JP2005119464A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】空気透過性を低く維持しながら、充分に軽量化された空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ最内面の表面が酸化処理された空気入りタイヤ。前記酸化処理が、フレーム処理、コロナ処理または遠紫外線照射処理であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】タイヤ最内面の表面が酸化処理された空気入りタイヤ。前記酸化処理が、フレーム処理、コロナ処理または遠紫外線照射処理であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、空気入りタイヤに関し、とりわけインナーライナーのゲージを薄くすることにより軽量化した空気入りタイヤに関する。
近年、車の低燃費化に対する社会的要請から、空気入りタイヤの転がり抵抗の低減や軽量化が図られている。例えば、転がり抵抗の低減を目的として、インナーライナーのゲージを薄くすることにより軽量化した空気入りタイヤが知られている。しかし、ゲージを薄くしたときに、空気透過性を低く維持できないという問題があった。
この問題を解決する方法として、インナーライナー用ゴム組成物に、雲母(マイカ)などを充填する方法が知られている。たとえば、特許文献1には、板状でアスペクト比が50〜100の雲母を10〜50重量部配合することにより空気透過性を低減させたインナーライナー用ゴム組成物からなる空気入りタイヤが記載されている。しかしながら、雲母などは比重が大きいことから、配合ゴムの比重が大きくなり、充分なタイヤの軽量化が見込めず、転がり抵抗の低減効果が充分でないという問題があった。
本発明は、空気透過性を低く維持しながら、充分に軽量化された空気入りタイヤを提供することにある。
本発明は、タイヤ最内層の表面が酸化処理された空気入りタイヤに関する。
前記酸化処理は、フレーム処理、コロナ処理または遠紫外線照射処理であることが好ましい。
本発明によれば、タイヤ最内層の表面を酸化処理することにより、空気透過性を低く維持しながら、充分に軽量化された空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の空気入りタイヤは、タイヤ最内層(たとえば、インナーライナー、インナーライナーがない場合は、タイヤ内部の空気にふれている面)の表面が酸化処理されている。タイヤ最内層の表面を酸化処理することで、タイヤ最内層の表面領域のゴムが硬化されることにより架橋密度が上がり、タイヤ最内層のガスバリア性が向上することで、空気透過性が低減され、タイヤ最内層のゲージを薄くすることができる。
前記タイヤ最内層は、ゴム組成物から構成される。該ゴム組成物に用いられるゴム成分としては、たとえば、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)などのジエン系ゴム、臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、ブチルゴム(IIR)などのブチル系ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などがあげられ、これらのうちの少なくとも1種であればよい。ガスバリア性を向上させるという点から、ブチル系ゴムを用いることが好ましく、ハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、CI−IIR)を用いることがとくに好ましい。
ゴム成分としてジエン系ゴムを用いる場合、ジエン系ゴムの配合量は、ゴム成分中に0〜80重量%であることが好ましく、20〜80重量%であることがより好ましい。80重量%をこえるとガスバリア性が充分でなくなる傾向がある。
さらに、前記ゴム組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、カーボンブラック、炭酸カルシウムなどの充填剤、粘着付与剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤、パラフィン系やアロマ系のプロセスオイルなどを配合することができる。
充填剤としてカーボンブラックを配合する場合、カーボンブラックの配合量は、前記ゴム成分100重量部に対して30〜80重量部であることが好ましく、35〜70重量部であることがより好ましい。カーボンブラックの配合量が30重量部未満では充分な耐久性が得られず、80重量部をこえると硬く割れやすくなる傾向がある。
プロセスオイルを配合する場合、プロセスオイルの配合量は、前記ゴム成分100重量部に対して0〜30重量部であることが好ましく、3〜25重量部であることがより好ましい。プロセスオイルの配合量が30重量部をこえると充分なガスバリア性が得られない傾向がある。
タイヤ最内層の厚さは、0.3〜2.0mmであることが好ましい。厚さが0.3mm未満ではガスバリア性が充分に得られず、2.0mmをこえると重量が大きくなりすぎる傾向がある。
前記タイヤ最内層の表面を酸化処理する方法としては、フレーム処理、コロナ処理または遠紫外線照射処理が有用である。また、これらの酸化処理をすることでタイヤの軽量化することも可能である。
フレーム処理とは、タイヤ最内層表面を直接火炎にさらすことで、タイヤ最内層表面を酸化させる処理のことである。
また、フレーム処理における処理時間は、2〜30秒間が好ましく、2〜20秒間がより好ましい。処理時間が2秒間未満では充分に酸化処理ができず、ガスバリア性が向上しない傾向があり、30秒間をこえると硬化しすぎる、あるいはタイヤ自身が発火したりする傾向がある。
コロナ処理とは、空気中に設置した電極間に高周波・高電圧を印加し、発生する電子をタイヤ最内層表面に衝突させ、二次的にオゾンや紫外線を発生させることでタイヤ最内層表面を酸化させる処理のことである。
コロナ処理における印加電圧は、5〜90kVが好ましく、10〜80kVが好ましい。印加電圧が5kV未満ではゴムが充分に酸化処理されずガスバリア性が向上しない傾向があり、90kVをこえるとゴムのダメージが大きくなる傾向がある。
遠紫外線照射処理とは、波長が250nm〜180nm、またはそれ以下のエネルギーの高い遠紫外線をタイヤ最内表面に照射することで、タイヤ最内面表面を酸化させる処理のことである。
遠紫外線照射処理における遠紫外線の波長は300〜100nmが好ましい。
また、遠紫外線照射処理における処理時間は20〜300秒間が好ましい。処理時間が20秒間未満ではゴムが充分に酸化処理されないため、ガスバリア性が向上せず、300秒間をこえるとゴムのダメージが大きくなる。
前記酸化処理によって酸化される領域は、タイヤ最内面の厚さに対して、表面から50μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。酸化領域が浅すぎるとガスバリア性の向上効果が少なく、50μmより深いと、ゴムの耐屈曲疲労性が低下する傾向がある。
表面を酸化処理することによって、タイヤ最内面の空気透過係数は、たとえば10%以上減少し得る。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに制限されるものではない。
以下に実施例および比較例で用いた材料をまとめて説明する。
天然ゴム:RSS♯3
ブチルゴム:エクソン化学(株)製のクロロブチルゴム1068
カーボンブラックGPF:東海カーボン(株)製のシーストV
ミネラルオイル:出光興産(株)製のPS−32
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
硫黄:鶴見化学(株)製の硫黄粉末
加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
天然ゴム:RSS♯3
ブチルゴム:エクソン化学(株)製のクロロブチルゴム1068
カーボンブラックGPF:東海カーボン(株)製のシーストV
ミネラルオイル:出光興産(株)製のPS−32
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
硫黄:鶴見化学(株)製の硫黄粉末
加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
表1に示す配合にしたがって、まず酸化亜鉛、硫黄、加硫促進剤CZを除く材料を、容量1.7リットルのバンバリーミキサーで混練し、ついでロールにて酸化亜鉛、硫黄、加硫促進剤CZを加えて混練し、インナーライナー用ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物を170℃で15分間加硫し、厚さ1mmのゴムシートを得た。得られたゴムシートの酸化処理を、以下の実施例および比較例において行なった。
実施例1〜3および比較例
実施礼1
ゴムシートの表面を、ガスバーナーで20秒間フレーム処理した。
実施礼1
ゴムシートの表面を、ガスバーナーで20秒間フレーム処理した。
実施例2
ゴムシートの表面を、20kVの印加電圧で、ゴムシートの表面と電極との距離を3mmにして処理した。
ゴムシートの表面を、20kVの印加電圧で、ゴムシートの表面と電極との距離を3mmにして処理した。
実施例3
ゴムシートの表面を、遠紫外線波長184.9nmおよび253.7nmの紫外線を同時に60秒間、遠紫外線処理した。
ゴムシートの表面を、遠紫外線波長184.9nmおよび253.7nmの紫外線を同時に60秒間、遠紫外線処理した。
比較例
ゴムシートに対して、表面処理を施さなかった。
実施例1〜3および比較例で得られたゴムシートを用いて以下の試験を行った。
ゴムシートに対して、表面処理を施さなかった。
実施例1〜3および比較例で得られたゴムシートを用いて以下の試験を行った。
(空気透過性)
ASTM D−1434−75M法に従い、空気透過係数を測定した。数値が小さいほど、空気透過性が低いことを示す。
ASTM D−1434−75M法に従い、空気透過係数を測定した。数値が小さいほど、空気透過性が低いことを示す。
(空気透過係数の低下率)
以下の式から上記低下率を算出した。
(空気透過係数の低下率)={(比較例における空気透過係数)−(実施例における空気透過係数)}/比較例における空気透過係数)×100
以下の式から上記低下率を算出した。
(空気透過係数の低下率)={(比較例における空気透過係数)−(実施例における空気透過係数)}/比較例における空気透過係数)×100
(タイヤ重量減少量)
以下、実施例1〜3および比較例について、195/60R15のタイヤを作製した。なお、比較例におけるタイヤ重量は8500gであった。以下の式からタイヤ重量減少量を算出した。
(タイヤ重量減少量)=(比較例におけるタイヤ重量)−(実施例におけるタイヤ重量)
以下、実施例1〜3および比較例について、195/60R15のタイヤを作製した。なお、比較例におけるタイヤ重量は8500gであった。以下の式からタイヤ重量減少量を算出した。
(タイヤ重量減少量)=(比較例におけるタイヤ重量)−(実施例におけるタイヤ重量)
それぞれの結果を表2に示す。
実施例1〜3のように酸化処理を行なうことにより、空気透過係数が大きく低下し、低下率にともない、タイヤ重量を減少させることができた。さらに、酸化処理は、タイヤ最内面から浅く施されているため、インナーライナー層全体が硬化することがなく、インナーライナー層の耐久性を低下させることがなかった。
Claims (2)
- タイヤ最内層の表面が酸化処理された空気入りタイヤ。
- 前記酸化処理がフレーム処理、コロナ処理または遠紫外線照射処理である請求項1記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003356696A JP2005119464A (ja) | 2003-10-16 | 2003-10-16 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003356696A JP2005119464A (ja) | 2003-10-16 | 2003-10-16 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005119464A true JP2005119464A (ja) | 2005-05-12 |
Family
ID=34613858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003356696A Pending JP2005119464A (ja) | 2003-10-16 | 2003-10-16 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005119464A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010069828A (ja) * | 2008-09-22 | 2010-04-02 | Bridgestone Corp | タイヤ内面処理方法及びタイヤ内面処理装置 |
JP2014070147A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Nichias Corp | ゴム成形体及びその製造方法 |
-
2003
- 2003-10-16 JP JP2003356696A patent/JP2005119464A/ja active Pending
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