JP4471339B2 - イソブチレン系重合体組成物 - Google Patents

イソブチレン系重合体組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4471339B2
JP4471339B2 JP2003297411A JP2003297411A JP4471339B2 JP 4471339 B2 JP4471339 B2 JP 4471339B2 JP 2003297411 A JP2003297411 A JP 2003297411A JP 2003297411 A JP2003297411 A JP 2003297411A JP 4471339 B2 JP4471339 B2 JP 4471339B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
isobutylene
polymer composition
isobutylene polymer
weight
clay mineral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003297411A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005068237A (ja
Inventor
務 高嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil Corp filed Critical Nippon Oil Corp
Priority to JP2003297411A priority Critical patent/JP4471339B2/ja
Publication of JP2005068237A publication Critical patent/JP2005068237A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4471339B2 publication Critical patent/JP4471339B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、特定の数平均分子量の範囲にあるイソブチレン重合体と、必要に応じて添加される特定のムーニー粘度の範囲にあるブチルゴムと、有機オニウムイオンにより有機化処理された粘土鉱物とを配合して得られる、当該粘土鉱物がナノ次元(通常は1〜数100ナノメータ)に均一分散したナノコンポジット構造のガスバリアー性に優れるイソブチレン系重合体組成物に関するものである。
イソブチレンを主原料とするゴム状重合体としては、液相低温イオン重合(フリーデルクラフツ系触媒)で得られる、イソブチレンに少量のイソプレン等のジエン系化合物を共重合させたブチルゴムおよびブチルゴムの一部をハロゲン化したもの(両者をあわせて、本発明の明細書および特許請求の範囲の記載において「ブチルゴム」という。)、および、イソブチレンの単独重合体またはイソブチレンに適宜量のブテン−1、ブテン−2等のオレフィン系化合物を共重合させたもの(本発明の明細書および特許請求の範囲の記載においてこれらを総称して「イソブチレン重合体」という。)が知られている。本発明の明細書および特許請求の範囲の記載において、ブチルゴムおよびイソブチレン重合体を総称して「イソブチレン系重合体」という。これらは、他のジエン系ゴムと比較して化学的に安定であり、またガスバリアー性に優れる。
しかしながら、これらイソブチレン系重合体のガスバリアー性に対する要求は、近年さらに高度化し、この要求に対応するために粘土鉱物を構成する層状ケイ酸塩を重合体中にナノオーダーで均一分散させる、いわゆるナノコンポジット化の研究が行われてきている。
イソブチレン系重合体中に粘土鉱物をナノオーダーで分散させたイソブチレン系重合体組成物は、ブチルゴムを中心に活発に検討されてきた。当初は、粘土鉱物と液状イソブチレン系重合体とを溶媒中で反応させてから、この液状イソブチレン系重合体組成物とブチルゴムとを混練する方法が採られていた(例えば特許文献1、特許文献2を参照)。そして、その後、粘土鉱物として有機化処理した粘土鉱物を使用して、当該粘土鉱物とブチルゴムとを直接混合してナノオーダーで分散させたゴム組成物が得られるようになった(特許文献3参照)。しかし、ガスバリアー性の特性要求はさらに高度化し、層状の粘土鉱物をナノオーダーで分散させたブチルゴム系組成物を製造すべく、官能基としてホスホニウム塩構造を有するブチルゴムと有機化処理した層状粘土鉱物とブチルゴムとを混合してナノオーダーで分散させたイソブチレン系ゴム組成物(ブチルゴム系組成物)を得る方法(特許文献4参照)、および、無水マレイン酸構造を有する液状ゴムから製造されるアンモニウム塩構造を有する液状ゴム、固体状ゴムおよび有機化処理した層状粘土鉱物とブチルゴムとを混合してナノオーダーで分散させたブチルゴム系組成物を得る方法(特許文献5参照)が提案された。しかし、特許文献4および特許文献5で提案された方法は、入手が容易ではない特定の化学修飾を施されたイソブチレン系ゴムを必須成分とする点に改良すべき問題がある。
特公平6−84456号公報 特表平8−510421号公報 米国特許第5807629号公報 特開2003−55514号公報 特開2003−55504号公報
すなわち、特定の化学修飾を施されていないイソブチレン系重合体と有機化処理された粘土鉱物から構成される、近年の要求レベルに対応可能なガスバリアー性に優れるイソブチレン系重合体組成物は提案されていない。
本発明は、市場から入手可能なイソブチレン系重合体と粘土鉱物を主原料として、ガスバリアー性に優れたナノコンポジット構造を有するイソブチレン系重合体組成物を得ることを目的としている。
本発明者は、鋭意研究の結果、イソブチレン系重合体の化学構造と数平均分子量、粘土鉱物の構造、および、有機化処理剤を特定すれば、ガスバリアー性に優れたナノコンポジット構造を有するイソブチレン系重合体組成物を得ることを見出し、本発明の完成にいたった。
本発明の第1は、数平均分子量が15万以上80万未満の範囲にあるイソブチレン重合体100重量部、および有機オニウムイオンにより有機化処理された粘土鉱物1〜100重量部からなるイソブチレン系重合体組成物において、当該イソブチレン重合体がその構成単位の80モル%以上がイソブチレンに由来するものであり、かつイソブチレンに由来する繰り返し部分構造の中の80モル%以上が下記式(1)であることを特徴とする、イソブチレン系重合体組成物に関するものである。
Figure 0004471339
本発明の第2は、の数平均分子量が15万以上80万未満の範囲にあるイソブチレン重合体5〜99重量部、ムーニー粘度ML1+8(125℃)が25〜60未満の範囲にあるブチルゴム95〜1重量部(合わせて100重量部とする。)および有機オニウムイオンにより有機化処理された粘土鉱物1〜100重量部からなるイソブチレン系重合体組成物において、当該イソブチレン重合体がその構成単位の80モル%以上がイソブチレンに由来するものであり、かつイソブチレンに由来する繰り返し部分構造の中の80モル%以上が上記式(1)であることを特徴とする、イソブチレン系重合体組成物に関するものである。
本発明の第3は、本発明の第1あるいは第2において、有機オニウムイオンが12以上100以下の炭素原子を含むことを特徴とするイソブチレン系重合体組成物に関するものである。
本発明の第4は、本発明の第1〜3において、前記イソブチレン重合体の数平均分子量が25万〜60万の範囲にあることを特徴とするイソブチレン系重合体組成物に関するものである。
本発明の第5は、本発明の第1〜4のいずれかにおいて、前記イソブチレン系重合体組成物がX線回折でケイ酸塩結晶に由来するピークが観察されない物であることを特徴とするイソブチレン系重合体組成物に関するものである。
本発明の第6は、本発明の第1〜5のいずれかに係るイソブチレン系重合体組成物を架橋してなることを特徴とする架橋イソブチレン系重合体組成物に関するものである。
本発明の第7は、本発明の第1〜6のいずれかに係るイソブチレン系重合体組成物または架橋イソブチレン系重合体組成物を含んでなることを特徴とするタイヤ用インナーライナーに関するものである。
本発明によれば、系内の粘土鉱物であるケイ酸塩層がナノオーダーで均一に分散した、ガスバリアー性に優れたイソブチレン系重合体組成物が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、数平均分子量が15万以上80万未満の範囲にある、その構成単位の80モル%以上がイソブチレンに由来するイソブチレン重合体を使用する。
さらに好ましくは、その構成単位の90モル%以上がイソブチレンに由来する重合体であると好ましく、さらに、イソブチレンに由来する繰り返し部分構造の中の50モル%以上、好ましくは、80モル%以上が下式(1)であるとさらに好ましい。
Figure 0004471339
この条件を満たすイソブチレン重合体は、ブチルゴムに対して化学安定性、耐オゾン性が、ハロゲンを含むブチルゴムに対しては加工特性が高まり、タイヤ用インナーライナーの用途に使用したときに優れた性能が得られる。また、後述する有機化処理された粘土鉱物との溶融混練時の加工性および親和性に優れ、当該粘土鉱物の分散を容易とする。
さらに、ガスバリアー性と加工特性からのバランスからは、イソブチレン重合体の数平均分子量が25万〜60万の範囲にあるものが好ましい。
イソブチレン重合体の数平均分子量が11万以下であると、タイヤのインナーライナー用途のような高度のガスバリアー性の特性が十分でなく、100万を超えると有機化処理された粘土鉱物のナノオーダーの分散が困難となることがある。
イソブチレン重合体は、市場からBASF社製のオパノール「B100」、「B120」、「B150」が入手できる。
本発明に係るイソブチレン重合体は、通常、イソブチレン単独、またはイソブチレンと適宜にブテン−1、ブテン−2、または、これらの混合物などのオレフィンを原料として、塩化アルミニウムあるいは三フッ化ホウ素等のフリーデルクラフツ系触媒でカチオン重合することで製造される。また、その製造方法は、アメリカ特許第4152499号公報、特開平10−306128号公報等に記載されている。さらに、その化学的修飾した誘導体も本発明のイソブチレン重合体に含まれるものであるが、その製造は公知の方法、例えば、米国特許3382255号公報、同国特許2908557号、および、特表平3−503783号に記載されている方法により製造できる。
本発明における粘土鉱物は、アルミニウム、マグネシウムのシート状含水酸化物と、酸化ケイ素シートとが結合した含水ケイ酸塩であり、層状構造を有するものをいう(層状粘土鉱物ともいう。)。例えばモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、あるいはスチブンサイト等のスメクタイト系粘土鉱物や、バーミキュライト、ハロイサイト等が挙げられる。これらの粘土鉱物は、天然品でも合成品でもいずれでもよい。これらも、市場から入手可能である。
粘土鉱物の陽イオン交換容量は、50〜200ミリ当量/100gである事が好ましい。この交換容量が200ミリ当量/100gより大きい場合には、粘土鉱物の層間に発生する結合力が強固であるため、層間へのイソブチレン系ゴムの挿入が困難であり、逆に、交換容量が50ミリ当量/100gより小さい場合には、本発明の有機オニウムイオンとの交換吸着が充分に行えず有機化処理の効果が十分に発揮されず、いずれの場合においても、粘土鉱物がイソブチレン系ゴム組成物中でナノオーダーで分散することが困難となり、本発明の効果を十分に得ることができない。本発明において、さらに好ましい粘土鉱物の陽イオン交換容量の値は、80〜150ミリ当量/100gである。
本発明においては、上記の粘土鉱物を炭素数12以上100以下の有機オニウムイオンによって有機化処理する。この処理は、有機オニウムイオンを粘土鉱物の層間にイオン結合することが可能な公知の方法を用いればよい。例えば、その処理方法として、有機オニウムイオンを含む水溶液中に粘土鉱物を浸漬した後に、その粘土鉱物を水洗して過剰な有機オニウムイオンを除去する方法があげられる。
有機オニウムイオンには、有機アンモニウムイオン、有機スルホニウムイオン、有機ホスホニウムイオン、ピリジニウムイオン等を用いる事ができ、化学構造上は炭素数12以上100以下であれば良い。本発明においては、有機オニウム化合物を得る方法には制限は無く、公知の方法を任意に選択すればよい。例えば、特定の塩基性有機化合物を希塩酸水溶液中に溶解させ、オニウムイオン化する方法などである。
炭素原子数が12未満の場合には、有機オニウムイオンが粘土鉱物の層間を充分に広げる事ができず、結果的にイソブチレン系ゴムの侵入が困難となる。炭素原子数が100以上の場合には、有機オニウムイオン自身が粘土鉱物の層間に侵入することが困難となる。
有機オニウムイオン化合物の具体例としては、ドデシルアンモニウムイオン、オクタデシルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、トリオクチルアンモニウムイオン、ジステアリルアンモニウムイオン、あるいはジメチルベンジルアンモニウムイオン等が挙げられる。
有機オニウムイオンの添加量は、粘土鉱物の陽イオン交換容量に依存するが、本発明においては、粘土鉱物100重量部に対して、通常は、有機オニウムイオンは0.1〜200重量部の範囲が好ましい。
有機オニウムイオンの添加量が不足した場合には、有機化処理された粘土鉱物のイソブチレン系ゴム組成物中でナノオーダーの分散をせず、過剰の場合には、粘土鉱物の有機化処理に関与しなかった有機オニウムイオンがイソブチレン系ゴム組成物表面に遊離してくるので、適宜、上記範囲で添加量を調製して所望する特性の組成物を得る。
本発明においては、イソブチレン系重合体として上記イソブチレン重合体に加えてムーニー粘度ML1+8(125℃)(以下、単に「ムーニー粘度」という。)が25以上〜60未満の範囲のブチルゴムを含ませてもよい。ただし、配合量は、最大95重量部(イソブチレン重合体とブチルゴムとを合わせて100重量部とする。)である。95重量部を超えると、有機化処理された粘土鉱物のナノオーダーの分散が困難となることがある。好ましくは、80重量部以下である。
また、ムーニー粘度が25未満であると、強度が不足することがあり、60以上であると加工特性に問題が生じることがある。ムーニー粘度が30以上〜55未満の範囲にあるものが好ましく、35〜50の範囲にあるものがさらに好ましい。これらに該当するものとしては、市場から、JSR(株)社のBUTYL「268」が入手できる。
ブチルゴムがハロゲン化ブチルゴムも本発明おいてブチルゴムに含めるものであり、その場合もムーニー粘度の範囲は上記に範囲と同様であり、市場から、JSR(株)社のCHLOROBUTYL「1068」、JSRBROMOBUTYL「2244」が入手できる。
イソブチレン系重合体組成物の強度が不足する場合には、ブチルゴムを含有させ、さらに、当該ブチルゴムを加硫する。ブチルゴムはイソブチレン系重合体全体を100重量部としたときに、95重量部まで添加できることは上述したとおりである。
本発明においては、イソブチレン系重合体100重量部に粘土鉱物1〜100重量部を配合する。配合量が1重量部以下では、改質の効果が十分でなく、100重量部を超えると加工性が損なわれることがある。上記配合量は用途に応じて決定していけばよいが、イソブチレン系重合体100重量部に対して本発明に係る有機化処理された粘土鉱物が2〜50重量部の範囲にあるものは、加工特性とガスバリア性等のバランスに優れ、タイヤのインナーライナー等の構成材料として有用である。
特に、当該溶融混練物中の粘土鉱物の含有量が5〜30重量部であり、かつX線回折でケイ酸塩結晶に由来するピークが観察されないイソブチレン系重合体組成物は、ガスバリアー性に優れ、タイヤ用インナーライナーとして優れた特性をしめす。
本発明に係るイソブチレン系重合体組成物中での粘土鉱物の分散状態は、X線回折法によりケイ酸塩結晶の[001]面に由来して検出する回折ピークの位置と強度を検出して確認する。すなわち、検出ピークが低角度側にシフトするか、検出ピークが消失する場合にナノオーダー分散状態が生じていると判断する。
なお、本発明の実施態様である後述する実施例においては、検出結果が後者のパターンであるところから、粘土鉱物の層間への挿入よりも結晶の崩壊の方が優勢に生じて、粘土鉱物がイソブチレン系重合体の分子運動を有効に抑制していると考えられる。本発明者は、当該分散状態が、本発明に係るイソブチレン系重合体組成物が優れたガスバリアー性の発揮に大きく関係しているものと考えている。
本発明に係るイソブチレン系重合体組成物は、公知の樹脂加工機(例えば、単軸溶融混練機、2軸溶融混練機等)、あるいは、公知のゴム用加工機器(例えば、ロール、密閉型加圧ニーダー、ニーダールーダー、ブラベダーミキサー、バンバリーミキサー等)で、イソブチレン系重合体と本発明に係る粘土鉱物とを混練することにより、製造することができる。
本発明に係るイソブチレン系重合体組成物は、その用途応じて特性の調製が可能であるが、加工特性や強度等の調整においては、数平均分子量10万以下のイソブチレン系重合体や数平均分子量1万以下の液状ポリイソブチレン、および、これらに官能基を導入した変性物、あるいは、ブチルゴム以外のゴム、例えば、天然ゴム(NR),ブタジエンゴム(BR)イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等を添加する調製が好ましい。なお、上記ゴムは必要に応じて(共)加硫する。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の高分子材料、公知の充填剤、難燃剤、顔料、染料、酸化防止剤、帯電防止剤、耐候剤、滑剤、離型剤等の添加材も適宜配合することができる。これらは単独又は2種以上混合して任意の量を組み合わせて使用することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
表1中のイソブチレン重合体、ブチルゴム、粘土鉱物、有機化処理剤、架橋系を構成する化合物等はすべて市販品であり、本実施例においては、これらをそのまま使用した。また、数平均分子量およびムーニー粘度は、それぞれ、BASF社、JSR社のカタログ記載値である。
「クニピアF」は、クニミネ工業(株)製の、陽イオン交換容量は119ミリ当量/100gである層状粘土鉱物Na型モンモリロナイトである。「クニピアF」の12−アミノドデカン酸による有機化処理品は、本発明者が、希塩酸水溶液中に「クニピアF」を加えて60℃で90分間攪拌した後、水洗乾燥して製造したものである。「クニピアF」のジメチルオクタデシルによる有機化処理品、ジメチルベンジルによる有機化処理品は、それぞれ、株式会社ホージュン製の「SBEN−NX」(商品名)、「SBEN−NZ」(商品名)を市場から入手し、そのまま使用した。
[実施例1〜6、比較例1〜2]
<イソブチレン系ゴム組成物の製造>
加硫系を除く、イソブチレン重合体、ブチルゴム、および、粘土鉱物を、表2に示す所定の重量部で配合し、チャンバー温度を70℃に設定した密閉型加圧ニーダーに投入して混練を開始した。被混練物の温度が150℃を超えたときに混練を終了して、イソブチレン系重合体組成物を得て、X線回折によるナノオーダー分散度評価を行った。
次に、上記イソブチレン系重合体組成物を、所定の加硫系および芳香族系ピロセスオイルを添加した後、スチーム保温ロールで混練してシート状とし、加硫系を含むイソブチレン系ゴム組成物は、その後、160℃×20分でプレス加硫して、酸素ガス透過試験を行った。
<組成物の物性評価>
上記実験で得られた組成物について、以下に示す評価方法により、X線回折による分散度評価および酸素透過度によるガスバリア性評価を行った。その評価結果を表1に示した。
1)X線回折によるナノオーダー分散度評価
前述のX線回折法において、ケイ酸塩結晶に由来するピークが消失した場合を○、それ以外を場合は×と表記した。
2)ガスバリアー性(耐酸素透過性)
ASTM D−3985 (JIS K−7126B)の方法に準拠した酸素透過試験を200±10μ厚みのシートで実施した。その結果の逆数を相対指数で比較して、ガスバリアー性の優劣を求めた。(表1中では、数値が大きいものほどガスバリアー性が優れている。)
Figure 0004471339
表1に示す評価結果から明らかなように、本発明によるイソブチレン系重合体組成物は、組成物中の粘土鉱物を構成するケイ酸塩層が均一に分散したものであり、その特性に起因して、優れたガスバリアー性を有することが判明した。
本発明に係るイソブチレン系重合体組成物は、ガスバリアー性に優れ、各種工業用途、特に、タイヤ用インナーライナーの構成材料として有用である。

Claims (7)

  1. 数平均分子量が15万以上80万未満の範囲にあるイソブチレン重合体100重量部、および有機オニウムイオンにより有機化処理された粘土鉱物1〜100重量部からなるイソブチレン系重合体組成物において、当該イソブチレン重合体がその構成単位の80モル%以上がイソブチレンに由来するものであり、かつイソブチレンに由来する繰り返し部分構造の中の80モル%以上が下記式(1)であることを特徴とする、イソブチレン系重合体組成物。
    Figure 0004471339
  2. 数平均分子量が15万以上80万未満の範囲にあるイソブチレン重合体5〜99重量部、ムーニー粘度ML1+8(125℃)が25〜60未満の範囲にあるブチルゴム95〜1重量部(合わせて100重量部とする。)および有機オニウムイオンにより有機化処理された粘土鉱物1〜100重量部からなるイソブチレン系重合体組成物において、当該イソブチレン重合体がその構成単位の80モル%以上がイソブチレンに由来するものであり、かつイソブチレンに由来する繰り返し部分構造の中の80モル%以上が上記式(1)であることを特徴とする、イソブチレン系重合体組成物
  3. 有機オニウムイオンが12以上100以下の炭素原子を含むことを特徴とする請求項1あるいは2に記載のイソブチレン系重合体組成物。
  4. 前記イソブチレン重合体の数平均分子量が25万〜60万の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3に記載のイソブチレン系重合体組成物。
  5. 前記イソブチレン系重合体組成物がX線回折でケイ酸塩結晶に由来するピークが観察されない物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のイソブチレン系重合体組成物。
  6. 請求項1〜5項のいずれかに記載されるイソブチレン系重合体組成物を架橋してなることを特徴とする架橋イソブチレン系重合体組成物。
  7. 請求項1〜6項のいずれかに記載されるイソブチレン系重合体組成物または架橋イソブチレン系重合体組成物を含んでなることを特徴とするタイヤ用インナーライナー。
JP2003297411A 2003-08-21 2003-08-21 イソブチレン系重合体組成物 Expired - Lifetime JP4471339B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003297411A JP4471339B2 (ja) 2003-08-21 2003-08-21 イソブチレン系重合体組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003297411A JP4471339B2 (ja) 2003-08-21 2003-08-21 イソブチレン系重合体組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005068237A JP2005068237A (ja) 2005-03-17
JP4471339B2 true JP4471339B2 (ja) 2010-06-02

Family

ID=34403276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003297411A Expired - Lifetime JP4471339B2 (ja) 2003-08-21 2003-08-21 イソブチレン系重合体組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4471339B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006332431A (ja) * 2005-05-27 2006-12-07 Tdk Corp ゴム磁石及びその製造方法
CA2593510A1 (en) * 2006-08-24 2008-02-24 Lanxess Inc. Butyl adhesive containing maleic anhydride and optional nanoclay
US8461240B2 (en) * 2010-04-30 2013-06-11 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Elastomeric nanocomposites, nanocomposite compositions, and methods of manufacture
ITRM20130372A1 (it) * 2013-06-27 2014-12-28 Bridgestone Corp Strato barriera contro l'emissione di idrocarburi da un pneumatico

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005068237A (ja) 2005-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5372373B2 (ja) エラストマー物品用バリヤー層
JP5017108B2 (ja) 高分子ナノ複合物
EP1954755B1 (en) Elastomer nanocomposites comprising isobutylene and multifunctional oligomers
US8048947B2 (en) Nanocomposites and methods for making the same
CA2614911C (en) Split-stream process for making nanocomposites
JP4951526B2 (ja) 加工可能な充填硬化性ハロゲン化イソオレフィン・エラストマー
CA2770878C (en) Elastomeric copolymers, copolymer compositions, and their use in articles
CN105175754B (zh) 聚合物-粘土纳米复合材料及其制备方法
CA2490248C (en) Functionalized elastomer nanocomposite
US7767743B2 (en) Processable branched isoolefin-alkylstyrene elastomers
JP2012501369A (ja) 脂肪族樹脂を含む気体バリア
WO2007117374A1 (en) Butyl nanocomposite via low mw elastomer pre-blend
JP2004277699A (ja) 充填剤を含むブチルエラストマー組成物
JP4471339B2 (ja) イソブチレン系重合体組成物
JP2000204214A (ja) 高分子複合材料
JPH0684456B2 (ja) ゴム組成物
JP4366144B2 (ja) イソブチレン系オリゴマー組成物
JP7532528B2 (ja) 向上した透過性特性を有するインナーライナ
JP2005036043A (ja) ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ用インナーライナー
JP2004224809A (ja) インナーライナー用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060811

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061020

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061229

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090421

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091023

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20091105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100202

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100301

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4471339

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term