JP2000095517A - 無機微粒子の製造方法 - Google Patents

無機微粒子の製造方法

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JP2000095517A
JP2000095517A JP10267849A JP26784998A JP2000095517A JP 2000095517 A JP2000095517 A JP 2000095517A JP 10267849 A JP10267849 A JP 10267849A JP 26784998 A JP26784998 A JP 26784998A JP 2000095517 A JP2000095517 A JP 2000095517A
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coupling agent
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JP10267849A
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Mariko Isomura
万理子 磯村
Hiroshi Hosono
博 細野
Masahiro Henmi
昌弘 辺見
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】未反応の表面処理剤などによる機能低下の少な
い微粒子の製造方法を提供する。 【解決手段】無機微粒子を表面改質剤で処理した後、無
機微粒子を取り出し、次いで相対湿度50%以上で加熱
処理をすることを特徴とする無機微粒子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面改質された無
機微粒子およびその製造方法に関し、さらに詳しくは残
存する未反応の表面改質剤などによる機能低下の少ない
表面改質された無機微粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸
化アルミニウム等の無機微粒子は、ゴム・プラスチック
の充填剤、塗料の顔料、印刷インキや合成樹脂フィルム
のアンチブロッキング剤、紙、繊維、化粧品、食品など
広範囲の分野に利用されている。このような広い用途へ
の適用にあたり、無機微粒子の表面改質が、従来に無か
った特性の発現や他の物質との親和性の向上を目的に行
われてきた。
【0003】表面改質の手段としては、アルキルリチウ
ム、アルキルアルミニウムなどの有機金属、チタンカッ
プリング剤、シランカップリング剤などと、無機微粒子
表面の水酸基などを反応させる方法が一般的である。こ
れら無機微粒子に十分な機能を付与するためには、より
多くの機能性化学種を結合させる必要がある。このため
には、多量の表面改質剤を使用するが、特にチタンカッ
プリング剤やシランカップリング剤では、無機微粒子に
化学的に結合しなかったカップリング剤が、結果的に無
機微粒子の機能を損なうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決することを目的とし、表面処理の機能が低下しない
表面改質された無機微粒子の製造方法を提供することを
課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
無機微粒子をシランカップリング剤などで疎水性処理す
るに際し、表面改質剤で処理した後、相対湿度50%以
上で加熱処理することにより、無機微粒子に結合してい
ない余剰のシランカップリング剤などを効率よく無機微
粒子に結合させるか、あるいは表面改質剤同士を縮合さ
せることにより、未反応の表面改質剤などによる機能低
下の少ない表面改質された無機微粒子を製造できること
を見いだした。
【0006】本発明は以下の構成を有する。「無機微粒
子を表面改質剤で処理した後、次いで相対湿度50%以
上で加熱処理をすることを特徴とする無機微粒子の製造
方法。」、「表面改質剤で処理する工程と加熱処理との
間に無機微粒子と表面改質剤とを分離する工程を有する
ものである前記無機微粒子の製造方法。」、「加熱処理
の後、さらに乾熱処理を行うことを特徴とする前のいず
れかに記載の無機微粒子の製造方法。」
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用される無機微粒子は
任意であるが、本発明の製造方法が高く表されるものと
して例えば、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニ
ウム、アンチモン、タングステン、スズの酸化物などが
例示される。該無機微粒子の大きさは任意であるが、5
nmから100nm程度の超微細粒子から、これら超微
粒子が凝集し強固に結合した5nmから50μm程度の
微粒子まで含まれる。該微粒子の形状はその結晶形態と
凝集状態によるが、結晶形態としては、球状、円柱状な
どをあげることができる。
【0008】本発明の無機微粒子の表面処理剤は、任意
であるが、例えば、シランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤、アルキルリチウム、アルキルアルミニウム
などの有機金属化合物を挙げることができる。このう
ち、使い易さ・コストから、シランカップリング剤が好
ましい。
【0009】シランカップリング剤とは、無機材料に対
して親和性あるいは反応性を有する加水分解性のシリル
基に、有機樹脂に対して親和性あるいは反応性を有する
有機官能性基を化学的に結合させた構造を持つシラン化
合物である。ケイ素に結合した加水分解性基としては、
アルコキシ基、ハロゲン、アセトキシ基が挙げられる
が、通常、アルコキシ基、特にメトキシ基、エトキシ基
が好ましく用いられる。1個のケイ素原子につく加水分
解性基の数は、1〜3個の間で選択される。有機官能性
基としては、アルキル基、アリール基、フッ化アルキル
基などの反応性が低いもの、アミノ基、メタクリル基、
アクリル基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基など
が結合した有機基などの反応性が高いものを挙げること
ができる。有機官能性基がアルキル基、アリール基、フ
ッ化アルキル基の場合、トリメチルシリル化剤、アルキ
ルシラン類、アリールシラン剤、フッ素を含有したフル
オロアルキルシラン類と称することができる。トリメチ
ルシリル化剤としては、任意であるが、例えば、トリメ
チルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、n−トリ
メチルシリルイミダゾール、ビス(トリメチルシリル)
ウレア、トリメチルシリルアセトアミド、ビストリメチ
ルシリルアセトアミド、トリメチルシリルイソシアネー
ト、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ランなどを挙げることができる。アルキルシラン類とし
ては、任意であるが、例えば、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジメチルジエトキシシラン、t−ブチルジメチル
クロロシラン、t−ブチルジフェニルクロロシラン、ト
リイソプロピルクロロシラン、n−プロピルトリメトキ
シシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシ
ルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラ
ン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、1,6−ビ
ス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ジメチルシリルジ
イソシアネート、メチルシリルトリイソシアネートなど
を挙げることができる。アリールシラン類としては、任
意であるが、例えば、フェニルトリメトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、フェニルシリルトリイソシ
アネートなどを挙げることができる。フルオロアルキル
シラン類としては、公知のものを用いることができる
が、例えば、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシ
シラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラ
ン、パーフルオロブチルエチルトリメトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン
などを挙げることができる。
【0010】反応性のものの具体例は、N−β(アミノ
エチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−
ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン・塩酸塩、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メト
キシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキ
シシランなどを例示することができる。
【0011】本発明で無機微粒子を表面改質剤で処理す
る方法は任意であるが、例えば、表面改質剤の希薄水溶
液を調製して被処理体を含浸処理する水溶液法、表面改
質剤を有機溶媒に溶解して含浸処理する溶液法、直接表
面改質剤を噴霧するスプレー法を挙げることができる。
また、表面改質剤での処理を行うときに、酸、アルカ
リ、他の表面改質剤を共存させることができる。
【0012】本発明では、無機微粒子を表面改質剤で処
理した後、無機微粒子を取り出すために分離を行うのが
好ましい。
【0013】無機微粒子の分離方法としては、有機溶媒
の留去、濾過、遠心分離、デカンテーションなどを挙げ
ることができる。これらの方法は、単独でも、二種以上
の併用でもよいが、中でも有機溶媒の留去が好ましい。
【0014】有機溶媒は、表面改質剤の種類に応じて選
ぶことができる。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、デカン、テトラデカン、シクロヘキサンなどの脂肪
族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シ
クロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸イソアミルなどのエステル
系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、2−メトキシエタノールなどのアルコ
ール系溶媒、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、
塩化メチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テト
ラクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベン
ゼン、テトラクロロエタン、ブロモベンゼンなどのハロ
ゲン系溶媒、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベン
ゼン、トリフルオロメチルベンゼン、2−ブロモ−α,
α、α−トリフルオロトルエン、3−ブロモ−α,α、
α−トリフルオロトルエン、4−ブロモ−α,α、α−
トリフルオロトルエン、1−クロロ−2−(トリフルオ
ロメチル)ベンゼン、1−クロロ−3−(トリフルオロ
メチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(トリフルオロメ
チル)ベンゼン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2
−トリフルオロエタンなどのフッ素系有機溶媒、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドンなど
の非プロトン系極性溶媒などを挙げることができる。
【0015】有機溶媒を留去する方法としては、例え
ば、常圧蒸留、減圧蒸留、常圧乾燥及び真空乾燥が挙げ
られ、有機溶媒の種類に応じて任意に選択することがで
きる。
【0016】本発明の相対湿度50%以上での加熱処理
方法としては、相対湿度、加熱温度および処理時間は、
無機微粒子および表面改質剤の種類に応じて任意に選択
することができる。相対湿度は、50%RHから99%
RHの範囲で選択され、60%RHから99%RHの範
囲が好ましく、70%RHから99%RHの範囲がより
好ましい。加熱温度は50℃から表面改質剤の沸点以下
の温度範囲で選択される。加熱温度が表面改質剤の沸点
以上になると表面改質剤の揮発が起こり好ましくない。
さらに、加熱温度が沸点以下であっても、高すぎると表
面改質剤同士の縮合が進んでしまうため、100℃以下
がより好ましい。相対湿度が50%RH未満であるか、
あるいは加熱処理だけを行うと、加水分解反応が十分進
行しないため表面改質剤と無機微粒子の反応が起こりに
くくなる。処理時間は、表面改質剤の種類に応じて任意
に選択することができる。処理時間は1時間から1週間
の範囲が好ましい。さらに、本発明の湿熱処理の後、乾
熱処理を行い、脱水縮合を進行させることが好ましい。
乾熱処理の処理温度は50℃以上が好ましく、80℃以
上がより好ましい。
【0017】上記による製造方法は、30℃から300
℃に加熱処理した際の重量減少が2重量%以下である表
面改質された無機微粒子を提供するのに好適である。こ
こで重量減少の測定は、前もって恒量処理したものが用
いられる。この重量減少が2重量%以下であることによ
り、流出液の汚染の無いカラム充填剤が得られる、溶媒
やバインダーなどとの相溶性の良いコーティング液が得
られる、物性の良いコーティング膜が得られるなどの効
果が得られる。重量減少が2重量%を越えると、カラム
などの充填剤として使用した場合、流出液の汚染の原因
になる。また、コーティング液に用いた場合は、溶媒や
バインダーなどとの相溶性を悪くしたり、得られたコー
ティング膜の物性が悪くなる。
【0018】本発明の方法により得られた無機微粒子
は、例えば、カラムなどの充填剤、プラスチックなどの
充填剤、塗料などの顔料として好適に用いることができ
る。
【0019】
【実施例】以下、フルオロアルキルシラン類で表面改質
する場合について実施例を挙げるが、これによって何ら
限定されるものではない。
【0020】得られた表面処理無機微粒子の熱天秤測定
は、セイコー電子工業(株)SSC5200熱分析シス
テムを用い、窒素気流中、昇温速度10℃/分で行っ
た。温度は室温から800℃まで変化させた。該無機微
粒子に吸着した水分や用いた溶媒などの影響を小さくす
る目的で、恒量処理として、23±2℃でデシケーター
中に24時間保管した後、測定を行った。
【0021】実施例1 パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン200
重量部をトルエン1129重量部に溶解し、多孔質シリ
カ微粒子(数平均粒径2μm、平均細孔径20nm)1
00重量部を攪拌しながらゆっくり加えた。添加後、1
時間攪拌した。
【0022】得られた表面処理シリカ微粒子を、35m
mHg、50℃で減圧蒸留を行った。減圧蒸留を13時
間行い、トルエンを留去した。乾燥重量で280重量部
の表面処理シリカ微粒子が得られた。
【0023】得られた表面処理シリカ微粒子100重量
部をガラス製ビーカーに入れ、85℃、98%RHの恒
温恒湿槽で2日間処理した。加熱後、98重量部のシリ
カ微粒子が得られた。
【0024】得られた表面処理シリカ微粒子の熱天秤測
定を行ったところ、室温から300℃までの重量減少が
約0.5重量%であったが、300℃から600℃の重
量減少は約60重量%であった。パーフルオロオクチル
エチルトリエトキシシランは、150℃付近で揮発する
が、前者の減量は100℃付近までで起こるので、水分
や溶媒と考えられる。後者の減量はシリカに結合した前
記シランあるいはシラン同士の縮合物が熱分解したもの
と考えられる。本発明で得られた表面処理シリカ微粒子
は、未反応のシランを含まず、溶媒などでの流出成分が
無いことが分かった。
【0025】実施例2 パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン200
重量部をトルエン1129重量部に溶解し、多孔質シリ
カ微粒子(数平均粒径2μm、平均細孔径20nm)1
00重量部を攪拌しながらゆっくり加えた。添加後、1
時間攪拌した。
【0026】得られた表面処理シリカ微粒子を、35m
mHg、50℃で減圧蒸留を行った。減圧蒸留を13時
間行い、トルエンを留去した。乾燥重量で280重量部
の表面処理シリカ微粒子が得られた。
【0027】得られた表面処理シリカ微粒子100重量
部をガラス製ビーカーに入れ、70℃、90%RHの恒
温恒湿槽で4日間処理した。加熱後、98重量部のシリ
カ微粒子が得られた。
【0028】得られた表面処理シリカ微粒子の熱天秤測
定を行ったところ、室温から300℃までの重量減少が
約0.6重量%であったが、300℃から600℃の重
量減少は約58重量%であった。パーフルオロオクチル
エチルトリエトキシシランは、150℃付近で揮発する
が、前者の減量は100℃付近までで起こるので、水分
や溶媒と考えられる。後者の減量はシリカに結合した前
記シランあるいはシラン同士の縮合物が熱分解したもの
と考えられ、本発明で得られた表面処理シリカ微粒子
は、未反応のシランを含まず、溶媒などでの流出成分が
無いことが分かった。
【0029】実施例3 パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン200
重量部をトルエン1129重量部に溶解し、多孔質シリ
カ微粒子(数平均粒径2μm、平均細孔径20nm)1
00重量部を攪拌しながらゆっくり加えた。添加後、1
時間攪拌した。
【0030】得られた表面処理シリカ微粒子を、35m
mHg、50℃で減圧蒸留を行った。減圧蒸留を13時
間行い、トルエンを留去した。乾燥重量で280重量部
の表面処理シリカ微粒子が得られた。
【0031】得られた表面処理シリカ微粒子100重量
部をガラス製ビーカーに入れ、70℃、90%RHの恒
温恒湿槽で4日間処理した後、100℃の熱風乾燥機で
5日間加熱した。加熱後、98重量部のシリカ微粒子が
得られた。
【0032】得られた表面処理シリカ微粒子の熱天秤測
定を行ったところ、室温から300℃までの重量減少が
約0.3重量%であったが、300℃から600℃の重
量減少は約30重量%であった。パーフルオロオクチル
エチルトリエトキシシランは、150℃付近で揮発する
が、前者の減量は100℃付近までで起こるので、水分
や溶媒と考えられる。後者の減量はシリカに結合した前
記シランあるいはシラン同士の縮合物が熱分解したもの
と考えられ、本発明で得られた表面処理シリカ微粒子
は、未反応のシランを含まず、溶媒などでの流出成分が
無いことが分かった。
【0033】比較例1 パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン200
重量部をトルエン1129重量部に溶解し、多孔質シリ
カ微粒子(数平均粒径2μm、平均細孔径20nm)1
00重量部を攪拌しながらゆっくり加えた。添加後、1
時間攪拌した。
【0034】得られた表面処理シリカ微粒子を、35m
mHg、50℃で減圧蒸留を行った。減圧蒸留を13時
間行い、トルエンを留去した。乾燥重量で280重量部
の表面処理シリカ微粒子が得られた。
【0035】得られた表面処理シリカ微粒子の熱天秤測
定を行ったところ、室温から300℃までの重量減少が
約58重量%であったが、300℃から600℃の重量
減少は約8重量%であった。前者の減量はシリカに化学
結合していない表面処理剤と考えられる。
【0036】このように、本発明の湿熱処理を行わない
表面処理シリカは、未反応シランを含み、様々な用途に
使用しにくいと考えられる。
【0037】比較例2 パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン200
重量部をトルエン1129重量部に溶解し、多孔質シリ
カ微粒子(数平均粒径2μm、平均細孔径20nm)1
00重量部を攪拌しながらゆっくり加えた。添加後、1
時間攪拌した。
【0038】得られた表面処理シリカ微粒子を、35m
mHg、50℃で減圧蒸留を行った。減圧蒸留を13時
間行い、トルエンを留去した。乾燥重量で280重量部
の表面処理シリカ微粒子が得られた。
【0039】得られた表面処理シリカ微粒子100重量
部をガラス製ビーカーに入れ、85℃の熱風乾燥機で2
日間処理した。加熱後、98重量部のシリカ微粒子が得
られた。
【0040】得られた表面処理シリカ微粒子の熱天秤測
定を行ったところ、室温から300℃までの重量減少が
約35重量%であったが、300℃から600℃の重量
減少は約27重量%であった。
【0041】このように、固液分離後の処理として、恒
湿下で加熱処理を行わないと、シリカ微粒子と表面処理
剤の反応がほとんど進まず、系中に多量のシリカとの未
反応物を含み、様々な用途に使用しにくいと考えられ
る。
【0042】比較例3 パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン200
重量部をトルエン1129重量部に溶解し、多孔質シリ
カ微粒子(数平均粒径2μm、平均細孔径20nm)1
00重量部を攪拌しながらゆっくり加えた。添加後、1
時間攪拌した。
【0043】得られた表面処理シリカ微粒子を、35m
mHg、50℃で減圧蒸留を行った。減圧蒸留を13時
間行い、トルエンを留去した。乾燥重量で280重量部
の表面処理シリカ微粒子が得られた。
【0044】得られた表面処理シリカ微粒子100重量
部をガラス製ビーカーに入れ、100℃の熱風乾燥機で
1日間処理した。加熱後、98重量部のシリカ微粒子が
得られた。
【0045】得られた表面処理シリカ微粒子の熱天秤測
定を行ったところ、室温から300℃までの重量減少が
約50重量%であったが、300℃から600℃の重量
減少は約10重量%であった。
【0046】このように、無機微粒子を取り出した後の
処理として、相対湿度50%以上で加熱処理を行わない
と、シリカ微粒子と表面処理剤の反応がほとんど進ま
ず、系中に多量のシリカとの未反応物を含み、様々な用
途に使用しにくいと考えられる。
【0047】上記各実施例及び比較例について、処理条
件及び熱天秤測定結果について表1にまとめた。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明の無機微粒子の製造方法は、溶出
物の無い微粒子を与える。本発明で得られた無機微粒子
は、例えば、カラムなどの充填剤、プラスチックなどの
充填剤、塗料などの顔料として好適に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G075 AA27 AA30 BA05 BB02 CA02 CA51 4J002 AA001 DE096 DE126 DE136 DE146 DJ016 EZ006 FB096 FB116 FB166 FD016

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機微粒子を表面改質剤で処理した後、次
    いで相対湿度50%以上で加熱処理をすることを特徴と
    する無機微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】前記無機微粒子が、ケイ素、チタン、アル
    ミニウム、ジルコニウム、タングステン、スズおよびア
    ンチモンから選ばれた少なくとも一種の酸化物からなる
    請求項2に記載の無機微粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】前記表面改質剤が、シランカップリング剤
    を少なくとも一成分とすることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の無機微粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】前記表面改質剤が、チタンカップリング剤
    を少なくとも一成分とすることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の無機微粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】前記シランカップリング剤が、フッ素を含
    有するシランカップリング剤を少なくとも1成分とする
    ことを特徴とする請求項3記載の無機微粒子の製造方
    法。
  6. 【請求項6】前記シランカップリング剤が、アルキル基
    を含有するシランカップリング剤を少なくとも1成分と
    することを特徴とする請求項3記載の無機微粒子の製造
    方法。
  7. 【請求項7】前記表面改質剤による処理において、有機
    溶媒を併用することを特徴とする請求項1〜6いずれか
    に記載の無機粒子の改質方法。
  8. 【請求項8】前記有機溶媒がフッ素を含有することを特
    徴とする請求項7の無機微粒子の製造方法。
  9. 【請求項9】表面改質剤で処理する工程と加熱処理との
    間に無機微粒子と表面改質剤とを分離する工程を有する
    ものである請求項1〜8いずれかに記載の無機微粒子の
    製造方法。
  10. 【請求項10】分離する工程が、有機溶媒の蒸留である
    ことを特徴とする請求項9に記載の無機微粒子の製造方
    法。
  11. 【請求項11】加熱処理の後、さらに乾熱処理を行うこ
    とを特徴とする請求項1〜10いずれかに記載の無機微
    粒子の製造方法。
JP10267849A 1998-09-22 1998-09-22 無機微粒子の製造方法 Pending JP2000095517A (ja)

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