JP2000204214A - 高分子複合材料 - Google Patents
高分子複合材料Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐薬品性,ガスバリア性等の物質透過遮断性
に優れた高分子複合材料を提供すること。 【解決手段】 フッ素系重合体と有機化クレイとからな
る。
に優れた高分子複合材料を提供すること。 【解決手段】 フッ素系重合体と有機化クレイとからな
る。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は,エチレン,四フッ化エチレン等
を含むフッ素系重合体よりなる高分子複合材料に関す
る。
を含むフッ素系重合体よりなる高分子複合材料に関す
る。
【0002】
【従来技術】フッ素系重合体は耐薬品性に優れた材料で
あるため,耐薬品性が必要な各種部材に広く使用されて
いる。
あるため,耐薬品性が必要な各種部材に広く使用されて
いる。
【0003】
【解決しようとする課題】近年,フッ素系重合体の使用
範囲の拡大に伴い,より性能のよい材料が求められてい
る。例えば,耐薬品性,またはガスバリア性等の物質透
過遮断性等に優れたフッ素系重合体が求められている。
しかしながら,従来品ではその要求を満足するものがな
い。
範囲の拡大に伴い,より性能のよい材料が求められてい
る。例えば,耐薬品性,またはガスバリア性等の物質透
過遮断性等に優れたフッ素系重合体が求められている。
しかしながら,従来品ではその要求を満足するものがな
い。
【0004】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,耐薬品性,ガスバリア性等の物質透過遮
断性により優れた高分子複合材料を提供しようとするも
のである。
されたもので,耐薬品性,ガスバリア性等の物質透過遮
断性により優れた高分子複合材料を提供しようとするも
のである。
【0005】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,フッ素系
重合体と有機化クレイとからなることを特徴とする高分
子複合材料にある。
重合体と有機化クレイとからなることを特徴とする高分
子複合材料にある。
【0006】本発明にかかる高分子材料はフッ素系重合
体と有機化クレイとからなり,該有機化クレイはフッ素
系重合体中において該フッ素系重合体を構成する分子鎖
を拘束することができる。従って,薬品やガスが高分子
複合材料中に侵入したとしても,拘束された分子鎖によ
って薬品やガスが阻まれ,薬品による侵食,ガスの透過
が生じがたい。よって,耐薬品性,ガスバリア性等の物
質透過遮断性に優れる。
体と有機化クレイとからなり,該有機化クレイはフッ素
系重合体中において該フッ素系重合体を構成する分子鎖
を拘束することができる。従って,薬品やガスが高分子
複合材料中に侵入したとしても,拘束された分子鎖によ
って薬品やガスが阻まれ,薬品による侵食,ガスの透過
が生じがたい。よって,耐薬品性,ガスバリア性等の物
質透過遮断性に優れる。
【0007】以上,本発明によれば,耐薬品性,ガスバ
リア性等の物質透過遮断性がより優れた高分子複合材料
を提供することができる。
リア性等の物質透過遮断性がより優れた高分子複合材料
を提供することができる。
【0008】次に,本発明を構成するフッ素系重合体に
ついて説明する。上記フッ素系重合体は共重合体でも単
独重合体でもよい。フッ素系共重合体としては,各種の
フッ素系モノマがフッ素を含まない他の非フッ素系モノ
マ等と共重合して形成された材料よりなるものが好まし
い。上記フッ素系モノマとしては,例えば,テトラフル
オロエチレン,ヘキサフルオロプロピレン,トリフルオ
ロエチレン,フッ化ビニリデン等が挙げられる。また,
上記非フッ素系モノマ等としては,エチレン,プロピレ
ン,ブチレン,ペンチン,ヘキセン等の2重結合を有す
るモノマ,またはアセチレン,プロピン等の3重結合を
有するモノマ等が挙げられる。
ついて説明する。上記フッ素系重合体は共重合体でも単
独重合体でもよい。フッ素系共重合体としては,各種の
フッ素系モノマがフッ素を含まない他の非フッ素系モノ
マ等と共重合して形成された材料よりなるものが好まし
い。上記フッ素系モノマとしては,例えば,テトラフル
オロエチレン,ヘキサフルオロプロピレン,トリフルオ
ロエチレン,フッ化ビニリデン等が挙げられる。また,
上記非フッ素系モノマ等としては,エチレン,プロピレ
ン,ブチレン,ペンチン,ヘキセン等の2重結合を有す
るモノマ,またはアセチレン,プロピン等の3重結合を
有するモノマ等が挙げられる。
【0009】また,フッ素系重合体は,上述したフッ素
系モノマと非フッ素系モノマとよりなるが,これらより
適宜選択したモノマを共重合させることにより得ること
ができる。また,フッ素系単独重合体としては,フッ化
ビニリデン等のフッ素原子を部分的に含有し,フッ素原
子と結合していない炭素原子を含有するモノマを単独で
重合させたものであることが好ましい。また,フッ素系
重合体は分子内に電荷の偏りを有するものが好ましい。
系モノマと非フッ素系モノマとよりなるが,これらより
適宜選択したモノマを共重合させることにより得ること
ができる。また,フッ素系単独重合体としては,フッ化
ビニリデン等のフッ素原子を部分的に含有し,フッ素原
子と結合していない炭素原子を含有するモノマを単独で
重合させたものであることが好ましい。また,フッ素系
重合体は分子内に電荷の偏りを有するものが好ましい。
【0010】これは有機化クレイの極性が高いため,フ
ッ素系重合体の分子内に電荷の偏りがあると,フッ素系
重合体は後述する有機化クレイの層状構造における層間
にインターカレートし,有機化クレイをハイブリッド化
するためである。このハイブリッド化によりフッ素系重
合体を構成する分子鎖は有機化クレイ由来のシートによ
る拘束を受け,分子鎖間の結合力が強くなる。またハイ
ブリッド化によりクレイのシートはフッ素系重合体中に
均一に微細分散される。従って,薬品やガスが高分子複
合材料中に浸入したとしても,薬品やガスはこれらシー
トによって阻まれ,薬品による侵食やガスの透過が生じ
難い。よって,耐薬品性,ガスバリア性等の物質透過遮
断性がより向上する。
ッ素系重合体の分子内に電荷の偏りがあると,フッ素系
重合体は後述する有機化クレイの層状構造における層間
にインターカレートし,有機化クレイをハイブリッド化
するためである。このハイブリッド化によりフッ素系重
合体を構成する分子鎖は有機化クレイ由来のシートによ
る拘束を受け,分子鎖間の結合力が強くなる。またハイ
ブリッド化によりクレイのシートはフッ素系重合体中に
均一に微細分散される。従って,薬品やガスが高分子複
合材料中に浸入したとしても,薬品やガスはこれらシー
トによって阻まれ,薬品による侵食やガスの透過が生じ
難い。よって,耐薬品性,ガスバリア性等の物質透過遮
断性がより向上する。
【0011】次に,上記フッ素系重合体におけるフッ素
の含有量は,フッ素系重合体の100wt%中に10〜
90wt%であることが好ましい。これにより,クレイ
の分散性の向上と重合体そのものの物質透過遮断性の両
立により,優れた特性を示す材料を提供することができ
る。また,10wt%未満である場合には,重合体その
ものの物質透過遮断性の低下が生じるおそれがあり,9
0wt%を越えた場合には,加工性の低下が生じるおそ
れがある。
の含有量は,フッ素系重合体の100wt%中に10〜
90wt%であることが好ましい。これにより,クレイ
の分散性の向上と重合体そのものの物質透過遮断性の両
立により,優れた特性を示す材料を提供することができ
る。また,10wt%未満である場合には,重合体その
ものの物質透過遮断性の低下が生じるおそれがあり,9
0wt%を越えた場合には,加工性の低下が生じるおそ
れがある。
【0012】上記含有量はフッ素系重合体100wt%
中に30〜90wt%であることがより好ましい。ま
た,50〜90wt%であることが更に好ましい。ま
た,50〜80wt%以下であることがもっと好まし
い。
中に30〜90wt%であることがより好ましい。ま
た,50〜90wt%であることが更に好ましい。ま
た,50〜80wt%以下であることがもっと好まし
い。
【0013】また,上記フッ素系重合体は,分子量が
5,000〜1,000,000であることが好まし
い。これにより,機械的物性と加工性とを両立させるこ
とができる。分子量が5,000未満である場合には,
機械的物性が低下するおそれがある。また,1,00
0,000を越えた場合には,加工性が低下するおそれ
がある。また,分子量を10,000〜1,000,0
00とすることがより好ましい。
5,000〜1,000,000であることが好まし
い。これにより,機械的物性と加工性とを両立させるこ
とができる。分子量が5,000未満である場合には,
機械的物性が低下するおそれがある。また,1,00
0,000を越えた場合には,加工性が低下するおそれ
がある。また,分子量を10,000〜1,000,0
00とすることがより好ましい。
【0014】また,フッ素系重合体はこれを構成するモ
ノマの組成及びこれを作製する際の重合方法により,結
晶性ポリマ(いわゆるフッ素樹脂),非晶性ポリマ(い
わゆるフッ素ゴム)を作り分けることが可能であるが,
本発明にかかるフッ素系重合体としては両者いずれも使
用することができる。また,フッ素系重合体の分子鎖中
に結晶部と非晶部とを有するフッ素系の熱可塑性エラス
トマであってもよい。
ノマの組成及びこれを作製する際の重合方法により,結
晶性ポリマ(いわゆるフッ素樹脂),非晶性ポリマ(い
わゆるフッ素ゴム)を作り分けることが可能であるが,
本発明にかかるフッ素系重合体としては両者いずれも使
用することができる。また,フッ素系重合体の分子鎖中
に結晶部と非晶部とを有するフッ素系の熱可塑性エラス
トマであってもよい。
【0015】また,上記有機化クレイは,有機化剤がク
レイ(粘土鉱物)の表面に物理的,化学的に結合したク
レイである。ここにクレイとは,層状構造を持つ珪酸塩
鉱物等で,多数のシートが積層することで構成された層
状構造を持つ物質である。上記シートの中であるものは
珪酸で構成された四面体が平面方向に多数結合して形成
されている。また,あるものはアルミニウムやマグネシ
ウムを含む八面体が平面方向に多数結合して形成されて
いる。
レイ(粘土鉱物)の表面に物理的,化学的に結合したク
レイである。ここにクレイとは,層状構造を持つ珪酸塩
鉱物等で,多数のシートが積層することで構成された層
状構造を持つ物質である。上記シートの中であるものは
珪酸で構成された四面体が平面方向に多数結合して形成
されている。また,あるものはアルミニウムやマグネシ
ウムを含む八面体が平面方向に多数結合して形成されて
いる。
【0016】このようなクレイとしては,例えば,カオ
リナイト,ハロサイト等のカオリナイト族,モンモリロ
ナイト,ハイデライト,サポナイト,ヘクトライト,マ
イカ等のスメクタイト族,バーミキュライト族が代表的
であるが,本発明においてはこれらに限定されることは
ない。また,上記クレイは天然由来のものでも,天然物
の処理品でも,膨潤性のフッ素化マイカのような合成品
でもよい。
リナイト,ハロサイト等のカオリナイト族,モンモリロ
ナイト,ハイデライト,サポナイト,ヘクトライト,マ
イカ等のスメクタイト族,バーミキュライト族が代表的
であるが,本発明においてはこれらに限定されることは
ない。また,上記クレイは天然由来のものでも,天然物
の処理品でも,膨潤性のフッ素化マイカのような合成品
でもよい。
【0017】また,上記有機化剤としては,クレイ表面
とイオン結合するものが好ましい。上記有機化剤として
は,特にオニウムイオンが好ましく,このオニウムイオ
ンとしては特にアンモニウムイオン,ホスホニウムイオ
ンが好ましい。
とイオン結合するものが好ましい。上記有機化剤として
は,特にオニウムイオンが好ましく,このオニウムイオ
ンとしては特にアンモニウムイオン,ホスホニウムイオ
ンが好ましい。
【0018】また,オニウムイオンとしては,炭素数4
以上のものが好ましい。4未満ではクレイの疎水化が不
充分でクレイの分散が充分でなくなる。オニウムイオン
としては,例えば,ヘキシルアンモニウムイオン,オク
チルアンモニウムイオン,2−エチルヘキシルアンモニ
ウムイオン,ドデシルアンモニウムイオン,ラウリルア
ンモニウムイオン,オクタデシルアンモニウムイオン,
ステアリルアンモニウムイオン,ジオクチルジメチルア
ンモニウムイオン,トリオクチルアンモニウムイオン,
ジステアリルジメチルアンモニウムイオン,又はラウリ
ン酸アンモニウムイオン等を用いることができる。
以上のものが好ましい。4未満ではクレイの疎水化が不
充分でクレイの分散が充分でなくなる。オニウムイオン
としては,例えば,ヘキシルアンモニウムイオン,オク
チルアンモニウムイオン,2−エチルヘキシルアンモニ
ウムイオン,ドデシルアンモニウムイオン,ラウリルア
ンモニウムイオン,オクタデシルアンモニウムイオン,
ステアリルアンモニウムイオン,ジオクチルジメチルア
ンモニウムイオン,トリオクチルアンモニウムイオン,
ジステアリルジメチルアンモニウムイオン,又はラウリ
ン酸アンモニウムイオン等を用いることができる。
【0019】また,上記フッ素系重合体と上記有機化ク
レイとの混合比率は,フッ素系重合体100重量部に対
して有機化クレイが0.01〜300重量部であること
が好ましい。これにより,物質透過遮断性の向上と加工
性との両立を図ることができる。また,有機化クレイの
量が0.01重量部未満である場合には,物質透過遮断
性の向上が認められなくなるおそれがある。300重量
部を越えた場合には,加工性が低下するおそれがある。
更に,好ましくは0.1〜100重量部,もっと好まし
くは0.1〜30重量部である。
レイとの混合比率は,フッ素系重合体100重量部に対
して有機化クレイが0.01〜300重量部であること
が好ましい。これにより,物質透過遮断性の向上と加工
性との両立を図ることができる。また,有機化クレイの
量が0.01重量部未満である場合には,物質透過遮断
性の向上が認められなくなるおそれがある。300重量
部を越えた場合には,加工性が低下するおそれがある。
更に,好ましくは0.1〜100重量部,もっと好まし
くは0.1〜30重量部である。
【0020】また,本発明にかかる高分子複合材料中に
おいて,有機化クレイはフッ素系重合体に対し1μm以
下の大きさで分散していることが好ましい。これによ
り,物質透過遮断性や機械的特性の向上を図ることがで
きる。また,上記有機化クレイの分散において,上記フ
ッ素系重合体を構成する分子鎖が上記有機化クレイを構
成する層状構造の層間にインターカレートしていること
が好ましい。
おいて,有機化クレイはフッ素系重合体に対し1μm以
下の大きさで分散していることが好ましい。これによ
り,物質透過遮断性や機械的特性の向上を図ることがで
きる。また,上記有機化クレイの分散において,上記フ
ッ素系重合体を構成する分子鎖が上記有機化クレイを構
成する層状構造の層間にインターカレートしていること
が好ましい。
【0021】このインターカレートにより有機化クレイ
の表面とフッ素系重合体との界面が大きくなり,有機化
クレイによるフッ素系重合体の補強効果をより多く得る
ことができる。なお,インターカレートとは,フッ素系
重合体と有機化クレイとの複合化により有機化クレイを
構成する層状構造の層間が元の状態より広がることであ
る。これはX線回折等により確認することができる。
の表面とフッ素系重合体との界面が大きくなり,有機化
クレイによるフッ素系重合体の補強効果をより多く得る
ことができる。なお,インターカレートとは,フッ素系
重合体と有機化クレイとの複合化により有機化クレイを
構成する層状構造の層間が元の状態より広がることであ
る。これはX線回折等により確認することができる。
【0022】また,上記インターカレートによる層状構
造の層間距離は,元の状態よりも5Å以上広がってるこ
とが好ましい。これにより,インターカレートすること
により,クレイの分散性が向上する。また,クレイによ
り拘束されるボリマの割合が増え,補強効果が増すこと
により,物質透過遮断性,機械的物性の向上を図ること
ができる。5Åより狭い場合には,クレイの分散性が低
下するおそれがある。さらに好ましくは,層間距離が3
0Å以上広がっていることが好ましい。また層間距離が
100Å以上広がっていることが更に好ましい。
造の層間距離は,元の状態よりも5Å以上広がってるこ
とが好ましい。これにより,インターカレートすること
により,クレイの分散性が向上する。また,クレイによ
り拘束されるボリマの割合が増え,補強効果が増すこと
により,物質透過遮断性,機械的物性の向上を図ること
ができる。5Åより狭い場合には,クレイの分散性が低
下するおそれがある。さらに好ましくは,層間距離が3
0Å以上広がっていることが好ましい。また層間距離が
100Å以上広がっていることが更に好ましい。
【0023】そして,更に好ましくは有機化クレイがフ
ッ素系重合体に分散した際には,有機化クレイの層状構
造が消失し,層状構造を構成していたシートが単層とな
って,分子分散していることが好ましい。これにより,
有機化クレイにより拘束されるフッ素系重合体の分子鎖
の割合が最も大きくなり,有機化クレイの補強効果が非
常に大きくなる。このため,本発明にかかる効果を充分
得ることができる。ただしこの場合でも,高分子複合材
料の物性低下を来さない範囲において,数層程度の積層
状態のものが一部分に存在してもかまわない。
ッ素系重合体に分散した際には,有機化クレイの層状構
造が消失し,層状構造を構成していたシートが単層とな
って,分子分散していることが好ましい。これにより,
有機化クレイにより拘束されるフッ素系重合体の分子鎖
の割合が最も大きくなり,有機化クレイの補強効果が非
常に大きくなる。このため,本発明にかかる効果を充分
得ることができる。ただしこの場合でも,高分子複合材
料の物性低下を来さない範囲において,数層程度の積層
状態のものが一部分に存在してもかまわない。
【0024】なお,本発明の高分子複合材料は射出成形
材料,押出成形材料,プレス成形材料,ブロー成形材
料,フィルム材料等の各種成形方法による材料として利
用することができる。
材料,押出成形材料,プレス成形材料,ブロー成形材
料,フィルム材料等の各種成形方法による材料として利
用することができる。
【0025】次に,請求項2の発明のように,上記フッ
素系重合体は,エチレンとフッ化エチレンとの共重合体
よりなることが好ましい。上記2種類のモノマは重合前
では非極性であるが,共重合により極性部(−F)と非
極性部(C−H)とが形成され,電荷の偏りが生じる。
そのため,極性部が有機化クレイの層間に侵入し,有機
化クレイが微細に分散する。そのため,ガスバリア性等
が特性が更に向上する。なお,上記フッ化エチレンと
は,テトラフルオロエチレン,トリフルオロエチレン等
が挙げられる。
素系重合体は,エチレンとフッ化エチレンとの共重合体
よりなることが好ましい。上記2種類のモノマは重合前
では非極性であるが,共重合により極性部(−F)と非
極性部(C−H)とが形成され,電荷の偏りが生じる。
そのため,極性部が有機化クレイの層間に侵入し,有機
化クレイが微細に分散する。そのため,ガスバリア性等
が特性が更に向上する。なお,上記フッ化エチレンと
は,テトラフルオロエチレン,トリフルオロエチレン等
が挙げられる。
【0026】次に,請求項3の発明のように,上記フッ
素系重合体は,官能基を有することが好ましい。これに
より,フッ素系重合体に対して有機化クレイがより均一
に分散することとができ,本発明の効果を確実に得るこ
とができる。なお,官能基を有するフッ素系重合体と
は,変性によって官能基を導入したり,製造時の共重合
によって官能基を導入した官能基含有フッ素系重合体等
である。
素系重合体は,官能基を有することが好ましい。これに
より,フッ素系重合体に対して有機化クレイがより均一
に分散することとができ,本発明の効果を確実に得るこ
とができる。なお,官能基を有するフッ素系重合体と
は,変性によって官能基を導入したり,製造時の共重合
によって官能基を導入した官能基含有フッ素系重合体等
である。
【0027】上記官能基は有機化クレイを構成する層状
構造の層間にインターカレート可能な官能基であればい
ずれであってもよい。また,上記層間にインターカレー
トできるか否か判断するには,官能基含有フッ素系重合
体と有機化クレイとを混合し,インターカレートした場
合,有機化クレイの層間距離が広がるため,上記混合物
における有機化クレイの層間距離を測定すれば良い。こ
の測定方法としてはX線回折パターンの測定がある。
構造の層間にインターカレート可能な官能基であればい
ずれであってもよい。また,上記層間にインターカレー
トできるか否か判断するには,官能基含有フッ素系重合
体と有機化クレイとを混合し,インターカレートした場
合,有機化クレイの層間距離が広がるため,上記混合物
における有機化クレイの層間距離を測定すれば良い。こ
の測定方法としてはX線回折パターンの測定がある。
【0028】上記インターカレート可能な官能基として
は,例えば,酸無水物基,カルボン酸基,水酸基,チオ
ール基,エポキシ基,ハロゲン基,エステル基,アミド
基,ウレア基,ウレタン基,エーテル基,チオエーテル
基,スルホン酸基,ホスホン酸基,ニトロ基,アミノ
基,オキサゾリン基,イミド基,シアノ基,イソシアネ
ート基等の官能基が挙げられる。また,ベンゼン環,ピ
リジン環,ピロール環,フラン環,チオフェン環等の芳
香環が挙げられる。
は,例えば,酸無水物基,カルボン酸基,水酸基,チオ
ール基,エポキシ基,ハロゲン基,エステル基,アミド
基,ウレア基,ウレタン基,エーテル基,チオエーテル
基,スルホン酸基,ホスホン酸基,ニトロ基,アミノ
基,オキサゾリン基,イミド基,シアノ基,イソシアネ
ート基等の官能基が挙げられる。また,ベンゼン環,ピ
リジン環,ピロール環,フラン環,チオフェン環等の芳
香環が挙げられる。
【0029】導入法が容易であることから,上述した官
能基の中で特に無水マレイン酸基を導入することが好ま
しい。これにより,クレイの分散性を高めることができ
る。
能基の中で特に無水マレイン酸基を導入することが好ま
しい。これにより,クレイの分散性を高めることができ
る。
【0030】また,官能基の導入に際しては,ラジカル
反応を利用することが好ましい。具体的には,押出機を
用いてフッ素系重合体と無水マレイン酸とラジカル剤と
を溶融混練する方法,溶媒にフッ素系重合体を溶解し,
無水マレイン酸とラジカル開始剤を投入する方法が挙げ
られる。
反応を利用することが好ましい。具体的には,押出機を
用いてフッ素系重合体と無水マレイン酸とラジカル剤と
を溶融混練する方法,溶媒にフッ素系重合体を溶解し,
無水マレイン酸とラジカル開始剤を投入する方法が挙げ
られる。
【0031】また,塩基性物質とアミンまたは水酸基含
有化合物を投入し,変性することが好ましい。これによ
り,クレイの分散性を高めることができる。上記水酸基
としてはフェノール性のものが適しており,そのベンゼ
ン環上において上述した各種官能基が置換しているもの
が好ましい。
有化合物を投入し,変性することが好ましい。これによ
り,クレイの分散性を高めることができる。上記水酸基
としてはフェノール性のものが適しており,そのベンゼ
ン環上において上述した各種官能基が置換しているもの
が好ましい。
【0032】また,フッ素系重合体としてフッ素系ゴム
を使用することが好ましい。これにより,アミノ基また
は水酸基を2ないし3以上有する化合物等を用い,架橋
反応をおこすことにより,フッ素系重合体にゴム弾性を
付与することができる。そして,上記フッ素系重合体に
は架橋の過程でアミノ基または水酸基等の官能基が導入
されることとなり,有機化クレイ存在下で架橋を行った
場合,フッ素系重合体であるフッ素系ゴムの架橋と同時
に有機化クレイの高分散を達成できる。以上により,別
途変性過程を経ることなく,より簡便な方法で成形加工
が可能となる。
を使用することが好ましい。これにより,アミノ基また
は水酸基を2ないし3以上有する化合物等を用い,架橋
反応をおこすことにより,フッ素系重合体にゴム弾性を
付与することができる。そして,上記フッ素系重合体に
は架橋の過程でアミノ基または水酸基等の官能基が導入
されることとなり,有機化クレイ存在下で架橋を行った
場合,フッ素系重合体であるフッ素系ゴムの架橋と同時
に有機化クレイの高分散を達成できる。以上により,別
途変性過程を経ることなく,より簡便な方法で成形加工
が可能となる。
【0033】また,官能基含有フッ素系重合体における
官能基の導入に際しては,共重合による導入を行うこと
ができる。そして,この場合の官能基は,上述した有機
化クレイの層状構造の層間にインターカレートできる官
能基であればよい。特に,−OCF3基の導入が適して
いる。これにより,クレイ分散性の向上を図ることがで
きる。
官能基の導入に際しては,共重合による導入を行うこと
ができる。そして,この場合の官能基は,上述した有機
化クレイの層状構造の層間にインターカレートできる官
能基であればよい。特に,−OCF3基の導入が適して
いる。これにより,クレイ分散性の向上を図ることがで
きる。
【0034】
【発明の実施の形態】実施形態例 本発明の実施形態例にかかる高分子複合材料につき説明
する。本例の高分子複合材料は,フッ素系重合体と有機
化クレイとからなる。以下に本発明にかかる試料や比較
試料を示し,これらについて性能を比較する。
する。本例の高分子複合材料は,フッ素系重合体と有機
化クレイとからなる。以下に本発明にかかる試料や比較
試料を示し,これらについて性能を比較する。
【0035】(試料1)試料1はフッ素系重合体として
日本ゼオン製FKM NM,フッ素含有量65wt%を
使用した。以下,これを「フッ素系重合体1」と呼ぶ。
また,有機化クレイとしては「C18−Mt」を用い
た。
日本ゼオン製FKM NM,フッ素含有量65wt%を
使用した。以下,これを「フッ素系重合体1」と呼ぶ。
また,有機化クレイとしては「C18−Mt」を用い
た。
【0036】この「C18−Mt」は次のようにして作
製することができる。クレイとしてNa−モンモリロナ
イト(クニミネ工業製クニピアF)を準備した。Na−
モンモリロナイト80gを80℃の水5000ミリリッ
トルに分散させた。有機化剤としてのステアリルアミン
28.5g,及び濃塩酸11ミリリットルを80℃の水
2000ミリリットルに溶解し,この溶液を上記のモン
モリロナイト分散液中に加えた。得られた沈殿物をろ過
し,80℃の水で3回洗浄し,凍結乾燥した。
製することができる。クレイとしてNa−モンモリロナ
イト(クニミネ工業製クニピアF)を準備した。Na−
モンモリロナイト80gを80℃の水5000ミリリッ
トルに分散させた。有機化剤としてのステアリルアミン
28.5g,及び濃塩酸11ミリリットルを80℃の水
2000ミリリットルに溶解し,この溶液を上記のモン
モリロナイト分散液中に加えた。得られた沈殿物をろ過
し,80℃の水で3回洗浄し,凍結乾燥した。
【0037】これにより,有機化クレイとしてのステア
リルアンモニウムで有機化されたモンモリロナイト,
「C18−Mt」を得た。灼残法より求めた「C18−
Mt」中のクレイ無機量は68重量%であった。X線回
折法により求めた「C18−Mt」の層間距離は22Å
であった。
リルアンモニウムで有機化されたモンモリロナイト,
「C18−Mt」を得た。灼残法より求めた「C18−
Mt」中のクレイ無機量は68重量%であった。X線回
折法により求めた「C18−Mt」の層間距離は22Å
であった。
【0038】そして,「フッ素系重合体1」100重量
部と「C18−Mt」10重量部とを2軸押出機を用い
て溶融混練した。この時の混練温度は120℃,軸回転
数は200rpmとした。
部と「C18−Mt」10重量部とを2軸押出機を用い
て溶融混練した。この時の混練温度は120℃,軸回転
数は200rpmとした。
【0039】得られた高分子複合材料100重量部に対
して,Ca(OH)2を2重量部,MgOを1重量部,
ビスフェノールAFを0.5重量部,イソアミルトリフ
ェニルホスホニウムブロマイドを0.5重量部添加し
た。そして,ロールを用い混合した後,熱プレスにはさ
み,170℃で10分間架橋を行い,厚さ0.5mmの
フィルムを得た。これが試料1である。
して,Ca(OH)2を2重量部,MgOを1重量部,
ビスフェノールAFを0.5重量部,イソアミルトリフ
ェニルホスホニウムブロマイドを0.5重量部添加し
た。そして,ロールを用い混合した後,熱プレスにはさ
み,170℃で10分間架橋を行い,厚さ0.5mmの
フィルムを得た。これが試料1である。
【0040】(試料2)試料2は,フッ素系重合体とし
て「フッ素系重合体2」を使用した。それ以外は試料1
と同様である。なお,「フッ素系重合体2」とは,日本
ゼオン製FKM T838Kで,フッ素含有量は68w
t%である。
て「フッ素系重合体2」を使用した。それ以外は試料1
と同様である。なお,「フッ素系重合体2」とは,日本
ゼオン製FKM T838Kで,フッ素含有量は68w
t%である。
【0041】(試料3)試料3は,有機化クレイとして
「C18TM−Mt」を5重量部使用した。それ以外は
試料1と同様である。なお,上記有機化クレイ「C18
TM−Mt」について説明する。有機化剤としてトリメ
チルステアリルアミンを用いて,上記C18−Mtと同
様の方法によりモンモリロナイトを有機化した。これが
C18TM−Mtである。灼残法より求めたC18TM
−Mt中のクレイ無機量は66重量%であった。X線回
折法により求めたC18TM−Mtの層間距離は,22
Åであった。
「C18TM−Mt」を5重量部使用した。それ以外は
試料1と同様である。なお,上記有機化クレイ「C18
TM−Mt」について説明する。有機化剤としてトリメ
チルステアリルアミンを用いて,上記C18−Mtと同
様の方法によりモンモリロナイトを有機化した。これが
C18TM−Mtである。灼残法より求めたC18TM
−Mt中のクレイ無機量は66重量%であった。X線回
折法により求めたC18TM−Mtの層間距離は,22
Åであった。
【0042】(試料4)試料4は,有機化クレイとして
「C18TM−Mt」を10重量部使用した。それ以外
は試料1と同様である。 (試料5)試料5は,有機化クレイとして「C18TM
−Mt」を15重量部使用した。それ以外は試料1と同
様である。 (試料6)試料6は,フッ素系重合体として「フッ素系
重合体2」を使用した。また,有機化クレイとして「C
18TM−Mt」を10重量部使用した。これ以外は試
料2と同様である。
「C18TM−Mt」を10重量部使用した。それ以外
は試料1と同様である。 (試料5)試料5は,有機化クレイとして「C18TM
−Mt」を15重量部使用した。それ以外は試料1と同
様である。 (試料6)試料6は,フッ素系重合体として「フッ素系
重合体2」を使用した。また,有機化クレイとして「C
18TM−Mt」を10重量部使用した。これ以外は試
料2と同様である。
【0043】(試料7)試料7は「変性法1」により作
製された「マレイン酸変性フッ素系重合体1」を用いた
高分子複合体である。「変性法1」を説明する。「フッ
素系重合体1」100重量部,無水マレイン酸1重量
部,ベンジルパーオキサイド0.3重量部を100℃に
て溶融混練し,マレイン酸変性を行った。これにより
「マレイン酸変性フッ素系重合体1」を得た。上記「マ
レイン酸変性フッ素系重合体1」100重量部と「C1
8TM−Mt」5重量部とを2軸押出機を用いて溶融混
練した。混練温度120℃,軸回転数200rpmであ
った。
製された「マレイン酸変性フッ素系重合体1」を用いた
高分子複合体である。「変性法1」を説明する。「フッ
素系重合体1」100重量部,無水マレイン酸1重量
部,ベンジルパーオキサイド0.3重量部を100℃に
て溶融混練し,マレイン酸変性を行った。これにより
「マレイン酸変性フッ素系重合体1」を得た。上記「マ
レイン酸変性フッ素系重合体1」100重量部と「C1
8TM−Mt」5重量部とを2軸押出機を用いて溶融混
練した。混練温度120℃,軸回転数200rpmであ
った。
【0044】得られた高分子複合材料の100重量部に
対して,Ca(OH)2を2重量部,MgOを1重量
部,ビスフェノールAFを0.5重量部,イソアミルト
リフェニルホスホニウムブロマイドを0.5重量部加え
た。そして,ロールを用い混合した後,熱プレスにはさ
み170℃で10分間架橋を行い,厚さ0.5mmのフ
ィルムを得た。これが試料7である。
対して,Ca(OH)2を2重量部,MgOを1重量
部,ビスフェノールAFを0.5重量部,イソアミルト
リフェニルホスホニウムブロマイドを0.5重量部加え
た。そして,ロールを用い混合した後,熱プレスにはさ
み170℃で10分間架橋を行い,厚さ0.5mmのフ
ィルムを得た。これが試料7である。
【0045】(試料8)有機化クレイとして「C18T
M−Mt」を10重量部使用した。それ以外は試料7と
同様である。 (試料9)有機化クレイとして「C18TM−Mt」を
15重量部使用した。それ以外は試料7と同様である。
M−Mt」を10重量部使用した。それ以外は試料7と
同様である。 (試料9)有機化クレイとして「C18TM−Mt」を
15重量部使用した。それ以外は試料7と同様である。
【0046】(試料10)試料10は「変性法2」によ
り作製された「マレイン酸変性フッ素系重合体1」を用
いた高分子複合体である。「変性法2」を説明する。
「フッ素系重合体1」100重量部,無水マレイン酸2
重量部,ベンジルパーオキサイド0.5重量部を100
℃にて溶融混練し,マレイン酸変性を行った。これによ
り「マレイン酸変性フッ素系重合体2」を得た。上記
「マレイン酸変性フッ素系重合体2」100重量部と
「C18TM−Mt」10重量部とを2軸押出機を用い
溶融混練した。混練温度120℃,軸回転数200rp
mであった。
り作製された「マレイン酸変性フッ素系重合体1」を用
いた高分子複合体である。「変性法2」を説明する。
「フッ素系重合体1」100重量部,無水マレイン酸2
重量部,ベンジルパーオキサイド0.5重量部を100
℃にて溶融混練し,マレイン酸変性を行った。これによ
り「マレイン酸変性フッ素系重合体2」を得た。上記
「マレイン酸変性フッ素系重合体2」100重量部と
「C18TM−Mt」10重量部とを2軸押出機を用い
溶融混練した。混練温度120℃,軸回転数200rp
mであった。
【0047】得られた複合体100重量部に対して,C
a(OH)2を2重量部,MgOを1重量部,ビスフェ
ノールを0.5重量部,イソアミルトリフェニルホスホ
ニウムブロマイドを0.5重量部加え,ロールを用い混
合した後,熱プレスにはさみ170℃で10分間架橋を
行い,厚さ0.5mmのフィルムを得た。
a(OH)2を2重量部,MgOを1重量部,ビスフェ
ノールを0.5重量部,イソアミルトリフェニルホスホ
ニウムブロマイドを0.5重量部加え,ロールを用い混
合した後,熱プレスにはさみ170℃で10分間架橋を
行い,厚さ0.5mmのフィルムを得た。
【0048】(試料11)試料11は「変性法1」によ
り作製された「マレイン散変性フッ素共重合体3」であ
る。「フッ素系重合体2」100重量部,無水マレイン
酸1重量部,ベンジルパーオキサイド0.3重量部を1
00℃にて溶融混練し,マレイン酸変性を行った。これ
により「マレイン酸変性フッ素系重合体3」を得た。上
記「マレイン酸変性フッ素系重合体3」100重量部と
「C18TM−Mt」10重量部とを2軸押出機を用い
て溶融混練した。混練温度は120℃,軸回転数200
rpmとした。
り作製された「マレイン散変性フッ素共重合体3」であ
る。「フッ素系重合体2」100重量部,無水マレイン
酸1重量部,ベンジルパーオキサイド0.3重量部を1
00℃にて溶融混練し,マレイン酸変性を行った。これ
により「マレイン酸変性フッ素系重合体3」を得た。上
記「マレイン酸変性フッ素系重合体3」100重量部と
「C18TM−Mt」10重量部とを2軸押出機を用い
て溶融混練した。混練温度は120℃,軸回転数200
rpmとした。
【0049】得られた高分子複合材料100重量部に対
して,Ca(OH)2を2重量部,MgOを1重量部,
ビスフェノールを0.5重量部,イソアミルトリフェニ
ルホスホニウムブロマイドを0.5重量部加え,ロール
を用い混合した後,熱プレスにはさみ,170℃で10
分間架橋を行い,厚さ0.5mmのフィルムを得た。
して,Ca(OH)2を2重量部,MgOを1重量部,
ビスフェノールを0.5重量部,イソアミルトリフェニ
ルホスホニウムブロマイドを0.5重量部加え,ロール
を用い混合した後,熱プレスにはさみ,170℃で10
分間架橋を行い,厚さ0.5mmのフィルムを得た。
【0050】(試料12)試料12は−OCF3含有フ
ッ素系モノマが10mol%含有され,フッ素量が65
wt%である「フッ素系重合体3」よりなる。「フッ素
系重合体3」100重量部と有機化クレイの「C18T
M−Mt」5重量部とを2軸押出機を用い溶融混練し
た。混練温度120℃,軸回転数200rpmであっ
た。これにより高分子複合体を得た。
ッ素系モノマが10mol%含有され,フッ素量が65
wt%である「フッ素系重合体3」よりなる。「フッ素
系重合体3」100重量部と有機化クレイの「C18T
M−Mt」5重量部とを2軸押出機を用い溶融混練し
た。混練温度120℃,軸回転数200rpmであっ
た。これにより高分子複合体を得た。
【0051】上記高分子複合体の100重量部に対し
て,トリアリルイソシアヌレートを4重量部,MgOを
1重量部,パーヘキサ25Bを1.5重量部加え,ロー
ルを用い混合した後,熱プレスにはさみ150℃で10
分間架橋を行い,厚さ0.5mmのフイルムを得た。
て,トリアリルイソシアヌレートを4重量部,MgOを
1重量部,パーヘキサ25Bを1.5重量部加え,ロー
ルを用い混合した後,熱プレスにはさみ150℃で10
分間架橋を行い,厚さ0.5mmのフイルムを得た。
【0052】(試料13)有機化クレイとして,「C1
8TM−Mt」を10重量部使用した。それ以外は試料
12と同様である。 (試料14)有機化クレイとして,「C18TM−M
t」を15重量部使用した。それ以外は試料12と同様
である。 (試料15)フッ素系重合体として−OCF3含有モノ
マが20mol%含有され,フッ素量が65wt%であ
る「フッ素系重合体4」を用いた。その他は試料13と
同様である。
8TM−Mt」を10重量部使用した。それ以外は試料
12と同様である。 (試料14)有機化クレイとして,「C18TM−M
t」を15重量部使用した。それ以外は試料12と同様
である。 (試料15)フッ素系重合体として−OCF3含有モノ
マが20mol%含有され,フッ素量が65wt%であ
る「フッ素系重合体4」を用いた。その他は試料13と
同様である。
【0053】(比較試料1)「フッ素系重合体1」10
0重量部に対して,Ca(OH)2を2重量部,MgO
を1重量部,ビスフェノールAFを0.5重量部,イソ
アミルトリフェニルホスホニウムブロマイドを0.5重
量部加え,ロールを用い混合した後,熱プレスにはさみ
170℃で10分間架橋を行い,厚さ0.5mmのフイ
ルムを得た。
0重量部に対して,Ca(OH)2を2重量部,MgO
を1重量部,ビスフェノールAFを0.5重量部,イソ
アミルトリフェニルホスホニウムブロマイドを0.5重
量部加え,ロールを用い混合した後,熱プレスにはさみ
170℃で10分間架橋を行い,厚さ0.5mmのフイ
ルムを得た。
【0054】(比較試料2)「フッ素系重合体2」に変
えた以外は比較試料1と同じである。 (比較試料3)「フッ素系重合体3」100重量部に対
して,トリアリルイソシアヌレート4重量部,MgOを
1重量部,パーヘキサ25Bを1.5重量部を加え,ロ
ールを用い混合した後,熱プレスにはさみ150℃で1
0分間架橋を行い,厚さ0.5mmのフィルムを得た。 (比較試料4)「フッ素系重合体4」に変えた以外は比
較試料3と同様である。
えた以外は比較試料1と同じである。 (比較試料3)「フッ素系重合体3」100重量部に対
して,トリアリルイソシアヌレート4重量部,MgOを
1重量部,パーヘキサ25Bを1.5重量部を加え,ロ
ールを用い混合した後,熱プレスにはさみ150℃で1
0分間架橋を行い,厚さ0.5mmのフィルムを得た。 (比較試料4)「フッ素系重合体4」に変えた以外は比
較試料3と同様である。
【0055】次に,これらの各試料を評価する方法につ
いて説明する。まず試料中の有機化クレイの「分散状
態」であるが,これは透過電子顕微鏡(TEM)で各試
料を観察することにより調べた。結果は表1に記載し
た。次に,各試料の物質透過遮断性であるが,窒素を用
いてその透過係数を求めた(測定温度60℃)。結果を
表1に記載した。
いて説明する。まず試料中の有機化クレイの「分散状
態」であるが,これは透過電子顕微鏡(TEM)で各試
料を観察することにより調べた。結果は表1に記載し
た。次に,各試料の物質透過遮断性であるが,窒素を用
いてその透過係数を求めた(測定温度60℃)。結果を
表1に記載した。
【0056】この観察の結果,試料1〜15のいずれに
ついても,透過電子顕微鏡観察から有機化クレイがフッ
素系重合体に対しナノレベルで分散していることが分か
った。また,透過係数は試料1〜15のほうが有機化ク
レイの含まれていない比較試料C1〜C4のほうがより
高いことが分かった。
ついても,透過電子顕微鏡観察から有機化クレイがフッ
素系重合体に対しナノレベルで分散していることが分か
った。また,透過係数は試料1〜15のほうが有機化ク
レイの含まれていない比較試料C1〜C4のほうがより
高いことが分かった。
【0057】本例の作用効果について説明する。このよ
うに試料1〜15よりしれるごとく本例にかかる高分子
材料はフッ素系重合体と有機化クレイとからなり,該有
機化クレイはフッ素系重合体中において該フッ素系重合
体を構成する分子鎖を拘束することができる。
うに試料1〜15よりしれるごとく本例にかかる高分子
材料はフッ素系重合体と有機化クレイとからなり,該有
機化クレイはフッ素系重合体中において該フッ素系重合
体を構成する分子鎖を拘束することができる。
【0058】これは有機化クレイの極性が高く,フッ素
系重合体は電荷の偏りを持っていることから,フッ素系
重合体は後述する有機化クレイの層状構造における層間
にインターカレートし,有機化クレイをハイブリッド化
する。そして,有機化クレイはフッ素系重合体に対しナ
ノレベルで分散する。ハイブリッド化により,クレイシ
ートは均一,微細に分散することになる。従って,薬品
やガスが高分子複合材料中に浸入したとしても,薬品や
ガスはこれらシートによって阻まれ,薬品による侵食や
ガスの透過が生じ難い。
系重合体は電荷の偏りを持っていることから,フッ素系
重合体は後述する有機化クレイの層状構造における層間
にインターカレートし,有機化クレイをハイブリッド化
する。そして,有機化クレイはフッ素系重合体に対しナ
ノレベルで分散する。ハイブリッド化により,クレイシ
ートは均一,微細に分散することになる。従って,薬品
やガスが高分子複合材料中に浸入したとしても,薬品や
ガスはこれらシートによって阻まれ,薬品による侵食や
ガスの透過が生じ難い。
【0059】以上,本例によれば,耐薬品性,ガスバリ
ア性等の物質透過遮断性に優れた高分子複合材料を提供
することができる。
ア性等の物質透過遮断性に優れた高分子複合材料を提供
することができる。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,耐薬品
性,ガスバリア性等の物質透過遮断性に優れた高分子複
合材料を提供することができる。
性,ガスバリア性等の物質透過遮断性に優れた高分子複
合材料を提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 フッ素系重合体と有機化クレイとからな
ることを特徴とする高分子複合材料。 - 【請求項2】 請求項1において,上記フッ素系重合体
は,エチレンとフッ化エチレンとの共重合体よりなるこ
とを特徴とする高分子複合材料。 - 【請求項3】 請求項1または2において,上記フッ素
系重合体は,官能基を有することを特徴とする高分子複
合材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP656899A JP2000204214A (ja) | 1999-01-13 | 1999-01-13 | 高分子複合材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP656899A JP2000204214A (ja) | 1999-01-13 | 1999-01-13 | 高分子複合材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000204214A true JP2000204214A (ja) | 2000-07-25 |
Family
ID=11641954
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP656899A Pending JP2000204214A (ja) | 1999-01-13 | 1999-01-13 | 高分子複合材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000204214A (ja) |
Cited By (12)
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WO2004074371A1 (ja) * | 2003-02-19 | 2004-09-02 | Du Pont-Mitsui Fluorochemical Company Ltd. | フッ素樹脂複合体組成物 |
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- 1999-01-13 JP JP656899A patent/JP2000204214A/ja active Pending
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