JP3384344B2 - ゴム複合材料及びその製造方法 - Google Patents

ゴム複合材料及びその製造方法

Info

Publication number
JP3384344B2
JP3384344B2 JP34157398A JP34157398A JP3384344B2 JP 3384344 B2 JP3384344 B2 JP 3384344B2 JP 34157398 A JP34157398 A JP 34157398A JP 34157398 A JP34157398 A JP 34157398A JP 3384344 B2 JP3384344 B2 JP 3384344B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
composite material
resin
dispersed
clay
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP34157398A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000159937A (ja
Inventor
浩孝 岡本
直樹 長谷川
有光 臼杵
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP34157398A priority Critical patent/JP3384344B2/ja
Publication of JP2000159937A publication Critical patent/JP2000159937A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3384344B2 publication Critical patent/JP3384344B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,架橋ゴム/有機化クレイ複合体
あるいは架橋ゴム/樹脂/有機化クレイ複合体よりなる
ゴム複合材料及び製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来,ゴム材料の力学的特性を向上させる
ため,架橋ゴムにカーボンブラックやシリカなどの補強
材(充填材)を充填することがある。中でも,特開平1
−198645号,特開昭60−4541号,特願平8
−255479号等に示されるごとく,架橋ゴム中に粘
土鉱物を分散させたゴム・粘土鉱物複合材料は特に力学
的特性やガスバリア性に優れている。力学的特性に優
れ,ガスバリア性に優れるゴム・粘土鉱物複合材料は,
各種ホース,シール材,防振材,緩衝材等として高い利
用価値がある。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上述したゴム
・粘土鉱物複合材料には,次のような問題があった。つ
まり,架橋ゴムに粘土鉱物を分散させるためには,予め
粘土鉱物を有機化して架橋ゴムとのなじみをよくする必
要があり,粘土鉱物の有機化の一方法として,オニウム
イオンを導入したオリゴマーを用いる手段が知られてい
る(特開平1−198645号)。
【0004】しかし,オリゴマーでは粘土鉱物の層状構
造を形成するシート間の膨潤が不充分なため,シートが
架橋ゴム中に層状構造を保ったまま分散したり,シート
の分散状態が不均一となってしまうおそれがあった。こ
の場合には,シートによる架橋ゴム分子の拘束が不充分
となり,充分な力学的特性やガスバリア性の向上が認め
られなくなるおそれがあった。
【0005】更に,プロセスオイルを粘土鉱物に添加す
ることで,シート間の膨潤を行うこともあるが(特開昭
60−4541号,特願平8−255479号),これ
により得られたゴム複合材料は,使用環境によってはプ
ロセスオイルがブリードする等という問題が生じてい
た。
【0006】ところで,従来,熱可塑性樹脂と未架橋ゴ
ムとを混練しながら架橋剤を添加して,未架橋ゴムのみ
を架橋させることで作製できる,図3に示すごとき,熱
可塑性樹脂93中に架橋ゴム10が分散したゴム・樹脂
複合材料9(架橋ゴムを含む熱可塑性エラストマ)が知
られている。
【0007】この材料は熱可塑性を有するため,熱可塑
性樹脂と同様の射出成形が可能であるなど,成形加工性
に優れ,またリサイクル性に優れているため,通常の架
橋(加硫)ゴムの代替材料として,あるいは複雑な形状
をした製品,部品の材料として広汎に応用されている。
従って,このような材料についての力学的特性の改善,
ガスバリア性の向上を図ることができれば,更に利用価
値の高い材料を得ることができると考えられる。
【0008】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,力学的特性やガスバリア性に優れたゴム
複合材料及びその製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0009】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,官能基を
含有する未架橋ゴムと有機化クレイとを混合し,剪断速
度1×10 2 -1 〜1×10 4 -1 の範囲における剪断力
の下で有機化クレイを未架橋ゴム中に微分散させつつ未
架橋ゴムを架橋する方法であって, 上記微分散は,上記
未架橋ゴムに対し,上記有機化クレイのシートが単層,
又はせいぜい2〜3層の状態となって分散していること
を特徴とするゴム複合材料の製造方法にある。
【0010】上記未架橋ゴムは架橋可能なゴムであっ
て,ゴム分子中に官能基を含有している。この要件を満
たすゴムであれば,特に限定することなく,本発明にお
いて用いることができる。なお,官能基を含有するゴム
とは,極性を有するゴムのことである。また,未架橋ゴ
ムを構成する分子の中で官能基を含有した分子は全部で
も一部でもよい。上記官能基の総量は,有機化クレイが
分散できるのであれば特に限定しない。
【0011】本発明において使用可能な未架橋ゴムとし
ては,例えば,ブチルゴム,エチレンプロピレンジエン
モノマーゴム(EPDM),ポリトランスペンテナマ
ー,天然ゴム,イソプレンゴム,ブタジエンゴム,スチ
レンブタジエン共重合ゴム,エチレン酢酸ビニル共重合
ゴム,アクリルゴム,塩素化ポリエチレンクロロプレン
ゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,エピクロロヒド
リンゴム,ニトリルゴム,ウレタンゴム,エチレン−酢
酸ビニル−一酸化炭素共重合体,フッ化ビニリデン−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体・フッ化ビニリデン−
テトラフルオロプロピレン−ヘキサフルオロプロピレン
共重合体等のフッ素系ゴム,シリコーンゴム等を挙げる
ことができるが,例示したこれらのゴムに限定されるも
のではない。
【0012】また,上記官能基としては,水酸基,ハロ
ゲン基,カルボキシル基,チオール基,エポキシ基,ア
ミノ基,フェニル基,ニトリル基,酸無水物基,エステ
ル基,アミド基,ウレア基,ウレタン基,エーテル基,
チオエーテル基,スルホン酸基,ホスホン酸基,ニトロ
基,オキサゾリン基,イミド基,イソシアネート基等を
挙げることができる。
【0013】次に,上記有機化クレイについて説明す
る。上記有機化クレイとは,クレイ(粘土鉱物)や該ク
レイを構成する層状構造のシートの表面に有機化剤がイ
オン結合することによって有機化されたクレイのことで
ある。この有機化によって,クレイを構成するシート間
に有機化剤が入り込み,シート間が拡張される。このよ
うな有機化剤としては,アンモニウムイオン,ピリジニ
ウムイオン,スルホニウムイオン,ホスホニウムイオン
等のオニウムイオン等を有する有機物等を挙げることが
できる。
【0014】また,ここにクレイ(粘土鉱物)とは,層
状構造を持つ珪酸塩鉱物等で,多数のシートが積層する
ことで構成された層状構造を有する物質である。上記シ
ートの中で,あるものは珪酸で構成された四面体が平面
方向に多数結合して形成された四面体シートであり,あ
るものはAlやMgなどを含む八面体が平面方向に多数
結合して形成された八面体シートである。このシートに
よる層状構造やシートを構成する元素の種類等は個々の
クレイによって様々である。
【0015】本発明における有機化クレイの元となるク
レイとしては,例えば,モンモリロナイト,サポナイ
ト,ヘクトライト,バイデライト,スティブンサイト,
ノントロナイト,バーミキュライト,ハロイサイト,マ
イカ,カオリナイト,パイロフィロライト等が挙げられ
るが,例示したこれらのクレイに限定されるものではな
い。また,天然物,人工物を問わずに用いることができ
る。
【0016】また,上記未架橋ゴムの架橋の際に,通常
の架橋剤,架橋促進剤等を特に限定することなく使用す
ることができる。ただし,使用する未架橋ゴムの種類に
応じて最適な架橋剤,架橋促進剤を用いることが望まし
い。
【0017】架橋剤や架橋促進剤の具体例を挙げると,
硫黄,モルフォリンジスルフィド,テトラメチルチウラ
ムジスルフィド,テトラエチルチウラムジスルフィド,
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛,ジエチルジチオカル
バミン酸亜鉛,N−エチル−N−フェニル−ジチオカル
バミン酸亜鉛,ジメチルジチオカルバミン酸銅,p−キ
ノンジオキシム,4,4’−ジチオジモルフォリン,安
息香酸アンモニウム,N,N’−m−フェニレンジマレ
イミド,ジクミルパーオキサイド,2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン,クメン
ヒドロキシパーオキサイド,ジイソプロピルベンゼンヒ
ドロパーオキサイド等を使用することができる。しか
し,これらの物質に限定されるものではない。
【0018】本発明における剪断力下での架橋である
が,この剪断力は加熱しながら与えることが好ましい。
例えば二軸押出機等の押出機を用いて行うと,ゴム複合
材料を連続的に製造することができるため,好ましい。
その他,バンバリーミキサー,ブラベンダーミキサー等
の密閉式混練機を用いて行うことができる。
【0019】次に,剪断力下の架橋であるが,この時の
剪断速度は1×102-1〜1×104-1の範囲とす
る。これにより,有機化クレイの二次粒子の粉砕を一層
容易とし,未架橋ゴムの分子の有機化クレイのシート間
への拡散を一層促進することができるため,有機化クレ
イを構成するシートの未架橋ゴムに対する分散を充分に
行なうことができる。
【0020】剪断速度が1×102-1未満である場合
には,有機化クレイが充分に未架橋ゴムに対し分散でき
ないため,本発明にかかる効果が得難くなるおそれがあ
る。また,1×104-1よりも高い場合には,剪断力
により未架橋ゴムが激しく劣化したり,ゴムの架橋形成
を妨げたり,一旦形成された架橋構造を破壊する可能性
があるため,引張強さや引張破断伸びなどのゴム的な各
種物性が低下するおそれかある。
【0021】上記剪断速度の更に好ましい下限は5×1
2-1である。また,更に好ましい上限は8×103
-1である。このような範囲を選択することにより,有機
化クレイの未架橋ゴムに対する分散性を更に高めること
ができる。また,一旦形成された架橋構造の破壊が生じ
難くなるため,より優れた力学的特性,構造安定性を持
つゴム複合材料を得ることができる。
【0022】また,本発明での剪断力下での架橋は,架
橋時間を10秒以上とすることが好ましい。10秒より
も短いと架橋反応が充分進行せず,ゴム複合材料の各種
物性が低下するおそれがある。
【0023】また,架橋時間は使用する架橋剤や架橋促
進剤の種類に依存するため,次のような基準によって架
橋時間の上限を定める。つまり,本発明における架橋
は,未架橋ゴムの架橋反応の進行度が50%を越えて進
行しない時間内に終わらせることが好ましい。進行度が
50%を越えた場合には,一旦形成された架橋構造の破
壊が発生するため,粉状に粉砕されたようなゴム複合材
料が製造されてしまうおそれがある。
【0024】なお,上記架橋反応の進行度とは,ゴムの
架橋特性を調べるのに広く用いられているキュラストメ
ーター測定によって定める値とする。進行度がx%であ
るというのは,加硫トルクが下記のMEのx%に到達し
たことを意味する。ここに,ME=MH−MLという関
係が成立し,MHはトルク最高値,MLはトルク最低値
である。
【0025】本発明の製造方法において,剪断力下にお
ける架橋終了後にゴム複合材料が得られるが,架橋終了
後に得られたゴム複合材料を剪断力を加えずに静置して
加熱するプロセスを加えることが好ましい。これによ
り,ゴム複合材料中におけるゴムの架橋反応が更に進行
し,高弾性,低圧縮歪といった優れたゴム的な特徴を持
つゴム複合材料を得ることができる。
【0026】本発明の作用につき説明する。本発明の製
造方法では,官能基を含有する未架橋ゴムと有機化クレ
イとを混合し,剪断力の下で未架橋ゴムを架橋する。上
述したごとく有機化クレイは層状構造を持つクレイを有
機化したものである。本発明にかかる未架橋ゴムは官能
基を有するため,未架橋ゴムと有機化クレイとを混練す
ることで,未架橋ゴムが有機化クレイの層状構造を構成
するシート間にインターカレートすることができる。
【0027】このインターカレートした複合体に充分な
剪断力を与えながら混練を続けたり,加熱したりするこ
とによりシート間が更に広がるため,有機化クレイを構
成するシートはばらばらとなって未架橋ゴムに対し分散
することができる。未架橋ゴムに対し,有機化クレイの
シートは単層,せいぜいが2〜3層の状態となって分散
するのである。この状態が微分散である。
【0028】ところで従来技術では,未架橋ゴムと有機
化クレイとを混練した後で剪断力を加えずに加熱を施
し,未架橋ゴムを架橋していた。加熱により未架橋ゴム
の運動性が高まるため,未架橋ゴムはシート間に分散し
やすくなる。しかしながら,加熱により,同時に未架橋
ゴムの架橋反応も進行するため,ゴムの分子は早々に拘
束されてしまい,シートとの均一分散は非常に困難であ
る。このため,有機化クレイのシートはかなりの枚数が
層状構造を維持したままでゴムに対し分散するのであ
る。
【0029】本発明では未架橋ゴムの架橋を剪断力の下
で行っており,未架橋ゴムの分子の拡散を促進している
ため,シートの分散と未架橋ゴムの架橋とを両立させる
ことができるのである。
【0030】また,上記剪断力により,有機化クレイの
二次粒子を粉砕し,未架橋ゴムの分子のシート間への拡
散をより促進させることができるため,シートの分散性
をより高めることができる。
【0031】以上により,未架橋ゴムに対しシートが分
散し,未架橋ゴムの官能基とシートとの間を中心に両者
の間に緩やかな結合が形成される。そして,未架橋ゴム
中のゴム分子は上記シートによる緩やかな結合を保持し
たままで架橋され,架橋ゴムとなる。この状態の模式図
が図1である。
【0032】同図に示すごとく,本発明による製造方法
で,架橋点12によりゴム分子11が架橋され,該ゴム
分子11の間に有機化クレイ由来のシート2が分散した
状態にあるゴム複合材料1を得ることができる。
【0033】よって,本発明により得られたゴム複合材
料1は,通常の架橋ゴムと同様の架橋点12によりゴム
分子11間が結合されると共に,シート2による疑似的
な架橋構造によりゴム分子11間の結合が補強されるこ
ととなる。これによって弾性率,引張強度,引裂強度な
どの力学的特性が通常の架橋ゴムよりも高まり,また,
クレイ由来のシートが高度に分散するため,物質の透過
性がシートにより疎外されるため,ガスバリア性も高ま
ることとなる。
【0034】以上,本発明によれば,力学的特性やガス
バリア性に優れたゴム複合材料の製造方法を提供するこ
とができる。
【0035】また,本発明により製造されたゴム複合材
料は,ゴム分子間を結合する部分として通常の架橋点以
外にクレイによる結合部分もあることから,耐薬品性や
耐膨潤性,耐熱性等の物性も優れている。更に,プロセ
スオイル等の添加剤を用いていないため,従来見られた
プロセスオイルのブリード等による表面品質の低下,ベ
タつきの発生等の問題を防止することができる。
【0036】このような特徴を持つ本発明より製造され
たゴム複合材料は,各種ホース材,レール材,防振材,
緩衝材等に用いることができる。
【0037】次に,請求項2記載の発明は,未架橋ゴム
と樹脂の少なくともいずれか一方は官能基を含有したも
のを用いて,未架橋ゴムと樹脂と有機化クレイとを混合
し,,剪断速度1×10 2 -1 〜5×10 4 -1 の範囲に
おける剪断力の下で有機化クレイを未架橋ゴム及び/ま
たは樹脂中に微分散させつつ未架橋ゴムを架橋する方法
であって, 上記微分散は,上記未架橋ゴム及び/または
樹脂に対し,上記有機化クレイのシートが単層,又はせ
いぜい2〜3層の状態となって分散していることを特徴
とするゴム複合材料の製造方法にある。
【0038】本発明における未架橋ゴムと樹脂とは,両
者の少なくともいずれか一方が官能基を含有している。
官能基を含有した未架橋ゴムを用いた場合,有機化クレ
イは未架橋ゴムに対し分散し,後述する図2(a)に示
すごとき,ゴム複合材料を得ることができる。また,官
能基を含有した樹脂を用いた場合,有機化クレイは樹脂
に対し分散し,後述する図2(c)に示すごとき,ゴム
複合材料を得ることができる。また,未架橋ゴムと樹脂
との双方に官能基が含有されている場合,後述する図2
(b)に示すごとき,ゴム複合材料を得ることができ
る。
【0039】上記未架橋ゴムとしては,架橋可能なゴム
であって,先に例示した各種ゴムを用いることができ
る。未架橋ゴムは基本的には官能基を含有していなくて
はならないが,樹脂中にだけ有機化クレイを分散させた
い場合(図2(c))には,官能基を含有していないも
のを使用することが好ましい。
【0040】次に,上記樹脂としては,樹脂の分子中に
官能基を含有していれば特に限定することなく使用する
ことができる。ただし,ゴム中にだけ有機化クレイを分
散させたい場合(図2(a))には,官能基を含有して
いないものを用いることが好ましい。
【0041】また,官能基を含有する樹脂を用いる場
合,該樹脂の中で官能基を含有した分子は全部でも一部
でもよい。上記官能基の総量は,有機化クレイが分散で
きるのであれば特に総量は限定しない。また,上記樹脂
に含まれる官能基としては,先に例示したようなものが
挙げられる。
【0042】また,上記樹脂として熱可塑性樹脂を使用
することが好ましい。これにより,成形性に優れたゴム
複合材料を得ることができる。また,上記樹脂として,
使用する未架橋ゴムと相溶性のよい物質を用いることが
好ましい。また,極性,臨界界面張力,溶解性パラメー
タ等の値が近い物質を用いることが好ましい。このよう
な物質を用いることにより樹脂に対する未架橋ゴムの分
散性を高めることができ,ゴムが樹脂に均一に分散した
ゴム複合材料を得ることができる。
【0043】また,使用する樹脂の一部を変性したり,
相容性のよい別の樹脂をブロック化・グラフト化して結
合させたり,あるいは相容化剤を添加する等の方法によ
って,樹脂と未架橋ゴムとの相溶性を高めることができ
る。この場合には特に相溶性に優れる樹脂を用いる必要
はない。また,上記樹脂としてゴムを使用することもで
きる。例えば,エチレンプロピレンゴムやポリエステル
エラストマー,ポリアミドエラストマーなどが挙げられ
る。
【0044】また,本発明において使用できる樹脂を列
挙すると,ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリブテ
ン,ポリスチレン,アクリロニトリル,ブタジエンスチ
レン共重合体,スチレンアクリロニトリル共重合体,ポ
リメチルアクリレート・ポリメチル(メタ)アクリレー
トなどのアクリル樹脂,ポリエチレンテレフタレート・
ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル,ナイ
ロン6・ナイロン66などのポリアミド,ポリカーボネ
ート,ポリアセタール,ポリアミドイミド,ポリエーテ
ルイミド,ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンサ
ルファイド,ポリエーテルサルフォン,ポリエーテルケ
トン,ポリフタルアミド,ポリエーテルニトリル,ポリ
ベンズイミダゾール,ポリカルオジイミド,ポリシロキ
サン,液晶ポリマー,メラミン樹脂,ユリア樹脂,ジア
リルフタレート樹脂,フェノール樹脂,ポリシラン,シ
リコーン樹脂,ウレタン樹脂,テトラフルオロエチレン
−エチレン共重合体・テトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロエチレン共重合体などのフッ素樹脂などがある
が,これに限定されるものではない。
【0045】また,本発明において使用する未架橋ゴム
と樹脂との組み合わせを列挙すると,例えば,エチレン
プロピレンジエンモノマーゴム/ポリブロピレン,エチ
レンプロピレンジエンモノマーゴム/ポリエチレン,ブ
チルゴム/ポリプロピレン,天然ゴム/ポリプロピレ
ン,ブタジエンゴム/ポリプロピレン,マレイン酸変性
エチレンプロピレンジエンモノマーゴム/ポリアミド,
アクリルゴム/ポリカーボネート,塩素化ポリエチレン
/ポリアミド,ニトリルゴム/フェノール変性ポリプロ
ピレン,フッ素ゴム/フッ素樹脂等である。また,これ
らの組み合わせに限定されるものではない。
【0046】次に,本発明における剪断下の架橋である
が,この時の剪断速度は1×102-1〜5×104-1
の範囲とする。これにより,有機化クレイの二次粒子の
粉砕を一層容易とし,未架橋ゴムの分子及び/または樹
脂の分子の有機化クレイのシート間への拡散を一層促進
することができるため,有機化クレイを構成するシート
の未架橋ゴムに対する分散を充分に行なうことができ
る。
【0047】剪断速度が1×102-1未満である場合
には,有機化クレイが充分に未架橋ゴムや樹脂に対し分
散できないため,本発明にかかる効果が得難くなるおそ
れがある。また,樹脂に対して未架橋ゴムが分散し難く
なり,ゴム複合材料の加工性が低下するおそれがある。
5×104-1よりも高い場合には,未架橋ゴムや樹脂
の劣化がひどくなり,引張強さや引張破断伸びが低下す
るなど,ゴム複合材料の各種物性が著しく低下するおそ
れがある。
【0048】上記剪断速度の更に好ましい下限は5×1
2-1である。また,更に好ましい上限は1×104
-1である。このような範囲を選択することにより,有機
化クレイの未架橋ゴムに対する分散性を更に高めること
ができる。また,未架橋ゴムや樹脂の劣化を防ぐことが
できるため,より力学的特性に優れたゴム複合材料を得
ることができる。なお,剪断力下の架橋については,特
に限定しない。ただし,樹脂が可塑化し,混練し易くな
るよう加熱しながら行うことが好ましい。
【0049】また,樹脂に対して未架橋ゴムを充分分散
させた上で,架橋反応を充分に進行させ,架橋ゴムの架
橋密度をより高めることが好ましい。これにより,より
低永久歪のゴム複合材料を得ることができる。
【0050】本発明にかかる作用効果について説明す
る。本発明の製造方法では,未架橋ゴム及び樹脂(その
うち少なくともいずれか一方は官能基を含有する)と有
機化クレイとを混合し,剪断力の下で未架橋ゴムを架橋
する。上述したごとく有機化クレイは層状構造を持つク
レイを有機化したものである。本発明にかかる未架橋ゴ
ム及び/または樹脂は官能基を有するため,未架橋ゴム
及び/または樹脂と有機化クレイとを溶融,混練するこ
とで,未架橋ゴム及び/または樹脂が有機化クレイの層
状構造を構成するシート間にインターカレートすること
ができる。
【0051】このインターカレートした状態で充分な剪
断力を与えながら混練を続けたり,加熱することにより
更にシート間が広がるため,有機化クレイを構成するシ
ートはばらばらとなって未架橋ゴム及び/または樹脂に
対し分散することができる。言い換えると,未架橋ゴム
及び/または樹脂に対し,有機化クレイのシートは単
層,せいぜいが2〜3層の状態となって分散するのであ
る。これが上記微分散である。
【0052】上述したごとく,本発明による製造方法で
は加えた剪断力により有機化クレイを構成する各シート
がばらばらとなる。本発明における未架橋ゴムや樹脂は
官能基を有するため,これらの官能基とシートとの間を
中心に緩やかな結合が形成される。よって,未架橋ゴム
や樹脂に対し有機化クレイが分散することができる。
【0053】そして,本発明では,剪断力の下,樹脂を
含む系で未架橋ゴムを架橋するため,樹脂中に未架橋ゴ
ムが分散し,その分散状態のままで架橋されることとな
る。つまり,マトリックスである樹脂に架橋されたゴム
が分散したゴム複合材料を得ることができる。
【0054】そして,未架橋ゴムとして官能基を含有し
たものを用いた場合,ゴム分子は上記シートによる緩や
かな結合を保持したままで架橋され,架橋ゴムとなる。
この状態の模式図が図2(a)である。同図に示すごと
く,本発明による製造方法で,架橋点12によりゴム分
子11が架橋され,該ゴム分子11の間に有機化クレイ
由来のシート2が分散した状態にあるゴム相10と,樹
脂相30とよりなり,また例えば樹脂相30にゴム相1
0が分散したゴム複合材料1を得ることができる。
【0055】また,樹脂として官能基を含有したものを
用いた場合,シートが樹脂に対し分散した状態のままで
ゴム複合材料となる。この状態の模式図が図2(c)で
ある。同図に示すごとく,本発明による製造方法で,架
橋点12によりゴム分子11が架橋されたゴム相10
と,シート2が分散した樹脂相30とよりなり,また例
えば樹脂相30にゴム相10が分散したゴム複合材料1
を得ることができる。
【0056】また,未架橋ゴムも樹脂も官能基を含有し
たものを用いた場合,シートはゴムにも樹脂に対し分散
した状態のままでゴム複合材料となる。この状態の模式
図が図2(b)である。同図に示すごとく,本発明によ
る製造方法で,架橋点12によりゴム分子11が架橋さ
れ,シート2が分散したゴム相10と,シート2が分散
した樹脂相30とよりなり,また例えばゴム相10が樹
脂相30に分散したゴム複合材料1を得ることができ
る。
【0057】上記シートとゴム分子との間には緩やかな
結合が形成されるため,ゴム複合材料おけるゴム分子の
架橋点が補強され(図2(a),(b)の場合),また
は上記シートと樹脂の分子との間には緩やかな結合が形
成されるため,ゴム複合材料における樹脂分子の運動が
制限されて動き難くなるため(図2(b),(c)の場
合),これによって弾性率,引張強度,引裂強度などの
力学的特性,あるいはクリープ,永久歪の低下や耐熱性
等が従来のゴム・熱可塑性樹脂複合材料よりも高まる。
また,上記シートが高度に分散するため,ガスバリア性
も高まることとなる。
【0058】以上,本発明によれば,力学的特性やガス
バリア性に優れたゴム複合材料の製造方法を提供するこ
とができる。
【0059】なお,本発明にかかるゴム複合材料は,通
常の架橋ゴムの代替材料として,窓枠等の自動車用構成
部品,ホース,各種弾性シート等に適用可能である。
【0060】また,請求項3記載の発明は,ゴム相と樹
脂相とよりなるゴム複合材料であって,上記ゴム相及び
/または上記樹脂相には有機化クレイが微分散して
り, 上記微分散は上記ゴム相及び/または上記樹脂層に
対し,上記有機化クレイのシートが単層,又はせいぜい
2〜3層の状態となって分散していることを特徴とする
ゴム複合材料にある。このものは,上述した図2(a)
に示すごとく,架橋点12によりゴム分子11が架橋さ
れ,該ゴム分子11の間に有機化クレイ由来のシート2
が分散した状態にあるゴム相10と,樹脂相30とより
なり,例えば樹脂相30にゴム相10が分散したゴム複
合材料1である。
【0061】または,図2(c)に示すごとく,架橋点
12によりゴム分子11が架橋されたゴム相10と,シ
ート2が分散した樹脂相30とよりなり,例えば樹脂相
30にゴム相10が分散したゴム複合材料1である。ま
たは,図2(b)に示すごとく,シートがゴム相にも樹
脂相に対しても分散したゴム複合材料1である。
【0062】上記ゴム相は,先に例示した各種ゴムより
構成されている。また,樹脂相中にのみ有機化クレイが
分散した材料では,ゴム相を官能基を含有しないゴムよ
り構成することが好ましい。また,上記樹脂相は,分子
中に官能基が含まれた樹脂より構成することができる。
ただし,ゴム相中にだけ有機化クレイが分散した材料で
は,樹脂相を官能基の含まれてない樹脂より構成するこ
とが好ましい。また,上記官能基を含有する樹脂として
は,すべての分子が官能基を含有する樹脂であっても,
一部の分子が官能基を含有する樹脂であってもよい。ま
た,上記樹脂相は先に例示した各種樹脂より構成されて
いる。
【0063】また,上記樹脂は熱可塑性樹脂であること
が好ましい。これにより,成形性に優れたゴム複合材料
を得ることができる。また,上記樹脂相は,ゴム相と相
溶性のよい樹脂よりなることが好ましい。また,極性,
臨界界面張力,溶解性パラメータ等の値が近い樹脂より
なることが好ましい。これにより,ゴム相が樹脂相に均
一に分散したゴム複合材料を得ることができる。
【0064】また,上記樹脂相は,任意の樹脂の一部を
変性したり,任意の樹脂をゴム相に対し相容性のよい別
の樹脂をブロック化・グラフト化して結合させたり,あ
るいは任意の樹脂に相容化剤を添加する等して,相溶性
を高めた樹脂より構成することもできる。また,上記樹
脂相をエチレンプロピレンゴム,ポリエステルエラスト
マー,ポリアミドエラストマー等のゴムにて構成するこ
ともできる。
【0065】本請求項にかかるゴム複合材料において
は,上述したごとく,有機化クレイのシートとゴム分子
との間に緩やかな結合が形成されているため,ゴム複合
材料おけるゴム分子の架橋点が補強され(図2(a),
(b)の場合),または上記シートと樹脂の分子との間
に緩やかな結合が形成されているため,ゴム複合材料に
おける樹脂分子の運動が制限されて動き難くなるため
(図2(b),(c)の場合),これによって弾性率,
引張強度,引裂強度などの力学的特性,あるいはクリー
プ,永久歪の低下や耐熱性等が従来のゴム・熱可塑性樹
脂複合材料よりも高まる。
【0066】上記有機化クレイは層状構造を持つクレイ
を有機化したもので,ゴム相及び/または樹脂相を構成
するゴムや樹脂に対し,上記有機化クレイのシートがば
らばらとなって分散した状態にある。言い換えると,ゴ
ム及び/または樹脂に対し,有機化クレイのシートは単
層,せいぜいが2〜3層の状態となって分散するのであ
る。これが上記微分散である。このように本請求項にか
かるゴム複合材料では,上記シートが高度に分散してい
るため,高いガスバリア性を得ることができる。
【0067】以上,本発明によれば,力学的特性やガス
バリア性に優れたゴム複合材料を提供することができ
る。
【0068】また,上記有機化クレイのゴム及び/また
は樹脂に対する微分散の状態としては,有機化クレイの
層状構造が崩れ,これを構成するシートが単層ごとに微
分散していることが好ましい。これにより,本発明にか
かる効果を充分得ることができる。また,2〜3層が凝
集した状態のシートが多少存在する場合であっても,本
発明にかかる効果を得ることができる。
【0069】上記ゴム及び/または樹脂に対し微分散し
た上記有機化クレイの中で凝集状態にあるシートはシー
ト全体の50%以下であることが好ましい。これによ
り,本発明にかかる効果を確実に得ることができる。凝
集状態のシートが50%を越えた場合には,有機化クレ
イの微分散が不充分であることから,本発明の効果が得
られなくなるおそれがある。
【0070】次に,請求項4の発明のように,上記ゴム
複合材料は上記樹脂相中に上記ゴム相が分散した状態に
あることが好ましい。これにより,本請求項にかかるゴ
ム複合材料は,ゴム的な性能(弾性に優れている等)を
持ちつつも樹脂的な成形の容易性といった優れた加工性
を持つことができる。結果,加工性に富んだ弾性材料を
得ることができる。
【0071】
【発明の実施の形態】実施形態例 本発明の実施形態例にかかるゴム複合材料の製造方法,
また得られたゴム複合材料の性能評価につき,図1,図
2を用いて説明する。本例にかかるゴム複合材料の製造
方法の概略を説明すると,(1)官能基を含有する未架
橋ゴムと有機化クレイとを混合する。または,(2)官
能基を含有する未架橋ゴムと樹脂と有機化クレイとを混
合する。または,(3)未架橋ゴムと官能基を含有する
樹脂と有機化クレイとを混合する。または,(4)官能
基を含有する未架橋ゴムと官能基を含有する樹脂と有機
化クレイとを混合する。
【0072】このようにして得られた混合物をそれぞれ
剪断力の下で有機化クレイを未架橋ゴム及び/または樹
脂に対し微分散させつつ未架橋ゴムを架橋する。これに
より図1,図2にかかるゴム複合材料1を得ることがで
きる。
【0073】ここに図1は,(1)にかかる方法にて作
製したゴム複合材料であって,架橋点12によりゴム分
子11が架橋され,該ゴム分子11の間に有機化クレイ
由来のシート2が分散した状態にあるゴム複合材料1で
ある。
【0074】また,図2(a)は,(2)にかかる方法
にて作製したゴム複合材料であって,架橋点12により
ゴム分子11が架橋され,該ゴム分子11の間に有機化
クレイ由来のシート2が分散した状態にあるゴム相10
と樹脂相30とよりなり,樹脂相30にゴム相10が分
散した状態にあるゴム複合材料1である。また,図2
(b)は,(4)にかかる方法にて作製したゴム複合材
料であって,架橋点12によりゴム分子11が架橋さ
れ,該ゴム分子11の間に有機化クレイ由来のシート2
が分散した状態にあるゴム相10と,シート2が分散し
た樹脂相30とよりなり,樹脂相30にゴム相10が分
散した状態にあるゴム複合材料である。
【0075】また,図2(c)は,(3)にかかる方法
にて作製したゴム複合材料であって,架橋点12により
ゴム分子11が架橋されたゴム相10と,シート2が分
散した樹脂相30とよりなり,樹脂相30にゴム相10
が分散した状態にあるゴム複合材料1である。
【0076】以下,具体的に説明する。本例において使
用した有機化クレイについて説明する。クレイとして,
陽イオン容量が115meq./100gのナトリウム
型モンモリロナイト(クニミネ工業製,商品名クニビア
F)を用いた。このモンモリロナイト80gを80℃の
水5000ミリリットルに分散させた。有機化剤である
オクタデシルアミン(炭素数18)28.5gと濃塩酸
11ミリリットルを80℃で2000ミリリットルの水
に溶解させた。この溶液を先のモンモリロナイトの水分
散液に加えた。これにより有機化クレイを得た。得られ
た有機化クレイを80℃の水で3回洗浄し,凍結乾燥
し,その後粉砕して,本例の製造方法において使用し
た。このようにして得られた有機化クレイ中の無機分量
(灼残法により求めた)は,68%であった。
【0077】次に,本例において使用した未架橋ゴムに
ついて説明する。エチレンプロピレンジエンモノマーゴ
ム(住友化学製,商品名住友エスプレンE505,以下
これをEPDMと記載。)に無水マレイン酸4部(重量
部,以下略)と有機酸化物0.005部を添加した。
これを二軸押出機(日本製鋼所製TEX30α)を用
い,シリンダ設定温度120℃で反応押出しすることに
より無水マレイン酸変性EPDM(以下,これをm−E
PDMと記載)を得た。得られたm−EPDMを120
℃で7時間真空乾燥することにより,未反応の無水マレ
イン酸を除去した。この物質の滴定法により求めた変性
度は0.24wt%であった。また,このような変性に
よりEPDMはカルボキシル基等という官能基を含有す
ることとなる。
【0078】次に,得られた有機化クレイと未架橋ゴム
とを用いて,ゴム複合材料を作製する。ロール(関西ロ
ール製 ラボロールミル)を用いて,m−EPDMに有
機化クレイ,硫黄,ステアリン酸,亜鉛華,TMTD
(テトラメチルチウラムジスルフィド),MBTS(2
−メルカプトベンゾチアゾリルジスルフィド)を表1の
試料1に示す割合で添加し,混練した。これを二軸押出
機で剪断速度が1000秒-1になるようにして混練し,
未架橋ゴムを動的架橋した。これにより,図1にかかる
シート状のゴム複合材料を得た。
【0079】次に,各種ゴム複合材料を製造し,これら
の性能について,次のような方法で評価した。まずゴム
複合材料中における有機化クレイ由来のシートの分散状
態について次のように評価した。得られたゴム複合材料
から超薄切片を切り出した。これを日本電子製Jeol
−2000Xで有機化クレイ由来のシートの分散状態を
観察し,下記の基準に従って評価した。
【0080】 ○:分散状態が良い。シートががほぼ単層ごとに微分散
している。 △:分散しているが,完全ではない。2〜3層が凝集し
た状態のシートが50%を越えて認められる。 ×:分散状態が非常に悪い。シートの殆どが数十層以上
凝集した状態で分散している。 また,シートがゴム複合材料のどの部分に存在するかも
調べた。
【0081】またゴム複合材料の引張強度,引張弾性
率,圧縮永久歪,ガス透過率を次のようにして評価し
た。得られたゴム複合材料からダンベル状試験片を切り
出し,ASTMD412に準じて引張り試験を行い,引
張強さ,引張破断伸び,引張弾性率を測定した。また,
得られたゴム複合材料から円柱状試験片を切り出し,A
STMD395に準じて圧縮永久歪試験を行い,圧縮永
久歪を測定した。更に,得られたゴム複合材料から1m
m厚のフィルムを切り出し,ASTMD1434に準じ
て窒素ガス透過係数を測定した。なお窒素ガス透過係数
の単位は×10-10・cm3・cm・cm-2・秒-1・cm
Hg-1である。
【0082】次に,試料1〜11にかかる各ゴム複合材
料について詳細を説明する。 (試料1)試料1にかかるゴム複合材料は上述の製造方
法により作製したものである。製造における各原料の配
合量は表1に記載した通りである。なお,硫黄は架橋剤
であり,TMTD(テトラメチルチウラムジスルフィ
ド),MBTS(2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)
は架橋促進剤である。ステアリン酸,亜鉛華は架橋助剤
である。
【0083】(試料2)試料1にかかるゴム複合材料を
加熱槽に入れ,180℃で20分間加熱し,ゴムにおけ
る架橋反応を更に進行させた。得られたゴム複合材料を
用いて上記試験を行った。その結果を表1に記載した。
【0084】(試料3) ポリプロピレン樹脂(住友化学製,商品名住友ノープレ
ンS131。以下,これをPPと記載)に無水マレイン
酸4部と有機酸化物0.05部とを添加した。これを
二軸押出機(日本製鋼所製TEX30α)を用い,シリ
ンダ設定温度200℃で反応押出しすることにより無水
マレイン酸変性PP(以下,これをm−PPと記載)を
得た。なお,このものに含有される官能基は,カルボキ
シル基である。上記m−PPを150℃で7時間真空乾
燥することにより,未反応の無水マレイン酸を除去し
た。滴定法により求めたm−PPの変性度は0.17w
t%であった。
【0085】そして,EPDM,PP,m−PPを表1
に示す割合でドライブレンドし,これに有機化クレイを
2部添加した。これを二軸押出機で剪断速度が5000
-1になるようにして溶融・混練した。二軸押出機の中
央付近で溶融・混練を続けながら,これに硫黄,ステア
リン酸,亜鉛華,TMTD,MBTSを表1に示す割合
で添加し,動的架橋することによりシート状のゴム複合
材料を得た。
【0086】得られたゴム複合材料から超薄切片を切り
出した。これを日本電子製Jeol−2000Xで有機
化クレイ由来のシートの分散状態を観察したところ,E
PDM微粒子が樹脂相(PP及びm−PP)に分散し,
有機化クレイが樹脂相に分散していることが確認された
(図2(c)参照)。また,得られたゴム複合材料から
各種試験片を切り出し,上記試験を行った。その結果を
表1に記載した。
【0087】(試料4)m−EPDMとPPとを表1に
示す割合でドライブレンドし,これに有機化クレイを7
部添加した。その後は試料3と同様にしてシート状のゴ
ム複合材料を得た。得られたゴム複合材料から超薄切片
を切り出した。これを日本電子製Jeol−2000X
で有機化クレイ由来のシートの分散状態を観察したとこ
ろ,m−EPDM微粒子がPP中に分散し,有機化クレ
イ由来のシートがゴム相に分散していることが確認され
た(図2(a))。また,得られたゴム複合材料から各
種試験片を切り出し,上記試験を行った。その結果を表
1に記載した。
【0088】(試料5)m−EPDMとm−PPを表1
に示す割合でドライブレンドし,これに有機化クレイを
12部添加した。その後は試料3と同様にしてシート状
のゴム複合材料を得た。得られたゴム複合材料から超薄
切片を切り出した。これを日本電子製Jeol−200
0Xで有機化クレイ由来のシートの分散状態を観察した
ところ,m−EPDM微粒子がm−PP中に分散し,有
機化クレイがゴム相と樹脂相の両方に分散していること
が確認された(図2(b)参照)。また,得られたゴム
複合材料から各種試験片を切り出し,上記試験を行っ
た。その結果を表1に記載した。
【0089】(試料6)試料6は通常の架橋ゴムであ
る。ロールを用いてm−EPDMに,硫黄,ステアリン
酸,亜鉛華,TMTD,MBTSを表1に示す割合で添
加し,混練した。これを160℃で30分間,剪断力を
加えることなくプレス加硫することにより板状のゴムを
得た。このゴムの引張強さ,引張破断伸び,引張弾性
率,圧縮永久歪,窒素ガス透過係数を上記と同様に測定
した。結果を表1に記載した。
【0090】(試料7)試料7はゴムと有機化クレイと
よりなるゴム複合材料である。ロールを用いて、m−E
PDMに,有機化クレイ,硫黄,ステアリン酸,亜鉛
華,TMTD,MBTSを表1に示す割合で添加し,混
練した。これを160℃で80分間,剪断力を加えるこ
となくプレス加硫することにより板状のゴム複合材料を
得た。このゴム複合材料の引張強さ,引張破断伸び,引
張弾性率,圧縮永久歪,窒素ガス透過係数を上記と同様
に測定した。結果を表1に記載した。
【0091】(試料8)試料8は官能基を含有しない樹
脂や未架橋ゴムを用いて作製したゴム複合材料である。
m−EPDMとm−PPの代わりにEPDMとPPを用
いた以外は,試料5と同様にしてゴム複合材料を得た。
得られたゴム複合材料から超薄切片を切り出した。これ
を日本電子製Jeol2000Xで有機化クレイ由来の
シートの分散状態を観察したところ,EPDM微粒子が
PP中に分散し,有機化クレイがゴム相と樹脂相の両方
に分散していることが確認された。また,得られたゴム
複合材料を用いて上記試験を行った。その結果を表1に
記載した。
【0092】(試料9) m−EPDMとPPを表1に示す割合でドライブレンド
し,これに有機化クレイを7部添加した。これを小規模
試験用の二軸押出機(栗本鋼所製SlKRCニーダ)
で溶融・混練し,得られたブレンド物をペレット化し
た。このペレットに対し,硫黄,ステアリン酸,亜鉛
華,TMTD,MBTSを表1に示す割合で添加し,上
記と同じ二軸押出機を用いて剪断速度が50秒-1になる
ようにして混練・動的架橋することによりシート状のゴ
ム複合材料を得た。
【0093】得られたゴム複合材料から超薄切片を切り
出した。これを日本電子製Jeol‐2000Xでシー
トの分散状態を観察したところm−EPDM微粒子がP
P中に分散し,シートがゴム相に分散していることが確
認された。また,得られたゴム複合材料を用いて上記試
験を行った。その結果を表1に記載した。
【0094】(試料10)EPDM,PP,m−PPを
表1に示す割合でドライブレンドし,これに有機化クレ
イを2部添加した。その後,試料9と同様にしてシート
状のゴム複合材料を得た。得られたゴム複合材料から超
薄切片を切り出して,これを日本電子製Jeo1−20
00Xでシートの分散状態を観察したところ,EPDM
微粒子が樹脂中(PP及びm−PP)に分散し,シート
が樹脂相に分散していることが確認された。また,得ら
れたゴム複合材料を用いて上記試験を行った。その結果
を表1に記載した。 (試料11)EPDMとPPを表1に示す割合でドライ
ブレンドした。その後は試料3と同様にしてシート状の
ゴム/樹脂複合材料を得た。得られたゴム複合材料から
超薄切片を切り出した。また,得られたゴム複合材料か
ら各種試験片を切り出し,上記試験を行った。その結果
を表1に記載した。
【0095】
【表1】
【0096】まず,表1における試料1,2,6,7の
測定結果から,有機化クレイを添加し,かつゴムに対し
微分散させた状態とすることで,高引張強度,高引張弾
性率,低圧縮永久歪といった力学的特性に優れ,窒素ガ
ス透過係数が小さくガスバリア性に優れたゴム複合材料
が得られることが分かった。また,有機化クレイが微分
散した状態にあるゴム複合材料を得るには,剪断力の下
で未架橋ゴムを架橋する必要があることが分かった。
【0097】また,表1の試料3,4,5はそれぞれ図
2(c),図2(a),図2(b)に対応するゴム複合
材料である。これらと試料8及び試料11とを比較する
ことで,ゴム相及び/または樹脂相に有機化クレイを微
分散した状態とすることで,高引張強度,高引張弾性
率,低圧縮永久歪といった力学的特性に優れ,窒素ガス
透過係数が小さくガスバリア性に優れたゴム複合材料が
得られることが分かった。また,有機化クレイがゴム相
及び/または樹脂相に微分散した状態にあるゴム複合材
料を得るには,剪断力の下で未架橋ゴムを架橋する必要
があることが分かった。
【0098】また,試料9,10は剪断力下で未架橋ゴ
ムを架橋したが,剪断力の大きさが小さく,上述したご
とく有機化クレイの分散が若干不完全となったゴム複合
材料である。このものは有機化クレイの分散状態が非常
に悪い試料8と比べれば力学的特性やガスバリア性は優
れているが,有機化クレイの微分散の状態が非常に良好
である試料3〜5に比べると若干性能が低いことが分か
った。
【0099】本例にかかる作用効果について説明する。
本例にかかる製造方法によれば,上述した図1,図2
(a)〜(c)にかかるゴム複合材料を得ることができ
る。本例にかかるゴム複合材料は,未架橋ゴムと有機化
クレイとを剪断力下で架橋することにより製造される。
本例にかかる未架橋ゴムは官能基を有するため,未架橋
ゴムと有機化クレイとを混練することで,未架橋ゴムが
有機化クレイのシート間にインターカレートし,シート
がばらばらとなって未架橋ゴムに対し分散する。言い換
えると,未架橋ゴムに対し,有機化クレイのシートは単
層,せいぜいが2〜3層の状態となって分散するのであ
る。そして,シートは未架橋ゴムの分子に含まれる官能
基と作用しあって,両者は緩やかに結合される。
【0100】また,本例にかかるゴム複合材料は,未架
橋ゴムと樹脂と有機化クレイとを剪断力下で架橋するこ
とにより製造される。つまり,未架橋ゴム及び/または
樹脂が有機化クレイのシート間にインターカーレート
し,シートがばらばらとなって未架橋ゴム及び/または
樹脂に対し分散する。そして,シートは未架橋ゴム及び
/または樹脂の分子に含まれる官能基と作用しあって,
両者は緩やかに結合される。
【0101】従って,本例にかかるゴム複合材料におい
て,ゴムの分子や樹脂の分子は通常の架橋点や結合等と
共にシートによっても緩く結合される。これによって弾
性率,引張強度,引裂強度などの力学的特性が通常の架
橋ゴム等よりも高まり,また,クレイ由来のシートが高
度に分散するため,物質の透過性がシートにより疎外さ
れるため,ガスバリア性も高まることとなる。よって,
本例の製造方法により得られたゴム複合材料は力学的特
性に優れると共にガスバリア性に優れている(表1参
照)。
【0102】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,力学的
特性に優れるとともに,ガスバリア性に優れるゴム複合
材料及び製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,ゴム複合材料の状態を
示す模式図。
【図2】実施形態例1における,ゴム複合材料の状態を
示す模式図。
【図3】従来技術における,ゴム複合材料の状態を示す
模式図。
【符号の説明】
1...ゴム複合材料, 10...ゴム相, 30...樹脂相,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−7418(JP,A) 特開 平8−333114(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 9/00 - 21/00 C08K 9/04 C08J 3/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 官能基を含有する未架橋ゴムと有機化ク
    レイとを混合し,剪断速度1×10 2 -1 〜1×10 4
    -1 の範囲における剪断力の下で有機化クレイを未架橋ゴ
    ム中に微分散させつつ未架橋ゴムを架橋する方法であっ
    て, 上記微分散は,上記未架橋ゴムに対し,上記有機化クレ
    イのシートが単層,又はせいぜい2〜3層の状態となっ
    て分散している ことを特徴とするゴム複合材料の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 未架橋ゴムと樹脂の少なくともいずれか
    一方は官能基を含有したものを用いて,未架橋ゴムと樹
    脂と有機化クレイとを混合し,,剪断速度1×10 2
    -1 〜5×10 4 -1 の範囲における剪断力の下で有機化
    クレイを未架橋ゴム及び/または樹脂中に微分散させつ
    つ未架橋ゴムを架橋する方法であって, 上記微分散は,上記未架橋ゴム及び/または樹脂に対
    し,上記有機化クレイのシートが単層,又はせいぜい2
    〜3層の状態となって分散している ことを特徴とするゴ
    ム複合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 ゴム相と樹脂相とよりなるゴム複合材料
    であって,上記ゴム相及び/または上記樹脂相には有機
    化クレイが微分散しており, 上記微分散は上記ゴム相及び/または上記樹脂層に対
    し,上記有機化クレイのシートが単層,又はせいぜい2
    〜3層の状態となって分散している ことを特徴とするゴ
    ム複合材料。
  4. 【請求項4】 請求項3において,上記ゴム複合材料は
    上記樹脂相中に上記ゴム相が分散した状態にあることを
    特徴とするゴム複合材料。
JP34157398A 1998-12-01 1998-12-01 ゴム複合材料及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3384344B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34157398A JP3384344B2 (ja) 1998-12-01 1998-12-01 ゴム複合材料及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34157398A JP3384344B2 (ja) 1998-12-01 1998-12-01 ゴム複合材料及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000159937A JP2000159937A (ja) 2000-06-13
JP3384344B2 true JP3384344B2 (ja) 2003-03-10

Family

ID=18347128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34157398A Expired - Fee Related JP3384344B2 (ja) 1998-12-01 1998-12-01 ゴム複合材料及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3384344B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4548559B2 (ja) * 2000-07-24 2010-09-22 信越化学工業株式会社 オイルブリード性シリコーンゴムの成型方法及びオイルブリード性シリコーンゴム組成物
CA2443309A1 (en) * 2001-04-02 2002-10-10 Eikos, Inc. Polymer nanocomposites and methods of preparation
CN100489021C (zh) * 2002-07-05 2009-05-20 埃克森美孚化学专利公司 官能化的弹性体纳米复合材料
CA2489875C (en) * 2002-07-05 2011-01-04 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Functionalized elastomer nanocomposite
JP4698135B2 (ja) * 2003-09-05 2011-06-08 旭化成ケミカルズ株式会社 オレフィン系樹脂組成物
JP5415956B2 (ja) * 2007-11-09 2014-02-12 バンドー化学株式会社 伝動ベルト
JP6063688B2 (ja) * 2012-09-28 2017-01-18 ニチアス株式会社 ゴム成形体及びその製造方法
WO2014132666A1 (ja) * 2013-02-28 2014-09-04 株式会社ブリヂストン ゴム組成物、インナーライナー素材、及び、空気入りタイヤ
JP6453803B2 (ja) * 2016-04-05 2019-01-16 Jxtgエネルギー株式会社 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000159937A (ja) 2000-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5333723B2 (ja) ゴム組成物
Mohamad et al. The effect of filler on epoxidised natural rubber-alumina nanoparticles composites
JPH0236246A (ja) 高分子組成物
Mani et al. Morphology development in novel composition of thermoplastic vulcanizates based on PA12/PDMS reactive blends
JPH10324810A (ja) 樹脂複合材及びその製造方法
DE69822193T2 (de) Modifikation thermoplastischer vulkanisate mit einem thermoplastischen statistischen copolymer des äthylens
JP3384344B2 (ja) ゴム複合材料及びその製造方法
US6262175B1 (en) Thermoplastic elastomer composition
Mayasari et al. The blending of EPDM/NR with maleic anhydride as compatibilizer: comparing the effect of accelerators on cure characteristic and mechanical properties
JP3489411B2 (ja) 粘土複合材料及びその製造方法
Munusamy et al. Ethylenevinyl acetate/natural rubber/organoclay nanocomposites: effect of sulfur and peroxide vulcanization
JP3356025B2 (ja) 樹脂複合材の製造方法
CA2351474C (en) Method of producing an elastomer blend that is similar to thermoplastic elastomers, on the basis of reclaimed rubber or waste rubber
JP2000204214A (ja) 高分子複合材料
Anancharoenwong et al. Effect of silicon carbide on the properties of natural rubber blends with EPDM rubber
Mirzazadeh et al. PP/EPDM‐based thermoplastic dynamic vulcanizates with organoclay: morphology, mechanical and viscoelastic properties
Sobhy et al. The influence of fiber length and concentration on the physical properties of wheat husk fibers rubber composites
Ravisankar et al. Effect of nanoclay inclusion on mechanical and fatigue behavior of ABS/PP/HDPE thermoplastics
JP3324399B2 (ja) 粘土複合ゴム材料及びその製造方法
Haghshenas et al. The mechanical properties of PA6/NBR/clay/CaCO3 hybrid nanocomposites
Naderi Organoclay‐reinforced dynamically vulcanized thermoplastic elastomers of polyamide‐6/polyepichlorohydrin‐co‐ethylene oxide
JPH0222332A (ja) 繊維強化ゴム組成物の製造法
Alakrach et al. Use of Struktol as a compatibilizer for SMR L/EPDM blends: Cure characteristics and physical properties
JPH11181309A (ja) 樹脂複合材
Karaağaç et al. Interphase Modification and Compatibilization of Rubber Based Blends

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071227

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091227

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091227

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111227

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111227

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121227

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121227

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121227

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121227

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131227

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees