JP6063688B2 - ゴム成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム成形体及びその製造方法に関し、特に、ガスバリア性を有するゴム成形体に関する。
従来、例えば、特許文献1には、基材フィルムと、当該基材フィルムに積層され無機層状化合物と樹脂とを含有するバリア層とを有する食品包装体が記載されている。また、特許文献2には、その外側面がプラズマ処理により改質された内層と、当該改質された外側面上に化学的蒸着法(CVD)又は物理的蒸着法(PVD)により成膜された無機系酸化膜とを有する燃料・冷媒用低透過部材が記載されている。
特開平11−170425号公報 特開2009−234217号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術においては、例えば、成形体の形状の自由度が低いといった問題があった。また、特許文献2に記載の従来技術においては、製造のコストが大きく、製造工程が煩雑であるといった問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであって、優れたガスバリア性を有し、且つ汎用性が高いゴム成形体及びその製造方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るゴム成形体の製造方法は、ゴム成形体の表面に、JISK7126Aに準拠した方法により測定される前記ゴム成形体のガス透過係数を40%以上低下させる硬化処理を施すことを含むことを特徴とする。本発明によれば、優れたガスバリア性を有し、且つ汎用性が高いゴム成形体の製造方法を提供することができる。
また、前記方法において、前記硬化処理は、前記ゴム成形体の前記ガス透過係数を40%以上低下させ、且つ前記ゴム成形体の前記表面のマイクロ硬度を10ポイント以上増加させる処理であることとしてもよい。また、前記硬化処理は、前記ゴム成形体の前記表面を、酸素を含む雰囲気下で加熱する処理であることとしてもよい。また、前記硬化処理は、前記ゴム成形体の前記表面を、前記表面のマイクロ硬度が10ポイント以上増加するまで加熱する処理であることとしてもよい。
また、前記方法において、前記ゴム成形体は、基部と、前記基部に積層された被覆部とを有し、前記被覆部の表面である前記ゴム成形体の前記表面に前記硬化処理を施すこととしてもよい。また、前記ゴム成形体の前記表面を構成するゴム材料は、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るゴム成形体は、JISK7126Aに準拠した方法により測定されるガス透過係数を40%以上低下させる硬化処理が施された表面を有することを特徴とする。本発明によれば、優れたガスバリア性を有し、且つ汎用性が高いゴム成形体を提供することができる。
本発明によれば、優れたガスバリア性を有し、且つ汎用性が高いゴム成形体及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るゴム成形体の断面の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るゴム成形体の断面の他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例1において、ゴム成形体のガス透過係数及びマイクロ硬度を評価した結果の一例を示す。 本発明の一実施形態に係る実施例1において、マイクロ硬度の増加量とガス透過係数の低下率との相関関係を評価した結果の一例を示す。 本発明の一実施形態に係る実施例1において、ゴム成形体のガス透過係数を評価した結果の一例を示す。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は、本実施形態に限られるものではない。
まず、本実施形態に係るゴム成形体の製造方法(以下、「本方法」という。)について説明する。図1には、ゴム成形体1の断面の一例を示す。図2には、ゴム成形体1の断面の他の例を示す。
本方法は、ゴム成形体1の表面10に、JISK7126Aに準拠した方法により測定される当該ゴム成形体1のガス透過係数を40%以上低下させる硬化処理を施すことを含む方法である。
すなわち、本方法においては、ゴム成形体1の表面10を硬化することにより、当該ゴム成形体1のガスバリア性を当該硬化前に比べて効果的に向上させる。より具体的に、ゴム成形体1の表面10に硬化処理を施すことにより、当該表面10を構成するゴム材料を硬化させて、当該表面10を含むガスバリア層を形成する。このガスバリア層の形成によって、ゴム成形体1の全体としてのガスバリア性が向上する。
なお、硬化処理によってガス透過係数が40%以上低下するとは、次の式で算出されるガス透過係数の低下率が40%以上であることを意味する:ガス透過係数の低下率(%)={(硬化処理前のガス透過係数−硬化処理後のガス透過係数)/硬化処理前のガス透過係数}×100。
硬化処理によるガス透過係数の低下率は、40%以上であれば特に限られないが、例えば、50%以上であることとしてもよく、60%以上であることとしてもよい。
本方法において、硬化処理は、ゴム成形体1のガス透過係数を40%以上低下させ、且つ当該ゴム成形体1の表面10のマイクロ硬度を10ポイント以上増加させる処理であることとしてもよい。
すなわち、この場合、ゴム成形体1の表面10を、当該表面10のマイクロ硬度が10ポイント以上増加するよう硬化することにより、当該ゴム成形体1のガスバリア性を当該硬化前に比べて効果的に向上させる。
ゴム成形体1の表面10のマイクロ硬度を10ポイント以上増加させる硬化は、一般には劣化と評価されるような硬化である。すなわち、ゴム成形体1の表面10に、当該表面10のマイクロ硬度を10ポイント以上増加させる硬化処理を施すことにより、当該表面10を構成するゴム材料を硬化劣化させて、当該硬化劣化した表面10を含むガスバリア層を形成する。このガスバリア層の形成によって、ゴム成形体1の全体としてのガスバリア性が向上する。
硬化処理は、ゴム成形体1の表面10を上述のように硬化させ、且つ当該ゴム成形体1のガス透過係数を上述のように低下させる処理であれば特に限られず、例えば、加熱処理、エネルギー線照射処理及び化学架橋処理からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。
すなわち、硬化処理は、例えば、ゴム成形体1の表面10を、酸素を含む雰囲気下で加熱する処理であることとしてもよい。この場合、ゴム成形体1の表面10を、酸素を含む雰囲気下で加熱することにより、当該表面10に、当該ゴム成形体1のガス透過係数を40%以上低下させる硬化処理を施す。
また、例えば、ゴム成形体1の表面10を、酸素を含む雰囲気下で加熱することにより、当該表面10に、当該ゴム成形体1のガス透過係数を40%以上低下させ、且つ当該表面10のマイクロ硬度を10ポイント以上増加させる硬化処理を施すこととしてもよい。
ゴム成形体1の表面10を、酸素を含む雰囲気下で加熱する硬化処理は、当該表面10を酸化劣化させる処理であるともいえる。すなわち、ゴム成形体1の表面10を酸素と接触させた状態で、当該表面10を加熱することにより、当該表面10を構成するゴム材料の酸化劣化反応を進行させて、当該酸化劣化した表面10を含むガスバリア層を形成する。
ここで、ゴム成形体1の表面10の酸化劣化は、当該表面10の架橋密度を、当該ゴム成形体1の内部のそれに比べて増大させる。その結果、ゴム成形体1の酸化劣化した表面10は、当該ゴム成形体1の内部に比べてガスバリア性が効果的に向上する。したがって、酸化劣化した表面10を含むガスバリア層の形成によって、ゴム成形体1の全体としてのガスバリア性が向上する。
硬化処理においてゴム成形体1の表面10が接する雰囲気中の酸素濃度は、当該硬化処理による効果が得られる範囲であれば特に限られない。すなわち、酸素を含む雰囲気は、例えば、大気雰囲気であってもよい。
また、硬化処理は、例えば、ゴム成形体1の表面10を、当該表面10のマイクロ硬度が10ポイント以上増加するまで加熱する処理であることとしてもよい。この場合、加熱の条件は、ゴム成形体1の表面10のマイクロ硬度が10ポイント以上増加する範囲であれば特に限られないが、例えば、当該表面10がEPDMで構成される場合には、当該表面10を170℃で24時間以上加熱することとしてもよい。
また、例えば、ゴム成形体1の表面10を、当該表面10のマイクロ硬度が10ポイント以上増加するまで加熱することにより、当該表面10に、当該ゴム成形体1のガス透過係数を40%以上低下させる硬化処理を施すこととしてもよい。
さらに、これらの場合、硬化処理は、例えば、ゴム成形体1の表面10を、酸素を含む雰囲気下、当該表面10のマイクロ硬度が10ポイント以上増加するまで加熱する処理であることとしてもよい。
加熱温度は、ゴム成形体1の表面10のマイクロ硬度が10ポイント以上増加する範囲であれば特に限られず、当該表面10を構成するゴム材料の種類等の条件に応じて適宜決定されるが、例えば、130℃超であることとしてもよく、150℃以上であることとしてもよく、150℃超であることとしてもよい。加熱温度の上限値は、ゴム成形体1の表面10を構成するゴム材料の熱分解温度未満であって、硬化処理による効果が得られる範囲であれば特に限られない。
加熱時間は、ゴム成形体1の表面10のマイクロ硬度が10ポイント以上増加する範囲であれば特に限られず、当該表面10を構成するゴム材料の種類等の条件に応じて適宜決定されるが、例えば、10時間以上であることとしてもよく、24時間以上であることとしてもよい。加熱時間の上限値は、硬化処理による効果が得られる範囲であれば特に限られない。
より具体的に、硬化処理における加熱条件は、上述のとおりゴム成形体1の表面10のマイクロ硬度が10ポイント以上増加する範囲であれば特に限られず、当該表面10を構成するゴム材料の種類等の条件に応じて適宜決定されるが、例えば、130℃超で、10時間以上又は24時間以上であることとしてもよく、150℃以上で、10時間以上又は24時間以上であることとしてもよく、150℃超で、10時間以上又は24時間以上であることとしてもよい。
また、ゴム成形体1の表面10にエネルギー線を照射することにより硬化処理を行う場合、当該エネルギー線としては、例えば、例えば、電子線,γ線、紫外線及び可視光線からなる群より選択される1種以上を使用することとしてもよい。
また、化学架橋により硬化処理を行う場合には、当該化学架橋は、ゴム材料の架橋に用いられる方法であれば特に限られず、例えば、過酸化物架橋又は硫黄架橋が挙げられる。
ゴム成形体1の形状は、特に限られないが、例えば、板状、又は筒状であることとしてもよい。図1及び図2に示す例において、ゴム成形体1は、板状である。
ゴム成形体1の用途は、特に限られないが、当該ゴム成形体1は、例えば、シール材(例えば、Oリング)又はチューブ(例えば、ホース)であることとしてもよい。図1及び図2に示す例において、ゴム成形体1は、シール材である。ゴム成形体1がシール材である場合、当該ゴム成形体1は、例えば、自動車等の車両の燃料タンク用のシール材であることとしてもよい。
ゴム成形体1を構成するゴム材料は、上述した硬化処理による効果が得られるものであれば特に限られない。すなわち、例えば、ゴム成形体1の表面10を構成するゴム材料は、上述した硬化処理により当該ゴム成形体1のガスバリア性を向上させるもの(例えば、上述した加熱により硬化劣化するゴム材料)であれば特に限られない。
具体的に、ゴム成形体1の表面10を構成するゴム材料は、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。
図1に示す例において、ゴム成形体1は、単一種類のゴム材料から構成される成形体である。図1に示すゴム成形体1を構成するゴム材料(すなわち、ゴム成形体1の表面10を構成するゴム材料)は、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。
図2に示す例において、ゴム成形体1は、基部20と、当該基部20に積層された被覆部30とを有する成形体である。すなわち、ゴム成形体1は、例えば、第一の種類のゴム材料から構成される基部20と、当該第一の種類とは異なる第二の種類のゴム材料から構成される被覆部30とを有することとしてもよい。また、ゴム成形体1の基部20及び被覆部30は、同一種類のゴム材料から構成されることとしてもよい。
被覆部30を構成するゴム材料(すなわち、ゴム成形体1の表面10を構成するゴム材料)は、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。
ゴム成形体1が基部20及び被覆部30を有する場合、本方法においては、当該被覆部30の表面である当該ゴム成形体1の表面10に硬化処理を施す。この場合、基部20及び被覆部30を有するゴム成形体1の製造方法である本方法は、例えば、第一の種類のゴム材料から構成される成形体である当該基部20の表面に、第二の種類のゴム材料を含む液体をコーティングして当該被覆部30を形成することと、当該被覆部30の表面である当該ゴム成形体1の表面10に上述した硬化処理を施すこととを含むこととしてもよい。
また、未架橋のゴム材料から構成される被覆部30の表面に硬化処理を施すこととしてもよい。すなわち、この場合、本方法においては、例えば、第一の種類のゴム材料から構成される成形体である基部20の表面に、第二の種類の未架橋のゴム材料を含む液体をコーティングして当該被覆部30を形成することと、当該被覆部30の表面である当該未架橋のゴム成形体1の表面10に上述した硬化処理を施すこととを含むこととしてもよい。また、基部20の表面にコーティングされる、第二の種類のゴム材料を含む液体は、架橋剤を含まないこととしてもよい。
ここで、従来、例えば、ガスバリア層を構成する材料として熱可塑性樹脂、層状鉱物又は金属を用いる場合には、当該材料を基材にコーティングすることが難しかった。これに対し、本方法においては、安価な材料であるゴム材料で構成される被覆部30を、安価な方法であるコーティングによって基材20の表面に形成することにより、形状の自由度が高いゴム成形体1(例えば、Oリングや、波型形状の製品)を安価に効率よく製造することができる。
基部20を構成するゴム材料は、特に限られないが、例えば、当該基部20の表面が酸素を含む雰囲気下で加熱された場合に、当該基部20のJIS K6253(加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法)に準拠した方法で測定されるゴム硬度(DuroA)の変化が±10以内となるようなゴム材料であることとしてもよい。
また、基部20を構成するゴム材料は、例えば、当該基部20の表面が酸素を含む雰囲気下、上述したような所定の条件で加熱された場合に、当該基部20のガス透過係数の増加率が40%未満となり、且つ当該表面のマイクロ硬度の増加が10ポイント未満となるゴム材料であることとしてもよい。
具体的に、基部20を構成するゴム材料は、例えば、フッ素系ゴムであることとしてもよい。この場合、ゴム成形体1は、例えば、フッ素系ゴムで構成される基部20と、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)からなる群より選択される1種以上で構成される被覆部30とを有することとしてもよい。
被覆部30の厚さは、硬化処理による効果が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、15〜500μmであることとしてもよい。被覆部30の厚さが15μm以上であることにより、硬化処理による効果が特に確実に得られる。被覆部30の厚さが500μm以下であることにより、例えば、当該被覆部30を有するゴム成形体1を曲げた際の割れの発生といった不具合を特に確実に回避することができる。また、被覆部30は、例えば、図2に示すように、基部20より薄いこととしてもよい。
ゴム成形体1が基部20及び被覆部30を有する場合、当該ゴム成形体1は、例えば、Oリングである当該基部20と、ガスバリア層として当該基部20に積層された当該被覆部30とを有するシール材であることとしてもよい。
本実施形態に係るゴム成形体1は、上述した本方法により好ましく製造される。すなわち、ゴム成形体1は、JISK7126Aに準拠した方法により測定されるガス透過係数を40%以上低下させる硬化処理が施された表面10を有する。したがって、ゴム成形体1は、硬化処理により硬化した表面10を有し、そのガス透過係数は、当該硬化処理前に比べて40%以上低下している。
また、ゴム成形体1は、例えば、当該ゴム成形体1のガス透過係数を40%以上低下させ、且つそのマイクロ硬度を10ポイント以上増加させる硬化処理が施された表面10を有することとしてもよい。すなわち、ゴム成形体1は、硬化処理によってマイクロ硬度が10ポイント以上増加した表面10を有し、そのガス透過係数は、当該硬化処理前に比べて40%以上低下している。
また、基部20及び被覆部30を有するゴム成形体1は、上述のとおり、ゴム成形体1のガス透過係数を40%以上低下させる硬化処理が施された被覆部30の表面である表面10を有する。
ゴム成形体1が同一種類のゴム材料から構成される表面10及び内部を有する場合(当該ゴム成形体1が、単一種類のゴム材料から構成される場合、及び同一種類のゴム材料から構成される基部20及び被覆部30を有する場合)には、当該内部は、硬化処理が施される前の当該表面10と同様の特性を示す。
すなわち、この場合、ゴム成形体1の表面10のガス透過係数は、当該ゴム成形体1の内部のそれより40%以上低いこととしてもよい。具体的に、例えば、ゴム成形体1から、その硬化処理が施された表面10及びその近傍(例えば、当該表面10から15μmの深さまでの表面部分)と、その内部(例えば、当該ゴム成形体1の厚さ方向の中央部分であって、厚さが15μmの部分)とをそれぞれ切り出して、これら2つの部分のガス透過係数を測定した場合に、当該表面10部分のガス透過係数は、当該内部のそれより40%以上低くなる。
また、ゴム成形体1の表面10のマイクロ硬度は、当該ゴム成形体1の内部のそれより10ポイント以上大きいこととしてもよい。具体的に、例えば、ゴム成形体1の内部(例えば、当該ゴム成形体1の厚さ方向の中央部分であって、厚さが15μmの部分)を切り出して、切り出された当該内部の表面のマイクロ硬度を測定した場合には、当該ゴム成形体1の表面10のマイクロ硬度は、当該内部のそれより10ポイント以上大きくなる。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[ゴム成形体の製造]
まず、ゴム材料及び架橋剤を含むゴム組成物を金型内で成形することにより、硬化処理の対象となるゴム成形体を製造した。すなわち、ゴム材料としてのゴムポリマー100重量部と、架橋剤1.5重量部(1.5phr)と、充填材0重量部(0phr)、50重量部(50phr)又は100重量部(100phr)とを8インチオープンロールで混練した。
ゴムポリマーとしては、NBR(JSR N237、JSR株式会社製)、EPDM(JSR EP65、JSR株式会社製)、SBR(Nipol 1502、日本ゼオン株式会社製)又はBR(JSR BR01、JSR株式会社製)を使用した。
架橋剤としては、有機過酸化物の一種であるジクミルパーオキサイド(パークミルD、日油株式会社製)を使用した。充填材としては、カーボンブラック(サーマックスN990、キャンカーブ社製)を使用した。
混練により得られたゴム組成物を、直径100mm、厚さ0.5mmの金型に入れ、熱プレス成形(170℃、10分)を行った。こうして、直径100mm、厚さ0.5mmの板状のゴム成形体を得た。
次に、ゴム成形体の表面に硬化処理を施した。すなわち、上述のようにして製造されたゴム成形体を、恒温乾燥機(熱風循環式ギアオーブン GPHH−200、タバイ株式会社製)中、大気雰囲気下、所定温度で所定時間加熱することにより、硬化処理を行った。こうして、硬化処理が施されたゴム成形体を製造した。
[ガス透過係数の測定]
JISK7126Aに準拠した方法(差圧法)により、ゴム成形体のガス透過係数を測定した。試料としては、直径58mm、厚さ0.5mmのゴム成形体を使用した。測定装置としては、差圧式ガス・蒸気透過率測定装置(GTR−30ANI、GTRテック株式会社製)を使用した。
キャリア―ガスとしてアルゴン(Ar)ガスを使用し、テストガスとしてヘリウム(He)ガスを使用した。そして、差圧0.149MPa、試験温度30℃、ガス暴露時間15分、透過断面積15.2cmの試験条件にて、試料のガス透過係数を測定した。
ガス透過係数は、次の式により算出した:ガス透過係数[mol・m/m・sec・MPa]=(Q×L)/(S×t×ΔP)。なお、この式において、Qはヘリウムガスの透過量[mol]であり、Lは試料の厚さ[m]であり、Sは透過断面積[m]であり、tは試験時間[sec]であり、ΔPは差圧[MPa]である。
[マイクロ硬度の測定]
ゴム成形体の表面のマイクロ硬度を測定した。試料としては、直径10mm、厚さ0.5mmのゴム成形体を使用した。測定装置としては、マイクロゴム硬度計(MD−1、高分子計器株式会社製)を使用した。
そして、試験温度23℃にて、ゴム成形体の表面(直径10mmの円形表面)のマイクロ硬度を測定した。測定箇所は、500μm間隔とし、N5の中央値を評価した。
[結果]
図3には、ゴム材料の種類、充填材の含有量及び硬化処理条件(温度及び時間)が異なる複数のゴム成形体のそれぞれについて、ガス透過係数及びマイクロ硬度を測定した結果を示す。
図3に示すように、ゴム成形体に硬化処理を施すことにより、当該ゴム成形体のガス透過係数が低下することが確認された。すなわち、硬化処理が施されたゴム成形体のガス透過係数は、当該硬化処理が施されていないゴム成形体(図3の硬化処理条件において温度25℃、時間0hrのゴム成形体)のそれに比べて低下した。特に、加熱温度を高くし、及び/又は加熱時間を長くすることにより、ゴム成形体のガス透過係数の低下率が大きくなる傾向が確認された。
また、ゴム成形体に硬化処理を施すことにより、当該ゴム成形体の表面のマイクロ硬度が増加することが確認された。すなわち、硬化処理が施されたゴム成形体のマイクロ硬度は、当該硬化処理が施されていないゴム成形体のそれに比べて増加した。特に、加熱温度を高くし、及び/又は加熱時間を長くすることにより、ゴム成形体の表面のマイクロ硬度の増加量が大きくなる傾向が確認された。
図4には、ゴム成形体の表面のマイクロ硬度の変化量(ポイント)と、当該ゴム成形体のガス透過係数の低下率(%)との相関関係を示す。図4に示すように、ゴム成形体の表面のマイクロ硬度の増加量が増加するにつれて、当該ゴム成形体のガス透過係数の低下率も増加する傾向が確認された。特に、マイクロ硬度の変化量が10ポイント以上の場合には、ガス透過係数の低下率は40%以上となり、マイクロ成形体のガスバリア性が顕著に向上した。
[ゴム成形体の製造]
基部及び被覆部を有するゴム成形体を製造した。まず、基部を上述の実施例1と同様に製造した。すなわち、ゴムポリマー100重量部と、架橋剤3重量部(3phr)と、充填材20重量部(20phr)とを8インチオープンロールで混練した。
ゴムポリマーとしては、フッ素系ゴムの一種である3元系フッ素ゴム(P959、ソルベイスペシャルティポリマーズジャパン株式会社製)を使用した。架橋剤としては、トリアリルイソシアヌレート(タイク(登録商標)、日本化成株式会社製)2重量部及び2,5−Dimethyl−2,5−bis(t−butylperoxy)hexyne−3(パーヘキシン(登録商標)25B、日油株式会社製)1重量部を使用した。充填材としては、カーボンブラック(サーマックスN990、キャンカーブ社製)を使用した。
混練により得られたゴム組成物を、直径100mm、厚さ0.5mmの金型に入れ、熱プレス成形(170℃、10分)を行った。こうして、直径100mm、厚さ0.5mmのゴム成形体である基部を得た。
一方、ゴム材料を含むコーティング液を調製した。すなわち、ゴム材料としてのゴムポリマーであるEPDM(JSR EP65、JSR株式会社製)と、溶媒としてのトルエン(和光純薬工業株式会社製)とを混合することにより、当該ゴムポリマー6.5wt%を含むコーティング液を調製した。そして、基部の片面(直径100mmの表面)にコーティング液をコーティングし、乾燥させることにより、当該基部に積層された厚さ120μmの被覆部を形成した。
次に、ゴム成形体の表面に硬化処理を施した。
すなわち、上述のようにして製造された基部及び被覆部を有するゴム成形体を、恒温乾燥機(熱風循環式ギアオーブン GPHH−200、タバイ株式会社製)中、大気雰囲気下、170℃で100時間加熱することにより、硬化処理を行った。こうして、硬化処理が施されたゴム成形体を製造した。
[ガス透過係数の測定]
上述の実施例1と同様にして、JISK7126Aに準拠した方法(差圧法)により、ゴム成形体のガス透過係数を測定した。
[結果]
図5には、基部のみからなり硬化処理が施されていないゴム成形体(比較例2)と、基部及び被覆部を有し硬化処理が施されたゴム成形体(実施例2)とのそれぞれについて、ガス透過係数を測定した結果を示す。
図5に示すように、硬化処理が施されたゴム成形体(実施例2)のガス透過係数は、硬化処理が施されていないゴム成形体(比較例2)のそれに比べて顕著にて小さかった。なお、被覆部に使用したEPDMのガス透過係数は、硬化処理前において、基部に使用したフッ素系ゴムと同等であった。
1 ゴム成形体、10 表面、20 基部、30 被覆部。

Claims (6)

  1. ゴム成形体の表面に、JISK7126Aに準拠した方法により測定される前記ゴム成形体のガス透過係数を40%以上低下させる硬化処理を施すことを含み、
    前記硬化処理は、前記ゴム成形体の前記表面を、酸素を含む雰囲気下で、130℃超、熱分解温度未満で10時間以上加熱する処理であり、前記表面を酸化劣化させる
    ことを特徴とするゴム成形体の製造方法。
  2. 前記硬化処理は、前記ゴム成形体の前記ガス透過係数を40%以上低下させ、且つ前記ゴム成形体の前記表面のマイクロ硬度を10ポイント以上増加させる処理である
    ことを特徴とする請求項1に記載されたゴム成形体の製造方法。
  3. 前記硬化処理は、前記ゴム成形体の前記表面を、前記表面のマイクロ硬度が10ポイント以上増加するまで加熱する処理である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載されたゴム成形体の製造方法。
  4. 前記ゴム成形体は、基部と、前記基部に積層された被覆部とを有し、
    前記被覆部の表面である前記ゴム成形体の前記表面に前記硬化処理を施す
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載されたゴム成形体の製造方法。
  5. 前記ゴム成形体の前記表面を構成するゴム材料は、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)からなる群より選択される1種以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のゴム成形体の製造方法。
  6. 酸化劣化した表面を含むガスバリア層が形成されており、
    前記表面のJISK7126Aに準拠した方法により測定されるガス透過係数が、内部のJISK7126Aに準拠した方法により測定されるガス透過係数よりも40%以上低く、
    前記表面のマイクロ硬度が、内部のマイクロ硬度よりも10ポイント以上大きい
    ことを特徴とするゴム成形体。
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