酸含有アルキル基または−[C(R152qCOR16(R15はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R16は炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基であり、qは1〜5の整数である。)であるか、又はR5およびR6は結合して、炭素数2〜8の二価のアルキレン基又はエーテル基を形成し隣接する窒素原子と共に環を構成する基である。m/n=0/100〜99/1である。)で表される含フッ素重合体;及び、
一般式(I)におけるZ1が−Si(R73、−OCOR8、−COOR9、−CON(R10)R11−N+(R12) 3X、又は−COOR11−N+(R12)3Xである(R7はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基である。R8およびR9は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜18のスルホン酸含有アルキル基、−(CH23−Si(R133または−(C(R14) 2pCOR13(R13はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基であり、R14はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、pは1〜5の整数である。)、R10は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。R11は炭素数1〜4のアルキレン基である。R12はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。Xはハロゲン原子である。)
で表される含フッ素重合体と
を除く)とを含有する表面改質ナノフィラーである。
また、本発明に係る粘土鉱物と、粘土鉱物の表面に結合する、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜50の含フッ素アルキル基を有する上記有機イオンとを含有する表面改質ナノフィラーにおいて、有機イオンは、下記一般式(1);
Figure 2013032281
(式中、L1は、P、N、S、Si、O、Se、Te、As、Sb、Bi、F、Cl、Br、又はIである。sは、2、3、4、又は5であり、元素L1の価数によって決まる値である。R1は、同一若しくは異なり、「水素原子」、「ヘテロ原子を含んでもよく一部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基」、及び「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素アルキル基」のいずれかであり、互いに結合していてもよいが、少なくとも1つのR1は「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜50の含フッ素アルキル基」である)で表される構造、又は、下記一般式(2);
Figure 2013032281
(式中、L2は、P、N、S、Si、O、Se、Te、As、Sb、Bi、F、Cl、Br、又はIである。R2は、「ヘテロ原子および不飽和結合を含んでもよく一部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキレン基」または「不飽和結合を含んでもよい炭素以外の原子で構成される鎖状基」である。tは、R2の鎖状部分を構成する原子の数以下の数値である。uは、L2の価数によって決まる0〜3の整数である。R3、R4は、同一若しくは異なり、「水素原子」、「ヘテロ原子を含んでもよく一部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基」、及び「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素アルキル基」のいずれかであるが、R3及びR4のうち少なくとも1つの置換基は「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜50の含フッ素アルキル基」である)で表される構造を有するものであることが好ましい。
また、本発明に係る表面改質ナノフィラーにおいて、有機イオンは、有機ホスホニウムイオン及び含窒素複素環オニウムイオンの少なくとも一方であることがより好ましい。
また、本発明に係る表面改質ナノフィラーにおいて、含フッ素アルキル基は、炭素数が4〜50であることが好ましい。
本発明に係る表面改質ナノフィラーは、ポリマー、特に含フッ素ポリマーとの相溶性がよいため、ポリマーに均一に分散し、上記特性に優れた高分子材料を提供することができる。
<表面改質ナノフィラー>
本発明に係る表面改質ナノフィラーは、ナノフィラー、及びナノフィラーの表面に結合するフッ素化合物を含有する。なお、この表面改質ナノフィラーは、本発明の作用効果を失わない限り、他の成分を含有してもよい。また、このナノフィラー及びナノフィラーの表面に結合するフッ素化合物を含有する表面改質ナノフィラーの一部は新規化合物である。
以下、本発明に係る表面改質ナノフィラーに含有されるナノフィラー及び表面改質用フッ素化合物について詳述する。
〔ナノフィラー〕
本実施の形態に採用されるナノフィラーとしては、ナノカーボン材、金属へテロ原子化合物、および金属ナノ粒子が挙げられ、本実施の形態ではこれらのうち一種又は二種以上を選択して用いることができる。ここにいう「ナノフィラー」とは、少なくとも1つの部分がナノレベル(0.1nmから1000nm)の構造(粒子状、シート状、層状、針状、棒状、繊維状、筒状)を有するフィラーを意味する。以下、上記各ナノフィラーについて詳述する。
(A)ナノカーボン材
ナノレベルの構造を有する炭素原子から構成される化合物で、具体的には以下のとおりである。
a)フラーレン
球状に結合した構造をもつ炭素60個以上からなる炭素分子である。
b)カーボンナノボール(カーボンブラック)
炭化水素の不完全燃焼が熱分解して生成される黒色か帯灰黒色の粉末である。
c)カーボンナノファイバー
鉄やコバルト等の金属触媒を用いて,気相の炭素源を適切な条件下で熱分解することにより合成される。繊維状炭素の組織としては,炭素網面の繊維軸に対する配向が,平行(リボン型),垂直(プレートレット型),傾斜(へリングボーン型)の3種類が主に知られている。
d)カーボンナノチューブ
カーボンナノファイバーの一種である。炭素によって作られる六員環ネットワーク(グラフェンシート)が単層あるいは多層の同軸管状になったものの一種である。単層のものをシングルウォールナノチューブ(SWNT)、複層のものをマルチウォールナノチューブ(MWNT)という。特に二層のものはダブルウォールナノチューブ(DWNT)とも呼ばれる。
なお、これらのナノカーボン材としては、化学工業56巻、P50−62(2005)に記載されるものや、Langmuir、11巻、P3682−3866(1995)に記載のもの等も挙げられる。そして、これらカーボンナノ材の中では、カーボンナノファイバーが好ましく、さらにカーボンナノチューブが特に好ましい。
(B)金属へテロ原子化合物
金属とヘテロ原子とを主成分とする化合物である。金属としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム、バリウム等)、遷移金属(チタン、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、タングステン、鉄、マンガン、ルテニウム、コバルト、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、ランノイド群金属、アクチノイド群金属等)、典型金属元素(アルミニウム、ケイ素、ガリウム、インジウム、錫、ビスマス、鉛等)が挙げられる。また、ヘテロ原子としては、周期表13属のホウ素、周期表15属の窒素、リン、ヒ素、周期表16属の酸素、硫黄、セレン、テルル等、周期表17属のフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。なお、本実施の形態において、ヘテロ原子としては、ホウ素、窒素、リン、酸素、硫黄が好ましい。
この金属へテロ原子化合物としては、金属酸化物(粘土鉱物、複水酸化物、ペロブスカイト、その他金属酸化物)、金属リン酸塩、金属カルゴゲン化物が挙げられる。これらの中でも金属酸化物が好ましい。そして、これらの金属へテロ原子化合物の中でも、特に粒
子状の構造を有する金属へテロ原子化合物、層状やシート状の構造を有する金属へテロ化合物や針状、棒状、繊維状、筒状の構造を有する金属へテロ化合物が好ましい。また、これらの中でも層状金属へテロ原子化合物が特に好ましい。
金属へテロ原子化合物としては、具体的に以下のものが挙げられる。
a)粘土鉱物
粘土鉱物(以下、「クレイ」ということもある。)とは、例えば、多数のシートが積層されて形成される層状構造を有するケイ酸塩鉱物等である。ここで、層を形成するシートは、ケイ酸で構成された四面体が平面に沿って多数結合されたものであってもよいし、アルミニウムやマグネシウムを含有する八面体が平面に沿って多数結合されたものであってもよい。また、この粘土鉱物は天然由来のものでも、天然物の処理品でも、膨潤性のフッ素化マイカのような合成品でもよい。
上記粘土鉱物の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、カオリナイト、イモゴライト、マイカ、ヘクトライト、フルオロヘクトライト、サポナイト、ベイデライト、ノントロナイト、ステベンサイト、バーミキュライト、ハロイサイト、ボルコンスコイト、スコナイト、マガダイト及びケニアライト等が挙げられ、本実施の形態ではこれらのうち一種又は二種以上を選択して用いることができる。
これら粘土鉱物のなかでは、シート状(層状)粘土鉱物が好ましい。通常、シート状(層状)粘土鉱物のシート(層)の1層は数ナノメートル以下の厚みをもつ。シート(層)は厚み2nm以下のものが特に好ましい。
b)複水酸化物
複水酸化物とは、例えば、下記一般式(3):
[MII 1-xIII x(OH)2x+[An- x/n・yH2O]x- (3)
(式中、MIIは2価金属、MIIIは3価金属、An-は芳香族アミノカルボン酸のアニオンを含むアニオン、nは前記アニオンの価数、xは0〜0.4の値、yは0より大きい実数である)で表される正に帯電した二価・三価金属の水酸化物シートが層状に積み重なった層状化合物の一つである。なお、層間には,水酸化物シートの正電荷を補うためにアニオンが取り込まれている。
本実施の形態では、これらの中でも、特に粒子状の複水酸化物、層状やシート状の複水酸化物や針状、棒状、繊維状の複水酸化物が好ましく、さらには層状複水酸化物が特に好ましい。
c)ペロブスカイト
正方晶系結晶構造の一種である。ペロブスカイトと同じ結晶構造をペロブスカイト構造と呼ぶ。例えば、BaTiO3(チタン酸バリウム)の様に、RMO3という3元系から成る遷移金属酸化物等がこの結晶構造をとる。理想的には立方晶系の単位格子をもち、立方晶の各頂点に金属Rが、体心に金属Mが、そして金属Mを中心として酸素Oが立方晶の各面心に配置している。なお、ペロブスカイトとしては、触媒、47巻、P.290―294(2005)に記載されるもの等が挙げられる。本実施の形態では、これらの中でも、特に粒子状のペロブスカイト、層状やシート状のペロブスカイトや針状、棒状、繊維状のペロブスカイトが好ましく、さらには層状ペロブスカイトが特に好ましい。
d)その他金属酸化物
上記に分類されるもの以外の金属酸化物で、ナノレベル大きさの粒子状、層状、シート状、針状、棒状、繊維状、筒状の構造を有するものが挙げられる。
上記に分類されるもの以外の金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、酸化鉄、酸化亜鉛、ジルコニア、チタニア等が挙げられる。その他、例えば、触媒、47巻、P.279−294(2005)記載のもの等が挙げられる。
e)金属リン酸塩
金属リン酸塩としては、例えば、下記一般式(4):
M(HPO42 (4)
(式中、Mは、Ti,Zr,Ce,又はSnである)で示されるものや、下記一般式(5):
Zr(ROPO3)2 (5)
(式中、Rは、H,Rh,又はMeである)で示されるもの等が挙げられる。
これらの中でも、特に、粒子状の金属リン酸塩、層状やシート状の金属リン酸塩や針状、棒状、繊維状の金属リン酸塩が好ましく、さらには層状金属リン酸塩が特に好ましい。
f)金属カルコゲン(硫黄、セレン、テルル)化物
金属カルコゲン化物としては、例えば、下記一般式(6):
MX2 (6)
(式中、MはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、又はWであり、XはS又はSeである)で示されるものや、下記一般式(7):
MPX3 (7)
(式中、MはMg、V、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Cd、又はInであり、XはS又はSeである)で示されるもの等が挙げられる。
(C)金属ナノ粒子
粒径が1〜100ナノメートル(1ナノメートル=100万分の1ミリメートル)の金属粒子である。金属ナノ粒子の構成金属は、Ag、Au、Cu、Pt、Pd、W、Ni、Ta、In、Sn、Zn、Cr、Fe、Co、及びSi等からなる群から選ばれた1種若しくは2種以上の金属又はこれら金属の少なくとも2種からなる合金であり、目的・用途に合わせて適宜選定する。
〔表面改質用フッ素化合物〕
本実施の形態に採用される表面改質用フッ素化合物としては、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜50の含フッ素アルキル基を有する有機カチオン、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜50の含フッ素アルキル基を有する有機アニオン、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜50の含フッ素アルキル基を有する有機基等が挙げられ、本実施の形態ではこれらのうち一種又は二種以上を選択して用いることができる。なお、これらの表面改質用フッ素化合物は、ナノフィラーの表面に物理的あるいは化学的に結合する。複水酸化物を含む表面改質ナノフィラーに使用する場合には、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素アルキル基を有する有機カチオン、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素アルキル基を有する有機アニオン、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素アルキル基を有する有機基等が使用できる。
以下、上記各表面改質用フッ素化合物について詳述する。
(A)有機カチオン
有機カチオンは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜50の含フッ素アルキル基を有する。フィラーとして複水酸化物を使用する場合には、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素アルキル基を有する。有機カチオンとしては、ナノフィラーの表面にイオン結合するものが好ましい。なお、有機カチオンは一種のみを採用してもよいし、二種以上のものを併用してもよい。
上記有機カチオンとしては、特にオニウムカチオンが好ましく、中でも、複水酸化物を含む表面改質ナノフィラーに使用する場合には、下記一般式(1);
Figure 2013032281
(式中、L1は、P、N、S、Si、O、Se、Te、As、Sb、Bi、F、Cl、Br、又はIである。sは、2、3、4、又は5であり、元素L1の価数によって決まる値である。R1は、同一若しくは異なり、「水素原子」、「ヘテロ原子を含んでもよく一部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基」、及び「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素アルキル基」のいずれかであり、互いに結合していてもよいが、少なくとも1つのR1は「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素アルキル基」である)で表される構造、又は、下記一般式(2);
Figure 2013032281
(式中、L2は、P、N、S、Si、O、Se、Te、As、Sb、Bi、F、Cl、Br、又はIである。R2は、「ヘテロ原子および不飽和結合を含んでもよく一部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキレン基」または「不飽和結合を含んでもよい炭素以外の原子で構成される鎖状基」である。tは、R2の鎖状部分を構成する原子の数以下の数値である。uは、L2の価数によって決まる0〜3の整数である。R3、R4は、同一若しくは異なり、「水素原子」、「ヘテロ原子を含んでもよく一部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基」、及び「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素アルキル基」のいずれかであるが、R3及びR4のうち少なくとも1つの置換基は「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素アルキル基」である)で表される構造を有するものであることが好ましい。このような構造を有するものであることにより、本発明に係る高分子複合材料等に更に優れた耐熱性を付与することが可能となるからである。なお、一般式(1)には、FH+−R1sや、ClH+−R1s、BrH+−R1s、IH+−R1s、OH2 +−R1s、SH2 +−R1s、SeH2 +−R1s、TeH2 +−R1s、NH3 +−R1s、PH3 +−R1s、AsH3 +−R1s、SbH3 +−R1s、BiH3 +−R1s等のオニウムカチオンも含まれる。粘土鉱物を含む表面改質ナノフィラーに使用する場合には、上記一般式(1)、(2)において、少なくとも1つのR1、及びR3及びR4のうち少なくとも1つの置換基は「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜50の含フッ素アルキル基」である。
上記一般式(1)で表される構造を有する有機カチオンとしては、例えば、下記一般式(8);
Figure 2013032281
(式中、R1は、上記一般式(1)におけるR1と同様である)で表されるものが好ましい。
また、上記一般式(2)で表される構造を有する有機カチオンとしては、例えば、下記一般式(9);
Figure 2013032281
(式中、R3及びR4は、上記一般式(2)におけるR3及びR4と同様である)で表されるものが好ましい。
本発明の表面改質ナノフィラーでは、上述した有機カチオンの中でも、上記一般式(1)および(2)におけるL1およびL2がP(リン原子)やN(窒素原子)であるものが好ましい。より好ましくは、L1およびL2がPであるホスホニウムイオン、又は、L2がNであってL2と共にR2が複素環またはNの同素環を構成しているオニウムイオンである。すなわち、上記有機イオンは、ホスホニウムイオン、含窒素複素環オニウムイオン、および窒素同素環オニウムイオンの少なくとも1つであることが好ましい。有機イオンがホスホニウムイオン、含窒素複素環オニウムイオン、および窒素同素環オニウムイオンの少なくとも1つであることにより、更に格段に優れた耐熱性を付与することが可能となるからである。なお、含窒素複素環オニウムイオンとは、窒素を含む複素環を有するオニウムイオンである。
上記ホスホニウムイオンとしては、例えば、下記一般式(10);
Figure 2013032281
(式中、R1は、上記一般式(1)におけるR1と同様である)で表されるものが特に好ましい。より具体的には、例えば、パーフルオロエチルホスホニウムイオン、パーフルオロプロピルホスホニウムイオン、パーフルオロブチルホスホニウムイオン、パーフルオロブチルエチルホスホニウムイオン、パーフルオロヘキシルホスホニウムイオン、パーフルオロヘキシルエチルホスホニウムイオン、パーフルオロヘプチルホスホニウムイオン、パーフルオロオクチルホスホニウムイオン、パーフルオロオクチルエチルホスホニウムイオン、パーフルオロデシルホスホニウムイオン及びパーフルオロデシルエチルホスホニウムイオン等が好ましく挙げられる。
上記含窒素複素環オニウムイオンとしては、例えば、下記一般式(11);
Figure 2013032281
(式中、R3及びR4は、上記一般式(2)におけるR3及びR4と同様である)で表されるものが特に好ましい。より具体的には、例えば、パーフルオロエチルイミダゾリウムイオン、パーフルオロプロピルイミダゾリウムイオン、パーフルオロブチルイミダゾリウムイオン、パーフルオロブチルエチルイミダゾリウムイオン、パーフルオロへキシルイミダゾリウムイオン、パーフルオロヘキシルエチルイミダゾリウムイオン、パーフルオロヘプチルイミダゾリウムイオン、パーフルオロオクチルイミダゾリウムイオン、パーフルオロオクチルエチルイミダゾリウムイオン、パーフルオロデシルイミダゾリウムイオン、パーフルオロデシルエチルイミダゾリウムイオン等のイミダゾリウムイオンや、パーフルオロエチルピリジニウムイオン、パーフルオロプロピルピリジニウムイオン、パーフルオロブチルピリジニウムイオン、パーフルオロブチルエチルピリジニウムイオン、パーフルオロヘキシルピリジニウムイオン、パーフルオロへキシルエチルピリジニウムイオン、パーフルオロへプチルピリジニウムイオン、パーフルオロオクチルピリジニウムイオン、パーフルオロオクチルエチルピリジニウムイオン、パーフルオロデシルピリジニウムイオン及びパーフルオロデシルエチルピリジニウムイオン等のピリジニウムイオン等が好ましく挙げられる。
なお、本発明に係る高分子複合材料においては、上記有機イオンは、例えば、パーフルオロエチルアンモニウムイオン、パーフルオロプロピルアンモニウムイオン、パーフルオロブチルアンモニウムイオン、パーフルオロブチルエチルアンモニウムイオン、パーフルオロヘキシルアンモニウムイオン、パーフルオロヘキシルエチルアンモニウムイオン、パーフルオロヘプチルアンモニウムイオン、パーフルオロオクチルアンモニウムイオン、パーフルオロオクチルエチルアンモニウムイオン、パーフルオロデシルアンモニウムイオン及びパーフルオロデシルエチルアンモニウムイオン等の有機アンモニウムイオンであってもよい。
また、炭素数1〜50の含フッ素アルキル基としては、上記アルキル基中のカチオン部位側が、−(CH2n−(nは、1又は2である。)であることが好ましい。より具体的には、上記有機カチオンが、下記一般式(12);
Figure 2013032281
(式中、L1及びsは、上記一般式(1)におけるL1及びsと同様である。nは、1又は2である。−(CH2n−R'は、上記一般式(1)におけるR1と同様である。)
で表される構造を有するものであることが好ましい。
有機カチオンと組み合わせが好適なナノフィラーとしては、粘土鉱物、ペロブスカイト、金属リン酸塩などが挙げられる。
(B)有機アニオン
有機アニオンは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜50の含フッ素アルキル基を有する。有機アニオンとしては、ナノフィラーの表面にイオン結合するものが好ましい。なお、有機アニオンは一種のみを採用してもよいし、二種以上のものを併用してもよい。フィラーとして複水酸化物を使用する場合には、有機アニオンは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素アルキル基を有していてもよい。
有機アニオンとしては、例えば、RfCOO-、RfO-、RfSO3 -で表されるものが好ましい。より具体的には、例えば、Rf基がパーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロブチルエチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘキシルエチル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロオクチルエチル基、パーフルオロデシル基、及びパーフルオロデシルエチル基等が好ましく挙げられる。
なお、有機アニオンと組み合わせが好適なナノフィラーとしては、複水酸化物などが挙げられる。
(C)有機基
有機基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜50の含フッ素アルキル基を有する。有機基としては、ナノフィラーの表面に共有結合するものが好ましい。なお、有機基は一種のみを採用してもよいし、二種以上のものを併用してもよい。フィラーとして複水酸化物を使用する場合には、有機基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素アルキル基を有していてもよい。
有機基としては、例えば、Rf−、RfS−、RfO−、RfSi−、RfCOO−、RfCONH−で表されるものが好ましい。なお、ヘテロ原子を結合部位に含まないRfで表されるものがさらに好ましい。より具体的には、例えば、Rf基がパーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロブチルエチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘキシルエチル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロオクチルエチル基、パーフルオロデシル基及びパーフルオロデシルエチル基等が好ましく挙げられる。
なお、有機基と組み合わせが好適なナノフィラーとしては、ナノカーボン材、金属カルコゲン化物などが挙げられる。
そして、以上説明した有機イオン(有機カチオン及び有機アニオン)、有機基が有するヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50または炭素数4〜50の含フッ素アルキル基は、直鎖状のものであってもよいし、分岐鎖を有するものであってもよいし、環状構造を有するものであってもよい。複水酸化物を含有する表面改質ナノフィラーにおいて、上記炭素数1〜50の含フッ素アルキル基の中でも、特に、炭素数4〜50の含フッ素アルキル基が好ましい。炭素数4未満ではポリマーに対する分散性が充分でなくなることがあるからである。そして、含フッ素アルキル基を炭素数4〜50の含フッ素アルキル基とすることにより、ポリマー、特に含フッ素ポリマーとの相溶性が更に向上され、ナノフィラーがポリマー中により均一に分散した高分子複合材料を得ることが可能となる。なお、有機イオン(有機カチオン、有機アニオン)、有機基は、上記炭素数1〜50または炭素数4〜50の含フッ素アルキル基を、1種のみ有していてもよいし、2種以上有していてもよい。
また、上記有機イオン(有機カチオン及び有機アニオン)、有機基は官能基を有するものであってもよく、このような形態も好ましい形態の1つである。上記有機イオン(有機カチオン及び有機アニオン)、有機基に官能基を導入すれば、ポリマーとの相溶性を更に向上することができ、各種物性についてより優れた高分子複合材料を与えることが可能となる。官能基としては、特に限定されず、例えば、CO2H基、NH2基、OH基、P(OH)3基、SO3H基、CN基、ハロゲン基(例えば、I、Br、Cl)等が好ましく挙げられる。なお、上記有機イオン(有機カチオン、有機アニオン)、有機基がハロゲンを有する場合には、ポリマーと混合して高分子複合材料を得る際にポリマーと共架橋するため、本発明の作用効果が更に充分に発揮されることとなる。また、上記有機イオン(有機カチオン、有機アニオン)、有機基は、1種の官能基を有するものであってもよいし、2種以上の官能基を有するものであってもよい。
<ナノフィラーと表面改質用フッ素化合物との混合比率>
上記表面改質ナノフィラーにおけるナノフィラーと表面改質用フッ素化合物との混合比率は、表面改質用フッ素化合物の種類等によって適宜設定すればよく特に限定されるものではないが、例えば、ナノフィラーと表面改質用フッ素化合物との合計量を100質量%とすると、表面改質用フッ素化合物が5〜50質量%であることが好ましい。
<表面改質ナノフィラーの製造方法>
(A)表面改質用フッ素化合物として有機イオン(有機カチオン及び有機アニオン)が採用される場合
表面改質用フッ素化合物として有機イオンが採用される場合の表面改質ナノフィラーの製造方法としては、ナノフィラーと、ナノフィラーを修飾する有機イオンとを含有するものとなる限り特に限定されるものではないが、例えば、ナノフィラーを温水等の溶媒に分散させた後、有機イオン溶液を加えて沈殿を生じさせ、得られた沈殿物をろ過して水洗し、乾燥して表面改質用フッ素化合物表面改質ナノフィラーを得る方法が挙げられる。なお、この方法は、ナノフィラーが粘土鉱物、複水酸化物である場合に特に有用である。
(B)表面改質用フッ素化合物として有機基が採用される場合
表面改質用フッ素化合物として有機基が採用される場合の表面改質ナノフィラーの製造方法としては、ナノフィラーと、ナノフィラーを修飾する有機基とを含有するものとなる限り特に限定されるものではないが、ナノフィラーを修飾する有機基はヘテロ原子を結合部位に含まないRfで表されるものが好ましい。例えば、有機基を含有する化合物を適当な溶媒に溶解させた後、ナノフィラーを加えてアルゴン雰囲気下で攪拌しつつ低圧水銀灯を照射した後、溶媒を除去、洗浄、乾燥して表面改質ナノフィラーを得る方法が挙げられる。なお、この方法は、ナノフィラーがナノカーボン材である場合に特に有用である。
<表面改質ナノフィラーの同定方法>
(A)ナノフィラーとしてナノカーボン材が採用される場合
同定方法としては、通常の方法を採用することができ、例えば、熱分析方法、XRD方法、元素分析、IR、UV等が挙げられる。熱分析方法では有機質部分(例えば、アルキル基)の質量が減少することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができ、XRD方法ではナノカーボン材の層間距離が修飾前の層間距離よりも広がっていることを確認することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができる。なお、熱分析方法では例えばセイコー電子社製のTG/DTA6200を使用することができ、XRD方法では例えば理学電機社製のRAD−RA型を使用することができ、元素分析方法では例えばJ−SCIENCE社製のJM−10を使用することができ、IR方法では例えばパーキンエルマー社製の1760型を使用することができ、UV方法では例えば日立社製のU−3310を使用することができる。
(B)ナノフィラーとして粘土鉱物が採用される場合
同定方法としては、通常の方法を採用することができ、例えば、水を使用する方法、熱分析方法、XRD方法等が挙げられる。水を使用する方法では表面改質ナノフィラー(有機化粘土鉱物)が水に膨潤せずに析出することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができ、熱分析方法では有機イオン中の有機質部分(例えば、アルキル基)の質量が減少することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができ、XRD方法では粘土鉱物の層間距離が修飾前の層間距離よりも広がっていることを確認することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができる。なお、熱分析方法では例えばセイコー電子社製のTG/DTA6200を使用することができ、XRD方法では例えば理学電機社製のRAD−RA型を使用することができる。
(C)ナノフィラーとして複水酸化物が採用される場合
同定方法としては、通常の方法を採用することができ、例えば、水を使用する方法、熱分析方法、XRD方法等が挙げられる。水を使用する方法では表面改質ナノフィラー(有機化複水酸化物)が水に膨潤せずに析出することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができ、熱分析方法では有機イオン中の有機質部分(例えば、アルキル基)の質量が減少することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができ、XRD方法では複水酸化物の層間距離が修飾前の層間距離よりも広がっていることを確認することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができる。なお、熱分析方法では例えばセイコー電子社製のTG/DTA6200を使用することができ、XRD方法では例えば理学電機社製のRAD−RA型を使用することができる。
(D)ナノフィラーとしてペロブスカイトが採用される場合
同定方法としては、通常の方法を採用することができ、例えば、熱分析方法、XRD方法、元素分析、IR、UV等が挙げられる。熱分析方法では有機質部分(例えば、アルキル基)の質量が減少することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができ、XRD方法ではペロブスカイトの層間距離が修飾前の層間距離よりも広がっていることを確認することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができる。なお、熱分析方法では例えばセイコー電子社製のTG/DTA6200を使用することができ、XRD方法では例えば理学電機社製のRAD−RA型を使用することができ、元素分析方法では例えばJ−SCIENCE社製のJM−10を使用することができ、IR方法では例えばパーキンエルマー社製の1760型を使用することができ、UV方法では例えば日立社製のU−3310を使用することができる。
(E)ナノフィラーとしてその他の金属酸化物が採用される場合
同定方法としては、通常の方法を採用することができ、例えば、熱分析方法、XRD方法、元素分析、IR、UV等が挙げられる。熱分析方法では有機質部分(例えば、アルキル基)の質量が減少することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができ、XRD方法では金属酸化物の層間距離が修飾前の層間距離よりも広がっていることを確認することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができる。なお、熱分析方法では例えばセイコー電子社製のTG/DTA6200を使用することができ、XRD方法では例えば理学電機社製のRAD−RA型を使用することができ、元素分析方法では例えばJ−SCIENCE社製のJM−10を使用することができ、IR方法では例えばパーキンエルマー社製の1760型を使用することができ、UV方法では例えば日立社製のU−3310を使用することができる。
(F)ナノフィラーとして金属リン酸塩が採用される場合
同定方法としては、通常の方法を採用することができ、例えば、熱分析方法、XRD方法、元素分析、IR、UV等が挙げられる。熱分析方法では有機質部分(例えば、アルキル基)の質量が減少することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができ、XRD方法では金属リン酸塩の層間距離が修飾前の層間距離よりも広がっていることを確認することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができる。なお、熱分析方法では例えばセイコー電子社製のTG/DTA6200を使用することができ、XRD方法では例えば理学電機社製のRAD−RA型を使用することができ、元素分析方法では例えばJ−SCIENCE社製のJM−10を使用することができ、IR方法では例えばパーキンエルマー社製の1760型を使用することができ、UV方法では例えば日立社製のU−3310を使用することができる。
(G)ナノフィラーとして金属カルコゲン化物が採用される場合
同定方法としては、通常の方法を採用することができ、例えば、熱分析方法、XRD方法、元素分析、IR、UV等が挙げられる。熱分析方法では有機質部分(例えば、アルキル基)の質量が減少することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができ、XRD方法では金属カルコゲン化物の層間距離が修飾前の層間距離よりも広がっていることを確認することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができる。なお、熱分析方法では例えばセイコー電子社製のTG/DTA6200を使用することができ、XRD方法では例えば理学電機社製のRAD−RA型を使用することができ、元素分析方法では例えばJ−SCIENCE社製のJM−10を使用することができ、IR方法では例えばパーキンエルマー社製の1760型を使用することができ、UV方法では例えば日立社製のU−3310を使用することができる。
(H)ナノフィラーとして金属ナノ粒子が採用される場合
同定方法としては、通常の方法を採用することができ、例えば、熱分析方法、元素分析、IR、UV等が挙げられる。熱分析方法では有機質部分(例えば、アルキル基)の質量が減少することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することによって表面改質ナノフィラーの生成を確認することができる。なお、熱分析方法では例えばセイコー電子社製のTG/DTA6200を使用することができ、元素分析方法では例えばJ−SCIENCE社製のJM−10を使用することができ、IR方法では例えばパーキンエルマー社製の1760型を使用することができ、UV方法では例えば日立社製のU−3310を使用することができる。
〔高分子複合材料〕
本発明に係る高分子複合材料は、表面改質ナノフィラー及びポリマーを含有する。表面改質ナノフィラーは、ナノフィラー及び表面改質用フッ素化合物を含有し、詳細は先述のとおりである。なお、表面改質ナノフィラー及びポリマーは、それぞれ一種のみを用いてもよいし二種以上用いてもよい。また、本発明に係る高分子複合材料には、本発明の作用効果を失わない限り、その他の添加物が含有されていてもよい。
(A)ポリマー
ポリマーは、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。また、このような重合体の原料となる単量体としては、特に限定されず、例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、トリフルオロエチレン(TrFE)、ジフルオロエチレン(VdF)等の含フッ素モノマーや、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチン、ヘキセン、スチレン等の二重結合を有するモノマー又はアセチレンやプロピン等の三重結合を有するモノマー等の非含フッ素モノマー等が挙げられる。なお、このポリマーの重合には、1種の単量体が用いられてもよいし2種以上の単量体が用いられてもよい。
これらの単量体を用いて得られる重合体としては、例えば、含フッ素重合体(フッ素原子を含む重合体)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、シリコーンポリマー等の通常の重合体が挙げられる。
また、上記ポリマーは官能基を有することが好ましい。ポリマーが官能基を有することにより、表面改質ナノフィラーとの相溶性が向上され、各種物性についてより優れる高分子複合材料を得ることが可能となる。官能基としては、特に限定されず、例えば、CO2H基、NH2基、OH基、P(OH)3基、SO3H基、CN基、ハロゲン基(例えば、I、Br、Cl)等が好ましく挙げられる。なお、ポリマーは、1種の官能基を有するものであってもよいし、2種以上の官能基を有するものであってもよい。
また、上記ポリマーは、モノマー組成及び重合方法を適宜変更することにより、結晶性重合体としてもよいし、非晶性重合体としてもよいし、分子鎖中に結晶部と非晶部とを有する熱可塑性エラストマーとしてもよい。
上記ポリマーは、含フッ素重合体であることがより好ましい。ポリマーが含フッ素重合体であることにより、相溶性や、機械的特性、物質透過遮断性等の各種物性についてより優れる高分子複合材料を得ることが可能となる。
なお、上記含フッ素重合体は、各種の含フッ素モノマーの単独重合体であってもよいし、複数種類の含フッ素モノマーを共重合した共重合体であってもよいし、含フッ素モノマーとフッ素を含まない他の非含フッ素モノマー等と共重合した共重合体であってもよい。なお、含フッ素単独重合体としては、ジフルオロエチレン等のフッ素原子を部分的に含有し且つフッ素原子と結合していない炭素原子を含有するモノマーを単独で重合させたものであることが好ましい。
上記含フッ素重合体は、主鎖末端および側鎖末端の少なくとも一方に反応性官能基を有する重合体であることが好ましい。
反応性官能基としては、ハロゲン基(例えば、I,Br,Clなど)、カルボキシル基、無水カルボキシル基、カルボニルジオキシ基、ハロホルミル基、水酸基、イソシアネート基、アルコキシカルボニル基、エポキシ基および/またはアミノ基等が挙げられる。
カルボニルジオキシ基は−O−C(=O)−O−で示される構造を有する基であり、具体的には、一般式(13):
−O−C(=O)−O−R5 (13)
(式中R5は、エーテル結合性酸素原子を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基、又は17族元素である)で示される基等を挙げることができる。一般式(13)で示される基としては、−O−C(=O)−OCH3、−O−C(=O)−OC37、−O−C(=O)−OC817、−O−C(=O)−OCH2CH2CH2OCH2CH3等が挙げられる。
ハロホルミル基は−C(=O)−X1で示される構造を有する基であり、X1としては、フッ素原子、塩素原子等が挙げられる。
反応性官能基は、これらの中でも耐熱性及び機械特性の点から、カルボキシル基、無水カルボキシル基、カルボニルジオキシ基、ハロホルミル基、イソシアネート基、アルコキシカルボニル基等のカルボニル基含有基であることが好ましく、その中でもカルボニル基を含む官能基、特にカルボニルジオキシ基、ハロホルミル基がより好ましい。
含フッ素重合体の主鎖末端および/または側鎖末端に上記反応性官能基を導入する方法としては、含フッ素重合体の重合時に前記反応性部位あるいは前記反応部位に変換可能な部位を有する単量体を共重合する方法や、前記反応性部位あるいは前記反応性部位に変換可能な部位を有する重合開始剤を用いる方法が挙げられるが、主鎖末端に上記反応性官能基を有する含フッ素重合体が側鎖末端に上記反応性官能基を有する含フッ素重合体と比較して一般的に耐熱性、機械特性、耐薬品性に優れる点、及び生産性やコスト面で有利である点から、後者の方法が好ましい。
また、含フッ素重合体にハロホルミル基を導入する方法としては、例えば、カルボニルジオキシ基またはエステル基を末端に有する含フッ素重合体の末端を熱分解(脱炭酸)させる方法が挙げられる。このときの加熱温度は、カルボニルジオキシ基またはエステル基の種類や含フッ素重合体の種類によって異なるが、重合体自体が200℃以上、好ましくは220℃以上、特に好ましくは230℃以上になるように加熱することが好ましく、加熱温度の上限は、含フッ素重合体のカルボニルジオキシ基またはエステル基以外の部位の熱分解温度以下にすることが好ましく、具体的には400℃以下、より好ましくは350℃以下である。
含フッ素重合体中の反応性官能基の数は、含フッ素重合体の主鎖炭素数1×106個あたり、3〜1000個であることが好ましく、3〜500個であることがより好ましく、10〜300個であることがさらに好ましい。反応性官能基の数が、含フッ素重合体の主鎖炭素数1×106個あたり3個未満であると、表面改質ナノフィラーと充分に反応しない傾向がある。
本発明に係る含フッ素重合体は少なくとも1種の含フッ素エチレン性重合体からなるフッ素樹脂またはフッ素ゴムであることが好ましく、含フッ素エチレン性重合体は少なくとも1種の含フッ素エチレン性単量体由来の構造単位を有するものであればよい。なお、この含フッ素重合体の主鎖および/または側鎖の構造は特に限定されるものではない。また、上記含フッ素エチレン性重合体からなるフッ素樹脂またはフッ素ゴムは、主鎖末端および/または側鎖末端に反応性官能基を有する重合体であることが好ましい。反応性官能基としては、ハロゲン基(例えば、I、Br、Cl)、カルボキシル基、無水カルボキシル基、カルボニルジオキシ基、ハロホルミル基、水酸基、イソシアネート基、アルコキシカルボニル基、エポキシ基および/またはアミノ基等が挙げられる。
(フッ素樹脂の具体例)
含フッ素エチレン性単量体としては、例えば、テトラフルオロエチレン、一般式(14):
CF2=CF−Rf 1 (14)
(式中、Rf 1は−CF3または−ORf 2であり、Rf 2は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基である)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物等のパーフルオロオレフィン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、ビニリデンフルオライド、フッ化ビニル、一般式(15):
CH2=CX2(CF2n3 (15)
(式中、X2は水素原子またはフッ素原子であり、X3は水素原子、フッ素原子、または塩素原子であり、nは1〜10の整数である)で表されるフルオロオレフィン等を挙げることができる。
そして、含フッ素エチレン性重合体は上記含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体由来の構造単位を有してもよく、このような単量体としては、上記フルオロオレフィン、パーフルオロオレフィン以外の非フッ素エチレン性単量体を挙げることができる。非フッ素エチレン性単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、またはアルキルビニルエーテル類等を挙げることができる。ここで、アルキルビニルエーテルは、炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルビニルエーテルをいう。
これらの中でも、
(a)テトラフルオロエチレンとエチレンとからなるエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、
(b)テトラフルオロエチレンと一般式(16):
CF2=CF−Rf 1 (16)
(式中、Rf 1は−CF3または−ORf 2であり、Rf 2は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基である)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物とからなるテトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、又はテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、
(c)テトラフルオロエチレン、エチレン、及び一般式(17):
CF2=CF−Rf 1 (17)
(式中、Rf 1は−CF3または−ORf 2であり、Rf 2は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基である)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物からなるエチレン−テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(Et−TFE−PAVE共重合体)またはエチレン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(EFEP)、
(d)ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
のいずれかであることが好ましい。次に(a)〜(d)の好ましい含フッ素エチレン性重合体についてそれぞれ説明する。
(a)ETFE
含フッ素エチレン性重合体をETFEとすることは、高分子複合材料に低燃料透過性および柔軟性を付与できる点で好ましい。テトラフルオロエチレン単位とエチレン単位との含有モル比は、20:80〜90:10が好ましく、62:38〜90:10がより好ましく、63:37〜80:20が特に好ましい。また、このETFEは、第3成分を含有していてもよい。第3成分としてはテトラフルオロエチレンおよびエチレンと共重合可能なものであればよく、その種類は限定されない。第3成分としては、通常、下記一般式(18)〜(21):
CX4 2=CX4f 3 (18)、
CX4 2=CFRf 3 (19)、
CX4 2=CFORf 3 (20)、
CX4 2=C(Rf 32 (21)
(式中、X4は水素原子またはフッ素原子であり、Rf 3はフルオロアルキル基である)
で示されるモノマーが用いられ、これらの中でも、一般式(18)で示される含フッ素ビニルモノマーがより好ましく、Rf 3の炭素数が1〜8のモノマーが特に好ましい。
一般式(18)〜(21)で示される含フッ素ビニルモノマーの具体例としては、1,1−ジヒドロパーフルオロプロペン−1、1,1−ジヒドロパーフルオロブテン−1、1,1,7−トリヒドロパーフルオロへプテン−1、1,1,2−トリヒドロパーフルオロヘキセン−1、1,1,2−トリヒドロパーフルオロオクテン−1、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルビニルエーテル、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロペン、パーフルオロブテン−1、3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルプロペン−1、2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CH2=CFCF2CF2CF2H)が挙げられる。
第3成分の含有量としては、含フッ素エチレン性重合体に対して0.1〜10モル%が好ましく、0.1〜5モル%がより好ましく、0.2〜4モル%が特に好ましい。
(b)PFAまたはFEP
含フッ素エチレン性重合体をPFAまたはFEPとすることは、とりわけ高分子複合材料に優れた耐熱性および物質透過遮断性を付与することができる点で好ましい。なお、このとき、含フッ素エチレン性重合体は、テトラフルオロエチレン単位90〜99モル%と一般式(16)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物単位1〜10モル%とからなることがより好ましい。また、テトラフルオロエチレンと一般式(16)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物とからなる含フッ素エチレン性重合体は、第3成分を含有していてもよい。第3成分としてはテトラフルオロエチレンおよび一般式(16)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物と共重合可能なものであればよく、その種類は特に限定されない。
(c)Et−TFE−PAVE共重合体またはEFEP
含フッ素エチレン性重合体をEt−TFE−PAVE共重合体またはEFEPとすることは、高分子複合材料に優れた物質透過遮断性および柔軟性を付与することができる点で好ましい。なお、このとき、含フッ素エチレン性重合体は、テトラフルオロエチレン単位19〜90モル%、エチレン単位9〜80モル%、及び一般式(17)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物単位1〜72モル%からなることがより好ましい。また、含フッ素エチレン性重合体が、テトラフルオロエチレン単位20〜70モル%、エチレン単位20〜60モル%、および一般式(17)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物単位1〜60モル%からなることがさらに好ましい。
また、テトラフルオロエチレン、エチレン、および一般式(17)で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物からなる含フッ素エチレン性重合体(a)は、追加成分を含有していてもよい。追加成分としては、2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CH2=CFCF2CF2CF2H)等が挙げられる。なお、追加成分の含有量としては、含フッ素エチレン性重合体に対して0.1〜3モル%であることが好ましい。
(d)PVDF
含フッ素エチレン性重合体をPVDFとすることは、高分子複合材料に優れた柔軟性および力学物性を付与することができる点で好ましい。
(フッ素ゴムの具体例)
上記含フッ素ゴムとしては、例えば、VdF/HFP共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体、VdF/CTFE共重合体、VdF/CTFE/TFE共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体、VdF/TFE/Pr共重合体、VdF/Et/HFP共重合体、VdF/Et/HFP共重合体等が好ましい。なお、その他の単量体として、TFE、HFP、及び/又は、PAVEを有するものであることがより好ましく、特には、VdF/HFP共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合が好ましい。
上記VdF/HFP共重合体は、VdF/HFPの組成が、45〜85/55〜15モル%であることが好ましく、より好ましくは、50〜80/50〜20モル%であり、更に好ましくは、60〜80/40〜20モル%である。
上記VdF/HFP/TFE共重合体は、VdF/HFP/TFEの組成が、30〜80/35〜20/35〜0モル%のものが好ましい。
上記VdF/PAVE共重合体としては、VdF/PAVEの組成が、65〜90/10〜35モル%のものが好ましい。
上記VdF/TFE/PAVE共重合体としては、VdF/TFE/PAVEの組成が、40〜80/3〜40/15〜35モル%のものが好ましい。
上記VdF/HFP/PAVE共重合体としては、VdF/HFP/PAVEの組成が、65〜90/3〜25/3〜25モル%のものが好ましい。
上記VdF/HFP/TFE/PAVE共重合としては、VdF/HFP/TFE/PAVEの組成が、40〜90/0〜25/0〜40/3〜35のものが好ましく、40〜80/3〜25/3〜40/3〜25モル%のものがより好ましい。
また、別の観点から、含フッ素重合体は分子内に電荷の偏りを有するものが好ましい。表面改質用フッ素化合物が高い極性を示す、もしくは、ナノフィラーが高い極性を示す層状物質の場合、含フッ素重合体の分子内に電荷の偏りがあると、含フッ素重合体が表面改質ナノフィラーの層状構造における層間にインターカレートし、表面改質ナノフィラーをハイブリッド化するからである。このハイブリッド化により含フッ素重合体を構成する分子鎖は表面改質ナノフィラー由来のシートによる拘束を受け、分子鎖間の結合力が強くなる。また、ハイブリッド化により粘土鉱物のシートは含フッ素重合体中に均一に微細分散される。このため、薬品や燃料が高分子複合材料に接触したとしても、薬品や燃料はこれらシートによって阻まれ、薬品による侵食や燃料の透過が生じ難い。したがって、含フッ素重合体を含有する高分子材料の物質透過遮断性(例えば、耐薬品性や燃料バリア性等)等の物性がより向上する。
また、上記含フッ素重合体におけるフッ素の含有量は、含フッ素重合体の100質量%中に10〜90質量%であることが好ましいが、30〜90質量%であることがより好ましく、50〜90質量%であることが更に好ましく、50〜80質量%であることが最も好ましい。表面改質ナノフィラーの分散性の向上と重合体そのものの物質透過遮断性の両立により、優れた特性を示す材料を提供することができるからである。なお、含フッ素重合体におけるフッ素の含有量が10質量%未満である場合には重合体そのものの物質透過遮断性等の物性の低下が生じるおそれがあり、90質量%を越えた場合には加工性の低下が生じるおそれがある。
上記ポリマーは、また、重量平均分子量が5,000〜1,000,000であることが好ましいが、10,000〜1,000,000であることがより好ましい。重量平均分子量が5,000〜1,000,000であれば、機械的物性と加工性とを両立させることができるからである。なお、重量平均分子量が5,000未満である場合には機械的物性が低下するおそれがあり、1,000,000を越えた場合には加工性が低下するおそれがある。
また、ポリマーに表面改質ナノフィラーとして層状物質を分散させる際、ポリマーを構成する分子鎖が表面改質ナノフィラーを構成する層状構造の層の間にインターカレートすることが好ましい。インターカレートにより表面改質ナノフィラーの表面とポリマーとの界面が大きくなり、表面改質ナノフィラーによるポリマーの補強効果をより多く得ることができるからである。なお、このインターカレートが生じると、ポリマーと表面改質ナノフィラーとが複合化して表面改質ナノフィラーを構成する層の層間距離が元の状態より広がる。なお、層間距離の広がりについてはX線回折等により確認することができる。また、インターカレートが生じたときの層間距離は、インターカレートが生じる前の層間距離よりも5オングストローム以上広がっていることが好ましいが、インターカレートが生じる前の層間距離よりも30オングストローム以上広がっていることがより好ましく、インターカレートが生じる前の層間距離よりも100オングストローム以上広がっていることが更に好ましい。これにより、表面改質ナノフィラーの分散性が向上し、拘束されるポリマーの割合が増え、補強効果が増すことにより、物質透過遮断性や機械的物性の向上を図ることができるからである。なお、5オングストロームより狭い場合には、粘土鉱物の分散性が低下するおそれがある。そして、更に、表面改質ナノフィラーがポリマーに分散した際に、表面改質ナノフィラーの層状構造が消失し、層状構造を構成していたシートが単層となって、分子分散した状態になることが好ましい。これにより、表面改質ナノフィラーにより拘束されるポリマーの分子鎖の割合が最も大きくなり、表面改質ナノフィラーの補強効果が非常に大きくなる。このため、本発明にかかる効果を充分に得ることができる。ただし、高分子複合材料の物性低下を来さない範囲において、高分子複合材料に数層程度の積層状態のものが一部存在していてもかまわない。
(B)その他の添加物
上記高分子複合材料はまた、表面改質ナノフィラー及びポリマーの他に、架橋剤や充填材等の添加物を含有していてもかまわない。
(C)混合比
上記高分子複合材料において、表面改質ナノフィラーとポリマーとの混合比率は、ポリマー100重量部に対して表面改質ナノフィラーが0.01〜300重量部であることが好ましく、0.1〜100重量部であることがより好ましく、0.1〜30重量部であることがもっとも好ましい。これにより、物質透過遮断性等の物性の向上と加工性との両立を図ることができるからである。なお、表面改質ナノフィラーの量が0.01重量部未満である場合には物質透過遮断性等の物性の向上が認められなくなるおそれがあり、300重量部を越えた場合には加工性が低下するおそれがある。
(D)製造方法
上記高分子複合材料を得る方法としては、表面改質ナノフィラーとポリマーとを含有するものとなる限り特に限定されるものではないが、例えば、これら及び必要に応じて添加される添加物を混合する方法によることが好ましい。混合方法としては、例えば、溶液法、モノマー挿入後重合型層間挿入法、ポリマー挿入型層間挿入法、及び二次元挿入型ナノコンポジット法等が代表的であるが、分散性や作業効率の観点から、ポリマー挿入型層間挿入法が好ましい。
(E)成形体
なお、本発明の高分子複合材料は、射出成形、押出成形、プレス成形、プロー成形、フィルム成形等の各種成形方法によって成形体とすることができる。このように、本発明の高分子複合材料を用いてなる成形体(成形品)もまた、本発明の好ましい実施形態の1つである。
(F)用途
本発明の高分子複合材及び成形品は、以下に示す分野で好適に用いることができる。
半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野では、O(角)リング、パッキン、シール材、チューブ、ロール、コーティング、ライニング、ガスケット、ダイアフラム、ホース等が挙げられ、これらはCVD装置、ドライエッチング装置、ウェットエッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング装置、アッシング装置、洗浄装置、イオン注入装置、排気装置、薬液配管、ガス配管に用いることができる。具体的には、ゲートバルブのOリング若しくはシール材として、クォーツウィンドウのOリング若しくはシール材として、チャンバーのOリング若しくはシール材として、ゲートのOリング若しくはシール材として、ベルジャーのOリング若しくはシール材として、カップリングのOリング若しくはシール材として、ポンプのOリング、シール材、若しくはダイアフラムとして、半導体用ガス制御装置のOリング若しくはシール材として、レジスト現像液・剥離液用のOリング若しくはシール材として、ウェハー洗浄液用のホース若しくはチューブとして、ウェハー搬送用のロールとして、レジスト現像液槽・剥離液槽のライニング若しくはコーティングとして、ウェハー洗浄液槽のライニング若しくはコーティングとして、又はウェットエッチング槽のライニング又はコーティングとして用いることができる。さらに、封止材・シーリング剤、光ファイバーの石英の被覆材、絶縁、防振、防水、防湿を目的とした電子部品、回路基盤のポッティング、コーティング、接着シール、磁気記憶装置用ガスケット、エポキシ等の封止材料の変性材、クリーンルーム・クリーン設備用シーラント等として用いられる。
自動車分野では、ガスケット、シャフトシール、バルブステムシール、シール材およびホースはエンジンならびに周辺装置に用いることができ、ホースおよびシール材はAT装置に用いることができ、O(角)リング、チューブ、パッキン、バルブ芯材、ホース、シール材およびダイアフラムは燃料系統ならびに周辺装置に用いることができる。具体的には、エンジンヘッドガスケット、メタルガスケット、オイルパンガスケット、クランクシャフトシール、カムシャフトシール、バルブステムシール、マニホールドパッキン、オイルホース、酸素センサー用シール、ATFホース、インジェクターOリング、インジェクターパッキン、燃料ポンプOリング、ダイアフラム、燃料ホース、クランクシャフトシール、ギアボックスシール、パワーピストンパッキン、シリンダーライナーのシール、バルブステムのシール、自動変速機のフロントポンプシール、リアーアクスルピニオンシール、ユニバーサルジョイントのガスケット、スピードメーターのピニオンシール、フートブレーキのピストンカップ、トルク伝達のO−リング、オイルシール、排ガス再燃焼装置のシール、ベアリングシール、EGRチューブ、ツインキャブチューブ、キャブレターのセンサー用ダイアフラム、防振ゴム(エンジンマウント、排気部等)、再燃焼装置用ホース、酸素センサーブッシュ等として用いることができる。
航空機分野、ロケット分野および船舶分野では、ダイアフラム、O(角)リング、バルブ、チューブ、パッキン、ホース、シール材等が挙げられ、これらは燃料系統に用いることができる。具体的には、航空機分野では、ジェットエンジンバルブステルシール、燃料供給用ホース、ガスケット、及びO−リング、ローテーティングシャフトシール、油圧機器のガスケット、防火壁シール等に用いられ、船舶分野では、スクリューのプロペラシャフト船尾シール、ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステムシール、バタフライバルブのバルブシール、バタフライ弁の軸シール等に用いられる。
プラント等の化学品分野では、ライニング、バルブ、パッキン、ロール、ホース、ダイアフラム、O(角)リング、チューブ、シール材、耐薬品用コーティング等が挙げられ、これらは医薬、農薬、塗料、樹脂等化学品製造工程に用いることができる。具体的には、化学薬品用ポンプ、流動計、配管のシール、熱交換器のシール、硫酸製造装置のガラス冷却器パッキング、農薬散布機、農薬移送ポンプのシール、ガス配管のシール、メッキ液用シール、高温真空乾燥機のパッキン、製紙用ベルトのコロシール、燃料電池のシール、風洞のジョイントシール、耐トリクレン用ロール(繊維染色用)、耐酸ホース(濃硫酸用)、ガスクロマトグラフィー、pHメーターのチューブ結合部のパッキン、塩素ガス移送ホース、ベンゼン、トルエン貯槽の雨水ドレンホース、分析機器、理化学機器のシール、チューブ、ダイアフラム、弁部品等として用いることができる。
医薬品等の薬品分野では、薬栓等として用いることができる。
現像機等の写真分野、印刷機械等の印刷分野および塗装設備等の塗装分野では、ロール等が挙げられ、それぞれフィルム現像機・X線フィルム現像機、印刷ロールおよび塗装ロールに用いることができる。具体的には、フィルム現像機・X線フィルム現像機の現像ロールとして、印刷ロールのグラビアロール、ガイドロールとして、塗装ロールの磁気テープ製造塗工ラインのグラビアロール、磁気テープ製造塗工ラインのガイドロール、各種コーティングロール等として用いることができる。さらに、乾式複写機のシール、印刷設備の印刷ロール、スクレーパー、チューブ、弁部品、塗布、塗装設備の塗布ロール、スクレーパー、チューブ、弁部品、プリンターのインキチューブ、ロール、ベルト、乾式複写機のベルト、ロール、印刷機のロール、ベルト等として用いることができる。
またチューブを分析・理化学機分野に用いることができる。
食品プラント機器分野では、ライニング、バルブ、パッキン、ロール、ホース、ダイアフラム、O(角)リング、チューブ、シール材、ベルト等があげられ、食品製造工程に用いることができる。具体的には、プレート式熱交換器のシール、自動販売機の電磁弁シール等として用いることができる。
原子力プラント機器分野では、パッキン、Oリング、ホース、シール材、ダイアフラム、バルブ、ロール、チューブ等が挙げられる。
鉄板加工設備等の鉄鋼分野では、ロール等が挙げられ、鉄板加工ロール等に用いることができる。
一般工業分野では、パッキング、Oリング、ホース、シール材、ダイアフラム、バルブ、ロール、チューブ、ライニング、マンドレル、電線、フレキシブルジョイント、ベルト、ゴム板、ウェザーストリップ、PPC複写機のロール、ロールブレード、ベルト等が挙げられる。具体的には、油圧、潤滑機械のシール、ベアリングシール、ドライクリーニング機器の窓、その他のシール、六フッ化ウランの濃縮装置のシール、サイクロトロンのシール(真空)バルブ、自動包装機のシール、空気中の亜硫酸ガス、塩素ガス分析用ポンプのダイアフラム(公害測定器)、印刷機のロール、ベルト、酸洗い用絞りロール等に用いられる。
電気分野では、具体的には、新幹線の絶縁油キャップ、液封型トランスのベンチングシール、油井ケーブルのジャケット等として用いられる。
燃料電池分野では、具体的には、電極、セパレーター間のシール材や水素・酸素・生成水配管のシール等として用いられる。
電子部品分野では、具体的には、放熱材原料、電磁波シールド材原料、エポキシ等のプリント配線板プリプレグ樹脂の変性材、電球等の飛散防止材、コンピューターのハードディスクドライブのガスケット等に用いられる。
現場施工型の成形に用いることが可能なものとしては特に限定されず、たとえば、自動車エンジン用メタルガスケットのコーティング剤、エンジンのオイルパンのガスケット、複写機・プリンター用のロール、建築用シーリング剤、磁気記録装置用のガスケット、クリーンルーム用フィルターユニットのシーリング剤、プリント基盤のコーティング剤、電気・電子部品の固定剤、電気機器リード線端子の絶縁防湿処理、電気炉等のオーブンのシール、シーズヒーターの末端処理、電子レンジの窓枠シール、CRTウェッジおよびネックの接着、自動車電装部品の接着、厨房、浴室、洗面所等の目地シール等が挙げられる。
本発明の成形品は上述の各種用途に好適に用いることができ、特に燃料周辺部品として好適である。また、本発明の成形品は、特に、シール材、パッキン、ローラー、チューブまたはホースとして有用である。
その他、コンデンサなどの優れた表面抵抗を有する導電性材料として、燃料電池セパレータ用のコーティング材として、アクチュエーターの帯電防止材として、センサなどの圧電変換複合材料として、導電性フイルムとして、電子写真機器用導電性材料としての利用なども考えられる。なお、これらの用途においては、高分子複合材料に導電性が付与されている必要がある。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」とは、「質量%」を意味する。
〔実施例〕
以下の実施例等において、耐熱性は、以下の方法により評価した。
〔耐熱性評価方法〕
熱分析(TG/DTA)を用いて、上記実施例及び比較例で調製した各試料の耐熱性を評価した。具体的には、一定の昇温速度で、所定温度まで昇温するようにTG/DTAを設定し、このときに得られた測定チャートより1%質量減少温度を求め、表面改質ナノフィラーの耐熱性とした。
[実施例1]
先ず、Na−モンモリロナイト(クニミネ工業製クニピアF)を4g量り取り、80℃の水400mLに分散させた。次に、ICH2CF2CF2OCF(CF3)CONHCH2CH2NH3 +Cl-を4.2g量り取り80℃の水20mLに溶解させた後、この溶液を上記のモンモリロナイト水性分散液中に加えたところ、系内に沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ過し、80℃の水で3回洗浄した。その結果、ICH2CF2CF2OCF(CF3)CONHCH2CH2NH2で有機化されたモンモリロナイト、「ICH2CF2CF2OCF(CF3)CONHCH2CH2NH2−MMT」(試料1)が得られた。得られた試料1の耐熱性を上述した方法に従って求めた。その結果、1%質量減少温度は、250℃であった(表1参照)。
[実施例2]
先ず、Na−モンモリロナイト(クニミネ工業製クニピアF)を3g量り取り、80℃の水300mLとアセトン100mLとの混合溶媒に分散させた。次に、CF3CF2CF2CF2CH2CH2P(C493 +-を3g量り取り80℃の水10mLとアセトン10mLとの混合溶媒に溶解させた後、この溶液を上記のモンモリロナイト分散液中に加えたところ、系内に沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ過し、80℃の水で3回洗浄した。その結果、CF3CF2CF2CF2CH2CH2P(C493で有機化されたモンモリロナイト、「CF3CF2CF2CF2CH2CH2P(C493−MMT」(試料2)が得られた。得られた試料2の耐熱性を上述した方法に従って求めた。その結果、1%質量減少温度は、350℃であった(表1参照)。
[実施例3]
先ず、Na−モンモリロナイト(クニミネ工業製クニピアF)を2.6g量り取り、80℃の水260mLに分散させた。化学式(22)に示されるCF3CF2CF2CF2CH2CH2−Imi+−I-を2g量り取り80℃の水20mLに溶解させた後、この溶液を上記のモンモリロナイト分散液中に加えたところ、系内に沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ過し、80℃の水で3回洗浄した。その結果、CF3CF2CF2CF2CH2CH2−Imiで有機化されたモンモリロナイト、「CF3CF2CF2CF2CH2CH2−Imi−MMT」(試料3)が得られた。得られた試料3の耐熱性を上述した方法に従って求めた。その結果、1%質量減少温度は、350℃であった(表1参照)。
Figure 2013032281
[参考例4]
合成石英製の反応容器に、ペルフルオロアゾオクタン4mgをペルフルオロヘキサン4mlに溶解させ、その溶液中にカーボンナノチューブ(CNI製HiPco単層カーボンナノチューブ)を投入した。アルゴン雰囲気下で攪拌しつつ低圧水銀灯を室温で8時間照射した。その後、ペルフルオロヘキサン溶液を除去し、カーボンナノチューブをペルフルオロヘキサンおよびヘキサンで洗浄して減圧下で乾燥を行った。その結果、ペルフルオロオクチル基で有機化されたカーボンナノチューブ、「Rf−CNT」(試料4)が得られた。なお、表面上にペルフルオロオクチル基が導入されていることは、上記反応後に元素分析およびIR測定を行うことにより確認された。得られた試料4の耐熱性を上述した方法に従って求めた。その結果、1%質量減少温度は、300℃であった(表1参照)。
[実施例5]
先ず、ハイドロタルサイト(協和化学工業製DHT−4A)を80g量り取り、80℃の水5,000mLに分散させた。次に、CF3(CF27COO-NH4 +を28.5g量り取り80℃の水2,000mLに溶解させた後、この溶液を上記のハイドロタルサイト分散液中に加えたところ、系内に沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ過し、80℃の水で3回洗浄した。その結果、CF3(CF27COOで有機化されたハイドロタルサイト、「Rf−HTS」(試料5)が得られた。得られた試料5の耐熱性を上述した方法に従って求めた。その結果、1%質量減少温度は、330℃であった(表1参照)。
[参考例6]
エタノール30mLにHAuCl451mgと1H,1H,2H,2H―ペルフルオデカンチオール795mgとを加えた。次に、その溶液にNaBH4水溶液を滴下し、3時間撹拌した。その後、その溶液をろ過し、ろ過物を超音波洗浄機で水、クロロホルム、エタノールにより洗浄した。その結果、1H,1H,2H,2H―ペルフルオデカンチオールで有機化されたAu、「Rf−Au」(試料6)が得られた。得られた試料6の耐熱性を上述した方法に従って求めた。その結果、1%質量減少温度は、320℃であった(表1参照)。
[実施例7]
先ず、合成マイカ(コープケミカル製ME−100)を3g量り取り、80℃の水300mLとアセトン100mLとの混合溶媒に分散させた。次に、CF3CF2CF2CF2CH2CH2P(C493 +-を3g量り取り80℃の水10mLとアセトン10mLとの混合溶媒に溶解させた後、この溶液を上記のモンモリロナイト分散液中に加えたところ、系内に沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ過し、80℃の水で3回洗浄した。その結果、CF3CF2CF2CF2CH2CH2P(C493で有機化された合成マイカ、「CF3CF2CF2CF2CH2CH2P(C493−Mica」(試料7)が得られた。得られた試料7の耐熱性を上述した方法に従って求めた。その結果、1%質量減少温度は、350℃であった(表1参照)。
(比較例1)
先ず、Na−モンモリロナイト(クニミネ工業製クニピアF)を80g量り取り、80℃の水5,000mLに分散させた。次に、ICH2CH2CH2OCH(CH3)CONHCH2CH2NH3 +Cl-を28.5g量り取り80℃の水2,000mLに溶解させた後、この溶液を上記のモンモリロナイト分散液中に加えたところ、系内に沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ過し、80℃の水で3回洗浄した。その結果、ICH2CH2CH2OCH(CH3)CONHCH2CH2NH2で有機化されたモンモリロナイト、「ICH2CH2CH2OCH(CH3)CONHCH2CH2NH2」(比較試料1)が得られた。得られた比較試料1の耐熱性を上述した方法に従って求めた。その結果、1%質量減少温度は、250℃であった(表1参照)。
(比較例2)
先ず、Na−モンモリロナイト(クニミネ工業製クニピアF)を80g量り取り、80℃の水5,000mLに分散させた。次に、CH3CH2CH2CH2CH2CH2P(C493 +-を28.5g量り取り80℃の水2,000mLに溶解させた後、この溶液を上記のモンモリロナイト分散液中に加えたところ、系内に沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ過し、80℃の水で3回洗浄した。その結果、CH3CH2CH2CH2CH2CH2P(C493で有機化されたモンモリロナイト、「CH3CH2CH2CH2CH2CH2P(C493−MMT」(比較試料2)が得られた。
(比較例3)
先ず、Na−モンモリロナイト(クニミネ工業製クニピアF)を80g量り取り、80℃の水5,000mLに分散させた。次に、化学式(23)に示されるCH3CH2CH2CH2CH2CH2−Imi+−I-を28.5g量り取り80℃の水2,000mLに溶解させた後、この溶液を上記のモンモリロナイト分散液中に加えたところ、系内に沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ過し、80℃の水で3回洗浄した。その結果、CH3CH2CH2CH2CH2CH2−Imiで有機化されたモンモリロナイト、「CH3CH2CH2CH2CH2CH2−Imi−MMT」(比較試料3)が得られた。得られた比較試料3の耐熱性を上述した方法に従って求めた。その結果、1%質量減少温度は、300℃であった(表1参照)。
Figure 2013032281
(比較例4)
合成石英製の反応容器に、アゾオクタン4mgをヘキサン4mlに溶解させ、カーボンナノチューブ(CNI製HiPco単層カーボンナノチューブ)を入れた。アルゴン雰囲気下で攪拌しつつ低圧水銀灯を室温で8時間照射した。その後、ヘキサン溶液を除去し、カーボンナノチューブをヘキサンで洗浄し、減圧下で乾燥を行った。その結果、オクチル基で有機化されたカーボンナノチューブ、「Rh−CNT」(比較試料4)が得られた。なお、表面上にオクチル基が導入されていることは、上記反応後に元素分析およびIR測定を行うことにより確認された。得られた比較試料4の耐熱性を上述した方法に従って求めた。その結果、1%質量減少温度は、250℃であった(表1参照)。
(比較例5)
先ず、ハイドロタルサイト(協和化学工業製DHT−4A)を80g量り取り、80℃の水5,000mLに分散させた。次に、CH3(CH27COO-NH4 +を28.5g量り取り80℃の水2,000mLに溶解させた後、この溶液を上記のハイドロタルサイト分散液中に加えたところ、系内に沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ過し、80℃の水で3回洗浄した。その結果、CH3(CH27COO-NH4 +で有機化されたハイドロタルサイト、「Rh−HTS」(比較試料5)が得られた。得られた比較試料5の耐熱性を上述した方法に従って求めた。その結果、1%質量減少温度は、240℃であった(表1参照)。
(比較例6)
エタノール30mLにHAuCl451mgとデカンチオール300mgとを加えた。次に、その溶液にNaBH4水溶液を滴下し、3時間撹拌した。その後、その溶液をろ過し、ろ過物を超音波洗浄機で水、クロロホルム、エタノールにより洗浄した。その結果、デカンチオールで有機化されたAu、「Rh−Au」(比較試料6)が得られた。得られた比較試料6の耐熱性を上述した方法に従って求めた。その結果、1%質量減少温度は、220℃であった(表1参照)。
(比較例7)
先ず、合成マイカ(コープケミカル製ME−100)を3g量り取り、80℃の水300mLとアセトン100mLとの混合溶媒に分散させた。次に、CH3CH2CH2CH2CH2CH2P(C493 +-を3g量り取り80℃の水10mLとアセトン10mLとの混合溶媒に溶解させた後、この溶液を上記のモンモリロナイト分散液中に加えたところ、系内に沈殿物が生じた。得られた沈殿物をろ過し、80℃の水で3回洗浄した。その結果、CH3CH2CH2CH2CH2CH2P(C493で有機化された合成マイカ、「CH3CH2CH2CH2CH2CH2P(C493−Mica」(比較試料7)が得られた。得られた比較試料7の耐熱性を上述した方法に従って求めた。その結果、1%質量減少温度は、250℃であった(表1参照)。
〔実施例及び比較例に係る表面改質ナノフィラーの耐熱性の比較〕
この評価の結果、比較試料3よりも試料3の方が、比較試料4よりも試料4の方が、比較試料5よりも試料5の方が、比較試料6よりも試料6の方が、比較試料7よりも試料7の方が耐熱性に優れることがわかった。また、試料1と比較試料1とは同等の耐熱性を有することが明らかとなった。また、試料2は十分に高い耐熱性を有することが明らかとなった。
Figure 2013032281
〔高分子複合材料を用いてなる成形体に関する実施例〕
以下の実施例等において、成形体の物性は、以下の方法により評価した。
〔成形体の物性評価方法〕
(1)成形体中の表面改質ナノフィラーの分散状態の評価方法
成形体中の表面改質ナノフィラーの分散状態は、X線回折装置(XRD)及び透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて評価した。透過型電子顕微鏡(TEM)により成形体中の表面改質ナノフィラーの分散状態を観察するにあたっては、成形体からマイクロトームで超薄切片を切り出し、この超薄切片を日本電子製Jeo1−200CXにセットした。
(2)成形体の機械的特性の評価方法
成形体からASTM D 4895−94に記載のミクロダンベルを打ち抜き、引張試験片とした。引張試験は(株)島津製作所社製オートグラフAG−300kNIを用いて、引張速度50mm/分で行い、強度、弾性率、及び伸びを求めた。
(3)成形体の燃料透過遮断性の評価方法
先ず、内径40mm、高さ20mmのツバ付ステンレス製容器に燃料(CE10(トルエン/イソオクタン/エタノール=45/45/10(容量%)))を注いだ後(このとき、燃料の重量を計測しておく)、そのステンレス製容器の口およびツバを厚さ0.5mmのフィルム状サンプルで覆う。次に、その容器のツバにかかっているフィルム状サンプルの上に、適正な径を有するフッ素ゴム製O−リングを置く。そして、そのO−リングの上に蓋をかぶせた後、容器と蓋とをネジにより一体化させて透過セルを作製する。その後、この透過セルを、上下逆さにしてフィルム状サンプルと燃料とが接触する状態にし、40℃の恒温槽に放置する。そして、所定時間毎にステンレス容器に残留する燃料の重量を計測し、燃料透過係数(=(時間当たりの重量減少×フィルムの平均厚み)/(透過面積))を求める。そして、燃料透過係数が一定となったところで、測定を終了する。本実施例では、このように定常状態に至ったときの燃料透過係数を、そのフィルム状サンプルの燃料透過係数とした。
(4)導電性の測定方法 液体窒素中で引張試験片試料を凍結割断して、12.7mm×1.9mm×およそ20mmの試料を作製した。次いで、その割断面に導電性プライマーを塗布し、試料の一方の端からその反対の端までの抵抗を測定した。そして、それら2つの塗布面の間の距離(原則として20mmとされていたが各々の試料について測定した)をその塗布面の面積およびその抵抗で割ることによってコア導電率を算出した。
〔含フッ素重合体の合成例〕
(合成例1)
3000mL内容積耐圧反応槽に純水1500mL、パーフルオロオクタン酸アンモニウム7.5gを入れ、内部空間をVdF/HFP(45/55モル比)混合ガスで充填置換後、14kg/cm2Gに加圧しI(CF2CF22I 0.3mL(25℃)を注入し、撹拌下に80℃としてAPS0.2%水溶液10mLを圧入した。約0.5時間の誘導時間後、圧力降下が起こるので、15kg/cm2Gまで低下したときVdF/HFP(78/22モル比)混合ガスで15kg/cm2Gに再加圧する。以降、この方法で13〜1515kg/cm2Gの圧力範囲で重合を継続した。20時間後急速降温、放圧して重合を停止した。生成ディスパージョンの固形物濃度は約25%であり、7%カリミョウバン水溶液で凝析後、水洗、乾燥して得られるゴムのヨウ素含有量は0.13%であった。このようにして得られた重合体を以下、「重合体A」と称する。
(合成例2)
オートクレーブに蒸留水400Lを投入し充分に窒素置換を行った後、1−フルオロ−1,1−ジクロロエタン75kg、ヘキサフルオロプロピレン190kg、及びパーフルオロ(1,1,5−トリハイドロ−1−ペンテン)1.5kgを投入し、系内を35℃に保ち、攪拌速度200rpmで内容物を攪拌した。その後、テトラフルオロエチレンを0.7MPaまで圧入し、更に引き続いてエチレンを10kg/cm2まで圧入し、その後にジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート2.6kgを投入して重合を開始した。重合の進行と共に系内圧力が低下するので、テトラフルオロエチレン/エチレン/ヘキサフルオロプロピレン=40.5/42.5/17.0モル%の混合ガスを連続して供給し、系内圧力を1.0MPaに保って30時間攪拌を継続した。そして、放圧して大気圧に戻した後、反応生成物を水洗、乾燥して178kgの粉末を得た。次に、得られた粉末を単軸押出機(田辺プラクティス機械社製、VS50−24)を用いてシリンダ温度320℃で押出してペレットを得た。このようにして得られた重合体を以下、「重合体B」と称する。
[実施例8]
重合体A100重量部とICH2CF2CF2OCF(CF3)CONHCH2CH2NH2−MMT(試料1)1重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(試料8)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
[実施例9]
重合体A100重量部とCF3CF2CF2CF2CH2CH2P(C493−MMT(試料2)1重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(試料9)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
[実施例10]
重合体A100重量部とCF3CF2CF2CF2CH2CH2−Imi−MMT(試料3)1重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(試料10)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
[参考例11]
重合体A100重量部とRf−CNT(試料4)1重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(試料11)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
[実施例12]
重合体A100重量部とRf−HTS(試料5)1重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(試料12)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
[参考例13]
重合体A100重量部とRf−Au(試料6)1重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(試料13)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
[実施例14]
重合体A100重量部とCF3CF2CF2CF2CH2CH2P(C493−Mica(試料7)3重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(試料14)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
[実施例15]
重合体A100重量部とCF3CF2CF2CF2CH2CH2P(C493−MMT(試料2)3重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(試料15)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
[実施例16]
重合体B100重量部とCF3CF2CF2CF2CH2CH2P(C493−MMT(試料2)1重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は210℃とし、軸回転数は80rpmとした。そして、得られた高分子複合材料を熱プレスによりプレスしながら190℃で成形体(試料16)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
(比較例8)
重合体A100重量部とICH2CH2CH2OCH(CH3)CONHCH2CH2NH2−MMT(比較試料1)1重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を1重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(比較試料8)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
(比較例9)
重合体A100重量部とCH3CH2CH2CH2CH2CH2P(C493−MMT(比較試料2)1重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(比較試料9)を得た。
(比較例10)
重合体A100重量部とCH3CH2CH2CH2CH2CH2−Imi−MMT(比較試料3)1重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橘剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(比較試料10)を得た。
(比較例11)
重合体A100重量部とRh−CNT(比較試料4)1重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(比較試料11)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
(比較例12)
重合体A100重量部とRh−HTS(比較試料5)1重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(比較試料12)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
(比較例13)
重合体A100重量部とRh−Au(比較試料6)1重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(比較試料13)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
(比較例14)
重合体A100重量部とCH3CH2CH2CH2CH2CH2P(C493−Mica(比較試料7)3重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(比較試料14)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
(比較例15)
重合体A100重量部とCH3CH2CH2CH2CH2CH2P(C493−MMT(比較試料2)3重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は150℃とし、軸回転数は50rpmとした。そして、得られた高分子複合材料100重量部に対して、架橋剤(日本化成製、商品名TAIC)を4重量部、パーオキサイド(日本油脂製、商品名パーヘキサ25B)を1.5重量部、カーボン(CANCARB製)を20重量部添加し、ロールを用いて混合した後、熱プレスによりプレスしながら160℃で10分間架橋を行なって、成形体(比較試料15)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
(比較例16)
重合体B100重量部とCH3CH2CH2CH2CH2CH2P(C493−MMT(比較試料2)1重量部とを二軸押出機を用いて溶融混練し、高分子複合材料を調製した。なお、このときの混練温度は210℃とし、軸回転数は80rpmとした。そして、得られた高分子複合材料を熱プレスによりプレスしながら190℃で成形体(比較試料16)を得た。得られた成形体の諸物性を上述した方法に従って求めた。結果を表2に示す。
〔実施例及び比較例に係る成形体の諸物性の評価〕
成形体中の表面改質ナノフィラーの分散状態の評価
以上の結果、試料8〜15のいずれについても、表面改質ナノフィラーが含フッ素重合体に対しナノレベルで分散していることが明らかになった。また、力学特性は試料8〜15の方が比較試料8〜15より優れていることが明らかになった。また、透過係数は試料8〜15の方が比較試料8〜15より低く、試料8〜15の方が比較試料8〜15よりも燃料透過遮断性に優れることが明らかになった。また、比較試料11よりも試料11の方が、比較試料13よりも試料13の方が導電性に優れることが明らかとなった。
以上の結果を考察すると、本実施例に係る高分子複合材料では、表面改質ナノフィラーが含フッ素重合体中において含フッ素重合体を構成する分子鎖を拘束しているものと考えられる。これは、主に、表面改質ナノフィラーの極性が高いこと、及び含フッ素重合体が電荷の偏りを有していることに起因しているものと思われる。つまり、含フッ素重合体が表面改質ナノフィラーの層状構造を形成する層の間にインターカレートし、表面改質ナノフィラーが含フッ素重合体とハイブリッド化されているためであると考えられる。したがって、薬品や燃料が高分子複合材料に接触したとしても、薬品や燃料はこれら表面改質ナノフィラーによって阻まれるため、高分子複合材料では薬品による侵食や燃料の透過が生じ難いものと推察される。
Figure 2013032281
本発明に係る有機化粘土鉱物表面改質ナノフィラーは、ポリマーに対して優れた耐熱性、物質透過遮断性、難燃性、導電性等を付与することができ、燃料チューブの他、種々の用途に用いられる高分子複合材料を提供することができる。また、本発明に係る高分子複合材料は、耐熱性、機械的物性、物質透過遮断性、難燃性、導電性等に優れており、燃料チューブの他、種々の用途に利用することができる。

Claims (4)

  1. 粘土鉱物と、
    前記粘土鉱物の表面に結合する、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜50の含フッ素アルキル基を有する有機イオン[但し、有機アンモニウムイオンと、
    下記一般式(I)
    Rf1−(CH2CR31m−(CH2CR42)n−Rf2 ・・・(I)
    (一般式(I)において、Rf1およびRf2は、それぞれ独立に炭素数3以上のポリフルオロアルキル基または炭素数3以上のポリフルオロオキサアルキル基である。R3およびR4は水素原子又はメチル基である。Z1はそれぞれ独立に水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子である。Z2は−CONR56であり、ここでR5およびR6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜18のスルホン酸含有アルキル基または−[C(R152qCOR16(R15はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R16は炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基であり、qは1〜5の整数である。)であるか、又はR5およびR6は結合して、炭素数2〜8の二価のアルキレン基又はエーテル基を形成し隣接する窒素原子と共に環を構成する基である。m/n=0/100〜99/1である。)
    で表される含フッ素重合体;及び、
    一般式(I)におけるZ1が−Si(R73、−OCOR8、−COOR9、−CON(R10)R11−N+(R12)3-、又は−COOR11−N+(R123-である(R7はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基である。R8およびR9は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜18のスルホン酸含有アルキル基、−(CH23−Si(R133または−(C(R14)2pCOR13(R13はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基であり、R14はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、pは1〜5の整数である。)、R10は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。R11は炭素数1〜4のアルキレン基である。R12はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。Xはハロゲン原子である。)
    で表される含フッ素重合体と
    を除く]と、
    を含有する、表面改質ナノフィラー。
  2. 前記有機イオンは、下記一般式(1);
    Figure 2013032281
    (式中、L1は、P、N、S、Si、O、Se、Te、As、Sb、Bi、F、Cl、Br、又はIである。sは、2、3、4、又は5であり、元素L1の価数によって決まる値である。R1は、同一若しくは異なり、「水素原子」、「ヘテロ原子を含んでもよく一部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基」、及び「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素アルキル基」のいずれかであり、互いに結合していてもよいが、少なくとも1つのR1は「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜50の含フッ素アルキル基」である)で表される構造、又は、下記一般式(2);
    Figure 2013032281
    (式中、L2は、P、N、S、Si、O、Se、Te、As、Sb、Bi、F、Cl、Br、又はIである。R2は、「ヘテロ原子および不飽和結合を含んでもよく一部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキレン基」または「不飽和結合を含んでもよい炭素以外の原子で構成される鎖状基」である。tは、R2の鎖状部分を構成する原子の数以下の数値である。uは、L2の価数によって決まる0〜3の整数である。R3、R4は、同一若しくは異なり、「水素原子」、「ヘテロ原子を含んでもよく一部がフッ素原子に置換されていてもよいアルキル基」、及び「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜50の含フッ素アルキル基」のいずれかであるが、R3及びR4のうち少なくとも1つの置換基は「ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数4〜50の含フッ素アルキル基」である)で表される構造を有する、
    請求項1に記載の表面改質ナノフィラー。
  3. 前記有機イオンは、有機ホスホニウムイオン及び含窒素複素環オニウムイオンの少なくとも一方である、
    請求項1または2に記載の表面改質ナノフィラー。
  4. 前記含フッ素アルキル基は、炭素数が4〜50である、
    請求項2または3に記載の表面改質ナノフィラー。
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